WO2009116228A1 - 植物栽培容器、植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法 - Google Patents

植物栽培容器、植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法 Download PDF

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Abstract

 ほぼ密閉構造の容器本体1内部に植物栽培用の培地2が配置された植物栽培容器における前記容器本体1内に、該容器本体1内を上下2層に仕切るとともに前記培地2を支持する仕切壁3を設け、この仕切壁3によって仕切られた前記容器本体1の上部を高湿度室4とし下部を低湿度室5とし、前記仕切壁3には、前記培地2と前記低湿度室4とを連通させる通気穴7を設け、前記高湿度室4を高湿度状態とし、前記低湿度室5を低湿度状態とし、前記通気穴7から低湿度の空気を前記培地2に供給する。  これにより、植物の栽培を望ましい湿度条件で行うことができ、発根率や根の伸長を向上させることができる植物栽培容器、植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法を得ることができる。

Description

植物栽培容器、植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法
 本発明は、容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器、これを用いた植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法に関する。
 従来から容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器を使用した植物の栽培が知られている。植物栽培容器を使用した植物の栽培として、例えば挿し木苗の生産がある。挿し木は人為的に切断された植物組織(挿し穂)の切断部位を培地に挿入して培地内で発根させ、独立した一個の植物体を作り出す栽培方法であり、草本植物から木本植物に至るまで親植物と同一の遺伝的性質を備えたクローン苗を大量に作出・増殖する栽培方法として普及している。
 挿し木苗の生産にあっては、挿し穂が発根し健全な苗を形成するまでの間、その周囲の環境を比較的高湿度に保たねばならない。湿度が低いとその葉からの蒸散作用等によって挿し穂が萎れて弱ってしまい、良質な挿し木苗が得られず、また挿し木苗の生産性が低下してしまうからである。その点、植物栽培容器を使用した挿し木苗の生産方法は、容器内部を高湿度に保つことが容易であるため、有利である(例えば、特許文献1参照。)。
 さらに、挿し木による植物の栽培に限らず培地に種子や苗を植え付けて栽培する場合も、同様に健全な苗を形成するまでの間、周囲の環境を比較的高湿度に保つことが良いとされている。このため、植物の栽培にあっては、健全な苗を形成するまでの間、苗全体を高湿度の状態に維持することが行われてきた。
特許第3861542号公報
 前記のように、挿し穂や種子、植え付けた苗全体を高湿度の状態に維持して栽培を行った場合、培地内部が過湿気味となることから、却って発根に悪影響を及ぼし、根腐れ等の問題を起こすことがあった。
 本発明の目的は、植物の栽培を望ましい湿度条件で行うことができ、発根率や根の伸長を向上させることができる植物栽培容器、植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法を提供することにある。
 本発明者らは、苗の形成を望ましい湿度条件で行うため試験研究を重ねた結果、発根前の挿し穂や種子、移植直後の苗を植え付けて栽培する場合でも、地上部、つまり、これらの挿し穂や種子や苗が培地上に露出している部分の周囲の環境を高湿度に維持すれば、地下部、つまり培地内部の環境は低湿度としても根の形成には悪影響を及ぼさないこと、そればかりか、地上部を高湿度に、地下部を低湿度に維持して苗の形成を行うと、むしろ発根率が向上し、また根の伸長も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
 上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ほぼ密閉構造の容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器による植物栽培方法であって、前記容器本体内を上下2層に仕切るとともに前記培地を支持する仕切壁を設け、この仕切壁によって仕切られた前記容器本体の上部を高湿度状態とし、下部を低湿度状態とするとともに、前記仕切壁には、前記培地と前記低湿度状態にある下部とを連通させる通気穴を設け、この通気穴から低湿度の空気を前記培地に供給することを特徴とする。
 請求項2に記載の発明は、ほぼ密閉構造の容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器であって、前記容器本体内に、該容器本体内を上下2層に仕切るとともに前記培地を支持する仕切壁が設けられ、この仕切壁によって仕切られた前記容器本体の上部が高湿度室となり下部が低湿度室となり、前記仕切壁には、前記培地と前記低湿度室とを連通させる通気穴が設けられていることを特徴とする。
