JP2003046075A - X線平面検出器 - Google Patents

X線平面検出器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低ノイズで高画質な画像を取得可能なX線平
面検出器を提供すること。 【解決手段】 X線を検出する複数の有効画素と有効画
素領域の周辺に配置されX線に依存しない電気信号を発
生する複数のダミー画素とから成る検出手段と、各画素
から電気信号を読み出す信号線26と、各画素を走査す
るための走査線27と、信号線26に帯電する静電気を
分散させる第1の静電気用配線291と、走査線27に
帯電する静電気を分散させる第2の静電気用配線と、を
具備するX線平面検出器である。複数のダミー画素は、
信号線26に重畳するノイズを除去するためのダミー画
素A領域と走査線27に重畳するノイズを除去するため
のダミー画素B領域に分割されており、第1の静電気用
配線291及び第2の静電気用配線291は検出手段の
外形に沿って設けられダミー画素A領域とダミー画素B
領域との間で物理的に切断されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線診断システム
に使用されるX線平面検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】X線平面検出器とは、被験者の体内を透
過したX線の強弱を濃淡画像として表示するX線診断シ
ステムに使用されるX線検出器である。このX線平面検
出器は、従来から利用されてきたI.I.(イメージイ
ンテンシファイア)及びイメージングプレートに置き換
わるものとして、近年製品化されつつある。X線平面検
出器は、入射したX線の変換方式により直接変換方式と
間接変換方式とに分類することができる。それぞれの方
式によるX線の検出、読み出しの構成は次の様である。
【0003】直線変換方式では、入射したX線は光電変
換膜によって電子正孔対に変換される。変換された電子
正孔対は、電荷として外部から印加される高電界により
格子状に配列された画素電極まで運ばれ、画素電極に蓄
積される。蓄積された電荷は、スイッチング素子(TF
T)の制御(走査線をOFF電位からON電位に駆動す
る)により、信号線を介し電気信号として積分アンプに
順次読み出される。読み出された信号はA/D変換によ
り画像データとなり、後続の処理系統へと出力される。
【0004】一方、間接変換方式では、入射したX線は
蛍光体によって一旦光に変換され、当該光は光電変換膜
によって電子正孔対に変換される。発生した電荷は、外
部から印加される高電界により格子状に配列された画素
電極まで運ばれる。画素電極まで運ばれた電荷は、直接
変換方式と同様に処理され、画像データが生成される。
【0005】一般に、このX線平面検出器は、診断画像
データを収集するための有効画素の他に、当該有効画素
が検出する信号からノイズ成分を取り除くための画素群
を有している。この画素群を構成する各画素はダミー画
素と呼ばれる。このダミー画素は、信号線と容量(寄生
容量)を形成している走査線の電位が変化するとき、そ
の電位変化に依存した電荷が信号線に流れ込むことで発
生するノイズ成分を除去するために使用される。また、
各ダミー画素上には、高電界の印可によって生じる絶縁
破壊を防止するための保護電極が設けられる。
【0006】ところで、ダミー画素上に設けられた上記
保護電極は、ダミー画素に接続された信号線或いは走査
線と容量を形成する。従って、ダミー画素を駆動させる
と、保護電極の電位が面内で分布し不安定になる。この
保護電極の不安定性は、ダミー画素の信号線に伝わり、
信号線にノイズ成分として重畳する。一方、有効画素領
域では、保護電極による不安定性による影響を受けな
い。このため、X線を入れないときの有効画素とダミー
画素の出力値に差が生じ、この差は、AD変換器の出力
範囲のなかで、オフセットとなることがある。
【0007】また、X線平面検出器は、スイッチング素
子アレイ(TFTアレイ)製造工程での静電気対策用の
配線を有している(以下、この静電気対策としての配線
を「LC配線」と称する)。このLC配線は、X線平面
検出器の使用においては不要となるが、通常では取り除
くことなくそのままとされる。しかしながら、LC配線
は、ダミー画素を駆動する走査線→ダミー画素に接続さ
れたコンポーネント(例えば、高インピーダンスをもつ
デバイス)→LC配線→有効画素に接続されたコンポー
ネント(例えば、高インピーダンスをもつデバイス)→
有効画素を駆動する走査線という導電経路が形成してし
まう。従って、実際のX線検出においてダミー画素を駆
動する場合、当該導電経路により各有効画素の各走査線
の電位にダミー画素の走査線電位のゆらぎによる成分が
重畳し、ノイズが増すことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ノイズが少
ない高画質なX線診断画像を取得可能なX線平面検出器
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のような手段を講じている。
【0010】本発明の第1の側面は、複数の画素電極が
マトリクス状に配置され、電荷を蓄積する有効画素アレ
イと、前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基
づいて電荷を発生する光電導体と、前記光導電体の第2
の面に設けられ、前記画素電極領域を被覆し、前記光導
電体と前記画素電極との間にバイアス電圧を印加するバ
イアス電極と、前記有効画素アレイから電子信号を読み
出すための複数の信号線と、前記有効画素アレイを走査
するための複数の走査線と、前記有効画素アレイの周囲
に配置され、前記複数の信号線に重畳するノイズを除去
する第1のダミー画素と、前記有効画素アレイの周囲に
配置され、前記複数の走査線に重畳するノイズを除去す
る第2のダミー画素と、前記第1のダミー画素に対応し
て設けられ、前記バイアス電極と前記複数の信号線又は
前記複数の走査線との間を電気的に遮蔽する第1の保護
電極と、前記第2のダミー画素に対応して設けられ、前
記バイアス電極と前記複数の信号線又は前記複数の走査
線との間を電気的に遮蔽する第2の保護電極とを具備す
るX線平面検出器である。
【0011】本発明の第2の側面は、複数の画素電極が
マトリクス状に配置され、電荷を蓄積する有効画素アレ
イと、前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基
づいて電荷を発生する光電導体と、前記光導電体の第2
の面に設けられ、前記画素電極領域を被覆し、前記光導
電体と前記画素電極との間にバイアス電圧を印加するバ
イアス電極と、前記有効画素アレイから電子信号を読み
出すための複数の信号線と、前記有効画素アレイを走査
するための複数の走査線と、前記バイアス電極と前記複
数の信号線又は前記複数の走査線との間を電気的に遮蔽
