JP2003034683A - 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 - Google Patents
光学活性2−メチルピペラジンの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−メチルピペラジンから、光学分割により
高い光学純度を有する光学活性2−メチルピペラジンを
高収率かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割する方法におい
て、(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パント酸
とのジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む
ことを特徴とする方法。
高い光学純度を有する光学活性2−メチルピペラジンを
高収率かつ安価に製造する方法を提供する。 【解決手段】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割する方法におい
て、(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パント酸
とのジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む
ことを特徴とする方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な医薬品
の中間体として有用な光学活性2-メチルピペラジンを
光学分割により製造する方法に関するものである。
の中間体として有用な光学活性2-メチルピペラジンを
光学分割により製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性2−メチルピペラジンはキノロ
ン系合成抗菌薬などの医薬の製造用中間体として有用な
化合物である。従来、光学活性2−メチルピペラジンは
光学分割などにより製造されている。光学分割法として
は、光学分割試薬として酒石酸を用いるもの(特開平1-
149775号公報、特許第3032547号)、アミノ酸アミドを
用いるもの(特許第2823679号、特許第2884703号)など
が知られている。しかしながら、酒石酸を用いる場合に
は十分な分割効率が得られず、また非天然型の酒石酸は
高価であるため一方の光学活性体の製造コストが上がる
という問題がある。アミノ酸アミドを用いる方法は、比
較的高価なアミノ酸をカルボン酸またはスルホン酸アミ
ドに誘導体化する必要があるという点で光学分割試薬の
入手性に問題があり、この方法も工業的に有利な方法と
は言えない。
ン系合成抗菌薬などの医薬の製造用中間体として有用な
化合物である。従来、光学活性2−メチルピペラジンは
光学分割などにより製造されている。光学分割法として
は、光学分割試薬として酒石酸を用いるもの(特開平1-
149775号公報、特許第3032547号)、アミノ酸アミドを
用いるもの(特許第2823679号、特許第2884703号)など
が知られている。しかしながら、酒石酸を用いる場合に
は十分な分割効率が得られず、また非天然型の酒石酸は
高価であるため一方の光学活性体の製造コストが上がる
という問題がある。アミノ酸アミドを用いる方法は、比
較的高価なアミノ酸をカルボン酸またはスルホン酸アミ
ドに誘導体化する必要があるという点で光学分割試薬の
入手性に問題があり、この方法も工業的に有利な方法と
は言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、2−
メチルピペラジンから、光学分割により高い光学純度を
有する光学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価
に製造する方法を提供することにある。
メチルピペラジンから、光学分割により高い光学純度を
有する光学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価
に製造する方法を提供することにある。
【0004】本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研
究を行った結果、工業的規模で安価に入手可能な光学活
性パント酸を光学分割試薬として用い、パント酸と2−
メチルピペラジンのジアステレオマー塩を生成させる
と、ラセミ体の2−メチルピペラジンから光学活性2−
メチルピペラジンを極めて効率的に光学分割できること
を見出した。また、パント酸の前駆体として光学活性パ
ントラクトンを用いて反応系内でジアステレオマー塩を
生成した場合にも、同様に効率的な光学分割が可能であ
ることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成
されたものである。
究を行った結果、工業的規模で安価に入手可能な光学活
性パント酸を光学分割試薬として用い、パント酸と2−
メチルピペラジンのジアステレオマー塩を生成させる
と、ラセミ体の2−メチルピペラジンから光学活性2−
メチルピペラジンを極めて効率的に光学分割できること
を見出した。また、パント酸の前駆体として光学活性パ
ントラクトンを用いて反応系内でジアステレオマー塩を
生成した場合にも、同様に効率的な光学分割が可能であ
ることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成
されたものである。
【0005】すなわち、本発明は、(±)−2−メチル
ピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分
割する方法において、(±)−2−メチルピペラジンと
光学活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成
させる工程を含むことを特徴とする方法を提供するもの
である。
ピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分
割する方法において、(±)−2−メチルピペラジンと
光学活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成
させる工程を含むことを特徴とする方法を提供するもの
である。
【0006】本発明の好ましい態様では、光学活性パン
トラクトンと(±)−2−メチルピペラジンとを反応さ
せて該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含
む上記の方法;及び光学活性パント酸と(±)−2−メ
チルピペラジンとを反応させる工程を含む上記の方法が
提供され、光学活性パント酸を用いる方法において、下
記の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理し
て光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含む上記の方法が提供される。上記方法の工程(2)にお
いて、(±)−2−メチルピペラジンとして(±)−2
−メチルピペラジンの酸付加塩、例えば(±)−2−メ
チルピペラジンの鉱酸塩を添加することが好ましい。
