JPH07216345A - 研磨用組成物 - Google Patents

研磨用組成物

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JPH07216345A JP1287894A JP1287894A JPH07216345A JP H07216345 A JPH07216345 A JP H07216345A JP 1287894 A JP1287894 A JP 1287894A JP 1287894 A JP1287894 A JP 1287894A JP H07216345 A JPH07216345 A JP H07216345A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質の研磨面を研磨能率を維持しながら作
業性が良好で加工コストの低減を可能とする研磨用組成
物を提供する。 【構成】 水とアルミナ質研磨材及びモリブデン酸塩と
有機酸とからなる研磨促進剤さらにはアルミナゾルから
なるメモリーハードディスクの研磨用組成物である。そ
して前記モリブデン酸塩がモリブデン酸アンモニウム、
モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム及びモ
リブデン酸カリウムから選ばれた1種または2種以上で
あり、また前記有機酸がグリコール酸、リンゴ酸、酒石
酸、グリセリン酸、乳酸、クエン酸、マンデル酸、マロ
ン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、グリオキシル
酸、グリシン、及びグルコン酸から選ばれた1種または
2種以上であり、さらに、研磨促進剤の合計含有量が
0.01〜10重量%で、またアルミナゾルの含有量が
0.1〜5重量%で、アルミナ質研磨材の含有量が2〜
25重量%で、研磨材の平均粒子径が0.3〜10μm
である研磨用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、コンピュータ
ーシステムの外部記憶装置に使用される磁気ディスク用
基板(メモリーハードディスク)の表面を迅速かつ高品
質の鏡面に研磨する研磨用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年磁気ディスク装置に使用されている
メモリーハードディスクは、大容量化、高密度化の趨勢
にあり、用いられる磁性媒体は、従来の塗布型媒体から
スパッタリングやメッキ法による薄膜媒体へと移行して
いる。そして、高密度化に伴い、ディスク表面と磁気ヘ
ッドとの間隔、即ち、ヘッドの浮上量(フライングハイ
ト)は、ますます小さくなってきており、最近では、
0.2μm以下となっている。このようにヘッド浮上量
が著しく小さいために、研磨加工したメモリーハードデ
ィスク基板表面に種々の欠陥(スクラッチ、オレンジピ
ール、ピット、ノジュール、突起、クラック、所謂かじ
り等)があると、従来は問題とならなかったような僅か
な欠陥でも、突起物によるヘッドクラッシュや種々の欠
陥部に発生する磁気特性の乱れによって情報の記録、再
生の際のエラーの原因となりやすい。従って、磁性媒体
を形成する前のメモリーハードディスク基板の研磨工程
で種々の欠陥の発生を防ぐことが重要であり、また、加
工面品質、加工速度の向上のみならず、研磨工程中の作
業性の改善によるトータルコストの低減も重要な課題と
なっている。
【0003】従来、メモリーハードディスクに使用され
ている研磨用組成物は、水とアルミナ質研磨材と無機酸
または有機酸の金属塩等の研磨促進剤を混合してスラリ
ー状にしたものである。即ち、特開平1−205973
号公報には、水、α−アルミナ、ベーマイト及び水溶性
の金属塩を含有してなる研磨剤組成物が、特開平2−1
58683号公報には、水、α−アルミナ、ベーマイト
及び無機酸又は有機酸のアンモニウム塩を含有してなる
研磨剤組成物が、また、特開平4−363385号公報
には、水、アルミナ及びキレート性化合物を含有してな
り、要すれば、更に、ベーマイト及び/又はアルミニウ
ム塩を含有してなる研磨剤組成物が開示されている。更
に、アルミニウム磁気ディスク研磨用組成物として、特
公平4−38788号公報には、水とアルミナ研磨材粉
末とグルコン酸又は乳酸の研磨促進剤及びコロイダルア
ルミナの表面改質剤からなる酸性の研磨用組成物が、更
に、特公平5−51428号公報には、アルミナ研磨材
粉末とスルフアミン酸ニッケルと水とからなり、該スル
フアミン酸ニッケルの組成物中に占める割合が0.5〜
10重量%であり、pH値が4〜7である研磨用組成物
が開示されている。
【0004】本出願人は、先に、特公昭64−436号
公報及び特公平2−23589号公報により、水と酸化
アルミニウムの研磨剤に研磨促進剤として硝酸アルミニ
ウム、硝酸ニッケル、又は硫酸ニッケル等を添加、混合
してスラリー状にしたメモリーハードディスクの研磨用
組成物を開示した。また本出願人は、特願平4−113
660号公報により、水とアルミナ質の研磨材及び研磨
促進剤からなり、メモリーハードディスクの無電解ニッ
ケルめっき、アルマイト又は、アルミニウムの面を研磨
する組成物であって、上記の研磨促進剤がモリブデン酸
の1種、若しくは、モリブデン酸塩とアルミニウム塩、
