JP2003042563A - 空気加熱機のヒータ通電制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹き出し空気温度の変動周期が長いと共に、
安価なヒータ通電制御装置とする。 【解決手段】 浴室暖房機のヒータ５近くにセンサー１
２を設ける。このセンサー１２は吹き出し空気温度が下
限設定温度以下の時には入力端子１２ａを第１出力端子
１２ｂに接続し、上限設定温度以上の時には第２出力端
子１２ｃに接続切換えし、その入力端子１２ａを電源１
０に接続し、その第１出力端子１２ｂをヒータ５に接続
した通電制御装置で、第２出力端子１２ｃを半波整流の
ダイオード１３を介してヒータ５に接続し、ダイオード
１３を設けた安価な構造で、上限設定温度から下限設定
温度まで下降する時間を長くして吹き出し空気温度の変
動周期を長くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室換気乾燥機、
浴室暖房機等の電気式のヒータで空気を加熱して送風す
る空気加熱機におけるヒータに通電制御する装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的な浴室暖房機は、浴室又は
脱衣所の壁面や天井に取り付けられ、冬季の入浴におい
て使用者が脱衣所から浴室に入る際、寒さを感じること
がないよう使用前又は使用中に運転し部屋を暖めるもの
で、特に高齢者にはヒートショックを防止するために効
果の高いものとして使用されている。前述の浴室暖房機
としては、本体内に空気を加熱するための電気式のヒー
タと、そのヒータに送風して空気を加熱し、加熱した空
気を吹き出しするための送風機と、前記ヒータの近傍に
設けられ、ヒータで暖められた空気の吹き出し温度（吹
き出し空気温度）を検知する温度センサー（サーモスタ
ット）等を備えたものが知られている。

【０００３】前述の浴室暖房機は次のようにして運転さ
れる。浴室暖房機の運転スイッチをＯＮするとヒータの
通電とともに送風機の運転が開始され、運転中の吹き出
し空気温度があらかじめ設定した上限設定温度に達した
とき温度センサーが検知し、ヒータの通電をＯＦＦす
る。ヒータの通電をＯＦＦした状態でしばらく運転する
と、吹き出し空気温度が下がり、あらかじめ設定した下
限設定温度以下に達したとき再び温度センサーが検知し
ヒータの通電をＯＮする。この動作を運転中に繰り返し
行うことで浴室を暖められた状態に維持する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述のヒータ通電制御
では、そのヒータの通電のＯＮ、ＯＦＦが比較的短かい
時間で行われ、浴室内の温度は上昇及び下降を頻繁に繰
り返すことになる。例えば、図３に実線で示すように、
吹き出し空気温度が５８℃で温度センサーがヒータの通
電ＯＦＦ、吹き出し空気温度が４８℃で温度センサーが
ヒータの通電ＯＮとする。つまり、５８℃が上限設定温
度で、４８℃が下限設定温度である。この場合に上限設
定温度から下限設定温度まで低下する時間と下限設定温
度から上限設定温度まで上昇する時間が略等しく、吹き
出し空気温度の変動周期が短い。したがって、図４に実
線で示すように浴室内温度は上限温度（４０℃）と下限
温度（３０℃）との間で上昇及び下降を短かい時間間隔
で繰り返し、浴室内温度の変動周期が短い。

【０００５】その結果、浴室を使用している使用者は吹
き出し空気の温度変化及び浴室内の温度変化を体感する
ため煩わしさを感じる。またヒータにランプ等を利用し
た方式のものでは、温度センサーの検知に応じヒータで
あるランプが短時間に点灯、消灯を繰り返すことになり
浴室を使用している使用者は照度の変化を感じ非常に目
障りとなる。

【０００６】前述の吹き出し空気温度の変動を極力少な
くして浴室内温度の変動を極力少なくするためには、マ
イコン等を利用した電子制御回路でヒータの通電を制御
することが考えられる。しかし、マイコン等を利用した
電子制御回路は非常に高価なものとなり、浴室暖房機の
コストアップにもつながる。

【０００７】本発明は、前述の課題に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、吹き出し空気温度の変動周期が長
く、かつ安価な空気加熱機のヒータ通電制御装置を提供
することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】第１の発明は、通電によ
り発熱する電気式のヒータ５と、このヒータ５に送風し
て空気を加熱し、その加熱した空気を吹き出す送風機４
と、前記吹き出し空気温度によって切換え作動するセン
サー１２を備え、前記センサー１２は、吹き出し空気温
度が下限設定温度以下の時には入力側を第１出力側に接
続し、上限設定温度以上の時には入力側を第２出力側に
接続切換え作動する形状で、そのセンサー１２の入力側
が電源１０に接続され、第１出力側がヒータ５に接続さ
れ、第２出力側が通電量規制部材を介してヒータ５に接
続されていることを特徴とする空気加熱機のヒータ通電
制御装置である。

