JP2003049159A - テクスチャー加工用組成物及びそれを用いたメモリーハードディスクの製造方法 - Google Patents

テクスチャー加工用組成物及びそれを用いたメモリーハードディスクの製造方法

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JP2003049159A
JP2003049159A JP2001234956A JP2001234956A JP2003049159A JP 2003049159 A JP2003049159 A JP 2003049159A JP 2001234956 A JP2001234956 A JP 2001234956A JP 2001234956 A JP2001234956 A JP 2001234956A JP 2003049159 A JP2003049159 A JP 2003049159A
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acid
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hard disk
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Tomohide Kamiya
知秀 神谷
Hisaki Owaki
寿樹 大脇
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Fujimi Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた加工力を維持しつつ、テクスチャー加
工後のサブストレートにおける表面欠陥の発生を抑制す
ることができるテクスチャー加工用組成物及びそれを用
いたメモリーハードディスクの製造方法を提供する。 【解決手段】 テクスチャー加工用組成物には、研磨
材、有機酸及び水が含まれる。そして、このテクスチャ
ー加工用組成物を用いてメモリーハードディスク用の基
盤(サブストレート)表面に所定の筋目を形成する工程
を経てメモリーハードディスクは製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリーハードデ
ィスク(磁気ディスク)用の基盤表面に所定の筋目を形
成するテクスチャー加工で用いられるテクスチャー加工
用組成物及びそれを用いたメモリーハードディスクの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メモリーハードディスクの表面に対する
磁気ヘッドの吸着の防止及びメモリーハードディスクの
磁気特性の向上を目的に、通常、メモリーハードディス
ク用の基盤(以下、「メモリーハードディスク用の基
盤」を「サブストレート」という。)表面にはメモリー
ハードディスクの回転方向に沿った同心円状の筋目が形
成されている。
【0003】このような筋目をサブストレート表面に形
成するテクスチャー加工で用いられるテクスチャー加工
用組成物としては、例えば特開平6−33042号公報
や特開平8−249653号公報に開示されるものが従
来知られている。すなわち特開平6−33042号公報
には、炭素数2〜5の二価アルコール、エチレングリコ
ール又はプロピレングリコール重合物を分散媒とし、ダ
イヤモンド、炭化ケイ素、酸化アルミニウムの砥粒を分
散させて得られる「テクスチャリング用研磨組成物」が
開示されている。また特開平8−249653号公報に
は、界面活性剤及びアルカノールアミンを含有してなる
「Ni系メッキ基板テクスチャー加工用水溶性油剤組成
物」が開示されている。これらのテクスチャー加工用組
成物はいずれも高い加工力を有し、これらテクスチャー
加工用組成物を用いることによって均一な筋目をサブス
トレート表面に形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のメモ
リーハードディスクの高容量化に伴って、メモリーハー
ドディスクの表面と磁気ヘッドの間の距離、すなわちヘ
ッド浮上高はますます低くなっており、現在では0.0
2μm以下にまで及んでいる。このため、テクスチャー
加工後のサブストレート表面に求められる精度は極めて
厳しいものとなっている。すなわち、表面欠陥の少ない
サブストレートが得られるようなテクスチャー加工用組
成物が求められている。しかしながら、上記した従来の
テクスチャー加工用組成物では、その要求に十分にこた
えられないのが現状である。
【0005】なお、表面欠陥とは、サブストレート表面
の突起及びバリを含む概念である。突起とは研磨材や切
粉がサブストレート表面に付着したものであり、バリと
は研磨材などの引掻きによってサブストレート表面がめ
くれたものである。
【0006】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、優れた加工力を維持しつつ、テクスチャー
加工後のサブストレートにおける表面欠陥の発生を抑制
することができるテクスチャー加工用組成物及びそれを
用いたメモリーハードディスクの製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、メモリーハードディス
ク用の基盤表面に所定の筋目を形成するテクスチャー加
工で用いられるテクスチャー加工用組成物であって、研
