JP2003038031A - 根のない接苗の貯蔵方法 - Google Patents

根のない接苗の貯蔵方法

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洋 山口
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尚子 永井
Kahori Maruo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 根のない接苗を長期保存できる貯蔵方法を確
立し、季節変動の激しい需要に対し、平準化された生産
体制で対応できるようにする。 【解決手段】 根のない台木に高品質の接穂を接木し、
接木直後の苗を培地に挿して垂直に立て、湿潤空気中、
微弱光線を照射しながら低温で貯蔵することを特徴とす
る根のない接苗の貯蔵方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、根のない接苗を長
期保存することができる根のない接苗の貯蔵方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、本発明者等の研究開発によって、
断根接木法と称し、根のない接苗が生産され、販売され
るようになってきた。この一例としては、例えば特開平
11−313544号公報(接木育苗法)に示されてい
るものの例がある。
【0003】この断根接木法による接木育苗法は、その
特許請求の範囲に示されているように、苗木の不必要な
枝、葉及び芽を切り取った接穂を根のない台木に接合
し、これを蓄冷剤と保湿シート入りの遮光した断熱材容
器内に入れ、低温高湿雰囲気中で活着を行うようにした
というものである。断熱材容器内に入れられた根のない
接苗は、そのまま、またはペーパーポットに植えて出荷
することができる。活着は、2〜3日で確実に行なわれ
る。接合面を糊で接合したものにあっては、活着は1日
で行うことができる。
【0004】一方、このようにして育苗技術が確立され
た根のない接苗にあっては、需要の拡大に伴なって一つ
の問題点が生じた。それは、限りある接木職人を雇用し
て季節変動の激しい需要に見合った生産を行うのが難し
いということである。即ち、繁忙期には生産量が追いつ
かず、かつ、閑散期には雇用職人に手当てを必要とする
等の問題点がある。
【0005】次表は、近年の一苗木会社が行った年間の
月別生産=販売数と、月別余剰能力本数を示している。
余剰能力本数は、各月生産数とピーク本数(169万
本)との差を示す。
【0006】
【表1】 上記表1において、ピーク値169万本に合わせた職人
が必要で、各月に余剰が生ずることが示されている。職
人数をマイナー値に合わせれば、当然不足が生ずる。各
月の平均値は約130万本である。各月の生産量をこの
値に平準化できれば、ピークの月(8月)の169万本
に対し、その差39万本に相当する労力を節約できる。
また、現在ピーク値(169万本)に平準化した生産を
行えば、同一接木職人の雇用にて、年間2028万本の
需要に応えることができる。
【0007】さらに、従来より、根のない接苗に関して
は、1週間を超える長期の貯蔵方法が確立されておら
ず、出荷後の接苗は、数日内に育苗工程に入らねばなら
ず、入荷後育苗に入るまでの期間が短く、取扱いが困難
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みて、根のない接苗を長期保存できる貯蔵方法を
確立し、季節変動の激しい需要に対し平準化された生産
体制で対応することを目的とする。
【0009】また、接苗の活着や発根条件を整えること
を前記貯蔵の中で行うことにより、活着率をより高く
し、かつ高収穫、高品質の接苗を提供することを目的と
する。
【0010】さらに、出荷を貯蔵又は準貯蔵状態で出荷
することにより、入荷されてから育苗するまでの期間に
余裕を持たせることにより、付加価値を高め、取扱い易
く育苗し易い苗を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、特許請求の範囲に記載の通りの根のない接苗
