JP2003041657A - コンクリート部材の補強材の配置方法 - Google Patents
コンクリート部材の補強材の配置方法Info
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- JP2003041657A JP2003041657A JP2001231329A JP2001231329A JP2003041657A JP 2003041657 A JP2003041657 A JP 2003041657A JP 2001231329 A JP2001231329 A JP 2001231329A JP 2001231329 A JP2001231329 A JP 2001231329A JP 2003041657 A JP2003041657 A JP 2003041657A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンクリート構造における補強材の配置方法
を変えることにより、耐震性に優れたコンクリート構造
物を構築できるようようにする。 【解決手段】 軸方向鋼材(2)が配置された任意の断
面形状を有するコンクリート部材(1)の補強材の配置
方法において、コンクリート部材(1)長手方向の一部
又は全部に渡り、軸方向鋼材(2)の内側に軸方向鋼材
にほぼ直角の方向に任意形状の補強材(4)を配置した
ものである。
を変えることにより、耐震性に優れたコンクリート構造
物を構築できるようようにする。 【解決手段】 軸方向鋼材(2)が配置された任意の断
面形状を有するコンクリート部材(1)の補強材の配置
方法において、コンクリート部材(1)長手方向の一部
又は全部に渡り、軸方向鋼材(2)の内側に軸方向鋼材
にほぼ直角の方向に任意形状の補強材(4)を配置した
ものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐震性に優れたコン
クリート部材に適する補強材の配置方法に関するもので
ある。
クリート部材に適する補強材の配置方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図16は従来のコンクリート柱の配置方
法を説明する図である。図16(a)の斜視図、図16
(b)の断面図に示すように、断面四角形状のコンクリ
ート柱1はその各面に沿って長さ方向に軸方向鋼材2が
配置され、軸方向鋼材2を囲むように補強材(帯鉄筋)
3が柱高さ方向に所定間隔で配置される構造になってい
る。
法を説明する図である。図16(a)の斜視図、図16
(b)の断面図に示すように、断面四角形状のコンクリ
ート柱1はその各面に沿って長さ方向に軸方向鋼材2が
配置され、軸方向鋼材2を囲むように補強材(帯鉄筋)
3が柱高さ方向に所定間隔で配置される構造になってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の柱
や梁の補強材は、地震時に塑性ヒンジとなる区間(柱の
根元区間)には、軸方向鋼材を取り囲むように配置され
てきた。この方法では大地震に対応するために必要とな
る変形性能を保証するために、多くの補強材を軸方向鋼
材を取り囲むように配置する必要があり、以下のような
問題があった。 軸方向鋼材を取り囲む鉄筋量が多くなると、コンクリ
ートを軸方向鋼材内側から打設していったとき柱断面隅
々までコンクリートが行き渡りにくくなり、施工時の欠
陥が生じやすい。 補強材間隔(軸方向鋼材の座屈長)が短いため、少数
回の繰り返し荷重で、軸方向鋼材の破断が生じやすい。 地震時の交番繰り返し荷重を受けたコンクリート部材
が降伏後、軸方向鋼材の伸びた部分が圧縮力を受けると
はらみ出し、軸方向鋼材を取り囲む補強材の効果を消失
させるように働くので、かぶりコンクリート剥落以降の
変形性能が急激に低下してしまう。これは地震によって
かぶりコンクリートが剥落し、軸方向鋼材が外側にはら
み出すと、それを取り囲む補強材が引っ張られ、補強材
が降伏し、内部コンクリートを拘束する力が弱くなるた
めである。
や梁の補強材は、地震時に塑性ヒンジとなる区間(柱の
根元区間)には、軸方向鋼材を取り囲むように配置され
てきた。この方法では大地震に対応するために必要とな
る変形性能を保証するために、多くの補強材を軸方向鋼
材を取り囲むように配置する必要があり、以下のような
問題があった。 軸方向鋼材を取り囲む鉄筋量が多くなると、コンクリ
ートを軸方向鋼材内側から打設していったとき柱断面隅
々までコンクリートが行き渡りにくくなり、施工時の欠
陥が生じやすい。 補強材間隔(軸方向鋼材の座屈長)が短いため、少数
回の繰り返し荷重で、軸方向鋼材の破断が生じやすい。 地震時の交番繰り返し荷重を受けたコンクリート部材
が降伏後、軸方向鋼材の伸びた部分が圧縮力を受けると
はらみ出し、軸方向鋼材を取り囲む補強材の効果を消失
させるように働くので、かぶりコンクリート剥落以降の
変形性能が急激に低下してしまう。これは地震によって
かぶりコンクリートが剥落し、軸方向鋼材が外側にはら
み出すと、それを取り囲む補強材が引っ張られ、補強材
が降伏し、内部コンクリートを拘束する力が弱くなるた
めである。
【0004】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、従来のコンクリート構造における補強材の配置方法
を変えることにより、耐震性に優れたコンクリート構造
物を構築できるようようにすることを目的とするもので
ある。
で、従来のコンクリート構造における補強材の配置方法
を変えることにより、耐震性に優れたコンクリート構造
物を構築できるようようにすることを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、任意
の断面形状を有するコンクリート部材の補強材の配置方
法において、任意の形状を有する補強材を軸方向鋼材の
内側に配置したことを特徴とする。請求項2の発明は任
意の断面形状を有するコンクリート部材の補強材の配置
方法において、角形形状、あるいは円形形状を有する補
強材を軸方向鋼材の内側に配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は任意の断面形状を有するコンクリート
部材の補強材の配置方法において、スパイラル鋼材を軸
方向鋼材の内側に配置したことを特徴とする。請求項4
の発明は、任意の断面形状を有するコンクリート部材の
補強材の配置方法において、補強材として鋼管を軸方向
鋼材の内側に配置したことを特徴とする。請求項5の発
明は、請求項1〜4記載の任意の断面形状を有するコン
クリート部材の補強材の配置方法において、補強材を軸
方向鋼材の内側に複数配置したことを特徴とする。請求
項6の発明は、任意の断面形状を有するコンクリート部
材の補強材の配置方法において、請求項1〜4に示す補
強材の配置方法に加えて、従来のように補強材を軸方向
