JP2003048867A - エステルオリゴマー、その製造方法および該エステルオリゴマーを用いた熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents

エステルオリゴマー、その製造方法および該エステルオリゴマーを用いた熱可塑性ポリウレタンの製造方法

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JP2003048867A
JP2003048867A JP2001233487A JP2001233487A JP2003048867A JP 2003048867 A JP2003048867 A JP 2003048867A JP 2001233487 A JP2001233487 A JP 2001233487A JP 2001233487 A JP2001233487 A JP 2001233487A JP 2003048867 A JP2003048867 A JP 2003048867A
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glycol
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polyurethane
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English (en)
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Ikukatsu Maeda
育克 前田
Shizuo Kubota
静男 久保田
Osamu Ito
修 伊藤
Takuya Maeda
拓也 前田
Hajime Mori
一 森
Hiroyuki Miyamoto
博行 宮本
Toshio Sakamoto
登志生 坂本
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MIYASO CHEMICAL KK
Wakayama Prefecture
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MIYASO CHEMICAL KK
Wakayama Prefecture
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンテレフタレートのグリコリシス
反応の反応性を改良し、高分子量のエステルオリゴマー
を製造する。かかる高分子量のエステルオリゴマーを原
料として熱可塑性ポリウレタンを製造することにより、
高価なジイソシアネートの必要量を低減し、安価なポリ
ウレタンを製造する。さらにポリウレタンにテレフタル
酸単位を導入し、機械的特性を高める。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレートとエチレン
グリコール化合物とを、180〜230℃で1〜2.5
時間、分解反応触媒の存在下で分解反応させることによ
りエステルオリゴマーを得る。かかるエステルオリゴマ
ーと、ジイソシアネート化合物とを、重合反応触媒の存
在下で重合反応させることにより熱可塑性ポリウレタン
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンテレ
フタレートからグリコリシスにより製造したエステルオ
リゴマーおよびその製造方法に関する。また本発明は、
そのエステルオリゴマーを使用して重合反応を行なうこ
とを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在までのポリエチレンテレフタレート
(以下、必要に応じて「PET」と略す。)ボトルのリ
サイクルには、大きく分けて、マテリアルリサイクル、
ケミカルリサイクル、およびサーマルリサイクルがあ
る。
【0003】マテリアルリサイクルは、分別収集された
廃PETボトルから出来るだけ不純物(着色されたPE
Tボトルも不純物である)を取り除いた後、多くの工程
を経てペレットやフレーク状にして繊維原料としてリサ
イクルする方法である。
【0004】サーマルリサイクルは、混合廃プラスチッ
クの処理の場合に焼却して生じる熱を回収する方法であ
る。なお、この方法では、PETボトルの発熱量の低さ
から、PETボトルのみでのサーマルリサイクルは行わ
れていない。超臨界流体を用いたサーマルリサイクル法
も検討されているが、装置の高価な点などから工業的に
は行われていないのが実状である。
【0005】ケミカルリサイクルは、水やメタノールや
エチレングリコールなどの溶媒を用いてPET樹脂を構
成するモノマーまたはオリゴマーなどにまでに分解して
再利用する方法である。
【0006】現在まで開発されたPETボトルのケミカ
ルリサイクルでは、ほとんどが加溶媒分解を利用するも
のである。たとえば溶媒としてエチレングリコールを使
用するグリコリシス反応の場合、ポリエチレンテレフタ
レートのモノマーであるテレフタル酸とエチレングリコ
ールにまで分解することができ、ジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールに分解することもできる。また
グリコリシス反応の反応性を改良してエステルオリゴマ
ー(ポリオール)に分解することもできる。
【0007】一方、従来よりポリウレタンは等モル量の
ジオールとジイソシアネートとの重合反応により製造さ
れている。しかしジオールの分子量が小さい場合には、
ある程度の分子量のポリウレタンを得るために、一般に
高価な化成品であるジイソシアネートの必要量が増加
