JP2003040917A - 水溶性重合体の製造方法 - Google Patents
水溶性重合体の製造方法Info
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Abstract
残存モノマーの含有量が少ない水溶性重合体の製造方法
の提供。 【解決手段】(A)10時間半減期温度が70℃以上のア
ゾ系重合開始剤、(B)10時間半減期温度が70℃以下
でかつ(A)成分より15℃以上の低いアゾ系重合開始剤
及び(C)必要に応じてその他重合開始剤の存在下、水溶
液中でビニル系単量体を重合することを特徴とする水溶
性重合体の製造方法。
Description
重合開始剤を使用する水溶性重合体の製造方法に関する
ものであり、高分子凝集剤等の用途に好適な高分子量の
水溶性重合体を得ることができるものであり、これら技
術分野で賞用され得るものである。
物質を凝集させて沈降させる等の目的で使用される高分
子凝集剤の他、抄紙用薬剤及び増粘剤等に広く利用され
ているが、いずれの用途においても水溶性重合体の分子
量が高く、溶解性が良好であること、かつ残存モノマー
が少ないことが要求される。例えば、凝集剤の用途にお
いては、分子量が低い場合には凝集性能が低下し、水溶
性が不良の場合には溶解した純分が減少し凝集性能が悪
化するという問題が生じる。又抄紙用途では、高分子量
でないと紙の歩留まりが低くなり、水溶性の不良は紙表
面の品質不均一やザラツキの原因となる。増粘剤用途で
は、分子量が低いと増粘効果が低下し、水溶性が不良の
場合には均一な増粘効果が得られ難く、外観的にも不都
合である。残存モノマーが多い場合には、いずれの用途
においても水溶性重合体を扱う作業者の安全上の点、例
えば皮膚刺激性等で危険性があって好ましくない。
て、従来、特定の光重合開始剤を使用する方法と光照射
工程の装置や条件を工夫する方法とが知られている。例
えば、特開昭57−115409号公報には、光重合開
始剤としてベンジルジメチルケタールを含有することを
特徴とする水溶性高分子量重合体の製造方法が開示され
ている。しかし、この方法により得られる重合体は、架
橋反応が生じ易いために溶解性が十分ではなく、又残存
モノマー含有量の低減の点でも満足できるものではなか
った。
び特開平10−298215号公報には、1段目に特定
の波長を含まない光を照射した後、2段目以降に当該波
長を含む光を照射する方法が提案されている。しかし、
これらの方法では実質的にフィルター類を通じて特定の
波長を含まない光とする必要があり、装置が複雑になる
ばかりか、光エネルギーが無駄になり、かつフィルター
類が光エネルギーの吸収によって極度に過熱し、場合に
よっては火災の危険性があるため好ましくない。
の製造に使用される光重合開始剤として、アゾ系化合物
を用いるものが古くから知られている。例えば特公昭5
3−22544号公報や特公昭57−19121号公報
には、特定組成のアゾ化合物を光重合開始剤として用い
た光重合方法が開示されているが、これらの方法ではい
ずれも高分子量の重合体が得られ難く、凝集剤等の用途
で満足できるものではなかった。又、特公平4−576
82号公報や特公平7−10895号公報にはベンゾイ
ン誘導体等特定の重合光開始剤とアゾ系光開始剤を併用
する方法が開示されているが、これらの方法により得ら
れる重合体は、架橋反応が生じ易いために溶解性が十分
とは言えず、又残存モノマーの低減という点でも不十分
であった。
いる水溶性重合体の製造方法も従来から知られている。
例えば、特開昭49−47482号公報や特開昭55−
135104号公報等には、高分子量の重合体を得る目
的や残存モノマー量低減のため、特定アゾ系重合開始剤
を使用する方法が開示されている。しかしながら、これ
ら製造方法では、使用するアゾ化合物が低温で重合開始
するものでなく、重合開始温度を高くする必要があり、
このため水溶性単量体濃度を低くせざるを得ず、生産性
の点で満足するものではないうえ、重合体の重合度や残
存モノマー量は満足のゆくものでなかった。これら以外
にも、アゾ化合物と還元剤を併用する方法が知られてい
るが(特開昭52−82989号公報や特開昭54−1
45782号公報)が、これらの方法はいずれも重合開
始時間に長時間を要し、生産性の面で満足できるもので
はなかった。アゾ化合物とレドックス開始剤を併用する
方法も知られているが(特開昭52−15591号公
報、特開昭52−71586号公報)、レドックス重合
開始剤を用いるため低温での反応は速いものの、高分子
量の重合体が得られ難く、性能の点で満足できるもので
はなかった。
子量で水に対する溶解性が良好でありかつ残存モノマー
の含有量が少ない水溶性重合体の製造方法を提供するこ
とにある。
半減期温度の異なるアゾ系重合開始剤を併用し、水溶液
中でビニル系単量体を重合すれば、一方の重合開始剤が
失活した後にも他方の重合開始剤の活性があるため、残
存モノマーを低減できるうえ、高分子量の重合体が得ら
