JP2003034683A - 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents

光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Info

Publication number
JP2003034683A
JP2003034683A JP2001219716A JP2001219716A JP2003034683A JP 2003034683 A JP2003034683 A JP 2003034683A JP 2001219716 A JP2001219716 A JP 2001219716A JP 2001219716 A JP2001219716 A JP 2001219716A JP 2003034683 A JP2003034683 A JP 2003034683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methylpiperazine
optically active
acid
mixture
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001219716A
Other languages
English (en)
Inventor
Ken Hayashi
謙 林
Tei Takeuchi
禎 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Pharma Chemical Co Ltd filed Critical Kyowa Pharma Chemical Co Ltd
Priority to JP2001219716A priority Critical patent/JP2003034683A/ja
Publication of JP2003034683A publication Critical patent/JP2003034683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−メチルピペラジンから、光学分割により
高い光学純度を有する光学活性2−メチルピペラジンを
高収率かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割する方法におい
て、(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パント酸
とのジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む
ことを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な医薬品
の中間体として有用な光学活性2-メチルピペラジンを
光学分割により製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性2−メチルピペラジンはキノロ
ン系合成抗菌薬などの医薬の製造用中間体として有用な
化合物である。従来、光学活性2−メチルピペラジンは
光学分割などにより製造されている。光学分割法として
は、光学分割試薬として酒石酸を用いるもの(特開平1-
149775号公報、特許第3032547号)、アミノ酸アミドを
用いるもの(特許第2823679号、特許第2884703号)など
が知られている。しかしながら、酒石酸を用いる場合に
は十分な分割効率が得られず、また非天然型の酒石酸は
高価であるため一方の光学活性体の製造コストが上がる
という問題がある。アミノ酸アミドを用いる方法は、比
較的高価なアミノ酸をカルボン酸またはスルホン酸アミ
ドに誘導体化する必要があるという点で光学分割試薬の
入手性に問題があり、この方法も工業的に有利な方法と
は言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、2−
メチルピペラジンから、光学分割により高い光学純度を
有する光学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価
に製造する方法を提供することにある。
【0004】本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研
究を行った結果、工業的規模で安価に入手可能な光学活
性パント酸を光学分割試薬として用い、パント酸と2−
メチルピペラジンのジアステレオマー塩を生成させる
と、ラセミ体の2−メチルピペラジンから光学活性2−
メチルピペラジンを極めて効率的に光学分割できること
を見出した。また、パント酸の前駆体として光学活性パ
ントラクトンを用いて反応系内でジアステレオマー塩を
生成した場合にも、同様に効率的な光学分割が可能であ
ることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成
されたものである。
【0005】すなわち、本発明は、(±)−2−メチル
ピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分
割する方法において、(±)−2−メチルピペラジンと
光学活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成
させる工程を含むことを特徴とする方法を提供するもの
である。
【0006】本発明の好ましい態様では、光学活性パン
トラクトンと(±)−2−メチルピペラジンとを反応さ
せて該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含
む上記の方法;及び光学活性パント酸と(±)−2−メ
チルピペラジンとを反応させる工程を含む上記の方法が
提供され、光学活性パント酸を用いる方法において、下
記の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理し
て光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含む上記の方法が提供される。上記方法の工程(2)にお