し、ポリウレタンとしての価格も高くなるという問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエチレ
ンテレフタレートのグリコリシス反応の反応性を改良
し、高分子量のエステルオリゴマーを製造しようとする
ものである。また、かかる高分子量のエステルオリゴマ
ーを原料として熱可塑性ポリウレタンを製造することに
より、高価なジイソシアネートの必要量を低減し、安価
なポリウレタンを製造することを目的とする。さらに本
発明はポリウレタンにテレフタル酸単位を導入し、ポリ
ウレタンの機械的特性を高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエステルオ
リゴマーは、ポリエチレンテレフタレートとグリコール
化合物とを、180〜230℃で1〜2.5時間、分解
反応触媒の存在下で分解反応させることで得られる。
【0010】グリコール化合物とポリエチレンテレフタ
レートとの重量比は1:2〜3:1、反応温度は200
〜220℃、反応時間は1.5〜2時間が好ましい。
【0011】このような反応により分子量が1000〜
5000であるエステルオリゴマーを得ることができ
る。
【0012】グリコール化合物は、グリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコールとポリオキシプロピレンとポリエチレングリ
コールとの三元ブロック共重合体、1,4−ブタンジオ
−ル、ポリエチレングリコールおよびポリテトラメチレ
ンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種が好
ましい。
【0013】なお、ポリエチレングリコールとポリオキ
シプロピレンとポリエチレングリコールとの三元ブロッ
ク共重合体としては、旭電化工業株式会社製のプルロニ
ックL31がある。プルロニックL31の構造は、HO
(C25O)1.3−(C36O)15.8−(C25O)1.3
OHである。プルロニックにはPEGとPPGの分子量
が異なったものが多く市販されており、本発明ではプル
ロニックL31を使用したが、それ以外のプルロニック
を使用することも可能である。重合度範囲としては、P
PGでは15〜65で、PEGでは1〜150のものが
多い。
【0014】分解反応触媒は、チタン(IV)テトライ
ソプロポキシド、チタン−n−ブトキシド、チタン−n
−ブトキシド・テトラマー、オクチル酸スズ、テトラフ
ェニルスズおよび酢酸亜鉛からなる群より選ばれる少な
くとも一種が好ましい。
【0015】なお、チタン−n−ブトキシドとは、Ti
[O(CH23CH3]4である。また、チタン−n−ブト
キシド・テトラマーとは、C49O[Ti(OC492
O]449である。
【0016】この分解反応触媒は、ポリエチレンテレフ
タレートに対して0.1〜3重量%含めるのが好まし
い。
【0017】本発明に係るエステルオリゴマーの製造方
法は、ポリエチレンテレフタレートとグリコール化合物
とを、180〜230℃で1〜2.5時間、分解反応触
媒の存在下で分解反応させることを特徴とする。
【0018】このようにして製造されたエステルオリゴ
マーにジイソシアネート化合物を加えて重合反応触媒の
存在下で重合反応させることにより熱可塑性ポリウレタ
ンを製造することができる。また、エステルオリゴマー
とジイソシアネート化合物のほかにグリコール化合物を
加えて重合反応させても熱可塑性ポリウレタンを製造す
ることができる。
【0019】ジイソシアネート化合物としては、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネートおよびトルエンジイソシアネートからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種が好ましい。重合反応触媒と
しては、1,4−ジアゾビシクロオクタン、2−エチル
ヘキサン酸スズおよびジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ
からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】ポリエチレンテレフタレートとグ
リコール化合物とを、分解反応触媒の存在下で分解反応
させることにより得られるエステルオリゴマーは、一方
の末端に水酸基を有し、他方の末端に水酸基もしくはカ
ルボキシル基を有する。したがって、ポリエチレンテレ
フタレートとグリコール化合物とを、分解反応触媒の存
在下で分解反応させることにより得られるエステルオリ
ゴマーは、ポリエステル、共重合ポリエステルアミド、
ポリウレタンなどを重合するための材料として使用する
ことが可能である。また、かかるエステルオリゴマーを
材料とすることによりポリマー中にテレフタル酸単位を
導入することができ、ポリマーの機械特性を向上させる
ことが可能となる。
【0021】前記分解反応の反応温度条件は、180〜
230℃であり、200〜220℃が好ましい。分解反
応の反応温度条件が180℃よりも低い場合、分解反応
の反応性が低く過ぎ、反応が長時間になるなどの不都合
が生じやすいからである。また、分解反応の反応温度条
件が230℃よりも高い場合、分解反応が促進されすぎ
て製造されたエステルオリゴマーの分子量が小さくなり
やすいからである。本発明は、大きい分子量のエステル
オリゴマーを得ることにより、ポリウレタン中に占める
エステルオリゴマーの重量比率を高め、高価なジイソシ
アネートの重量比率を低減して、安価なポリウレタンを
製造しようとするものである。本発明のエステルオリゴ
マーの分子量は1000以上あることから、ジイソシア
ネート量の低減が十分に可能である。
【0022】前記分解反応の反応時間条件は、1〜2.
