JP2003037261A - 薄膜トランジスタの製造方法、フォトセンサ及び読取装置 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法、フォトセンサ及び読取装置

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JP2003037261A JP2001223367A JP2001223367A JP2003037261A JP 2003037261 A JP2003037261 A JP 2003037261A JP 2001223367 A JP2001223367 A JP 2001223367A JP 2001223367 A JP2001223367 A JP 2001223367A JP 2003037261 A JP2003037261 A JP 2003037261A
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film
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング時にチャネル保護膜と半導体膜と
の界面及びその近傍の半導体膜に不必要なプラズマダメ
ージを与えることのないダブルゲート型薄膜トランジス
タの製造方法を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板20上に、パターニングされ
たボトムゲート電極BGと、ボトムゲート絶縁膜22
と、半導体膜23と、パターニングされたチャネル保護
膜24aと、不純物半導体膜25aとが順次成膜された
状態で、チャネル保護膜24a上に成膜された不純物半
導体膜25aをソース電極及びドレイン電極のそれぞれ
の下部に配置されるように分割する不純物半導体膜分割
工程と、半導体膜23及び不純物半導体膜25aをトラ
ンジスタ領域28内に残すようにパターニングするトラ
ンジスタ領域形成工程とが別々に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトセンサ等に
用いられる薄膜トランジスタ、特に二つのゲート電極
(トップゲート電極及びボトムゲート電極)を有するダ
ブルゲート型薄膜トランジスタの製造方法に関する。ま
た、本発明は、この製造方法により製造されたダブルゲ
ート型薄膜トランジスタの用いるフォトセンサ及び該フ
ォトセンサを備える読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷物や写真、あるいは、指先の微細な
凹凸により指紋の形状を読み取る二次元画像の読取装置
として、フォトセンサ(光電変換素子)をマトリクス状
に配列して構成されるフォトセンサアレイを有する構造
のものがある。このフォトセンサには、二つのゲート電
極を有する、いわゆる、ダブルゲート構造を有するダブ
ルゲート型薄膜トランジスタ(以下、DG−TFTと称
する)が用いられる。
【0003】具体的には、図15に示すように、このD
G−TFT50は、光が入射されると電子−正孔対が生
成される半導体膜54と、半導体膜54の両端にそれぞ
れ設けられた不純物半導体膜56a,56b(以下、不
純物膜という)と、不純物膜56a,56b上に形成さ
れ、半導体膜54を励起する光に対し遮光性を示すソー
ス電極57及びドレイン電極58と、半導体膜54の上
方に設けられたチャネル保護膜55と、ソース電極57
及びドレイン電極58を覆うトップゲート絶縁膜59
と、トップゲート絶縁膜59上に形成されたトップゲー
ト電極60と、半導体膜54の下方に設けられたボトム
ゲート絶縁膜53と、ボトムゲート絶縁膜53の下部に
形成され、半導体膜54を励起する光に対し遮光性を示
すボトムゲート電極52と、を有して構成され、これら
が絶縁性基板51上に形成されている。すなわち、図1
5に示すDG−TFT50は、半導体膜54,チャネル
保護膜55,ソース電極57,ドレイン電極58,トッ
プゲート絶縁膜59,トップゲート電極60により形成
される光キャリア蓄積部と、半導体膜54,ソース電極
57,ドレイン電極58,ボトムゲート絶縁膜53,ボ
トムゲート電極52により形成されるMOSトランジス
タとを備えており、半導体膜54は、光キャリア蓄積部
の光生成領域及びMOSトランジスタのチャネル領域と
して機能している。
【0004】ここで、このDG−TFT50の一部の製
造工程に着目すると、まず、図16(a),(b)に示
すように、絶縁性基板51上に、パターニングされたボ
トムゲート電極52,ボトムゲート絶縁膜53,半導体
膜54,パターニングされたチャネル保護膜55,不純
物膜56a,56bが順次成膜された状態において、フ
ォトリソグラフィー法による工程が行われるために、不
純物膜56のうち、ソース電極及びドレイン電極の下部
に配置される二つの部分の不純物膜56が、レジストR
0で覆われる。
【0005】その後、図16(a),(b)に示す状態
において、レジストR0で覆われていない部分の不純物
膜56及び半導体膜54が、ドライエッチング法によ
り、除去される。すなわち、図16(a),(b)に示
す不純物膜56は、図16(c),(d)に示すよう
に、ソース電極及びドレイン電極の下部に配置されるよ
うに分割されて不純物膜56a,56bとされ、この不
純物膜56a,56bが各トランジスタの領域内に残さ
れる状態となる。そして、不純物膜56a,56bを覆
っていたレジストR0が除去されて、図16(e),
(f)に示すように、不純物膜56a,56bが所定の
位置に成膜された状態とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したド
ライエッチング法による工程は、イオン衝撃を低減する
ため、プラズマエッチングにより行われる。プラズマエ
ッチング時においては紫外線を照射し(図16(c)参
照)、レジストR0で覆われていない不純物膜56及び
半導体膜54の両膜を、充分な時間をかけて除去する
が、チャネル保護膜55上に配置されるとともにソース
電極側とドレイン電極側に分割されるために除去される
部分の不純物膜56の除去部56c(図16(a),
(b)参照)においては、この不純物膜56の除去部5
6c一膜だけが除去されれば足りるので、除去部56c
の下部に配置されるチャネル保護膜55と半導体膜54
に、不純物膜56及び半導体膜54の両膜を除去するた
めのエッチング時間に対応した余計な時間分の紫外線が
照射されてしまう。これにより、図16(e),(f)
に示すように、チャネル保護膜55と半導体膜54との
界面及びその近傍の半導体膜54に、不必要なプラズマ
ダメージ(同図中×印参照)を与えてしまう可能性があ
った。
【0007】そこで、本発明は、エッチング時にチャネ
ル保護膜と半導体膜との界面及びその近傍の半導体膜に
不必要なプラズマダメージを与えることのない薄膜トラ
ンジスタの製造方法を提供する。また、本発明は、この
製造方法により製造されたトランジスタを用いるフォト
センサ及び該フォトセンサを備える読取装置を提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
チャネル部を形成する半導体膜の両端に積層されるソー
ス電極及びドレイン電極と、前記チャネル部を形成する
半導体膜を挟んで互いに対向して配置されるボトムゲー
ト電極及びトップゲート電極とを備える薄膜トランジス
タの製造方法であって、例えば図5に示すように、絶縁
性基板(20)上に、パターニングされたボトムゲート
電極(BG)と、ゲート絶縁膜(22)と、半導体膜
(23)と、パターニングされたチャネル保護膜(24
a)と、不純物半導体膜(25a)とが順次成膜された
状態で、前記チャネル保護膜上に成膜された前記不純物
半導体膜を前記ソース電極及びドレイン電極のそれぞれ
の下部に配置されるように分割する不純物半導体膜分割
工程と、前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を各トラ
ンジスタの領域(トランジスタ領域28)内に残すよう
にパターニングするトランジスタ領域形成工程とを備
え、前記不純物半導体膜分割工程と前記トランジスタ領
域形成工程とが別々に行われることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、不純物半導
体膜分割工程では不純物半導体膜一膜だけが除去され、
トランジスタ領域形成工程では不純物半導体膜及び半導
体膜の両膜が除去される。従って、不純物半導体膜分割
工程とトランジスタ領域形成工程とを別々に行うことと
とすれば、両工程に要求されるエッチング時間に合わせ
て、成膜された不純物半導体膜又は半導体膜の除去を行
うことができる。これにより、不純物半導体膜分割工程
における不純物半導体膜一膜だけの除去に要するエッチ
ング時間を、トランジスタ領域形成工程における不純物
半導体膜及び半導体膜の二膜を除去するのに要するエッ
チング時間に合わせる必要がないので、エッチングの際
に紫外線を用いる場合に、チャネル保護膜と半導体膜と
の界面及びその近傍の半導体膜(以下、紫外線照射部と
いう)に照射される紫外線の時間や露光量を抑えること
ができるのでこれらでの紫外線劣化を抑制することがで
きる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄
膜トランジスタの製造方法において、例えば図5に示す
ように、前記不純物半導体膜分割工程では、チャネル保
護膜上の不純物半導体膜を前記ソース電極側と前記ドレ
イン電極側に分割するために除去される不純物半導体膜
の除去部(27)を除く不純物半導体膜を第一のレジス
ト(R1)で覆い、前記除去部を除去するとともに、前
記第一のレジストを除去し、前記トランジスタ領域形成
工程では、各トランジスタの領域(28)内に残される
半導体膜上の不純物半導体膜及びチャネル保護膜を第二
のレジスト(R2)で覆い、該第二のレジストに覆われ
ていない不純物半導体膜及び半導体膜を除去するととも
に、前記第二のレジストを除去し、前記不純物半導体膜
分割工程の後に、前記トランジスタ領域形成工程が行わ
れることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明によれば、不純物半導
体膜分割工程では不純物半導体膜の除去部の除去、すな
わち不純物半導体膜分割工程でのエッチングを必要最小
限の時間で行うことができ、紫外線照射部への紫外線照
射時間を最小のものとすることができる。また、トラン
ジスタ領域形成工程では、不純物半導体膜の除去部の下
部に配置されたチャネル保護膜が第二のレジストで覆わ
れるので、この工程においては、紫外線照射部は、第二
のレジストにより、紫外線照射から保護されるようにな
っている。以上のことより、紫外線照射部に与えるダメ
ージを大幅に低減することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の薄
膜トランジスタの製造方法において、例えば図12に示
すように、前記不純物半導体膜分割工程では、チャネル
保護膜上の不純物半導体膜を前記ソース電極側と前記ド
レイン電極側に分割するために除去される不純物半導体
膜の除去部を除く不純物半導体膜を第一のレジストで覆
い、前記除去部を除去するとともに、前記第一のレジス
トを除去し、前記トランジスタ領域形成工程では、各ト
ランジスタの領域内に残される半導体膜上の不純物半導
体膜及びチャネル保護膜を第二のレジストで覆い、該第
二のレジストに覆われていない不純物半導体膜及び半導
体膜を除去するとともに、前記第二のレジストを除去
し、前記トランジスタ領域形成工程の後に、前記不純物
半導体膜分割工程が行われることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、請求項2の
発明と同様の効果を奏する。ここで、請求項2記載の発
明では、不純物半導体膜分割工程が先に行われ、その後
にトランジスタ領域形成工程が行われるが、不純物半導
体膜分割工程においてエッチング時間が短時間であった
場合に、エッチング時の反応生成物が充分に除去されな
い状態で、この反応生成物が、第一のレジストで覆われ
ていない不純物半導体膜の除去部の端部に付着して残る
可能性がある。この場合に、完成されたトランジスタを
駆動させると、チャネル部間が完全に分離されないこと
により、チャネル部間でリーク電流が流れ、トランジス
タの加工不良を招く可能性がある。しかしながら、請求
項3記載の発明によれば、トランジスタ領域形成工程が
先に行われ、その後に、不純物半導体膜分割工程が行わ
れるので、トランジスタ領域形成工程において充分な時
間のエッチングを行うことができ、エッチング時の反応
生成物を完全に除去することができる。これにより、加
工不良の要因となるチャネル部間のリーク電流を防止で
き、加工精度の高いトランジスタを製造することができ
る。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載の薄
