JP2003036727A - 導電性高分子材料並びに固体電解コンデンサ - Google Patents

導電性高分子材料並びに固体電解コンデンサ

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JP2003036727A
JP2003036727A JP2001221054A JP2001221054A JP2003036727A JP 2003036727 A JP2003036727 A JP 2003036727A JP 2001221054 A JP2001221054 A JP 2001221054A JP 2001221054 A JP2001221054 A JP 2001221054A JP 2003036727 A JP2003036727 A JP 2003036727A
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formula
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hydrogen atom
carbon atoms
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JP2001221054A
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English (en)
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Masahiro Kuwabara
昌宏 桑原
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐湿性に優れた導電性高分子材料、
およびそれを用いた固体電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 導電性高分子材料は、電子共役系構造を
有する高分子物質中に、下記一般式[1]で表わされる
m−フルオロベンゼンスルホン酸誘導体を含有してな
る。 【化1】 [1]式中、Xはスルホン酸基であり、R1〜R4のうち
1つが下記一般式[2]で表されるカルボキサミド基で
あり、他の3つは、水素原子、フッ素原子またはアルキ
ル基を表わす。固体電解コンデンサは、前記導電性高分
子材料を陰極導電材料として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性を有する高
分子材料およびそれを用いた固体電解コンデンサに関
し、さらに詳しくは耐熱性および耐湿性に優れ、固体電
解コンデンサの製造に好適な導電性高分子材料、および
それを陰極導電材料として適用した固体電解コンデンサ
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、エレクトロニクスの発展に
ともなって、新しいエレクトロニクス材料が開発されて
いる。特に機能性有機材料の分野においてめざましい技
術革新が進み、導電性材料に限ってみても、ポリアセチ
レン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリ
ンなどの電子共役系高分子物質に、電子受容性化合物を
ドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発さ
れ、例えば、キャパシタ電極材料、電池電極材料、帯電
防止材料等として既に実用化されている例もある。
【0003】ところで、固体電解コンデンサには、タン
タル、アルミニウムなどの金属を陽極とし、この陽極表
面にタンタル、アルミニウムなどの酸化被膜を誘電体と
して形成させ、一方、二酸化マンガンをテトラシアノキ
ノジメタン(TCNQ)錯塩を陰極とするものが開発さ
れている。しかしながら、二酸化マンガンを陰極とする
固体電解コンデンサを使用すると、二酸化マンガンの導
電率が小さいために高周波領域でのインピーダンスが大
きくなったり、またTCNQ錯塩が熱分解しやすいため
に耐熱性が乏しいこと等が指摘されている。
【0004】そこで、前述したポリピロール、ポリアニ
リンなどの導電性高分子物質を陰極として用いると、こ
れらの導電性高分子物質は、二酸化マンガンよりも導電
率が高く、またTCNQ錯塩よりも耐熱性に優れる特性
が見出されている。
【0005】この特性に注目して、これらの導電性高分
子物質を陰極として使用した固体電解コンデンサについ
て、多くの改良の提案がなされている。例えば、特開昭
60−37114号公報には、ドーパントがドープされ
た複素五員環化合物重合体を固体電解質とする固体電解
コンデンサが開示されており、また、特開平6−291
