JP2003034531A - ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物とその製造方法 - Google Patents

ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物とその製造方法

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JP2003034531A
JP2003034531A JP2001150030A JP2001150030A JP2003034531A JP 2003034531 A JP2003034531 A JP 2003034531A JP 2001150030 A JP2001150030 A JP 2001150030A JP 2001150030 A JP2001150030 A JP 2001150030A JP 2003034531 A JP2003034531 A JP 2003034531A
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alkoxide
metal
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metal oxide
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Motonari Adachi
基齊 足立
Susumu Yoshikawa
暹 吉川
Makoto Harada
誠 原田
Yusuke Murata
雄輔 村田
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有
し、比表面積が大きな金属酸化物と、それらの製造方法
を提供する。また、ナノチューブ形状を有するため高比
表面積であって、光触媒活性の高いアナターゼ相の二酸
化チタンや、高い色素増感能力と電子伝達能力を有する
二酸化チタン等も提供する。さらには、ナノチューブあ
るいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物であって、
高活性な触媒あるいは触媒担体、電子材料、光材料等も
提供する。 【解決手段】 金属化合物あるいはその有機溶媒溶液
と、界面活性剤と、水とを接触させて混合して固化する
ことで、ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有す
る金属酸化物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ナノチュ
ーブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物とそ
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、ナノチューブあるいはナノワイヤー形状
を有し、比表面積が大きな金属酸化物と、それらの製造
方法に関するものである。また、ナノチューブあるいは
ナノワイヤー形状を有する金属酸化物であって、高活性
な触媒や触媒担体、電子材料、光材料等に関するもので
ある。さらに、この出願の発明は、ナノチューブ形状を
有するため高比表面積であって、光触媒活性の高いアナ
ターゼ相の二酸化チタン、さらには高い色素増感能力と
電子伝達能力を有する二酸化チタン等に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】二酸化チタンは、優れた紫外
線吸収性および吸着性等の特性を有することから、従来
より、顔料、塗料、化粧料、紫外線遮断材、触媒、触媒
担体および各種のエレクトロニクス材料等に利用されて
いる。さらに、最近では、二酸化チタンそのものが持つ
光触媒活性に大きな関心が寄せられている。二酸化チタ
ンの優れた光触媒活性は、有害有機物の分解、大気汚染
物質の除去、殺菌・抗菌等を目的として実用化されても
いる。
【0003】このような二酸化チタンの光触媒活性につ
いては、ルチル相よりもアナターゼ相のものが高いこと
が知られており、さらに二酸化チタンの光触媒特性を向
上させる方法として、二酸化チタンの比表面積を増大さ
せることが検討されている。たとえば、二酸化チタンを
ナノスケールの微粒子あるいは結晶としたり、薄片状、
チューブ状あるいは多孔質体とすること等の多くの試み
がなされている。
【0004】たとえば、比表面積の増大を目的として、
結晶性の二酸化チタン粉末をアルカリ処理することでナ
ノチューブ形状の二酸化チタン結晶を製造する提案(特
願平9−255578)等がある。しかしながら、これ
までに提案されている二酸化チタンの場合には、比表面
積と光触媒活性は実用的に満足できるものではないとい
う問題があった。
【0005】一方で、二酸化チタン以外の金属酸化物に
おけるナノスケールの材料としては、微細な球状の粒子
が一般的に利用されている。しかしながら、たとえば、
比表面積の増大を考慮する場合等に用いるナノスケール
の金属酸化物としては、球状の粒子よりもワイヤー状、
さらにはチューブ状であることが効果的であるといえ
る。そして、二酸化チタン以外の金属酸化物についても
ナノチューブ形状のものが実現されれば、さまざまな応
用技術への発展が期待できる。しかしながら、ほとんど
の金属酸化物について、ナノスケールのチューブ状ある
いはワイヤー状に製造する技術は知られていなかった。
【0006】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、比表面積が大きく、