いて、(±)−2−メチルピペラジンとして(±)−2
−メチルピペラジンの酸付加塩、例えば(±)−2−メ
チルピペラジンの鉱酸塩を添加することが好ましい。
【0007】別の観点からは、本発明により、(±)−
2−メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジ
ンを光学分割するための試薬であって、光学活性パント
酸からなる試薬;及び(±)−2−メチルピペラジンか
ら光学活性2−メチルピペラジンを光学分割するための
前駆体試薬であって、光学活性パントラクトンからなる
試薬が提供される。また、本発明により、(±)−2−
メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを
光学分割するための試薬としての光学活性パント酸の使
用;及び(±)−2−メチルピペラジンから光学活性2
−メチルピペラジンを光学分割するための前駆体試薬と
しての光学活性パントラクトンの使用が提供される。
【0008】さらに別の観点からは、光学活性2−メチ
ルピペラジンと光学活性パント酸とのジアステレオマー
塩、及び(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パン
ト酸とのジアステレオマー塩混合物が本発明により提供
される。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、「(±)−2
−メチルピペラジン」の用語は、ラセミ体(光学対掌体
の当量混合物)である2−メチルピペラジンのほか、光
学対掌体の任意の混合物を含む概念として用いることが
できる。また、「(±)−2−メチルピペラジン」の用
語は遊離形態の物質のほか、塩の形態の物質も包含する
意味で用いる場合がある。「光学活性パント酸」につい
ても同様である。本明細書において「光学活性パント
酸」は2種類の光学対掌体のうちのいずれか一方を意味
しており、該光学対掌体としては実質的に光学的に純粋
な形態の物質が用いられる。「光学活性パントラクト
ン」の用語についても同様である。
【0010】本発明の方法は、(±)−2−メチルピペ
ラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分割す
る方法において、(±)−2−メチルピペラジンと光学
活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成させ
る工程を含むことを特徴としている。本発明の第一の好
ましい態様では、光学活性パントラクトンと(±)−2
−メチルピペラジンとを反応させて該ジアステレオマー
塩混合物を生成させる。上記反応は、水または水に可溶
な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、又はそ
れらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合
物中で行うことができるが、水を溶媒として用いること
が好ましい。
【0011】この反応では、(±)−2−メチルピペラ
ジンが塩基として作用して光学活性パントラクトンが開
環し、開環により生じる光学活性パント酸が(±)−2
−メチルピペラジンと反応して、2種類のジアステレオ
マー塩を含む混合物(本明細書において「ジアステレオ
マー塩混合物」と呼ぶ場合がある)が生成する。反応
は、通常は室温又は加熱下に行なうことができる。通
常、50℃〜100℃程度の温度で数時間から数日程
度、好ましくは70℃〜90℃で数時間程度で反応は完
了する。光学活性パントラクトンと(±)−2−メチル
ピペラジンの使用量は特に限定されないが、効率的に光
学分割を行うために(±)−2−メチルピペラジン1モ
ルに対して光学活性パントラクトンを1〜2モル程度用
いるのがよい。
【0012】上記の反応において、(±)−2−メチル
ピペラジンの酸付加塩を用いることもできるが、この場
合には、反応系内に(±)−2−メチルピペラジンに対
して1モル以上の塩基を添加する必要がある。塩基の種
類は特に限定されず、通常の金属水酸化物(水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど)のほ
か、水溶性の有機アミン(例えばトリエチルアミンな
ど)を用いることができる。(±)−2−メチルピペラ
ジンの酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩のほか、有機酸の塩(例え
ばメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など
不斉炭素を有しない有機酸の塩)を用いることができる
が、鉱酸塩が好ましく、より好ましいのは硫酸塩又は塩
酸塩である。
【0013】本発明の第二の好ましい態様の方法は、光
学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反
応させる工程を含んでいる。光学活性パント酸としては
遊離形態の物質を用いてもよいが、塩基付加塩を用いる
こともできる。光学活性パント酸の塩基付加塩として
は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、
又はカルシウム塩などの金属塩が好適である。(±)−
2−メチルピペラジンとしては遊離形態の物質を用いて
もよいが、酸付加塩を用いてもよい。酸付加塩として
は、上記に例示したものを用いることができる。
【0014】上記の反応は、水または水に可溶な有機溶
媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコール、1,4−ジオキサン、又はそれらの混
合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合物中で行
うことができるが、水を溶媒として用いることが好まし
い。光学活性パント酸及び(±)−2−メチルピペラジ
ンのうちの一方又は両方が塩の形態である場合には、反
応系中に適宜の酸又は塩基を添加することにより反応を
円滑に進行させることができる。例えば、(±)−2−