 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の、前記容器本体の前記高湿度室には、高湿度生成用と前記培地給水用としての貯水部が設けられ、そして前記容器本体には、前記貯水部に送水する送水部と前記低湿度室内に低湿度の空気を送り込む送気部と前記高湿度室内から空気を排気する排気部が設けられていることを特徴とする。
 請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の、前記培地はポット内に収容されており、前記仕切壁に設けられている前記通気穴は前記ポットを嵌合する嵌合穴を兼ね、この嵌合穴に前記ポットが液密に嵌合して支持されており、また、前記貯水部は前記仕切壁上に前記ポットの周壁を包囲するように設けられ、前記ポットの周壁には、前記貯水部内の水を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給水口が設けられ、また、前記ポットの前記嵌合穴から前記低湿度室内に突出している底面或いは周壁には、前記低湿度室内の空気を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給気口が設けられていることを特徴とする。
 請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載の、前記培地はポット内に配置されており、前記仕切壁上に前記ポットが、該ポットの底面が前記仕切壁に設けられている前記通気穴の周囲と液密に当接するように支持されており、前記貯水部は、前記仕切壁上に前記ポットの周壁を包囲するように設けられ、前記ポットの周壁には、前記貯水部内の水を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給水口が設けられ、前記ポットの底面には前記仕切壁に設けられている前記通気穴と連通し前記低湿度室内の空気を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給気口が設けられていることを特徴とする。
[規則91に基づく訂正 25.05.2009] 
 請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の植物栽培容器を用いて行う挿し木苗の生産方法であって、前記容器本体内部に配置された培地に挿し穂を挿しつけて培養し、発根させることを特徴とする。
 請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の、前記貯水部内の水に、窒素、リン及びカリウムを含有させ、かつ、炭素源を含有させずに、前記容器本体内の炭酸ガス濃度を制御しつつ、前記高湿度室内の湿度を90%以上、前記低湿度室内の湿度を80%以下で培養することにより、挿し穂からの発根を行わせることを特徴とする。
 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の、前記挿し穂の培養を、非無菌下で行うことを特徴とする。
 請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の、前記容器本体内の炭酸ガス濃度を300~1500ppmに制御して行うことを特徴とする。
 請求項1に記載の植物栽培方法によれば、前記容器本体内を上下2層に仕切るとともに前記培地を支持する仕切壁を設け、この仕切壁によって仕切られた前記容器本体の上部を高湿度状態とし、下部を低湿度状態とするとともに、前記仕切壁には、前記培地と前記低湿度状態にある下部とを連通させる通気穴を設け、この通気穴から低湿度の空気を前記培地に供給するようにしたので、前記培地に挿し穂や種子、移植直後の苗を植え付けた場合、これらが培地上に露出する地上部が高湿度の環境に維持される一方、培地内部、つまり地下部が低湿度の環境となるため、植物の根の形成が促され、培地で栽培する植物の発根率や根の伸長が向上する。
 請求項2に記載の植物栽培容器によれば、容器本体内に、該容器本体内を上下2層に仕切るとともに培地を支持する仕切壁が設けられ、この仕切壁によって仕切られた容器本体の上部が高湿度室となり下部が低湿度室となり、仕切壁には、培地と低湿度室とを連通させる通気穴が設けられているので、前記培地に挿し穂や種子、移植直後の苗を植え付けた場合、これらが培地上に露出する地上部が高湿度の環境に維持される一方、培地内部、つまり地下部には仕切壁に設けられた通気孔を通して低湿度室から低湿度の空気が流入して低湿度の環境となり、植物の根の形成が促され、培地で栽培する植物の発根率や根の伸長が向上する。