又は、モリブデン酸塩とニッケル塩とを含有することを
特徴とするメモリーハードディスクの研磨用組成物を出
願した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、メモリーハードディスクは、最近、より一層
の高密度化の必要に迫られており、従来以上に加工した
メモリーハードディスク基板表面に種々の微少欠陥が少
なく、より高品質な研磨面の要求が強くなっている。
又、加工コストの低減のためにも従来の研磨能率を維持
し、なお、かつ高品質で作業性も良いという、より高性
能の研磨用組成物の開発が望まれている。本発明は、上
記の要望に応えるものであって、高品質の研磨面を造成
し、研磨能率を維持しながら作業性が良好で且つ加工コ
ストの低減を可能とする研磨用組成物を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水とアルミ
ナ質研磨材にモリブデン酸塩と有機酸の研磨促進剤に、
さらには、アルミナゾルを加えてメモリーハードディス
クの研磨試験を種々行った結果、これらの混合物は著し
く研磨性能が高いことを見知し、本発明に至ったもので
ある。すなわち、本発明は、水とアルミナ質研磨材及び
研磨促進剤さらにはアルミナゾルからなり、前記研磨促
進剤がモリブデン酸塩と有機酸とからなることを特徴と
する研磨用組成物である。
【0007】上記研磨促進剤のモリブデン酸塩がモリブ
デン酸アンモニウム、モリブデン酸リチウム、モリブデ
ン酸ナトリウム及びモリブデン酸カリウムから選ばれた
1種または2種以上であり、また、前記有機酸がグリコ
ール酸、リンゴ酸、酒石酸、グリセリン酸、乳酸、クエ
ン酸、マンデル酸、マロン酸、アスコルビン酸、グルタ
ミン酸、グリオキシル酸、グリシン、及びグルコン酸か
ら選ばれた1種または2種以上であり、さらに、前記研
磨促進剤の合計含有量が0.01〜10重量%であり、
また、前記アルミナゾルの含有量が0.1〜5重量%で
あり、アルミナ質研磨材の含有量が2〜25重量%であ
り、研磨材の平均粒子径が0.3〜10μmである研磨
用組成物である。
【0008】
【作用】本発明は、水とアルミナ質研磨材及びモリブデ
ン酸塩と有機酸とからなる研磨促進剤、更にはアルミナ
ゾルを添加してなる研磨用組成物であり、研磨促進剤は
後述する表1に示すようなモリブデン酸塩と有機酸とか
らなるものである。
【0009】この研磨用組成物を用いて、例えば、メモ
リーハードディスクの被研磨面を研磨すると、配合する
研磨促進剤及びアルミナゾルの相乗効果により、理論的
にははっきり解明されていないが、所謂メカノケミカル
な研磨作用の適合によって従来の研磨用組成物に比べて
同程度の研磨能率があり、なお且つ、種々の表面欠陥の
非常に少ない研磨面が得られ、さらには、研磨パッドの
目詰まりがしにくくなる等の作業性の改善が見られる。
【0010】本発明にいうメモリハードディスクは、ア
ルミニウム基板のほか、ニッケルリンやニッケル鉄等を
メッキした金属製ディスク基板、あるいはアルマイト処
理をしたセラミックス製基板、さらには、カーボン等を
含む樹脂製ディスク基板を含むものとする。本発明の研
磨用組成物は、最近のより一層の高密度化に必要な精度
の高い研磨面品質に対応でき、また作業性の改善により
低コスト化が実現できる等の効果をもたらすものであ
る。
【0011】また、研磨促進剤の添加量は、合計含有量
の重量割合で、研磨能率及び研磨面の品質を向上させる
ためには0.01%以上が必要であるが、10%を越え
ても研磨能率の更なる向上は認められず徒に材料を消費
し、不経済なので0.01〜10重量%が好ましい。ま
た、アルミナゾルは、各種のアルミナ水和物(水酸化ア
ルミニウム)の微粉末を種々の酸性水溶液中でコロイド
状に分散させたものであるが、組成物の増粘、分散作用
により、研磨材が硬く沈澱して作業性を悪くするという
所謂ケーキング現象を防止する効果があり、さらには、
添加する研磨促進剤との相乗作用により、研磨中に研磨
パッドの目詰まりを起こりにくくし、又、表面欠陥の1
つで、基板のメッキ後の表面に生じる半球状の突起が研
磨後も残存するという所謂ノジュールの発生を防止する
働きがあるが、その含有量は0.1%以下では殆ど効果
がなく、5%を越えても更なる向上は認められず粘度も
高すぎるので実用的でなく、0.1〜5重量%が好まし
い。
【0012】また、アルミナ質研磨材の平均粒子径は、
0.3μm未満では研磨能率が低くなり、また10μm
を越えると高品質の研磨面が得られなく実用的でないの
で、0.3〜10μmの平均粒子径が好ましい。更に、
研磨材の添加重量割合は、研磨能率及び研磨性能を上げ
るためには2重量%以上が必要であるが、25重量%を
越えても研磨能率の向上は認められず、徒に材料を消費
し不経済なので2〜25重量%の添加が好ましい。
【0013】
【実施例】平均粒子径0.8μmのアルミナ粉末(α−
Al2 3 )を8重量%含有するスラリーに次の表1に
示すような分子式の各種研磨促進剤のうち、モリブデン
酸のアンモニウム及びナトリウム塩並びにグリコール
酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グリシン、乳酸、
クエン酸、アスコルビン酸、グリオキシル酸、さらには