する保護電極と、前記保護電極の周囲に配置され、前記
複数の信号線に重畳するノイズを除去する第1のダミー
画素と、前記保護電極の周囲に配置され、前記複数の走
査線に重畳するノイズを除去する第2のダミー画素とを
具備するX線平面検出器である。
【0012】本発明の第3の側面は、複数の画素電極が
マトリクス状に配置され、電荷を蓄積する有効画素アレ
イと、前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基
づいて電荷を発生する光電導体と、前記有効画素アレイ
から電子信号を読み出すための複数の第1の信号線と、
前記有効画素アレイを走査するための複数の第1の走査
線と、前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つ
の線と前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つ
の線とに、直接又は非線型素子を介在して接続され、前
記複数の第1の信号線又は前記複数の第1の走査線のう
ちの少なくとも一つの線に帯電する静電気を分散させる
静電気分配用配線とを具備し、前記静電気分配用配線
は、前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つの
線との接続部と前記複数の第1の走査線のうちの少なく
とも一つの線との接続部との間において、当該配線を切
断するための第1の補助配線を有するX線平面検出器で
ある。
【0013】本発明の第4の側面は、複数の画素電極が
マトリクス状に配置され、電荷を蓄積する有効画素アレ
イと、前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基
づいて電荷を発生する光電導体と、前記有効画素アレイ
から電子信号を読み出すための複数の第1の信号線と、
前記有効画素アレイを走査するための複数の第1の走査
線と、前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つ
の線と前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つ
の線とに、直接又は非線型素子を介在して接続され、前
記複数の第1の信号線又は前記複数の第1の走査線のう
ちの少なくとも一つの線に帯電する静電気を分散させる
静電気分配用配線と、前記複数の信号線に重畳するノイ
ズを除去する第1のダミー画素と、前記複数の走査線に
重畳するノイズを除去する第2のダミー画素と、前記第
1のダミー画素から電子信号を読み出すための複数の第
2の信号線と、前記第2のダミー画素を走査するための
第2の走査線とを具備し、前記静電気分配用配線は、前
記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つの線及び
前記複数の第2の信号線の少なくとも一つとに接続され
た第1の配線と、前記複数の第1の走査線のうちの少な
くとも一つに接続された第2の配線と、前記複数の第2
の走査線のうちの少なくとも一つに接続された第3の配
線とを有するX線平面検出器である。
【0014】このような構成によれば、ノイズが少ない
高画質なX線診断画像を取得可能なX線平面検出器を実
現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態〜第
3実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明
において、略同一の機能及び構成を有する構成要素につ
いては、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ
行う。
【0016】(第1の実施形態)まず、本発明の実施形
態に係るX線平面検出器の概略構成を、図1を参照しな
がら説明する。図1は、本実施形態に係るX線平面検出
器12の概略構成を説明するための図である。
【0017】X線平面検出器12は、入射したX線を検
出するX線センサ素子16、ゲート走査線駆動回路1
8、積分アンプ回路20、マルチプレクサ22、A/D
変換器24を有している。
【0018】X線センサ素子16は、マトリックス状に
配列され入射したX線を電荷情報に変換する複数の光電
変換膜(図示せず)と、画素毎に設けられ各光電変換膜
からの電荷を収集する画素電極と、画素電極によって集
められた電荷を蓄積する複数のコンデンサと、ゲート走
査線駆動回路18からの制御信号に基づいて各コンデン
サに蓄積された電荷を電気信号として読み出すスイッチ
ング素子(例えば、TFT:薄膜トランジスタ等)と、
を有している。X線センサ素子16は二次元マトリック
ス状に複数配列されており、センサ素子アレイを形成し
ている。各センサ素子16は、後述するように有効画
素、ダミー画素A(以下、「DA」と称する)、ダミー
画素B(以下、「DB」と称する)に分類される(図2
参照)。
【0019】ゲート走査線駆動回路18は、ゲート走査
線27を介してX線センサ素子16の各スイッチング素
子のゲート端子に電気的に接続されている。ゲート走査
線駆動回路18は、各スイッチング素子のゲート端子に
制御信号を供給することで、ゲート走査線27毎のスイ
ッチング素子群のON/OFF制御を行う。なお、ゲー
ト走査線駆動回路18は、各走査線に接続され保護電極
への電位供給機能を持つ走査線駆動ICを有する構成で
あってもよい。また、図1においてはゲート走査線駆動
回路18を一辺にのみ配置した構成を示しているが、当
該ゲート走査線駆動回路18をセンサ素子アレイを挟ん
だ両側に設けて、両側から各スイッチング素子へ駆動信
号を供給する構成であってもよい。
【0020】積分アンプ回路20は、X線センサ素子1
6から信号線26を介して所定のタイミングによって列
単位で読み出された同一列の画素毎の電気信号を増幅す
る。
【0021】マルチプレクサ22は、積分アンプ20に
よって増幅された信号を順次選択し、後続のA/D変換
器24に送り出す。
【0022】A/D変換器24は、マルチプレクサ22
から入力したアナログ信号をディジタル信号へと変換す
る。
【0023】なお、図1においては積分アンプ回路2
0、マルチプレクサ22を一辺にのみ配置した構成を示
しているが、積分アンプ回路20、マルチプレクサ22
をセンサ素子アレイを挟んだ両側に設けて、両側からセ
ンサ素子の検出信号を読み出す構成であってもよい。
【0024】次に、本X線平面検出器12が有する有効
画素、ダミー画素A(DA)、ダミー画素B(DB)に
ついて、図2を参照しながら説明する。
【0025】図2は、X線センサ素子16を有効画素、
ダミー画素A(DA)、ダミー画素B(DB)に分類し
た場合に、各画素によって形成される画素領域を示した
図である。各画素が分布する領域をそれぞれ有効画素領
域、ダミー画素A領域、ダミー画素B領域と称する。な
お、上述した通り、各画素領域を構成する各画素は、セ
ンサ素子16によって構成されている。