メチルピペラジンの酸付加塩を用いる場合には、反応系
内に塩基を添加しておくのがよい。塩基の種類は特に限
定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウムなどの塩基が好ましい。
【0015】上記反応は通常、室温又は加熱下で行うこ
とができるが、温度及び反応時間は反応種が遊離形態又
は塩のいずれの物質であるかに応じて、あるいは酸又は
塩基の添加の有無などの条件に応じて適宜選択できる。
光学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンの使
用量は特に限定されないが、効率的に光学分割を行うた
めに(±)−2−メチルピペラジン1モルに対して光学
活性パント酸を1〜2モル程度用いるのがよい。
【0016】光学活性パント酸と(±)−2−メチルピ
ペラジンとを反応させるにあたり、光学活性パントラク
トンを用いて光学活性パント酸を反応系内で生成させた
後、(±)−2−メチルピペラジンと反応させることが
できる。この方法は本発明の好ましい態様であり、以下
の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理して
光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含んでいる。
【0017】上記工程(1)及び(2)の反応は、水または水
に可溶な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、
又はそれらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒
の混合物中で行うことができるが、水を溶媒として用い
ることが好ましい。工程(1)における開環反応は、通常
は0℃〜加温下、好ましくは室温程度で行うことがで
き、数分から数時間程度で完了する。
【0018】工程(1)において用いる塩基の種類は特に
限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどを用いることが好まし
い。塩基の使用量も特に限定されないが、通常は光学活
性パントラクトンに対して1モル以上、好ましくは数モ
ル程度を用いればよい。工程(2)において(±)−2−
メチルピペラジンとして(±)−2−メチルピペラジン
の酸付加塩を用いる場合には、塩基の使用量が光学活性
パントラクトンに対して数モルであることが好ましい。
【0019】工程(2)は、反応系内に生成した光学活性
パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反応させ
る工程であり、工程(1)で得られた反応混合物に対して
(±)−2−メチルピペラジンを添加して反応を行うこ
とができる。工程(2)において、(±)−2−メチルピ
ペラジンとして(±)−2−メチルピペラジンの酸付加
塩、例えば(±)−2−メチルピペラジンの鉱酸塩を添
加することが好ましい。反応はすでに説明した方法に従
って行うことができ、効率的に光学分割を行うためには
(±)−2−メチルピペラジンと工程(1)で用いる光学
活性パントラクトンとのモル比を1:1〜1:2程度に
するのがよい。
【0020】本発明の方法に用いられる光学活性パント
酸又は光学活性パントラクトンは市販されており、当業
者が容易に入手できるが、本発明の目的を効率的に達成
するためになるべく光学純度の高い光学活性パント酸又
は光学活性パントラクトンを用いることが望ましい。
【0021】本発明の方法に従って生成したジアステレ
オマー塩混合物は、通常の手段により反応混合物から分
離することができる。さらに、得られたジアステレオマ
ー塩混合物を通常の分別再結晶に付することにより、該
混合物に含まれるジアステレオマー塩の溶解度差に従っ
て、難溶性ジアステレオマー塩を優先的に析出させるこ
とができる。分別再結晶は当業者に周知の方法に従って
行うことができるが、
【0022】分別再結晶に用いる溶媒の種類は特に限定
されない。例えば、水、又はメタノール、エタノール、
若しくは2−プロパノールなどの低級脂肪族アルコー
ル、アセトン若しくはメチルエチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香
族炭化水素類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素類、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、又はそ
れらの混合物を挙げることができるが。これらに限定さ
れることはない。溶媒の使用量は溶媒の種類により異な
るが、ジアステレオマー塩1モルあたり100ml〜1
0リットル程度、好ましくは400ml〜8リットル程
度である。晶析温度は溶媒の種類や使用量によって異な
るが、通常は0℃〜40℃程度であり、ジアステレオマ
ー塩の回収率などの観点から20℃以下が好ましい。
【0023】本発明の方法に従って光学分割のための試
薬としてD−パント酸又はその前駆体試薬としてD−パ
ントラクトンを用いると、分別再結晶において(R)−
2−メチルピペラジンを含むジアステレオマー塩が優先
的に晶出し、光学分割のための試薬としてL−パント酸
又はその前駆体試薬としてL−パントラクトンを用いる
と、分別再結晶において(S)−2−メチルピペラジン
を含むジアステレオマー塩が優先的に晶出する。分別再
結晶により得られるジアステレオマー塩の光学純度が不
十分な場合には、前記の溶媒を用いて再結晶を1度ない
し数度行うことにより、光学純度を高めることができ
る。
【0024】所望の光学純度となったジアステレオマー
塩を塩基で処理することにより光学活性2−メチルピペ
ラジンを遊離させることができる。遊離形態の2−メチ
ルピペラジンはエチルエーテル、クロロホルム、又は酢
酸エチルなどの有機溶媒で抽出することができ、有機層
を分離して常圧または減圧下で溶媒を留去することによ
り、目的とする光学活性2−メチルピペラジンを単離す
ることができる。この処理に用いられる塩基の種類は特