 請求項3に記載の植物栽培容器によれば、請求項2に記載の、前記容器本体の高湿度室には、高湿度生成用と前記培地給水用としての貯水部が設けられ、そして容器本体には、貯水部に送水する送水部と低湿度室内に低湿度の空気を送り込む送気部と前記高湿度室内から空気を排気する排気部が設けられているので、送気部から低湿度室内に低湿度の空気を送り込むことにより低湿度室内を容易に低湿度状態にすることができ、そして、低湿度室内に送り込まれた低湿度の空気は仕切壁に設けられた通気孔を通して培地に積極的に送り込むことができ、培地内部を効果的に低湿度状態とすることができる。また、高湿度室では貯水部に溜められた水が蒸発し高湿度室内を高湿度状態とすることができる。
 請求項4に記載の植物栽培容器によれば、請求項2又は3に記載の、前記培地はポット内に収容されているので培地の交換、生産した苗の取出しが容易となり、仕切壁に設けられている通気穴はポットを嵌合する嵌合穴を兼ね、この嵌合穴にポットが液密に嵌合して支持されており、また、容器本体の高湿度室には、高湿度生成用と培地給水用としての貯水部が設けられ、貯水部は仕切壁上にポットの周壁を包囲するように設けられ、ポットの周壁には、貯水部内の水をポット内に収容されている培地に供給する給水口が設けられ、また、ポットの嵌合穴から低湿度室内に突出している底面或いは周壁には、低湿度室内の空気を前記ポット内に収容されている培地に供給する給気口が設けられているので、前記培地に挿し穂や種子、移植直後の苗を植え付けた場合、これらが培地上に露出する地上部が高湿度の環境に維持される一方、培地内部、つまり地下部には仕切壁に設けられている通気孔を兼ねた嵌合穴に嵌合されているポットの給気口を通し、低湿度室から低湿度の空気が流入して、低湿度状態とすることができる。また、仕切壁上に設けられている貯水部に溜められた水をポットの周壁に設けられている給水口からポット内に収容されている培地に供給することができると共に、貯水部にある水が蒸発し高湿度室内を高湿度状態とすることができる。
 請求項5に記載の植物栽培容器によれば、請求項2又は3に記載の、前記培地はポット内に配置されており、仕切壁上にポットが、該ポットの底面が仕切壁に設けられている通気穴の周囲と液密に当接するように支持されており、また、容器本体の高湿度室には、高湿度生成用と培地給水用としての貯水部が設けられ、貯水部は、仕切壁上にポットの周壁を包囲するように設けられ、ポットの周壁には、貯水部に溜められた水をポット内に収容されている培地に供給する給水口が設けられ、ポットの底面には仕切壁に設けられている通気穴と連通し低湿度室内の空気をポット内に収容されている培地に供給する給気口が設けられているので、前記培地に挿し穂や種子、移植直後の苗を植え付けた場合、これらが培地上に露出する地上部が高湿度の環境に維持される一方、培地内部、つまり地下部には仕切壁に設けられた通気孔とポットの底面に設けられている給気口を通し、低湿度室から低湿度の空気が流入して低湿度状態とすることができる。また、仕切壁上に設けられている貯水部にある水をポットの周壁に設けられている給水口からポット内に収容されている培地に供給することができると共に、貯水部にある水が蒸発し高湿度室内を高湿度状態とすることができる。
[規則91に基づく訂正 25.05.2009] 
 請求項6に記載の挿し木苗の生産方法によれば、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の植物栽培容器を用いて行う挿し木苗の生産方法であって、前記容器本体内部に配置された培地に挿し穂を挿しつけて培養し、発根させるので、挿し穂からの発根率が向上し、また根の伸長も向上して、健全で良質な挿し木苗を生産性良く得ることができる。
 請求項7に記載の挿し木苗の生産方法によれば、前記貯水部内の水に、窒素、リン及びカリウムを含有させ、かつ、炭素源を含有させずに、前記容器本体内の炭酸ガス濃度を制御しつつ、前記高湿度室内の湿度を90%以上、前記低湿度室内の湿度を80%以下で培養することにより行うので、従来の挿し木法によっては、挿穂からの発根が困難であった植物においても、その発根率を大幅に向上させることができる。
 請求項8に記載の挿し木苗の生産方法によれば、請求項7に記載の挿し木苗の生産方法を非無菌下で行うので、簡易な設備を用いて、煩雑な操作を要することなく実施することができる。
 請求項9に記載の挿し木苗の生産方法によれば、請求項7又は8に記載の挿し木苗の生産方法を、容器本体内の炭酸ガス濃度を300~1500ppmに制御して行うので、挿し穂からの発根率と、発根した根の伸長を、最も効果的に図ることができる。
本発明に係る植物栽培容器の第1実施例を示した縦断面図である。 本発明に係る植物栽培容器の第2実施例を示した縦断面図である。 比較例1に係る植物栽培容器を示した断面図である。
符号の説明
 1 容器本体
 1a 上蓋
 2 培地
 3 仕切壁
 4 高湿度室
 5 低湿度室
 6 支持部材
 7 通気穴
 8 嵌合穴
 9 ポット
 10 連結部
 11 貯水部
 12 給水口
 13 給気口
 14 送水部
 15 送気部
 16 排気部
 17 排水部
 18 挿し穂
 18a 葉
 19 水
 20 容器本体
 21 通気膜
 22 開口部
 23 培地
 24 穴
 25 ポット
 26 培養液
 以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施形態の一例により詳細に説明する。