【0026】有効画素とは、入射したX線を検出するた
めの画素である。X線診断画像は、当該画素が検出した
X線に基づいて生成される。
【0027】DAは、ゲート走査線駆動回路18が走査
線27の電位を変化させる場合に、信号線26に流れ込
み有効画素の検出信号に重畳するノイズ(NA)をキャ
ンセルさせるために、図2に示すように有効画素領域の
列方向(信号線に平行な方向)上下に配置される画素で
ある。このDAは、X線に基づく電荷情報を蓄積しない
構造(例えば、光電変換膜とコンデンサとが電気的に接
続されていない、或いはその表面(X線入射側)がシー
ルドで覆われている等)となっている。従って、TFT
をOFFからONにする場合に当該DAから検出される
電荷は、ノイズ(NA)のみを取り出したものとなる。
このDAを利用した有効画素からのノイズ(NA)の除
去は、有効画素の走査線を駆動するときに、DAの走査
線を有効領域の走査線と逆相に駆動して、有効画素と逆
符号のノイズ(NA)を発生させ、検出信号に重畳した
ノイズ(NA)をキャンセルさせることで実行される。
【0028】DBは、定常状態にある走査線27の電位
のゆらぎによって発生し有効画素の検出信号に重畳する
ノイズ(NB)を除去するために、図2に示すように有
効画素領域の行方向(走査線に平行な方向)の左右配置
される画素である。このDBは、X線に基づく電荷情報
を蓄積しない構造(例えば、光電変換膜とコンデンサと
が電気的に接続されていない、或いはその表面(X線入
射側)がシールドで覆われている等)となっている。こ
のDBによってノイズ(NB)を取り除く手法は、X線
照射後に、有効画素の出力値から同一ゲート線上のダミ
ー画素(DB)の出力値を差し引き、走査線電位のゆら
ぎ成分を除去するものである。このダミー画素(DB)
は、その出力値が有効画素のX線を照射しないときの出
力値と同じになるように設計されている。
【0029】(高電界印加による絶縁破壊を防止する機
能)次に、本X線平面検出器12が有する、高電界印加
による絶縁破壊を防止するための機能について説明す
る。
【0030】通常、X線診断においては、光電変換膜で
発生した電荷を画素電極に収集させるために、高電界が
X線平面検出器に印加される。この印加される高電界
は、有効画素領域、周辺領域(ダミー画素A領域、ダミ
ー画素B領域、有効画素周辺の走査線領域、有効画素周
辺の信号線領域)で絶縁破壊を起こす危険性があり、領
域毎に工夫が施されている。
【0031】有効画素領域においては光電変換膜内に高
電界が印加されているため、当該光電変換膜に大線量の
X線が入射すると、過渡的な大電流が発生し、画素の電
位が必要以上にあがる。このとき、有効画素と共通電極
との間(この間には容量が形成される)或いはTFTで
絶縁破壊を起こす可能性がある。この有効画素領域おけ
る絶縁破壊を防止するために、画素に必要以上の電荷が
たまった場合、電荷を外に逃がす機能を当該画素に持た
せている。この機能は、画素内に例えばTFTにダイオ
ード機能を持たせること等で実現することができる。
【0032】一方、周辺領域においても、光電変換膜の
特性が十分に出るように、高電界が印加される。この高
電界の印加により、高電界印加用電極と、ダミー画素、
走査線、信号線との間で絶縁破壊が発生する可能性があ
る。この周辺領域での絶縁破壊を防止するため、本X線
平面検出器では、走査線、信号線と高電界印加用電極と
の間に、絶縁膜によって帯電を遮蔽する保護電極(電位
はGND)が設けられている。この保護電極には、電気
抵抗を持つ材料が使用される。
【0033】図3A、3Bは、本X線検出器12の保護
電極30を説明するための図であり、図2におけるD−
Dに沿った断面図である。図4は、3Bの円形内の拡大
図である。図3A、3B、図4に示すように、高電圧電
極32と信号線層33との間に、保護電極30が設けら
れている。この保護電極30は、上述の如くダミー画素
A或いはダミー画素Bに対応して設けられるものである
から、有効画素領域の周辺に存在する構成となる。
【0034】また、保護電極30は、有効画素領域とダ
ミー画素A領域、及び有効画素領域とダミー画素B領域
との間(図3A、3B、図4参照)で電気的に分離され
ている。さらに、保護電極30は、ダミー画素A領域と
ダミー画素B領域との間G、H、I、Jにおいても分離
されている。これは、DAを駆動した際に発生する電位
変動が、DBに接続された信号線26に伝わらないよう
にするためである。
【0035】すなわち、X線平面検出器の構造から、保
護電極30は、DA或いはDBに接続されたすべての信
号線26と容量を形成する。また、DA或いはDBに接
続されたすべての走査線27は、保護電極30と容量を
形成する。従って、ゲート走査線駆動回路18によって
DAを駆動させると、保護電極30には電位変化に依存
した過渡電流が流れる。このとき、保護電極30は、抵
抗成分をもつ材料で形成されているため、当該保護電極
30の電位は不安定になる。特に保護電極30がダミー
画素A領域とダミー画素B領域との間で分離されていな
い場合には、この保護電極30の不安定性はDBの信号
線に伝わり、信号線にノイズ成分として重畳する。一
方、有効画素領域では、このようなDAの駆動の影響を
受けない。これは、保護電極は、ダミー画素上にしか被
さっていないからである。このため、例えば暗時画像撮
影における有効画素とダミー画素の出力値に差が生じ
る。この差は、AD変換器の出力範囲のなかで、オフセ
ットとなり、X線診断画像のノイズの原因となる。
【0036】これに対し、本X線平面検出器の保護電極
30は、ダミー画素A領域とダミー画素B領域との間で
も分離した構成を有するから、上記ノイズの回り込みの
発生を防止することができる。ゲート走査線駆動に関連
してDAを被う保護電極30に流れる過渡電流はDBを
被う保護電極30を介して信号線に重畳することが無く
なるからである。
【0037】分離された各保護電極にはGND電位等の
安定した電位供給が必要である。この保護電極30への
電位供給形態について、以下4つの実施例を示す。な
お、各実施例は、後述するいずれの実施形態に係るX線
平面検出器にも適用可能である。
【0038】(実施例1−1)第1の実施例に係るX線
平面検出器について説明する。
【0039】図5は、実施例1に係るX線平面検出器1
21を説明するための図である。図5に示すX線平面検
出器121は、スイッチング素子を両側から駆動し、各
画素からの信号読み出しを上下両側から読み出すもので
ある。従って、センサ素子アレイの各センサ素子からの
走査線は、センサ素子アレイの右側或いは左側に引き出
される。また、センサ素子アレイの各センサ素子からの
信号線は、センサ素子アレイの上側或いは下側に引き出
される。
【0040】センサ素子アレイの左右両側に配置された
ゲート走査線駆動回路18は、各走査線に接続されスイ
ッチング素子を駆動するためのICを有している。本X
線平面検出器121では、このICに保護電極への電位