に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、又は炭
酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0025】また、得られたジアステレオマー塩を酸で
処理してパントラクトンを遊離させ、パントラクトンを
抽出により除去した後、水層を常圧または減圧下で濃縮
することにより光学活性2−メチルピペラジンの酸付加
塩を単離することができる。酸としては、例えば、塩
酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類が好ましい。残渣にメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低
級脂肪族アルコールやアセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、あるいはそれらの混合物などを加えて析
出する結晶を濾取することにより、精製された光学活性
2−メチルピペラジンの酸付加塩を単離することもでき
る。
【0026】本発明によって得られた光学活性2−メチ
ルピペラジンの光学純度は、例えば、単離した光学活性
2−メチルピペラジンをジベンゾイル化した後、この誘
導体を光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフ
ィーで分析することにより容易に決定することが可能で
ある。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されること
はない。以下の実施例において、光学活性2−メチルピ
ペラジンの光学純度は以下のように測定した。2−メチ
ルピペラジン 100 mgを2 mlの塩化メチレンに溶解し、
この溶液にトリエチルアミン 0.3 mlと塩化ベンゾイル
0.25 mlを加えて室温で30分攪拌した。攪拌終了後、水1
0 mlを加えてクロロホルム10 mlで抽出し、有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去した。濃縮残渣を
ヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノ
ール=9/1、容量比)の混合液を展開溶媒とするカラム
クロマトグラフィーで精製し、2−メチルピペラジンの
ジベンゾイルアミド誘導体の溶液を得た。この溶液を下
記のHPLC条件下で測定して2−メチルピペラジンの光学
純度を決定した。
【0028】HPLC条件 カラム :Chiralcel OD-H〔4.6×250 mm; ダイセル化
学工業株式会社製〕 展開溶媒:ヘキサン/2−プロパノール(85/15、容量
比) 流速 :1.0 ml/min 検出波長:254 nm カラム温度 :40℃ 保持時間:(R)体 約21分、(S)体 約24分
【0029】例1 ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 g及びD−パント
ラクトン39.0 gに水100mlを加え、80℃に加温して2時間
反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮残
渣に2−プロパノール600 ml加え、70℃で溶解した。得
られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。
ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出し
た結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパン
ト酸塩21.8 gを得た。この塩の光学純度は95.4%eeであ
った。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノール75 m
lを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行った。つい
で得られたスラリーを徐々に冷却し5℃で晶出を行っ
た。結晶を濾取して精製された(R)−2−メチルピペ
ラジンのパント酸塩13.2 gを得た。
【0030】精製した(R)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(R)−2−メチルピペラジン2.0
gを白色の結晶として得た。収率25.6%。旋光度[α]20 D
-1.7°(c=1.02, H2O)。得られた(R)−2−メチルピ
ペラジンの光学純度を上記の方法で測定した結果、99.9
%ee以上であった。
【0031】例2 ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 gおよびL−パン
トラクトン39.0 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に2−プロパノール600 ml加えて70℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(S)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩22.1 gを得た。この塩の光学純度は93.6%e
eであった。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノー
ル75 mlを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行っ
た。ついで得られたスラリーを徐々に冷却して5℃で晶
出を行った。結晶を濾取して精製された(S)−2−メ
チルピペラジンのパント酸塩13.5 g を得た。
【0032】精製した(S)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(S)−2−メチルピペラジン2.1
gを白色の結晶として得た。収率27.8%。得られた
(S)−2−メチルピペラジンの光学純度は99.9%ee以
上であった。
【0033】例3 ラセミ体の2−メチルピペラジン3.0 gおよびD−パン