鋼材を取り囲むように外側にも配置したことを特徴とす
る。請求項7の発明は、地震の影響を受けるコンクリー
ト部材において、請求項1〜4に示す補強材の配置方法
に加えて該コンクリートに膨張性のコンクリートを用い
たことを特徴とする。請求項8の発明は、地震の影響を
受けるコンクリート部材において、請求項1〜4に示す
補強材の配置方法に加えて、該コンクリートにプレスト
レス力を加えたことを特徴とする。請求項9の発明は地
震の影響を受けるコンクリート部材において、請求項1
〜4に示す補強材の配置方法に加えて、該コンクリート
と軸方向鋼材との間に付着力が働かないようにしたこと
を特徴とする。
の断面形状を有するコンクリート部材の補強材の配置方
法において、任意の形状を有する補強材を軸方向鋼材の
内側に配置したことを特徴とする。請求項2の発明は任
意の断面形状を有するコンクリート部材の補強材の配置
方法において、角形形状、あるいは円形形状を有する補
強材を軸方向鋼材の内側に配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は任意の断面形状を有するコンクリート
部材の補強材の配置方法において、スパイラル鋼材を軸
方向鋼材の内側に配置したことを特徴とする。請求項4
の発明は、任意の断面形状を有するコンクリート部材の
補強材の配置方法において、補強材として鋼管を軸方向
鋼材の内側に配置したことを特徴とする。請求項5の発
明は、請求項1〜4記載の任意の断面形状を有するコン
クリート部材の補強材の配置方法において、補強材を軸
方向鋼材の内側に複数配置したことを特徴とする。請求
項6の発明は、任意の断面形状を有するコンクリート部
材の補強材の配置方法において、請求項1〜4に示す補
強材の配置方法に加えて、従来のように補強材を軸方向
鋼材を取り囲むように外側にも配置したことを特徴とす
る。請求項7の発明は、地震の影響を受けるコンクリー
ト部材において、請求項1〜4に示す補強材の配置方法
に加えて該コンクリートに膨張性のコンクリートを用い
たことを特徴とする。請求項8の発明は、地震の影響を
受けるコンクリート部材において、請求項1〜4に示す
補強材の配置方法に加えて、該コンクリートにプレスト
レス力を加えたことを特徴とする。請求項9の発明は地
震の影響を受けるコンクリート部材において、請求項1
〜4に示す補強材の配置方法に加えて、該コンクリート
と軸方向鋼材との間に付着力が働かないようにしたこと
を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。なお、以下ではコンクリート柱が矩形断面、円形断
面の例について説明するが、本発明はこれに限定される
ものではなく、コンクリート柱が3角形断面、或いは5
角形以上の多角形断面、或いは設置現場の状況に応じた
任意の断面形状の場合も含み、軸方向鋼材もコンクリー
ト柱の面に沿って角形状、円形状、或いは任意形状に配
置され、これに対応して補強材も角形形状、円形形状、
或いは任意形状のものを使用する場合も含んでいる。
る。なお、以下ではコンクリート柱が矩形断面、円形断
面の例について説明するが、本発明はこれに限定される
ものではなく、コンクリート柱が3角形断面、或いは5
角形以上の多角形断面、或いは設置現場の状況に応じた
任意の断面形状の場合も含み、軸方向鋼材もコンクリー
ト柱の面に沿って角形状、円形状、或いは任意形状に配
置され、これに対応して補強材も角形形状、円形形状、
或いは任意形状のものを使用する場合も含んでいる。
【0007】図1は本発明の補強材の配置方法の例を説
明する図で、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図
である。図において、1は断面四角形状のコンクリート
柱、2は軸方向鋼材、4は軸方向鋼材の内側に配置され
た矩形の補強材である。断面四角形状のコンクリート柱
1はその各面に沿って長さ方向に軸方向鋼材2が配置さ
れ、軸方向鋼材の内側に四角形の補強材(帯鉄筋)4が
コンクリート部材長手方向の一部又は全部、少なくとも
地震時の塑性ヒンジ区間に配置される構造になってい
る。
明する図で、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図
である。図において、1は断面四角形状のコンクリート
柱、2は軸方向鋼材、4は軸方向鋼材の内側に配置され
た矩形の補強材である。断面四角形状のコンクリート柱
1はその各面に沿って長さ方向に軸方向鋼材2が配置さ
れ、軸方向鋼材の内側に四角形の補強材(帯鉄筋)4が
コンクリート部材長手方向の一部又は全部、少なくとも
地震時の塑性ヒンジ区間に配置される構造になってい
る。
【0008】このような配置方法によれば、地震時の塑
性ヒンジ区間において、補強材が軸方向鋼材の内側に配
置されることにより、かぶりコンクリートが剥落し、軸
方向鋼材が外側にはらみだしても補強材がその内側のコ
ンクリートを逃さないように拘束するため、変形性能が
低下することはない。また、軸方向鋼材の座屈長(補強
材間隔)が長くなるため、繰り返し荷重による鉄筋の低
サイクル疲労による破断が生じにくくなる。
性ヒンジ区間において、補強材が軸方向鋼材の内側に配
置されることにより、かぶりコンクリートが剥落し、軸
方向鋼材が外側にはらみだしても補強材がその内側のコ
ンクリートを逃さないように拘束するため、変形性能が
低下することはない。また、軸方向鋼材の座屈長(補強
材間隔)が長くなるため、繰り返し荷重による鉄筋の低
サイクル疲労による破断が生じにくくなる。
【0009】図2は本発明の他の例を示す図で、図2
(a)は斜視図、図2(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に配置する補強材を四角形で
はなく円形の補強材5とした点のみ図1の場合と異なっ
ている。このように補強材を円形とすることにより、四
角形補強材で得られる作用効果が得られるのはもちろん
のこと、さらに補強材が曲げではなく引張力を受ける方
向に対して力を発揮するので、内部コンクリートの拘束
力は四角形形状の補強材を配置した場合に比べてさらに
大きくなり、その結果、変形性能も向上する。
(a)は斜視図、図2(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に配置する補強材を四角形で
はなく円形の補強材5とした点のみ図1の場合と異なっ
ている。このように補強材を円形とすることにより、四
角形補強材で得られる作用効果が得られるのはもちろん
のこと、さらに補強材が曲げではなく引張力を受ける方
向に対して力を発揮するので、内部コンクリートの拘束
力は四角形形状の補強材を配置した場合に比べてさらに
大きくなり、その結果、変形性能も向上する。
【0010】図3は本発明の他の例を示す図で、図3
(a)は斜視図、図3(b)は断面図である。この例
は、コンクリート柱1が円形断面を有し、軸方向鋼材2