 図1は本発明に係る植物栽培容器の第1実施例を示した縦断面図である。本例の植物栽培容器は、ほぼ密閉構造の容器本体1の内部に植物栽培用の培地2が配置されている。前記容器本体1は透明なアクリル樹脂製で四角形の箱形となっており、上部は開閉可能な上蓋1aで構成されている。
 容器本体1内には、該容器本体1内を上下2層に仕切るとともに培地2を支持する仕切壁3が設けられ、この仕切壁3によって仕切られた容器本体1の上部が高湿度室4となり下部が低湿度室5となっている。仕切壁3は容器本体1の内壁に設けられている支持部材6に液密に支持されており、容器本体1内を上下に液密に仕切っている。
 この仕切壁3には、仕切壁3に支持される培地2と低湿度室5とを連通させる通気穴7が設けられている。本例では、通気穴7は後述するポットを嵌合する嵌合穴8を兼ねており、所定間隔で複数設けられている。仕切壁3に設けられた嵌合穴8には、それぞれ培地2を収容するポット9が、その底側を低湿度室5内に突出させるようにして液密に嵌合されている。嵌合穴8の内周には、図示しないが、ポット9の周壁との間で液密を維持するためシーリングが装着されている。なお、本例において嵌合穴8に嵌合される各ポット9は、隣接する各ポット9同士がそれぞれその上端で連結部10にて一体に連結されているが、各ポット9は、それぞれ別体となったものを用いても構わない。また、ポットの上に、さらに別のポットを重ねると、生産した苗の取出しが容易となる。
 容器本体1の高湿度室4には、高湿度生成用と培地給水用としての貯水部11が設けられている。本例では、貯水部11は容器本体1の内壁と仕切壁3とポット9の周壁で囲まれて、仕切壁3上に形成されている。
 そして、仕切壁3に設けられた嵌合穴8に嵌合しているポット9の周壁の高湿度室4側には、貯水部11に溜められた水をポット9内に収容されている培地2に供給する給水口12が設けられている。また、ポット9の嵌合穴8から低湿度室5内に突出している底面或いは周壁には、低湿度室5内の空気をポット9内に収容されている培地2に供給する給気口13が設けられている。この給気口13はポット9内の水の排水口としても作用する。
 ポット9に収容される培地2にあっては、例えば、砂、赤玉土等の自然土壌、バーミキュライト、パーライト、ガラスビーズ等の人工土壌、又は発泡フェノール樹脂、ロックウール等の多孔性成形品等が使用される。発泡フェノール樹脂からなる多孔性成形品は、例えばスミザーオアシス社より「オアシス(登録商標)」として販売されている。ポット9には、ポットの取り外しを容易にするため、さらに別のポットを重ね、当該ポットに培地2を収容して使用することもできる。
 更に、容器本体1には、貯水部11に送水する送水部14と低湿度室5内に低湿度の空気を送り込む送気部15と高湿度室4内から空気を排気する排気部16及びポット9に設けられた排水口となる給気口13から排出された水を容器本体1外へ排出する排水部17が設けられている。
 次に、このように構成された植物栽培容器を使用した植物栽培方法の実施の形態について説明する。本例の植物栽培方法では挿し木苗の生産方法が例示される。
 先ず、容器本体1の上蓋1aを開いて、仕切壁3の嵌合穴8(通気穴7)に嵌合しているポット9に収容されている挿し床となる培地2に挿し穂18を挿しつけ、上蓋1aを閉じてほぼ密閉状態とする。
 次に、送水部14から容器本体1の高湿度室4に設けられている貯水部11に送水する。貯水部11への水19の送水は、該貯水部11の水位レベルが、ポット9の給水口12の位置より高く、かつ、ポット9の上端より低い適当なレベルに達したら停止する。貯水部11に溜められた水19は給水口12からポット9内に収容されている培地2に供給され、そして余分な水19はポット9の底面或いは周壁に設けられている給気口13から低湿度室5に排出され、低湿度室5に排出された水19は、排水部17から容器本体1の外に排出される。なお水19には、必要に応じて窒素、リン、カリウムその他、適用する植物の種類に応じた栄養素を、その必要量含有させることができる。また、送気部15からは容器本体1の低湿度室5内に低湿度の空気を送り込む。送気部15から、容器本体1の低湿度室5内に送り込む低湿度の空気には炭酸ガスを含有させることができる。炭酸ガスの濃度は、挿し穂とする植物の種類によって異なるが、一般的には、容器内の炭酸ガス濃度を300ppm~1500ppmに制御するのが好ましい。炭酸ガス濃度が300ppmより低いと、挿し穂の発根率も根の伸長も、大幅な向上を期待できず、1500ppmより高めても、挿し穂の発根率や根の伸長は、その炭酸ガス濃度に見合った向上を示さなくなる。
 このようにして仕切壁3によって仕切られた容器本体1の上部の高湿度室4内の湿度を90%以上の範囲に保ち、そして下部の低湿度室5内の湿度を80%~50%の範囲に保つ。即ち、前記のような状態にある容器本体1を、容器本体1内の温度が、その植物を栽培するのに適した温度(通常は20℃~30℃の範囲)となるよう温度管理された条件下におくと、容器本体1内の温度で、高湿度室4に設けられている貯水部11に溜められた水19が蒸発し、高湿度室4内が高湿度状態となり、高湿度室4内の湿度を90%以上の範囲に保つことができる。