5時間であり、1.5〜2時間が好ましい。反応時間条
件が1時間よりも短い場合、分解反応に必要な時間とし
て不十分であり、未反応のポリエチレンテレフタレート
が多量に存在する可能性があるからである。また、反応
時間条件が2.5時間よりも長い場合、分解反応が必要
以上に進む結果、製造されたエステルオリゴマーの分子
量が小さくなる場合が多いからである。
【0023】前記グリコール化合物と前記ポリエチレン
テレフタレートとの重量比は、1:2〜3:1であるこ
とが好適である。すなわち、グリコール化合物/ポリエ
チレンテレフタレートの重量比は、0.5〜3であるこ
とが好ましい。重量比が0.5よりも小さい場合は、副
反応などの好ましくない反応が発生する場合があるから
である。また、重量比が3よりも大きいと、目的生成物
であるエステルオリゴマーの生成量が少なくなったり、
低分子化する可能性が高くなるからである。
【0024】製造されたエステルオリゴマーの分子量は
1000〜5000(Mn)であることが好適である。
エステルオリゴマーの分子量が1000Mnよりも小さ
い場合には、かかるエステルオリゴマーを材料としてポ
リウレタンを製造すると、ジイソシアネートの比率が高
いポリウレタンが得られる結果、ポリウレタンの価格を
低減することが困難になる。また、エステルオリゴマー
の分子量が5000Mnよりも大きい場合は、分解反応
が不十分である可能性があるからである。
【0025】前記グリコール化合物としては、エチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコールとポリオキシプロピレン
とポリエチレングリコールとの三元ブロック共重合体、
1,4−ブタンジオ−ル、ポリエチレングリコール、ポ
リテトラメチレンオキシドのうち少なくとも一つを含む
ものが、ポリエチレンテレフタレートの分解を容易に制
御できる点で好ましく、高分子量のエステルオリゴマー
が得られる点で、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールとポリオキシプロピレンとポリエチレン
グリコールとの三元ブロック共重合体、ポリテトラメチ
レンオキシド、またはジエチレングリコールとポリテト
ラメチレンオキシドとの併用がより好ましい。また、グ
リコールの種類を種々選択することで、分解生成物であ
るエステルオリゴマーの構造ユニットの制御を行なうこ
とが可能である。
【0026】また、前記分解反応触媒が、チタン化合
物、スズ化合物および亜鉛化合物うちの少なくともいず
れか一つを含む分解反応触媒である場合にあっては、ポ
リエチレンテレフタレートの分解反応に必要な活性化エ
ネルギーを抑制させながら分解反応を進行させることが
可能である。
【0027】また、前記分解反応触媒が、チタン(I
V)テトライソプロポキシド、チタン−n−ブトキシ
ド、チタン−n−ブトキシド・テトラマー、オクチル酸
スズ、テトラフェニルスズおよび酢酸亜鉛のうちの少な
くともいずれか一つを含む分解反応触媒である場合にあ
っても、ポリエチレンテレフタレートの分解反応を容易
に制御することが可能である。
【0028】前記分解反応触媒は、前記ポリエチレンテ
レフタレートに対して0.1〜3重量%含有されている
ことが好適である。0.1重量%よりも少ない場合にあ
っては、本発明に係るエステルオリゴマーの製造反応の
促進効果が十分でない場合があるからである。また、3
重量%より多い場合にあっては、副反応などの好ましく
ない反応が発生する可能性があるからである。
【0029】本発明に係るエステルオリゴマーと、ジイ
ソシアネート化合物とを、重合反応触媒の存在下で、重
合反応させることにより熱可塑性ポリウレタンを得るこ
とが可能である。すなわち、ポリエチレンテレフタレー
トとグリコール化合物とを、分解反応触媒の存在下で分
解反応させることにより得られたエステルオリゴマーを
ポリオールとして、重合反応触媒の存在下でジイソシア
ネート化合物と重合反応させることにより熱可塑性ポリ
ウレタンを得ることができる。本発明に係るエステルオ
リゴマーは分子量が1000以上であるため、製造され
るポリウレタン中に占めるジイソシアネートの比率は低
く、安価なポリウレタンを得ることができる。
【0030】また、本発明に係るエステルオリゴマー
と、ジイソシアネート化合物と、グリコール化合物と
を、重合反応触媒の存在下で重合反応させることにより
熱可塑性ポリウレタンを得ることが可能である。グリコ
ール化合物を添加することにより、ポリウレタンの重合
度などの物性の調整を容易に行なうことができる。
【0031】前記ジイソシアネート化合物としては、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートおよびトルエンジイソシアネートのうち少
なくともいずれか一つを含む化合物を使用することが可
能である。
【0032】前記グリコール化合物が、ポリエチレング
リコールもしくはポリプロピレングリコールのうち少な
くともいずれか一方を含むものである場合にあっては、
収率よくポリウレタンを製造することができる。
【0033】本発明に係るエステルオリゴマーと、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートと、ポリエチレングリコ
ールもしくはポリプロピレングリコールのうち少なくと
もいずれか一方を含むグリコール化合物とを、下記に示
す重量比で反応を行なうことで好適に反応を進行させる
ことが可能である。すなわち、本発明に係るエステルオ
リゴマーと前記グリコール化合物との和と、ジフェニル
メタンジイソシアネートとの重量比が、1:2〜1:1
であることが好ましい。すなわち、エステルオリゴマー
とグリコール化合物との合計量/ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの重量比が0.5〜1であることが好適で
ある。重量比が0.5よりも小さい場合は、目的生成物
であるポリウレタンの生成量が少なくなる場合があるか
らである。また、重量比が1よりも大きい場合は、副反