の貯蔵方法を構成した。即ち、本発明の根のない接苗の
貯蔵方法は、根のない台木に接穂を接木し、接木直後の
苗を培地に対して垂直に立て、湿潤空気中、微弱光線を
照射しながら低温で貯蔵する。ここでは、これらの貯蔵
要件を真の貯蔵要件と呼ぶ。
【0012】根のない台木は、播種され、発芽された台
木を根の上方で切断することにより得る。接穂は、品
種、収穫量、花の色等目的に応じたものを高品質の枝穂
から高品質のものを採取する。接穂の葉の数は2〜6枚
とする。台木に切り込みを入れ、切穂と接合する面を整
える。同様に接穂の接合面を整え、適宜接合糊を使って
接合し、養成テープを巻く。これら手続は、一般的な根
のない接苗に対する接木手法による。
【0013】接木直後の苗は培地に立て又は挿して垂直
に立てる。培地は、例えば2%アガロースを培地用の平
容器に高さ10mm程度入れたもので良い。培地は、根
のない接苗を少なくとも1週間、長くは3ヶ月以上を目
標として、台木の下端と接触し、これに僅かながら水分
を供給するものであるから、殺菌された状態で、台木下
端と接触して所要の水分を提供することのみを要件とす
る。従って、培地は、アガロース等の寒天材に限定され
ず、例えば、水を浸透させたガーゼや、活性水のみでも
構成することもできる。ただし、接苗は垂直に立てられ
なければならないので、培地に接苗を支持する能力がな
いものを使用する場合には、当木など別途適宜の支持手
段を必要とする。
【0014】接苗は、垂直に立てられなければならな
い。垂直である条件を崩すと、苗木に育成方向の悪いク
セが付くのみならず、その方向転換に応じて所要のエネ
ルギーを消耗し、貯蔵中の生育能力を減少し、長期貯蔵
に耐えられなくなるからである。また、同じく垂直姿勢
であっても、できるだけ水平面内での向きを変更しない
ことも必要である。安置状態に保持すべきである。向
き、姿勢に対する変化は、すべて接苗の体力劣化に連が
るからである。
【0015】雰囲気は、湿潤低温空気中とする。湿度
は、相対湿度で70〜100%とする。好適には90〜
100%である。温度は15℃以下の低温で、好ましく
は12℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。空
気は、無風ないし微風下で、自然又は適切に制御された
換気空気とする。
【0016】微弱光線を与える点は、重要である。光源
としては、例えば白熱球や、白色蛍光灯を用いることが
できる。照射光の光合成有効量子束密度は4μmol/
(m2・S)であり、この近傍に設定される。照射は、
基本的には24時間連続とする。ただし、途中で数10
分ないし1時間程度の減光ないし遮光区間を与えるの
は、構わない。より最適な照射の方法として、例えば本
時間照射、30分減光というように断続的な制御を与え
ることも考えられる。逆に、途中で10〜20μmol以
上の強い光を長時間与えるのは禁物である。生長が進行
し、発根し、接苗の体力が衰える可能性が高いからであ
る。
【0017】このように、本発明では、根のない接苗
を、低温高湿空気中で培地上に垂直に立て微弱光線を連
続的又は断続的に照射しながら貯蔵する。この真の貯蔵
要件の実行により、根のない接苗を1ヶ月以上の貯蔵が
できる。条件をより適切に定めることにより、3ヶ月程
度の貯蔵が可能である。
【0018】貯蔵期間中における初期の段階では、2〜
3日で、接木直後の苗が確実に活着され、かつ発根条件
が整えられる。従って、貯蔵開始された苗は、2〜3日
経つといつでも貯蔵庫から取出して、即育苗工程に移行
させることができる。従来は、遮光された低温高湿環境
中で、これら活着及び発根条件を整えていたが、本発明
の貯蔵要件で活着及び発根条件を整えれば、確実性が増
し、かつ時間短縮できる。また、そのための手続及び設
備が不要である。
【0019】以上の通り、本発明の貯蔵方法によれば、
根のない接苗を、いつでも育苗できる出荷待ちの状態で
1〜3ヶ月貯蔵できる。従って、例えば翌月出荷を予定
して予め所要数の苗を貯蔵しておき、これを翌月出荷に
充当する等、後の出荷に回すことができる。これによ
り、各月生産数を平準化することができ、接木職人の数
を必要数にし、これを完全雇用することができる。
