JP2003040387A - 扇形状シート及び袋並びに冷菓包装体 - Google Patents

扇形状シート及び袋並びに冷菓包装体

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JP2003040387A
JP2003040387A JP2001235467A JP2001235467A JP2003040387A JP 2003040387 A JP2003040387 A JP 2003040387A JP 2001235467 A JP2001235467 A JP 2001235467A JP 2001235467 A JP2001235467 A JP 2001235467A JP 2003040387 A JP2003040387 A JP 2003040387A
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shaped sheet
sheet
layer
resin
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Koichi Ota
光一 太田
Kazumasa Omachi
和正 大町
Masao Ozawa
正男 小澤
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OZAKI KK
Fuji Seal Inc
JSP Corp
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OZAKI KK
Fuji Seal Inc
JSP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性に優れていると共に、発泡シート層を
含んでいても穴が開き難い扇形状シートを提供するこ
と。 【解決手段】 扇形状シートの両端を重ね合わせてシー
ルし、逆円錐形状の袋を形成すると共に、該袋に冷菓を
収容し、該袋の上部開口をシールして冷菓を包装するの
に使用する上記扇形状シートにおいて、該扇形状シート
を、少なくとも最外層となるフィルム層(A)、及び断
熱層となるポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)とを
積層してなる積層シートで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アイスクリーム等
の冷菓を包装するに際して使用される逆円錐形状の袋を
製造するための扇形状シート、及びそれから得られる逆
円錐形状の袋、並びにその袋により包装されてなる冷菓
包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、アイスクリーム等の冷凍菓子
(以下、「冷菓」と言う。)を包装する際に、紙や合成
樹脂等からなる扇形状シートを打ち抜き、得られた扇形
状シートの両端を重ね合わせてシールし、逆円錐形状の
袋とした後、該袋に冷菓を収容し、該袋の上部開口をシ
ールして冷菓を包装することが行なわれている。また、
この種の包装体に関する公知文献も多数存在し、例え
ば、特開平11−79273号、特開平10−5946
9号、実開昭62−4989号等が例示される。
【0003】しかしながら、上記公知文献に記載され
た包装体は、いずれも断熱層を含まないものであるた
め、冷蔵庫から取り出されると包装体内の冷菓がすぐに
溶け始めてしまうという問題を有していた。
【0004】このような問題は、熱可塑性樹脂発泡体等
からなる発泡シートを使用することにより改善される
が、断熱性を高めるためには高発泡の発泡シートを使用
しなければならず、その一方で厚みを薄くしないと逆円
錐形状の袋にしたときに尖った先端部の形成が困難にな
ってしまう。
【0005】そのため、断熱性の高い高発泡の薄い発泡
シートから上記袋を形成することとなるが、発泡シート
がポリスチレン樹脂等の硬質の熱可塑性樹脂を基材とす
るものである場合には、曲げたときに割れ易く、包装し
た内容物が露出し易いという問題がある。一方、ポリエ
チレン樹脂等の軟質又は半硬質のポリオレフィン樹脂を
基材とするものである場合には、曲げたときに割れない
又は割れ難いが、柔軟な発泡シートになってしまうた
め、ちょっとした引っ掻きで発泡シートに穴が開き易い
という問題がある。これは、冷菓を収納した包装体が、
その梱包時或いは流通時に外部からのちょっとした引っ
掻きで包装体に穴が開き易いことを意味する。
【0006】上記のようなことから、アイスクリーム等
の冷菓の包装に使用される逆円錐形状の袋を形成する扇
形状シートとしては、発泡シート製の扇形状シートをそ
のまま使用することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ア
イスクリーム等の冷菓を逆円錐形状の袋に収容し、該袋
の上部開口をシールして冷菓を包装するに際して使用さ
れる上記袋を形成する扇形状シートとして、断熱性を有
し、且つ冷菓を収納した後の包装体に穴の開き難いもの
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の本発明は、扇形状シートの両端を重ね合
わせてシールし、逆円錐形状の袋を形成すると共に、該
袋に冷菓を収容し、該袋の上部開口をシールして冷菓を
包装するのに使用する上記扇形状シートにおいて、該扇
形状シートを、少なくとも最外層となるフィルム層
(A)、及び断熱層となるポリオレフィン樹脂発泡シー
ト層(B)とを積層してなる積層シートで構成した。こ
の発明によれば、断熱層として柔軟性に優れるポリオレ
フィン樹脂発泡シート層を使用しているため、逆円錐形
状の袋に形成する際に割れない又は割れ難いと共に、該
発泡シート層には少なくとも最外層となるフィルム層が
積層されているため、該扇形状シートより得られる包装
体は穴が開き難いものとなる。また、断熱層となるポリ
オレフィン樹脂発泡シート層の存在により、該扇形状シ
ートより得られる包装体は当然に断熱性に優れたものと