トラクトンと(±)−2−メチルピペラジンとを反応さ
せて該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含
む上記の方法;及び光学活性パント酸と(±)−2−メ
チルピペラジンとを反応させる工程を含む上記の方法が
提供され、光学活性パント酸を用いる方法において、下
記の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理し
て光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含む上記の方法が提供される。上記方法の工程(2)にお
いて、(±)−2−メチルピペラジンとして(±)−2
−メチルピペラジンの酸付加塩、例えば(±)−2−メ
チルピペラジンの鉱酸塩を添加することが好ましい。
【0007】別の観点からは、本発明により、(±)−
2−メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジ
ンを光学分割するための試薬であって、光学活性パント
酸からなる試薬;及び(±)−2−メチルピペラジンか
ら光学活性2−メチルピペラジンを光学分割するための
前駆体試薬であって、光学活性パントラクトンからなる
試薬が提供される。また、本発明により、(±)−2−
メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを
光学分割するための試薬としての光学活性パント酸の使
用;及び(±)−2−メチルピペラジンから光学活性2
−メチルピペラジンを光学分割するための前駆体試薬と
しての光学活性パントラクトンの使用が提供される。
2−メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジ
ンを光学分割するための試薬であって、光学活性パント
酸からなる試薬;及び(±)−2−メチルピペラジンか
ら光学活性2−メチルピペラジンを光学分割するための
前駆体試薬であって、光学活性パントラクトンからなる
試薬が提供される。また、本発明により、(±)−2−
メチルピペラジンから光学活性2−メチルピペラジンを
光学分割するための試薬としての光学活性パント酸の使
用;及び(±)−2−メチルピペラジンから光学活性2
−メチルピペラジンを光学分割するための前駆体試薬と
しての光学活性パントラクトンの使用が提供される。
【0008】さらに別の観点からは、光学活性2−メチ
ルピペラジンと光学活性パント酸とのジアステレオマー
塩、及び(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パン
ト酸とのジアステレオマー塩混合物が本発明により提供
される。
ルピペラジンと光学活性パント酸とのジアステレオマー
塩、及び(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パン
ト酸とのジアステレオマー塩混合物が本発明により提供
される。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書において、「(±)−2
−メチルピペラジン」の用語は、ラセミ体(光学対掌体
の当量混合物)である2−メチルピペラジンのほか、光
学対掌体の任意の混合物を含む概念として用いることが
できる。また、「(±)−2−メチルピペラジン」の用
語は遊離形態の物質のほか、塩の形態の物質も包含する
意味で用いる場合がある。「光学活性パント酸」につい
ても同様である。本明細書において「光学活性パント
酸」は2種類の光学対掌体のうちのいずれか一方を意味
しており、該光学対掌体としては実質的に光学的に純粋
な形態の物質が用いられる。「光学活性パントラクト
ン」の用語についても同様である。
−メチルピペラジン」の用語は、ラセミ体(光学対掌体
の当量混合物)である2−メチルピペラジンのほか、光
学対掌体の任意の混合物を含む概念として用いることが
できる。また、「(±)−2−メチルピペラジン」の用
語は遊離形態の物質のほか、塩の形態の物質も包含する
意味で用いる場合がある。「光学活性パント酸」につい
ても同様である。本明細書において「光学活性パント
酸」は2種類の光学対掌体のうちのいずれか一方を意味
しており、該光学対掌体としては実質的に光学的に純粋
な形態の物質が用いられる。「光学活性パントラクト
ン」の用語についても同様である。
【0010】本発明の方法は、(±)−2−メチルピペ
ラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分割す
る方法において、(±)−2−メチルピペラジンと光学
活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成させ
る工程を含むことを特徴としている。本発明の第一の好
ましい態様では、光学活性パントラクトンと(±)−2
−メチルピペラジンとを反応させて該ジアステレオマー
塩混合物を生成させる。上記反応は、水または水に可溶
な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、又はそ
れらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合
物中で行うことができるが、水を溶媒として用いること
が好ましい。
ラジンから光学活性2−メチルピペラジンを光学分割す
る方法において、(±)−2−メチルピペラジンと光学
活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物を生成させ
る工程を含むことを特徴としている。本発明の第一の好
ましい態様では、光学活性パントラクトンと(±)−2
−メチルピペラジンとを反応させて該ジアステレオマー
塩混合物を生成させる。上記反応は、水または水に可溶
な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、又はそ
れらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合
物中で行うことができるが、水を溶媒として用いること
が好ましい。
【0011】この反応では、(±)−2−メチルピペラ
ジンが塩基として作用して光学活性パントラクトンが開
環し、開環により生じる光学活性パント酸が(±)−2
−メチルピペラジンと反応して、2種類のジアステレオ
マー塩を含む混合物(本明細書において「ジアステレオ
マー塩混合物」と呼ぶ場合がある)が生成する。反応
は、通常は室温又は加熱下に行なうことができる。通
常、50℃〜100℃程度の温度で数時間から数日程
度、好ましくは70℃〜90℃で数時間程度で反応は完
了する。光学活性パントラクトンと(±)−2−メチル
ピペラジンの使用量は特に限定されないが、効率的に光
学分割を行うために(±)−2−メチルピペラジン1モ
ルに対して光学活性パントラクトンを1〜2モル程度用
いるのがよい。
ジンが塩基として作用して光学活性パントラクトンが開
環し、開環により生じる光学活性パント酸が(±)−2
−メチルピペラジンと反応して、2種類のジアステレオ
マー塩を含む混合物(本明細書において「ジアステレオ
マー塩混合物」と呼ぶ場合がある)が生成する。反応