59号公報には、ポリアニリンを固体電解質とする固体
電解コンデンサが記載されている。
【0006】しかしながら、情報電子機器用素子には一
層の高性能化および高信頼性が求められているため、固
体電解コンデンサには、さらに高周波領域まで良好なイ
ンピーダンス特性を有する材料の開発が望まれている。
加えて、電子部品として実用化するには、環境安定性に
優れていることも望まれ、高温・高湿度下においても電
気特性変化の少ないことも重要な要求特性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、耐
湿性に優れた導電性高分子材料、およびそれを用いた固
体電解コンデンサの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子共役系分
子構造を有する高分子物質中に、下記一般式[1]で表
わされるm-フルオロベンゼンスルホン酸誘導体を含有し
てなることを特徴とする導電性高分子材料を提供する。
【0009】
【化6】 [1]式中、Xはスルホン酸基であり、R1〜R4のうち
1つは下記一般式[2]で表されるカルボキサミド基で
あり、
【化7】 他の3つは、互いに同一でも異なってもよく、水素原
子、フッ素原子または炭素数20以下のアルキル基を表
し、[2]式中、R5およびR6は、互いに同一でも異な
ってもよく、水素原子、炭素数20以下のアルキル基ま
たはフェニル基を表わす。
【0010】前記高分子物質が、下記一般式[3]、
[4]または[5]で表される少なくとも1種の繰り返
し単位を有する共役系高分子化合物であることが好まし
い。
【0011】
【化8】 [3]式中、R7およびR8は互いに同一でも異なっても
よく、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、環
状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。ま
た、*は繰り返し単位の結合位置を示す([4]式、
[5]式も同様)。
【0012】
【化9】 [4]式中、R9およびR10は互いに同一でも異なって
もよく、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、
環状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。
【0013】
【化10】 [5]式中、R11〜R14は互いに同一でも異なってもよ
く、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、環
状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。
【0014】また本発明により、前記の導電性高分子材
料を陰極導電材料として使用する固体電解コンデンサを
提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わる導電性高分
子材料およびそれを用いた固体電解コンデンサについて
具体的に説明する。
【0016】本発明に関わる導電性高分子材料は、電子
共役系分子構造を有する高分子物質中に、下記一般式
[1]で表わされるm-フルオロベンゼンスルホン酸誘導
体が含有されている。
【0017】
【化11】 [1]式中、Xはスルホン酸基であり、R1〜R4のうち
1つは下記一般式[2]で表されるカルボキサミド基で
あり、
【化12】 他の3つは、互いに同一でも異なってもよく、水素原
子、フッ素原子または炭素数20以下のアルキル基を表
し、[2]式中、R5およびR6は、互いに同一でも異な
ってもよく、水素原子、炭素数20以下のアルキル基ま
たはフェニル基を表わす。
【0018】前記一般式[1]で表されるm-フルオロベ
ンゼンスルホン酸誘導体を具体的に例示すると、4−フ
ルオロ−2−スルホベンズアミド、5−フルオロ−3−
スルホベンズアミド、4−フルオロ−2−スルホ−N−
ヘキシルベンズアミド、4−フルオロ−2−スルホベン
ズアミド ナトリウム塩、トリス−(4−フルオロ−2
−スルホベンズアミド)鉄(III)錯塩、4,5−ジフ
ルオロ−2−スルホベンズアミド4,5,6−トリフル
オロ−2−スルホベンズアミド、4−フルオロ−2−ス
ルホ−N−ドデシルベンズアミド、4−フルオロ−2−
スルホベンズアニリド等が挙げるられる。これらはスル
ホン酸基が陰イオンの状態であってもよい。
【0019】前記一般式[1]において、R1〜R4のう
ち、前記一般式[2]で表わされるカルボキサミド基以
外が水素原子であることが好ましい。さらには前記一般
式[2]においてR5およびR6の少なくとも1つが水素
原子であることが好ましい。これらの中では、4−フル
オロ−2−スルホベンズアミドが最も好適な化合物であ
