JP2003041441A - 仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents

仮撚加工糸およびその製造方法

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浩史 須山
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ストレッチ性と弾性回復性、ソフト
な風合いを兼ね備えた仮撚加工糸およびその製造方法を
提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の仮撚加工糸は、ポリエステル系マ
ルチフィラメント糸の仮撚加工糸であって、該フィラメ
ントが、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチ
レンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合した
繊維であることを特徴とするものである。また、本発明
のかかる仮撚加工糸の製造方法は、ポリトリメチレンテ
レフタレートAとポリエチレンテレフタレートBをサイ
ドバイサイド型に複合したポリエステル系マルチフィラ
メント糸を、150℃〜200℃のヒーター温度で仮撚
することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレッチ性とソ
フトさに優れた仮撚加工糸とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、弾性回復性に優れ、ストレッチ素
材に適したポリエステル系繊維として、例えば特開平1
1−93026号公報にはポリトリメチレンテレフタレ
ートを主たるポリマー成分とするポリエステル系仮撚加
工糸が提案されている。この加工糸は確かに弾性回復性
には優れているが、ケン縮によるガサツキ感が強く、熱
水収縮率も高いため、その布帛等の布帛はソフトな風合
いに欠けるものであった。
【0003】特開2000−256925号公報にはポ
リトリメチレンテレフタレートを主たるポリマー成分と
し、1段ヒーター仮撚に連続して弛緩熱処理を行うポリ
エステル系仮撚加工糸が提案されている。しかし、スト
レッチ性を重視するあまり、布帛のソフトさは不十分な
ものであった。
【0004】また、特開2000−256918号公報
には、共重合率の異なるポリトリメチレンテレフタレー
トを主たるポリマー成分をサイドバイサイド型などで組
み合わせて、仮撚する方法も検討されている。伸縮性、
弾性回復性に優れた布帛が得られるが、ソフトさはまだ
不十分であり、またポリトリメチレンテレフタレートを
用いているので寸法安定性がも悪くなってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、ストレッチ性と弾性回復性、ソフト
な風合いを兼ね備えた仮撚加工糸およびその製造方法を
提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の仮撚加工糸は、ポリエステル系
マルチフィラメント糸の仮撚加工糸であって、該フィラ
メントが、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエ
チレンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合し
た繊維であることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明のかかる仮撚加工糸の製造方
法は、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチレ
ンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合したポ
リエステル系マルチフィラメント糸を、150℃〜20
0℃のヒーター温度で仮撚することを特徴とするもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまりスト
レッチ性と弾性回復性、ソフトな風合いを兼ね備えた仮
撚加工糸について、鋭意検討し、特定なポリエステル、
つまりポリトリメチレンテレフタレートAとポリエチレ
ンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合したポ
リエステル系マルチフィラメント糸を仮撚してみたとこ
ろ、かかる課題を一挙に解決することを究明したもので
ある。
【0009】本発明の加工糸において、ポリトリメチレ