供給機能を持たせており、各辺から数点GND電位を供
給する構成となっている。なお、保護電極への電位供給
の構成はこれに限らず、ICとは別系統で、GND電位
を数点供給する手段を設ける構成であっても良い。
【0041】センサ素子アレイの行方向の一辺に上側及
び下側に配置された積分アンプ回路20は、各信号線に
接続されたアンプICを有している。本X線平面検出器
121では、このICに保護電極への電位供給機能を持
たせており、各辺から数点電位を供給する構成となって
いる。なお、ゲート走査線駆動回路18の場合と同様
に、保護電極への電位供給は、ICとは別系統で、GN
D電位の数点供給であっても良い。
【0042】(実施例1−2)図6は、実施例2に係る
X線平面検出器122を説明するための図である。図6
に示すX線平面検出器122は、スイッチング素子をセ
ンサ素子アレイの右側或いは左側から駆動し、各画素か
らの信号読み出しをセンサ素子アレイの上側及び下側か
ら読み出すものである。従って、X線平面検出器121
は、センサ素子アレイの左右いずれか一方に配置された
ゲート走査線駆動回路18と、センサ素子アレイの上側
及び下側に配置された積分アンプ回路20及びAD変換
器を有する構成となっている。
【0043】センサ素子アレイの左右いずれか一方に配
置されたゲート走査線駆動回路18は、各走査線に接続
され保護電極への電位供給機能を持つ走査線駆動ICを
有している。なお、保護電極への電位供給の構成はこれ
に限らず、ICとは別系統で、GND電位を数点供給す
る構成であっても良い。走査線駆動ICが接続されてい
ない辺には、信号線側からGND電位を1点あるいは2
点供給する。なお、この場合、保護電極が抵抗成分を有
しているため、GNDとしての安定性が悪くなり、ダミ
ー画素(DB)の左右で出力差が出てしまう。この出力
差の発生を防ぐために、保護電極の下層に低抵抗材料を
設け、保護電極と低抵抗材料を数点でコンタクトさせる
ことで、GNDを強化することが好ましい。
【0044】図7は、図6のE−Eに沿った断面図を示
している。同図に示すように、ダミー画素(DB)出力
の左右差をなくすために、走査線駆動ICが接続されて
いる辺の保護電極の下層にも低抵抗材料を設ける構成で
あってもよい。また、走査線駆動ICが接続されていな
い辺にGND電位を供給できる部位31を設け、走査線
自身からGND電位を供給できるようにしておいてもよ
い。
【0045】なお、信号線側においては、実施例1で述
べた電位供給機能によって、保護電極にGND電位を供
給することができる。
【0046】(実施例1−3)図8は、実施例3に係る
X線平面検出器124を説明するための図である。図8
に示すX線平面検出器124は、スイッチング素子をセ
ンサ素子アレイの右側及び左側から駆動し、各画素から
の信号読み出しをセンサ素子アレイの上側或いは下側か
ら読み出すものである。従って、X線平面検出器124
は、センサ素子アレイの左右両側に配置されたゲート走
査線駆動回路18と、センサ素子アレイの上側或いは下
側に配置された積分アンプ回路20及びAD変換器を有
する構成となっている。
【0047】走査線側については、実施例1で述べた電
位供給機能によって、保護電極にGND電位を供給する
ことができる。
【0048】一方、信号線側においては、実施例1と同
様に、各信号線26に接続された積分アンプ回路20内
のアンプICが保護電極への電位供給機能を有してお
り、各辺から数点電位を供給する構成となっている。一
方、アンプICが接続されていない信号線側には、走査
線側からGND電位を1点あるいは2点供給する。な
お、ゲート走査線駆動回路18の場合と同様に、保護電
極への電位供給は、ICとは別系統で、GND電位の数
点供給であっても良い。また、アンプICが接続されて
いない信号線側からアンプICが接続されていない他の
信号線側に、GND電位を供給できる手段(例えば、パ
ッド等)を設ける構成であっても良い。
【0049】(実施例1−4)図9は、実施例4に係る
X線平面検出器126を説明するための図である。図9
に示すX線平面検出器126は、スイッチング素子をセ
ンサ素子アレイの右側及び左側から駆動し、各画素から
の信号読み出しをセンサ素子アレイの上側或いは下側か
ら読み出すものである。従って、X線平面検出器124
は、センサ素子アレイの右側或いは左側に配置されたゲ
ート走査線駆動回路18と、センサ素子アレイの上側或
いは下側に配置された積分アンプ回路20及びAD変換
器を有する構成となっている。
【0050】走査線側においては、実施例2で述べた電
位供給機能によって、保護電極にGND電位を供給する
ことができる。
【0051】また、信号線側においては、実施例3で述
べた電位供給機能によって、保護電極にGND電位を供
給することができる。
【0052】以上述べた構成によれば、保護電極30が
ダミー画素A領域とダミー画素B領域とで分離されてい
るから、DBに接続された信号線26は、DA駆動によ
る電位変動による影響を受けない。従って、DBによる
ノイズ補正を適切に行うことができ、その結果ノイズが
低減された高画質なX線診断画像を取得することができ
る。
【0053】また、LC配線291は、ダミー画素A領
域とダミー画素B領域との間においても分離されている
から、有効画素出力は、定常状態にあるDAの走査線電
位のゆらぎによる影響を受けない。従って、ノイズが発
生する原因(導電経路)そのものを絶つことができ、そ
の結果ノイズが低減された高画質なX線診断画像を取得
することができる。
【0054】さらに、LC配線291は、ダミー画素A
領域とダミー画素B領域との間において切断するための
補助配線295を有しているから、X線平面検出器12
の完成後においても容易に当該切断を実行することがで
きる。
【0055】(第2の実施形態)第2の実施形態では、
保護電極30が信号線26又は走査線27と容量を形成
しない構成を有するX線平面検出器につい説明する。
【0056】図10は、本実施形態に係るX線平面検出
器12の構成を説明するための図である。また、図11
は、図10におけるP−Pに沿った断面図である。図1
0、図11に示すように、本X線平面検出器12は、D
A上又はDB上に存在していない。この様な構成とする
ことで、保護電極30は、DB及びDAの信号線26と
容量を形成しない。
【0057】すなわち、ゲート走査線駆動回路18によ
ってDAを駆動させ、保護電極30の電位が不安定にな
った場合であっても、この保護電極30の不安定性はD
Bの信号線に伝わらない。従って、例えば暗時画像撮影
においても、有効画素とダミー画素の出力値に差は発生
せず、ノイズ発生を防止出来る。
【0058】次に、本実施形態に係るX線平面検出器1
2の変形例を二つ示す。各変形例に係るX線平面検出器
は、保護電極30自体に流れるループ電流の除去の観点
から、少なくとも一箇所において切断された保護電極3
0を有する。
【0059】図12は、位置Qにおいて切断されたC型