応などの好ましくない反応が発生する場合が考えられる
からである。
【0034】前記重合反応触媒が、1,4−ジアゾビシ
クロオクタン、2−エチルヘキサン酸スズおよびジラウ
リル酸ジ−n−ブチルスズのうちの少なくともいずれか
一つを含む場合は、ポリウレタンの重合反応を促進しや
すいため好適である。
【0035】
【実施例】(実施例1)リサイクル用に回収したフレー
ク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよびポリテト
ラメチレンオキシド(分子量650)2kgを5Lのオ
ートクレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロポ
キシド40gを添加して、220℃で2時間反応させ
た。反応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた
後、ろ過した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振
とうすることにより未反応のポリテトラメチレンオキシ
ドを除去した。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液
からクロロホルムを減圧下で除去した。分解生成物つい
て、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、
「GPC」という。)により分子量(Mn)および分子
量分布(Mw/Mn)を測定した。またプロトン核磁気
共鳴測定(以下、「H−NMR」という。)により化学
構造式を特定した。さらに酸価および水酸価を測定し
た。
【0036】GPCは、日本分光株式会社製の送液ポン
プ(PU−830)、検出器(830−RI)、カラム
(昭和電工製K−8025およびK−804)を用い、
溶媒にクロロホルム(1ml/min)を用いた。また
標準サンプルにポリスチレンを用い検量線を作成した。
また計算は、日本分光株式会社製データ処理機(870
−IT)により行なった。
【0037】H−NMRは、バリアン製(UNITY
plus−400)を用い、溶媒として重クロロホルム
を使用した。
【0038】酸価(AV)については次のようにして測
定した。試料0.5gを三角フラスコに秤量し、メタノ
ール・トルエン溶液(容積比30:70)を20ml入
れて溶解し、0.1%ブロチモールブルー/フェノール
レッド混合指示薬を2ないし3滴入れ、0.05モル%
の水酸化カリウムエタノール溶液で滴定した。酸価は、
試料1kg中に含まれているカルボン酸の量をモル濃度
で表示したものであり、次式により算出した。
【0039】酸価=0.05×A/B ここにAは水酸化カリウムエタノール溶液量(ml)で
あり、Bは試料重量(g)である。
【0040】水酸価(HV)については次のようにして
測定した。無水フタル酸0.01モル(1.4812
g)と試料0.5gを三角フラスコに秤量し、ピリジン
を20ml入れ、100℃で1時間反応させた。その後
2mlの水を添加して、3分間加熱し、フェノールフタ
レイン溶液を2〜3滴入れて、1N水酸化ナトリウム溶
液で滴定した。ブランクテストとして、試料を添加しな
い場合で同様な操作を行なった。水酸価は試料1kg中
に含まれる水酸基の量をモル濃度で表示したものであ
り、次式により算出した。
【0041】水酸価=(C−D)/E ここにCはブランクテストでの水酸化カリウムの溶液量
(ml)、Dは各試料での水酸化カリウムの溶液量(m
l)、またEは試料重量(g)である。
【0042】分解生成物についての各測定結果を表1に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1で得られたエステルオリゴマーの
H−NMRスペクトルを図1に示す。H−NMRスペク
トルにおける化学シフトと強度を化1と表2に示す。
【0045】
【化1】
【0046】
【表2】
【0047】H−NMRの結果をもとに解析した化学構
造式を化2に示す。
【0048】
【化2】
【0049】この化学構造式から明らかなとおり、実施
例1における分解生成物はジオールとテレフタル酸を構
成単位とするエステルオリゴマーであった。
【0050】(実施例2)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよび2kg
のプルロニックL31を5Lのオートクレーブに入れ、
チタン(IV)テトライソプロポキシド40gを添加し
て、200℃で2時間反応させた。反応終了後、冷却
し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過した。ろ液に蒸
留水を加え、分液ロート内で振とうすることにより未反
応のプルロニックL31を除去した。次に分解生成物を
含むクロロホルム溶液からクロロホルムを減圧下で除去
した。分解生成物ついて、分子量(Mn)および分子量
分布(Mw/Mn)を測定した。またH−NMRにより
化学構造式を特定した。さらに酸価および水酸価を測定
した。
【0051】(実施例3)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよび2kg
のプルロニックL31を5Lのオートクレーブに入れ、
チタン(IV)テトライソプロポキシド40gを添加し
て、210℃で2時間反応させた。反応終了後、冷却
し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過した。ろ液に蒸
留水を加え、分液ロート内で振とうすることにより未反
応のプルロニックL31を除去した後、メタノールを加
えて振とうした。次に分解生成物を含むクロロホルム溶
液からクロロホルムを減圧下で除去した。分解生成物つ
いて、分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)
を測定した。またH−NMRにより化学構造式を特定し
た。さらに酸価および水酸価を測定した。
【0052】(実施例4)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよびテトラ
エチレングリコール2kgを5Lのオートクレーブに入
れ、チタン(IV)テトライソプロポキシド40gを添
加して、220℃で2時間反応させた。反応終了後、冷
却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過した。ろ液に
蒸留水を加え、分液ロート内で振とうすることにより未
反応のテトラエチレングリコールを除去した後、メタノ
ールを加えて振とうした。次に分解生成物を含むクロロ
ホルム溶液からクロロホルムを減圧下で除去した。分解
生成物ついて、分子量(Mn)および分子量分布(Mw
/Mn)を測定した。またH−NMRにより化学構造式
を特定した。さらに酸価および水酸価を測定した。
【0053】(実施例5)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kg、ジエチレン
グリコール1kgおよびポリテトラメチレンオキシド
(分子量650)1kgを5Lのオートクレーブに入
れ、チタン(IV)テトライソプロポキシド40gを添
加して、210℃で1.8時間反応させた。反応終了
後、冷却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過した。
ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振とうすることに
より未反応のジエチレングリコールおよびポリテトラメ
チレンオキシドを除去した。次に分解生成物を含むクロ
ロホルム溶液からクロロホルムを減圧下で除去した。分
解生成物ついて、分子量(Mn)および分子量分布(M
w/Mn)を測定した。またH−NMRにより化学構造
式を特定した。さらに酸価および水酸価を測定した。
【0054】(比較例1)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよびポリテ
トラメチレンオキシド(分子量650)2kgを5Lの
オートクレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロ
ポキシド40gを添加して、280℃で4時間反応させ
た。反応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた
後、ろ過した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振
とうすることにより未反応のポリテトラメチレンオキシ
ドを除去した。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液
からクロロホルムを減圧下で除去した。分解生成物つい
て、分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を
測定した。またH−NMRにより化学構造式を特定し
た。さらに酸価および水酸価を測定した。
【0055】(比較例2)リサイクル用に回収したフレ
ーク状ポリエチレンテレフタレート2kgおよび2kg
のプルロニックL31を5Lのオートクレーブに入れ、
チタン(IV)テトライソプロポキシド40gを添加し
て、290℃で4時間反応させた。反応終了後、冷却
し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過した。ろ液に蒸
留水を加え、分液ロート内で振とうすることにより未反
応のプルロニックL31を除去した。次に分解生成物を
含むクロロホルム溶液からクロロホルムを減圧下で除去
した。分解生成物ついて、分子量(Mn)および分子量
分布(Mw/Mn)を測定した。またH−NMRにより
化学構造式を特定した。さらに酸価および水酸価を測定
した。
【0056】実施例2〜5および比較例1,2につい
て、分解生成物の各測定結果を表1に示す。また実施例
4における分解生成物のH−NMRデータを図2に、同
様に比較例1における分解生成物のH−NMRデータを
図3に示す。
【0057】以上の測定結果より、グリコリシスの条件
を180〜230℃で1〜2.5時間とすることによ
り、280〜290℃で4時間の反応条件の場合に比べ
て高分子量のエステルオリゴマーが生成していることが
分かった。
【0058】(実施例6)100mlの三口フラスコ
に、実施例1で得られたエステルオリゴマー2gと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.3g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、GP
Cにより分子量(Mn)および分子量分布(Mw/M
n)を測定するとともに示差走査熱量計(以下、「DS
C」という。)でキャラクタリゼーションした。
【0059】DSCは、ティー・エイ・インスツルメン
ト製TA2100型を用い、−70〜300℃の範囲内
で、昇温速度20℃/分により測定した。
【0060】(実施例7)100mlの三口フラスコ
に、実施例2で得られたエステルオリゴマー2gと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.26g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、分子
量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を測定する
とともにDSCでキャラクタリゼーションした。
【0061】(実施例8)100mlの三口フラスコ
に、実施例3で得られたエステルオリゴマー2gと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.25g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、分子
量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を測定する
とともにDSCでキャラクタリゼーションした。
【0062】(実施例9)100mlの三口フラスコ