を円形状に配置して、その内側に円形の補強材5を配置
したものであり、図2の場合と同様な効果が得られる。
(a)は斜視図、図3(b)は断面図である。この例
は、コンクリート柱1が円形断面を有し、軸方向鋼材2
を円形状に配置して、その内側に円形の補強材5を配置
したものであり、図2の場合と同様な効果が得られる。
【0011】図4は本発明の他の例を示す図で、図4
(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に角形のスパイラル鋼材6を
補強材として配置したものである。この方法によれば、
図1〜図3の方法に比して補強材の配置作業の省力化が
図れ、工事費を低減する効果が得られるとともに、連続
した1本の鋼材で内部コンクリートを拘束するので、よ
り一層地震時の変形性能を向上させることが可能であ
る。
(a)は斜視図、図4(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に角形のスパイラル鋼材6を
補強材として配置したものである。この方法によれば、
図1〜図3の方法に比して補強材の配置作業の省力化が
図れ、工事費を低減する効果が得られるとともに、連続
した1本の鋼材で内部コンクリートを拘束するので、よ
り一層地震時の変形性能を向上させることが可能であ
る。
【0012】図5は本発明の他の例を示す図で、図5
(a)は斜視図、図5(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に丸形スパイラル鋼材7を配
置した点のみ図4の場合と異なっており、図4の場合と
同様の効果が得られるとともに、内部コンクリートの拘
束力は角形のスパイラル補強材を配置した場合に比べて
大きくなり、さらに変形性能を向上させることができ
る。この例においては、断面四角形状のコンクリート柱
について説明したが、円形断面のコンクリート柱に対し
て適用できることは言うまでもなく、その場合には軸方
向鋼材を円形状に配置し、その内側に丸形スパイラル鋼
材を配置すればよい。
(a)は斜視図、図5(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材の内側に丸形スパイラル鋼材7を配
置した点のみ図4の場合と異なっており、図4の場合と
同様の効果が得られるとともに、内部コンクリートの拘
束力は角形のスパイラル補強材を配置した場合に比べて
大きくなり、さらに変形性能を向上させることができ
る。この例においては、断面四角形状のコンクリート柱
について説明したが、円形断面のコンクリート柱に対し
て適用できることは言うまでもなく、その場合には軸方
向鋼材を円形状に配置し、その内側に丸形スパイラル鋼
材を配置すればよい。
【0013】図6は本発明の他の例を示す図で、図6
(a)は斜視図、図6(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材2の内側に円形の鋼管8を配置した
ものである。これにより、補強材の配置作業の省力化が
図れ、工事費を低減する効果が得られる。また、鋼管を
用いることにより、鋼管内部のコンクリートが外に漏れ
出ることがないので、大地震においても圧縮力に対して
安定した挙動を示すことになり、さらに地震時の変形性
能を向上させることが可能である。なお、この例におい
ては、断面四角形状のコンクリート柱について説明した
が、円形断面のコンクリート柱に対して適用できること
は言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を円形状に
配置し、その内側に円形鋼管を配置すればよい。
(a)は斜視図、図6(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材2の内側に円形の鋼管8を配置した
ものである。これにより、補強材の配置作業の省力化が
図れ、工事費を低減する効果が得られる。また、鋼管を
用いることにより、鋼管内部のコンクリートが外に漏れ
出ることがないので、大地震においても圧縮力に対して
安定した挙動を示すことになり、さらに地震時の変形性
能を向上させることが可能である。なお、この例におい
ては、断面四角形状のコンクリート柱について説明した
が、円形断面のコンクリート柱に対して適用できること
は言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を円形状に
配置し、その内側に円形鋼管を配置すればよい。
【0014】図7は本発明の他の例を示す図で、図7
(a)は斜視図、図7(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材2の内側に角形の鋼管9を配置した
ものであり、これにより、図6の場合と同様の効果が得
られる。
(a)は斜視図、図7(b)は断面図である。この例
は、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿って配
置された軸方向鋼材2の内側に角形の鋼管9を配置した
ものであり、これにより、図6の場合と同様の効果が得
られる。
【0015】図8は本発明の他の例を示す図で、図8
(a)は斜視図、図8(b)は断面図である。この例に
おいては、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿
って配置された軸方向鋼材2の内側に円形の孔付き鋼管
10を配置したものである。これにより、補強材の配置
作業の省力化が図れ、工事費を低減する効果が得られ
る。また、孔付き鋼管を用いることにより、コンクリー
ト打ち込み時に孔11を通ってコンクリートが行き渡る
ことにより、鋼管の内側と外側にコンクリートが充填さ
れやすくなり、施工性が向上する。また、地震時の交番
繰り返し荷重を受けたときに鋼管内部のコンクリートが
外に漏れ出にくくなるので、大地震においても内部コン
クリートが圧縮力に対して安定した挙動を示すことによ
り、さらに耐震性能を向上させることが可能である。な
お、この例では断面四角形状のコンクリート柱について
説明したが、円形断面のコンクリート柱に対して適用で
きることは言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を
円形状に配置し、その内側に円形の孔付き鋼管を配置す
ればよい。
(a)は斜視図、図8(b)は断面図である。この例に
おいては、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に沿
って配置された軸方向鋼材2の内側に円形の孔付き鋼管
10を配置したものである。これにより、補強材の配置
作業の省力化が図れ、工事費を低減する効果が得られ
る。また、孔付き鋼管を用いることにより、コンクリー
ト打ち込み時に孔11を通ってコンクリートが行き渡る
ことにより、鋼管の内側と外側にコンクリートが充填さ