は、通常は室温又は加熱下に行なうことができる。通
常、50℃〜100℃程度の温度で数時間から数日程
度、好ましくは70℃〜90℃で数時間程度で反応は完
了する。光学活性パントラクトンと(±)−2−メチル
ピペラジンの使用量は特に限定されないが、効率的に光
学分割を行うために(±)−2−メチルピペラジン1モ
ルに対して光学活性パントラクトンを1〜2モル程度用
いるのがよい。
【0012】上記の反応において、(±)−2−メチル
ピペラジンの酸付加塩を用いることもできるが、この場
合には、反応系内に(±)−2−メチルピペラジンに対
して1モル以上の塩基を添加する必要がある。塩基の種
類は特に限定されず、通常の金属水酸化物(水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど)のほ
か、水溶性の有機アミン(例えばトリエチルアミンな
ど)を用いることができる。(±)−2−メチルピペラ
ジンの酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩のほか、有機酸の塩(例え
ばメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など
不斉炭素を有しない有機酸の塩)を用いることができる
が、鉱酸塩が好ましく、より好ましいのは硫酸塩又は塩
酸塩である。
ピペラジンの酸付加塩を用いることもできるが、この場
合には、反応系内に(±)−2−メチルピペラジンに対
して1モル以上の塩基を添加する必要がある。塩基の種
類は特に限定されず、通常の金属水酸化物(水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど)のほ
か、水溶性の有機アミン(例えばトリエチルアミンな
ど)を用いることができる。(±)−2−メチルピペラ
ジンの酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩のほか、有機酸の塩(例え
ばメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など
不斉炭素を有しない有機酸の塩)を用いることができる
が、鉱酸塩が好ましく、より好ましいのは硫酸塩又は塩
酸塩である。
【0013】本発明の第二の好ましい態様の方法は、光
学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反
応させる工程を含んでいる。光学活性パント酸としては
遊離形態の物質を用いてもよいが、塩基付加塩を用いる
こともできる。光学活性パント酸の塩基付加塩として
は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、
又はカルシウム塩などの金属塩が好適である。(±)−
2−メチルピペラジンとしては遊離形態の物質を用いて
もよいが、酸付加塩を用いてもよい。酸付加塩として
は、上記に例示したものを用いることができる。
学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反
応させる工程を含んでいる。光学活性パント酸としては
遊離形態の物質を用いてもよいが、塩基付加塩を用いる
こともできる。光学活性パント酸の塩基付加塩として
は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、
又はカルシウム塩などの金属塩が好適である。(±)−
2−メチルピペラジンとしては遊離形態の物質を用いて
もよいが、酸付加塩を用いてもよい。酸付加塩として
は、上記に例示したものを用いることができる。
【0014】上記の反応は、水または水に可溶な有機溶
媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコール、1,4−ジオキサン、又はそれらの混
合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合物中で行
うことができるが、水を溶媒として用いることが好まし
い。光学活性パント酸及び(±)−2−メチルピペラジ
ンのうちの一方又は両方が塩の形態である場合には、反
応系中に適宜の酸又は塩基を添加することにより反応を
円滑に進行させることができる。例えば、(±)−2−
メチルピペラジンの酸付加塩を用いる場合には、反応系
内に塩基を添加しておくのがよい。塩基の種類は特に限
定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウムなどの塩基が好ましい。
媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコール、1,4−ジオキサン、又はそれらの混
合物など)、あるいは水と上記有機溶媒の混合物中で行
うことができるが、水を溶媒として用いることが好まし
い。光学活性パント酸及び(±)−2−メチルピペラジ
ンのうちの一方又は両方が塩の形態である場合には、反
応系中に適宜の酸又は塩基を添加することにより反応を
円滑に進行させることができる。例えば、(±)−2−
メチルピペラジンの酸付加塩を用いる場合には、反応系
内に塩基を添加しておくのがよい。塩基の種類は特に限
定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウムなどの塩基が好ましい。
【0015】上記反応は通常、室温又は加熱下で行うこ
とができるが、温度及び反応時間は反応種が遊離形態又
は塩のいずれの物質であるかに応じて、あるいは酸又は
塩基の添加の有無などの条件に応じて適宜選択できる。
光学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンの使
用量は特に限定されないが、効率的に光学分割を行うた
めに(±)−2−メチルピペラジン1モルに対して光学
活性パント酸を1〜2モル程度用いるのがよい。
とができるが、温度及び反応時間は反応種が遊離形態又
は塩のいずれの物質であるかに応じて、あるいは酸又は
塩基の添加の有無などの条件に応じて適宜選択できる。
光学活性パント酸と(±)−2−メチルピペラジンの使
用量は特に限定されないが、効率的に光学分割を行うた
めに(±)−2−メチルピペラジン1モルに対して光学
活性パント酸を1〜2モル程度用いるのがよい。
【0016】光学活性パント酸と(±)−2−メチルピ
ペラジンとを反応させるにあたり、光学活性パントラク
トンを用いて光学活性パント酸を反応系内で生成させた
後、(±)−2−メチルピペラジンと反応させることが
できる。この方法は本発明の好ましい態様であり、以下
の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理して
光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含んでいる。
ペラジンとを反応させるにあたり、光学活性パントラク
トンを用いて光学活性パント酸を反応系内で生成させた
後、(±)−2−メチルピペラジンと反応させることが
できる。この方法は本発明の好ましい態様であり、以下
の工程:(1)光学活性パントラクトンを塩基で処理して
光学活性パント酸を反応系内に生成させる工程;及び