る。
【0020】一般式[1]で表わされるm-フルオロベン
ゼンスルホン酸誘導体の製造方法は、特に限定されない
が、例えば、スルホン酸基を有しない前駆体化合物を原
料として、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、三酸化硫黄−
ピリジン錯体、アミド硫酸等の適当なスルホン化剤と接
触させてスルホン化する方法等で製造することができ
る。
【0021】前記のスルホン化反応を用いる合成反応に
際して、反応条件は特に限定されない。例えば、原料を
構成するm-フルオロベンゼンスルホン酸誘導体前駆体と
スルホン化剤との反応の比率は、通常1:1〜1:20
0(モル比)の範囲で行われる。また、反応溶媒は必ず
しも必要としないが、使用する場合には、原料であるm-
フルオロベンゼンスルホン酸誘導体前駆体およびスルホ
ン化剤を溶解し、かつ溶媒自体がスルホン化されないも
のであればよく、例えばジクロロエタン、四塩化炭素、
ジオキサン等を挙げることができる。
【0022】反応温度は、適度な反応速度を示し、急激
な発熱による副反応の進行が避けられ、さらに原料であ
るm-フルオロベンゼンスルホン酸誘導体前駆体および生
成物であるm-フルオロベンゼンスルホン酸誘導体が分解
しない温度であれば、特に限定されず、通常0〜150
℃で行われる。このような反応条件を採用することによ
って、高い収率で、m-フルオロベンゼンスルホン酸誘導
体を合成することができる。得られたm-フルオロベンゼ
ンスルホン酸誘導体は、核磁気共鳴スペクトル、質量分
析スペクトルにより構造を同定することができる。
【0023】本発明に係わるm-フルオロベンゼンスルホ
ン酸誘導体は、電子共役系高分子物質にドーピングする
ドーパント剤として有用であり、長期に亘って導電性を
発現する導電性高分子材料を与える。電子共役系高分子
物質としては、電子共役系の分子構造を有する高分子化
合物であればいずれも使用することができ、具体的には
例えば、下記一般式[3]で示されるピロール系、一般
式[4]で示されるチオフェン系、一般式[5]で示さ
れるアニリン系のうち少なくとも1つを繰り返し単位と
して構成された共役高分子を挙げることができる。
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】上記式中、R7〜R14は互いに同一でも異
なってもよく、水素原子または炭素原子数1〜20の直
鎖状、環状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基で
ある。R7〜R14の具体例としては、水素、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、メトキ
シ基、エトキシ基等を挙げることができる。また、*は
繰り返し単位の結合位置を示す。
【0028】電子共役系高分子物質としては、上記一般
式[3]、[4]、[5]のいずれか1つを繰り返し単
位として構成される共役高分子化合物が好ましく、特に
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ-
3,4-エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
【0029】上記の繰り返し単位を含む高分子化合物
は、一般式[3]、[4]、[5]の少なくとも1種を
繰り返し単位として構成しうる単量体を、酸化的に重合
することで製造することができる。
【0030】一般式[3]、[4]、[5]を繰り返し
単位として構成しうる単量体の具体例としては、ピロー
ル、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−オクチル
チオフェン、3−メトキシチオフェン、アニリン、ビチ
オフェン、ターチオフェン、trans-ビチエニルエチレ
ン、trans-ビチエニル-1,4-ブタジエン、ビピロール、
ターピロール、2,5-ビピロイルチオフェン、p,p'-ビピ
ロイルベンゼン、2,5"-ビフェニルターピロール、2,5'-
ビチエニルビピロール、3,4-エチレンジオキシチオフェ
ン等を挙げることができる。
【0031】電子共役系高分子物質の製造に際して、一
般式[1]で表わされるm-フルオロベンゼンスルホン酸
誘導体を重合系に共存させ、酸化重合法によって本発明
に係わる導電性高分子材料を得ることができる。その
際、従来ドーパント材として知られている他の化合物
を、本発明の目的を損なわない範囲内で併存させ重合を
進めることもできる。酸化重合方法は、電気化学的酸化
重合法、化学的酸化重合法のいずれによっても行うこと
ができる。
【0032】電気化学的酸化重合、すなわち電解重合法