なる。
【0009】また、請求項2の本発明は、上記扇形状シ
ートを、少なくとも最外層となるフィルム層(A)、断
熱層となるポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)、及
び最内層となるフィルム層(C)とを積層してなる積層
シートで構成した。この発明によれば、発泡シート層の
両面にフィルム層が積層されているため、より発泡シー
ト層に穴が開き難く、しかも自動製袋機による連続生産
の際に吸引不良が起こり難いものとなる。
【0010】また、請求項3の本発明は、上記扇形状シ
ートのフィルム層(C)側表面に、多数の皺を形成した
扇形状シートとした。この発明によれば、皺の存在によ
り、扇形状シートを複数枚積重ねた場合の密着性をより
低下させることができ、製袋の生産性等を更に向上させ
ることができる。
【0011】また、請求項4の本発明は、上記扇形状シ
ートを、一方向に引き裂くことが可能な積層シートによ
り構成し、請求項5の本発明では、前記一方向に引き裂
くことが可能な積層シートの引き裂き可能方向を、扇形
状シートの一方の辺とほぼ直交する方向になるように構
成し、また、請求項6の本発明では、前記一方向に引き
裂くことが可能な積層シートの引き裂き可能方向を、扇
形状シートの一方の辺と他方の辺のほぼ同位置を結ぶ直
線方向と一致するように構成した扇形状シートとした。
また、請求項7の本発明は、上記扇形状シートの一方の
辺の適所に、引き裂きを容易とするきっかけ部を形成し
た扇形状シートとし、また、請求項8の本発明では、上
記扇形状シートのシート面に、引き裂き方向を、扇形状
シートの円弧の中心部とほぼ同じ中心をもつ円弧上に導
く複数の切り込みを形成した扇形状シートとした。これ
らの発明によれば、引き裂き方向が安定した扇形状シー
トとなり、この扇形状シートが使用された冷菓包装体で
は、包装を開封する際に、手できれいに切断することが
できるので、開封が容易となる。
【0012】また、請求項9の本発明は、上記フィルム
層(A)が熱可塑性ポリエステル樹脂又はポリプロピレ
ン樹脂を基材樹脂とするフィルム層であり、上記ポリオ
レフィン樹脂発泡シート層(B)がポリエチレン樹脂を
基材樹脂とする発泡シート層であり、且つ上記フィルム
層(C)がポリエチレン樹脂を基材樹脂とするフィルム
層である扇形状シートとし、また、請求項10の本発明
では、上記フィルム層(A)の基材樹脂である熱可塑性
ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂で
あり、上記ポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)の基
材樹脂であるポリエチレン樹脂が低密度ポリエチレン樹
脂であり、且つ上記フィルム層(C)の基材樹脂である
ポリエチレン樹脂が高密度ポリエチレン樹脂である扇形
状シートとした。これらの発明によれば、製袋の生産性
が良好であると共に、断熱性に優れ、しかも保形性も良
好な袋を形成することのできる扇形状シートとなる。
【0013】また、請求項11の本発明は、上記請求項
1乃至10のいずれか記載の扇形状シートの両端を重ね
合わせてシールし、逆円錐形状の袋とした。また、請求
項12の本発明は、前記請求項11記載の袋内に冷菓を
収納し、該袋の上部開口をシールして冷菓を包装した冷
菓包装体とした。これらの発明によれば、断熱性に優
れ、しかも保形性も良好な袋、或いは冷菓包装体を提供
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、上記した本発明にかかる扇
形状シート及び袋並びに冷菓包装体の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の扇形状シートは、少なくとも最外
層となるフィルム層(A)、及び断熱層となるポリオレ
フィン樹脂発泡シート層(B)とを積層一体化した積層
シートからなるものである。
【0015】本発明において、最外層とは、逆円錐形状
の袋に加工された際に袋の最も外側層を形成するもので
あり、この最外層となるフィルム層(A)は、断熱層と
なるポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)に穴を開き
難くするために、該ポリオレフィン樹脂発泡シート層
(B)に積層一体化される。
【0016】上記フィルム層(A)の外側又は内側に
は、通常、意匠性を高めるために印刷が施されたり、金
属蒸着が施されたりする(金属蒸着は、包装体の断熱性
をより高めることを目的として施されることもある。)
ので、印刷性や金属蒸着性に優れているものであること
が好ましい。
【0017】このようなフィルム層(A)としては、熱
可塑性樹脂フィルムや紙からなるフィルム層が挙げら
れ、これらのフィルム層(A)は、厚さ3〜100μm
のものを使用することが好ましく、更には5〜80μm
のものを使用することがより好ましい。
【0018】上記熱可塑性樹脂フィルムとしては、熱可
塑性ポリエステル樹脂又はポリプロピレン樹脂を基材樹
脂とする延伸フィルムが好ましく、その中でも、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂を基材樹脂とする2軸延伸フ
ィルムが特に好ましい。これは、熱可塑性ポリエステル
樹脂又はポリプロピレン樹脂は、引張弾性率が高いこと
から比較的剛性が高い上に、ポリスチレン樹脂とは異な
り脆さが少ないので、これらの樹脂を基材樹脂とするフ
ィルム、特に2軸延伸フィルムをフィルム層(A)とす
る扇形状シートでは、逆円錐形状の袋に加工する際、か
なり曲げても折れや割れが発生し難く、得られた逆円錐
形状の袋は逆円錐形状をよく保つと共に、逆円錐形状の
袋をある程度変形させてもその力を取り除くと元の形状
に戻り易いので好ましい。逆円錐形状の袋が逆円錐形状
をよく保っているものは、逆円錐形状の袋を複数枚積重
ねてストックしておくことが容易になるので、自動製袋
や自動包装の際に非常に有利である。また、逆円錐形状