(2)上記反応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添
加して該ジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を
含んでいる。
【0017】上記工程(1)及び(2)の反応は、水または水
に可溶な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、
又はそれらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒
の混合物中で行うことができるが、水を溶媒として用い
ることが好ましい。工程(1)における開環反応は、通常
は0℃〜加温下、好ましくは室温程度で行うことがで
き、数分から数時間程度で完了する。
に可溶な有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコール、1,4−ジオキサン、
又はそれらの混合物など)、あるいは水と上記有機溶媒
の混合物中で行うことができるが、水を溶媒として用い
ることが好ましい。工程(1)における開環反応は、通常
は0℃〜加温下、好ましくは室温程度で行うことがで
き、数分から数時間程度で完了する。
【0018】工程(1)において用いる塩基の種類は特に
限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどを用いることが好まし
い。塩基の使用量も特に限定されないが、通常は光学活
性パントラクトンに対して1モル以上、好ましくは数モ
ル程度を用いればよい。工程(2)において(±)−2−
メチルピペラジンとして(±)−2−メチルピペラジン
の酸付加塩を用いる場合には、塩基の使用量が光学活性
パントラクトンに対して数モルであることが好ましい。
限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウムなどを用いることが好まし
い。塩基の使用量も特に限定されないが、通常は光学活
性パントラクトンに対して1モル以上、好ましくは数モ
ル程度を用いればよい。工程(2)において(±)−2−
メチルピペラジンとして(±)−2−メチルピペラジン
の酸付加塩を用いる場合には、塩基の使用量が光学活性
パントラクトンに対して数モルであることが好ましい。
【0019】工程(2)は、反応系内に生成した光学活性
パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反応させ
る工程であり、工程(1)で得られた反応混合物に対して
(±)−2−メチルピペラジンを添加して反応を行うこ
とができる。工程(2)において、(±)−2−メチルピ
ペラジンとして(±)−2−メチルピペラジンの酸付加
塩、例えば(±)−2−メチルピペラジンの鉱酸塩を添
加することが好ましい。反応はすでに説明した方法に従
って行うことができ、効率的に光学分割を行うためには
(±)−2−メチルピペラジンと工程(1)で用いる光学
活性パントラクトンとのモル比を1:1〜1:2程度に
するのがよい。
パント酸と(±)−2−メチルピペラジンとを反応させ
る工程であり、工程(1)で得られた反応混合物に対して
(±)−2−メチルピペラジンを添加して反応を行うこ
とができる。工程(2)において、(±)−2−メチルピ
ペラジンとして(±)−2−メチルピペラジンの酸付加
塩、例えば(±)−2−メチルピペラジンの鉱酸塩を添
加することが好ましい。反応はすでに説明した方法に従
って行うことができ、効率的に光学分割を行うためには
(±)−2−メチルピペラジンと工程(1)で用いる光学
活性パントラクトンとのモル比を1:1〜1:2程度に
するのがよい。
【0020】本発明の方法に用いられる光学活性パント
酸又は光学活性パントラクトンは市販されており、当業
者が容易に入手できるが、本発明の目的を効率的に達成
するためになるべく光学純度の高い光学活性パント酸又
は光学活性パントラクトンを用いることが望ましい。
酸又は光学活性パントラクトンは市販されており、当業
者が容易に入手できるが、本発明の目的を効率的に達成
するためになるべく光学純度の高い光学活性パント酸又
は光学活性パントラクトンを用いることが望ましい。
【0021】本発明の方法に従って生成したジアステレ
オマー塩混合物は、通常の手段により反応混合物から分
離することができる。さらに、得られたジアステレオマ
ー塩混合物を通常の分別再結晶に付することにより、該
混合物に含まれるジアステレオマー塩の溶解度差に従っ
て、難溶性ジアステレオマー塩を優先的に析出させるこ
とができる。分別再結晶は当業者に周知の方法に従って
行うことができるが、
オマー塩混合物は、通常の手段により反応混合物から分
離することができる。さらに、得られたジアステレオマ
ー塩混合物を通常の分別再結晶に付することにより、該
混合物に含まれるジアステレオマー塩の溶解度差に従っ
て、難溶性ジアステレオマー塩を優先的に析出させるこ
とができる。分別再結晶は当業者に周知の方法に従って
行うことができるが、
【0022】分別再結晶に用いる溶媒の種類は特に限定
されない。例えば、水、又はメタノール、エタノール、
若しくは2−プロパノールなどの低級脂肪族アルコー
ル、アセトン若しくはメチルエチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香
族炭化水素類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素類、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、又はそ
れらの混合物を挙げることができるが。これらに限定さ
れることはない。溶媒の使用量は溶媒の種類により異な
るが、ジアステレオマー塩1モルあたり100ml〜1
0リットル程度、好ましくは400ml〜8リットル程
度である。晶析温度は溶媒の種類や使用量によって異な
るが、通常は0℃〜40℃程度であり、ジアステレオマ
ー塩の回収率などの観点から20℃以下が好ましい。
されない。例えば、水、又はメタノール、エタノール、
若しくは2−プロパノールなどの低級脂肪族アルコー
ル、アセトン若しくはメチルエチルケトンなどのケトン
類、酢酸エチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香
族炭化水素類、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素類、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、又はそ
れらの混合物を挙げることができるが。これらに限定さ
れることはない。溶媒の使用量は溶媒の種類により異な
るが、ジアステレオマー塩1モルあたり100ml〜1
0リットル程度、好ましくは400ml〜8リットル程
度である。晶析温度は溶媒の種類や使用量によって異な
るが、通常は0℃〜40℃程度であり、ジアステレオマ
ー塩の回収率などの観点から20℃以下が好ましい。
【0023】本発明の方法に従って光学分割のための試
薬としてD−パント酸又はその前駆体試薬としてD−パ
ントラクトンを用いると、分別再結晶において(R)−
2−メチルピペラジンを含むジアステレオマー塩が優先
