JP2003039146A - 射出スリーブ内への電極棒又は噴射パイプの挿入方法及びその挿入装置 - Google Patents
射出スリーブ内への電極棒又は噴射パイプの挿入方法及びその挿入装置Info
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Abstract
て、部品点数を削減して簡単な構造とした上で、電極棒
の挿入動作の迅速性の向上を図る。 【解決手段】注湯口11の出入り空間が確保できる位置
に支承部4を備え、射出スリーブ内に静電電界を発生さ
せる電極棒2、または、射出スリーブ内に面に断熱粉体
若しくは潤滑剤を塗布する噴射パイプが、支承部4よ
り、直接、且つ常時支えられながら出入りできるように
する。
Description
ば、ダイカストマシン)の射出スリーブ内に電極棒又は
噴射パイプの挿入方法及び挿入装置に関する。
チル層が無い高品質の製品を鋳造するために、射出スリ
ーブ内に、断熱粉体、又は、潤滑剤を静電塗布する方法
が用いられている。この方法を実現した装置としては、
例えば、本出願人が特公平6−69607号公報(以下
公報Aという)及び特公平7−8426号公報(以下公報
Bという)において既に提案している。これらの装置
は、基本的に、電極棒を射出スリーブ内に挿入し、該射
出スリーブ内に静電電界を発生させ、この状態で断熱粉
体、又は、潤滑剤を射出スリーブ内に吹き込むことによ
って、射出スリーブの内周面に断熱粉体、又は、潤滑剤
を静電塗布するものである。
棒の挿入が、前方への移動動作と射出スリーブ内に挿入
された電極棒を好適な位置に下げる動作の2段階動作を
要しているため、電極棒の挿入動作の迅速性について改
良する課題があった。又、挿入された電極棒が射出スリ
ーブの軸心に対して傾斜しているため、電極棒と射出ス
リーブの内周面との距離が近い部分が生じており、この
近い部分において電極棒から射出スリーブへの放電が発
生することも可能性的には無いとも言えず、したがっ
て、電極棒の挿入状態についても改良する課題があっ
た。
記課題を解決したものであり、電極棒が一段階の挿入動
作で好適な位置に挿入され、しかも、挿入された状態
で、電極棒は、その軸心が射出スリーブの軸心と略同心
になって、電極棒と射出スリーブの内周面との距離が一
定となるので、電極棒の挿入動作の迅速性が向上し、電
極棒の挿入状態がさらに好適な状態となった。具体的に
は、電極棒の出し入れ動作時に電極棒の角度を変化させ
ながら移動させ、挿入後には自動的に好適な位置となる
角度となる方法であり、そして、電極棒の角度を変化さ
せながら移動させるために、円弧状のガイド板を備え、
電極棒をこのガイド板に沿わせて移動させる構造とし
た。
したところ、電極棒の挿入方法及び構造について改良点
を発見した。公報Bの電極棒の挿入構造は、揺動可能に
支持されたシリンダと、シリンダアームに設けられた円
弧状のガイド板と、シリンダロッドに設けられた支持具
と、支持具に設けられたガイドローラと、同じく支持具
に設けられた電極棒とから構成されている。つまり、公
報Bの発明における挿入構造は構成部材が多くて、各部
材が複雑に関係する構造となる上に、動作自体が複雑と
なるため、電極棒が射出スリーブに干渉しないように動
作させる調整や組立てが面倒であるし、構造が複雑にな
ればなるほど故障の可能性が高くなると思われる。さら
に、部品コスト、組立てコスト、メンテナンスコスト
等、各種コストがかかるため、鋳造装置自体が高価なも
のとなる上に、ランニングコストも高いものとなると考
えられる。又、電極棒は、前記ガイドローラがガイド板
を挟むことによってガイド板の円弧に沿って移動する
が、電極棒の移動時にシリンダの伸縮力がガイドローラ
を介してガイド板に作用してガイド板を上下に撓らせる
可能性があるため、電極棒の移動がスムースに行なわれ
ないということも考えられる。又、公報Bにおいては、
その構造上、ガイド板の先部が注湯口の真上に位置する
ことになるので、電極棒の後退後に注湯及び断熱粉体や
潤滑剤の噴射に邪魔にならないように移動させるが、こ
れは作業時間のロスにもなる上に、移動機構にかかるコ
ストもさらに必要である。