れやすくなり、施工性が向上する。また、地震時の交番
繰り返し荷重を受けたときに鋼管内部のコンクリートが
外に漏れ出にくくなるので、大地震においても内部コン
クリートが圧縮力に対して安定した挙動を示すことによ
り、さらに耐震性能を向上させることが可能である。な
お、この例では断面四角形状のコンクリート柱について
説明したが、円形断面のコンクリート柱に対して適用で
きることは言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を
円形状に配置し、その内側に円形の孔付き鋼管を配置す
ればよい。
【0016】図9は矩形の補強材を軸方向鋼材の内側に
複数配置した例を示す図で、図9(a)は斜視図、図9
(b)は断面図である。この列においては、コンクリー
ト柱1の断面形状が長方形をしており、コンクリート柱
の各面に沿って配置される軸方向鋼材2も長方形状に配
置され、この長方形の長辺方向に3つの四角形補強材4
を配置している。このような配置とすることにより、内
部のコンクリート断面積のある一部分を各々の補強材に
よって拘束することになる。したがって、内部のコンク
リート断面積全体を取り囲むように補強材を配置した場
合に比べて、内部のコンクリートが補強材より受ける拘
束力はより大きくなり、大地震時の交番荷重載荷時にお
いても、より安定した変形性能を発揮することが可能と
なる。
複数配置した例を示す図で、図9(a)は斜視図、図9
(b)は断面図である。この列においては、コンクリー
ト柱1の断面形状が長方形をしており、コンクリート柱
の各面に沿って配置される軸方向鋼材2も長方形状に配
置され、この長方形の長辺方向に3つの四角形補強材4
を配置している。このような配置とすることにより、内
部のコンクリート断面積のある一部分を各々の補強材に
よって拘束することになる。したがって、内部のコンク
リート断面積全体を取り囲むように補強材を配置した場
合に比べて、内部のコンクリートが補強材より受ける拘
束力はより大きくなり、大地震時の交番荷重載荷時にお
いても、より安定した変形性能を発揮することが可能と
なる。
【0017】図10は円形の補強材を軸方向鋼材の内側
に複数配置した他の例を示す図で、図10(a)は斜視
図、図10(b)は断面図である。この例においては、
断面長方形コンクリート柱1の各面に沿って配置される
軸方向鋼材2の内側に、長方形の長辺方向に3つの円形
補強材5を配置した点のみ図10の場合と異なってい
る。この例においても、内部のコンクリート断面積のあ
る一部分を各々の補強材によって拘束することにより、
拘束力が大きくなり、大地震時の交番荷重載荷時におい
ても、より安定した変形性能を発揮することが可能とな
る。
に複数配置した他の例を示す図で、図10(a)は斜視
図、図10(b)は断面図である。この例においては、
断面長方形コンクリート柱1の各面に沿って配置される
軸方向鋼材2の内側に、長方形の長辺方向に3つの円形
補強材5を配置した点のみ図10の場合と異なってい
る。この例においても、内部のコンクリート断面積のあ
る一部分を各々の補強材によって拘束することにより、
拘束力が大きくなり、大地震時の交番荷重載荷時におい
ても、より安定した変形性能を発揮することが可能とな
る。
【0018】なお、図9、図10においてはそれぞれ四
角形補強材、円形補強材のみを配置するようにしたが、
四角形補強材と円形補強材とを併用するようにしてもよ
い。その場合、コンクリート柱の高さ方向において四角
形補強材と円形補強材とを使い分ける、或いは同じ高さ
において四角形補強材と円形補強材とを組み合わせる等
が可能である。
角形補強材、円形補強材のみを配置するようにしたが、
四角形補強材と円形補強材とを併用するようにしてもよ
い。その場合、コンクリート柱の高さ方向において四角
形補強材と円形補強材とを使い分ける、或いは同じ高さ
において四角形補強材と円形補強材とを組み合わせる等
が可能である。
【0019】図11は補強材を軸方向鋼材の内側に複数
配置するとともに、各補強材を交錯させるように配置し
た例を示す図で、図11(a)は斜視図、図11(b)
は断面図である。この例においては、図9、図10の場
合と同様に内部のコンクリート断面積のある一部分を各
々の円形の補強材5によって拘束するとともに、各隣接
した補強材が交錯して配置されることにより、隣接した
複数の補強材で囲まれた部分のコンクリートは一つの補
強材で取り囲まれた部分に比べてより強固に拘束される
ことになる。したがって、内部のコンクリートが補強材
より受ける拘束力はさらに大きくなり、大地震時の交番
荷重載荷時においても、より安定した変形性能を発揮す
ることが可能となる。また、隣接した補強材が交錯して
いることにより、この交錯部分のコンクリートを介して
拘束力が伝達されることが可能となり、各々の補強材を
交錯しないで配置した場合に比べても、より一層耐震性
能が向上する。なお、この例においては円形の補強材に
ついて説明したが、四角形の補強材を用いること、ま
た、円形と四角形の補強材を併用することも可能であ
り、その場合、コンクリート柱の高さ方向において四角
形補強材と円形補強材とを使い分ける、或いは同じ高さ
において四角形補強材と円形補強材とを組み合わせる等
が可能である。
配置するとともに、各補強材を交錯させるように配置し
た例を示す図で、図11(a)は斜視図、図11(b)
は断面図である。この例においては、図9、図10の場
合と同様に内部のコンクリート断面積のある一部分を各
々の円形の補強材5によって拘束するとともに、各隣接
した補強材が交錯して配置されることにより、隣接した
複数の補強材で囲まれた部分のコンクリートは一つの補
強材で取り囲まれた部分に比べてより強固に拘束される
ことになる。したがって、内部のコンクリートが補強材
より受ける拘束力はさらに大きくなり、大地震時の交番
荷重載荷時においても、より安定した変形性能を発揮す
ることが可能となる。また、隣接した補強材が交錯して
いることにより、この交錯部分のコンクリートを介して
拘束力が伝達されることが可能となり、各々の補強材を
交錯しないで配置した場合に比べても、より一層耐震性
能が向上する。なお、この例においては円形の補強材に
ついて説明したが、四角形の補強材を用いること、ま
た、円形と四角形の補強材を併用することも可能であ
り、その場合、コンクリート柱の高さ方向において四角
形補強材と円形補強材とを使い分ける、或いは同じ高さ
において四角形補強材と円形補強材とを組み合わせる等
が可能である。
【0020】図12は補強材を軸方向鋼材の内側に配置
するとともに外側にも配置した例を示す図で、図12
(a)は斜視図、図12(b)は断面図である。この例
においては、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に
沿って配置された軸方向鋼材2の外側に通常の四角形補