れるのではないかとの着想のもと、種々の検討を行なっ
た結果、本発明を完成した。以下、本発明を詳細に説明
する。尚、本明細書においては、アクリルアミド又はメ
タクリルアミドを(メタ)アクリルアミドと表し、アク
リレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと
表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル
酸と表す。
ゾ系重合開始剤、(B)10時間半減期温度が70℃以下
でかつ(A)成分より15℃以上の低いアゾ系重合開始剤
及び(C)必要に応じてその他重合開始剤を併用する。以
下それぞれの成分について説明する。
のアゾ系重合開始剤 (A)成分としては、10時間半減期温度が70℃以上の
アゾ系重合開始剤であれば種々の化合物が使用でき、1
0時間半減期温度が80℃以上のアゾ系重合開始剤がよ
り好ましい。(A)成分の具体例としては、2,2’−ア
ゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プ
ロピオンアミド)](10時間半減期温度86℃、以下
括弧内の温度は同様の意味を示す)、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート(8
8℃)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−〔1,1
−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミ
ド](82℃)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−
〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシ
エチル〕プロピオンアミド](80℃)、1,1’アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(88
℃)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]
ホルムアミド(104℃)、2−フェニルアゾ−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルファレロニトリル(122
℃)、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)(110℃)及び2,2’アゾビス(2−メチル
プロパン)(160℃)等が挙げられる。これらの中で
も、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒド
ロキシエチル)プロピオンアミド)](86℃)、2,
2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイ
ドレート(88℃)、2,2’−アゾビス[2−メチル
−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プ
ロピオンアミド](82℃)及び2,2’−アゾビス[2
−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−
2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド](80℃)
が好ましい。(A)成分の割合としては、得ようとする水
溶性重合体の分子量や組成等を考慮して決定されるが、
使用するビニル系単量体全量に対して100〜2000
ppmが好ましい。又、後記(B)成分に対する(A)成分の
割合としては、(A)及び(B)成分の合計量に対して、(A)
成分が10〜90質量%であることが好ましく、より好
ましくは20〜80質量%である。(A)成分は、2種以
上を併用することもできる。
でかつ(A)成分より15℃以上の低いアゾ系重合開始剤 (B)成分としては、10時間半減期温度が70℃以下で
かつ(A)成分より15℃以上低いものであれば種々のも
のが使用できる。(B)成分の具体例としては、4,4’
−アゾビス(4−シアノバレリック酸)(69℃)、
2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチル
アミジン)(61℃)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル(65℃)、2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)塩酸塩(56℃)、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)(67℃)、2,2’−
アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン](44℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)(30℃)、2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジハ
イドロクロライド(45℃)及び2,2’−アゾビス
(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジハ
イドロクロライド(45℃)等が挙げられる。これらの
中でも、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
塩酸塩(56℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)(67℃)及び2,2’−アゾビス[2
−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](44
℃)が好ましい。(B)成分の割合としては、得ようとす
る水溶性重合体の分子量や組成等を考慮して決定される
が、使用するビニル系単量体全量に対して100〜20
00ppmが好ましい。(B)成分は、2種以上を併用す
ることもできる。
を併用することができる。(C)成分の好ましい具体例と
しては、レッドックス重合開始剤及び光重合開始剤等が
挙げられる。
熱重合により行なう場合、レドックス重合開始剤を併用
することが好ましい。レドックス重合開始剤としては、
下記に示す酸化剤と還元剤の組み合わせ等が挙げられ
る。酸化剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、t-ブチルハ
イドロパ−オキサイド及びパーロイルSA等の有機過酸
化物、過酸化水素、並びに臭素酸ナトリウム等が挙げら
れる。又、還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等の亜硫
酸塩、亜硫酸水素ナトリウム等の亜硫酸水素塩、アスコ
ルビン酸及びその塩、ロンガリット、亜二チオン酸及び
その塩、トリエタノールアミン、並びに硫酸第一鉄等が
挙げられる。レドックス重合開始剤の好ましい組み合わ
せとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩、過硫酸塩と亜硫酸水
素塩等が挙げられる。レドックス重合開始剤の割合とし
ては、得ようとする水溶性重合体の分子量や組成等を考
慮して決定すれば良いが、使用するビニル系単量体全量
に対して10〜500ppmが好ましい。又、前記(A)
及び(B)成分に対するレドックス重合開始剤の割合とし
ては、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、レドック
ス重合開始剤が0.5〜50質量%であることが好まし
い。
光重合により行なう場合、光重合開始剤を併用すること
が好ましい。尚、前記アゾ系重合開始剤が光重合開始剤
としても作用する場合は、さらに配合する必要はないこ
とがある。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェ
ノン系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル
系、アセトフェノン系及びアシルホスフィンオキサイド
系等の光重合開始剤を挙げることができる。これらの中
でも、架橋を生じ難く、高重合度で溶解性に優れた重合
体が得られ易いこと、安価な汎用な化合物として市販さ
れている点において格別に好ましいものは、1―ベンゾ
イル−1−ヒドロキシシクロヘキサンである。この場
合、光増感剤をさらに併用することができる。光増感剤
としては、トリエタノールアミン及びジエタノールアミ
ン等のアミン系光増感剤等を挙げることができる光重合
開始剤の割合は、得ようとする水溶性重合体の分子量や
組成等を考慮して決定されるが、使用するビニル系単量
体全量に対して10〜500ppmが好ましい。又、前
記(A)及び(B)成分に対する光重合開始剤の割合として
は、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、光重合開始
剤が0.5〜50質量%であることが好ましい。
「単量体」ということもある)としては、水溶性単量体
が好ましく、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリル酸及びこれらの酸のナトリウム塩等のアルカリ
金属塩又はアンモニウム塩、アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスル
ホン酸及びそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキ
ルアミノアルキル(メタ)アクリレート、これらの塩酸
塩及び硫酸塩等の3級塩又は4級塩、N,N'―ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及びこれら
の塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩又は4級塩、ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド等のジアルキルジアリル
アンモニウム塩等が挙げられる。又、得られる重合体の
水溶性を損なわない範囲で、水溶性単量体に、アクリロ
ニトリル、アクリルアミドのN置換誘導体、スチレン等
の非水溶性単量体を併用しても良い。これらの単量体
は、一種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用い
てもよい。
しては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
トの3級塩及び/又は4級塩のみからなるか、又はジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの3級塩及
び/又は4級塩を5モル%以上含む単量体混合物が好ま
しい。
の存在下、水溶液中でビニル系単量体を重合する水溶性
重合体の製造方法である。
熱重合で行なう場合は、ビニル系単量体を溶解した単量
体水溶液に、(A)成分、(B)成分及び必要に応じて(C)成
分を添加し、冷却又は加熱して重合する方法等が挙げら
れる。
系単量体を溶解した単量体水溶液に、(A)成分、(B)成分
及び必要に応じて(C)成分を添加し、当該水溶液に光照
射して重合させる方法等が挙げられる。この場合、単量
体水溶液を容器に溜めて光照射することでバッチ式で重
合することも、連続的に重合することも可能であり、例
えば可動式ベルト上に単量体水溶液を連続的に供給し、
光照射することによってもできる。
青色ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、
低圧水銀ランプ等を使用することができ、これらの光源
から得られる紫外線及び可視光線を利用できるが、30
0〜400nmの波長を選択的に含む光源を使用するこ
とが、光重合開始剤を効率的に作用させる点で好まし
い。
る水溶性重合体の分子量、重合時間等を考慮して決定さ
れるが、通常0.5〜100W/m2の範囲であること
が好ましい。照射強度は重合中一定としてもよく、重合
途中で変化させてもよい。この場合、第2段目の照射強
度を1段目の照射強度より高くすることが、得られる重
合体の残存モノマーをより好ましく低減できるため、好
ましい。第2段目の照射強度は、通常50〜2,000
W/m2の範囲で使用できる。光照射時間(連続式の場
合には滞留時間)は、第1段目においては通常0.5〜
120分間、好ましくは3〜90分間、さらに好ましく
は5〜60分間であり、第2段目においては、10分以
上が好ましく、さらに好ましくは10〜60分、特に好
ましくは10〜30分である。
好ましくは50mm以上である単量体水溶液を使用する
ことが、生産性に優れるため好ましい。
〜90質量%の範囲とすることが好ましく、25〜80
質量%の範囲とすることがさらに好ましい。単量体濃度
が90質量%を超えると、重合熱の除去が困難となるこ
とがあり、重合反応を制御し難くなるので好ましくな
い。一方、単量体濃度が20質量%未満では、生産性及
び粉末状製品とする場合の乾燥効率が低くなることがあ
る。
は40℃以下であり、25℃以下とすることが好まし
く、15℃以下の範囲とすることがさらに好ましい。重
合開始温度が40℃を超えると、枝分かれ反応の頻度が
増加して不溶解分が増加したり、あるいは平均分子量が
低下したりする場合がある。重合開始温度の下限は特に
限定されないが、操作性及びエネルギー効率の点から−
10℃以上であることが好ましい。又、重合中における
系内の到達最高温度は100℃未満とすることが好まし
く、95℃未満とすることがより好ましい。
重合体の分子量は、4質量%塩化ナトリウム水溶液中の
0.5質量%濃度の25℃における粘度(B型粘度計に
より測定された値。以下、「0.5%塩粘度」ともい
う。)によって表現され、その数値が10mPa・S以
上であることが好ましく、30mPa・S以上であるこ
とがより好ましい。このような高分子量の水溶性重合体
は、高分子凝集剤に使用した場合、廃水や汚泥に対して
少量の添加で優れた凝集性能を発揮することができる。
0.5%塩粘度の上限は特に限定されないが、通常は2
00mPa・s以下である。又、本発明の製造方法によ
って得られる水溶性重合体は、重合体サンプルをイオン
交換水に溶解して0.1質量%濃度の重合体溶液を40
0ml作製し、この溶液全量を83メッシュの篩で濾過
した場合において、篩上に残った不溶解分の容量が溶液
全量に対して5容量%以下であることが好ましく、1容
量%以下であることがより好ましく、不溶解分のないこ
とが最も好ましい。本発明によれば、上記のような高分
子量であっても、不溶解分がほとんど生成せず、単量体