に、実施例4で得られたエステルオリゴマー2gと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.48g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、分子
量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を測定する
とともにDSCでキャラクタリゼーションした。
【0063】(実施例10)100mlの三口フラスコ
に、実施例5で得られたエステルオリゴマー2gと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.25g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、分子
量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を測定する
とともにDSCでキャラクタリゼーションした。
【0064】(比較例3)100mlの三口フラスコ
に、ジエチレングリコール2gと、ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI)6.6gと、2モル%の1,
4−ジアゾビシクロオクタン(DABCO)0.2ml
とを入れ、トルエン中、100℃で反応させた。反応終
了後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した後、大
容量のメタノールで沈殿させ、ポリウレタンを得た。得
られたポリウレタンについて、分子量(Mn)および分
子量分布(Mw/Mn)を測定するとともにDSCでキ
ャラクタリゼーションした。
【0065】(比較例4)100mlの三口フラスコ
に、ポリエチレングリコール(分子量400)2gと、
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)1.5g
と、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン(DA
BCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、100℃で
反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリ
ウレタンを得た。得られたポリウレタンについて、分子
量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を測定する
とともにDSCでキャラクタリゼーションした。
【0066】(比較例5)100mlの三口フラスコ
に、ポリテトラメチレンオキシド(分子量650)2g
と、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.
92gと、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタン
(DABCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、10
0℃で反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホル
ムアミドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿さ
せ、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタンについ
て、分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を
測定するとともにDSCでキャラクタリゼーションし
た。
【0067】実施例6〜10および比較例3〜5の測定
結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】実施例6〜10および比較例3〜5では、
ジオールとしてエステルオリゴマーまたはグリコールを
いずれも2.0g使用したが、これに対するMDIの必
要量は、実施例6〜10では比較例3〜5よりも明らか
に少ないことがわかった。熱可塑性ポリウレタンは直鎖
状ポリウレタンであり、ジオールとジイソシアネートの
等モル反応により製造されるが、ジオールとして比較例
3〜5ではグリコールを使用したのに対して、本発明に
係る実施例6〜10ではグリコールより高分子量である
エステルオリゴマーをジオールとして使用した。この結
果、ポリウレタン中に占めるジオールの重量比率が増加
し、これに応じてポリウレタン中に占めるジイソシアネ
ートの重量比率が相対的に低下し、単位重量のポリウレ
タンを製造するのに必要なジイソシアネートを低減し、
高価なジイソシアネートの使用量を低減することによ
り、安価なポリウレタンが製造できたものと考察され
た。
【0070】また表3の結果から、グリコールの代わり
に本発明のエステルオリゴマーを材料とすることによ
り、分子量分布の大きなポリウレタンが製造できること
がわかった。分子量分布の大きいポリウレタンは著しい
物性の低下を伴うことなく流動性の向上が期待されるこ
とから、加工性が良好である。したがって本発明の方法
により製造されたポリウレタンは、接着剤やゴム製品用
のポリウレタンとして有用であるものと考察された。こ
のポリウレタンは、特にテレフタル酸単位が導入されて
いることから、強度などの機械的特性も良好なポリウレ
タンであることがわかった。
【0071】(実施例11)リサイクル用に回収したフ
レーク状ポリエチレンテレフタレート2kg、ポリエチ
レングリコール(分子量400)2kgを5Lのオート
クレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロポキシ
ド40gを添加して、210℃で2時間反応させた。反
応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過