アルミナゾルを表2に記載した重量割合で添加して、研
磨用組成物を調製し研磨試験を行い、実施例(1)〜
(16)とした。なお比較するために従来品の研磨用組
成物を調製し、研磨試験を行い従来例(1)〜(3)と
した。
【0014】次に、下記に示す研磨条件で研磨試験を行
い、その研磨成績を表2に示す。 [研磨条件] 研磨機 両面ポリシングマシン(9Bタイプ) 研磨パッド スウェードタイプポリシングパッド
(ポリウレタン質) ディスク Ni−Pメッキディスク、3.5イン
チφ、10枚 研磨時間 5分間研磨し、重量減により1分間当
たりの研磨速度を求める。 回転数 60rpm(下定盤回転数) 加工圧力 80g/cm2 スラリ−供給量 100ml/分 なお、研磨成績を検討するための研磨面品質の特性とし
て、表面欠陥である突起は微分干渉顕微鏡を用いて40
0倍の視野で1枚につき12ケ所で測定し、10枚のデ
ィスクについて両面の計20面の合計個数を求めた。ノ
ジュールは、微小凹凸検査装置(シャドウグラフ)を用
いて、10枚のディスクについて両面の計20面の合計
個数を求めた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表2に示す如く、実施例(1)〜(16)
の研磨用組成物は、従来例(1)〜(3)の研磨用組成
物に比べて同程度の研磨速度を有し、表面欠陥は少な
く、目詰まり特性やケ−キング特性についても良好であ
り、全体としての研磨性能が優れた成績を示しているこ
とは、明らかである。
【0018】なお、アルミナ質の研磨材の添加重量割合
は、研磨能率及び研磨性能を上げるためには2重量%以
上が必要で、25重量%を越えても研磨能率の向上は認
められないことが判った。また、研磨材の平均粒子径は
0.3μm未満では研磨能率が低く、また10μmを越
えると高品質の研磨面が得られなかった。また、アルミ
ナゾルは0.1%以下では、研磨材が硬く沈澱して作業
性を悪くし、効果がなく、5%を越えると粘度も高すぎ
るため実用的でなかった。次に、研磨促進剤の添加量
は、合計含有量で0.01%以上が必要で10%を越え
ても研磨能率の更なる向上は認められなかった。なお、
本実施例の研磨促進剤に限定されるものではなく、表1
に示す他の研磨促進剤を用いた場合も同様な効果が得ら
れるものである。
【0019】上記の説明では、本発明に係る研磨用組成
物によりメモリーディスクの表面を研磨する場合につい
て述べたが、これ以外にも、合成樹脂基板(部品)、金
属基板(部品)、酸化物結晶、半導体基板、光学材料等
の研磨にも本発明の研磨用組成物を用いることができ
る。
【0020】
【発明の効果】本発明の研磨用組成物によれば、従来の
研磨用組成物に比べて、同程度の研磨能率があり、なお
且つ、種々の表面欠陥の非常に少ない研磨面が得られ、
さらには、研磨パッドの目詰まりがしにくくなるなどの
作業性の改善効果が見られ、最近のより高密度化に必要
な精度の高い研磨面品質と作業性の改善により総合的な
研磨性能が向上するため、より一層の低コスト化が実現
できるなどの効果を奏する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水とアルミナ質研磨材及び研磨促進剤か
    らなり、前記研磨促進剤がモリブデン酸塩と有機酸とか
    らなることを特徴とする研磨用組成物。
  2. 【請求項2】 水とアルミナ質研磨材と研磨促進剤及び
    アルミナゾルからなり、前記研磨促進剤がモリブデン酸
    塩と有機酸とからなることを特徴とする研磨用組成物。
  3. 【請求項3】 前記モリブデン酸塩がモリブデン酸アン
    モニウム、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリ
    ウム及びモリブデン酸カリウムから選ばれた1種または
    2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    研磨用組成物。
  4. 【請求項4】 前記有機酸がグリコール酸、リンゴ酸、
    酒石酸、グリセリン酸、乳酸、クエン酸、マンデル酸、
    マロン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、グリオキシ
    ル酸、グリシン、及びグルコン酸から選ばれた1種また
    は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の研磨用組成物。
  5. 【請求項5】 前記研磨促進剤の合計含有量が0.01
    〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至4記
    載の研磨用組成物。
  6. 【請求項6】 前記アルミナゾルの含有量が0.1〜5
    重量%であることを特徴とする請求項2乃至5記載の研
    磨用組成物。
  7. 【請求項7】 アルミナ質研磨材の含有量が2〜25重
    量%であり、研磨材の平均粒子径が0.3〜10μmで
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨用組成
    物。
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