光触媒活性の高い二酸化チタンを製造することができる
新規な方法と、この方法により得られる二酸化チタンを
提供することを課題としている。さらに、この出願の発
明は、ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有し、
比表面積が大きな金属酸化物と、それらの製造方法をも
提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0008】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、金属化合物あるいはその有機溶媒溶液と、界面活性
剤と、水とを接触させて混合して固化することを特徴と
するナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金
属酸化物の製造方法を提供する。
【0009】また、この出願の発明は、上記のナノチュ
ーブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物の製
造方法において、第2には、金属アルコキシドの有機溶
媒溶液と、界面活性剤と水、あるいは界面活性剤の水溶
液とを混合して固化することを特徴とする製造方法を、
第3には、金属アルコキシドの有機溶媒溶液に界面活性
剤を溶解した有機溶液に、水を混合して固化することを
特徴とする製造方法を提供する。
【0010】そしてこの出願の発明は、上記いずれかの
ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸
化物の製造方法において、第4には、金属アルコキシド
が、原子量が30以上で価電子数が4の金属のアルコキ
シド、または価電子数が3の金属のアルコキシドである
ことを特徴とする製造方法を、第5には、その金属アル
コキシドが、価電子数4のTi,Ce,Hf,Sn,Z
r,Geあるいは価電子数3のFeのうちのいずれか1
種であることを特徴とする製造方法を、第6には、金属
アルコキシドが、価電子数4の金属のアルコキシドの異
なる2種、または価電子数4の金属のアルコキシドのい
ずれか1種と価電子数3あるいは2の金属のアルコキシ
ドのいずれか1種との混合物であることを特徴とする製
造方法を、第7には、その金属アルコキシドの混合比を
変化させることを特徴とする製造方法を、第8には、そ
の金属アルコキシドが、価電子数4のSi,Ti,C
e,Hf,Sn,Zr,Geのアルコキシドの異なる2
種、またはそのいずれか1種と価電子数3のFeあるい
は価電子数2のZnのいずれか1種のアルコキシドとの
混合物であることを特徴とする製造方法を提供する。さ
らに、第9には、金属アルコキシドのアルコキシル基
が、炭素数1〜6のトリまたはテトラアルコキシル基で
あることを特徴とする製造方法を、第10には、有機溶
媒が、ジケトン化合物であることを特徴とする製造方法
を、第11には、界面活性剤が、陽イオン界面活性剤で
あることを特徴とする製造方法を、第12には、その陽
イオン界面活性剤が、脂肪族アミン塩である製造方法
を、第13には、金属アルコキシドと界面活性剤のモル
比を0.5:1〜8:1とすることを特徴とする製造方
法を、第14には、283〜373Kの温度で、0.1
〜500時間の条件で固化することを特徴とする製造方
法を提供する。
【0011】一方で、この出願の発明は、上記第4ない
し第14いずれかの発明の製造方法において、第15に
は、金属アルコキシドがチタニウムアルコキシドであ
り、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶液と、界面活
性剤の水溶液とを混合して固化するとき、界面活性剤の
水溶液のpHが2〜5であり、濃度が0.5mol/l
以下であることを特徴とするナノチューブ形状を有する
二酸化チタンの製造方法を、第16には、金属アルコキ
シドがチタニウムアルコキシドであり、チタニウムアル
コキシドの有機溶媒溶液と、界面活性剤の水溶液とを混
合して固化するとき、チタニウムアルコキシドと界面活
性剤のモル比を4:1とすることを特徴とするナノチュ
ーブ形状を有する二酸化チタンの製造方法を、第17に
は、金属アルコキシドがチタニウムアルコキシドであ
り、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶液に界面活性
剤を溶解した有機溶液に、水を混合して固化するとき、
モル分率でH2O/Tiが2以下となるように水を混合
することを特徴とするナノワイヤー形状を有する二酸化
チタンの製造方法を、第18には、金属アルコキシドが
チタニウムアルコキシドであり、チタニウムアルコキシ
ドの有機溶媒溶液に界面活性剤を溶解した有機溶液に、
水を混合して固化するとき、モル分率でH2O/Tiが
4以上となるように水を混合することを特徴とするナノ
チューブ形状を有する二酸化チタンの製造方法を、第1
9には、そのモル分率でH2O/Tiを4以上で調整す
ることで、ナノチューブ形状の二酸化チタンの壁厚を制
御することを特徴とするナノチューブ形状を有する二酸
化チタンの製造方法を提供する。
【0012】加えてこの出願の発明は、第20には、上
記いずれかの製造方法で製造された固化物に、焼成処理
を施すことを特徴とするナノチューブあるいはナノワイ
ヤー形状を有する金属酸化物の製造方法等も提供する。
【0013】また、この出願の発明は、上記第20の発
明の製造方法において、第21には、固化物がナノチュ
ーブ形状を有する二酸化チタンであるとき、473〜8
73Kの温度で、0.5〜100時間焼成することを特