した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振とうする
ことにより未反応のポリエチレングリコールを除去し
た。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液からクロロ
ホルムを減圧下で除去し、エステルオリゴマーを得た。
つづいて100mlの三口フラスコに、得られたエステ
ルオリゴマー2gと、ヘキサメチレンジイソシアネート
0.2gと、2モル%の1,4−ジアゾビシクロオクタ
ン(DABCO)0.2mlとを入れ、トルエン中、1
00℃で反応させた。反応終了後、N,N−ジメチルホ
ルムアミドに溶解した後、大容量のメタノールで沈殿さ
せ、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタンについ
て、分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)を
測定するとともにDSCでキャラクタリゼーションし
た。
【0072】(実施例12)リサイクル用に回収したフ
レーク状ポリエチレンテレフタレート2kg、ポリエチ
レングリコール(分子量400)2kgを5Lのオート
クレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロポキシ
ド40gを添加して、210℃で2時間反応させた。反
応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過
した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振とうする
ことにより未反応のポリエチレングリコールを除去し
た。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液からクロロ
ホルムを減圧下で除去し、エステルオリゴマーを得た。
つづいて100mlの三口フラスコに、得られたエステ
ルオリゴマー2gと、2,4−トルエンジイソシアネー
トと2,6−トルエンジイソシアネートとの混合物(混
合比80:20)0.19gと、2モル%の1,4−ジ
アゾビシクロオクタン(DABCO)0.2mlとを入
れ、トルエン中、100℃で反応させた。反応終了後、
N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した後、大容量の
メタノールで沈殿させ、ポリウレタンを得た。得られた
ポリウレタンについて、分子量(Mn)および分子量分
布(Mw/Mn)を測定するとともにDSCでキャラク
タリゼーションした。
【0073】(実施例13)リサイクル用に回収したフ
レーク状ポリエチレンテレフタレート2kg、ポリエチ
レングリコール(分子量400)2kgを5Lのオート
クレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロポキシ
ド40gを添加して、210℃で2時間反応させた。反
応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過
した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振とうする
ことにより未反応のポリエチレングリコールを除去し
た。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液からクロロ
ホルムを減圧下で除去し、エステルオリゴマーを得た。
つづいて100mlの三口フラスコに、得られたエステ
ルオリゴマー2gと、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト0.19gと、2−エチルヘキサン酸スズ0.02g
とを入れ、トルエン中、100℃で反応させた。反応終
了後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した後、大
容量のメタノールで沈殿させ、ポリウレタンを得た。得
られたポリウレタンについて、分子量(Mn)および分
子量分布(Mw/Mn)を測定するとともにDSCでキ
ャラクタリゼーションした。
【0074】(実施例14)リサイクル用に回収したフ
レーク状ポリエチレンテレフタレート2kg、ポリエチ
レングリコール(分子量400)2kgを5Lのオート
クレーブに入れ、チタン(IV)テトライソプロポキシ
ド40gを添加して、210℃で2時間反応させた。反
応終了後、冷却し、クロロホルムに溶解させた後、ろ過
した。ろ液に蒸留水を加え、分液ロート内で振とうする
ことにより未反応のポリエチレングリコールを除去し
た。次に分解生成物を含むクロロホルム溶液からクロロ
ホルムを減圧下で除去し、エステルオリゴマーを得た。
つづいて100mlの三口フラスコに、得られたエステ
ルオリゴマー2gと、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト0.3gと、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ0.0
3gとを入れ、トルエン中、100℃で反応させた。反
応終了後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解した
後、大容量のメタノールで沈殿させ、ポリウレタンを得
た。得られたポリウレタンについて、分子量(Mn)お
よび分子量分布(Mw/Mn)を測定するとともにDS
Cでキャラクタリゼーションした。
【0075】実施例11〜14の測定結果を表4に示
す。
【0076】
【表4】
【0077】なお、今回開示された実施の形態および実
施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等などの意味および範囲内でのすべての変更が
含まれることが意図される。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエチレンテレフタ
レートのグリコリシス反応の反応性を改良して、高分子
量のエステルオリゴマーを製造することができる。ま