【0020】次表は、従来例で示した表1に対応して、
近年の一苗木会社が行った年間の月別接木本数を130
万本で平準化した結果を示している。年頭の貯蔵数(繰
越し数)を50万本と仮定している。
【0021】
【表2】 表2において、平準化数を130万本とし、各月の余剰
数を翌月回しの繰越しとすれば、月々適切な繰越数を得
て、効率的な作業が行えることが示されている。貯蔵可
能期間を1ヶ月とすれば、各月の繰越数は、翌月の販売
数を越えないことが条件になる。ただし、貯蔵可能期間
を2ヶ月とすれば翌月及び翌々月の販売数の和まで繰越
し可能になり、生産体制にさらなる余裕を持たせること
ができる。
【0022】具体的には、苗には、ナス科、ウリ科の
他、各科においても苗種が異なり、繰越し可能の苗には
条件がある。表2に示す数値は、あくまで生産能力に余
裕が生じることを示すものであって、実際には、翌月分
の苗を予め前月に作り、貯蔵しておくという体制とな
る。この種管理は、所要苗のリストを作り、容易にコン
ピュータ管理できる。
【0023】本発明は、出荷の際には以上示した真の貯
蔵要件又はこれに準ずる準貯蔵要件下で貯蔵しながら出
荷することを特徴とする。ここでの準貯蔵要件とは、既
に示した貯蔵方法による真の貯蔵要件(培地に挿す、垂
直に立てる、微弱光線を照射する、低温、高湿、空気雰
囲気)のうち、輸送中、微弱光線の照射が故意に遮光さ
れる等若干あいまいとなる点が異なる。
【0024】出荷の段階では主には他の貯蔵要件は満足
させられるが遮光状態となることがある。断熱材容器に
入れられて出荷される場合がこれに相当する。前述した
ように、遮光時間が数時間程度なら問題なく、次いで出
荷先の貯蔵庫に入れれば続けての貯蔵も可能である。
【0025】出荷を真の貯蔵要件で行うよう、出荷ケー
スやコンテナ、或いは出荷専用車を作ることもできる。
この出荷ケースやコンテナ、出荷車には、ケース内又は
コンテナ内、或いは出荷車内に、前記真の貯蔵要件を満
足させるための光源等の設備が付設される。
【0026】準の貯蔵要件を満足する出荷方式にて入荷
された根のない接苗は、横倒し苗とは異なり、垂直姿勢
が保たれているので元気を有し、育苗までの日数が4〜
5日、それ以上と長く、育苗作業が容易となる。また、
準または真の貯蔵要件を満足してから入荷され、真の貯
蔵要件を満足しながら育苗を待つ苗は、貯蔵開始時点か
ら本来の貯蔵可能期間(1〜3月)の残り期間の寿命を
有し、その間に育苗工程へ移行することにより、余裕を
もって元気な苗を育てることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】根のない接苗としては、ナス科の
ナス、トマトや、ウリ科のスイカ、キュウリ、マクワウ
リ等の例があり、各種各様実用化されている。これらの
苗を接穂として接木する場合、台木用の苗の根の部分を
切り取って台木とし、これに不要な枝、葉、及び芽を切
り取った接穂を接木する。
【0028】図1及び図2に示すように、根のない接苗
1は、根を切り取った台木2の上端部に、例えば斜めカ
ットの接合面を作り、これに、その下端を斜めカットと
した接穂3の下端部接合面に接合し、両接合面を接合さ
せた上で、弾性接合子4で固定して作る。弾性接合子4
は、縦割溝の入ったチューブ本体4Aに支持及び把持用
の穴明き把手4Bを取付けたものである。把手4Bの中
の穴を支持棒に通すことにより、垂直支持することがで
きる。活着促進のためには活着用の糊を使用する。
【0029】以上の様にして根のない接苗1は、図3に
示すように、低温、高湿の空気雰囲気5の中で、ポリス
チレン製の培地容器6に充填されたアガロースゲル7中
に挿して支持し、白色蛍光灯8の照射の下、貯蔵倉庫9
内で貯蔵する。
【0030】実施例を示すと、温度8℃、相対湿度10
0%、無風ないし微風の空気換気、2%アガロース、光
合成有効量子束密度4μmol/(m2 S)にて、1〜3
ヶ月までの貯蔵が可能である。ただし、実用的には1ヶ
月以上で十分である。
【0031】根のない接苗1を真の貯蔵要件下で貯蔵す
ると、他の条件、例えば遮光下で保存したものと比較し
て活着が促進され、かつ発根条件がより確実に整えられ