ンテレフタレートAとポリエチレンテレフタレートBを
サイドバイサイド型に複合すると、それらの弾性回復率
や収縮特性の差によって、単繊維内で歪みが生じてコイ
ルケン縮の形態を生じる。この繊維を仮撚することによ
って、ケン縮ピッチを微細化することができ、高ストレ
ッチ性だけでなく、ソフト性に優れた布帛を提供するこ
とができる。
【0010】この際、コイルケン縮の内側に、ポリトリ
メチレンテレフタレートAを配置するようにすると、繰
り返し伸長時の回復性が良くなり、心地良い伸長反発感
を有するものが得られるようになる。
【0011】図1は、本発明の仮撚加工糸を例示したも
のである。本発明の仮撚加工糸は、従来の仮撚加工糸の
ような3次元型の粗いケン縮ではなく、微細なピッチク
リンプを有しているために、単糸フィラメント同志が、
互いに立体障害を起こしにくい波状形のケン縮になる。
ゆえに互いのケン縮や布帛内の拘束が小さくなるので、
布帛におけるストレッチ発現量が大きくなる。
【0012】本発明のポリトリメチレンテレフタレート
Aとしては、テレフタル酸を主たる酸性分とし、1・3
プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成分として得られ
るポリエステルが使用される。また、糸がポリトリメチ
レンテレフタレートAからなるとは、繊維を構成するポ
リマー成分がトリメチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位としていることを意味するものである。
【0013】かかるポリエステルには、本発明の効果を
失わない範囲で、好ましくは20モル%以下、より好ま
しくは10モル%以下の割合で、他のエステル結合の形
成可能な共重合成分を含んでいても良い。かかる共重合
可能な化合物としては、例えば、イソフタル酸、コハク
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ
酸、セバシン酸などのジカルボン酸成分を、一方、グリ
コ−ル成分としては、例えば、エチレングリコ−ル、ジ
エチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ネオペンチルグ
リコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ポリエチレン
グリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどを使用する
ことができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、艶消剤として二酸化チタン、滑剤としてのシリカや
アルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダ−ドフェノ−
ル誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することが
できる。
【0014】本発明のポリトリメチレンテレフタレート
A、ポリエチレンテレフタレートBの各成分の複合比率
は、好ましくは8:2から2:8であり、より好ましく
は6:4〜4:6であるのがよい。この範囲以外では、
A、Bどちらかの成分が少なくなりすぎて、ケン縮が粗
くなる傾向がある。
【0015】本発明においては、フィラメントの横断面
の形状は、四角以上の多角形の異形断面であるのが好ま
しく、また、その断面のポリマー境界線が曲線であるの
が好ましい。
【0016】従来、よく用いられている丸断面形状のフ
ィラメントを仮撚する場合には、加撚ゾーンで最密充填
構造をとるので、断面形状は、ほぼ全てが六角形にな
る。横断面形状が四角以上の多角形の異形断面から成る
場合には、フィラメントごとに様相の異なったケン縮形
態を形成し、お互いのケン縮が干渉しにくくなるので、
布帛内でケン縮発現しやすくなる利点がある。また、多
角形の異形断面化すると、ナイロン調のサラサラした風
合いを発揮するようになる。
【0017】また、その断面のポリマー境界線が曲線で
あると、お互いのポリマーの形状が非対称化となり、よ
り多くコイルケン縮が発現するようになる。
【0018】また、単糸フィラメント横断面の形状が、
扁平型であり、かつ、次式を満たすことが好ましい。
【0019】20≦扁平率(%)≦80 扁平率(%)=D2/D1×100 ここで、D1:単糸フィラメント横断面における長軸 D2:D1に直交する短軸のうち最大のもの また、ここで単糸フィラメント横断面形状が扁平型と
は、断面の長軸と短軸との長さの比率から導かれる扁平
率が80%未満であることを示す。その具体的形状は、
図2に示すように(イ)楕円型、(ロ)キノコ型、