保護電極30を有するX線平面検出器12の上面図であ
る。この例に係るX線平面検出器12によれば、保護電
極30は、回路を形成しない。従って、当該保護電極3
0は、当該検出器12の駆動時等において発生するルー
プ電流の経路を遮断することができる。
【0060】図13は、位置Q、位置Rにおいて切断さ
れ分離された保護電極30を有するX線平面検出器12
の上面図である。特に、同図の例では、保護電極30を
X線平面検出器12の中心軸に関して線対称としてい
る。これは、X線センサ素子16のアレイがX線平面検
出器12の中心軸に関して線対称に配列されていること
に対応させたものである。すなわち、保護電極30が、
X線センサ素子16のアレイと同様にX線平面検出器1
2の中心軸に関して線対称であれば、画像に重畳するノ
イズも当該対象性を利用して効率的に相殺できるからで
ある。
【0061】(第3の実施形態)一般に、X線平面検出
器製造でのTFTアレイ製造工程や検出器組み立て工程
では、走査線、信号線が静電気により帯電する。この静
電気の帯電量が大きくなった場合に、走査線、信号線と
当該走査線等と同層あるいは他層にある導体との間で、
絶縁破壊が発生する場合がある。第3の実施形態では、
この静電気による絶縁破壊を防止する機能を有し、且つ
ダミー画素を駆動した場合であっても有効画素の各走査
線の電位に影響がないX線平面検出器につい説明する。
【0062】すなわち、本実施形態に係るX線平面検出
器12は、図1に示すような絶縁破壊防止部29によっ
て、この絶縁破壊を防止している。この絶縁破壊防止部
29は、すべての画素領域(有効画素領域、ダミー画素
A領域、ダミー画素B領域)外で各走査線27、各信号
線26に接続されたコンポーネント(例えば、高抵抗)
290と、当該コンポーネント290に電極の一方を接
続し、1本の線に束ねられて画素領域のまわりを一周す
るLC配線291とによって構成されている。なお、ス
イッチング素子の駆動に関係しない走査線、或いは各画
素からの信号読み出しに関係しない信号線がある場合に
は、これらの走査線或いは信号線にもコンポーネント2
90を接続することが好ましい。
【0063】また、本実施形態に係るX線平面検出器1
2のLC配線291は、所定の位置において切断され、
走査線側と信号線側とに分離される。このLC配線29
1の切断形態について、以下5つの実施例を示す。な
お、各実施例は、既述のいずれの実施形態に係るX線平
面検出器にも適用可能である。
【0064】(実施例3−1)図14は、本実施例に係
るX線平面検出器12が有するLC配線291の切断を
説明するための図である。図14に示すように、X線平
面検出器12は、DBのノイズを除去するための第2の
DA296と、位置Kにおいて走査線側と信号線側とに
切断されたLC配線291とを具備している。切断され
たそれぞれのLC配線291には、アレイ機能に問題な
い電位(たとえば、走査線のOFF電位、信号線電位)
が供給される。
【0065】当該絶縁破壊防止部29によれば、走査
線、信号線に帯電した電荷は、コンポーネント290に
よってLC配線291に分散する。従って、製造工程に
おける、静電気による絶縁破壊を防止することができ
る。また、LC配線291は、位置Kにおいて走査線側
と信号線側とに切断されている。
【0066】(実施例3−2)図15は、本実施例に係
るX線平面検出器12が有するLC配線291の切断を
説明するための図である。同図に示すように、本X線平
面検出器12は、走査線側と信号線側との境界である位
置Kと、ダミー画素A領域とダミー画素B領域との境界
である位置Lとにおいて切断されたLC配線291を具
備している。この様に位置Lにおいても切断するのは、
DAに接続されるLC配線291と有効画素に接続され
るLC配線291とを完全に分離し、定常状態にあるD
Aの走査線電位のゆらぎを、有効画素出力に影響させな
いためである。
【0067】すなわち、実際にX線平面検出器12を使
用しDAを駆動する場合、当該駆動による電位のゆらぎ
は、走査線(ダミー画素(DA))→ダミー画素(D
A)につながっているコンポーネント(例えば、高イン
ピーダンスをもつデバイス)→配線(LC)→有効画素
につながっているコンポーネント(例えば、高インピー
ダンスをもつデバイス)→走査線(有効画素)といった
経路で、有効画素の走査線電位に影響すると考えられ
る。これにより、各走査線の電位にDAのゆらぎによる
成分が重畳し、ノイズ(NB)が増す。しかし、本X線
平面検出器12は分割されたLC配線を有しているか
ら、上記経路によってDAに接続された走査線電位のゆ
らぎが、有効画素に接続された走査線の電位に影響する
ことはない。従って、有効画素に接続された走査線に重
畳するノイズ成分を少なくすることができる。
【0068】なお、LC配線291の位置Lでの切断を
容易に実行するために、図16に示すように切断のため
の補助配線295を持つ構成であることが好ましい。こ
の様な構成によれば、ダミー画素A領域とダミー画素B
領域との間におけるLC配線291切断作業を容易に行
うことができる。
【0069】また、LC配線291の位置Kでの切断を
容易に実行するために、位置Lと同様に切断のための補
助配線295を持つ構成であってもよい。
【0070】(実施例3−3)図17は、本実施例に係
るX線平面検出器12が有するLC配線の構造を説明す
るための図である。同図に示すように、本X線平面検出
器12は、第1のLC配線292と、第2のLC配線2
93と、第3のLC配線294とを具備している。第1
のLC配線292は、DA及び第2のDA291に接続
された走査線に接続される。第2のLC配線293は、
DBに接続された信号線に接続される。第3のLC配線
294は、第2のDA296の信号線に接続される。
【0071】第1のLC配線292、第2のLC配線2
93、第3のLC配線294は、互いに電気的に切断さ
れている。従って、電流経路が遮断されるから、DAの
駆動により発生する電位のゆらぎが、有効画素に接続さ
れた走査線の電位に影響することはない。その結果、有
効画素に接続された走査線に重畳するノイズ成分を少な
くすることができる。
【0072】なお、各LC配線での走査線側と信号線側
との境界となる位置、すなわち位置K1、K2、K3に
おいても切断する構成であってもよい。また、図15に
示したように位置Lにおいても切断する構成であっても
よい。これは、以下の実施例3−4、3−5においても
同様である。
【0073】(実施例3−4)図18は、本実施例に係
るX線平面検出器12が有するLC配線291の構造を
説明するための図である。図18に示すX線平面検出器
12は、第1のLC配線292、第2のLC配線29
3、第3のLC配線294に加えて、各LC配線の間を
接続する抵抗300を有している。なお、抵抗300
は、静電気による絶縁破壊を防止する程度の抵抗値を持
つ。
【0074】すなわち、第1のLC配線292、第2の
LC配線293、第3のLC配線294が抵抗300を