の袋が逆円錐形状をよく保っているものは、包装された
冷菓を壊れ難くする効果も有する。
【0019】尚、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂
には、ポリエチレンテレフタレートの単独重合体のみな
らず、ポリエチレンテレフタレート共重合体をも概念的
に包含するものである。ポリエチレンテレフタレート共
重合体とは、テレフタル酸とエチレングリコールを重縮
合させる際、テレフタル酸以外のジカルボン酸又は/及
びエチレングリコール以外のグリコール成分を混合して
重縮合させて得られるもの意味する。この際、ジカルボ
ン酸成分中のテレフタル酸成分比率は50モル%以上で
あり、且つジオール成分中のエチレングリコール成分比
率は50モル%以上である。いずれにしてもポリエチレ
ンテレフタレート共重合体は、融点が少なくとも130
℃以上であることが好ましく、150〜270℃である
ことがより好ましい。また、上記ポリプロピレン樹脂と
は、次のa)乃至d)のいずれかに該当するものを意味
する。 a)ポリプロピレンの単独重合体、 b)ポリプロピレン成分と他のモノマー成分とからなる
共重合体であって、且つポリプロピレン成分比率が50
重量%以上の共重合体、 c)上記a)、及びb)の群から選ばれた2以上の混合
物、 d)上記a)又はb)又はc)と、a)乃至c)のいず
れとも異なる熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴム、及び
熱可塑性エラストマーの群から選ばれた1又は2以上の
重合体との混合物であって、且つ混合物中のポリプロピ
レン成分割合が50重量%以上のもの。
【0020】また、紙からなるフィルム層(A)を使用
しても、比較的剛性を高めることが可能となり、逆円錐
形状の袋に加工する際に、かなり曲げても折れや割れが
発生し難く、得られた逆円錐形状の袋は逆円錐形状をよ
く保ち、また逆円錐形状の袋をある程度変形させてもそ
の力を取り除くと元の形状に戻り易いので好ましい。
尚、紙からなるフィルム層(A)の外側を向く面には、
防水性を高めるためにポリエチレン樹脂等を薄くコーテ
ィングしてもよい。
【0021】上記断熱層となるポリオレフィン樹脂発泡
シート層(B)は、ポリオレフィン樹脂を基材樹脂とす
るものである。本発明においてポリオレフィン樹脂と
は、次のe)乃至i)のいずれかに該当するものを意味
する。 e)エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンの単
独重合体、 f)2種以上のオレフィン同士の共重合体、 g)オレフィン成分と他のモノマー成分とからなる共重
合体であって、且つオレフィン成分比率が50重量%以
上の共重合体、 h)上記e)、f)、及びg)の群から選ばれた2以上
の混合物、 i)上記e)又はf)又はg)又はh)と、e)乃至
h)のいずれとも異なる熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然
ゴム、及び熱可塑性エラストマーの群から選ばれた1又
は2以上の重合体との混合物であって、且つ混合物中の
オレフィン成分割合が50重量%以上のもの。
【0022】上記ポリオレフィン樹脂として、具体的に
は、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエ
チレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体樹脂、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体樹脂、エチレン−ブテンランダム共重合
体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン
−メタクリレート共重合体樹脂、プロピレン重合体樹
脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロ
ピレン−ブテンランダム共重合体樹脂、プロピレン−エ
チレンブロック共重合体樹脂、プロピレン−エチレン−
ブテン三元共重合体樹脂、エチレン、プロピレン、ブテ
ン等のオレフィンと共重合可能なビニルモノマーとの共
重合体樹脂等が挙げられる。
【0023】尚、ポリオレフィン樹脂から製造される発
泡シート中には、所望に応じて、発泡シートの重量を基
準として30重量%を上限として、充填剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、気泡調節剤、抗菌剤、着色剤
等の各種添加剤を適当量含有させることができる。
【0024】また、上記発泡シート層(B)に関して
は、使用される目的、用途との関係において断熱性の他
に柔軟性を有することが要求されることから、見かけ密
度は180g/L以下であることが好ましく、15g/
L〜60g/Lであることがより好ましい。また、厚み
は0.05〜3mmが好ましく、0.07〜2mmがよ
り好ましく、0.08〜1mmが更に好ましい。そのよ
うな見かけ密度と厚みを持つ発泡シート層(B)を含む
扇形状シートから逆円錐形状の袋を形成しても、円錐の
先端に折れや割れが発生し難いので好ましく、しかも断
熱性が高められているので、これを使用してコーンカッ
プに入った冷菓を包装した場合、冷蔵庫から常温下に取
り出されても冷菓が溶け難くなるため、消費者が安心し
てその商品を購入することができる。
【0025】上記発泡シート層(B)は、コスト等経済
性に優れる上、高発泡化が容易で、且つ柔軟性に優れる
発泡樹脂シートが容易に得られる、密度が935g/L
以下の低密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂とすることが
好ましく、特にその中でも密度が880〜930g/L
の低密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂とすることが好ま
しい。尚、本発明においてポリエチレン樹脂とは、次の