 また、低湿度室5内の湿度にあっては、蒸発する水はポット9に設けられている給気口13から低湿度室5に排出された水19だけであり、しかもこの水19は排水部17から容器本体1の外に排出されるので、低湿度室5は高湿度室4内のような高湿度にはならず、また送気部15から低湿度室5内に送り込む低湿度の空気を調節することにより、低湿度室5内の湿度を80%~50%の範囲に保つことができる。低湿度室5内に送り込まれた低湿度の空気は、ポット9の給気口13からポット9に収容されている培地2を通り高湿度室4内に入り、排気部16から容器本体1の外に排気される。
 このようにして挿し木苗の生産を行うと、高湿度室4内の湿度が90%以上の高湿度状態にあるので、培地2に挿しつけた挿し穂18の葉18aからの水分の蒸散作用等による挿し穂18の萎れといった事態を防止することができる。一方、ポット9に収容されている培地2には、給気口13を通して低湿度室5から低湿度の空気が流入し、培地2に挿しつけられている挿し穂18の切断部位の周囲が低湿度の環境となり通気性が良くなる。この低湿度環境が挿し穂18の切断部位の発根や、発根した根の伸長を促すことになり、挿し穂18の発根率や根の伸長が向上し、良質な挿し木苗を生産することができる。
 なお、上記した挿し木苗の生産にあたって、特許第3861542号記載の光独立栄養培養法を適用すれば、一層優れた効果を得ることができる。
 すなわち、前記容器本体1の高湿度室4内の貯水部11に溜められる水19に、窒素、リン及びカリウムを含有させ、かつ、前記容器本体1内の炭酸ガス濃度を制御しつつ、ポット9に収容されている培地2に挿しつけた挿し穂18を、前記高湿度室4内の湿度を90%以上、前記低湿度室5内の湿度を80%以下として培養すれば、発根や根の伸長をより促進することができる。
 この場合において水19に含有させる栄養素は、窒素、リン、カリウムを必須元素とする。このように水に栄養素を含有させた培養液としては、市販の家庭園芸用複合肥料や公知の植物組織培養用の液体培地をそのまま、又は適宜希釈して用いることができる。例えば、家庭園芸用複合肥料としては、窒素、リン、カリウムを主要成分とする「ハイポネックス液5-10-5(登録商標)」((株)ハイポネックスジャパン製)を250~500倍に希釈した溶液が、植物組織培養用の液体培地としては、ガンボーグB5培地やムラシゲ・スクーグ培地(Murashige and Skoog(1962)、以下、MS培地と略記する。)を4~16倍に希釈した溶液が、汎用性の高い培養液として使用できる。
 なお、MS培地を始め、公知の植物組織培養用の液体培地は、窒素、リン、カリウムの他、多量元素として水素、炭素、酸素、硫黄、カルシウム、マグネシウムを、微量元素として鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素、塩素を、無機塩類又はチアミン、ピリドキシン、ニコチン酸等のビタミン類として含んでいる。従って、前記培養液として用いる植物組織培養用の液体培地としては、窒素、リン、カリウムの他、これらの元素を無機塩類又はビタミン類等として含有しているものも、使用することができる。
 また、前記培養液には、植物生長調整物質を含有させることもできる。例えば、植物組織からの不定根発生を促進する、IAA(インドール酢酸)、IBA(インドール酪酸)、NAA(ナフタレン酢酸)等のオーキシン類を単独で又は2種以上組合せて、前記培養液に0.1~10mg/l添加することにより、挿し穂18からの発根、即ち挿し木苗の形成を促進することができる。
 一方、前記培養液にはショ糖等の炭素源は含有させない。炭素源は、多くの生物に共通するエネルギー源であるが、培養液に炭素源を含有させて挿し穂18を培養すると、挿し穂に付着した雑菌や、培養環境中の雑菌が培養液中の炭素源をエネルギー源として繁殖し、挿し穂や、これから形成される苗の枯死をもたらすため、無菌条件下で培養を行わなければならなくなる。しかし、光独立栄養培養法を適用する場合、挿し穂18は容器本体1内の炭酸ガスを炭素源として用いることができ、培養液に炭素源を含有させる必要はなくなる。そして、むしろ培養液に炭素源を含有させないことで、非無菌条件下、湿度90%以上の高湿度環境中で、雑菌繁殖のおそれなく培養できるようになるからである。
 特許第3861542号記載の光独立栄養培養法においては、容器本体1内の炭酸ガス濃度を制御することは必須となる。この光独立栄養培養法において、挿し穂は窒素、リン、カリウム等の栄養素を培養液により与えられ、活発に光合成を行ない、容器本体1内の炭酸ガス濃度は低下するため、これを人為的に補う必要があるからである。この場合においても炭酸ガス濃度は、前記した理由により300~1500ppmに制御することが好ましい。
 また、上記光独立栄養培養法においては、容器本体1内の湿度を、前記高湿度室4内の湿度は90%以上、前記低湿度室5内の湿度は80%以下とすることも必須であるが、前記したように、本発明の植物栽培容器を用いればこのような湿度の調整は比較的容易に行うことができる。
 なお、前記したように、上記光独立栄養培養法においては、ショ糖等の炭素源を培養液に含有させないため、非無菌条件下で挿し穂を培養し、挿し木苗を生産できる。しかし、より健全な苗の生産のため万全を期すには、容器本体1内、ポット9、培地2、栄養素を含有させた水19(培養液)等については、挿し穂の挿しつけ前に、予め感熱滅菌やオートクレーブ滅菌等の処置を行なっておくことが好ましい。