(ハ)ドッグボーン型、(ニ)シェル型などの扁平型で
あれば、任意の形状であって構わない。
【0020】単糸フィラメント横断面形状が、扁平であ
ると、単糸フィラメントごとの微細なピッチクリンプの
位相がずれることにより、布帛にしたときに、より滑ら
かでソフトにすることができる。
【0021】扁平率が80(%)以上であると、扁平型
であるとはいえず、クリンプ位相ずれ効果を期待するこ
とができない。また、20(%)未満であると布帛にイ
ラツキが見られるようになり好ましくない。
【0022】また、本発明の仮撚加工糸の総繊度は、3
0Dtexから1000Dtexの範囲で用途目的にあ
わせて適宜選択すればよい。単糸フィラメント繊度は、
強度とソフトタッチを両立するためには0.5〜10d
texであることが好ましく、より好ましくは1.5〜
6dtexである。
【0023】次に本発明の仮撚加工糸の製造方法につい
て説明する。
【0024】図3は、本発明の仮撚加工糸の製造工程の
一例を示す概略図である。マルチフィラメント1がフィ
ードローラ2を通って、施撚体(仮撚具)5によって仮
撚されながら第1ヒーター3に導入され熱セットされ、
冷却板4で冷却される。その後、デリベリーローラ6を
経てテイクアップローラ7に巻取られる。
【0025】本発明の仮撚加工糸はポリトリメチレンテ
レフタレートAとポリエチレンテレフタレートBをサイ
ドバイサイド型に複合したポリエステル系マルチフィラ
メント糸を150℃〜200℃で仮撚することを特徴と
している。
【0026】ポリエステルを構成する実質的なフィラメ
ントがポリトリメチレンテレフタレートのみであった場
合、150℃以上の温度で仮撚すると、強伸度が低下し
てしまう。ゆえにその仮撚加工糸はポリエチレンテレフ
タレートを主とする仮撚加工糸に比べて熱セット効果は
不十分なものであった。
【0027】本発明においてはポリトリメチレンテレフ
タレートAとポリエチレンテレフタレートBをサイドバ
イサイド型に複合したポリエステルを用いているため、
150℃〜200℃の高温ゾーンで仮撚し、熱セット効
果を高めることができる。
【0028】仮撚温度が150℃未満の場合には、熱セ
ット効果が不十分となるため十分なケン縮が得難い。一
方、200℃を超える場合には、融着が発生して未解撚
部を有するがさついた風合いの糸条となり、強伸度、ケ
ン縮、および構造弾性回復についても不十分なものとな
る。
【0029】本発明のサイドバイサイド複合口金は公知
のものを使用することができる。
【0030】次に、複合口金から吐出した後、未延伸糸
を得、次いで延伸後または延伸と同時に仮撚加工を施
す。具体的には、2000〜7000m/min、特に
2000〜4500m/minで高配向未延伸糸を巻取
った後、延伸同時仮撚加工する方法(POY−DTY
法)、500〜7000m/minで未延伸糸を巻取っ
た後、延伸を行ない、引続き仮撚加工する方法、一旦冷
却した糸を延伸した後、3000m/min以上の速度
で巻取り、巻取糸を仮撚加工する方法などを採用するこ
とができる。
【0031】この仮撚加工は、シングルヒーター方式、
2ヒーター方式のいずれでもよい。仮撚時の1m当たり
の仮撚数TWは、Dをデシテックスとすると、好ましく
は22000/(D)1/2 〜39000/(D)1/2
より好ましくは26000/(D)1/2 〜36000/
(D)1/2の範囲であるのがよい。すなわち、2200
0/(D)1/2 未満の場合には、十分なケン縮を付与す
ることが困難であり、一方39000/(D)1/2 を超
える場合には、加工糸の毛羽、断糸の発生頻度が高くな
る。
【0032】なお、仮撚付加装置は、スピンドル仮撚装
置、摩擦仮撚装置、流体仮撚装置など任意の仮撚装置を
使用することができる。
【0033】また、仮撚後に交絡ノズルを用いて、後交
絡を入れても何ら構わない。
【0034】本発明の仮撚加工糸は、必要に応じてポリ
トリメチレンテレフタレート繊維同志や他の繊維糸条と
同時仮撚、位相差仮撚、伸度差仮撚等公知の複合仮撚手
段によって複合仮撚加工糸としてもよい。本発明の仮撚
加工糸同志や各種原糸や加工糸とインターレース交絡し
たり、タスラン加工したり、交撚してもよい。
【0035】本発明の加工糸は、布帛内での微細なピッ
チクリンプ径のケン縮発現が布帛内拘束に負けることな
く発現することにより、高度なストレッチ性を示し、か
つシボがない滑らかでソフトな布帛を得ることができ
る。
【0036】また、ポリトリメチレンテレフタレートと
ポリエチレンテレフタレートが組み合わせていることに
より、お互いの特徴である弾性回復特性プリーツ性が良
好であるのに加え、両者の収縮特性の差が大きいことに