明は、部品点数を削減して簡単な構造とした上で、電極
棒又は噴射パイプの出し入れ動作の迅速性をさらに向上
させることを課題とし、この課題を解決できる方法の提
供を目的とする。そして、請求項2の発明は、前記方法
を具体的に実現する挿入装置の提供を目的とする。さら
に、請求項3の発明は、請求項2の目的に加えて、静電
電界の発生から静電塗布までの一連の作業時間の短縮を
実現する挿入装置の提供を目的とする。さらに、請求項
4の発明は、請求項2又は請求項3の目的に加えて、射
出スリーブへの放電の防止及び平均的な静電塗布を実現
する挿入装置の提供を目的とする。さらに、請求項5の
発明は、請求項2乃至請求項4の目的に加えて、静電電
界の発生から静電塗布までの一連の作業時間のさらなる
短縮を実現する挿入装置の提供を目的とする。
ために本発明が採用した技術的手段は、静電塗布装置に
おける射出スリーブ内に挿入して該射出スリーブ内に静
電電界を発生させる電極棒、又は、射出スリーブ内面に
断熱粉体若しくは潤滑剤を塗布する噴射パイプを挿入す
る方法であって、電極棒又は噴射パイプが、少なくとも
これらの出入り空間を注湯口に確保できる位置に備えら
れた支承部により、直接、且つ常時支えられながら出入
りすることを特徴とする挿入方法としたことである。
(請求項1)
技術的手段として、図1(a)〜(c)に示すように、
静電塗布装置における射出スリーブ1内に挿入し、該射
出スリーブ1内に静電電界を発生させる電極棒2、又
は、射出スリーブ1内面に断熱粉体若しくは潤滑剤を塗
布する噴射パイプを挿入する装置であって、少なくと
も、電極棒2又は噴射パイプの出入り空間を注湯口11
に確保できる位置に、電極棒2又は噴射パイプの出入り
動作時にこれらを直接、且つ常時支える支承部4を備え
たことを特徴とする挿入装置Aとしたことである。(請
求項2)
縮を実現するために、支承部4を注湯口11の後方に備
えることが好適であり、図1(a)に示すように該支承
部4が後退した状態の電極棒2又は噴射パイプを支承す
ることによって、注湯口11の上方に注湯空間(ホッパ
ーB2の配置空間)が確保される。(請求項3)
な静電塗布を実現するために、電極棒2又は噴射パイプ
を、射出スリーブ1内への完全挿入時において、少なく
とも、射出スリーブ1内に静電電界を発生させる部位の
軸心C1が射出スリーブ1の軸心C2と略同心となる態
様とすることが好適である。(請求項4)前記態様の電
極棒2又は噴射パイプとしては、例えば図示するよう
に、少なくとも、射出スリーブ1内に静電電界を発生さ
せる部位の軸心C1が射出スリーブ1の軸心C2と略同
心となるように折り曲げ形成した態様が挙げられる。
又、電極棒又は噴射パイプを弾性変形可能な素材から構
成し、これを、前記支承部に押付けながら挿入すること
によって、支承部で支えられている部分が折れ曲がるの
で、前記折り曲げ形成した態様と同様に軸心相互を略同
心とすることが可能である。
縮を実現するためには、電極棒2が噴射パイプと兼用、
又は、噴射パイプが電極棒2と兼用であることが好適で
ある。(請求項5)
電極棒2が自重によって下がると共に、電極棒の往復動
作中に常時支承部4に接触する程度の遊びをもって軸支
される。支承部4は、以下の説明ではローラとして例示
しているが、電極棒2がそれほど重いものではないの
で、必ずしも、支承部4をローラとして限定するもので
はなく、少なくとも、電極棒2に接触による悪影響を与
えないように支承可能なもの全てを包含する。
例を図1及び図2に基づいて説明する。図は、本発明の
電極棒挿入装置Aを備えたダイカストマシンBの一部を
示しており、基本的には、仮想線で示すキャビティB1
内に、ホッパーB2から注湯口11を介して射出スリー
ブ1に給湯された溶湯を、プランジャチップB3によっ
て射出充填して鋳造する周知の構造のものである。
剤を射出スリーブ1に静電塗布するための電極棒2と、
電極棒2を往復運動させるシリンダ3、電極棒2を常時
支える支承部4とから構成されている。電極棒2は、シ
リンダ3に上下方向、且つ、自重によって揺動するよう
に遊びをもって軸支され、該シリンダ3の往復動作に伴