で重合を行うには、一般式[1]で表わされるm-フルオ
ロベンゼンスルホン酸誘導体あるいはその塩と、高分子
物質を構成しうる前記単量体を溶媒に溶解し、定電位あ
るいは定電流条件下で単量体の重合を進めることで導電
性高分子材料を得ることができる。反応で使用される溶
媒としては、該ベンゼンスルホン酸誘導体あるいはその
塩を溶解し、かつ繰り返し単位を構成しうる単量体を溶
解するものであればよく、例えば、水、ジメチルフォル
ムアミド、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、
エチレングリコール、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル
等が挙げられる。電解重合は、−100〜150℃の温
度範囲、好ましくは0〜50℃の温度範囲で行うことが
可能であり、定電流電解法、定電位電解法のいずれの方
法であってもよい。また、電解重合は窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
【0033】また、化学的酸化重合法で重合を行うに
は、該ベンゼンスルホン酸誘導体の共役塩基を配位子と
する遷移金属錯体と、電子共役系の分子構造を有する高
分子化合物を形成する繰り返し単位となる単量体とを溶
媒中で接触させることで行われる。遷移金属錯体を構成
する中心金属としては、例えば鉄、コバルト、ルテニウ
ム等を挙げることができ、これらの中でも高酸化状態に
ある3価の鉄が特に好ましい。遷移金属錯体は、通常単
量体1モルに対して1〜10モルの量で使用される。反
応に使用される溶媒は、上記遷移金属錯体ならびに単量
体を溶解するものであればよく、例えば、水、ジメチル
フォルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、プロピレンカーボネート、エチレングリコール、ニ
トロベンゼン、ベンゾニトリル等を挙げることができ
る。重合温度は0〜50℃が好ましく、反応時間は1〜
120時間が好ましい。また、重合は窒素やアルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で行われることが望ましい。
【0034】この導電性高分子材料は、各種の電極材料
や帯電防止剤等の分野で好適に使用することができる。
【0035】次に本発明に関わる導電性高分子材料の、
固体電解コンデンサの陰極導電材料への適用について説
明する。固体電解コンデンサは、一般に、陽極金属と陰
極導電性材料とが誘電体層を介して接合した基本構造を
有しており、それぞれ陽極金属および陰極導電性材料に
は電極リードが取り付けられている。
【0036】陽極金属を構成する金属としては、アルミ
ニウム、タンタルなどが挙げられ、通常、箔の状態で使
用される。また、その表面はエッチングされていてもよ
い。一方、陰極導電性材料は、一般に無機または有機導
電性材料を膜状に加工して使用されている。またその表
面に金属の陰極を設けてもよい。さらに、陰極導電性材
料と金属陰極との間に、陰極導電性材料と金属陰極との
接触を良好にするため、グラファイト層をもうけた構造
にしてもよい。誘電体層は、一般に陽極金属の酸化物層
であり、陽極金属の表面を酸化することによって形成す
ることができる。また、陽極金属の酸化物を含む塗布液
を塗布することによっても形成することができる。
【0037】本発明に関わる固体電解コンデンサは、陰
極導電性材料として、前述した導電性高分子材料を含む
ものであり、陽極金属としては一般に使用されている材
料がそのまま適用できる。陰極および陽極を配置した固
体電解コンデンサの形状としては、円筒形、チップ形な
どいかなる形状であっても差し支えない。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明は実施例に限定されるものではない。
【0039】(合成例1)200mlの3口フラスコに
発煙硫酸(三酸化硫黄30wt%過剰品)65mlを加
え、発煙硫酸を攪拌しながら、4−フルオロベンズアミ
ド25gを室温でゆっくりと加えた後、70℃で13時
間攪拌を継続し、その後、1晩反応液を放置した。次に
反応液を氷50g中に投入し、未反応の発煙硫酸を加水
分解した。この反応液を放置し、析出した白色粉末をグ
ラスフィルターによりろ別した。得られた白色固体をア
セトン200ml中に投入し、攪拌洗浄を行なった。こ
れをろ別して得られた固形分を室温下で24時間真空乾
燥を行ない、4−フルオロ−2−スルホベンズアミド2
2.9gを得た。
【0040】得られた化合物の同定を、FD−マススペ
クトル(m/z=219)および1H-NMRで行った。分析結果
は、次の通りであった。1 H-NMR(DMSO-d6)分析結果δ(ppm) 7.20(1H,d) 7.86(1H,d) 8.21(1H,s)