的に晶出し、光学分割のための試薬としてL−パント酸
又はその前駆体試薬としてL−パントラクトンを用いる
と、分別再結晶において(S)−2−メチルピペラジン
を含むジアステレオマー塩が優先的に晶出する。分別再
結晶により得られるジアステレオマー塩の光学純度が不
十分な場合には、前記の溶媒を用いて再結晶を1度ない
し数度行うことにより、光学純度を高めることができ
る。
薬としてD−パント酸又はその前駆体試薬としてD−パ
ントラクトンを用いると、分別再結晶において(R)−
2−メチルピペラジンを含むジアステレオマー塩が優先
的に晶出し、光学分割のための試薬としてL−パント酸
又はその前駆体試薬としてL−パントラクトンを用いる
と、分別再結晶において(S)−2−メチルピペラジン
を含むジアステレオマー塩が優先的に晶出する。分別再
結晶により得られるジアステレオマー塩の光学純度が不
十分な場合には、前記の溶媒を用いて再結晶を1度ない
し数度行うことにより、光学純度を高めることができ
る。
【0024】所望の光学純度となったジアステレオマー
塩を塩基で処理することにより光学活性2−メチルピペ
ラジンを遊離させることができる。遊離形態の2−メチ
ルピペラジンはエチルエーテル、クロロホルム、又は酢
酸エチルなどの有機溶媒で抽出することができ、有機層
を分離して常圧または減圧下で溶媒を留去することによ
り、目的とする光学活性2−メチルピペラジンを単離す
ることができる。この処理に用いられる塩基の種類は特
に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、又は炭
酸ナトリウムなどを挙げることができる。
塩を塩基で処理することにより光学活性2−メチルピペ
ラジンを遊離させることができる。遊離形態の2−メチ
ルピペラジンはエチルエーテル、クロロホルム、又は酢
酸エチルなどの有機溶媒で抽出することができ、有機層
を分離して常圧または減圧下で溶媒を留去することによ
り、目的とする光学活性2−メチルピペラジンを単離す
ることができる。この処理に用いられる塩基の種類は特
に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、又は炭
酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0025】また、得られたジアステレオマー塩を酸で
処理してパントラクトンを遊離させ、パントラクトンを
抽出により除去した後、水層を常圧または減圧下で濃縮
することにより光学活性2−メチルピペラジンの酸付加
塩を単離することができる。酸としては、例えば、塩
酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類が好ましい。残渣にメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低
級脂肪族アルコールやアセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、あるいはそれらの混合物などを加えて析
出する結晶を濾取することにより、精製された光学活性
2−メチルピペラジンの酸付加塩を単離することもでき
る。
処理してパントラクトンを遊離させ、パントラクトンを
抽出により除去した後、水層を常圧または減圧下で濃縮
することにより光学活性2−メチルピペラジンの酸付加
塩を単離することができる。酸としては、例えば、塩
酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類が好ましい。残渣にメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低
級脂肪族アルコールやアセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、あるいはそれらの混合物などを加えて析
出する結晶を濾取することにより、精製された光学活性
2−メチルピペラジンの酸付加塩を単離することもでき
る。
【0026】本発明によって得られた光学活性2−メチ
ルピペラジンの光学純度は、例えば、単離した光学活性
2−メチルピペラジンをジベンゾイル化した後、この誘
導体を光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフ
ィーで分析することにより容易に決定することが可能で
ある。
ルピペラジンの光学純度は、例えば、単離した光学活性
2−メチルピペラジンをジベンゾイル化した後、この誘
導体を光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフ
ィーで分析することにより容易に決定することが可能で
ある。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されること
はない。以下の実施例において、光学活性2−メチルピ
ペラジンの光学純度は以下のように測定した。2−メチ
ルピペラジン 100 mgを2 mlの塩化メチレンに溶解し、
この溶液にトリエチルアミン 0.3 mlと塩化ベンゾイル
0.25 mlを加えて室温で30分攪拌した。攪拌終了後、水1
0 mlを加えてクロロホルム10 mlで抽出し、有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去した。濃縮残渣を
ヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノ
ール=9/1、容量比)の混合液を展開溶媒とするカラム
クロマトグラフィーで精製し、2−メチルピペラジンの
ジベンゾイルアミド誘導体の溶液を得た。この溶液を下
記のHPLC条件下で測定して2−メチルピペラジンの光学
純度を決定した。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されること
はない。以下の実施例において、光学活性2−メチルピ
ペラジンの光学純度は以下のように測定した。2−メチ
ルピペラジン 100 mgを2 mlの塩化メチレンに溶解し、
この溶液にトリエチルアミン 0.3 mlと塩化ベンゾイル
0.25 mlを加えて室温で30分攪拌した。攪拌終了後、水1
0 mlを加えてクロロホルム10 mlで抽出し、有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去した。濃縮残渣を
ヘキサン/2−プロパノール(ヘキサン/2−プロパノ
ール=9/1、容量比)の混合液を展開溶媒とするカラム
クロマトグラフィーで精製し、2−メチルピペラジンの
ジベンゾイルアミド誘導体の溶液を得た。この溶液を下
記のHPLC条件下で測定して2−メチルピペラジンの光学
純度を決定した。
【0028】HPLC条件
カラム :Chiralcel OD-H〔4.6×250 mm; ダイセル化
学工業株式会社製〕 展開溶媒:ヘキサン/2−プロパノール(85/15、容量
比) 流速 :1.0 ml/min 検出波長:254 nm カラム温度 :40℃ 保持時間:(R)体 約21分、(S)体 約24分
学工業株式会社製〕 展開溶媒:ヘキサン/2−プロパノール(85/15、容量
比) 流速 :1.0 ml/min 検出波長:254 nm カラム温度 :40℃ 保持時間:(R)体 約21分、(S)体 約24分