膜トランジスタの製造方法において、例えば図13に示
すように、前記不純物半導体膜分割工程に用いられる第
一のレジストは、前記各トランジスタの領域内のうち、
ソース電極及びドレイン電極の下部に配置される電極形
成領域(36)の不純物半導体膜のみを覆うことを特徴
とする。
【0015】請求項4記載の発明によれば、電極形成領
域の不純物半導体膜が第一のレジストにより覆われるの
で、不純物半導体膜分割工程においては、トランジスタ
の領域のうち電極形成領域以外の不純物半導体膜が除去
される。この場合、請求項3の不純物半導体膜の除去部
だけの除去とは異なり、トランジスタ領域の端部の不純
物半導体膜、すなわち、チャネル部を形成するのに無関
係な不純物半導体膜を除去することができる。従って、
トランジスタを駆動させた際のリーク電流を確実に防止
でき、より確実に加工不良の少ないトランジスタを提供
することができる。
【0016】請求項5記載の発明は、例えば図14に示
すように、チャネル部を形成する半導体膜の両端に積層
されるソース電極及びドレイン電極と、前記チャネル部
を形成する半導体膜を挟んで互いに対向して配置される
ボトムゲート電極及びトップゲート電極とを備える薄膜
トランジスタの製造方法であって、絶縁性基板上に、パ
ターニングされたボトムゲート電極と、ゲート絶縁膜
と、半導体膜と、パターニングされたチャネル保護膜
と、不純物半導体膜とが順次成膜された状態で、前記不
純物半導体膜が前記ソース電極及びドレイン電極の下部
に配置されるように、前記半導体膜を残した状態で前記
不純物半導体膜をパターニングする不純物膜パターニン
グ工程が行われ、該不純物膜パターニング工程の後に、
該不純物膜パターニング工程で残された半導体膜及びパ
ターニングされた不純物半導体膜を各トランジスタの領
域内に残すように、前記残された半導体膜をパターニン
グする半導体膜パターニング工程が行われることを特徴
とする。
【0017】請求項5記載の発明によれば、不純物膜パ
ターニング工程では不純物半導体膜一膜だけが除去さ
れ、半導体膜パターニング工程では半導体膜一膜だけが
除去される。従って、不純物膜パターニング工程におい
ては、不純物半導体膜をパターニングする際に不純物半
導体膜一膜だけのエッチング時間で足りるので、紫外線
照射部への余計な時間分の紫外線が照射されることはな
く、紫外線照射部に与えるダメージを低減することがで
きる。また、不純物膜パターニング工程及び半導体膜パ
ターニング工程の両工程においてエッチングが行われる
際に、半導体膜の下部に成膜されたゲート絶縁膜が露出
された状態でエッチングが行われることはないので、こ
のゲート絶縁膜に対するエッチングダメージを低減する
ことができる。
【0018】請求項6記載の発明のように、前記不純物
半導体膜分割工程及び前記トランジスタ領域形成工程は
プラズマエッチングを含むようにすれば、紫外線のダメ
ージ及びプラズマの電荷によるダメージがかかる時間を
それぞれ短期間にすることができ、薄膜トランジスタ特
性を向上することができる。請求項7記載の発明のよう
に、フォトセンサとして、請求項1〜6のいずれか一つ
に記載の薄膜トランジスタの製造方法により製造された
薄膜トランジスタを用いることによりフォトセンサ特性
に優れたデバイスを提供することができる。
【0019】請求項8記載の発明のように、請求項7記
載のフォトセンサを備える読取装置であってもよい。こ
の読取装置は、前記フォトセンサをマトリクス状に配置
して被検体を読み取るセンサ部と、該センサ部を駆動さ
せるために駆動信号を送るドライバ回路部とを備えるこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、本発明の読取装置
は被検体を読み取る装置に関するものであるが、本実施
の形態においては、この読取装置として、被験者の指紋
を読み取る指紋読取装置に適用するものとして説明す
る。そして、この指紋読取装置(読取装置)は、装置内
部に実際に指紋(被検体)を読み取るフォトセンサを備
え、このフォトセンサには、以下の実施の形態に示す製
造方法により製造されるダブルゲート型薄膜トランジス
タが用いられる。
【0021】[第一の実施の形態]図1に示すように、
指紋読取装置Aは、指紋を定義づける指先での隆起した
凸部と凸部間に配置する線状の凹部とを光学的に読み取
る装置であって、指先を所定の位置に保持する指先保持
部Bと、指先の指紋を読み取るフォトセンサデバイスC
とを備えている。図2は、図1のX−X線断面図であ
る。
【0022】指先保持部Bは、内周が指先にフィットす
るような形状に形成され、後述するフォトセンサデバイ
スCのセンサやドライバ11〜13の半導体層を励起す
る励起光に対し不透明な部材であって、フォトセンサデ
バイスCの表面に載置されるような状態で取り付けられ
ている。指先保持部Bにおいて、指先の腹が接触する部
分には、指先Fの腹程度の大きさに開口された楕円形状
の開口部1が形成されている。そして、開口部1の開口
した部分に、フォトセンサデバイスCの後述するフォト
センサ部が配置されるように、指先保持部Bがフォトセ
ンサデバイスC上に配置されて取り付けられている。ま
た、指先保持部Bは、導電性材料から構成されるととも
に、指先保持部Bから連続した配線2を介して、接地さ
れている。従って、被験者が指先を指先保持部Bに接触
しても、指先に帯電した静電気によるフォトセンサデバ
イスCの誤作動・損傷を防ぐことができる。
【0023】フォトセンサデバイスCは、図1、2に示
すように、透明絶縁性基板20上に設けられた、光学的
に指紋を読み取るフォトセンサ部10(センサ部)と、
指先保持部Bの下方に設けられた、該フォトセンサ部1
0を駆動させる駆動信号を供給する各種ドライバ回路部
(トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ1
2,ドレインドライバ13)と、バックライト37及び
導光板32とを有する。
【0024】フォトセンサ部10は、図1に示すよう
に、前述した指先保持部Bの開口部1の開口した部分に
露出した状態で、配置されている。また、フォトセンサ
部10は、図1に示すように、マトリクス状に配置され
た複数のダブルゲート型薄膜トランジスタ10a(以
下、DG−TFT10aという)により構成されてい
る。トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ
12,ドレインドライバ13の上方には不透明な指先保
持部Bが配置されているために、上方から照射される紫
外線や各ドライバのトランジスタを励起する波長帯の光
を含む外光が直接各ドライバ11〜13に入射されるこ
とを抑えるので、励起光による各ドライバ11〜13の
トランジスタへの誤動作や、紫外線による劣化を防止す
ることができる。なお、このDG−TFT10aは、光
学的に二次元画像(本実施形態に係る指紋読取装置にお
いては被験者の指紋)を読み取るフォトセンサとしての
機能を有するものである。
【0025】図4に示すように、各DG−TFT10a
は、ボトムゲート電極BGと、ボトムゲート絶縁膜22
と、半導体膜23と、チャネル保護膜24a,24b
と、不純物半導体膜(以下、不純物膜という)25a,
25b,26と、ソース電極S1,S2と、ドレイン電
極Dと、トップゲート絶縁膜29と、トップゲート電極
TGと、保護絶縁膜31とを備える。
【0026】ボトムゲート電極BGは、絶縁性基板20
上に形成されている。絶縁性基板20は、可視光に対し
て透過性を有するとともに絶縁性を有し、ガラス等から
構成される。ボトムゲート電極BG及び絶縁性基板20
を被覆するようにして、ボトムゲート絶縁膜22が、ボ
トムゲート電極BG及び絶縁性基板20上に設けられて
いる。ボトムゲート電極BGに対向するようにして、半
導体膜23がボトムゲート絶縁膜22上に設けられてい
る。この半導体膜23はアモルファスシリコン又はポリ
シリコン等からなり、この半導体膜23に対して可視光
が入射されると、半導体膜23には電子−正孔対が発生
するようになっている。
【0027】半導体膜23には、チャネル保護膜24
a,24bが、互いに離れて並列に配設されている。不
純物膜25aは半導体膜23のチャネル長方向の一端部
に設けられており、他端部に不純物膜25bが設けられ
ている。チャネル保護膜24aとチャネル保護膜24b
との間において、不純物膜26が半導体膜23の中央上
に設けられており、この不純物膜26は不純物膜25
a、25bから離れている。そして、不純物膜25a,
25b,26及びチャネル保護膜24a,24bによっ
て、半導体膜23は覆われるようになっている。平面視
して、不純物膜25aの一部はチャネル保護膜24a上
の一部に重なっており、不純物膜25bはチャネル保護
膜24b上の一部に重なっている。また、不純物膜25
a,25b,26は、n型の不純物イオンがドープされ
たアモルファスシリコンからなる。
【0028】不純物膜25a上にソース電極S1が設け
られており、不純物膜25b上にソース電極S2が設け
られており、不純物膜26上にドレイン電極Dが設けら
れている。平面視して、ソース電極S1はチャネル保護
膜24a上の一部に重なっており、ソース電極S2はチ
ャネル保護膜24b上の一部に重なっており、ドレイン
電極Dはチャネル保護膜24a,24b上の一部に重な
っている。また、ソース電極S1,S2、ドレイン電極
Dは互いに離れている。トップゲート絶縁膜29は、ボ
トムゲート絶縁膜22、チャネル保護膜24a,24
b、ソース電極S1,S2及びドレイン電極Dを覆うよ
うに形成されている。トップゲート絶縁膜29上には、
半導体膜23に対向配置されたトップゲート電極TGが
設けられている。トップゲート絶縁膜29及びトップゲ
ート電極TG上に、保護絶縁膜31が設けられている。
【0029】以上のDG−TFT10aは、次のような
第一及び第二のダブルゲート型フォトセンサが絶縁性基
板20上に並列に配置されてなる構成となっている。す
なわち、第一のダブルゲート型フォトセンサは、半導体
膜23、チャネル保護膜24a、ソース電極S1、ドレ
イン電極D、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート
電極TGで構成される光キャリア蓄積部と、半導体膜2
3、ソース電極S1、ドレイン電極D、ボトムゲート絶
縁膜22及びボトムゲート電極BGで構成されるMOS
トランジスタとを備えており、半導体膜23は、光キャ
リア蓄積部の光生成領域及びMOSトランジスタのチャ
ネル領域として機能している。一方、第二のダブルゲー
ト型フォトセンサは、半導体膜23、チャネル保護膜2
4b、ソース電極S2、ドレイン電極D、トップゲート
絶縁膜29及びトップゲート電極TGで構成される光キ
ャリア蓄積部と、半導体膜23、ソース電極S2、ドレ
イン電極D、ボトムゲート絶縁膜22、ボトムゲート電
極BGで構成されるMOSトランジスタとを備えてお
り、半導体膜23は、光キャリア蓄積部の光生成領域及
びMOSトランジスタのチャネル領域として機能してい
る。
【0030】上述したDG−TFT10aにおいては、
図1及び図3に示すように、トップゲート電極TGはト
ップゲートライン(以下、TGLという)に、ボトムゲ
ート電極BGはボトムゲートライン(以下、BGLとい
う)に、ドレイン電極Dはドレインライン(以下、DL
という)に、ソース電極S1,S2は接地されたグラウ
ンドライン(以下、GLという)にそれぞれ接続されて
いる。
【0031】なお、図1〜4において、チャネル保護膜
24a,24b、トップゲート絶縁膜29、トップゲー
ト電極TG上に設けられた保護絶縁膜31は、窒化シリ
コン等の透光性の絶縁膜からなり、また、トップゲート
電極TG及びTGLはITO(Indium-Tin-Oxide)等の
透光性の導電性材料からなり、ともに可視光に対し高い
透過率を示す。一方、ソース電極S1,S2、ドレイン
電極D、ボトムゲート電極BG及びBGLは、クロム、
クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された可視
光の透過を遮断する材質により構成されている。なお、
保護絶縁膜31は、図1に示す指先支持部Bの開口部1
から露出し、指先の凸部が接触する箇所となる。
【0032】また、図1及び4に示すように、絶縁性基
板20の下方には、平面形状の導光板32及び該導光板
32の周囲に配置された蛍光管37が設けられている。
導光板32は蛍光管37が配置された側面及び上面を除
き反射部材で覆われ、蛍光管37は、コントローラ14
に従いDG−TFT10aが励起する波長域の光を導光
板32に照射する。
【0033】そして、フォトセンサ部10は、指先保持
部Bの開口部1及びその周辺にマトリクス状にDG−T
FT10aが配置される状態になっている。また、指紋
照合時に帯電した指先が指先保持部Bに接触し保持され
ると、指先を介して放電されるとともに、指の容量によ