【０００９】第２の発明は、第１の発明において通電量
規制部材が、半波整流のダイオード１３である空気加熱
機のヒータ通電制御装置である。

【００１０】

【作 用】第１の発明によれば、吹き出し空気温度が下
限設定温度以下の時にはヒータ５への通電量が規制され
ないから上限設定温度まで短時間に上昇する。吹き出し
空気温度が上限設定温度以上の時にはヒータ５への通電
量が規制され、下限設定温度まで下降する時間が、通電
量が規制されない場合に比べて長い。よって、吹き出し
空気温度の変動周期が長く、室温の変動周期も長くな
る。したがって、使用者は吹き出し空気温度及び室温の
変化を殆ど感じることなく使用でき、煩わしさを感じる
ことがない。ヒータ５がランプの場合には、従来のよう
にランプが短時間で点灯及び消灯を繰り返すことはな
く、比較的長い時間をかけて点灯からやや明るさの少な
い半点灯状態を繰り返すだけであるから、使用者にとっ
ては殆ど目障りにならず、違和感を感じないものとな
る。

【００１１】しかも、この制御装置は、従来の制御装置
に１つの通電量規制部材を設けるだけで構成できるか
ら、マイコン等の電子回路を用いる場合と比較して非常
に安価である。

【００１２】第２の発明によれば、既に広く使用され安
価な電気部品であるダイオード１３を設ければ良く、マ
イコン等の電子回路を用いる場合と比較して非常に安価
である。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は、空気加熱機の一例として
の浴室暖房機の断面図で、ケース１とパネル２で本体３
を形成し、その本体３内に送風機４とヒータ５を設けて
ある。前記ヒータ５は通電により発熱する電気式のヒー
タである。前記送風機４を駆動することでパネル２の吸
込口６から空気を吸い込み、ヒータ５に通電して発熱さ
せ、そのヒータ５に送風して加熱し、その加熱した空気
をパネル２の吹出口７から吹き出すようにしてある。前
記浴室暖房機は、ケース１を浴室の天井パネル８の開口
部８ａに挿入して取付け、パネル２をケース１を覆うよ
うに取付けられる。前記パネル２の裏面における吸込口
６部分にフィルター９が取付けてある。

【００１４】図２はヒータ通電制御回路図で、電源（交
流電源）１０とヒータ５は運転スイッチ１１、センサー
（サーモスタット）１２を介して接続される。前記セン
サー１２は図１に示すように、ヒータ５の近傍位置に設
けてあり、このセンサー１２は入力端子（入力側）１２
ａと第１出力端子（第１出力側）１２ｂと第２出力端子
（第２出力側）１２ｃと、可動接片１２ｄを備え、その
入力端子１２ａが運転スイッチ１１を経て電源１０に接
続し、第１出力端子１２ｂはヒータ５に直接的に接続し
ている。前記第２出力端子１２ｃは、通電量規制部材、
例えば半波整流のダイオード１３を経てヒータ５に接続
される。前記可動接片１２ｄは、入力端子１２ａを第１
出力端子１２ｂに接続する第１位置と可動接片１２ｄを
第２出力端子１２ｃに接続する第２位置に切換えられ
る。例えば、ヒータ５で加熱された吹き出し空気の温度
（吹き出し空気温度）が上限設定温度以上の時に第２位
置、その吹き出し空気温度が下限設定温度以下の時には
第１位置に切り換る。

【００１５】次に浴室暖房機の運転動作を説明する。運
転スイッチ１１をＯＮすることで送風機４の電動モータ
４ａに通電されてファン４ｂが回転駆動する。吹き出し
空気温度は下限設定温度（例えば、４８℃）以下である
から、センサー１２の可動接片１２ｄは第１位置で、運
転スイッチ１１をＯＮすると同時にヒータ５に電源１０
の電流が１００％（例えば、ＡＣ１００Ｖ）通電され
る。つまり、１００％通電状態となる。ヒータ５が発熱
し、送風された空気が加熱されるので、吹き出し空気温
度が上昇する。

【００１６】吹き出し空気温度が上限設定温度（例え
ば、５８℃）以上になると、センサー１２の可動接片１
２ｄが第２位置に切換り、ダイオード１３を通してヒー
タ５に通電される。ダイオード１３の効果により半波整
流波が発生し、ヒータ５には電源１０の電流の５０％
（例えば、ＤＣ５０Ｖ）が通電される。つまり、５０％
通電状態となる。