 図2は本発明に係る植物栽培容器の第2実施形態を示した縦断面図である。なお、前述した第1実施形態と対応する部分には、同一符号を付けて示している。
 本例の植物栽培容器では、仕切壁3上にポット9が、該ポット9の底面が仕切壁3に設けられている通気穴7の周囲と液密に当接するように支持されており、そして、ポット9の底面には仕切壁3に設けられている通気穴7と連通し低湿度室5内の空気をポット9内に収容されている培地2に供給する給気口13が設けられている。その他の構成は、第1実施例と同様になっている。
 このように構成された植物栽培容器にあっても、第1実施形態と同様に、植物栽培方法を実施することができ、また挿し木苗の生産方法、とりわけ特許第3861542号記載の光独立栄養培養法による挿し木苗の生産方法を有利に実施することができ、そして第1実施形態を使用した方法と同様な効果を得ることができる。
 なお、本発明の植物栽培方法及び挿し木苗の生産方法においては、他の条件、たとえば、種子や苗や挿し穂を栽培するにあたっての温度や光強度の条件に特に制限はない。栽培しようとする植物の種類、挿し木苗を生産しようとする植物の種類に応じた、適当な温度・光強度等の条件を採用すればよい。また、本発明においては、光を照射して培養を行なう明期と、暗黒下で培養を行なう暗期とを設定し、この明期・暗期を交互に繰返して栽培を行なってもよい。光独立栄養培養法を適用する場合、光合成は明期においてのみ行なわれるので、培養容器内の炭酸ガス制御も明期においてのみ行えばよい。
 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
 [実施例1]
 ソメイヨシノ(Malus pumila var. domestica)の当年生枝を挿し穂18として用いた。
 一方、植物栽培容器としては、仕切壁3上の嵌合穴8に、底面に口径がφ1.2cmの通気穴7が開き、底面から高さ2.5cmの位置の周壁に口径がφ0.5cmの給水口12が開いた市販のポット9(上部の口径は縦3cm×横3cm、深さ4.5cm)の底部を、通気穴7のみが低湿度室5と連通し、給水口12は高湿度室4側に位置するように液密に嵌合した、図1に示す形状のポリカーボネート製の植物栽培容器(最大寸法:縦48cm×横34cm×高さ20.8cm)を用いた。前記ポット9には、培地2としてスミザーオアシス社製「オアシス(登録商標)」(縦2cm×横2cm×深さ3cm)を収容し、貯水部11には、B5液体培地を4倍希釈し、植物ホルモンとしてIBA2mg/lを添加した培養液を、その液面がポット9の給水口12の高さ以上のレベルとなるように満たして前記培地2をこの培養液で湿潤させ、これに前記挿し穂18を1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計9本挿しつけた。なお、挿し穂18の葉は、半分程度に切断して蒸散作用を抑制すると共に、挿し穂を密植した場合に、隣り合った挿し穂の葉と葉が重なり合わないようにした。
 前記植物栽培容器は、炭酸ガス濃度1000ppm、温度25℃、湿度60%に調節した培養室内に設置し、容器本体1内の仕切壁3で仕切られた低湿度室5に、この培養室内の空気(従って、この空気の炭酸ガス濃度は1000ppm、温度は25℃、湿度は60%である。)をポンプを用いて約2000cc/minで送気部15から送気しつつ、650~670nmの波長成分と450~470nmの波長成分とを、8:2の割合で含む光照射下(40μmol photons s-1・m-2)で前記容器本体1内の培地2に挿しつけた挿し穂18を栽培し、その発根状況を観察した。このときの高湿度室4内の湿度は平均92%、低湿度室5内の湿度は平均78%であった。
 挿しつけから3週間後、発根した挿し穂の数と、挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表1に示した。
 [比較例1]
 植物栽培容器として、容器本体20の頂面に孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製の通気膜21(ミリポア社製「ミリシール」)を貼り付けた直径1cmの円形の開口部22が2個が設けられ、図3に示す形状の、胴部がやや張出した立方体形状をしたポリカーボネート製の植物栽培容器(最大寸法:縦11cm×横11cm×高さ10cm)を用いた。
 この植物栽培容器内に、培地23としてスミザーオアシス社製「オアシス(登録商標)」(縦2cm×横2cm×深さ3cm)を収容した底面に口径がφ1.2cmの穴24が開いた市販のポット25(上部の口径は縦3cm×横3cm、深さ4.5cm)9個を設置し、B5液体培地を4倍希釈し、植物ホルモンとしてIBA2mg/lを添加した培養液26で前記培地23を湿潤させて、1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計9本の挿し穂18を挿しつけ、前記通気膜21を貼り付けた開口部22の他はほぼ密閉状態として、特に送気や排気、送水や排水を行うことなく、実施例1と同様にして挿し穂18を栽培し、その発根状況を観察した。このときの発根容器内の湿度は平均97%であった。