j)乃至m)のいずれかに該当するものを意味する。 j)エチレンの単独重合体、 k)エチレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合
体であって、且つエチレン成分比率が50重量%以上の
共重合体、 l)上記j)、及びk)の群から選ばれた2以上の混合
物、 m)上記j)又はk)又はl)と、j)乃至l)のいず
れとも異なる熱可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴム、及び
熱可塑性エラストマーの群から選ばれた1又は2以上の
重合体との混合物であってかつ混合物中のエチレン成分
割合が50重量%以上のもの。
【0026】上記発泡シート層(B)を形成する発泡シ
ートは、通常行われている下記の方法で製造される。即
ち、ポリオレフィン樹脂を押出機中で溶融させると共
に、物理発泡剤及び必要に応じて気泡調節剤等の添加剤
を溶融樹脂中に混合して高圧下で溶融混練物を形成し、
その溶融混練物を押出機先端に位置する環状ダイスやT
ダイス等のダイスから低圧下に押出し、発泡させてシー
ト化する方法(押出発泡方法)により製造することがで
きる。
【0027】また、ポリオレフィン樹脂を押出機中で溶
融させると共に、熱分解型発泡剤及び必要に応じて架橋
剤や架橋助剤等の添加剤を溶融樹脂中に混合して高圧下
で溶融混練物を形成し、その溶融混練物を押出機先端に
位置する環状ダイスやTダイス等のダイスから低圧下に
押出し、実質的に無架橋の状態で、且つ実質的に無発泡
の状態のシートを製造し、このシートを架橋後又は架橋
と同時に熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度に加熱
し、発泡剤を分解させることにより発泡させてシート化
する方法(常圧架橋発泡方法)により製造することがで
きる。
【0028】上記発泡シートは、これらの方法に限られ
ず他の方法で製造することもできるが、上記押出発泡方
法を採用して製造することが好ましい。これは、押出発
泡方法は、ポリオレフィン系樹脂に架橋構造を導入しな
くても容易に発泡樹脂シートを製造することができるた
め、架橋工程を省略でき、また発泡樹脂シートの生産性
も高いので好ましい。
【0029】本発明の扇形状シートは、上記最外層とな
るフィルム層(A)、及び断熱層となるポリオレフィン
樹脂発泡シート層(B)に、更に最内層となるフィルム
層(C)を積層一体化した積層シートからなるものとす
ることができる。
【0030】この本発明において最内層とは、逆円錐形
状の袋に加工された際に袋の最も内側層を形成するもの
であり、この最内層となるフィルム層(C)は、ポリオ
レフィン樹脂発泡シート層(B)により穴を開き難くす
ると共に、自動製袋機における吸引不良を防止するため
に、該ポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)に積層一
体化される。
【0031】上記最内層となるフィルム層(C)として
は、上記の通り、逆円錐形状の袋の内側面を形成するた
めのものであるため、食品適性をもつ衛生的な熱可塑性
樹脂を基材樹脂とするものが好ましく使用される。
【0032】そのような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等が挙
げられ、特にこの中でも、密度が940g/L以上の高
密度ポリエチレン樹脂が好ましく、更には、密度が94
5〜975g/Lの高密度ポリエチレン樹脂が好まし
い。
【0033】上記高密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂と
するフィルムは、フィルム間の密着性に劣り、上記フィ
ルム層(A)との密着性にも劣るので、このフィルムを
フィルム層(C)とする扇形状シートでは、自動製袋機
による連続生産の際に、扇形状シートは、複数枚が積重
ねられた状態から一枚ずつ吸引されて自動製袋機に移送
され、そこで製袋されることになるが、その吸引の際に
吸引された扇形状シートの直下の扇形状シートを一緒に
持ち上げ難くなるため、製袋の生産性を高めることが可
能となる。また、高密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂と
するフィルムは、断熱層となる発泡シート層(B)が上
記した密度935g/L以下の低密度ポリエチレン樹脂
を基材樹脂とする場合には、該発泡シート層(B)との
融着性に優れるので、両者を直接融着させることができ
るので好ましい。この両者を直接融着させる具体例とし
ては、上記発泡シート層(B)上に高密度ポリエチレン
樹脂をフィルム状に押し出すと共にロール間を通過さ
せ、両者を一体化する方法、又は上記発泡シート層
(B)上に高密度ポリエチレン樹脂フィルムを重ね、こ
の両者をフィルム側ロールを加熱した状態でロール間を
通過させて一体化する方法などが挙げられる。
【0034】尚、上記フィルム層(C)は、逆円錐形状
の袋を形成する際に厚みが厚いと、逆円錐形の先端の形
成が困難となる虞があるので、その厚みは3〜100μ
mが好ましく、5〜80μmがより好ましい。
【0035】本発明においては、上記フィルム層(C)
表面に、多数の皺が形成されていることが好ましい。こ
れは、フィルム層(C)表面に多数の皺が形成されてい
ると、フィルム層(A)との密着性をより低下させるこ
とが可能となり、製袋の生産性を更に高めることが可能
となる。また、フィルム層(C)表面の多数の皺は、皺
のある側に丸める際に抵抗を小さくする働きがあり、扇
形状シートを丸めて逆円錐形状の袋を作る際、逆円錐形
状の先端部の形成を容易にする。更に、それら多数の皺
は、自動包装の際に非常に有利である。これは、自動包
装の際は逆円錐形状の袋を複数枚積重ねてストックして
おき、一枚ずつ連続的に自動包装機に移送されていくこ
とになるが、その際に積重ねられている袋の分離が容易
となるため、包装時の生産性を高めることが可能とな
る。
【0036】上記フィルム層(C)表面の多数の皺は、
発泡シート層(B)又はフィルム層(C)のどちらか一