強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7を配置したもので
ある。この場合、地震時の交番繰り返し荷重によりかぶ
りコンクリートが剥がれることによる軸方向鋼材の付着
破壊を軸方向鋼材の外側に配置した補強材4により生じ
ないようにし、軸方向鋼材の内側に配置した補強材7に
より軸方向鋼材内内部コンクリートを確実に保持すると
いう両者の長所が活かされるため、より一層耐震性能を
向上させることが可能である。
するとともに外側にも配置した例を示す図で、図12
(a)は斜視図、図12(b)は断面図である。この例
においては、断面四角形状のコンクリート柱1の各面に
沿って配置された軸方向鋼材2の外側に通常の四角形補
強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7を配置したもので
ある。この場合、地震時の交番繰り返し荷重によりかぶ
りコンクリートが剥がれることによる軸方向鋼材の付着
破壊を軸方向鋼材の外側に配置した補強材4により生じ
ないようにし、軸方向鋼材の内側に配置した補強材7に
より軸方向鋼材内内部コンクリートを確実に保持すると
いう両者の長所が活かされるため、より一層耐震性能を
向上させることが可能である。
【0021】なお、軸方向鋼材の内側に配置する補強材
として、丸形スパイラル鋼材に代えて角型のスパイラル
鋼材を使用したり、或いは四角形の鋼材、円形の鋼材、
通常の異形鉄筋、高強度鋼材、鋼管、他の新素材を使用
することも可能である。また、外側に配置する補強材4
にも同様の材料を使用したり、内側の補強材と異なる任
意の材料を用いることも可能である。また、コンクリー
ト柱は円形断面のコンクリート柱に対して適用できるこ
とは言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を円形状
に配置し、その内側と外側に丸形スパイラル鋼材や円形
の鋼材、鋼管等を使用することが可能である。
として、丸形スパイラル鋼材に代えて角型のスパイラル
鋼材を使用したり、或いは四角形の鋼材、円形の鋼材、
通常の異形鉄筋、高強度鋼材、鋼管、他の新素材を使用
することも可能である。また、外側に配置する補強材4
にも同様の材料を使用したり、内側の補強材と異なる任
意の材料を用いることも可能である。また、コンクリー
ト柱は円形断面のコンクリート柱に対して適用できるこ
とは言うまでもなく、その場合には軸方向鋼材を円形状
に配置し、その内側と外側に丸形スパイラル鋼材や円形
の鋼材、鋼管等を使用することが可能である。
【0022】図13は地震の影響を受ける例えば柱部材
などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側に
補強材を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成する
と考えられるコンクリート部材端部から断面高さの2倍
程度までの範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンク
リートを使用した例を示す図で、図13(a)は斜視
図、図13(b)は断面図であり、図12の場合の構成
を例にとって膨張性コンクリートを使用したものであ
る。図12の場合と同様に断面四角形状のコンクリート
柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2の外側に通
常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7を配
置し、さらに、コンクリート部材端部から地震時に塑性
ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2倍程度まで
の範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンクリート1
3を使用し、その他の区間通常のコンクリート12を使
用する。
などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側に
補強材を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成する
と考えられるコンクリート部材端部から断面高さの2倍
程度までの範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンク
リートを使用した例を示す図で、図13(a)は斜視
図、図13(b)は断面図であり、図12の場合の構成
を例にとって膨張性コンクリートを使用したものであ
る。図12の場合と同様に断面四角形状のコンクリート
柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2の外側に通
常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7を配
置し、さらに、コンクリート部材端部から地震時に塑性
ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2倍程度まで
の範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンクリート1
3を使用し、その他の区間通常のコンクリート12を使
用する。
【0023】この場合、コンクリート13が硬化する段
階で膨張することにより、補強材7には引張力が働く。
すなわち、補強材7の内側のコンクリートには常に圧縮
力が働く。つまり、補強材で囲まれた部分のコンクリー
トは、普通のコンクリートを補強材で取り囲まれた部分
に比べてより強固に拘束されることになる。したがっ
て、内部のコンクリートが補強材より受ける拘束力はさ
らに大きくなり、地震時にコンクリート部材が大きな変
形を受けても安定した挙動を示し、コンクリート部材の
変形性能を向上させることが可能である。なお、この例
では軸方向鋼材の内側と外側に補強材を配置する場合を
例にとって説明したが、図1〜図12の例のように、軸
方向鋼材の内側に補強材を配置する場合はすべて膨張性
のコンクリートを用いることが可能である。
階で膨張することにより、補強材7には引張力が働く。
すなわち、補強材7の内側のコンクリートには常に圧縮
力が働く。つまり、補強材で囲まれた部分のコンクリー
トは、普通のコンクリートを補強材で取り囲まれた部分
に比べてより強固に拘束されることになる。したがっ
て、内部のコンクリートが補強材より受ける拘束力はさ
らに大きくなり、地震時にコンクリート部材が大きな変
形を受けても安定した挙動を示し、コンクリート部材の
変形性能を向上させることが可能である。なお、この例
では軸方向鋼材の内側と外側に補強材を配置する場合を
例にとって説明したが、図1〜図12の例のように、軸
方向鋼材の内側に補強材を配置する場合はすべて膨張性
のコンクリートを用いることが可能である。