る。従って、貯蔵期間の前段階を活着及び発根条件を整
えるための期間として用いることができる。
【0032】図4〜図6は、貯蔵後苗の出荷時の荷姿に
係る実施例を示す断面説明図である。
【0033】図4に示す実施例は、上蓋付の発泡スチロ
ール製の断熱容器で構成される準貯蔵容器9Aの底部に
氷のような蓄冷剤10を敷き込み、その上に木製の薄い
床板11を張り、その上に濡らした新聞紙のような保湿
材12を置き、その上に、縦割りの仕切り壁13を介し
て多数の接苗1を立てて軽く詰めたものである。
【0034】仕切り壁13には、接苗1の集合区間を仕
切り、苗木1が倒れたり、相互に重なり合ったりするの
を防止する。これにより、運搬中、苗木1の垂直姿勢が
確実に保たれる。仕切り壁13は、出荷用の準貯蔵容器
9Aの本体に対し固定的なものでなくともよい。接苗1
を端から立てて行き、段ボール片のような紙製仕切り壁
13を軽く添わせ、次の接苗1を立てて行くようなもの
であってもよい。また、仕切り壁13を紙製とする場
合、これを濡らして保湿材12の役目を兼ね合わせるよ
うにすることもできる。
【0035】以上の構成により、準貯蔵条件を満足する
多量苗の荷ができる。断熱容器で構成する準貯蔵容器9
A内は、温度12℃、湿度70%以上の遮光された低温
高湿空気雰囲気となり、遮光と低温によって接苗1の
枝、葉、及び芽の成長が抑制される。また、接苗1は立
てられている。よって、接苗1のもつ養分が枝、葉、及
び芽の成長に使われることなく、極自然な安眠状態が保
たれ準貯蔵状態が保たれる。さらに、接苗1の成長を抑
制しているため、必要となる養分が、高温低湿で保存さ
れている場合に比べ少なく、準貯蔵雰囲気中より外気へ
急に接苗1を取り出しても環境の変化に対して影響を受
けにくく、即育苗環境に対応して即発根し、健康な苗を
育成できる。
【0036】図5に示す実施例は、貯蔵中の接苗1を、
ペーパーポット14に植え、育苗中の苗を皿状出荷容器
15へ入れて出荷するようにしたものである。ペーパー
ポット14は、地中でいずれ腐敗する性質を有し、ポッ
トのまま移植のできる便利で経済的な鉢である。本発明
では、真の貯蔵条件で貯蔵された接苗1をペーパーポッ
ト14に挿し育苗しているので、移植に対する活着度が
高く、健康的で丈夫な苗を出荷できる。
【0037】図6に示す実施例は、接苗1を真の貯蔵条
件を満足できる貯蔵容器9Bに入れ、貯蔵したまま出荷
できるようにしたものである。接苗1は、図2で示した
貯蔵倉庫9で貯蔵されていたものでもよく、図1で示し
た接苗直後のものであってもよい。
【0038】図6において、本例の貯蔵容器9Bは、断
熱材で製造された容器本体内の底に蓄冷剤10を敷き、
その上に床板11を張り、その上に培地容器6を置い
て、その中にアガロースゲル7が入れられている。培地
は、アガロースゲルに限定されず、消毒された紙や、ガ
ーゼ、綿等保湿機能のある材料であればよい。培地の中
には多数の接苗1を挿す。接苗1が倒れるのを防止する
ためには仕切り壁13が用いられる。培地がアガロース
ゲルでなく、水液、その他保湿材が利用される場合に
は、接苗1を立たせるために、適宜の垂直維持手段を用
いる。垂直維持手段としては、上記の仕切り壁13の
他、針金、あるいは綿等繊維やゴム紐等で作った格子状
支持材や、吊下げあるいは当て木等、様々の手段があ
る。図2で示した把手4Bを利用して弾性接合子4を支
持することも勿論できる。蓋の下部には、容器内面を微
弱な光で照射するための豆電球16が設けられ、これに
電源供給するための電池17が設けられている。電球1
6の下には、薄い白色紙のような光を散乱させるための
光散乱板18が設けられている。電球16としては、1
W以下の低消費電力で白色系のものが用いられる。照度
は、光合成有効量子束密度の近傍の値に調整される。保
湿材12は適宜設けられる。
【0039】以上の構成の貯蔵容器9Bにおいて、容器
9B内は、真の貯蔵条件が保たれる。出荷先では、入荷
された貯蔵容器9Bを受取って、蓄冷剤10や電池17
が有効な期間、例えば2日間貯蔵を続けて、農家に渡す
ことができる。蓄冷剤10や電池17を入れ換え、保湿
材12を濡らし、所要の期間貯蔵を延長し、適時育苗に