方をやや強く引っ張った状態で接着すると、容易に形成
させることができる。また、フィルム層(C)表面の多
数の皺は、発泡シート層(B)とフィルム層(C)を予
め接着しておき(以下、積層発泡層という。)、これを
フィルム層(A)に接着する際に、積層発泡層側をやや
強く引っ張った状態で接着すると、容易に形成させるこ
とができる。尚、フィルム層(A)側には、外観上、そ
のような皺は形成させないことが好ましいが、それは、
フィルム層(A)としてポリエチレンテレフタレート樹
脂からなる厚みが3μm以上、好ましくは5μm以上、
より好ましくは7μm以上のフィルムを使用することで
容易に実現できる。
【0037】本発明の扇形状シートとしては、一方向に
引き裂くことが可能な積層シートにより構成されている
ことが好ましい。これは、例えば上記フィルム層(A)
と上記発泡シート層(B)との間、或いは上記発泡シー
ト層(B)と上記フィルム層(C)との間に、一方向に
引き裂くことが可能なフィルム層(D)を積層一体化す
ることにより実現できる。この一方向に引き裂くことが
可能なフィルム層(D)とは、一方向に手で引き裂くこ
とが可能なフィルム層のみならず、一方向の端部に切り
込み等を形成することにより一方向に手で引き裂くこと
が可能となるフィルム層をも意味する。
【0038】このようなフィルム層(D)は、フィルム
を一方向に強く延伸することにより容易に得られる。フ
ィルムとしては、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィ
ン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性
ポリエステル樹脂からなるものが好ましく、更に該樹脂
中に二酸化チタンやタルク等の無機紛体が樹脂100重
量部当たり10〜150重量部混合されたものがより好
ましい。これは、無機紛体が多量に混合されていると、
フィルム層の剛性が高まり、逆円錐形状の袋の保形性を
より高めることができ、その結果、包装された冷菓をよ
り壊れ難くするために好ましい。
【0039】上記一方向に引き裂くことが可能なフィル
ム層(D)を本発明の扇形状シート内に存在させると、
その扇形状シートが使用された冷菓包装体では、包装を
開封する際に、その一方向に手できれいに切断すること
ができるので、開封が容易となる。この場合、扇形状シ
ートを形成する他の層は、延伸が実質的に行われていな
いものを使用するか、又は容易に引き裂くことを妨げな
いように2軸延伸されたものを使用するか、或いは一方
向に大きく延伸されていた場合には、その延伸方向がフ
ィルム層(D)と同じ方向性を持っていることが必要で
ある。尚、上記フィルム層(A)、発泡シート層
(B)、或いはフィルム層(C)の少なくともいずれか
を一方向に大きく延伸させておいた場合には、その層が
上記フィルム層(D)の作用を果たし、一方向に引き裂
くことが可能な積層シートが得られるため、この場合に
は、上記フィルム層(D)を省略することができる。
【0040】本発明の扇形状シートにおいては、各層間
が熱接着できない場合には、接着層やアンカーコート層
等を設けることができるが、これらは必要最小限の厚み
とすることが好ましい。また、扇形状シートから逆円錐
形状の袋を形成する場合は、扇形状シートを逆円錐形状
に丸めると共にシートの両端を重ね合わせ、フィルム層
(C)とフィルム層(A)とをシールすることにより接
着させることになるが、この際、フィルム層(A)とフ
ィルム層(C)とが熱接着可能な場合には熱接着させる
ことが好ましいが、フィルム層(A)がポリエチレンテ
レフタレート樹脂を基材樹脂とするものであり、フィル
ム層(C)が高密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂とする
ものである場合には、ホットメルト接着剤等の接着剤を
使用することが好ましい。更に、本発明の逆円錐形状の
袋に冷菓を収納した後、袋の上部開口は、別に用意した
蓋体により密封しても良いが、袋の上部を3方向又は4
方向から寄り合わせて密封することも好ましい。この
際、フィルム層(C)同士が向き合うので熱接着させる
ことが可能である。袋の上部開口は、熱接着で密封する
と冷菓が溶ける虞がある場合には、接着剤を使用して密
封することも可能である。
【0041】次に、上記した本発明に係る扇形状シート
及び逆円錐形状の袋について、具体的な実施態様を図面
により詳細に説明する。
【0042】図1は、本発明の第1の実施例に係る扇形
状シート1の平面図を示したものである。この実施例に
おいては、扇形状シート1の扇形としての半径Rは約2
5.6cmであり、中心角αは約67度である。そし
て、各端部はやや丸みを帯びて形成されている。
【0043】また、図1中、符号2はつまみ端部、3,
4はV字状ノッチ、5は前記V字状ノッチ3,4の各々
の先端に形成された切り込みである。これらにより、引
き裂きを容易とするきっかけ部6が構成されている。
【0044】この実施例の扇形状シート1においては、
後記するように、一方向に引き裂くことが可能なフィル
ム層(D)が積層一体化されていることにより、仮想直
線Lが示す方向、即ち、扇形状シート1の上記きっかけ
部6が形成された辺とほぼ直行する方向に沿って容易に
引き裂くことができるようになっている。但し、V字状
ノッチ3,4より、上記仮想直線Lが示す方向に沿って
直線的に引き裂くと、円弧状に引き裂かれないため、内
部に収納した冷菓が食べ易い形態となって現れない。
【0045】そこで、この実施例では、それを解決すべ
く、上記扇形状シート1のシート面に、引き裂き方向
を、扇形状シート1の円弧の中心部とほぼ同じ中心をも
つ円弧上に導く複数の切り込みを形成した。即ち、図1
に示したように、V字状ノッチ3が形成された位置を始
点とし、扇形シート1の円弧の中心と同じ中心をもつ円
弧上に、複数の小さな切り込み7,7,7・・・
,7n+1を断続的に配置した。また、同様に、V
字状ノッチ4が形成された位置を始点とし、扇形シート