【0024】図14は地震の影響を受ける例えば柱部材
などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側に
補強材3を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成す
ると考えられるコンクリート部材端部から断面高さの2
倍程度までの範囲の区間のコンクリートにプレストレス
による軸圧縮力を加えた例を示す図で、図14(a)は
斜視図、図14(b)は断面図であり、図12の場合の
構成を例にとってプレストレスによる軸圧縮力を加えた
ものである。図12の場合と同様に、断面四角形状のコ
ンクリート柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2
の外側に通常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル
鋼材7を配置し、さらに、コンクリート部材端部から地
震時に塑性ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2
倍程度までの範囲の区間にプレストレスによる軸圧縮力
を加える。
などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側に
補強材3を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成す
ると考えられるコンクリート部材端部から断面高さの2
倍程度までの範囲の区間のコンクリートにプレストレス
による軸圧縮力を加えた例を示す図で、図14(a)は
斜視図、図14(b)は断面図であり、図12の場合の
構成を例にとってプレストレスによる軸圧縮力を加えた
ものである。図12の場合と同様に、断面四角形状のコ
ンクリート柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2
の外側に通常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル
鋼材7を配置し、さらに、コンクリート部材端部から地
震時に塑性ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2
倍程度までの範囲の区間にプレストレスによる軸圧縮力
を加える。
【0025】この場合、コンクリートに軸圧縮力を加え
ることにより、地震時の大きな交番繰り返し荷重を受け
たときにコンクリート部材の塑性ヒンジが形成される区
間のコンクリートが受ける引張力が低減されることにな
る。つまり、該コンクリートが引張力を受けることによ
るひび割れの発生が抑えられることになり、補強材の内
側のコンクリートが外側に漏れ出ることも抑えられ、補
強材による拘束力の低下を抑えることが可能となる。ま
た、コンクリートに軸圧縮力が加えられることにより、
補強材には軸方向の圧縮力と直交する方向への引張力が
加えられることになる。その結果、補強材の内部のコン
クリートは補強材が引張力を受けることによる補強材か
らの圧縮力も受けることになる。よって、補強材による
内部コンクリートの拘束力が大きくなる。
ることにより、地震時の大きな交番繰り返し荷重を受け
たときにコンクリート部材の塑性ヒンジが形成される区
間のコンクリートが受ける引張力が低減されることにな
る。つまり、該コンクリートが引張力を受けることによ
るひび割れの発生が抑えられることになり、補強材の内
側のコンクリートが外側に漏れ出ることも抑えられ、補
強材による拘束力の低下を抑えることが可能となる。ま
た、コンクリートに軸圧縮力が加えられることにより、
補強材には軸方向の圧縮力と直交する方向への引張力が
加えられることになる。その結果、補強材の内部のコン
クリートは補強材が引張力を受けることによる補強材か
らの圧縮力も受けることになる。よって、補強材による
内部コンクリートの拘束力が大きくなる。
【0026】以上のことにより、地震時にコンクリート
部材が大きな変形を受けても安定した挙動を示し、コン
クリート部材の変形性能を向上させることが可能であ
る。なお、この例では軸方向鋼材の内側と外側に補強材
を配置する場合を例にとって説明したが、図1〜図12
の例のように、軸方向鋼材の内側に補強材を配置する場
合はすべてプレストレスによる軸圧縮力を加える方法が
適用可能である。
部材が大きな変形を受けても安定した挙動を示し、コン
クリート部材の変形性能を向上させることが可能であ
る。なお、この例では軸方向鋼材の内側と外側に補強材
を配置する場合を例にとって説明したが、図1〜図12
の例のように、軸方向鋼材の内側に補強材を配置する場
合はすべてプレストレスによる軸圧縮力を加える方法が
適用可能である。
【0027】図15は、地震の影響を受ける例えば柱部
材などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側
に補強材3を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成
すると考えられるコンクリート部材内部から断面高さの
2倍程度までの範囲の区間において、軸方向鋼材とコン
クリートとの間に付着力が働かないようにした例を示す
図で、図15(a)は斜視図、図15(b)は断面図で
あり、図12の場合の構成を例にとって軸方向鋼材とコ
ンクリートとの間に付着力が働かないようにしたもので
ある。図12の場合と同様に、断面四角形状のコンクリ
ート柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2の外側
に通常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7
を配置し、さらに、コンクリート部材端部から地震時に
塑性ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2倍程度
までの範囲の区間において、軸方向鋼材の周囲にはその
周りのコンクリートとの間に付着力を働かせないように
被覆材14が配置されている。
材などのコンクリート部材において、軸方向鋼材の内側
に補強材3を配置し、かつ、地震時に塑性ヒンジを形成
すると考えられるコンクリート部材内部から断面高さの
2倍程度までの範囲の区間において、軸方向鋼材とコン
クリートとの間に付着力が働かないようにした例を示す
図で、図15(a)は斜視図、図15(b)は断面図で
あり、図12の場合の構成を例にとって軸方向鋼材とコ
ンクリートとの間に付着力が働かないようにしたもので
ある。図12の場合と同様に、断面四角形状のコンクリ
ート柱1の各面に沿って配置された軸方向鋼材2の外側
に通常の四角形補強材3、内側に丸形スパイラル鋼材7
を配置し、さらに、コンクリート部材端部から地震時に
塑性ヒンジを形成すると考えられる断面高さの2倍程度