磨材、有機酸及び水を含むことを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のテクスチャー加工用組成物において、前記研磨材が多
結晶ダイヤモンドであることを要旨とする。請求項3に
記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のテクスチ
ャー加工用組成物において、前記有機酸が、リンゴ酸、
マレイン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、
マロン酸、グリコール酸、グルコン酸、アジピン酸、ア
スコルビン酸、イタコン酸、酒石酸、アクリル酸、クロ
トン酸、ニコチン酸、シトラコン酸、イミノジ酢酸、グ
リオキシル酸及びアミノ酸より選ばれる少なくとも一種
であることを要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のテクスチャー加工用組成物において、前記有機酸がコ
ハク酸であることを要旨とする。請求項5に記載の発明
は、請求項3に記載のテクスチャー加工用組成物におい
て、前記アミノ酸が、グリシン、アラニン、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイ
ン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、
チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギ
ニン及びヒスチジンより選ばれる少なくとも一種である
ことを要旨とする。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のテクスチャー加工用組成物において、前記アミノ酸
が、バリン、ロイシン、システイン、メチオニン、フェ
ニルアラニン、グルタミン、アスパラギン及びヒスチジ
ンより選ばれる少なくとも一種であることを要旨とす
る。
【0011】請求項7に記載の発明は、請求項1から請
求項6のいずれか一項に記載のテクスチャー加工用組成
物において、さらに、モリブデン酸塩を含むことを要旨
とする。
【0012】請求項8に記載の発明は、請求項1から請
求項7のいずれか一項に記載のテクスチャー加工用組成
物において、さらに、ベンゾトリアゾール及びその誘導
体より選ばれる少なくとも一種を含むことを要旨とす
る。
【0013】請求項9に記載の発明は、請求項1から請
求項8のいずれか一項に記載のテクスチャー加工用組成
物を用いてメモリーハードディスク用の基盤表面に所定
の筋目を形成する工程を含むことを要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について説明する。本実施形態におけるテクスチャー
加工用組成物は、研磨材、有機酸及び水から構成されて
いる。
【0015】<研磨材>研磨材は、テクスチャー加工用
組成物において機械的作用によりサブストレート表面に
筋目を形成する役割を担っている。研磨材の具体例とし
ては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)、酸
化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が挙げられ
る。その中でも、硬度が高く加工力に優れる点でダイヤ
モンドが好ましい。これら研磨材は二種以上を混合して
用いても単一で用いてもよい。
【0016】ここで、研磨材の具体例として挙げたダイ
ヤモンド、CBN、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、炭
化ケイ素についてさらに説明する。ダイヤモンドは、単
結晶ダイヤモンドと多結晶ダイヤモンドに大別される
が、テクスチャー加工後のサブストレートにおける表面
欠陥の発生の抑制に効果が高いことから単結晶ダイヤモ
ンドよりも多結晶ダイヤモンドの方が好ましい。またダ
イヤモンドには天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドが
あるが、サブミクロンオーダーの微粒子において特に加
工力及び強度に優れることから天然ダイヤモンドよりも
合成ダイヤモンドの方が好ましい。合成ダイヤモンドの
製造方法には、高温高圧の金属溶媒中でグラファイトか
ら製造する静的超高圧法(静圧法)と呼ばれる方法、爆
発による高温高圧を利用した動的超高圧法(衝撃法)と
呼ばれる方法、金属をバインダとして単結晶ダイヤモン
ドの微粒子を固めたものを超高圧焼結して焼結多結晶ダ
イヤモンドを製造する焼結法と呼ばれる方法が知られて
いる。ダイヤモンドを研磨材として用いる場合には、形
態・製法の異なる複数種類のものを組み合わせて用いて
もよいし、その複数種類のものの中から選ばれる一種を
単独で用いてもよい。
【0017】CBNは、研磨材として先に例示したもの
の中でダイヤモンドに次いで硬度が高く加工力も高い。
このため、研磨材としてCBNを用いることによっても
テクスチャー加工用組成物の加工力の向上を図ることが
できる。ちなみにCBNの製造方法には、高温・高圧の
金属溶媒中で六方晶型窒化ホウ素(hBN)から製造す
る静的超高圧法(静圧法)が知られている。
【0018】酸化アルミニウムには、α−アルミナ、δ
−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、非晶質アル