る電圧変化又は電流変化をコントローラ14が検知し、
フォトセンス、すなわち指紋読取処理するためにバック
ライト37を発光するとともに制御信号Tcntをトッ
プゲートドライバ11に、制御信号Bcntをボトムゲ
ートドライバ12に、制御信号Dcntをドレインドラ
イバ13に、送信する。コントローラ14は、指特有の
キャパシタによる電気的変位を読み取り制御信号Tcn
t、制御信号Bcnt、制御信号Dcntを出力するこ
とが可能であるのみならず指以外の指とは異なるキャパ
シタの被検体が接触した場合の電気的変位を読み取り、
被検体が指でないことを認証して制御信号Tcnt、制
御信号Bcnt、制御信号Dcntを出力しないように
することが可能である。
【0034】ここで、上述したDG−TFT10aの製
造方法について、図5を参照するとともに、本発明の特
徴的な製造過程を、特に中心にして詳細に説明する。な
お、図4に示す各DG−TFT10aは、ドレイン電極
Dを共通の電極として、ドレイン電極Dの両側にソース
電極S1,S2を配置した構造となっているが、本発明
のDG−TFT10aの製造方法は、従来のDG−TF
Tの製造方法にも適用できるので、以下の説明を簡単に
するために、従来のDG−TFTにおける製造方法を想
定して説明する。また、以下の実施の形態(第二乃至第
四の実施の形態)においても、従来のDG−TFTにお
ける製造方法を想定した説明とする。
【0035】まず、ガラス等の絶縁性基板20上に、ボ
トムゲート電極BGとなる100nm厚のクロム膜を成
膜し、通常のフォトリソグラフィー法によりボトムゲー
ト電極BGを所定の形状に加工成形する。次に、ボトム
ゲート電極BGを含む絶縁性基板20を覆うように、窒
化シリコン等の透光性の250nm厚の絶縁膜を成膜
し、ボトムゲート絶縁膜22を形成する。
【0036】続いて、50nm厚の真性アモルファスシ
リコン半導体から構成され、光が入射されると電子−正
孔対が生成される半導体膜23、及び、チャネル部を形
成する半導体膜23を保護する100nm厚のチャネル
保護膜24aを順次成膜する。そして、フォトリソグラ
フィー法によりチャネル保護膜24aを所定の形状に加
工成形する。
【0037】次に、所定形状に成膜されたチャネル保護
膜24a及び半導体膜23上に、例えば燐イオン等の不
純物をドープしたアモルファスシリコン半導体からなる
25nm厚の不純物膜25aを成膜する。なお、この状
態においては、図5(a)に示すように、絶縁性基板2
0上に、パターニングされたボトムゲート電極BGと、
ボトムゲート絶縁膜22と、半導体膜23と、パターニ
ングされたチャネル保護膜24aと、不純物膜25aと
が順次成膜された状態となっている。
【0038】そして、この状態で、半導体膜23及び不
純物膜25aを各DG−TFT10aの領域内に残すよ
うにパターニングするトランジスタ領域形成工程と、チ
ャネル保護膜24a上に成膜された不純物膜25aを、
ソース電極及びドレイン電極のそれぞれの下部に配置さ
れるように分割する不純物半導体膜分割工程とが別々に
行われる。
【0039】すなわち、不純物半導体膜分割工程では、
まず、図5(a),(b)に示すように、不純物膜25
aをソース電極側とドレイン電極側に分割するために、
チャネル保護膜24a上に成膜された不純物膜25a
に、スリット状の除去部27を露出するように除去部2
7を除く不純物膜25aをレジストR1で覆う。次い
で、プラズマエッチングにより、不純物膜25aの除去
部27を除去してチャネル保護膜24a上の不純物膜2
5aの端面25eを露出させる。このときの紫外線照射
時間/露光量は、不純物膜25aを除去するのに必要な
時間/露光量のみでよい。この後レジストR1を残した
状態で酸素プラズマアッシングを行い、露出された不純
物膜25aの端面25eを酸化膜とする。これによって
アモルファスシリコンのような不純物膜25aは、その
後のプロセスで形成されるソース電極とドレイン電極と
なるメタルとの接触により変成して除去しにくいシリサ
イドになってしまうが、端面25eでシリサイドが発生
し成長すると電流リーク等の特性のばらつきの恐れがあ
るので、酸素プラズマアッシングにより不純物膜25a
の端面25eを酸化することでシリサイドとなることを
防止することができる。その後、ウェットエッチングに
よりレジストR1を除去し、図5(c),(d)に示す
状態とする。この状態においては、図5(d)に示すよ
うに、チャネル保護膜24aの上部に配置されていた除
去部が除去されて、チャネル保護膜24aがスリット状
に表面に露出した状態となっている。
【0040】そして、上述の不純物半導体膜分割工程の
後に、トランジスタ領域形成工程が行われる。トランジ
スタ領域形成工程では、まず、図5(e)(f)に示す
ように、半導体膜23上に配置された不純物膜25a及
びチャネル保護膜24aのうち、略長方形状とされたト
ランジスタ領域28(図5(f)参照)内に残される部
分を、レジストR2で覆う。その後、プラズマエッチン
グにより、トランジスタ領域28以外の部分(レジスト
R2で覆われていない部分)の不純物膜25a(不純物
膜26)及び半導体膜23を除去する。この工程では、
不純物膜25a(不純物膜26)及び半導体膜23を除
去するのに必要な時間/露光量だけ紫外線が照射される
が、パターニング後に残される不純物膜25a(不純物
膜26)、チャネル保護膜24a及びチャネル保護膜2
4a下方の半導体膜23は、レジストR2により覆われ
ているので紫外線やプラズマで生じる電荷から保護され
ている。この後レジストR2を残した状態で酸素プラズ
マアッシングにより、露出された不純物膜25a、26
の端面25f、26f及び半導体膜23の端面23aを
酸化膜とする。そして、第二のレジストR2を除去し、
図5(g),(h)に示す状態とする。この状態におい
ては、不純物膜25aがソース電極及びドレイン電極の
下部に配置されるように分割された不純物膜25a,2
6とされ、この不純物膜25a,26間にスリット状に
チャネル保護膜24aが露出した状態となっている。
【0041】なお、不純物半導体膜分割工程とトランジ
スタ領域形成工程との両過程で行われたプラズマエッチ
ングに用いたガスは、SF6/C12/H2から構成される
混合ガスであり、以下の実施の形態に示すプラズマエッ
チングに用いたガスもこれと同様である。
【0042】続いて、スパッタ法等により、可視光の透
過を遮断するクロム、タングステン、アルミニウム等の
導電膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィー法,
エッチング法により、この導電成膜を所定の形状に加工
形成し、ソース電極S1及びドレイン電極Dを形成す
る。ソース電極S1及びドレイン電極Dは、不純物膜2
5a及び不純物膜26をそれぞれ覆っている。その後、
窒化シリコン等の透光性の絶縁膜からなるトップゲート
絶縁膜29を成膜し、さらに、このトップゲート絶縁膜
29上にITO(Indium-Tin-Oxide)等の透明電極を成
膜し、この透明電極を所定形状に加工形成し、トップゲ
ート電極TGを形成する。そして、トップゲート電極T
Gを含むトップゲート絶縁膜29上に保護絶縁膜31を
成膜する。
【0043】以上の工程により、指紋読取装置Aのフォ
トセンサ部10における各DG−TFT10aが製造さ
れる。本実施の形態に係るDG−TFT10aの製造方
法によれば、不純物半導体膜分割工程では不純物膜25
a一膜だけが除去され、トランジスタ領域形成工程では
不純物膜25a及び半導体膜23の両膜が除去される。
従って、不純物半導体膜分割工程とトランジスタ領域形
成工程とを別々に行うことにより、両工程のそれぞれに
要求されるエッチング時間/露光量に合わせて、成膜さ
れた不純物膜25a又は半導体膜23の除去を行うこと
ができる。
【0044】すなわち、不純物半導体膜分割工程では、
不純物膜25aの除去部27一膜だけのエッチング時間
/露光量で除去部27を除去できるので、エッチングを
必要最小限の時間/露光量で行うことができ、チャネル
保護膜24aと半導体膜23との界面及びその近傍の半
導体膜23(以下、紫外線照射部という、図5(c)
(g)中の符号35参照)への紫外線照射時間/露光量
を最小のものとすることができる。なぜなら、トランジ
スタ領域形成工程でのエッチングのように、不純物膜2
5a及び半導体膜23の二膜のエッチングにかかる時間
/露光量を、不純物半導体膜分割工程のエッチング時間
/露光量とする必要がない、言い換えれば、一膜分のエ
ッチング時間/露光量に二膜分の余計なエッチング時間
/露光量を費やす必要がないからである。一方、トラン
ジスタ領域形成工程では、トランジスタ領域28をレジ
ストR2で覆った状態で、不純物膜25a及び半導体膜
23の二膜について、不純物半導体膜分割工程に費やし
たエッチング時間/露光量よりも充分な時間/露光量を
かけてエッチングすることができる。この場合、紫外線
照射部35を含むトランジスタ領域28は第二のレジス
トR2で覆われているので、紫外線照射部35は紫外線
照射から保護された状態となっている。以上のことよ
り、紫外線照射部35に与えるプラズマダメージを大幅
に低減できる。
【0045】なお、上述の工程を経て製造されたDG−
TFT10aは、指先の微細な凹凸により指紋を読み取
る機能を有するフォトセンサに限定されて用いられるも
のではなく、印刷物や写真等の二次元画像を読み取る機
能を有するフォトセンサにも広く適用できる。
【0046】次に、上述したDG−TFT10aに駆動
信号を供給するドライバ回路部(トップゲートドライバ
11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ1
3)及び該ドライバ回路部を制御するコントローラ14
について説明する。
【0047】図1に示すように、トップゲートドライバ
11は、フォトセンサ部10のTGLに接続され、駆動
信号を各TGLに順次選択的に出力するシフトレジスタ
であって、コントローラ14から出力される制御信号群
Tcntに応じて、複数のTGLに適宜リセット電圧
(+25〔V〕)又はキャリア蓄積電圧(−15
〔V〕)を印加するものである。なお、リセット電圧又
はキャリア蓄積電圧は、各TGLを介して、フォトセン
サ部10の各DG−TFT10aのトップゲート電極T
Gに印加されるようになっている。
【0048】ボトムゲートドライバ12は、フォトセン
サ部10のBGLに接続され、駆動信号を各BGLに順
次選択的に出力するシフトレジスタであって、コントロ
ーラ14から出力される制御信号群Bcntに応じて複
数のBGLに適宜チャネル形成用電圧(+10〔V〕)
又はチャネル非形成用電圧(±0〔V〕)を印加するも
のである。なお、チャネル形成用電圧又はチャネル非形
成用電圧は、各BGLを介して、フォトセンサ部10の
各DG−TFT10aのボトムゲート電極BGに印加さ
れるようになっている。
【0049】ドレインドライバ13は、フォトセンサ部
10のDLに接続され、コントローラ14から出力され
る制御信号群Dcntに応じて全てのDLに基準電圧
(+10〔V〕)を印加することで、電荷をプリチャー
ジさせる。なお、基準電圧は、DLを介して、フォトセ
ンサ部10の各DG−TFT10aのドレイン電極Dに
印加されるようになっている。そして、ドレインドライ
バ13は、プリチャージ後の所定期間において、各DG
−TFT10aでの入射された光量に応じて変位するD
L電圧又は各DG−TFT10aのソース電極S1,S
2−ドレイン電極D間を流れるドレイン電流を検知し、
データ信号DATAとしてコントローラ14に出力する
ものである。
【0050】コントローラ14は、制御信号群Tcn
t,Bcntによってそれぞれトップゲートドライバ1
1,ボトムゲートドライバ12を制御して、両ドライバ
から行毎に所定のタイミングで所定レベルの信号を出力
させる。これにより、フォトセンサ部10の各行のDG
−TFT10aを、後述するように、順次リセット状
態,フォトセンス状態,読み出し状態とさせる。コント
ローラ14は、また、制御信号群Dcntにより、ドレ
インドライバ13にDLの電位変化を読み出させ、デー
タ信号DATAとして順次取り込んでいくものである。
【0051】次に、上述した各ドライバから駆動信号が
入力された場合のフォトセンサ部10を構成する各DG
−TFT10aの駆動原理について、図6(a)〜
(f)の模式図を参照して説明する。
【0052】DG−TFT10aの半導体膜23のチャ
ネル形成領域は、不純物層25a、26間及び不純物層
25b、26間のブロック絶縁膜24a,24bの下に
発生するため、チャネル長はブロック絶縁膜24a,2
4bのチャネル長方向の長さに等しい。したがって、図
6(a)に示すように、ボトムゲート電極BGに印加さ
れている電圧が±0〔V〕であるときは、トップゲート
電極TGに印加されている電圧が+25〔V〕(リセッ
ト電圧)であっても、ソース電極S(図3及び図4に示
すS1,S2),ドレイン電極Dの直下の半導体膜23