【0029】例1
ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 g及びD−パント
ラクトン39.0 gに水100mlを加え、80℃に加温して2時間
反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮残
渣に2−プロパノール600 ml加え、70℃で溶解した。得
られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。
ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出し
た結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパン
ト酸塩21.8 gを得た。この塩の光学純度は95.4%eeであ
った。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノール75 m
lを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行った。つい
で得られたスラリーを徐々に冷却し5℃で晶出を行っ
た。結晶を濾取して精製された(R)−2−メチルピペ
ラジンのパント酸塩13.2 gを得た。
ラクトン39.0 gに水100mlを加え、80℃に加温して2時間
反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮残
渣に2−プロパノール600 ml加え、70℃で溶解した。得
られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。
ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出し
た結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパン
ト酸塩21.8 gを得た。この塩の光学純度は95.4%eeであ
った。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノール75 m
lを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行った。つい
で得られたスラリーを徐々に冷却し5℃で晶出を行っ
た。結晶を濾取して精製された(R)−2−メチルピペ
ラジンのパント酸塩13.2 gを得た。
【0030】精製した(R)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(R)−2−メチルピペラジン2.0
gを白色の結晶として得た。収率25.6%。旋光度[α]20 D
-1.7°(c=1.02, H2O)。得られた(R)−2−メチルピ
ペラジンの光学純度を上記の方法で測定した結果、99.9
%ee以上であった。
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(R)−2−メチルピペラジン2.0
gを白色の結晶として得た。収率25.6%。旋光度[α]20 D
-1.7°(c=1.02, H2O)。得られた(R)−2−メチルピ
ペラジンの光学純度を上記の方法で測定した結果、99.9
%ee以上であった。
【0031】例2
ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 gおよびL−パン
トラクトン39.0 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に2−プロパノール600 ml加えて70℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(S)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩22.1 gを得た。この塩の光学純度は93.6%e
eであった。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノー
ル75 mlを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行っ
た。ついで得られたスラリーを徐々に冷却して5℃で晶
出を行った。結晶を濾取して精製された(S)−2−メ
チルピペラジンのパント酸塩13.5 g を得た。
トラクトン39.0 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に2−プロパノール600 ml加えて70℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(S)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩22.1 gを得た。この塩の光学純度は93.6%e
eであった。上記で得られた塩15.0 gに2−プロパノー
ル75 mlを加え、70℃に加温して1時間懸濁洗浄を行っ
た。ついで得られたスラリーを徐々に冷却して5℃で晶
出を行った。結晶を濾取して精製された(S)−2−メ
チルピペラジンのパント酸塩13.5 g を得た。
【0032】精製した(S)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(S)−2−メチルピペラジン2.1
gを白色の結晶として得た。収率27.8%。得られた
(S)−2−メチルピペラジンの光学純度は99.9%ee以
上であった。
パント酸塩10.0 gに40% NaOH 5mlとクロロホルム100 ml
を加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取し、減
圧下で溶媒を留去し(S)−2−メチルピペラジン2.1
gを白色の結晶として得た。収率27.8%。得られた
(S)−2−メチルピペラジンの光学純度は99.9%ee以
上であった。
【0033】例3
ラセミ体の2−メチルピペラジン3.0 gおよびD−パン
トラクトン7.8 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にアセトン110 ml、水16 ml加え、50℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩3.2 gを得た。収率26.9%。この塩の光学
純度は99.9%ee以上であった。
トラクトン7.8 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にアセトン110 ml、水16 ml加え、50℃で溶解し
た。得られた溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行
った。ついで5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、
析出した結晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩3.2 gを得た。収率26.9%。この塩の光学