トラクトン7.8 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にアセトン110 ml、水16 ml加え、50℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩3.2 gを得た。収率26.9%。この塩の光学
純度は99.9%ee以上であった。
【0034】例4 ラセミ体の2−メチルピペラジン4.0 gおよびD−パン
トラクトン5.2 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にエタノール60 ml加えて70℃で溶解した。得られ
た溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。つい
で5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出した結
晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパント酸
塩4.2 gを得た。収率26.5%。この塩の光学純度は94.9%
eeであった。
【0035】例5 ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 gおよびL−パン
トラクトン19.5 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に水60 mlとアセトン180 ml加え、室温で2時間懸
濁攪拌を行なった。ついで5℃まで冷却してさらに1時間
晶出した後、析出した結晶を濾取して(S)−2−メチ
ルピペラジンのパント酸塩26.3 gを得た。この塩の光学
純度は、86.9%eeであった。
【0036】上記の(S)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩20.0 gに水8 mlとイソプロピルアルコール80 m
lを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下に
冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精製
された(S)−2−メチルピペラジンのパント酸塩14.8
gを得た。精製された(S)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに濃塩酸5 mlを加え、室温で1時間攪
拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化させ
た。この溶液を20 mlのメチルイソブチルケトンで6回抽
出してパントラクトンを除去した。水層を7.2 gまで濃
縮した後、アセトン40 mlを加え、10℃以下に冷却して1
時間晶出を行った。析出晶をろ取して減圧下で乾燥し、
3.9 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。収率2
9.3%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上であっ
た。
【0037】例6 D−パントラクトン13.0 gに水20 ml及びNaOH 4.0 gを
加え、室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチ
ルピペラジン硫酸塩9.8 gを加え、室温で1時間反応させ
た。さらに2−プロパノール60 mlを加え、室温で6時間
攪拌晶出を行なった後、析出した結晶を濾取して(R)
−2−メチルピペラジンのパント酸塩及び硫酸ナトリウ
ムの混合物13.2 gを得た。この塩の光学純度は93.7%ee
であった。
【0038】上記の(R)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物10.0 gに水2 mlと2
−プロパノール40 mlを加え、70℃で30分懸濁洗浄を行
なった。10℃以下に冷却してさらに1時間晶出した後、
結晶をろ取し、精製された(R)−2−メチルピペラジ
ンのパント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物9.4 gを得
た。この塩の光学純度は99.0%eeであった。精製した
(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩と硫酸ナト
リウムの混合物8.0 gに40% NaOH 4 mlとクロロホルム80
mlを加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取
し、減圧下で溶媒を留去して(R)−2−メチルピペラ
ジン0.8 gを白色の結晶として得た。収率25.1%。得ら
れた結晶の光学純度は99.9%ee以上であった。
【0039】例7 D−パントラクトン6.5 gに水5 mlとNaOH 2.0 gを加え
て室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチルピ
ペラジン2.5 gを5.5 mlの水と4.5 mlの濃塩酸に溶解し
たものを加えた。室温で4時間晶出を行った後、5℃まで
冷却してさらに2時間晶出した。析出した結晶を濾取し
て(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩3.9 gを
得た。この塩の光学純度は96.4%eeであった。
【0040】上記の(R)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩3.0 gに水1.2 mlとイソプロピルアルコール12
mlを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下
に冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精
製された(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩2.