では、トップゲート電極TGに印加されている電圧でな
く、ソース、ドレイン電極S、Dの印加電圧に、より強
く影響されるので半導体膜23にはチャネル長方向に連
続したnチャネルが形成されず、ドレイン電極Dに+1
0〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極Dとソー
ス電極Sとの間に電流は流れない。また、この状態で
は、後述するように半導体膜23及び半導体膜23のチ
ャネル領域直上のブロック絶縁膜24a,24bに蓄積
された正孔が同じ極性のトップゲート電極TGの電圧に
より反発し、吐出される。以下、この状態をリセット状
態という。
【0053】図6(b)に示すように、トップゲート電
極TGに印加されている電圧が−15〔V〕であり、ボ
トムゲート電極BGに印加されている電圧が±0〔V〕
であるときは、半導体膜23にはnチャネルが形成され
ず、ドレイン電極Dに+10〔V〕の電圧が印加されて
も、ドレイン電極Dとソース電極Sとの間に電流は流れ
ない。
【0054】このように、半導体膜23のチャネル領域
の両端とトップゲート電極TGとの間にそれぞれドレイ
ン電極Dとソース電極S1,S2が配置されているた
め、チャネル領域の両端は、ドレイン電極Dとソース電
極Sとの電界に影響されるため、トップゲート電極TG
のみの電界では連続したチャネルを形成することができ
ない。従って、ボトムゲート電極BGに印加されている
電圧が±0〔V〕(チャネル非形成用電圧)である場合
には、トップゲート電極TGに印加されている電圧の如
何に関わらず、半導体膜23にチャネルが形成されるこ
とはない。
【0055】図6(c)に示すように、トップゲート電
極TGに印加されている電圧が+25〔V〕であり、ボ
トムゲート電極BGに印加されている電圧が+10
〔V〕(チャネル形成用電圧)であるときは、半導体膜
23のボトムゲート電極BG側にnチャネルが形成され
る。これにより、半導体膜23が低抵抗化し、ドレイン
電極Dに+10〔V〕の電圧が印加されると、ドレイン
電極Dとソース電極Sとの間に電流が流れる。
【0056】図6(d)に示すように、後述するように
半導体膜23内に十分な量の正孔が蓄積されず、トップ
ゲート電極TGに印加されている電圧が−15〔V〕で
あると、ボトムゲート電極BGに印加されている電圧が
+10〔V〕であっても、半導体膜23の内部に空乏層
が広がり、nチャネルがピンチオフされて、半導体膜2
3が高抵抗化する。このため、ドレイン電極Dに+10
〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極Dとソース
電極Sとの間に電流が流れない。以下、この状態を第1
の読み出し状態という。
【0057】半導体膜23には入射された励起光の光量
に応じて電子−正孔対が生じる。このとき図6(e)に
示すように、トップゲート電極TGに印加されている電
圧が−15〔V〕(キャリア蓄積電圧)であり、ボトム
ゲート電極BGに印加されている電圧が±0〔V〕であ
ると、電子−正孔対のうち正極性の正孔が半導体膜23
及び半導体膜23のチャネル領域直上のブロック絶縁膜
24a,24bに蓄積される。以下、上述したリセット
状態となり、後述する読み出し状態となるまでにおける
この状態をフォトセンス状態という。なお、こうしてト
ップゲート電極TGの電界に応じて半導体膜23内に蓄
積された正孔は、リセット状態となるまで半導体膜23
から吐出されることはない。
【0058】図6(f)に示すように、トップゲート電
極TGに印加されている電圧が−15〔V〕であり、ボ
トムゲート電極BGに印加されている電圧が+10
〔V〕であっても、半導体膜23内に正孔が蓄積されて
いる場合には、蓄積されている正孔が負電圧の印加され
ているトップゲート電極TGに引き寄せられて保持さ
れ、トップゲート電極TGに印加されている負電圧が半
導体膜23に及ぼす影響を緩和する方向に働く。このた
め、半導体膜23のボトムゲート電極BG側にnチャネ
ルが形成され、半導体膜23が低抵抗化して、ドレイン
電極Dに+10〔V〕の電圧が供給されると、ドレイン
電極Dとソース電極Sとの間に電流が流れる。以下、こ
の状態を第2の読み出し状態という。
【0059】そして、各ドライバから駆動信号が入力さ
れた場合のフォトセンスについて詳細に説明すると、フ
ォトセンサ部10を構成するDG−TFT10aは、ト
ップゲート電極TGに印加されている電圧が+25
〔V〕で、ボトムゲート電極BGに印加されている電圧
が±0〔V〕であると、トップゲート電極TGと半導体
膜23との間に配置される窒化シリコンからなるトップ
ゲート絶縁膜29と半導体膜23とに蓄積されている正
孔が吐出され、リセット状態(図6(a)参照)とされ
る。DG−TFT10aは、ソース電極S1,S2とド
レイン電極D間が±0〔V〕、トップゲート電極TGに
印加されている電圧が−15〔V〕、ボトムゲート電極
BGに印加されている電圧が±0〔V〕の場合、半導体
膜23への光の入射によって発生した電子−正孔対のう
ちの正孔が、半導体膜23及びトップゲート絶縁膜29
に蓄積されるフォトセンス状態(図6(e)参照)とな
る。この所定期間に蓄積される正孔の量は光量に依存し
ている。
【0060】図7に示すように、フォトセンス状態にお
いて、導光板32を介してバックライトがDG−TFT
10aに向け光を照射するが、このままではDG−TF
T10aの半導体膜23の下方に位置するボトムゲート
電極BGが遮光するので、半導体膜23には充分なキャ
リアが生成されない。このとき、DG−TFT10a上
方の保護絶縁膜31上に指先Fを載置すると、指紋の紋
様に沿った指先Fの凹部の直下にあたる半導体膜23に
は、保護絶縁膜31等で反射された光があまり入射され
ない(図7矢印Q2参照)。
【0061】このように光の入射量が少なくて充分な量
の正孔が半導体膜23に蓄積されずに、トップゲート電
極TGに印加されている電圧が−15〔V〕で、ボトム
ゲート電極BGに印加されている電圧が+10〔V〕と
なると、トップゲート電極TGの電界により半導体膜2
3内に空乏層が広がり、nチャネルがピンチオフされ、
半導体膜23が高抵抗となる(図6(d)参照)。
【0062】一方、フォトセンス状態において、指先F
の凸部の直下にあたるDG−TFT10aの半導体膜2
3には、保護絶縁膜31等で反射された光が入射される
(図7矢印Q1参照)とともに、充分な量の正孔が半導
体膜23内に蓄積された状態で、このような電圧が印加
された場合は、蓄積されている正孔がトップゲートTG
に引き寄せられて保持されることにより、この正孔の電
荷がトップゲート電極TGの電界を緩和するので、半導
体膜23のボトムゲート電極BG側にnチャネルが形成
され、半導体膜23が低抵抗となる(図6(f)参
照)。これらの読み出し状態(すなわち、図6(d),
(f)に示す第一及び第二の読み出し状態)における半
導体膜23の抵抗値の違いが、DLの電位の変化となっ
て現れる。そして、ドレインドライバ13が、DLの電
位の変化を、データ信号DATAとしてコントローラ1
4に出力し、フォトセンサ部10における指先Fの指紋
が読み取られるようになっている。
【0063】次に、上述したトップゲートドライバ11
及びボトムゲートドライバ12(図1参照)について、
詳細に説明する。なお、トップゲートドライバ11及び
ボトムゲートドライバ12は、図8に示すシフトレジス
タが適用されたものである。フォトセンサ部10に配設
されたDG−TFT10aの行数(TGL、BGLの
数)をnとすると、トップゲートドライバ11及びボト
ムゲートドライバ12は、図8に示すように、ゲート信
号を出力するn個の段RS(1)〜RS(n)と、段R
S(n)等を制御するためのダミー段RS(n+1)及
びダミー段RS(n+2)とから構成される。なお、図
8に示すシフトレジスタは、nが2以上の偶数である場
合の構成を示すものである。また、段RS(1)は一段
目、段RS(2)は二段目、…、段RS(n)はn段
目、段RS(n+1)はn+1段目、段RS(n+2)
はn+2段目をそれぞれ示すものである。
【0064】一番目の段RS(1)には、コントローラ
14からのスタート信号Dstが入力される。図8に示
すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場
合、スタート信号Dstのハイレベルは+25〔V〕で
あり、スタート信号Dstのローレベルは−15〔V〕
である。一方、図8に示すシフトレジスタがボトムゲー
トドライバ12である場合、スタート信号Dstのハイ
レベルは+10〔V〕であり、スタート信号Dstのロ
ーレベルは−15〔V〕である。
【0065】また、二番目以降の段RS(2)〜段RS
(n)には、それぞれの前段RS(1)〜段RS(n−
1)からの出力信号OUT(1)〜OUT(n−1)が
入力信号として入力される。図8に示すシフトレジスタ
がトップゲートドライバ11である場合、各段の出力信
号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、対応する1
〜n行目のTGLに出力される。一方、図8に示すシフ
トレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、各
段の出力信号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、
対応する1〜n行目のBGLに出力される。
【0066】さらに、段RS(n+2)以外の段RS
(1)〜段RS(n+1)には、それぞれの後段RS
(2)〜段RS(n+2)からの出力信号OUT(2)
〜OUT(n+2)がリセット信号として入力される。
段RS(n+2)には、コントローラ14からのリセッ
ト信号Dentが入力される。図8に示すシフトレジス
タがトップゲートドライバ11である場合、リセット信
号Dentのハイレベルは+25〔V〕であり、リセッ
ト信号Dentのローレベルは−15〔V〕である。一
方、図8に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ
12である場合、リセット信号Dentのハイレベルは
+10〔V〕であり、リセット信号Dentのローレベ
ルは−15〔V〕である。
【0067】各段RS(k)(kは1〜n+2の任意の
整数)には、コントローラ14から基準電圧Vssが印
加される。図8に示すシフトレジスタがトップゲートド
ライバ11である場合、基準電圧Vssのレベルは−1
5〔V〕である。一方、図8に示すシフトレジスタがボ
トムゲートドライバ12である場合、基準電圧Vssの
レベルは±0〔V〕である。また各段RS(k)には、
コントローラ14から定電圧Vddが印加される。図8
に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11であ
る場合、定電圧Vddのレベルは+25〔V〕である。
一方、図8に示すシフトレジスタがボトムゲートドライ
バ12である場合、定電圧Vddのレベルは+10
〔V〕である。
【0068】奇数番目の段RS(k)には、コントロー
ラ14からのクロック信号CK1が入力される。また、
偶数番目の段RS(k)には、クロック信号CK2が入
力される。クロック信号CK1,CK2はそれぞれ、シ
フトレジスタの出力信号をシフトしていくタイムスロッ
トのうちの所定期間、タイムスロット毎に交互にハイレ
ベルとなる。すなわち、一のタイムスロットのうちの所
定の間クロック信号CK1がハイレベルとなった場合、
そのタイムスロットの間ではクロック信号CK2がロー
レベルとなり、次のタイムスロットの間ではクロック信
号CK1がローレベルであるとともに所定期間の間クロ
ック信号CK2がハイレベルとなる。
【0069】図8に示すシフトレジスタがトップゲート
ドライバ11である場合、クロック信号CK1,CK2
は、ハイレベルが+25〔V〕、ローレベルが−15
〔V〕である。一方、図8に示すシフトレジスタがボト
ムゲートドライバ12である場合、ハイレベルが+10
〔V〕、ローレベルが±0〔V〕である。
【0070】そして、図8に示すように、トップゲート
ドライバ11及びボトムゲートドライバ12を構成する
上述したシフトレジスタの各段RS(k)は、基本構成
として、六つのTFT41〜46を備えている。なお、
TFT41〜46は、いずれもnチャネルMOS型の電
界効果トランジスタであり、ゲート絶縁膜に窒化シリコ
ンが用いられ、半導体層にアモルファスシリコンが用い
られている。
【0071】図8及び図9に示すように、一番目の段R
S(1)のゲート電極及びドレイン電極には、スタート
信号Dstが入力されている。一番目の段RS(1)以
外の各段RS(k)のTFT41のゲート電極及びドレ
イン電極は、前段RS(k−1)のTFT45のソース
電極に接続され、TFT41のソース電極は、TFT4
4のゲート電極、TFT42のドレイン電極及びTFT
43のゲート電極に接続されている。各段RS(k)の