移行することができる。最大の貯蔵可能期間は、予めメ
ーカ側で定め、容器外面に表示しておけばよい。
【0040】図6に示した貯蔵容器9Bの原理に基い
て、蓄冷剤10をクーラー装置に変え、保湿材12を加
湿器に代え、電池17をバッテリとし、真の貯蔵条件を
確実に守ることができる輸送用の大型容器設備として、
コンテナや出荷専用車を作ることもできる。
【0041】本発明は、以上示した実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変形して実施できる。
【0042】
【発明の効果】以上示したように、本発明は、根のない
接苗を、低温高湿の空気雰囲気中で光合成有効量子束密
度の微弱光線の下、貯蔵する根のない接苗の貯蔵方法で
あるので、接苗を数ヶ月という長期に亘って生長を抑制
した形で貯蔵できる。
【0043】貯蔵開始の初期において、接合部分の活着
が行なわれ、かつ発根条件が整えられるので、活着及び
発根条件を整えるための手続き及び設備を他に必要とせ
ず、貯蔵に次いで即出荷でき高品質で付加価値の高い苗
を提供できる。
【0044】貯蔵可能期間は1ヶ月以上と長く、その間
いつでも出荷できるので、所要の接苗を前月中に準備し
ておくことができ、季節変動の激しい需要に対し平準化
された生産体制で対応可能となる。
【0045】出荷に関しては、本発明の真の貯蔵要件又
は準貯蔵要件を満足する形で出荷できるので、出荷され
入荷された苗を育苗するまでの期間に余裕ができ、育苗
作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】根のない接苗の接ぎ方を示す正面説明図であ
る。
【図2】上記接苗の接合部分を拡大し、ここに弾性継手
で接合して示す拡大正面説明図である。
【図3】本発明の接苗の貯蔵方法の原理を示す斜視図で
ある。
【図4】準貯蔵条件を満足しての出荷荷姿を示す断面説
明図である。
【図5】ペーパーポットに植え変えての出荷荷姿を示す
断面説明図である。
【図6】真貯蔵条件を満足しての出荷荷姿を示す断面説
明図である。
【符号の説明】
1 根のない接苗 2 根を切り取った台木 3 接穂 4 弾性接合子 4A チューブ本体 4B 把手 6 培地容器 7 アガロースゲル 8 白色蛍光灯 9 準貯蔵容器 10 蓄冷剤 11 床板 12 保湿材 13 仕切り壁 14 ペーパーポット 15 皿状出荷容器 16 電球 17 電池 18 光散乱板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸雄 かほり 愛媛県北宇和郡津島町北灘甲88−1 ベル グアース株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根のない台木に接穂を接木し、接木直後
    の根のない接苗を培地に立て又は挿して垂直に立て、湿
    潤空気中、微弱光線を照射しながら低温で貯蔵すること
    を特徴とする根のない接苗の貯蔵方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の前記低温での貯蔵は、
    前記接木直後の根のない接苗を活着させ、かつ、発根条
    件を整える期間を含むことを特徴とする根のない接苗の
    貯蔵方法。
  3. 【請求項3】 根のない台木に接穂を接木し、接木直後
    の根のない接苗を培地に立て又は挿して垂直に立て、湿
    潤空気中、微弱光線を照射しながら低温で長期貯蔵して
    おき、貯蔵中の接苗を後の出荷に充当することにより、
    前記接苗の各月生産数を平準化することを特徴とする根
    のない接苗の貯蔵方法。
  4. 【請求項4】 根のない台木に接穂を接木し、接木直後
    の根のない接苗を培地に立て又は挿して垂直に立て、湿
    潤空気中、微弱光線を照射ながら低温で貯蔵し、出荷の
    際には、これらの貯蔵要件又はこれに準ずる貯蔵要件下
    で貯蔵しながら出荷することを特徴とする根のない接苗
    の貯蔵方法。
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