より、ケン縮ピッチを細かくすることができ、ソフトタ
ッチでドレープ性のある布帛を得ることができる。
【0037】また、横断面形状が四角、五角、六角形の
異形断面から成る場合には、ナイロン調のサラサラした
風合いになり、またその断面のポリマー境界線が曲線で
あることで、より多くコイルケン縮が発現するようにな
る。
【0038】また、横断面形状が扁平であると、布帛に
したときに、より滑らかでソフトにすることができる。
【0039】また、ストレッチ特性に優れているため特
にスポーツ衣料などで、布帛がストレッチに十分に追従
し、肘、膝部分のワライの発生を抑えることができる。
【0040】本発明の仮撚加工糸からなる布帛は、衣料
用として、特にジャケット、ボトムなどのアウター、ワ
ンピース、スカート、アームウォーマー、ストッキング
などの婦人衣料、ジャージ、アスレチックウェア、スキ
ーウェア、レオタードなどのスポーツ衣料、ストッキン
グ、タイツ、ソックス、肌着などのインナー、また産業
用としてはタオル、傘地、芯地、歯ブラシ、釣り糸、ロ
ープ、人工芝、カーシートなどにストレッチ素材として
用いることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は実施例により限定されるものでは
ない。なお、実施例中の下記特性は、以下の方法により
測定したものである。
【0042】(1)扁平率 パラフィン包埋法により加工糸の断面サンプルを3個採
取する。そして得た断面サンプルを顕微鏡で800倍に
拡大して、ビデオプリンターにより写真を撮影する。そ
こから、断面の長軸D1、短軸D2を1サンプル5箇
所、計15箇所算出し、その平均から以下の式で扁平率
を算出する。 扁平率(%)=D1/D2×100 (2)織物ストレッチ率 JIS−L−1096に従って測定した。 (3)ソフトさの評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物のソフトさを触
感により官能評価した。この際、従来品である比較例1
の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めてソフトな風合い 4:ややソフトな風合い 3:標準織物と同等の風合い 2:やや堅い風合い 1:極めて硬い風合い。 (4)表面品位の評価 実施例、比較例に記載の方法で得た織物の表面品位を、
触感により官能評価した。この際、従来品である比較例
1の織物を標準として、以下の基準で5段階評価を行な
い、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。 5:極めて表面品位が良い 4:やや表面品位が良い 3:標準織物と同等の表面品位 2:やや表面品位が悪い 1:極めて表面品位が悪い (実施例1)丸型断面のポリトリメチレンテレフタレー
トとポリエチレンテレフタレートを5:5の複合比でサ
イドバイサイド型に複合した56dtex24フィラメ
ント、伸度が36.2%の延伸糸を用いた。
【0043】図3に示す仮撚工程を使用して、表1の条
件で仮撚加工を実施し、仮撚加工糸を得た。
【0044】得られた加工糸の横断面は、四角形以上の
異形断面から成り、その形状は四角が7本、五角が15
本、六角が2本であり、その断面のポリマー境界線が曲
線をなしていた。
【0045】また、扁平率が80%であり、糸側圧抵抗
回復率は59.8%で織物拘束下でも十分なケン縮発現
力があることが分かった。
【0046】得られた加工糸を、S方向に500T/m
で追撚し緯糸として用い、経糸として56Dtex、2
4フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸
(S方向に250T/mで追撚したもの)を用い、レピ
ア織機により3/1のツイルで製織し、織物を形成し
た。引き続き97℃の熱水でリラックス精錬、テラシル
ネイビーブルー色の分散染料で120℃で染色、160
℃で仕上熱固定し、布帛を得た。この布帛は織物ストレ
ッチ率73%と最も高いストレッチ性とソフトな肌触り
を併せ持つものであった。また、ケン縮が微細なため布
帛の表面品位も良好であった。
【0047】(実施例2)キノコ型断面のポリトリメチ
レンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートを
5:5の複合比でサイドバイサイド型に複合した56d
tex24フィラメント、伸度35.2%の延伸糸を用
いて、実施例1と同じ延伸糸、仮撚工程を用い、表1の
条件で仮撚加工を実施し、仮撚加工糸を得た。
【0048】得られた加工糸の横断面は、扁平型であ
り、扁平率が50%であった。