【００１７】この結果、吹き出し空気温度が低下する
が、その温度低下は図３の点線で示すようになり、図３
に実線で示す従来のヒータが無通電状態の場合に比べて
ゆっくりとなり、下限設定温度まで降下するまでに長い
時間がかかる。前述の下降時間は条件により異なるが、
無通電状態の場合と比べて約２．５〜３程長くなる。

【００１８】吹き出し空気温度が下限設定温度以下とな
ると、センサー１２の可動接片１２ｄが第１位置に切換
り、１００％通電状態となるから、吹き出し空気温度が
短時間に上限設定温度まで上昇する。この上限設定温度
まで上昇する時間は、図３に点線で示すように従来と同
一である。

【００１９】前述のようであるから、浴室内温度は図４
に点線で示すように変化し、浴室内温度が上限温度（例
えば、４０℃）から下限温度（例えば、３０℃）まで下
降するまでに図４に実線で示す従来よりも長い時間がか
かり、浴室内温度が下限温度から上限温度まで上昇する
時間は従来と同一である。

【００２０】以上のことから、半波整流のダイオード１
３を用いるだけで吹き出し空気温度の変動周期が長く、
浴室内温度の変動周期も長くなる。よって、浴室使用者
は吹きだし空気温度及び浴室温度の変化を殆ど感じるこ
となく使用できるものとなる。また、ランプ等をヒータ
として用いた方式のものであって、従来のように短時間
で点灯及び消灯を繰り返すことはなく、比較的長い時間
をかけて点灯からやや明るさの少ない半点灯状態を繰り
返すだけであるから使用者にとっては殆ど目障りになら
ず違和感を感じないものとなる。しかもこの制御装置で
は従来の制御装置と比較し、１つのダイオードを回路内
に介在させるだけで達成できるものであり、またダイオ
ードは既に広く使用されている電気製品であることから
電子回路を用いる場合と比較して非常に安価である。

【００２１】以上の実施の形態は浴室暖房機について述
べたが、換気機能を有する浴室換気乾燥機、居室を温め
る暖房機などの空気加熱機にも適用できることは勿論で
ある。また、通電量規制部材としては半波整流のダイオ
ードに限ることはなく、電気抵抗体や、電気抵抗体とア
ースを組み合せたものでも良い。

【００２２】

【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、吹き出し
空気温度が下限設定温度以下の時にはヒータ５への通電
量が規制されないから上限設定温度まで短時間に上昇す
る。吹き出し空気温度が上限設定温度以上の時にはヒー
タ５への通電量が規制され、下限設定温度まで下降する
時間が、通電量が規制されない場合に比べて長い。よっ
て、吹き出し空気温度の変動周期が長く、室温の変動周
期も長くなる。したがって、使用者は吹き出し空気温度
及び室温の変化を殆んど感じることなく使用でき、煩わ
しさを感じることがない。ヒータ５がランプの場合に
は、従来のようにランプが短時間で点灯及び消灯を繰り
返すことはなく、比較的長い時間をかけて点灯からやや
明るさの少ない半点灯状態を繰り返すだけであるから、
使用者にとっては殆んど目障りにならず、違和感を感じ
ないものとなる。

【００２３】しかも、この制御装置は、従来の制御装置
に１つの通電量規制部材を設けるだけで構成できるか
ら、マイコン等の電子回路を用いる場合と比較して非常
に安価である。

【００２４】請求項２に係る発明によれば、既に広く使
用され安価な電気部品であるダイオード１３を設ければ
良く、マイコン等の電子回路を用いる場合と比較して非
常に安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】浴室暖房機の断面図である。

【図２】ヒータの通電制御回路図である。

【図３】吹き出し空気温度の変化を示す図表である。

【図４】浴室内温度の変化を示す図表である。

【符号の説明】

４…送風機、５…ヒータ、１０…電源、１１…運転スイ
ッチ、１２…センサー、１３…ダイオード。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通電により発熱する電気式のヒータ５
   と、このヒータ５に送風して空気を加熱し、その加熱し
   た空気を吹き出す送風機４と、前記吹き出し空気温度に
   よって切換え作動するセンサー１２を備え、 前記センサー１２は、吹き出し空気温度が下限設定温度
   以下の時には入力側を第１出力側に接続し、上限設定温
   度以上の時には入力側を第２出力側に接続切換え作動す
   る形状で、 そのセンサー１２の入力側が電源１０に接続され、第１
   出力側がヒータ５に接続され、第２出力側が通電量規制
   部材を介してヒータ５に接続されていることを特徴とす
   る空気加熱機のヒータ通電制御装置。
2. 【請求項２】 通電量規制部材が、半波整流のダイオー
   ド１３である請求項１記載の空気加熱機のヒータ通電制
   御装置。