ミナ等、形態的に異なるものがあるが、その中でも特に
硬度の高いα−アルミナ、あるいはα−アルミナを主成
分とするものが研磨材として好ましい。酸化アルミニウ
ムの製造方法には、水酸化アルミニウム等のアルミニウ
ム化合物を焼結する方法、焼結したものをさらに溶融す
る方法等が知られている。酸化アルミニウムを研磨材と
して用いる場合も、形態・製法の異なる複数種類のもの
を組み合わせて用いてもよいし、その複数種類のものの
中から選ばれる一種を単独で用いてもよい。
【0019】窒化ケイ素には、α−窒化ケイ素、β−窒
化ケイ素等、形態的に異なるものがあり、一般にα−窒
化ケイ素は粉砕により微粒子が得やすく、β−窒化ケイ
素は硬度が高いとされている。窒化ケイ素の製造方法に
は、酸化ケイ素と炭素粉末を窒素ガス中にて還元する方
法や、金属ケイ素を直接窒素ガス中で加熱する方法、四
塩化ケイ素とアンモニアの反応による方法(イミド分解
法)等が知られている。窒化ケイ素を研磨材として用い
る場合も、形態・製法の異なる複数種類のものを組み合
わせて用いてもよいし、その複数種類のものの中から選
ばれる一種を単独で用いてもよい。
【0020】炭化ケイ素には、α−炭化ケイ素、β−炭
化ケイ素等、形態的に異なるものがあり、一般に研磨材
として使用されているGC(緑色炭化ケイ素)、C(黒
色炭化ケイ素)はα−炭化ケイ素である。炭化ケイ素の
製造方法には、酸化ケイ素を炭素で還元する方法、金属
ケイ素と炭素を直接反応させる方法等が知られている。
炭化ケイ素を研磨材として用いる場合も、形態・製法の
異なる複数種類のものを組み合わせて用いてもよいし、
その複数種類のものの中から選ばれる一種を単独で用い
てもよい。
【0021】研磨材の粒径は、研磨材がダイヤモンドで
ある場合は、Microtrack UPAによって測定される平均粒
子サイズ(D50)で1μm以下が好ましく、0.05
〜0.5μmがより好ましく、0.08〜0.2μmが
特に好ましい。また研磨材がCBN、酸化アルミニウ
ム、窒化ケイ素又は炭化ケイ素である場合は、同じく平
均粒子サイズで1μm以下が好ましく、0.1〜0.7
μmがさらに好ましく、0.2〜0.5μmが特に好ま
しい。研磨材の平均粒子サイズが過度に大きいと、テク
スチャー加工後のサブストレートにおける表面欠陥の発
生が十分に抑制されない場合があるほか、同サブストレ
ートの表面粗さが大きくなることがある。逆に過度に小
さいと、テクスチャー加工用組成物の加工力が不十分と
なるために、所定のテクスチャー加工に要する時間が長
大化するとともに所定のテクスチャー加工で消費される
テクスチャー加工用組成物の量も増大し、その結果経済
的に不利となる。また、テクスチャー加工後のサブスト
レートにおける表面欠陥の発生の抑制及び表面粗さの低
減のためには、研磨材は粒径3μm以上の粗大粒子を含
まないことが好ましい。
【0022】テクスチャー加工用組成物に含まれる研磨
材の量は、研磨材がダイヤモンドである場合は、テクス
チャー加工用組成物の0.001〜5重量%が好まし
く、0.002〜3重量%がより好ましく、0.01〜
0.5重量%が特に好ましい。また、研磨材がCBN、
酸化アルミニウム、窒化ケイ素又は炭化ケイ素である場
合は、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5
重量%がより好ましく、0.1〜3重量%が特に好まし
い。研磨材の含有量を上記範囲とすれば、優れた加工力
を維持しつつ分散性及び粘度の適正化を図ることができ
る。
【0023】<有機酸>有機酸は、テクスチャー加工用
組成物において化学的作用によりサブストレート表面に
筋目を形成する補助的な役割を担っている。有機酸とし
ては、入手が容易で安価なことから、リンゴ酸、マレイ
ン酸、乳酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、マロン
酸、グリコール酸、グルコン酸、アジピン酸、アスコル
ビン酸、イタコン酸、酒石酸、アクリル酸、クロトン
酸、ニコチン酸、シトラコン酸、イミノジ酢酸、グリオ
キシル酸及びアミノ酸より選ばれる少なくとも一種が好
ましい。
【0024】その中でもテクスチャー加工用組成物のp
Hを容易に適正化できることから、α−アミノ酸、具体
的にはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニ
ン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プ
ロリン、シスチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン及びヒス
チジンより選ばれる少なくとも一種が好ましい。さらに
その中でもテクスチャー加工後のサブストレートにおけ
る表面欠陥(特に突起)の発生を効果的に抑制できるこ
とから、バリン、ロイシン、システイン、メチオニン、
フェニルアラニン、グルタミン、アスパラギン及びヒス
チジンより選ばれる少なくとも一種が好ましい。さらに
その中でもテクスチャー加工後のサブストレートにおけ
る表面欠陥(特に突起)の発生を特に効果的に抑制でき
ることから、システイン、メチオニン、フェニルアラニ
ン及びヒスチジンより選ばれる少なくとも一種が特に好
ましい。
【0025】一方、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、酢
酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸、グリコール
酸、グルコン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、イタコ
ン酸、酒石酸、アクリル酸、クロトン酸、ニコチン酸、
シトラコン酸、イミノジ酢酸及びグリオキシル酸は、テ
クスチャー加工用組成物の加工力を向上させることがで
きる点で好ましい。その中でも特に加工力が高いことか
らコハク酸が特に好ましい。
【0026】テクスチャー加工用組成物に含まれる有機
酸の量は、テクスチャー加工用組成物の0.001〜5
重量%が好ましく、0.01〜3重量%がより好まし
い。有機酸の含有量を上記範囲とすれば、優れた加工力
を維持しつつテクスチャー加工後のサブストレートにお
ける表面欠陥の発生を抑制することができる。
【0027】<水>水は、テクスチャー加工用組成物に
おいて研磨材の分散媒及び有機酸の溶媒としての役割を
担っている。不純物をできるだけ含まないものが好まし
く、具体的にはイオン交換水をフィルターろ過したも
の、あるいは蒸留水が好ましい。
【0028】<テクスチャー加工用組成物>本実施形態
におけるテクスチャー加工用組成物は、上記した研磨
材、有機酸及び水を混合分散して調製される。混合分散
の方法は任意であり、例えば翼式撹押機による撹拌、超
音波分散などが挙げられる。また研磨材、有機酸及び水
の混合順序も任意であり、全てを同時に混合してもよい
し、いずれかを後から混合してもよい。
【0029】またテクスチャー加工用組成物のpHは2
以上8未満が好ましい。pHを上記範囲とすれば、加工
力の向上と同時にテクスチャー加工に用いるマシン等の
機器の腐食低減を図ることもできる。従って、テクスチ
ャー加工用組成物のpHが2を下回る場合、または8以
上である場合は、アルカリや酸の添加によりpHを上記
範囲に調整することが好ましい。
【0030】<メモリーハードディスクの製造方法>メ
モリーハードディスクを製造する場合には、まずブラン
ク材の表面に下地膜が形成されてなるサブストレートの
表面を研磨加工する。次に、上記したテクスチャー加工
用組成物を用いて、サブストレートの表面にメモリーハ
ードディスクの回転方向に沿った同心円状の筋目を形成
する、すなわちサブストレート表面をテクスチャー加工
する。こうして筋目の形成されたサブストレート表面に
磁性膜及び保護膜を順次形成することによりメモリーハ
ードディスクは製造される。
【0031】テクスチャー加工の対象となるサブストレ
ートとしては、例えばNi−Pディスク、Ni−Feデ
ィスク、ボロンカーバイドディスク、カーボンディスク
等があげられるが、アルミニウム、アルミニウム合金等
からなるブランク材の表面にNi−Pの無電解メッキを
施したNi−Pディスクが特に好ましい。
【0032】また、上記したテクスチャー加工用組成物
が用いられる限り、従来のいかなるテクスチャー加工方
法や条件と組み合わせてもよい。例えば、テクスチャー
テープとしては、スウェードタイプ、織布タイプ、不織
布タイプ、植毛布タイプ、起毛タイプ等いずれを用いて
もよい。
【0033】テクスチャー加工をより効率的に行うため
には、光学式表面粗さ計で測定されるテクスチャー加工
前のサブストレートの表面粗さ(Ra)が5Å以下であ
ることが好ましい。
【0034】本実施形態によって得られる効果につい
て、以下に記載する。 ・ 本実施形態のテクスチャー加工用組成物によれば、
優れた加工力を発揮することができる。これは、テクス
チャー加工の際に研磨材による機械的な加工と有機酸に
よる化学的な加工とが相俟って働くためと推測される。
【0035】・ 本実施形態のテクスチャー加工用組成
物によれば、テクスチャー加工後のサブストレートにお
ける表面欠陥の発生を抑制することができる。これは、
有機酸が研磨材及び切粉の表面に作用して、研磨材及び
切粉のサブストレート表面への付着や引掻きが抑制され
るためと推測される。
【0036】・ 特開平6−33042号公報に開示さ
れた「テクスチャリング用研磨組成物」にはエチレング
リコールやプロピレングリコールが含まれているので、
化学的酸素要求量(COD)、生物化学的酸素要求量
(BOD)の観点から廃液の処理が困難であった。それ
に対して本実施形態のテクスチャー加工用組成物は、エ
チレングリコールやプロピレングリコールを含まないの
で、廃液の処理が容易である。
【0037】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ テクスチャー加工用組成物を研磨材、有機酸及び水
以外の成分を含む構成としてもよい。
【0038】例えば、モリブデン酸塩、ベンゾトリアゾ
ール及びベンゾトリアゾールの誘導体より選ばれる少な
くとも一種を含む構成としてもよい。この構成によれ
ば、サブストレートの表面に保護膜が形成されることに
よって、テクスチャー加工の際にサブストレートに表面
欠陥が発生するのを効果的に抑制することができる。
【0039】モリブデン酸塩の具体例としては、モリブ
デン酸アンモニウム、モリブデン酸リチウム、モリブデ
ン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム等が挙げられ
る。テクスチャー加工用組成物に含まれるモリブデン酸
塩の量は、テクスチャー加工用組成物の2重量%以下が
好ましく、0.001〜1重量%がより好ましく、0.