TFT41のソース電極、TFT44のゲート電極、T
FT42のドレイン電極、TFT43のゲート電極に接
続される配線には、この配線自体に関係するTFT41
〜44の寄生容量やこの配線自体によって、電荷を蓄積
するための容量Ca(k)が形成される。
【0072】TFT43のドレイン電極は、TFT46
のソース電極及びTFT45のゲート電極に接続され、
TFT42のソース電極及びTFT43のソース電極に
は基準電圧Vssが印加されている。そして、TFT4
6のゲート電極及びドレイン電極には、定電圧Vddが
印加されている。
【0073】また、奇数段のTFT44のドレイン電極
にはクロック信号CK1が入力され、偶数段のTFT4
4のドレイン電極にはクロック信号CK2が入力されて
いる。各段のTFT44のソース電極は、TFT45の
ドレイン電極に接続され、TFT45のソース電極に
は、基準電圧Vssが印加されている。TFT42のゲ
ート電極には、次段からの出力信号OUT(k+1)が
入力されている。
【0074】次に、各段RS(k)に備えられているT
FT41〜46の機能を説明する。
【0075】TFT41のゲート電極及びドレイン電極
には、前段RS(k−1)からの出力信号OUT(k−
1)が入力されているか(この場合、kは2〜n+
2)、或いは、コントローラ14からスタート信号Ds
tが入力されている(この場合、kは1)。出力信号O
UT(k−1)又はスタート信号Dstがハイレベルに
なった場合に、TFT41はオン状態となり、ドレイン
電極からソース電極に電流が流れ、TFT41はハイレ
ベルの出力信号OUT(k−1)またはスタート信号D
stをソース電極に出力するようになっている。ここ
で、TFT42がオフ状態である場合には、TFT41
のソース電極から出力されたハイレベルの出力信号OU
T(k−1)またはスタート信号Dstにより、容量C
a(k)が蓄積されるようになっている。一方、出力信
号OUT(k−1)又はスタート信号Dstがローレベ
ルになった場合に、TFT41はオフ状態となり、TF
T41のドレイン電極〜ソース電極に電流が流れないよ
うになっている。
【0076】TFT46のゲート電極及びドレイン電極
には、定電圧Vddが印加されている。これにより、T
FT46は常にオン状態となっており、TFT46のド
レイン電極〜ソース電極に電流が流れ、TFT46は略
定電圧Vddレベルの信号をソース電極に出力するよう
になっている。TFT46は、定電圧Vddを分圧する
負荷としての機能を有する。
【0077】TFT43は、容量Ca(k)に電荷が蓄
積されていないときにオフ状態となり、TFT46から
出力された定電圧Vddレベルの信号によって容量Cb
(k)が蓄積するようになっている。一方、TFT43
は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときにオン
状態となり、TFT43のドレイン電極〜ソース電極に
電流が流れることにより、TFT43は容量Cb(k)
に蓄積された電荷を排出するようになっている。
【0078】TFT45は、容量Cb(k)に電荷が蓄
積されていないときにオフ状態となり、容量Cb(k)
に電荷が蓄積されているときにオン状態となる。TFT
44は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときに
オン状態となり、容量Ca(k)に電荷が蓄積されてい
ないときにオフ状態となる。従って、TFT45がオフ
状態のときにはTFT44はオン状態となり、TFT4
5がオン状態のときにはTFT44はオフ状態となるよ
うになっている。
【0079】TFT45のソース電極には、基準電圧V
ssが印加されている。オン状態となったTFT45
は、基準電圧Vssレベル(ローレベル)の信号を、ド
レイン電極から当該段RS(k)の出力信号OUT
(k)として出力するようになっている。オフ状態とな
ったTFT45は、TFT44のソース電極から出力さ
れた信号のレベルを当該段RS(k)の出力信号OUT
(k)として出力するようになっている。
【0080】TFT44のドレイン電極には、クロック
信号CK1又はCK2が入力されている。TFT44が
オフ状態である場合には、TFT44は、ドレイン電極
に入力されたクロック信号CK1又はCK2の出力を遮
断するようになっている。TFT44がオン状態である
場合に、TFT44は、ローレベルのクロック信号CK
1又はCK2をソース電極に出力するようになってい
る。ここで、TFT44がオン状態である場合には、T
FT45がオフ状態であるから、ローレベルのクロック
信号CK1又はCK2が当該段RS(k)の出力信号O
UT(k)として出力される。一方、TFT44がオン
状態である場合に、ハイレベルのクロック信号CK1又
はCK2がドレイン電極に入力されると、ゲート電極及
びソース電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる
寄生容量に電荷が蓄積される。すなわち、ブートストラ
ップ効果によって、容量Ca(k)の電位が上昇して、
容量Ca(k)の電位がゲート飽和電圧にまで達する
と、TFT44のソース−ドレイン電流が飽和するよう
になっている。これにより、オン状態のTFT44は、
ハイレベルのクロック信号CK1又はCK2と略同電位
となる信号を、ソース電極に出力するようになってい
る。ここで、TFT44がオン状態である場合には、T
FT45がオフ状態であるから、ハイレベルのクロック
信号CK1又はCK2が、当該段RS(k)の出力信号
OUT(k)として出力される。
【0081】TFT42のゲート電極には、次の段RS
(k+1)(この場合、kは1〜n+1)の出力信号O
UT(k+1)が入力される。TFT42は、ゲート電
極に入力される出力信号OUT(k+1)がハイレベル
の場合にオン状態となり、容量Ca(k)に蓄積された
電荷を排出するようになっている。
【0082】なお、ダミー段RS(n+2)のTFT4
2においては、リセット信号Dendが、コントローラ
14からTFT42のゲート電極に入力されるが、次の
走査での三番目の出力信号OUT(3)を代用してもよ
い。
【0083】次に、上述したトップゲートドライバ11
及びボトムゲートドライバ12の動作について図10を
参照して説明する。図中、1つのT分の期間が一選択期
間である。なお、トップゲートドライバ11とボトムゲ
ートドライバ12とは、実質的には信号の入力タイミン
グと基準電圧Vssのレベルが異なり、これに合わせて
出力信号の出力タイミングとレベルとが異なるだけなの
で、ボトムゲートドライバ12については、トップゲー
トドライバ11と異なる部分だけを説明することとす
る。
【0084】図10に示すように、タイミングT0にお
いて、ハイレベル(+25〔V〕)のスタート信号Ds
tがコントローラ14から一番目の段RS(1)に入力
される。スタート信号Dstは、一水平期間が終了する
タイミングT1までの所定期間においてハイレベルのま
まとなっている。
【0085】タイミングT0では、TFT41がオン状
態となり、TFT41のドレイン電極に入力されたハイ
レベルの入力信号(スタート信号Dst)がソース電極
から出力される。TFT42がオフ状態となっているた
め、TFT41のソース電極から出力されたハイレベル
の入力信号によって、容量Ca(1)に電荷が蓄積され
る。容量Ca(1)に電荷が蓄積されることによって、
容量Ca(1)の電位が上昇し、TFT43,44がそ
れぞれオン状態となる。そして、ハイレベルのスタート
信号Dstが入力されている期間はオン状態のTFT4
4のドレイン電極にローレベル(−15〔V〕)のクロ
ック信号CK1が入力され、このローレベルのクロック
信号CK1が当該段RS(1)の出力信号OUT(1)
として出力される。
【0086】タイミングT0後タイミングT1の前に、
スタート信号Dstがローレベルとなり、TFT43,
44がオフ状態となる。なお、この場合、容量Ca
(1)には電荷が蓄積されている。TFT44がオフ状
態となることによって、TFT46のソース電極に定電
圧Vddレベル(+25〔V〕)の信号が出力され、容
量Cb(1)に電荷が蓄積される。容量Cb(1)に電
荷が蓄積されることによって、TFT45がオン状態と
なり、これにより、基準電圧Vssレベル(−15
〔V〕)の信号が当該段RS(1)の出力信号OUT
(1)として出力される。
【0087】次に、タイミングT1でクロック信号CK
1がハイレベル(+25〔V〕)になる。すると、TF
T44のゲート電極及びソース電極並びにそれらの間の
ゲート絶縁膜からなる寄生容量がチャージアップされ
る。すなわち、容量Ca(1)がチャージアップされ、
ブートストラップ効果によって容量Ca(1)の電位が
ゲート飽和電圧に達すると、TFT44のドレイン電極
とソース電極との間に流れる電流が飽和する。これによ
り、当該段RS(1)から出力される出力信号OUT
(1)は、クロック信号CK1と略同電位の+25
〔V〕となり、ハイレベルである。なお、クロック信号
CK1がハイレベルである期間は、TFT44の寄生容
量がチャージアップされることにより、容量Ca(1)
の電位も略+45〔V〕にまで達する。
【0088】次に、タイミングT1後タイミングT2の
前に、クロック信号CK1がローレベル(−15
〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(1)の
レベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄
生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca
(1)の電位が低下する。
【0089】また、タイミングT1からT2までの所定
期間、一番目の段RS(1)から出力されているハイレ
ベルの出力信号OUT(1)は、二番目の段RS(2)
のTFT41のゲート電極及びドレイン電極に入力され
ている。これにより、一番目の段RS(1)にハイレベ
ルのスタート信号Dstが入力された場合と同様に、二
番目の段RS(2)の容量Ca(2)に電荷が蓄積され
る。タイミングT1からT2までの一部の間、二番目の
段RS(2)においては、TFT44がオン状態、TF
T45がオフ状態となる。そして、ハイレベルの入力信
号(出力信号OUT(1))が入力されている期間は、
オン状態のTFT44のドレイン電極にローレベル(−
15〔V〕)のクロック信号CK2が入力され、このロ
ーレベルのクロック信号CK2が当該段RS(2)の出
力信号OUT(2)として出力される。
【0090】次に、タイミングT2になると、クロック
信号CK2がハイレベル(+25〔V〕)になる。する
と、段RS(2)のTFT44のゲート電極及びソース
電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる寄生容量
がチャージアップされる。すなわち、容量Ca(2)が
チャージアップされ、ブートストラップ効果によって容
量Ca(2)の電位がゲート飽和電圧に達すると、TF
T44のドレイン電極とソース電極との間に流れる電流
が飽和する。これにより、当該段RS(2)から出力さ
れる出力信号OUT(2)は、クロック信号CK2と略
同電位の+25〔V〕となり、ハイレベルである。な
お、クロック信号CK2がハイレベルである期間は、T
FT44の寄生容量がチャージアップされることによ
り、容量Ca(2)の電位も略+45〔V〕にまで達す
る。
【0091】また、タイミングT2後タイミングT3前
において、ハイレベルの出力信号OUT(2)が、一番
目の段RS(1)のTFT42のゲート電極に入力され
る。これにより、段RS(1)の容量Ca(1)の電位
は基準電圧Vssとなる。
【0092】次に、タイミングT2後タイミングT3の
前に、クロック信号CK2がローレベル(−15
〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(2)の
レベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄
生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca
(2)の電位が低下する。
【0093】以下同様に、次のタイミングT1までの間
で、一走査期間Q以内に、各段の出力信号OUT(1)
〜OUT(n)が順次ハイレベルとなる。すなわち、ハ
イレベルの出力信号の出力される段が順次次の段にシフ
トしていくようになっている。ハイレベルの出力信号O
UT(1)〜OUT(n)は、次段にシフトされても逓
減することがない。そして、一走査期間Q後に再びスタ
ート信号Dstがハイレベルとなり、以降の段RS
(1)〜段RS(n)で上述の動作が繰り返されるよう
になっている。
【0094】なお、TGLの最終段RS(n)におい
て、ハイレベルの出力信号OUT(n)が次段のダミー