【0049】また、糸側圧抵抗回復率は57.9%と、
織物拘束下でも十分なケン縮発現力があることが分かっ
た。
【0050】得られた加工糸を、実施例1と同じ条件で
製織、染色を行った。得られた布帛は織物ストレッチ率
69%と高いストレッチ性とソフトな肌触りを併せ持つ
ものであった。また、布帛はサラサラしていて、ケン縮
が微細なため表面品位も良好であった。
【0051】(比較例1)ポリトリメチレンテレフタレ
ートとポリトリメチレンテレフタレートを5:5の複合
比でサイドバイサイド型に複合した56dtex24フ
ィラメント、伸度が34.5%の延伸糸を用いた。
【0052】得られた加工糸の糸側圧抵抗回復率は4
7.3%と粗いケン縮が多かったせいか、抵抗が大きか
った。得られた加工糸を、実施例1と同じ条件で製織、
染色を行った。
【0053】得られた布帛は織物ストレッチ率51%と
やや不十分なストレッチ性で、表面はがさついた肌触り
であり、ソフトさも不十分であった。
【0054】(比較例2)56dtex24フィラメン
トで伸度が36.2%のポリトリメチレンテレフタレー
トの延伸糸を用いた。
【0055】得られた加工糸の糸側圧抵抗回復率は3
5.2%と粗いケン縮が多かったせいか、抵抗が大きか
った。
【0056】得られた加工糸を、実施例1と同じ条件で
製織、染色を行った。
【0057】得られた布帛は、織物ストレッチ率45%
と満足いくストレッチ性が得られなかった。しかも、表
面はがさついた肌触りで、ソフトさも不十分であった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ジャケット、ボトムな
どのアウター、ワンピース、スカート、アームウォーマ
ー、ストッキングなどの婦人衣料、ジャージ、アスレチ
ックウェア、スキーウェア、レオタードなどのスポーツ
衣料、ストッキング、タイツ、ソックス、肌着などのイ
ンナー、また産業用としてはタオル、傘地、芯地、歯ブ
ラシ、釣り糸、ロープ、人工芝、カーシートなどのスト
レッチ素材として好適な仮撚加工糸を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明の仮撚加工糸の側面図であ
る。
【図2】この図は、扁平断面の模式図である。
【図3】この図は、本発明の加工糸を得るための加工工
程の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A:PET(ポリエチレンテレフタレート) B:PPT(ポリトリメレンテレフタレート) 1:マルチフィラメント 2:フィードローラ 3:第1ヒーター 4:冷却板 5:施撚体 6:デリベリローラ 7:テイクアップローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L036 MA05 MA17 MA26 MA33 PA06 PA15 PA18 RA04 4L041 AA07 BA02 BA05 BA10 BA11 BA34 BA37 BB08 BC05 BC17 BD14 CA06 CA08 DD01 DD10 EE12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系マルチフィラメント糸の仮
    撚加工糸であって、該フィラメントが、ポリトリメチレ
    ンテレフタレートAとポリエチレンテレフタレートBを
    サイドバイサイド型に複合した繊維であることを特徴と
    する仮撚加工糸。
  2. 【請求項2】該フィラメントの横断面形状が、四角以上
    の多角形からなり、かつ、その断面のポリマー接合境界
    線が曲線であることを特徴とする請求項1記載の仮撚加
    工糸。
  3. 【請求項3】該フィラメントの横断面形状が、扁平型で
    あり、かつ、次式を満たすことを特徴とする請求項1記
    載の仮撚加工糸。20≦扁平率(%)≦80
  4. 【請求項4】ポリトリメチレンテレフタレートAとポリ
    エチレンテレフタレートBをサイドバイサイド型に複合
    したポリエステル系マルチフィラメント糸を、150℃
    〜200℃のヒーター温度で仮撚することを特徴とする
    仮撚加工糸の製造方法。
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JP2005082908A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Toray Ind Inc 先染め糸およびその製造方法
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