までの範囲の区間において、軸方向鋼材の周囲にはその
周りのコンクリートとの間に付着力を働かせないように
被覆材14が配置されている。
【0028】この場合、地震時の交番繰り返し荷重をコ
ンクリート部材が受けることにより、軸方向鋼材2が引
張力を受けても、該軸方向鋼材から塑性ヒンジ区間のコ
ンクリートに引張力が伝達されることがなく、該コンク
リートに生じる引張力が低減されることになる。つま
り、塑性ヒンジ区間のコンクリートが引張力を受けるこ
とによるひび割れの発生が抑えられることになり、内部
コンクリートが補強材の外側に漏れ出ることによる該補
強材による拘束力の低下を抑えることが可能となる。よ
って、地震時にコンクリート部材が大きな変形を受けて
も安定した挙動を示し、コンクリート部材の変形性能を
向上させることが可能である。
ンクリート部材が受けることにより、軸方向鋼材2が引
張力を受けても、該軸方向鋼材から塑性ヒンジ区間のコ
ンクリートに引張力が伝達されることがなく、該コンク
リートに生じる引張力が低減されることになる。つま
り、塑性ヒンジ区間のコンクリートが引張力を受けるこ
とによるひび割れの発生が抑えられることになり、内部
コンクリートが補強材の外側に漏れ出ることによる該補
強材による拘束力の低下を抑えることが可能となる。よ
って、地震時にコンクリート部材が大きな変形を受けて
も安定した挙動を示し、コンクリート部材の変形性能を
向上させることが可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来、軸
方向鋼材を取り囲むように配置していた補強材の代わり
に、コンクリート部材の塑性ヒンジ区間を中心として、
任意の区間にわたって軸方向鋼材の内側に補強材を配置
することにより、また、軸方向鋼材の内側と外側に配置
する補強材を併用することにより、軸方向鋼材内側の内
部コンクリートが地震荷重作用時の大きな変形時におい
ても安定して保持されることになり、地震時の交番荷重
作用下におけるかぶりコンクリート剥落以降の変形性能
を大幅に改善することが可能である。また、軸方向鋼材
の内側に配置する補強材の形状を、例えば円形形状にす
ることにより、さらに耐震性能を向上することが可能で
ある。さらに、軸方向鋼材の内側に配置する補強材とし
て、スパイラル鋼材や鋼管や他の新素材を使用すること
により、地震時の変形性能の一層の向上のみならず、施
工性や経済性の面でも大幅に改善することが可能であ
る。
方向鋼材を取り囲むように配置していた補強材の代わり
に、コンクリート部材の塑性ヒンジ区間を中心として、
任意の区間にわたって軸方向鋼材の内側に補強材を配置
することにより、また、軸方向鋼材の内側と外側に配置
する補強材を併用することにより、軸方向鋼材内側の内
部コンクリートが地震荷重作用時の大きな変形時におい
ても安定して保持されることになり、地震時の交番荷重
作用下におけるかぶりコンクリート剥落以降の変形性能
を大幅に改善することが可能である。また、軸方向鋼材
の内側に配置する補強材の形状を、例えば円形形状にす
ることにより、さらに耐震性能を向上することが可能で
ある。さらに、軸方向鋼材の内側に配置する補強材とし
て、スパイラル鋼材や鋼管や他の新素材を使用すること
により、地震時の変形性能の一層の向上のみならず、施
工性や経済性の面でも大幅に改善することが可能であ
る。
【0030】また、本発明の補強材の配置方法に加えて
塑性ヒンジ区間のコンクリートに膨張性のものを使用し
たり、該コンクリートにプレストレスにより軸圧圧縮を
加えたり、塑性ヒンジ区間のコンクリートと軸方向鋼材
との間に付着力が働かないようにすることにより、一層
地震時の変形性能を向上させることが可能である。
塑性ヒンジ区間のコンクリートに膨張性のものを使用し
たり、該コンクリートにプレストレスにより軸圧圧縮を
加えたり、塑性ヒンジ区間のコンクリートと軸方向鋼材
との間に付着力が働かないようにすることにより、一層
地震時の変形性能を向上させることが可能である。
【0031】よって、本発明によりコンクリート部材の
地震時の変形性能の大幅な向上を図ることができるた
め、部材断面を小さくし、経済的で耐震性に優れたコン
クリート構造物を構築することが可能となる。
地震時の変形性能の大幅な向上を図ることができるた
め、部材断面を小さくし、経済的で耐震性に優れたコン
クリート構造物を構築することが可能となる。
【図1】 本発明の補強材の配置方法の例を説明する図
である。
である。
【図2】 本発明の他の例を示す図である。
【図3】 本発明の他の例を示す図である。
【図4】 本発明の他の例を示す図である。
【図5】 本発明の他の例を示す図である。
【図6】 本発明の他の例を示す図である。
【図7】 本発明の他の例を示す図である。
【図8】 本発明の他の例を示す図である。
【図9】 矩形補強材を軸方向鋼材の内側に複数配置し
た例を示す図である。
た例を示す図である。
【図10】 円形の補強材を軸方向鋼材の内側に複数配
置した他の例を示す図である。
置した他の例を示す図である。
【図11】 補強材を軸方向鋼材の内側に複数配置する
とともに、各補強材を交錯させるように配置した例を示
す図である。
とともに、各補強材を交錯させるように配置した例を示
す図である。
【図12】 補強材を軸方向鋼材の内側に配置するとと
もに外側にも配置した例を示す図である。
もに外側にも配置した例を示す図である。
【図13】 地震時に塑性ヒンジを形成すると考えられ
るコンクリート部材端部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンクリートを使
用した例を示す図である。
るコンクリート部材端部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間のコンクリートに膨張性のコンクリートを使
用した例を示す図である。
【図14】 地震時に塑性ヒンジを形成すると考えられ
るコンクリート部材端部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間のコンクリートにプレストレスによる軸圧縮
力を加えた例を示す図である。
るコンクリート部材端部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間のコンクリートにプレストレスによる軸圧縮
力を加えた例を示す図である。
【図15】 地震時に塑性ヒンジを形成すると考えられ
るコンクリート部材内部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間において軸方向鋼材とコンクリートとの間に
付着力が働かないようにした例を示す図である。
るコンクリート部材内部から断面高さの2倍程度までの
範囲の区間において軸方向鋼材とコンクリートとの間に
付着力が働かないようにした例を示す図である。
【図16】 従来のコンクリート柱の配置方法を説明す
る図である。