RS(n+1)に出力された後も、容量Ca(n)の電
位はハイレベルのままである。そして、ハイレベルの出
力信号OUT(n)が次段RS(n+1)に出力される
と、ダミー段RS(n+1)の出力信号OUT(n+
1)により、最終段RS(n)のTFT42がオン状態
となり、容量Ca(n)の電位は基準電圧Vssにな
る。同様に、ダミー段RS(n+2)の出力信号OUT
(n+2)により、ダミー段RS(n+1)のTFT4
2がオン状態となり、容量Ca(n+1)の電位は基準
電圧Vssになる。そして、ハイレベルのリセット信号
Dentがダミー段RS(n+2)のTFT42に入力
されることにより、ダミー段RS(n+2)の電位は、
ハイレベルから基準電圧Vssになる。
【0095】また、ボトムゲートドライバ12の動作
は、トップゲートドライバ11の動作とほぼ同じである
が、コントローラ14から入力されるクロック信号CK
1,CK2のハイレベルが+10〔V〕であるため、各
段RS(k)(この場合、kは1〜n)の出力信号ou
t(k)のハイレベルはほぼ+10〔V〕であり、この
際の容量Ca(k)のレベルは+18〔V〕程度であ
る。ボトムゲートドライバ12のクロック信号CK1,
CK2がハイレベルとなっている期間は、トップゲート
ドライバ11のクロック信号CK1,CK2がハイレベ
ルとなっている期間より短い。
【0096】なお、上記のシフトレジスタを適用したト
ップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12
は、コントローラ14からの制御信号群Tcnt,Bc
ntに従って、TGL,BGLを順次選択して所定の電
圧を印加するものである。この制御信号群Tcnt,B
cntに、上記したクロック信号CK1,CK2、スタ
ート信号Dst、リセット信号Dend、定電圧Vdd
及び基準電圧Vssが含まれる。
【0097】次に、指紋読取装置Aにおいて、被験者の
指紋を読み取る際の動作を説明する。
【0098】被験者は、まず、図1に示すように、指先
が指先保持部Bにフィットするように、指先を指先保持
部Bに接触させる。このとき、指先が電荷を帯びた状態
でも、フォトセンサ部10に接触する前に、指先保持部
Bはアースに接続されているので、静電気によりフォト
センサデバイスCが損傷したり、誤作動したりすること
はない。また指先が、指先保持部Bに接触すると、指の
キャパシタが加わることにより指先保持部Bで変位する
電圧又は電流をコントローラ14が検知する。そして、
コントローラ14は、フォトセンスを開始するように制
御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntをそれぞれトッ
プゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ド
レインドライバ13に供給するとともに、バックライト
37に発光信号を供給する。これに応じてバックライト
37が発光し、トップゲートドライバ11、ボトムゲー
トドライバ12,ドレインドライバ13は、フォトセン
サ部10の各DG−TFT10aに適宜信号を出力し、
行毎にフォトセンスする。
【0099】ここで、図7を参照して、フォトセンスに
ついて説明すると、バックライト37から照射される照
射光は、ボトムゲート電極21により、直接、半導体膜
23には入射されず、保護絶縁膜31に向かって進行す
る。指先Fの凸部は、保護絶縁膜31に接触しており、
指先Fに当たった照射光は乱反射し、凸部の直下に配置
されたDG−TFT10aの半導体膜23に入射され、
半導体膜23で光量に応じて電子−正孔対が生成される
(図7矢印Q1参照)。一方、指先Fの凹部は、保護絶
縁膜31に接触していないので乱反射が起こらず、その
直下のDG−TFT10aの半導体膜23に、充分なキ
ャリアが生成される程の光が入射されることはない(図
7矢印Q2参照)。
【0100】DG−TFT10aは、生成された電子−
正孔対のうちの正孔を、トップゲート電極TGに印加さ
れたキャリア蓄積電圧(−15〔V〕)により、半導体
膜23及びトップゲート絶縁膜29に蓄積させ、この正
孔による電荷がキャリア蓄積電圧の影響を緩和させる。
一定時間経過後、ボトムゲート電極BGの電位は、チャ
ネル非形成電圧(0〔V〕)からチャネル形成電圧(+
10〔V〕)に変わると、蓄積された正孔の量が多い
程、言い換えると、入射された光の量が多い程、DG−
TFT10aでドレイン電流値が大きくなり、DLの電
位の変位も大きくなる。そして、ドレインドライバ13
は、DLの電位を行毎に読み取り、データ信号DATA
に変換してコントローラ14に出力し、その結果、被験
者の指紋パターンが読み取られるようになっている。
【0101】上述した指紋パターンを読み取る動作にお
いて、フォトセンサ部10に備えられているDG−TF
T10aの具体的な動作について、図11(a)〜
(i)に示す模式図を参照して説明する。なお、以下の
説明において、1Tの期間は、図10に示す1T分の一
選択期間と同じ長さを有するものとし、各タイミングは
図10に示すタイミングと同様である。また、説明を簡
単にするため、フォトセンサ部10に配置されているD
G−TFT10aのうち、最初の三行のみを考えること
とする。
【0102】まず、タイミングT1からT2までの1T
の期間において、図11(a)に示すように、トップゲ
ートドライバ11は、一行目のTGLに+25〔V〕を
印加し、二、三行目(他の全行)のTGLに−15
〔V〕を印加する。すなわち、トップゲートドライバ1
1の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力さ
れ、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信
号が出力される。一方、ボトムゲートドライバ12は、
すべてのBGLに0〔V〕を印加する。すなわち、ボト
ムゲートドライバ12の段RS(1)〜RS(3)から
ローレベルの出力信号が出力される。この期間におい
て、一行目のDG−TFT10aがリセット状態(図6
(a)参照)となり、二、三行目のDG−TFT10a
が前の垂直期間での読み出し状態を終了した状態(フォ
トセンスに影響しない状態)となる。
【0103】次に、タイミングT2からT3までの1T
の期間において、図11(b)に示すように、ハイレベ
ルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS
(2)にシフトして、トップゲートドライバ11は、二
行目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−
15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ1
2は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間
において、一行目のDG−TFT10aがフォトセンス
状態(図6(e)参照)となり、二行目のDG−TFT
10aがリセット状態(図6(a)参照)となり、三行
目のDG−TFT10aが前の垂直期間での読み出し状
態を終了した状態(フォトセンスに影響しない状態)と
なる。
【0104】次に、タイミングT3からT4までの1T
の期間において、図11(c)に示すように、ハイレベ
ルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS
(3)にシフトして、トップゲートドライバ4は、三行
目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−1
5〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間に
おいて、一、二行目のDG−TFT10aがフォトセン
ス状態(図6(e)参照)となり、三行目のDG−TF
T10aがリセット状態(図6(a)参照)となる。
【0105】次に、タイミングT4からT4.5までの
0.5Tの期間において、図11(d)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、すべての行のDG−TFT
10aがフォトセンス状態(図6(e)参照)となる。
【0106】次に、タイミングT4.5からT5までの
0.5Tの期間において、図11(e)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ5は、
一行目のBGLに+10〔V〕を印加し、他のBGLに
0〔V〕を印加する。すなわち、ボトムゲートドライバ
12の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力さ
れ、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信
号が出力される。この期間において、一行目のDG−T
FT10aが第一または第二の読み出し状態(図6
(d)又は(f)参照)となり、二、三行目のDG−T
FT10aがフォトセンス状態(図6(e)参照)のま
まとなる。
【0107】ここで、一行目のDG−TFT10aで
は、フォトセンス状態となっていたタイミングT2から
T4.5までの期間で十分な光が半導体膜23に照射さ
れていると、第二の読み出し状態(図6(f)参照)と
なって半導体膜23内にnチャネルが形成されるため、
対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、
タイミングT2からT4.5までの期間で十分な光が半
導体膜23に照射されていないと、第一の読み出し状態
(図6(d)参照)となって半導体膜23内のnチャネ
ルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はデ
ィスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイ
ミングT4.5からT5までの期間で各DL上の電位を
読み出して、データ信号DATAに変換し、一行目のD
G−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ
14に供給する。
【0108】次に、タイミングT5からT5.5までの
0.5Tの期間において、図11(f)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、一行目のDG−TFT10
aが読み出しを終了した状態となり、二、三行目のDG
−TFT10aがフォトセンス状態(図6(e)参照)
となる。なお、タイミングT5からT5.5の間では、
ボトムゲートドライバ12の段RS(1)のハイレベル
の出力信号が段RS(2)に入力されるが、段RS
(2)に入力されるクロック信号CK2がハイレベルに
なっていないため、二行目のBGLが0〔V〕に印加さ
れている。
【0109】次に、タイミングT5.5からT6までの
0.5Tの期間において、図11(g)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボト
ムゲートドライバ12の段RS(2)にシフトして、ボ
トムゲートドライバ12は、二行目のBGLに+10
〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。こ
の期間において、一行目のDG−TFT10aが読み出
しを終了した状態となり、二行目のDG−TFT10a
が第一または第二の読み出し状態(図6(d)または
(f)参照)となり、三行目のDG−TFT10aがフ
ォトセンス状態(図6(e)参照)となる。
【0110】ここで、二行目のDG−TFT10aで
は、フォトセンス状態となっていたタイミングT3から
T5.5までの期間で十分な光が半導体膜23に照射さ
れていると、第二の読み出し状態(図6(f)参照)と
なって半導体膜23内にnチャネルが形成されるため、
対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、
タイミングT3からT5.5までの期間で十分な光が半
導体膜23に照射されていないと、第一の読み出し状態
(図6(d)参照)となって半導体膜23内のnチャネ
ルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はデ
ィスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイ
ミングT5.5からT6までの期間で各DL上の電位を
読み出して、データ信号DATAに変換し、二行目のD
G−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ
14に供給する。
【0111】次に、タイミングT6からT6.5までの
0.5Tの期間において、図11(h)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12