た、かかる高分子量のエステルオリゴマーを原料として
熱可塑性ポリウレタンを製造することにより、高価なジ
イソシアネートの必要量を低減し、安価なポリウレタン
を製造することができる。さらに本発明によれば、ポリ
ウレタンにテレフタル酸単位を導入し、ポリウレタンの
機械的特性を高めることができる。このため、廃PET
ボトルから付加価値の高いポリウレタンを製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における分解生成物のNMRスペク
トルを示す図である。
【図2】 実施例4における分解生成物のNMRスペク
トルを示す図である。
【図3】 比較例1における分解生成物のNMRスペク
トルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 伊藤 修 和歌山県和歌山市満屋292−7 (72)発明者 前田 拓也 和歌山県和歌山市満屋293−5 (72)発明者 森 一 和歌山県和歌山市小倉279 グリーンフル 小倉207 (72)発明者 宮本 博行 和歌山県田辺市湊416 宮惣ケミカル株式 会社内 (72)発明者 坂本 登志生 和歌山県田辺市湊416 宮惣ケミカル株式 会社内 Fターム(参考) 4F301 AA25 AB03 CA23 CA41 CA51 CA71 CA72 4H006 AA01 AA02 AB46 AC48 AC91 BA07 BA10 BA11 BA32 BC10 BC19 BC31 BC34 BJ50 BN10 BT32 4H039 CA66 CL30 4J034 DA01 DB03 DB07 DC02 DC43 DF01 DF16 DF22 DG03 DG04 HA01 HA07 HC03 HC12 HC61 HC64 HC67 HC71 KA01 KC17 KD02 KD12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートとグリコー
    ル化合物とを、180〜230℃で1〜2.5時間、分
    解反応触媒の存在下で分解反応させることにより得られ
    るエステルオリゴマー。
  2. 【請求項2】 前記グリコール化合物と前記ポリエチレ
    ンテレフタレートとの重量比は、1:2〜3:1である
    請求項1記載のエステルオリゴマー。
  3. 【請求項3】 前記分解反応の反応温度条件は200〜
    220℃であり、反応時間条件は1.5〜2時間である
    請求項1または2記載のエステルオリゴマー。
  4. 【請求項4】 前記エステルオリゴマーの分子量は、1
    000〜5000(Mn)である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のエステルオリゴマー。
  5. 【請求項5】 前記グリコール化合物は、エチレングリ
    コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
    コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
    ル、ポリエチレングリコールとポリオキシプロピレンと
    ポリエチレングリコールとの三元ブロック共重合体、
    1,4−ブタンジオ−ル、ポリエチレングリコールおよ
    びポリテトラメチレンオキシドからなる群より選ばれる
    少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載の
    エステルオリゴマー。
  6. 【請求項6】 前記分解反応触媒は、チタン(IV)テ
    トライソプロポキシド、チタン−n−ブトキシド、チタ
    ン−n−ブトキシド・テトラマー、オクチル酸スズ、テ
    トラフェニルスズおよび酢酸亜鉛からなる群より選ばれ
    る少なくとも一種である請求項1〜5のいずれかに記載
    のエステルオリゴマー。
  7. 【請求項7】 前記分解反応触媒は、前記ポリエチレン
    テレフタレートに対して0.1〜3重量%含有されてい
    る請求項1〜6のいずれかに記載のエステルオリゴマ
    ー。
  8. 【請求項8】 ポリエチレンテレフタレートとグリコー
    ル化合物とを、180〜230℃で1〜2.5時間、分
    解反応触媒の存在下で分解反応させることを特徴とする
    エステルオリゴマーの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一つに記載のエ
    ステルオリゴマーと、ジイソシアネート化合物とを重合
    反応触媒の存在下で重合反応させることを特徴とする熱
    可塑性ポリウレタンの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか一つに記載の
    エステルオリゴマー、ジイソシアネート化合物およびグ
    リコール化合物を重合反応触媒の存在下で重合反応させ
    ることを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ジイソシアネート化合物は、ジフ
    ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
    シアネートおよびトルエンジイソシアネートからなる群
    より選ばれる少なくとも一種である請求項9または10
    記載の熱可塑性ポリウレタンの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記重合反応触媒は、1,4−ジアゾ
    ビシクロオクタン、2−エチルヘキサン酸スズおよびジ
    ラウリル酸ジ−n−ブチルスズからなる群より選ばれる
    少なくとも一種である請求項9〜11のいずれかに記載
    の熱可塑性ポリウレタンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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