【0041】(合成例2)合成例1と同様に合成した4
−フルオロ−2−スルホベンズアミド21.9gを50
0mlのビーカー中で純水200mlに溶解した。これ
に炭酸ナトリウムを加え、水溶液のpHを7に調整し
た。エバポレーターで水を減圧除去した後、2日間真空
乾燥し、2−カルバモイル−5−フルオロベンゼンスル
ホン酸ナトリウム塩23.4gを得た。
【0042】(合成例3)200mlビーカーに硝酸鉄
(III)9水和物61gを入れ、純水100mlに溶解
した。これに15%アンモニア水を加え、水溶液のpH
を12とした。この時、水酸化鉄(III)が生成し褐色
固体が得られた。この褐色固体を桐山ロート(No.5
B)でろ過し、水洗を3回繰り返した後、1晩真空下で
乾燥した。
【0043】合成例1と同様に合成した4−フルオロ−
2−スルホベンズアミド21.9gを純水500mlに
溶解した水溶液を調製し、これに得られた水酸化鉄全量
を加えて6時間攪拌した。水溶液中の不溶物をろ別した
後、ろ液をエバポレーションし溶媒を留去した。さらに
真空下で1晩乾燥し、トリス−(2−カルバモイル−5
−フルオロベンゼンスルホニル)鉄(III)塩13.3
gを得た。
【0044】(実施例1)合成例1で得られた4−フル
オロ−3−スルホベンズアミド4.38gとピロール
1.34gを純水200mlに溶解し電解酸化重合反応
用溶液を調製した。この溶液に窒素ガスを約15分間バ
ブリングし窒素置換した後、4cm四方のステレンス(s
us304)板2枚を1cm間隔で浸漬し作用極および
対極とした。
【0045】浸漬した2枚のステレンス電極を用い定電
流(1.25mA/cm2)で40分間通電し、電解酸化重合を行
った。電極上に生成したポリピロールフィルムを純水、
アセトンで洗浄した後、電極から剥離し、真空中で12
時間乾燥した。得られたフィルムの電気伝導度を四探針
法で測定した結果、162S/cmであった。
【0046】次に生成したポリピロールフィルムを空気
中、150℃の高温下で6時間保持した後、電気伝導度
を四探針法で測定した結果、117S/cmであった。
【0047】一方、重合で得られたポリピロールフィル
ムを90℃の純水中に12時間浸漬した。次いでポリピ
ロールフィルムを純水中より取り出し、真空乾燥した後
に電気伝導度を四探針法で測定した結果、96S/cm
であった。
【0048】(実施例2)合成例2で得られた2−カル
バモイル−5−フルオロベンゼンスルホン酸ナトリウム
塩4.82gとピロール1.34gを純水200mlに
溶解し電解酸化重合用反応溶液を調製した。この溶液に
窒素ガスを約15分間バブリングし窒素置換した後、4
cm四方のステレンス(sus304)板2枚を1cm間
隔で浸漬し作用極および対極とした。
【0049】浸漬した2枚のステレンス電極を用い定電
流(1.25mA/cm2)で40分間通電し、電解酸化重合を行
った。電極上に生成したポリピロールフィルムは純水、
アセトンで洗浄した後、電極から剥離し、真空中で12
時間乾燥した。得られたフィルムの電気伝導度を四探針
法で測定した結果、103S/cmであった。
【0050】生成したポリピロールフィルムを空気中、
150℃の高温下で7.5時間保持した後、電気伝導度
を四探針法で測定した結果、100S/cmであった。
【0051】一方、重合で得られたポリピロールフィル
ムを純水中に浸漬し、純水の温度を90℃とし、7.5
時間保持した。次いでポリピロールフィルムを純水中よ
り取り出し、真空乾燥した後に電気伝導度を四探針法で
測定した結果、102S/cmであった。
【0052】(実施例3)合成例3で得られたトリス−
(2−カルバモイル−5−フルオロベンゼンスルホニ
ル)鉄(III)塩1.3gを50mlガラス容器中で純
水50mlに溶解した。この水溶液にピロール0.13
gを加え攪拌を開始した。ピロールを加えてから数秒後
に黒色固体が析出しはじめた。攪拌をさらに1晩継続し
た後、黒色固体を桐山ロート(No.5A)でろ別し
た。得られた固体をアセトン10mlで洗浄した後、真
空下で1晩乾燥し、重合体30mgを得た。
【0053】得られたポリピロール重合体10mgを、
赤外スペクトルサンプル成型用の錠剤成型器に仕込み、
200kg/cmの過重で5分間処理したところ、直径
1cm、厚さ200μmの円盤状の板を得ることができ
た。得られた円盤状の板の電気伝導度を四探針法で測定
した結果、36S/cmであった。
【0054】円盤状のポリピロール板を空気中、150
℃の高温下で7.5時間保持した後、電気伝導度を四探
針法で測定した結果、12S/cmであった。
【0055】一方、円盤状のポリピロール板を純水中に
浸漬し、純水の温度を90℃とし、7.5時間保持し