1の円弧の中心と同じ中心をもつ円弧上に、複数の小さ
な切り込み8,8,8・・・8,8n+1を断
続的に配置した。この複数の切り込み7,7,7
・・・7,7n+1及び8,8,8・・・
,8n+1は、通常は扇形状シート1を貫通して形
成されるが、例えば、一方向に引き裂くことが可能なフ
ィルム層(D)のみに形成しても良い。
【0046】上記複数の切り込み7,7,7・・
・7,7n+1は、図1に示したように、引き裂き方
向を下方に導くように左下がりに形成され、その配置
は、図1上で右側に位置する切り込み7と、そのすぐ
左側に位置する切込み7n+1との関係が、図2に拡大
して示したように、右側に位置する切込み7の下端a
を通る上記仮想直線Lの左側延長線上又はその延長線よ
りも上方に左側に位置する切込み7n+1の上端bが位
置し、且つ上記右側に位置する切込み7の下端aを通
る上記仮想直線Lの左側延長線よりも下方に左側に位置
する切込み7n+ の下端cが位置するように配置され
ている。上記複数の切り込み8,8,8・・・8
,8n+1についても、上記と同様である。
【0047】このように複数の切り込み7,7,7
・・・7,7n+1、及び複数の切り込み8,8
,8・・・8,8n+1を配置した後、この図1
に示した扇形状シート1から、図1の手前側が内側とな
るように逆円錐形状の袋を製造し、該袋に冷菓を収納し
た後、袋の上部開口を図3に示したように3方シールさ
れた冷菓包装体40では、開封時に、つまみ端部2を手
でつまんで冷菓包装体40を回しながら引き裂くと、V
字状ノッチ3,4より引き裂きが始まり、複数の切り込
み7,7,7・・・7,7n+1、及び複数の
切り込み8,8,8・・・8,8n+1に沿っ
て順次円弧状に引き裂くことができ、完全に引き裂いて
から、次に包装体の冷菓の上に被さっている部分を手で
外すと、中の冷菓が食べ易い形態となって現れる。
【0048】尚、この実施例では、V字状ノッチ3,4
の各切り込み5を通る上記仮想直線L上に、複数の切り
込み7,7,7・・、及び複数の切り込み8
,8が各々存在している。しかし、図1において
Xの範囲内にある上記複数の切り込み7,7,7
・・、及び複数の切り込み8,8,8は、実際の
引き裂き時においては機1せず、図1上でV字状ノッチ
3,4の各切り込み5を通る上記仮想直線L上に上端が
位置する最も左側の切り込み7m、及び8m以降の切り込
みが存在しておれば、冷菓の食べ易い形態での露出が可
能である。よって、図1においてXの範囲内にある上記
複数の切り込みは必ずしも必要ではないが、外観の規則
的な美観のためにはそのような切り込みを形成してもか
まわない。
【0049】また、本発明に係る扇形状シートにおいて
は、一方向に引き裂くことが可能なフィルム層(D)の
引き裂き可能方向、或いはフィルム層(A)、発泡シー
ト層(B)、フィルム層(C)の少なくともいずれかを
一方向に大きく延伸することにより一方向に引き裂くこ
とを可能とした積層シートの引き裂き可能方向を、図4
に示すように、扇形状シート51の一方の辺と他方の辺
のほぼ同位置を結ぶ直線方向と一致させて配置し、その
方向(図4において仮想直線Lの示す方向)に容易に引
き裂いて開封できるようにしてもよい(本発明の第2の
実施例に係る扇形状シート51)。
【0050】この第2の実施例に係る扇形状シート51
においては、上記の第1の実施例よりは多少劣るが、比
較的冷菓の食べ易い形態での露出が可能となる。そして
第2の実施例の場合には、上記第1の実施例における複
数の切り込み7,7,7・・・7,7n+1
及び複数の切り込み8,8,8・・・8,8
n+1を設ける必要がないので、外観上の美観を高める
ことができる。
【0051】この第2の実施例に係る扇形状シート51
においても、第1の実施例と同様に、つまみ端部52、
V字状ノッチ53,54、及び切り込み55によって構
成されるきっかけ部56を形成しておくことで、上記仮
想直線Lが示す方向に沿って手で容易に引き裂いて開封
することができる。
【0052】尚、この第2の実施例の場合も、図5に示
したように、上記扇形状シート51のシート面に、引き
裂き方向を、扇形状シート51の円弧の中心部とほぼ同
じ中心をもつ円弧上に導く複数の切り込み57,57
,57・・・57,57x+1・・・57,5
y+1・・・57,57z+1、及び複数の切り込
み58,58,58・・・58,58x+1
・・58,58y+ ・・・58,58z+1
形成しても良い。
【0053】この場合の上記複数の切り込み57,5
,57・・・57,57 +1・・・57
57y+1・・・57,57z+1は、図5に示した
ように、仮想直線Lが接線となる位置で左右に分けられ
る右側と左側で切り込みの傾斜方向が異なり、右側の複
数の切り込み57,57,57・・・57,5
x+1は、引き裂き方向を上方に導くように左上がり
に形成され、その配置は、図5上で右側に位置する切り
込み57と、そのすぐ左側に位置する切込み57
x+1との関係が、図6(a)に拡大して示したよう
に、右側に位置する切込み57の上端aを通る上記仮
想直線Lの左側延長線上又はその延長線よりも下方に左
側に位置する切込み57x+1の下端bが位置し、且つ
上記右側に位置する切込み57の上端aを通る上記仮
想直線Lの左側延長線よりも上方に左側に位置する切込
み57X+1の上端cが位置するように配置する。一
方、仮想直線Lが接線となる位置で左右に分けられる左
側の複数の切り込み57,57y+1・・・57
57z+1は、引き裂き方向を下方に導くように左下が
りに形成され、その配置は、図5上で右側に位置する切
り込み57と、そのすぐ左側に位置する切込み57
Z+1との関係が、図6(b)に拡大して示したよう
に、右側に位置する切込み57の下端aを通る上記仮
想直線Lの左側延長線上又はその延長線よりも上方に左
側に位置する切込み57z+1の上端bが位置し、且つ
上記右側に位置する切込み57の下端aを通る上記仮
想直線Lの左側延長線よりも下方に左側に位置する切込
み57z+1の下端cが位置するように配置する。上記
複数の切り込み58,58,58・・・58