7 gを得た。精製された(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩2.5 gに濃塩酸1.25 mlを加え、室温で1時
間攪拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化
させた。この溶液を5 mlの塩化メチレンで6回抽出して
パントラクトンを除去した。水層を1.7 gまで濃縮した
後、アセトン10 mlを加え、10℃以下に冷却して1時間晶
出を行った。析出晶をろ取し、減圧下での乾燥を行な
い、1.0 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。
収率32.5%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上
であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、2−メチルピペ
ラジンを効率的に光学分割し、高い光学純度を有する光
学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価に製造で
きる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
    活性2−メチルピペラジンを光学分割する方法におい
    て、(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パント酸
    とのジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 光学活性パントラクトンと(±)−2−
    メチルピペラジンとを反応させて該ジアステレオマー塩
    混合物を生成させる工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 光学活性パント酸と(±)−2−メチル
    ピペラジンとを反応させる工程を含む請求項1に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】下記の工程: (1)光学活性パントラクトンを塩基で処理して光学活性
    パント酸を反応系内に生成させる工程;及び(2)上記反
    応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添加して該ジ
    アステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む請求項
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 (±)−2−メチルピペラジンとして
    (±)−2−メチルピペラジンの酸付加塩を添加する請
    求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 酸付加塩が鉱酸塩である請求項5に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
    活性2−メチルピペラジンを光学分割するための試薬で
    あって、光学活性パント酸からなる試薬。
  8. 【請求項8】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
    活性2−メチルピペラジンを光学分割するための前駆体
    試薬であって、光学活性パントラクトンからなる試薬。
  9. 【請求項9】 光学活性2−メチルピペラジンと光学活
    性パント酸とのジアステレオマー塩。
  10. 【請求項10】 (±)−2−メチルピペラジンと光学
    活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物。
JP2001219716A 2001-07-19 2001-07-19 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 Pending JP2003034683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001219716A JP2003034683A (ja) 2001-07-19 2001-07-19 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001219716A JP2003034683A (ja) 2001-07-19 2001-07-19 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003034683A true JP2003034683A (ja) 2003-02-07

Family

ID=19053668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001219716A Pending JP2003034683A (ja) 2001-07-19 2001-07-19 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003034683A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4795435B2 (ja) エソメプラゾール及びその塩の製造方法
JP2011528671A (ja) R−β−アミノフェニル酪酸誘導体の調製方法
EP0024210B1 (en) Process for the production of optically active threo-3-(3,4-dihydroxyphenyl) serine, and product thus produced
JP4483165B2 (ja) 光学活性な3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニル)プロパン−1−オールの製造方法および製造の中間体
JP2003034683A (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
JP3665976B2 (ja) 光学分割剤およびそれを用いた光学活性N−tert−ブチル−2−ピペラジンカルボキシアミドの製造法
JP2830364B2 (ja) 光学活性1―ベンジル―3―ヒドロキシピロリジンの製造方法
EP0844230A2 (en) Optical resolution method of (plus, minus)-3,4-dihydroxybutanoic acid
JP4104319B2 (ja) 光学活性2−ヒドロキシ−3−ニトロプロピオン酸の製造方法
JP3157118B2 (ja) アシルアミノ酸を用いるピペリジン誘導体の光学分割方法
KR20010079913A (ko) (-)-α-(디플루오로메틸)오르니틴-모노히드로클로라이드일수화물의 제조 방법
JP2002193933A (ja) 光学活性ピペリジン誘導体またはその酸塩の製造方法
JP4752285B2 (ja) トリフルオロ乳酸の効率的な光学分割
JP4109446B2 (ja) ジアステレオ異性体として純粋なトランス−2−[(α−メチルベンジル)アミノ]シクロペンタノールの製造方法
JP3157117B2 (ja) ピペリジン誘導体の光学分割方法
JP2823679B2 (ja) 光学活性2―メチルピペラジンの製造方法
JPH10109977A (ja) 光学活性ピリタジノン誘導体の製造方法
JP2001131157A (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
JPH11180930A (ja) 光学活性trans−シクロブタンジカルボン酸類の製造方法
HU205594B (en) Process for producing optical isomeres of cyclopropane-carboxylic acids5
JP2002332277A (ja) 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法
JPH09241227A (ja) 新規光学分割剤
JPH10101629A (ja) 光学活性酪酸誘導体の製造方法
JP3284605B2 (ja) 光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法
JP2005075754A (ja) トランス−1,2−ビス(3,5−ジメチルフェニル)−1,2−エタンジアミンの光学分割方法