介して互いに接続されている。この様な構成によれば、
各配線が電気的に完全に切断されている場合に比して、
製造工程等における絶縁破壊防止機能をさらに向上させ
ることができる。また、各LC配線間は、抵抗300を
介して接続されているから、DAの駆動による有効画素
に接続された走査線電位への影響は、少なくなる。その
結果、有効画素に接続された走査線に重畳するノイズ成
分を少なくすることができる。
【0075】(実施例3−5)図19は、本実施例に係
るX線平面検出器12が有するLC配線291の構造を
説明するための図である。図18に示すX線平面検出器
12は、第1のLC配線292、第2のLC配線29
3、第3のLC配線294に加えて、各LC配線に接続
された切断のための補助配線301を有する。
【0076】すなわち、第1のLC配線292、第2の
LC配線293、第3のLC配線294は、補助配線3
01を介して互いに接続されている。従って、各配線が
電気的に完全に切断されている場合に比して、製造工程
等における絶縁破壊防止機能をさらに向上させることが
できる。また、実際のX線平面検出器12の使用時にお
いて、補助配線301は切断される。従って、電流経路
が遮断され、各LC配線は電気的に独立とななるから、
DAの駆動により発生する電位のゆらぎは、有効画素に
接続された走査線に伝播しない。その結果、有効画素に
接続された走査線に重畳するノイズ成分を少なくするこ
とができる。
【0077】以上述べた各実施形態によれば、絶縁破壊
を防止でき、またノイズが除去された高画質なX線診断
画像を提供可能なX線平面検出器を実現できる。
【0078】なお、実施形態に基づき説明したが、本発
明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及
び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解さ
れ、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0079】また、上記実施形態には種々の段階の発明
が含まれており、開示される複数の構成要件における適
宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例え
ば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要
件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で
述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられてい
る効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成
要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0080】上述した実施の形態に基づいて、以下のX
線平面検出器を得ることが出来る。
【0081】(1)複数の画素電極がマトリクス状に配
置され、電荷を蓄積する有効画素アレイと、前記有効画
素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて電荷を発生
する光電導体と、前記光導電体の第2の面に設けられ、
前記画素電極領域を被覆し、前記光導電体と前記画素電
極との間にバイアス電圧を印加するバイアス電極と、前
記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数の
信号線と、前記有効画素アレイを走査するための複数の
走査線と、前記有効画素アレイに隣接して配置され、前
記複数の信号線に重畳するノイズを除去する第1のダミ
ー画素と、前記有効画素アレイに隣接して配置され、前
記複数の走査線に重畳するノイズを除去する第2のダミ
ー画素と、前記第1のダミー画素に対応して設けられ、
前記バイアス電極と前記複数の信号線又は前記複数の走
査線との間を電気的に遮蔽する第1の保護電極と、前記
第2のダミー画素に対応して設けられ、前記第1の保護
電極と電気的に切断され、かつ前記バイアス電極と前記
複数の信号線又は前記複数の走査線との間を電気的に遮
蔽する第2の保護電極とを具備するX線平面検出器を提
供することができる。
【0082】(2)上記(1)のX線平面検出器であっ
て、第1の保護電極にGND電位を供給するための第1
のパッド、及び前記第2の保護電極にGND電位を供給
するための第2のパッドを有するものを提供することが
できる。
【0083】(3)複数の画素電極がマトリクス状に配
置され、電荷を蓄積する有効画素アレイと、前記有効画
素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて電荷を発生
する光電導体と、前記光導電体の第2の面に設けられ、
前記画素電極領域を被覆し、前記光導電体と前記画素電
極との間にバイアス電圧を印加するバイアス電極と、前
記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数の
信号線と、前記有効画素アレイを走査するための複数の
走査線と、前記バイアス電極と前記複数の信号線又は前
記複数の走査線との間を電気的に遮蔽する保護電極と、
前記保護電極の周囲に配置され、前記複数の信号線に重
畳するノイズを除去する第1のダミー画素と、前記保護
電極の周囲に配置され、前記複数の走査線に重畳するノ
イズを除去する第2のダミー画素とを具備するX線平面
検出器を提供することができる。
【0084】(4)上記(3)のX線平面検出器であっ
て、前記保護電極は、少なくとも二つ以上設けられてい
るものを提供することができる。
【0085】(5)上記(3)のX線平面検出器であっ
て、前記保護電極は、前記信号線又は前記走査線に対し
て線対称に配置される第1の保護電極部と第2の保護電
極部とを有するものを提供することができる。
【0086】(6)上記(3)のX線平面検出器であっ
て、前記保護電極にGND電位を供給するためのパッド
を有するものを提供することが出来る。
【0087】(7)上記(3)のX線平面検出器であっ
て、前記保護電極には、前記有効画素アレイを駆動する
駆動回路のGND電位が供給されているものを提供する
ことが出来る。
【0088】(8)上記(3)のX線平面検出器であっ
て、前記保護電極には、前記信号線を介して前記有効画
素アレイから電気信号を読み出す読み出し回路のGND
電位が供給されているものを提供することが出来る。
【0089】(9)複数の画素電極がマトリクス状に配
置され、電荷を蓄積する有効画素アレイと、前記有効画
素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて電荷を発生
する光電導体と、前記有効画素アレイから電子信号を読
み出すための複数の第1の信号線と、前記有効画素アレ
イを走査するための複数の第1の走査線と、前記複数の