のロスのない経済的なものとなり、かつ不溶解分がパイ
プ等に目詰まりすることがないため、製品の使用時に安
定な操業が可能となる。又、得られる水溶性重合体中の
残存モノマー量としては、0.2質量%以下が好まし
い。
いては、常法に従って行えばよい。本発明により得られ
る水溶性重合体は、種々の用途に使用可能であり、具体
的には高分子凝集剤、抄紙用薬剤及び増粘剤等が挙げら
れ、特に、高分子凝集剤として好適に使用できる。
モノマー量の少ない水溶性重合体が得られる理由の詳細
は不明であるが、以下の様に推測している。まず、反応
開始時には10時間半減期温度の低い(B)成分からラジ
カルが発生し、単量体を重合し、高分子量の重合体を生
成する。重合の進行に伴い、単量体水溶液の温度が高く
なってくると、(B)成分が失活してくるが、10時間半
減期温度の高い(A)成分のラジカルが発生し始め、得ら
れた重合体中に存在する残存モノマーを消費する様にな
る。以上により、高分子量でかつ残存モノマー量の少な
い水溶性重合体が得られると考えられる。
り具体的に説明する。 ○実施例1 ステンレススティール製デュワー瓶に、ジメチルアミノ
エチルアクリレート塩化メチル4級塩水溶液(以下DA
Cと表す)、アクリルアミド水溶液(以下AMと表す)
及びアクリル酸(以下AAと表す)を入れ、それぞれが
12.0モル%、86.0モル%及び2.0モル%の組
成で、全重量が1Kg、全単量体濃度が30質量%にな
るように蒸留水を加えた。この溶液のpHを3.3に調
節した。窒素ガスを溶液に吹込みながら溶液温度を10
℃に調節し、単量体混合物の水溶液を得た。この時の液
深は150mmであった。次いで、単量体水溶液に、こ
の中の全単量体重量を基準として、(A)成分の2,2’
−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチ
ル)プロピオンアミド)]〔10時間半減期温度86
℃、和光純薬(株)商品名VA−086、以下VA−0
86という〕を900ppm、(B)成分の2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩〔10時間半減
期56℃、和光純薬(株)商品名V−50、以下V−5
0という〕を300ppm、(C)成分の過硫酸アンモニ
ウム((NH4)2S2O8))を10ppm及び亜硫酸水
素ナトリウム(NaHSO3)を10ppm、並びに塩
化第二銅を銅イオンとして0.3ppmとなるように加
えて、重合を開始した。静置状態で3時間重合を続け
た。その後、得られた含水ゲル状の重合体をデュワー瓶
から取出し、細断した。これを80℃で5時間乾燥後、
粉砕して目的の高分子重合体を得た。
定した。それらの結果を表2に示す。
量%塩化ナトリウム水溶液に溶解して0.5質量%濃度
の重合体溶液を作製し、B型粘度計にて25℃、60r
pmの条件で5分後の粘度を測定した。
水に溶解して0.1質量%濃度の重合体溶液を400m
l作製し、この溶液全量を直径20cm、83メッシュ
の篩で濾過した後、篩上に残った不溶解物を集めてその
容量を測定した。
gを80/20(体積比)のアセトン/水混合溶媒20
mlに加えて16時間以上放置して抽出を行った。抽出
後の上澄み液を採取し、ガスクロマトグラフィーにて残
存モノマー量を測定した。
施例1と同様にして水溶性単量体の重合を行なった。得
られた重合体を実施例1と同様に評価した。それらの結
果を表1に示す。
施例1と同様にして水溶性単量体の重合を行なった。得
られた重合体を実施例1と同様に評価した。それらの結
果を表1に示す。
示す。 1)括弧内の温度は、10時間半減期温度を意味する。 2)VA−080:2,2’−アゾビス[2−メチル−N
−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキ
シエチル〕プロピオンアミド](10時間半減期温度8
0℃、和光純薬(株)商品名VA−080 3)VA−044:2,2’−アゾビス[2−(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、10時間半
減期温度44℃、和光純薬(株)商品名VA−044
(以下DMCと表す)水溶液60モル%、AM水溶液4
0モル%の単量体混合物に、全重量1100g、単量体
濃度65質量%となるように蒸留水を加えた。これを内
径146mmの円筒型ガラス容器(反応器)に仕込み、
pHを4.0に調製した後、水溶液の温度を10℃に保
ちながら30分間窒素バブリングして単量体水溶液を得
た。このとき液深は70mmであった。次いで、この単
量体水溶液に、単量体純分に対して重量基準で、(A)成
分のVA−086を300ppm、(B)成分のV−50
を300ppm、(C)成分の光重合開始剤として1−ベ
ンゾイル−1−ヒドロキシシクロヘキサン〔チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ(株)商品名Ig−184〕5