58x+1・・・58,58y+1 ・・・58
58z+1についても、上記と同様である。
【0054】この第2の実施例の変形例にあっては、上
記第1の実施例に係る扇形状シート1と同様に、V字状
ノッチ53,54より引き裂きが始まり、 複数の切り
込み57,57,57・・・57,57x+1
・・・57,57y+1・・・57,57z+1
及び複数の切り込み58,58,58・・・58
,58x+1・・・58,58y+1 ・・・58
,58z+1に沿って順次円弧状に引き裂くことがで
き、冷菓の食べ易い形態での露出が可能となる。
【0055】次に、本発明の扇形状シートの具体例を示
す。先ず、厚さ16μmの2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート樹脂フィルム11〔フィルム層(A)〕の一方
の面にアルミニウム膜13を蒸着し、このアルミニウム
膜13の上にアンカーコート層14を薄くコートすると
共に、他方の面に印刷12を施し、上記アンカーコート
層14側に、ポリプロピレン樹脂に多量の無機充填剤を
混合して一軸延伸された後に両面にプライマー処理が施
された厚さ80μmの合成紙16〔一方向に引き裂くこ
とが可能なフィルム層(D)〕を接着剤15によりドラ
イラミネートしてなる多層フィルム10を製造した。
【0056】次に、低密度ポリエチレン樹脂を基材樹脂
とする厚さ0.4mm、見かけ密度46g/Lの発泡シ
ート18〔発泡シート層(B)〕と、高密度ポリエチレ
ン樹脂を基材樹脂とする厚さ10μmのフィルム19
〔フィルム層(C)〕とをダイレクトに熱接着した多層
シート20を製造した。
【0057】続いて、上記多層フィルム10の合成紙側
と多層シート20の発泡シート側とを接着するため、両
者を連続的にロール間に導くと共に、ロールでニップさ
れる直前に両者の間に溶融状態の低密度ポリエチレン樹
脂17を薄く垂れ流しつつ両者を連続的に接着し、図7
に示した積層シート30を得た。この際、多層シート2
0をやや引き伸ばしつつ接着した。
【0058】得られた積層シート30の高密度ポリエチ
レン樹脂を基材樹脂とするフィルム19〔フィルム層
(C)〕の表面には、低密度ポリエチレン樹脂を基材樹
脂とする発泡シート18〔発泡シート層(B)〕に至る
無数の皺が形成されていたが、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂フィルム11〔フィルム層(A)〕の表面には
皺らしきものは存在していなかった。
【0059】この積層シート30から、図1に示す扇形
状シート1を複数枚打ち抜いた。この際、合成紙16の
一軸延伸方向と図1中の仮想直線Lの示す方向とが一致
するようにして打ち抜いた。得られた扇形状シート1
は、ほとんどカールのない良好なものであった。
【0060】図8に、積層シート30から、図1に示す
扇形状シート1を複数枚打ち抜く際の取り図を示した。
尚、図8中においては、図面の左右方向が、各シート及
びフィルムの押出方向及び延伸方向と一致していると共
に、容易に引き裂くことが可能な方向とも一致してい
る。図8に示すようにして複数個の扇形状シート1を打
ち抜くと、円弧状に引き裂くことができる良好な扇形状
シートを無駄を少なくして得ることができるので好まし
い。
【0061】次に、得られた扇形状シート1を、従来よ
り使用している既知の自動製袋機を使用して、高密度ポ
リエチレン樹脂を基材樹脂とするフィルム19〔フィル
ム層(C)〕が内側を向くようにし、連続的に逆円錐形
状の袋を製造した。1分当たり90個のスピードで逆円
錐形状の袋を製造したが、特に自動製袋機への吸引不良
は発生しなかった。また、得られた逆円錐形状の仕上が
り及びその先端部の仕上がりも良好なものであり、しか
も逆円錐形状の形状保持が良好なものであった。また、
得られた逆円錐形状の袋は、発泡シート層(B)の両面
にフィルム層が存在しているため、発泡シート層(B)
に穴が開き難いものとなっていた。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の扇形状シート
は、断熱層として柔軟性に優れるポリオレフィン樹脂発
泡シート層を使用しているため、逆円錐形状の袋に形成
する際に割れない又は割れ難いと共に、該発泡シート層
には少なくとも最外層となるフィルム層が積層されてい
るため、該扇形状シートより得られる包装体は穴が開き
難いものとなる。また、断熱層となるポリオレフィン樹
脂発泡シート層の存在により、該扇形状シートより得ら
れる包装体は当然に断熱性に優れたものとなる。
【0063】このようなことから、本発明の扇形状シー
トは、アイスクリームなどの冷菓の包装体として好適に
使用できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る扇形状シートを示
した平面図である。
【図2】図1のa部を拡大して示した図である。
【図3】図1の扇形状シートを用いた冷菓包装体を示し
た斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る扇形状シートを示
した平面図である。
【図5】図4に示した扇形状シートの変形例を示した平
面図である。
【図6】(a)は図5のa部を拡大して示した図であ
り、(b)は図5のb部を拡大して示した図である。
【図7】本発明の扇形状シートの一例を示す断面の模式
図である。
【図8】積層シートから扇形状シートを複数枚打ち抜く
際の取り図の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
1 扇形状シート 2 つまみ端部 3,4 V字状ノッチ 5 切り込み 6 きっかけ部 7,7,7・・・7,7n+1
数の切り込み 8,8,8・・・8,8n+1
数の切り込み 10 多層フィルム 11 ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム〔フィ
ルム層(A)〕 12 印刷層 13 アルミニウム膜 14 アンカーコート層 15 ドライラミネート用接着剤層 16 合成紙〔一方向に引き裂くことが可能なフィルム