003〜0.1重量%が特に好ましい。モリブデン酸塩
の含有量が過少であると表面欠陥の発生を抑制する効果
が十分に発揮されない。逆に過多であると、研磨材の凝
集が起こり、凝集した研磨材によってサブストレート表
面にバリ等の表面欠陥が生じることがある。
【0040】ベンゾトリアゾール誘導体の具体例として
は、ベンゾイミダゾ−ル、トリアゾール、イミダゾー
ル、トリルトリアゾール等が挙げられる。テクスチャー
加工用組成物に含まれるベンゾトリアゾール及びその誘
導体の量は、テクスチャー加工用組成物の2重量%以下
が好ましく、0.001〜1重量%が好ましく、0.0
03〜0.1重量%が特に好ましい。ベンゾトリアゾー
ル及びその誘導体の含有量が過少であると、表面欠陥の
発生を抑制する効果が十分に発揮されない。逆に過多で
あると、研磨材の表面状態に影響を及ぼして十分な加工
力を得られない。また、溶解が不十分となったり、たと
え一旦は完全に溶解したとしても低温下など保存時にお
いて析出したりすることがある。
【0041】・ テクスチャー加工用組成物を比較的高
濃度の原液として調製し、テクスチャー加工に用いると
きに水で希釈して使用するようにしてもよい。このよう
に構成すれば、貯蔵時・輸送時の取扱性を向上させるこ
とができる。
【0042】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。実施例1〜38では、イオン交
換水と下記表1に示す研磨材、有機酸及びその他の成分
を混合してテクスチャー加工用組成物を調製した。また
比較例1〜5では、イオン交換水と下記表2に示す研磨
材及びその他の成分を混合してテクスチャー加工用組成
物を調製した。ただし比較例5のテクスチャー加工用組
成物はイオン交換水を含まない。なお、表1及び表2に
おける「P−DIA」は多結晶ダイヤモンド、「M−D
IA」は単結晶ダイヤモンド、「PG」はプロピレング
リコール、「BTA」はベンゾトリアゾール、「Mo
A」はモリブデン酸アンモニウムを表す。
【0043】こうして得られた各テクスチャー加工用組
成物について、pHを測定するとともに以下の4項目に
関して評価した。その結果を下記の表1及び表2に示
す。 <加工力>各例のテクスチャー加工用組成物を用いて、
無電解Ni−Pディスク(3.5″φ)の表面(表裏両
面)をテクスチャー加工した。テクスチャー加工の前後
でサブストレートの重量を測定し、その差(重量減)を
求めた。そして、重量減が1.5mg以上のものを◎、
1.0mg以上1.5mg未満のものを○、0.5mg
以上1.0mg未満のものを△、0.5mg未満のもの
を×と4段階で評価した。ただし、各例とも5つのサン
プルについて重量減を測定し、その平均値で評価を行っ
た。なお、テクスチャー加工のその他の条件は次の通り
である。
【0044】マシン:EDC−1800A(EDC社
(米国)製) テクスチャーテープ:CYD−1101(千代田株式会
社製) テープテンション:3.3lbs(約1.5kg) テープスピード:2.0cm/min ローラー荷重:4.4lbs(約2.0kg) ローラー硬度:60度(デュロメータ硬度:JIS K 6253
-1997による) オシレーション:0.5Hz オシレーション幅:±1.5mm 回転数:450rpm 組成物供給量:0.05cc/秒 加工時間:60秒 <表面粗さ>Chapman MP2000 +(Ch
apman社(米国)製:対物レンズ50倍、カットオ
フ25μm、測定長3mm)を使用し、テクスチャー加
工後のサブストレートの表面粗さ(Ra)を測定した。
Raが1.5Å未満のものを◎、1.5Å以上2.5Å
未満のものを○、2.5Å以上3.5Å未満のものを
△、3.5Å以上のものを×と評価した。ちなみにテク
スチャー加工前のサブストレートのRaは0.7Åであ
った。
【0045】<突起>テクスチャー加工後のサブストレ
ート表面を、顕微鏡(MX50A−633MU:オリン
パス光学株式会社製)を使って倍率100倍で微分干渉
・暗視野双方により観察した。微分干渉・暗視野いずれ
の観察においても突起が見られなかったものを○、微分
干渉での観察においては突起が見られなかったが、暗視
野においてはいくらかの突起が観察されたものを△、微
分干渉・暗視野いずれにおいても突起が観察されたもの
を×と評価した。ただし各例とも5つのサンプルについ
て1サンプルにつき表裏各4点ずつ、合計40点を観察
した。
【0046】<分散性>直径6cmの円筒形のポリプロ
ピレン製容器に各例のテクスチャー加工用組成物を25
0cc入れ、容器を振って組成物を均一に分散させてか
ら静置し、24時間経過した後のテクスチャー加工用組
成物の状態を確認した。沈殿が見られなかったものを
○、沈殿が見られたが、容易に再分散可能であったもの
を△、再分散が困難な沈殿が見られたものを×と評価し
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】 表1及び表2に示すように、実施例のテクスチャー加工
用組成物は、加工力及び突起のいずれも良好(◎又は