0ppmを添加し、さらに2分間窒素バブリングした。
その後、反応器の上方から、10Wブラックライト蛍光
ランプ〔(株)東芝製、商品名「FL10S・BL
B」〕を用いて、0.4mW/cm2の照射強度で60
分間照射し、続いて100Wブラックライト〔(株)東
芝製、商品名「H100BL」〕を11.6mW/cm
2の照射強度で30分間照射して含水ゲル状の重合物を
得た。この含水ゲルを粒径3mm程度の塊に細断し、次
いで熱風乾燥機にて80℃で5時間乾燥した後、粉砕機
で粉砕して粉末状の重合体を得た。得られた重合体を使
用し、実施例1と同様の方法により評価した。それらの
結果を表2に示す。
施例4と同様にして水溶性単量体の重合を行なった。得
られた重合体を使用し、実施例1と同様の方法により評
価した。それらの結果を表2に示す。
施例3と同様にして水溶性単量体の重合を行なった。得
られた重合体を使用し、実施例1と同様の方法により評
価した。それらの結果を表2に示す。
示す。 1)括弧内の温度は、10時間半減期温度を意味する。 2)VA−080:2,2’−アゾビス[2−メチル−N
−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキ
シエチル〕プロピオンアミド](10時間半減期温度8
0℃、和光純薬(株)商品名VA−080 3)V−59:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)(10時間半減期温度67℃、和光純薬
(株)商品名V−59
分子量でありながら不溶解分が少なく、かつ残存モノマ
ーが低減された重合体を得ることができるため、広い用
途、特に高分子凝集剤の用途に好適な水溶性重合体を得
ることが可能である。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)10時間半減期温度が70℃以上のア
ゾ系重合開始剤、(B)10時間半減期温度が70℃以下
でかつ(A)成分より15℃以上の低いアゾ系重合開始剤
及び(C)必要に応じてその他重合開始剤の存在下、水溶
液中でビニル系単量体を重合することを特徴とする水溶
性重合体の製造方法。 - 【請求項2】(A)成分が、80℃以上の10時間半減期
温度を有するものである請求項1記載の水溶性重合体の
製造方法。 - 【請求項3】(C)成分がレドックス重合開始剤である請
求項1又は請求項2記載の水溶性重合体の製造方法。 - 【請求項4】(C)成分が光重合開始剤である請求項1又
は請求項2記載の水溶性重合体の製造方法。 - 【請求項5】前記ビニル系単量体が、ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリレートの3級塩及び/又は4級
塩を含むものである請求項1〜請求項4のいずれかに記
載の水溶性重合体の製造方法。
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JP2001228591A JP2003040917A (ja) | 2001-07-27 | 2001-07-27 | 水溶性重合体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001228591A JP2003040917A (ja) | 2001-07-27 | 2001-07-27 | 水溶性重合体の製造方法 |
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JP (1) | JP2003040917A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021023541A1 (en) | 2019-08-06 | 2021-02-11 | Basf Se | Water-borne polymers polymerized by radical polymerization with azo initiators, a process for making such and the applications thereof |
-
2001
- 2001-07-27 JP JP2001228591A patent/JP2003040917A/ja active Pending
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WO2021023541A1 (en) | 2019-08-06 | 2021-02-11 | Basf Se | Water-borne polymers polymerized by radical polymerization with azo initiators, a process for making such and the applications thereof |
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