第1の信号線のうちの少なくとも一つの線と前記複数の
第1の走査線のうちの少なくとも一つの線とに、直接又
は非線型素子を介在して接続され、前記複数の第1の信
号線又は前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一
つの線に帯電する静電気を分散させる静電気分散用配線
と、前記複数の信号線に重畳するノイズを除去する第1
のダミー画素と、前記複数の走査線に重畳するノイズを
除去する第2のダミー画素と、前記第1のダミー画素か
ら電子信号を読み出すための複数の第2の信号線と、前
記第2のダミー画素を走査するための第2の走査線とを
具備し、前記静電気分散用配線は、前記複数の第1の信
号線のうちの少なくとも一つの線及び前記複数の第2の
信号線の少なくとも一つとに接続された第1の配線と、
前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つに接続
された第2の配線と、前記複数の第2の走査線のうちの
少なくとも一つに接続された第3の配線とを有するX線
平面検出器を提供することが出来る。
【0090】(10)上記(9)のX線平面検出器であ
って、前記第1の配線、第2の配線、第3の配線間を接
続する抵抗をさらに具備するものを提供することが出来
る。
【0091】(11)上記(9)のX線平面検出器であ
って、前記抵抗は、前記複数の第1の信号線又は前記複
数の第1の走査線のうちの少なくとも一つの線に帯電す
る静電気による絶縁破壊を防止する抵抗値を有するもの
を提供することがで出来る。
【0092】(12)上記(9)のX線平面検出器であ
って、前記第1の配線、第2の配線、第3の配線のそれ
ぞれに接続され、各配線間の電気的接続を切断するため
の第3の補助配線を有するものを提供することが出来
る。
【0093】
【発明の効果】以上本発明によれば、ノイズが少ない高
画質なX線診断画像を取得可能なX線平面検出器を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態に係るX線平面検出器12の
概略構成を説明するための図である。
【図2】図2は、X線センサ素子16を有効画素、ダミ
ー画素A(DA)、ダミー画素B(DB)に分類した場
合に、各画素によって形成される画素領域を示した図で
ある。
【図3】図3(a)は、保護電極30を説明するための
X線平面検出器12の上面図である。図3(b)は、保
護電極30を説明するためのX線平面検出器12の断面
図である。
【図4】図4は、図3(a)、3(b)の円形内の拡大
図である。
【図5】図5は、保護電極30への電位供給形態に関す
る実施例を説明するための図である。
【図6】図6は、保護電極30への電位供給形態に関す
る他の実施例を説明するための図である。
【図7】図7は、保護電極30への電位供給形態に関す
る他の実施例を説明するための図である。
【図8】図8は、保護電極30への電位供給形態に関す
る他の実施例を説明するための図である。
【図9】図9は、保護電極30への電位供給形態に関す
る他の実施例を説明するための図である。
【図10】図10は、第2の実施形態に係るX線平面検
出器12の構成を説明するための図である。
【図11】図11は、図10におけるP−Pに沿った断
面図である。
【図12】図12は、C型保護電極30を有するX線平
面検出器12の上面図である。
【図13】図13は、X線平面検出器12の中心軸に関
して線対称である保護電極30を説明するための図であ
る。
【図14】図14は、X線平面検出器12が有するLC
配線291の一例を説明するための図である。
【図15】図15は、X線平面検出器12が有するLC
配線291の他の例を説明するための図である。
【図16】図16は、LC配線291が有する補助配線
295を説明するための図である。
【図17】図17は、X線平面検出器12が有するLC
配線構造の一例を説明するための図である。
【図18】図18は、X線平面検出器12が有するLC
配線構造の他の例を説明するための図である。
【図19】図19は、X線平面検出器12が有するLC
配線構造の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
12…X線平面検出器 16…センサ素子 18…ゲート走査線駆動回路 20…積分アンプ 22…マルチプレクサ 24…A/D変換器 26…信号線 27…ゲート走査線 27…走査線 29…絶縁破壊防止部 30…保護電極 30…C型保護電極 31…部位 32…高電圧電極 33…信号線層 121…X線平面検出器 122…X線平面検出器 124…X線平面検出器 126…X線平面検出器 290…コンポーネント 291…LC配線 291…静電気用配線 292…第1のLC配線 293…第2のLC配線 294…第3のLC配線 295…補助配線 296…第2のDA 300…抵抗 301…補助配線
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Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素電極がマトリクス状に配置さ
    れ、電荷を蓄積する有効画素アレイと、 前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて
    電荷を発生する光電導体と、 前記光導電体の第2の面に設けられ、前記画素電極領域
    を被覆し、前記光導電体と前記画素電極との間にバイア
    ス電圧を印加するバイアス電極と、 前記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数
    の信号線と、 前記有効画素アレイを走査するための複数の走査線と、 前記有効画素アレイに隣接して配置され、前記複数の信
    号線に重畳するノイズを除去する第1のダミー画素と、 前記有効画素アレイに隣接して配置され、前記複数の走
    査線に重畳するノイズを除去する第2のダミー画素と、 前記第1のダミー画素に対応して設けられ、前記バイア
    ス電極と前記複数の信号線又は前記複数の走査線との間
    を電気的に遮蔽する第1の保護電極と、 前記第2のダミー画素に対応して設けられ、前記第1の
    保護電極と電気的に切断され、かつ前記バイアス電極と
    前記複数の信号線又は前記複数の走査線との間を電気的
    に遮蔽する第2の保護電極と、 を具備するX線平面検出器。
  2. 【請求項2】前記第1の保護電極には、前記有効画素ア
    レイを駆動する駆動回路のGND電位が供給され、 前記第2の保護電極には、前記信号線を介して前記有効
    画素アレイから電気信号を読み出す読み出し回路のGN
    D電位が供給されている請求項1記載のX線平面検出
    器。
  3. 【請求項3】複数の画素電極がマトリクス状に配置さ