○)な評価が得られた。加えて、表面粗さ及び分散性の
評価も良好(◎又は○)であった。それに対し比較例の
テクスチャー加工用組成物は、加工力及び突起のいずれ
かで不良(△又は×)と評価された。
【0049】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記アミノ酸がシステイン、メチオニン、フェニル
アラニン及びヒスチジンより選ばれる少なくとも一種で
あることを特徴とする請求項6に記載のテクスチャー加
工用組成物。この構成によれば、テクスチャー加工後の
サブストレートにおける表面欠陥(特に突起)の発生を
特に効果的に抑制することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、優れた加工力を維持し
つつ、テクスチャー加工後のサブストレートにおける表
面欠陥の発生を抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大脇 寿樹 愛知県西春日井郡西枇杷島町地領2丁目1 番地の1 株式会社フジミインコーポレー テッド内 Fターム(参考) 3C058 AA05 AA07 AA09 CA01 CB02 CB03 DA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メモリーハードディスク用の基盤表面に
    所定の筋目を形成するテクスチャー加工で用いられるテ
    クスチャー加工用組成物であって、研磨材、有機酸及び
    水を含むことを特徴とするテクスチャー加工用組成物。
  2. 【請求項2】 前記研磨材が多結晶ダイヤモンドである
    ことを特徴とする請求項1に記載のテクスチャー加工用
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機酸が、リンゴ酸、マレイン酸、
    乳酸、酢酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸、グ
    リコール酸、グルコン酸、アジピン酸、アスコルビン
    酸、イタコン酸、酒石酸、アクリル酸、クロトン酸、ニ
    コチン酸、シトラコン酸、イミノジ酢酸、グリオキシル
    酸及びアミノ酸より選ばれる少なくとも一種であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテクスチャ
    ー加工用組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機酸がコハク酸であることを特徴
    とする請求項3に記載のテクスチャー加工用組成物。
  5. 【請求項5】 前記アミノ酸が、グリシン、アラニン、
    バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニ
    ン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリ
    プトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミ
    ン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リ
    シン、アルギニン及びヒスチジンより選ばれる少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項3に記載のテクス
    チャー加工用組成物。
  6. 【請求項6】 前記アミノ酸が、バリン、ロイシン、シ
    ステイン、メチオニン、フェニルアラニン、グルタミ
    ン、アスパラギン及びヒスチジンより選ばれる少なくと
    も一種であることを特徴とする請求項5に記載のテクス
    チャー加工用組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、モリブデン酸塩を含むことを特
    徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の
    テクスチャー加工用組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、ベンゾトリアゾール及びその誘
    導体より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とす
    る請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のテクス
    チャー加工用組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか一項に
    記載のテクスチャー加工用組成物を用いてメモリーハー
    ドディスク用の基盤表面に所定の筋目を形成する工程を
    含むことを特徴とするメモリーハードディスクの製造方
    法。
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