 挿しつけから3週間後、発根した挿し穂の数と、挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表1に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1より明らかなように、本発明の植物栽培容器で挿し穂を栽培することにより、挿し穂の不定根形成が促進され、比較例1の場合発根率78%、平均根数が3本なのに対して、実施例1の場合発根率100%、平均根数が14本と、発根率、平均根数とも増加した。
 [実施例2]
 茶(Camellia sinennsis)の一品種ベニフウキの当年生枝を挿し穂18として用いた。
 一方、植物栽培容器としては、仕切壁3上の嵌合穴8に、底面に口径がφ1.2cmの通気穴7が開き、底面から高さ2.5cmの位置の周壁に口径がφ0.5cmの給水口12が開いた市販のポット9(上部の口径は縦3cm×横3cm、深さ4.5cm)の底部を通気穴7のみが低湿度室5と連通し、給水口12は高湿度室4側に位置するように液密に嵌合した、図1に示す形状のポリカーボネート製の植物栽培容器(最大寸法:縦48cm×横34cm×高さ14.8cm)を用いた。前記ポット9には、培地2としてスミザーオアシス社製「オアシス(登録商標)」(縦1cm×横1cm×深さ2cm)を収容し、貯水部11には、B5液体培地を4倍希釈し、植物ホルモンとしてIBA10mg/lを添加した培養液を、その液面がポット9の給水口12の高さ以上のレベルとなるように満たして前記培地2をこの培養液で湿潤させ、これに前記挿し穂18を1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計12本挿しつけた。なお、挿し穂の葉は、半分程度に切断して蒸散作用を抑制すると共に、挿し穂を密植した場合に、隣り合った挿し穂の葉と葉が重なり合わないようにした。
 前記植物栽培容器は、炭酸ガス濃度1000ppm、温度25℃、湿度60%に調節した培養室内に設置し、容器本体1内の仕切壁3で仕切られた低湿度室5に、この培養室内の空気(従って、この空気の炭酸ガス濃度は1000ppm、温度は25℃、湿度は60%である。)をポンプを用いて約2000cc/minで送気部15から送気しつつ、650~670nmの波長成分と450~470nmの波長成分とを、8:2の割合で含む光照射下(40μmol photons s-1・m-2)で前記容器本体1内の培地2に挿しつけた挿し穂18を栽培し、その発根状況を観察した。このときの高湿度室4内の湿度は平均92%、低湿度室5内の湿度は平均78%であった。
 挿しつけから3週間後、発根した挿し穂の数と、挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表2に示した。
 [比較例2]
 比較例1で使用した植物栽培容器と同様の植物栽培容器を用い、この植物栽培容器内に、培地23としてスミザーオアシス社製「オアシス(登録商標)」(縦1cm×横1cm×深さ2cm)を収容した底面に口径がφ0.6cmの穴24が開いた市販のポット25(上部の口径はφ2cm、深さ2.5cm)12個を収容して設置し、B5液体培地を4倍希釈し、植物ホルモンとしてIBA10mg/lを添加した培養液26で前記培地23を湿潤させて、1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計12本の挿し穂を挿しつけ、通気膜21を貼り付けた開口部22の他はほぼ密閉状態として、特に送気や排気、送水や排水を行うことなく、実施例2と同様にして挿し穂を栽培し、その発根状況を観察した。このときの発根容器内の湿度は平均97%であった。
[規則91に基づく訂正 03.03.2009] 
 挿しつけから3週間後、発根した挿し穂の数と、挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表2に示した。
Figure WO-DOC-TABLE-2
 表2より明らかなように、本発明の植物栽培容器で挿し穂を栽培することにより、挿し穂の不定根形成が促進され、比較例2の場合は発根率0%なのに対し、実施例2の場合は発根率92%であり、発根した挿し穂1本あたりの根の本数も10本内外であった。
 [実施例3]
 オリーブ(Olea europaea)の当年生枝を挿し穂18として用いた。
 本実施例では、培地2としてバーミキュライト、パーライト、ピートモスを2:2:4の比率で混合した用土を用い、ポット9に収容したこの培地2に前記挿し穂18を、1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計8本挿しつけた以外は、実施例2と同様にして挿し穂18を栽培し、その発根状況を観察した。挿しつけから4週間後、発根した挿し穂の数と、そのときの挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表3に示す。
 [比較例3]