は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレ
インドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印
加する。この期間において、一、二行目のDG−TFT
10aが読み出しを終了した状態となり、三行目のDG
−TFT10aがフォトセンス状態(図6(e)参照)
となる。
【0112】次に、タイミングT6.5からT7までの
0.5Tの期間において、図11(i)に示すように、
トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15
〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボト
ムゲートドライバ12の段RS(3)にシフトして、ボ
トムゲートドライバ12は、三行目のBGLに+10
〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。こ
の期間において、一、二行目のDG−TFT10aが読
み出しを終了した状態となり、三行目のDG−TFT1
0aが第一または第二の読み出し状態(図6(d)また
は(f)参照)となる。
【0113】ここで、三行目のDG−TFT10aで
は、フォトセンス状態となっていたタイミングT4から
T6.5までの期間で十分な光が半導体膜23に照射さ
れていると、第二の読み出し状態(図6(f)参照)と
なって半導体膜23内にnチャネルが形成されるため、
対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、
タイミングT4からT6.5までの期間で十分な光が半
導体膜23に照射されていないと、第一の読み出し状態
(図6(d)参照)となって半導体膜23内のnチャネ
ルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はデ
ィスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイ
ミングT6.5からT7までの期間で各DL上の電位を
読み出して、データ信号DATAに変換し、三行目のD
G−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ
14に供給する。
【0114】こうしてドレインドライバ13から行毎に
供給されたデータ信号DATAに対して、コントローラ
14が所定の処理を行うことで、被験者の指先Fの指紋
パターンが読み取られるようになっている。
【0115】[第二の実施の形態]次に、本発明のDG
−TFTの製造方法の第二の実施の形態について、図1
2を参照して説明する。なお、本実施の形態に係るDG
−TFTの構造は、第一の実施の形態で説明した構造と
略同様であるので、同一の構成要素に同一の符号を付し
て詳細な説明を省略する。また、本実施の形態における
DG−TFTの製造方法に関して、第一の実施の形態で
説明したDG−TFTの製造方法と略同様であるので、
特徴的な工程だけを中心に説明する。なお、後述する第
三及び第四の実施の形態についても、同様に特徴的な工
程だけを説明する。
【0116】本実施の形態では、第一の実施の形態で説
明した不純物半導体膜分割工程とトランジスタ領域形成
工程において、トランジスタ領域形成工程が先に行わ
れ、その後に、不純物半導体膜分割工程が行われること
を特徴としている。
【0117】具体的に説明すると、トランジスタ領域形
成工程では、図12(a),(b)に示すように、絶縁
性基板20上に、パターニングされて所定の形状に加工
形成されたボトムゲート電極BG,ボトムゲート絶縁膜
22,半導体膜23,パターニングされて所定の形状に
加工形成されたチャネル保護膜24a,及び不純物膜2
5aが順次成膜された状態において、トランジスタ領域
28がレジストR2で覆われる。そして、プラズマエッ
チングにより、トランジスタ領域28以外の(レジスト
R2で覆われていない)不純物膜25a及び半導体膜2
3が除去され、不純物膜25aの外側の端面25f及び
半導体膜23の外側の端面23aを露出させる。この工
程では、不純物膜25a及び半導体膜23を除去するの
に必要な時間/露光量だけ紫外線が照射されるが、パタ
ーニング後に残される不純物膜25a、チャネル保護膜
24a及びチャネル保護膜24a下方の半導体膜23
は、レジストR2により覆われているので紫外線から保
護されている。そしてレジストR2を残した状態で酸素
プラズマアッシングを行い、露出された不純物膜25a
の端面25f及び半導体膜23の端面23aを酸化膜と
し、その後レジストR2が除去され、図12(c),
(d)に示す状態とされる。この状態においては、トラ
ンジスタ領域28内に半導体膜23,チャネル保護膜2
4a及び不純物膜25aが、ボトムゲート絶縁膜22上
に除去されずに島状に残された状態とされている。
【0118】上述のトランジスタ領域形成工程の後に、
不純物半導体膜分割工程が行われる。不純物半導体膜分
割工程では、図12(e),(f)に示すように、半導
体膜23及びチャネル保護膜24a上に成膜された不純
物膜25aを、ソース電極側とドレイン電極側に分割す
るために、スリット状の除去部27を設け、この除去部
27を除く部分がレジストR1で覆われる。そして、プ
ラズマエッチングにより不純物膜25aの除去部27が
除去されるが、プラズマエッチングでの紫外線照射時間
/露光量は不純物膜25aを除去するのに必要な時間/
露光量のみでよい。次いでレジストR1を残した状態で
酸素プラズマアッシングにより、露出された不純物膜2
5a、26の端面25e、26eを酸化膜とする。その
後ウェットエッチングにより、レジストR1が除去さ
れ、図12(g),(h)に示す状態とされる。この状
態においては、不純物膜25aがソース電極及びドレイ
ン電極の下部に配置されるように分割された不純物膜2
5a,26とされ、この不純物膜25a,26間にスリ
ット状にチャネル保護膜24aが露出した状態となって
いる。
【0119】以上、第二の実施の形態に係るDG−TF
Tの製造方法によれば、第一の実施の形態で説明した製
造方法と同様に、不純物半導体膜分割工程とトランジス
タ領域形成工程とが別々に行われるので紫外線照射部3
5(図12(e),(g)参照)に与えるプラズマダメ
ージを大幅に低減することができる。ここで、第一の実
施の形態で説明した製造方法では、不純物半導体膜分割
工程が先に行われ、その後にトランジスタ領域形成工程
が行われるが、不純物半導体膜分割工程においてエッチ
ング時間/露光量が短時間であった場合に、エッチング
時の反応生成物が充分に除去されない状態で、この反応
生成物が、レジストR1で覆われていない不純物膜25
aの除去部27の端部に付着して残る可能性がある。こ
の場合に、完成されたDG−TFT10aを駆動させる
と、チャネル部間が完全に分離されないことにより、チ
ャネル部間でリーク電流が流れ、DG−TFT10aの
加工不良を招く可能性がある。しかしながら、本実施の
形態に係る製造方法によれば、トランジスタ領域形成工
程が先に行われ、その後に、不純物半導体膜分割工程が
行われるので、トランジスタ領域形成工程において充分
な時間/露光量のエッチングを行うことができ、エッチ
ング時の反応生成物を充分に除去することができる。こ
れにより、加工不良の要因となるチャネル部間のリーク
電流を防止でき、加工精度の高いDG−TFT10aを
製造することができる。
【0120】[第三の実施の形態]以下、本発明のDG
−TFTの製造方法の第三の実施の形態について、図1
3を参照して説明する。本実施の形態においては、第二
の実施の形態と同様に、トランジスタ領域形成工程の後
に、不純物半導体膜分割工程が行われる。トランジスタ
領域形成工程(図13(a)〜図13(d)参照)は、
第二の実施の形態で説明した工程(図12(a)〜図1
2(d)参照)と同様である。ただしこの工程中で、露
出された不純物膜25aの外側の端面25f及び半導体
膜23の外側の端面23aを酸化させる酸素プラズマア
ッシングを行わなくてもよい。
【0121】そして、不純物半導体膜分割工程では、図
13(e),(f)に示すように、トランジスタ領域形
成工程においてボトムゲート絶縁膜22上に島状に残さ
れたトランジスタ領域28(図13(a)〜(d)参
照)の不純物膜25aのうち、ソース電極及びドレイン
電極に覆われる電極形成領域36のみが、レジストR1
a,R1bにより二箇所について覆われる。言い換える
と、図13(a)〜(d)に示すトランジスタ領域28
の不純物膜25aは、平面視して略エ字状(図13
(f)参照)に露出した部分が残されて、レジストR1
a,R1bで覆われる。なお、電極形成領域36は、長
方形状の領域が二箇所について略平行に配列されている
ものであって、この電極形成領域36上にソース電極及
びドレイン電極が設けられるようになっている。その
後、プラズマエッチングにより、略エ字状に露出した不
純物膜25aが除去されるが、プラズマエッチングでの
紫外線照射時間/露光量は不純物膜25aを除去するの
に必要な時間/露光量のみでよい。そしてレジストR1
a,R1bを残した状態で酸素プラズマアッシングを行
い、露出された不純物膜25a、26の端面25e、2
5f、26e、26f及び半導体膜23の端面23aを
酸化膜とする。次いでウェットエッチングにより、レジ
ストR1a,R1bが除去され、図13(g),(h)
に示す状態とされる。この状態においては、不純物膜2
5aがソース電極及びドレイン電極の下部に配置される
ように分割された不純物膜25a,26とされるととも
に、チャネル保護膜24aが、この不純物膜25a,2
6の一端部側に重なり、平面視して略I字状(図13
(h)参照)に露出した状態となっている。
【0122】以上、第三の実施の形態に係るDG−TF
Tの製造方法によれば、電極形成領域36の不純物膜2
5aがレジストR1a,R1bにより覆われるので、不
純物半導体膜分割工程においては、トランジスタ領域2
8のうち電極形成領域36以外の不純物膜25aが除去
される。この場合、第一乃至第二の実施の形態で説明し
た不純物膜25aの除去部27だけの除去とは異なり、
トランジスタ領域28の端部の不純物膜25a、すなわ
ち、チャネル部を形成するのに無関係な不純物膜25a
(図13(f)中、符号25c参照)を除去することが
できる。従って、DG−TFT10aを駆動させた際の
リーク電流を確実に防止でき、より確実に加工不良の少
ないDG−TFT10aを提供することができる。
【0123】[第四の実施の形態]以下、本発明のDG
−TFTの製造方法の第四の実施の形態について、図1
4を参照して説明する。本実施の形態では、まず、絶縁
性基板20上に、パターニングされたボトムゲート電極
BGと、ボトムゲート絶縁膜22と、半導体膜23と、
パターニングされたチャネル保護膜24aと、不純物膜
25aとが順次成膜された状態で、不純物膜25aがソ
ース電極及びドレイン電極の下部に配置されるように、
半導体膜23を残した状態で不純物膜25aをパターニ
ングする不純物膜パターニング工程が行われる。
【0124】具体的に説明すると、不純物膜パターニン
グ工程では、図14(a),(b)に示すように、成膜
された不純物膜25aのうち、ソース電極とドレイン電
極の下部に配置される電極形成領域36の不純物膜25
aが、レジストR3により覆われる。そして、プラズマ
エッチングにより、電極形成領域36以外の(レジスト
R3で覆われていない)不純物膜25aだけを除去す
る。プラズマエッチングでの紫外線照射時間/露光量は
不純物膜25aを除去するのに必要な時間/露光量のみ
でよい。そしてレジストR3を残した状態で酸素プラズ
マアッシングを行い、露出された不純物膜25a、26
の端面25e、25f、26e、26fを酸化膜とす
る。次いでウェットエッチングにより、レジストR3を
除去し、図14(c),(d)に示す状態とする。この
状態においては、不純物膜25aがソース電極及びドレ
イン電極の下部に配置されるようにパターニングされ
て、電極形成領域36に所定形状に加工形成された不純
物膜25a,26とされるとともに、チャネル保護膜2
4aが、この不純物膜25a,26の一端部側に重な
り、平面視して略I字状に露出した状態となっている。
それ以外の領域については、半導体膜23が露出した状
態となっている。
【0125】そして、不純物膜パターニング工程の後
に、該不純物膜パターニング工程で残された半導体膜2
3及びパターニングされた不純物膜25a,26をトラ
ンジスタ領域28内に残すように、前記残された半導体
膜23をパターニングする半導体膜パターニング工程が
行われる。この半導体膜パターニング工程では、図14
(e),(f)に示すように、電極形成領域36を含む
トランジスタ領域28の不純物膜25a,26及びチャ
ネル保護膜24aをレジストR4で覆う。その後、プラ
ズマエッチングにより、トランジスタ領域28以外の