層(D)〕 17 低密度ポリエチレン樹脂(接着材層) 18 ポリオレフィン樹脂発泡シート〔発泡シート層
(B)〕 19 高密度ポリエチレン樹脂フィルム〔フィルム層
(C)〕 20 多層シート 30 積層シート 40 冷菓包装体 L 引き裂き可能方向を示す仮想直線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 30/28 B65D 30/28 E 65/40 65/40 D 77/30 77/30 Z 81/38 81/38 J (72)発明者 太田 光一 愛知県名古屋市西区新福寺町1丁目1番地 株式会社オザキ内 (72)発明者 大町 和正 東京都中央区日本橋本町3丁目11番11号 株式会社フジシール東京本社内 (72)発明者 小澤 正男 大阪府大阪市中央区瓦町3−1−4 株式 会社ジェイエスピー大阪営業所内 Fターム(参考) 3E035 AA17 BA07 BA08 BB08 BD05 3E064 AD06 BA24 BB03 BC20 EA18 FA05 3E067 AA04 AA11 AB16 AC01 BA13A BB25A BC01A CA18 EB07 EB10 FA01 FC03 GA11 GD01 3E086 AA01 AB01 AC06 AC07 AC11 AC15 AC16 AD01 AD30 BA04 BA15 BA16 BA33 BA47 BB23 BB37 BB51 BB52 BB62 CA40 4F100 AB10 AB33 AK01A AK01C AK03B AK04B AK04C AK07A AK41A AK42 BA02 BA03 BA10A BA10C DD02C DG10 DJ01B EH66 GB16 GB23 JB16A JJ02B JK03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扇形状シートの両端を重ね合わせてシー
    ルし、逆円錐形状の袋を形成すると共に、該袋に冷菓を
    収容し、該袋の上部開口をシールして冷菓を包装するの
    に使用する上記扇形状シートにおいて、該扇形状シート
    を、少なくとも最外層となるフィルム層(A)、及び断
    熱層となるポリオレフィン樹脂発泡シート層(B)とを
    積層してなる積層シートで構成したことを特徴とする扇
    形状シート。
  2. 【請求項2】 上記扇形状シートを、少なくとも最外層
    となるフィルム層(A)、断熱層となるポリオレフィン
    樹脂発泡シート層(B)、及び最内層となるフィルム層
    (C)とを積層してなる積層シートで構成したことを特
    徴とする、請求項1記載の扇形状シート。
  3. 【請求項3】 上記扇形状シートのフィルム層(C)側
    表面に、多数の皺を形成したことを特徴とする、請求項
    2記載の扇形状シート。
  4. 【請求項4】 上記扇形状シートを、一方向に引き裂く
    ことが可能な積層シートにより構成したことを特徴とす
    る、請求項1乃至3のいずれか記載の扇形状シート。
  5. 【請求項5】 上記一方向に引き裂くことが可能な積層
    シートの引き裂き可能方向を、扇形状シートの一方の辺
    とほぼ直交する方向になるように構成したことを特徴と
    する、請求項4記載の扇形状シート。
  6. 【請求項6】 上記一方向に引き裂くことが可能な積層
    シートの引き裂き可能方向を、扇形状シートの一方の辺
    と他方の辺のほぼ同位置を結ぶ直線方向と一致するよう
    に構成したことを特徴とする、請求項4記載の扇形状シ
    ート。
  7. 【請求項7】 上記扇形状シートの一方の辺の適所に、
    引き裂きを容易とするきっかけ部を形成したことを特徴
    とする、請求項1乃至6のいずれか記載の扇形状シー
    ト。
  8. 【請求項8】 上記扇形状シートのシート面に、引き裂
    き方向を扇形状シートの円弧の中心部とほぼ同じ中心を
    もつ円弧上に導く複数の切り込みを形成したことを特徴
    とする、請求項1乃至7のいずれか記載の扇形状シー
    ト。
  9. 【請求項9】 上記フィルム層(A)が熱可塑性ポリエ
    ステル樹脂又はポリプロピレン樹脂を基材樹脂とするフ
    ィルムであり、上記ポリオレフィン樹脂発泡シート層
    (B)がポリエチレン樹脂を基材樹脂とする発泡シート
    であり、且つ上記フィルム層(C)がポリエチレン樹脂
    を基材樹脂とするフィルムであることを特徴とする、請
    求項2乃至8のいずれか記載の扇形状シート。
  10. 【請求項10】 上記フィルム層(A)の基材樹脂であ
    る熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレ
    ート樹脂であり、上記ポリオレフィン樹脂発泡シート層
    (B)の基材樹脂であるポリエチレン樹脂が低密度ポリ
    エチレン樹脂であり、且つ上記フィルム層(C)の基材
    樹脂であるポリエチレン樹脂が高密度ポリエチレン樹脂
    であることを特徴とする、請求項9記載の扇形状シー
    ト。
  11. 【請求項11】 上記請求項1乃至10のいずれか記載
    の扇形状シートの両端を重ね合わせてシールし、逆円錐
    形状の袋としたことを特徴とする袋。
  12. 【請求項12】 上記請求項11記載の袋内に冷菓を収
    納し、該袋の上部開口をシールして冷菓を包装したこと
    を特徴とする冷菓包装体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011524843A (ja) * 2008-06-20 2011-09-08 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 発泡フィルム包装
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