純度は99.9%ee以上であった。
【0034】例4
ラセミ体の2−メチルピペラジン4.0 gおよびD−パン
トラクトン5.2 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にエタノール60 ml加えて70℃で溶解した。得られ
た溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。つい
で5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出した結
晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパント酸
塩4.2 gを得た。収率26.5%。この塩の光学純度は94.9%
eeであった。
トラクトン5.2 gに水30 mlを加え、80℃に加温して2時
間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃縮
残渣にエタノール60 ml加えて70℃で溶解した。得られ
た溶液を徐々に冷却し、25℃で一晩晶出を行った。つい
で5℃まで冷却してさらに2時間晶出した後、析出した結
晶を濾取して(R)−2−メチルピペラジンのパント酸
塩4.2 gを得た。収率26.5%。この塩の光学純度は94.9%
eeであった。
【0035】例5
ラセミ体の2−メチルピペラジン15.0 gおよびL−パン
トラクトン19.5 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に水60 mlとアセトン180 ml加え、室温で2時間懸
濁攪拌を行なった。ついで5℃まで冷却してさらに1時間
晶出した後、析出した結晶を濾取して(S)−2−メチ
ルピペラジンのパント酸塩26.3 gを得た。この塩の光学
純度は、86.9%eeであった。
トラクトン19.5 gに水100 mlを加え、80℃に加温して2
時間反応させた。この溶液を60℃で減圧下に濃縮し、濃
縮残渣に水60 mlとアセトン180 ml加え、室温で2時間懸
濁攪拌を行なった。ついで5℃まで冷却してさらに1時間
晶出した後、析出した結晶を濾取して(S)−2−メチ
ルピペラジンのパント酸塩26.3 gを得た。この塩の光学
純度は、86.9%eeであった。
【0036】上記の(S)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩20.0 gに水8 mlとイソプロピルアルコール80 m
lを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下に
冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精製
された(S)−2−メチルピペラジンのパント酸塩14.8
gを得た。精製された(S)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに濃塩酸5 mlを加え、室温で1時間攪
拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化させ
た。この溶液を20 mlのメチルイソブチルケトンで6回抽
出してパントラクトンを除去した。水層を7.2 gまで濃
縮した後、アセトン40 mlを加え、10℃以下に冷却して1
時間晶出を行った。析出晶をろ取して減圧下で乾燥し、
3.9 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。収率2
9.3%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上であっ
た。
ント酸塩20.0 gに水8 mlとイソプロピルアルコール80 m
lを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下に
冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精製
された(S)−2−メチルピペラジンのパント酸塩14.8
gを得た。精製された(S)−2−メチルピペラジンの
パント酸塩10.0 gに濃塩酸5 mlを加え、室温で1時間攪
拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化させ
た。この溶液を20 mlのメチルイソブチルケトンで6回抽
出してパントラクトンを除去した。水層を7.2 gまで濃
縮した後、アセトン40 mlを加え、10℃以下に冷却して1
時間晶出を行った。析出晶をろ取して減圧下で乾燥し、
3.9 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。収率2
9.3%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上であっ
た。
【0037】例6
D−パントラクトン13.0 gに水20 ml及びNaOH 4.0 gを
加え、室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチ
ルピペラジン硫酸塩9.8 gを加え、室温で1時間反応させ
た。さらに2−プロパノール60 mlを加え、室温で6時間
攪拌晶出を行なった後、析出した結晶を濾取して(R)
−2−メチルピペラジンのパント酸塩及び硫酸ナトリウ
ムの混合物13.2 gを得た。この塩の光学純度は93.7%ee
であった。
加え、室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチ
ルピペラジン硫酸塩9.8 gを加え、室温で1時間反応させ
た。さらに2−プロパノール60 mlを加え、室温で6時間
攪拌晶出を行なった後、析出した結晶を濾取して(R)
−2−メチルピペラジンのパント酸塩及び硫酸ナトリウ
ムの混合物13.2 gを得た。この塩の光学純度は93.7%ee
であった。
【0038】上記の(R)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物10.0 gに水2 mlと2
−プロパノール40 mlを加え、70℃で30分懸濁洗浄を行
なった。10℃以下に冷却してさらに1時間晶出した後、
結晶をろ取し、精製された(R)−2−メチルピペラジ
ンのパント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物9.4 gを得
た。この塩の光学純度は99.0%eeであった。精製した
(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩と硫酸ナト
リウムの混合物8.0 gに40% NaOH 4 mlとクロロホルム80
mlを加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取
し、減圧下で溶媒を留去して(R)−2−メチルピペラ
ジン0.8 gを白色の結晶として得た。収率25.1%。得ら
れた結晶の光学純度は99.9%ee以上であった。
ント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物10.0 gに水2 mlと2
−プロパノール40 mlを加え、70℃で30分懸濁洗浄を行