(レジストR4で覆われていない)半導体膜23を除去
する。この工程では、半導体膜23を除去するのに必要
な時間/露光量だけ紫外線が照射されるが、パターニン
グ後に残される不純物膜25a、26、チャネル保護膜
24a及びチャネル保護膜24a下方の半導体膜23
は、レジストR4により覆われているので紫外線から保
護されている。そしてレジストR4を残した状態で酸素
プラズマアッシングにより露出された不純物膜25a、
26の端面25f、26f及び半導体膜23の端面23
aを酸化膜とし、ウェットエッチングによりレジストR
4を除去し、図14(g),(h)に示す状態とする。
この状態においては、不純物膜25a,26は、不純物
膜パターニング工程によりパターニングされた状態を保
持しており、チャネル保護膜24aは、不純物膜25
a,26の一端部側に重なり、平面視して略I字状に露
出した状態となっている。
【0126】以上、第四の実施の形態に係るDG−TF
Tの製造方法によれば、不純物膜パターニング工程では
不純物膜25a一膜だけが除去され、半導体膜パターニ
ング工程では半導体膜23一膜だけが除去される。従っ
て、不純物膜パターニング工程においては、不純物膜2
5aをパターニングする際に不純物膜25a一膜だけの
エッチング時間/露光量で足りるので、紫外線照射部3
5への余計な時間/露光量分の紫外線が照射されること
はなく、紫外線照射部35に与えるプラズマダメージを
低減することができる。また、不純物膜パターニング工
程及び半導体膜パターニング工程の両工程においてエッ
チングが行われる際に、半導体膜23の下部に成膜され
たボトムゲート絶縁膜22が露出された状態でエッチン
グが行われることはないので、このボトムゲート絶縁膜
22に対するエッチングダメージを低減することができ
る。
【0127】なお、上記各実施の形態では光学的なセン
サに関する読取装置について説明したが、これに限らず
指先の凹凸の差による容量の差により指紋を検知するセ
ンサにおいても同様の効果をもたらすことができる。こ
の場合、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドラ
イバ12,ドレインドライバ13の代わりに、マトリク
ス状に設けられた複数の容量検出型センサからの電位を
読み取る駆動回路が設けられればよい。
【0128】本実施の形態では、指先保持部Bは接地さ
れていたが、基準電位を接地電位とし、定期的に上及び
/又は下に振れる微弱な波形信号が印加されるようにし
て、コントローラ14が、指先の接触による波形信号の
乱れを検知して、フォトセンスを開始するように制御信
号群Tcnt,Bcnt,Dcntを出力するととも
に、バックライト37に発光信号を出力するようにして
もよい。
【0129】本実施の形態に係る読取装置は、携帯電話
等の情報端末、パーソナルコンピュータに付属して未登
録者のアクセス制限するため、またドアや出入り口に配
置することで予め登録されていない者の侵入防止を行う
ため、の個人認証デバイスに適用することができる。
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、不純物半導体膜分割工
程とトランジスタ領域形成工程が別々に行われるので、
チャネル保護膜と半導体膜との界面及びその近傍の半導
体膜に与える不必要なプラズマダメージを防ぐことがで
きる。また、不純物膜パターニング工程と半導体膜パタ
ーニング工程とを別々に行うことにより、半導体膜の下
に成膜されたボトムゲート絶縁膜へのエッチングダメー
ジを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る指紋読取装置のフォトセン
サデバイスの回路構成を示す図である。
【図2】図1におけるX−X断面を示す断面図である。
【図3】前記指紋読取装置に設けられたフォトセンサ部
のダブルゲート型薄膜トランジスタの具体的な態様を示
す平面図である。
【図4】前記ダブルゲート型薄膜トランジスタの具体的
な態様を示す図であり、図3におけるY−Y断面を示す
断面図である。
【図5】第一の実施の形態に係るダブルゲート型薄膜ト
ランジスタの製造方法を説明するための(a),
(c),(e),(g)断面図、(b),(d),
(f),(h)平面図である。
【図6】前記フォトセンサ部を構成するダブルゲート型
薄膜トランジスタの駆動原理を説明するための模式図で
ある。
【図7】前記指紋読取装置において、指先の凹凸をフォ
トセンスする場合を説明するための図である。
【図8】本実施の形態に係るドライバ回路部を構成する
トップゲートドライバ又はボトムゲートドライバの全体
構成を示す図である。
【図9】前記トップゲートドライバ又はボトムゲートド
ライバの各段の回路構成を示す図である。
【図10】前記トップゲートドライバ又はボトムゲート
ドライバの動作を示すタイミングチャートである。
【図11】前記指紋読取装置において、被験者の指紋読
取動作を説明するための模式図である。
【図12】第二の実施の形態に係るダブルゲート型薄膜
トランジスタの製造方法を説明するための(a),
(c),(e),(g)断面図、(b),(d),
(f),(h)平面図である。
【図13】第三の実施の形態に係るダブルゲート型薄膜
トランジスタの製造方法を説明するための(a),
(c),(e),(g)断面図、(b),(d),
(f),(h)平面図である。
【図14】第四の実施の形態に係るダブルゲート型薄膜
トランジスタの製造方法を説明するための(a),
(c),(e),(g)断面図、(b),(d),
(f),(h)平面図である。
【図15】従来のダブルゲート型薄膜トランジスタの積
層構造を示す断面図である。
【図16】従来のダブルゲート型薄膜トランジスタの製
造方法を説明するための(a),(c),(e)断面
図、(b),(d),(f)平面図である。
【符号の説明】
DG−TFT ダブルゲート型薄膜トランジスタ A 指紋読取装置(読取装置) B 指先保持部 C フォトセンサデバイス S ソース電極 D ドレイン電極 TG トップゲート電極 BG ボトムゲート電極 R1 レジスト(第一のレジスト) R2 レジスト(第二のレジスト) 10 フォトセンサ部(センサ部) 20 絶縁性基板 22 ボトムゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜) 23 半導体膜 24a(24b) チャネル保護膜 25a(25b) 不純物半導体膜 27 除去部 28 トランジスタ領域(各トランジスタの領域) 36 電極形成領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 誠 東京都八王子市石川町2951番地5 カシオ 計算機株式会社八王子研究所内 Fターム(参考) 4M118 AA10 AB01 BA05 CA11 CA19 CB06 CB07 FB03 FB09 FB13 GA02 GA03 5F049 MA15 MB03 MB05 NA20 NB03 PA14 RA04 SE04 SE05 SS01 UA20 5F110 AA30 BB10 CC07 EE03 EE04 EE06 EE07 EE30 FF03 GG02 GG13 GG15 GG25 GG35 HK03 HK04 HK06 HK09 HK16 HK21 HK33 HM04 NN01 NN12 NN24 QQ04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャネル部を形成する半導体膜の両端に積
    層されるソース電極及びドレイン電極と、前記チャネル
    部を形成する半導体膜を挟んで互いに対向して配置され
    るボトムゲート電極及びトップゲート電極とを備える薄
    膜トランジスタの製造方法であって、 絶縁性基板上に、パターニングされたボトムゲート電極
    と、ゲート絶縁膜と、半導体膜と、パターニングされた
    チャネル保護膜と、不純物半導体膜とが順次成膜された
    状態で、前記チャネル保護膜上に成膜された前記不純物
    半導体膜を前記ソース電極及びドレイン電極のそれぞれ
    の下部に配置されるように分割する不純物半導体膜分割
    工程と、前記半導体膜及び前記不純物半導体膜を各トラ
    ンジスタの領域内に残すようにパターニングするトラン
    ジスタ領域形成工程とを備え、 前記トランジスタ領域形成工程と前記不純物半導体膜分
    割工程とが別々に行われることを特徴とする薄膜トラン
    ジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方
    法において、 前記不純物半導体膜分割工程では、チャネル保護膜上の
    不純物半導体膜を前記ソース電極側と前記ドレイン電極
    側に分割するために除去される不純物半導体膜の除去部
    を除く不純物半導体膜を第一のレジストで覆い、前記除
    去部を除去するとともに、前記第一のレジストを除去
    し、 前記トランジスタ領域形成工程では、各トランジスタの
    領域内に残される半導体膜上の不純物半導体膜及びチャ
    ネル保護膜を第二のレジストで覆い、該第二のレジスト
    に覆われていない不純物半導体膜及び半導体膜を除去す
    るとともに、前記第二のレジストを除去し、 前記不純物半導体膜分割工程の後に、前記トランジスタ
    領域形成工程が行われることを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方
    法において、 前記不純物半導体膜分割工程では、チャネル保護膜上の
    不純物半導体膜を前記ソース電極側と前記ドレイン電極
    側に分割するために除去される不純物半導体膜の除去部
    を除く不純物半導体膜を第一のレジストで覆い、前記除
    去部を除去するとともに、前記第一のレジストを除去
    し、 前記トランジスタ領域形成工程では、各トランジスタの
    領域内に残される半導体膜上の不純物半導体膜及びチャ
    ネル保護膜を第二のレジストで覆い、該第二のレジスト
    に覆われていない不純物半導体膜及び半導体膜を除去す
    るとともに、前記第二のレジストを除去し、 前記トランジスタ領域形成工程の後に、前記不純物半導
    体膜分割工程が行われることを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の薄膜トランジスタの製造方
    法において、 前記不純物半導体膜分割工程に用いられる第一のレジス
    トは、前記各トランジスタの領域内のうち、ソース電極
    及びドレイン電極の下部に配置される電極形成領域の不
    純物半導体膜のみを覆うことを特徴とする薄膜トランジ
    スタの製造方法。
  5. 【請求項5】チャネル部を形成する半導体膜の両端に積
    層されるソース電極及びドレイン電極と、前記チャネル
    部を形成する半導体膜を挟んで互いに対向して配置され
    るボトムゲート電極及びトップゲート電極とを備える薄
    膜トランジスタの製造方法であって、 絶縁性基板上に、パターニングされたボトムゲート電極
    と、ゲート絶縁膜と、半導体膜と、パターニングされた
    チャネル保護膜と、不純物半導体膜とが順次成膜された
    状態で、 前記不純物半導体膜が前記ソース電極及びドレイン電極
    の下部に配置されるように、前記半導体膜を残した状態
    で前記不純物半導体膜をパターニングする不純物膜パタ
    ーニング工程が行われ、 該不純物膜パターニング工程の後に、該不純物膜パター
    ニング工程で残された半導体膜及びパターニングされた
    不純物半導体膜を各トランジスタの領域内に残すよう
    に、前記残された半導体膜をパターニングする半導体膜
    パターニング工程が行われることを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一つに記載の薄膜
    トランジスタの製造方法において、前記不純物半導体膜
    分割工程及び前記トランジスタ領域形成工程はプラズマ
    エッチングを含むことを特徴とする薄膜トランジスタの
    製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つに記載の薄膜
    トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジ
    スタを用いることを特徴とするフォトセンサ。
  8. 【請求項8】請求項7記載のフォトセンサを備える読取
    装置において、 前記フォトセンサをマトリクス状に配置して被検体を読
    み取るセンサ部と、 該センサ部を駆動させるために駆動信号を送るドライバ
    回路部とを備えることを特徴とする読取装置。
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