 オリーブ(Olea europaea)の当年生枝を挿し穂として用い、培地23としてバーミキュライト、パーライト、ピートモスを2:2:4の比率で混合した用土を用い、ポット25に収容したこの培地23に前記挿し穂18を、1ポットあたり1本、1栽培容器あたり計8本挿しつけた以外は、比較例2と同様にして挿し穂18を栽培し、その発根状況を観察した。このときの発根容器内の湿度は平均97%であった。
 挿しつけてから4週間後、発根した挿し穂の数と、そのときの挿し穂一本当りに生じた根の数、長さを調査した。結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3より明らかなように、本発明の植物栽培で挿し穂を栽培することにより、挿し穂の不定根形成が促進され、比較例3の場合は発根率0%なのに対し、実施例3の場合は発根率75%であり、発根した挿し穂1本あたりに生じる根の本数も複数本であった。

Claims (9)

  1.  ほぼ密閉構造の容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器を用いて行う植物栽培方法であって、前記容器本体内を上下2層に仕切るとともに前記培地を支持する仕切壁を設け、この仕切壁によって仕切られた前記容器本体の上部を高湿度状態とし、下部を低湿度状態とするとともに、前記仕切壁には、前記培地と前記低湿度状態にある下部とを連通させる通気穴を設け、この通気穴から低湿度の空気を前記培地に供給することを特徴とする植物栽培方法。
  2.  ほぼ密閉構造の容器本体内部に植物栽培用の培地が配置された植物栽培容器であって、前記容器本体内に、該容器本体内を上下2層に仕切るとともに前記培地を支持する仕切壁が設けられ、この仕切壁によって仕切られた前記容器本体の上部が高湿度室となり下部が低湿度室となり、前記仕切壁には、前記培地と前記低湿度室とを連通させる通気穴が設けられていることを特徴とする植物栽培容器。
  3.  前記容器本体の前記高湿度室には、高湿度生成用と前記培地給水用としての貯水部が設けられ、そして前記容器本体には、前記貯水部に送水する送水部と前記低湿度室内に低湿度の空気を送り込む送気部と前記高湿度室内から空気を排気する排気部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の植物栽培容器。
  4.  前記培地はポット内に収容されており、前記仕切壁に設けられている前記通気穴は前記ポットを嵌合する嵌合穴を兼ね、この嵌合穴に前記ポットが液密に嵌合して支持されており、また、前記容器本体の前記高湿度室には、高湿度生成用と前記培地給水用としての貯水部が設けられ、該貯水部は前記仕切壁上に前記ポットの周壁を包囲するように設けられ、前記ポットの周壁には、前記貯水部内の水を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給水口が設けられ、また、前記ポットの前記嵌合穴から前記低湿度室内に突出している底面或いは周壁には、前記低湿度室内の空気を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給気口が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の植物栽培容器。
  5.  前記培地はポット内に収容されており、前記仕切壁上に前記ポットが、該ポットの底面が前記仕切壁に設けられている前記通気穴の周囲と液密に当接するように支持されており、また、前記容器本体の前記高湿度室には、高湿度生成用と前記培地給水用としての貯水部が設けられ、該貯水部は、前記仕切壁上に前記ポットの周壁を包囲するように設けられ、前記ポットの周壁には、前記貯水部内の水を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給水口が設けられ、前記ポットの底面には前記仕切壁に設けられている前記通気穴と連通し前記低湿度室内の空気を前記ポット内に収容されている前記培地に供給する給気口が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の植物栽培容器。
  6. [規則91に基づく訂正 25.05.2009] 
     請求項2乃至5のいずれか一項に記載の植物栽培容器を用いて行う挿し木苗の生産方法であって、前記容器本体内部に配置された培地に挿し穂を挿し付けて培養し、発根させることを特徴とする挿し木苗の生産方法。
  7.  前記貯水部内の水に、窒素、リン及びカリウムを含有させ、かつ、炭素源を含有させずに、前記容器本体内の炭酸ガス濃度を制御しつつ、前記高湿度室内の湿度を90%以上、前記低湿度室内の湿度を80%以下で培養することにより、挿し穂からの発根を行わせることを特徴とする請求項6に記載の挿し木苗の生産方法。
  8.  前記挿し穂の培養を、非無菌下で行うことを特徴とする請求項7に記載の挿し木苗の生産方法。
  9.  前記容器本体内の炭酸ガス濃度を300~1500ppmに制御して行うことを特徴とする、請求項7又は8に記載の挿し木苗の生産方法。
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