って揺動しながら注湯口11から射出スリーブ1内に出
入りする。シリンダ3は、ブラケットB4にステーB5
を介して前端を射出スリーブ1に向けて傾斜状に取付け
てある。
注湯口11に案内する支承部4であるローラが設けられ
ている。支承部4は、プランジャチップB3の直上に位
置して、注湯口11に連設されたスリット12内に設け
られており、該スリット12内で電極棒2を支承する。
又、支承部4は、電極棒2の出し入れ動作時に、電極棒
2をホッパーB2に接触させないように支承する位置に
してあり(図面では、スリット12の最後方)、これに
よって、注湯口11の上方にホッパーB2の配置空間を
確保している。スリット12は、電極棒2がスリット1
2の側壁に接触しない程度の幅として形成されており、
電極棒2がスリット12を通って注湯口11から射出ス
リーブ1に出し入れされるようにしている。
字形状に形成されて、前方を射出スリーブ1内に静電電
界を発生させる部位(以下、静電発生部22という)と
している。電極棒2の折り曲げ角度は、電極棒2が射出
スリーブ1に完全挿入されたときに、静電発生部22の
軸心C1が射出スリーブ1の軸心C2と略同心になる角
度であり、シリンダ3の取付け位置、傾斜角度及びダイ
カストマシンBの大きさ、構造によって決定される。
又、図2に示すように、電極棒2は、粉状体、又は、潤
滑剤を噴射する噴射パイプを兼用しており、中空パイプ
を用い、その先端を噴射口2Aとし、該噴射口2Aから
粉状体、又は、潤滑剤を噴射するようにしてある。粉状
体、又は、潤滑剤は、ポンプ(図示せず)によってタン
ク(図示せず)から電極棒2の後側に配管されたホース
Cを通って噴射口2Aから射出スリーブ1内面に噴射さ
れる。
1(a)の待機状態においては、電極棒2がシリンダ3
によって最後方に引き上げられており、静電発生部22
の先端部分がスリット12内で支承部4に支承されてい
る。待機状態からシリンダ3を前進させると、図1
(b)に示すように、電極棒2が支承部4に支承されな
がら前進し、静電発生部22がスリット12を通って注
湯口11から射出スリーブ1内に挿入されていく。この
とき電極棒2は、図面上、前進により軸支部21が支承
部4に近づきながら下降するので、軸支部21と支承部
4間の距離及び高さ関係が縮小方向に変化し、支承部4
で持ち上げられるように上方に揺動する。電極棒2は、
前記したように遊びをもって軸支され、常時下方へ自重
により揺動しようとするので、静電発生部22が支承部
4へ常時接触している。そして、前進に伴う上方への揺
動によって、静電発生部22の軸心C1と射出スリーブ
の軸心C2との交差角度が徐々に小さくなり、図1
(c)に示すように静電発生部22が完全挿入された状
態において、軸心C1が軸心C2と略同心となる。つま
り、射出スリーブ1内での静電発生部22の位置が極め
て好適な位置となり、この位置において静電電界を発生
させ、しかも、電極棒2を挿入したままで噴射口2Aか
ら断熱粉体、又は、潤滑剤を射出スリーブ1内に噴射す
ることができる。
は、図1(c)の状態からシリンダ3を後退方向に作動
させることによって、電極棒2が支承部4に支承されな
がら後退し、前記挿入方向の動作とは逆に、後退により
軸支部21が支承部4から遠ざかりながら上昇するの
で、軸支部21と支承部4間の距離及び高さ関係が伸長
方向に変化し、自重により下方に揺動する。そして、前
記挿入方向の動作とは逆に、後退に伴う下方への揺動に
よって、静電発生部22の軸心C1と射出スリーブの軸
心C2との交差角度が徐々に大きくなって、最終的には
図1(a)の状態に戻る。注湯は図1(a)の状態にお
いて行なわれる。
は、シリンダ3と支承部4との二部材により電極棒2を
極めて好適な位置にすることができる上に、一段階の動
作によって迅速に行うことができる。しかも、電極棒2
が断熱粉体、又は、潤滑剤を噴射させる噴射パイプを兼
用しているので、射出スリーブ1の内周面に断熱粉体、
又は、潤滑剤を均一、且つ迅速に静電塗布することがで
きる。
装置は、電極棒、又は、噴射ノズルを支承部によって直
接、且つ常時支承して出し入れさせる方法及び構成であ
るので、従来の構造に比べて部材点数が少なく構成も簡