    れ、電荷を蓄積する有効画素アレイと、 前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて
    電荷を発生する光電導体と、 前記光導電体の第2の面に設けられ、前記画素電極領域
    を被覆し、前記光導電体と前記画素電極との間にバイア
    ス電圧を印加するバイアス電極と、 前記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数
    の信号線と、 前記有効画素アレイを走査するための複数の走査線と、 前記バイアス電極と前記複数の信号線又は前記複数の走
    査線との間を電気的に遮蔽する保護電極と、 前記保護電極の周囲に配置され、前記複数の信号線に重
    畳するノイズを除去する第1のダミー画素と、 前記保護電極の周囲に配置され、前記複数の走査線に重
    畳するノイズを除去する第2のダミー画素と、 を具備するX線平面検出器。
  4. 【請求項4】前記保護電極は、少なくとも一つの切断部
    位を有する請求項3記載のX線平面検出器。
  5. 【請求項5】複数の画素電極がマトリクス状に配置さ
    れ、電荷を蓄積する有効画素アレイと、 前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて
    電荷を発生する光電導体と、 前記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数
    の第1の信号線と、 前記有効画素アレイを走査するための複数の第1の走査
    線と、 前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つの線と
    前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つの線と
    に、直接又は非線型素子を介在して接続され、前記複数
    の第1の信号線又は前記複数の第1の走査線のうちの少
    なくとも一つの線に帯電する静電気を分散させる静電気
    分散用配線と、 を具備し、 前記静電気分散用配線は、前記複数の第1の信号線のう
    ちの少なくとも一つの線との接続部と前記複数の第1の
    走査線のうちの少なくとも一つの線との接続部との間に
    おいて、当該配線を切断するための第1の補助配線を有
    するX線平面検出器。
  6. 【請求項6】前記複数の信号線に重畳するノイズを除去
    する第1のダミー画素と、 前記複数の走査線に重畳するノイズを除去する第2のダ
    ミー画素と、 前記第1及び第2のダミー画素から電子信号を読み出す
    ための第2の信号線と、 前記第1及び第2のダミー画素を走査するための第2の
    走査線と、 をさらに具備し、 前記静電気分散用配線は、前記複数の第1の信号線のう
    ちの少なくとも一つの線及び前記第2の信号線と、前記
    複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つの線及び前
    記第2の走査線とに、直接又は非線型素子を介在して接
    続され、前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一
    つの線との接続部と前記第2の信号線との接続部との
    間、又は前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一
    つの線との接続部と前記第2の走査線との接続部との間
    において、当該配線を切断するための第2の補助配線を
    有する請求項5記載のX線平面検出器。
  7. 【請求項7】前記複数の信号線に重畳するノイズを除去
    する第1のダミー画素と、 前記複数の走査線に重畳するノイズを除去する第2のダ
    ミー画素と、 前記第1のダミー画素から電子信号を読み出すための複
    数の第2の信号線と、 前記第2のダミー画素を走査するための第2の走査線
    と、 をさらに具備し、 前記静電気分散用配線は、前記複数の第1の信号線のう
    ちの少なくとも一つの線及び前記複数の第2の信号線の
    少なくとも一つとに接続された第1の配線と、 前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つに接続
    された第2の配線と、 前記複数の第2の走査線のうちの少なくとも一つに接続
    された第3の配線と、 を有する請求項5記載のX線平面検出器。
  8. 【請求項8】複数の画素電極がマトリクス状に配置さ
    れ、電荷を蓄積する有効画素アレイと、 前記有効画素アレイを被覆し、入射したX線に基づいて
    電荷を発生する光電導体と、 前記有効画素アレイから電子信号を読み出すための複数
    の第1の信号線と、 前記有効画素アレイを走査するための複数の第1の走査
    線と、 前記複数の第1の信号線のうちの少なくとも一つの線と
    前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つの線と
    に、直接又は非線型素子を介在して接続され、前記複数
    の第1の信号線又は前記複数の第1の走査線のうちの少
    なくとも一つの線に帯電する静電気を分散させる静電気
    分散用配線と、 前記複数の信号線に重畳するノイズを除去する第1のダ
    ミー画素と、 前記複数の走査線に重畳するノイズを除去する第2のダ
    ミー画素と、 前記第1のダミー画素から電子信号を読み出すための複
    数の第2の信号線と、 前記第2のダミー画素を走査するための第2の走査線
    と、 を具備し、 前記静電気分散用配線は、前記複数の第1の信号線のう
    ちの少なくとも一つの線及び前記複数の第2の信号線の
    少なくとも一つとに接続された第1の配線と、 前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つに接続
    された第2の配線と、 前記複数の第2の走査線のうちの少なくとも一つに接続
    された第3の配線と、 を有するX線平面検出器。
  9. 【請求項9】前記第1の配線、第2の配線、第3の配線
    間を接続する抵抗をさらに具備する請求項5又は8記載
    のX線平面検出器。
  10. 【請求項10】前記抵抗は、前記複数の第1の信号線又
    は前記複数の第1の走査線のうちの少なくとも一つの線
    に帯電する静電気による絶縁破壊を防止する抵抗値を有
    する請求項5又は8記載のX線平面検出器。
  11. 【請求項11】前記第1の配線、第2の配線、第3の配
    線のそれぞれに接続され、各配線間の電気的接続を切断
    するための第3の補助配線を有する請求項5又は8記載
    のX線平面検出器。
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