た。次いでポ円盤状のポリピロール板を純水中より取り
出し、真空乾燥した後に電気伝導度を四探針法で測定し
た結果、30S/cmであった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、m−フルオロベンゼン
スルホン酸誘導体を、電子共役系の分子構造を有する高
分子物質中に含有させることによって、耐熱性および耐
湿性に優れた導電性材料が得られる。そしてそれを陰極
導電性材料に用いることにより、耐熱性および耐湿性に
優れた固体電解コンデンサが得られ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 C08L 65/00 79/02 79/02 101/00 101/00 H01G 9/028 H01G 9/02 331G 9/04 9/05 G

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子共役系の分子構造を有する高分子物
    質中に、下記一般式[1]で表されるm-フルオロベン
    ゼンスルホン酸誘導体を含有してなることを特徴とする
    導電性高分子材料。 【化1】 [1]式中、Xはスルホン酸基であり、R1〜R4のうち
    1つが下記一般式[2]で表されるカルボキサミド基で
    あり、 【化2】 他の3つは、互いに同一でも異なってもよく、水素原
    子、フッ素原子または炭素数20以下のアルキル基を表
    し、[2]式中、R5およびR6は、互いに同一でも異な
    ってもよく、水素原子、炭素数20以下のアルキル基ま
    たはフェニル基を表わす。
  2. 【請求項2】 前記一般式[1]において、R1〜R4
    うち前記一般式[2]で表わされるカルボキサミド基以
    外が水素原子であることを特徴とする請求項1記載の導
    電性高分子材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式[2]において、R5および
    6のうち少なくとも1つが水素原子であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の導電性高分子材料。
  4. 【請求項4】 前記高分子物質が、下記一般式[3]、
    [4]または[5]で表される少なくとも1種の繰り返
    し単位を有する共役系高分子化合物からなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性高分子材
    料。 【化3】 [3]式中、R7およびR8は互いに同一でも異なっても
    よく、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、環
    状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。ま
    た、*は繰り返し単位の結合位置を示す。 【化4】 [4]式中、R9およびR10は互いに同一でも異なって
    もよく、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、
    環状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。
    また、*は繰り返し単位の結合位置を示す。 【化5】 [5]式中、R11〜R14は互いに同一でも異なってもよ
    く、水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖状、環
    状、分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。ま
    た、*は繰り返し単位の結合位置を示す。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性
    高分子材料を、陰極導電性材料として含むことを特徴と
    する固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011009617A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Japan Carlit Co Ltd:The 導電性高分子製造用酸化剤とそれを用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法
CN104143441A (zh) * 2013-08-26 2014-11-12 成都精容电子有限公司 一种固体电解电容器

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