単であり、その上一段階の動作で迅速な出し入れを行う
ことができる方法及び構造である。しかも、部品点数を
削減して簡単な構造としているので、調整や組立てが容
易であるし、故障の可能性も低くなることが期待でき
る。さらに、部品コスト、組立てコスト、メンテナンス
コスト等、各種コストを低減することができるので、鋳
造装置自体を安価に提供できる上に、ランニングコスト
も低減することができる。
の上方に注湯空間を確保したことによって、電極棒、又
は、噴射パイプを後退させる動作以外の動作をすること
なく注湯作業が行えるようにしているので、鋳造におけ
る一連の作業時間の短縮を実現することができる。
又は噴射パイプが、射出スリーブ内への完全挿入時にお
いて、少なくとも、射出スリーブ内に静電電界を発生さ
せる部位の軸心が射出スリーブの軸心と略同心となるの
で、射出スリーブ1への放電の防止及び平均的な静電塗
布を実現することができる。
が噴射パイプと兼用、又は、噴射パイプが電極棒と兼用
であるので、電極棒、又は、噴射パイプを挿入すれば、
静電電界の発生から静電塗布までを行うことができるの
で、結果的に、鋳造における一連の作業時間のさらなる
短縮を実現することができる。しかも、鋳造装置全体か
ら見れば、電極棒、又は、噴射パイプのいずれか一方の
構成部材が省略されるので、鋳造装置の構成をより簡単
にすることができるし、さらに安価にすることが可能と
なると共に、ランニングコストもさらに低減することが
できる。
を示す模式図。
Claims (5)
- 【請求項1】静電塗布装置における射出スリーブ内に挿
入し、該射出スリーブ内に静電電界を発生させる電極
棒、又は、射出スリーブ内面に断熱粉体若しくは潤滑剤
を塗布する噴射パイプを挿入する方法であって、 電極棒又は噴射パイプが、少なくともこれらの出入り空
間を注湯口に確保できる位置に備えられた支承部によ
り、直接、且つ常時支えられながら出入りすることを特
徴とする挿入方法。 - 【請求項2】静電塗布装置における射出スリーブ内に挿
入し、該射出スリーブ内に静電電界を発生させる電極
棒、又は、射出スリーブ内面に断熱粉体若しくは潤滑剤
を塗布する噴射パイプを挿入する装置であって、 少なくとも、電極棒又は噴射パイプの出入り空間を確保
できる位置に、電極棒又は噴射パイプの出入り動作時に
これらを直接、且つ常時支える支承部を備えたことを特
徴とする挿入装置。 - 【請求項3】支承部は注湯口の後方に備えられているこ
とを特徴とする請求項2に記載の挿入装置。 - 【請求項4】電極棒又は噴射パイプを、射出スリーブ内
への完全挿入時において、少なくとも、射出スリーブ内
に静電電界を発生させる部位の軸心が射出スリーブの軸
心と略同心となる態様にしていることを特徴とする請求
項2、又は、請求項3に記載の挿入装置。 - 【請求項5】電極棒が噴射パイプと兼用、又は、噴射パ
イプが電極棒と兼用であることを特徴とする請求項2乃
至請求項4いずれか1項に記載の挿入装置。
Priority Applications (1)
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JP2001223518A JP4523207B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 射出スリーブ内への電極棒又は噴射パイプの挿入方法及びその挿入装置 |
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JP2009066665A (ja) * | 2008-12-26 | 2009-04-02 | Ahresty Corp | 射出スリーブ内面への粉体塗布装置 |
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2001
- 2001-07-24 JP JP2001223518A patent/JP4523207B2/ja not_active Expired - Fee Related
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