る図である。
1…コンクリート柱、2…軸方向鋼材、4,5…補強
材、6,7…スパイラル鋼材、8,9…鋼管、10…孔
付き鋼管、11…孔、12…普通コンクリート、13…
膨張コンクリート、14…被覆材。
材、6,7…スパイラル鋼材、8,9…鋼管、10…孔
付き鋼管、11…孔、12…普通コンクリート、13…
膨張コンクリート、14…被覆材。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
E04C 5/01 E04C 5/01
E04G 21/12 105 E04G 21/12 105A
(72)発明者 渡部太一郎
東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日
本旅客鉄道株式会社内
(72)発明者 鎌田則夫
東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日
本旅客鉄道株式会社内
(72)発明者 小原和宏
東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日
本旅客鉄道株式会社内
Fターム(参考) 2D059 AA03 GG40
2E163 FA02 FD25 FD46 FD47
2E164 AA01 AA31 BA04 CA01 CA12
CA14 CA15
Claims (9)
- 【請求項1】 軸方向鋼材が配置された任意の断面形状
を有するコンクリート部材の補強材の配置方法におい
て、コンクリート部材長手方向の一部又は全部に渡り、
軸方向鋼材の内側に軸方向鋼材にほぼ直角の方向に任意
形状の補強材が配置されていることを特徴とするコンク
リート部材の補強材の配置方法。 - 【請求項2】 前記補強材に角形形状、あるいは円形形
状の補強材を用いたことを特徴とする請求項1記載のコ
ンクリート部材の補強材の配置方法。 - 【請求項3】 補強材にスパイラル鋼材を用いたことを
特徴とする請求項1または2記載のコンクリート部材の
補強材の配置方法。 - 【請求項4】 補強材に鋼管を用いたことを特徴とする
請求項1または2記載のコンクリート部材の補強材の配
置方法。 - 【請求項5】 補強材を軸方向鋼材の内側に複数配置し
たことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のコン
クリート部材の補強材の配置方法。 - 【請求項6】 さらに、補強材を軸方向鋼材の外側にも
配置したことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載
のコンクリート部材の補強材の配置方法。 - 【請求項7】 コンクリートに膨張コンクリートを用い
たことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のコン
クリート部材の補強材の配置方法。 - 【請求項8】 コンクリートに軸圧縮力を加えたことを
特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のコンクリート
部材の補強材の配置方法。 - 【請求項9】 軸方向鋼材とコンクリートとの付着力を
無くしたことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載
のコンクリート部材の補強材の配置方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001231329A JP2003041657A (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | コンクリート部材の補強材の配置方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001231329A JP2003041657A (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | コンクリート部材の補強材の配置方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003041657A true JP2003041657A (ja) | 2003-02-13 |
Family
ID=19063400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001231329A Pending JP2003041657A (ja) | 2001-07-31 | 2001-07-31 | コンクリート部材の補強材の配置方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003041657A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2007204985A (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-16 | Ohbayashi Corp | せん断補強構造、せん断補強方法、鉄筋コンクリート部材 |
ITVV20080006A1 (it) * | 2008-07-09 | 2008-10-08 | Michele Miceli | "struttura - armatura centrale" all'incrocio tra pilastri e travi delle costruzioni per aumentarne la resistenza durante le scosse sismiche e per impedirne il reciproco distacco. |
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CN104718332A (zh) * | 2012-09-05 | 2015-06-17 | 韩国建设技术研究院 | 抗冲切用增强构件以及采用该增强构件的支柱与板和扩大基础之间的结合部的施工方法 |
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JP2019199761A (ja) * | 2018-05-17 | 2019-11-21 | 国立大学法人宇都宮大学 | Rc柱状構造物の塑性ヒンジ構造及びrc柱状構造物の塑性ヒンジ部補修方法 |
CN111472553A (zh) * | 2020-04-27 | 2020-07-31 | 中建七局安装工程有限公司 | 薄壁空心墩密集型钢筋模块化施工工法 |
-
2001
- 2001-07-31 JP JP2001231329A patent/JP2003041657A/ja active Pending
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