なった。10℃以下に冷却してさらに1時間晶出した後、
結晶をろ取し、精製された(R)−2−メチルピペラジ
ンのパント酸塩と硫酸ナトリウムの混合物9.4 gを得
た。この塩の光学純度は99.0%eeであった。精製した
(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩と硫酸ナト
リウムの混合物8.0 gに40% NaOH 4 mlとクロロホルム80
mlを加え、30℃に加温して溶解した。有機層を分取
し、減圧下で溶媒を留去して(R)−2−メチルピペラ
ジン0.8 gを白色の結晶として得た。収率25.1%。得ら
れた結晶の光学純度は99.9%ee以上であった。
【0039】例7
D−パントラクトン6.5 gに水5 mlとNaOH 2.0 gを加え
て室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチルピ
ペラジン2.5 gを5.5 mlの水と4.5 mlの濃塩酸に溶解し
たものを加えた。室温で4時間晶出を行った後、5℃まで
冷却してさらに2時間晶出した。析出した結晶を濾取し
て(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩3.9 gを
得た。この塩の光学純度は96.4%eeであった。
て室温で溶解した。この溶液にラセミ体の2−メチルピ
ペラジン2.5 gを5.5 mlの水と4.5 mlの濃塩酸に溶解し
たものを加えた。室温で4時間晶出を行った後、5℃まで
冷却してさらに2時間晶出した。析出した結晶を濾取し
て(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩3.9 gを
得た。この塩の光学純度は96.4%eeであった。
【0040】上記の(R)−2−メチルピペラジンのパ
ント酸塩3.0 gに水1.2 mlとイソプロピルアルコール12
mlを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下
に冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精
製された(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩2.
7 gを得た。精製された(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩2.5 gに濃塩酸1.25 mlを加え、室温で1時
間攪拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化
させた。この溶液を5 mlの塩化メチレンで6回抽出して
パントラクトンを除去した。水層を1.7 gまで濃縮した
後、アセトン10 mlを加え、10℃以下に冷却して1時間晶
出を行った。析出晶をろ取し、減圧下での乾燥を行な
い、1.0 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。
収率32.5%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上
であった。
ント酸塩3.0 gに水1.2 mlとイソプロピルアルコール12
mlを加えて室温で3時間懸濁洗浄を行なった。10℃以下
に冷却してさらに1時間晶出した後、結晶をろ取し、精
製された(R)−2−メチルピペラジンのパント酸塩2.
7 gを得た。精製された(R)−2−メチルピペラジン
のパント酸塩2.5 gに濃塩酸1.25 mlを加え、室温で1時
間攪拌してパント酸を遊離させ、パント酸をラクトン化
させた。この溶液を5 mlの塩化メチレンで6回抽出して
パントラクトンを除去した。水層を1.7 gまで濃縮した
後、アセトン10 mlを加え、10℃以下に冷却して1時間晶
出を行った。析出晶をろ取し、減圧下での乾燥を行な
い、1.0 gの2−メチルピペラジン・2塩酸塩を得た。
収率32.5%。得られた塩酸塩の光学純度は99.9%ee以上
であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の方法によれば、2−メチルピペ
ラジンを効率的に光学分割し、高い光学純度を有する光
学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価に製造で
きる。
ラジンを効率的に光学分割し、高い光学純度を有する光
学活性2−メチルピペラジンを高収率かつ安価に製造で
きる。
Claims (10)
- 【請求項1】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割する方法におい
て、(±)−2−メチルピペラジンと光学活性パント酸
とのジアステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む
ことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 光学活性パントラクトンと(±)−2−
メチルピペラジンとを反応させて該ジアステレオマー塩
混合物を生成させる工程を含む請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 光学活性パント酸と(±)−2−メチル
ピペラジンとを反応させる工程を含む請求項1に記載の
方法。 - 【請求項4】下記の工程: (1)光学活性パントラクトンを塩基で処理して光学活性
パント酸を反応系内に生成させる工程;及び(2)上記反
応系内に(±)−2−メチルピペラジンを添加して該ジ
アステレオマー塩混合物を生成させる工程を含む請求項
3に記載の方法。 - 【請求項5】 (±)−2−メチルピペラジンとして
(±)−2−メチルピペラジンの酸付加塩を添加する請
求項3又は4に記載の方法。 - 【請求項6】 酸付加塩が鉱酸塩である請求項5に記載
の方法。 - 【請求項7】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割するための試薬で
あって、光学活性パント酸からなる試薬。 - 【請求項8】 (±)−2−メチルピペラジンから光学
活性2−メチルピペラジンを光学分割するための前駆体
試薬であって、光学活性パントラクトンからなる試薬。 - 【請求項9】 光学活性2−メチルピペラジンと光学活
性パント酸とのジアステレオマー塩。 - 【請求項10】 (±)−2−メチルピペラジンと光学
活性パント酸とのジアステレオマー塩混合物。
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JP2001219716A JP2003034683A (ja) | 2001-07-19 | 2001-07-19 | 光学活性2−メチルピペラジンの製造方法 |
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- 2001-07-19 JP JP2001219716A patent/JP2003034683A/ja active Pending
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