徴とする製造方法を、第22には、固化物がナノチュー
ブ形状を有する二酸化チタンであるとき、573〜62
3Kの温度で、15〜24時間焼成することを特徴とす
る製造方法を、第23には、固化物がナノチューブ形状
を有する二酸化チタンであるとき、750〜800Kの
温度で、0.5〜4時間焼成することを特徴とするナノ
チューブ形状を有する金属酸化物の製造方法を提供す
る。
【0014】他方で、この出願の発明は、第24には、
上記いずれかの方法によって製造された、ナノチューブ
あるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物等も提供
する。そして、この出願の発明は、上記の金属酸化物で
あって、第25には、光触媒活性が高い二酸化チタンで
あることを特徴とするナノチューブ形状を有する二酸化
チタンや、第26には、そのナノチューブ形状を有する
二酸化チタンが集合したメゾポア構造を有する光触媒活
性の高い二酸化チタンや、第27には、高い色素増感能
力と電子伝達能力を有することを特徴とするナノチュー
ブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物や、第
28には、そのナノチューブあるいはナノワイヤー形状
を有する金属酸化物を用いたことを特徴とする色素増感
太陽電池用電極、第29には、ナノチューブあるいはナ
ノワイヤー形状を有する金属酸化物であって、高い性能
の触媒あるいは触媒担体として用いることを特徴とする
金属酸化物等を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0016】まず、この出願の発明が提供するナノチュ
ーブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物の製
造方法は、金属化合物あるいはその有機溶媒溶液と、界
面活性剤と、水とを接触させて混合して固化することを
特徴としている。
【0017】出発物質としての金属化合物は、水との反
応で水酸化物に変換される金属ハロゲン化物、各種の金
属塩等の溶液を用いることができるが、なかでも、金属
アルコキシドが出発物質として推奨される。
【0018】この金属アルコキシドとしては、原子量が
30以上で価電子数が4の金属のアルコキシド、または
価電子数が3の金属のアルコキシドを単独で用いること
ができる。この場合、用いた金属の酸化物を、ナノチュ
ーブ形状あるいはナノワイヤー形状のものとして製造す
ることができる。また一方で、金属アルコキシドとして
2種以上の金属のアルコキシドを用いることなども可能
である。この場合、価電子数4の金属のアルコキシドを
少なくとも1種用いればよく、たとえば、価電子数4の
金属のアルコキシドの異なる2種、または価電子数4の
金属のアルコキシドのいずれか1種と価電子数3あるい
は2の金属のアルコキシドのいずれか1種とを組み合わ
せることなどが例示される。2種以上のアルコキシドを
混合して用いる場合には、前記のような単独系において
製造されるそれぞれの金属酸化物の混合物ではなく、用
いた金属の複合酸化物を、ナノチューブ形状あるいはナ
ノワイヤー形状のものとして製造することができる。こ
のような金属元素Mとしては、具体的には、たとえば、
価電子数が4のSi,Ti,Ce,Hf,Sn,Zr,
Ge、価電子数が3のFeあるいは価電子数が2のZn
等を例示することができる。なお、価電子数が4で原子
量が28のSiを単独で用いてナノチューブ形状のシリ
カ(SiO2)を製造することについては、この出願の
発明者らにより既に公知とされているため、この出願の
発明においては対象としていない。
【0019】これらの金属アルコキシドは、金属元素を
M、アルコキシル基をORとするとき、一般式、M(O
R)4,M(OR)3,M(OR)2として表される各種
のものを用いることができる。アルコキシル基ORを構
成する有機基Rとしては、たとえば、炭素数1〜25の
アルキル基等であってよく、中でも炭素数1〜6の、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基等の低級アルキル基であることが好
ましい。これらは同一のものであっても異なるものであ
ってもよい。この出願の発明においては、有機基Rが同
一の、たとえば、炭素数1〜6のトリまたはテトラアル
コキシル基であることが好ましい例として示される。よ
り具体的には、金属アルコキシドとして、例えば、Ti
(OiPr)4,Ce(OnBu)4,Hf(OnBu)
4や、Fe(OCH(CH3)CH 2OCH33を用いる
ことなどが例示される。アルコキシル基の炭素数は、大
きすぎると加水分解の反応性が低くなりすぎるために好
ましくない。
【0020】上記の金属アルコキシドを溶解する有機溶
媒としては、アルコールや多座配位子化合物等を用いる
ことが例示される。多座配位子化合物としては、たとえ
ば、ビアセチル、ベンジル、アセチルアセトン等のジケ
トン化合物が好適な例として示される。特に、アセチル
アセトンを用いることが好ましい。これらの多座配位子
化合物等は、単独で用いてもよいし、イソプロピルアル
コール、メトキシプロパノール、ブタノール等のアルコ
ールと混合して用いてもよい。この有機溶媒中に金属ア
ルコキシドを、モル比が、有機溶媒:金属アルコキシド
として、5:1〜1:1.5、より好ましくは、1:1
ないしはその付近となるように溶解させる。この金属ア
ルコキシド溶液中でアルコキシドは安定化し、後の加水
分解反応の速度調整が容易になる。
【0021】界面活性剤は、この出願の発明の金属酸化
物において特徴的なナノチューブ形状あるいはナノワイ
ヤー形状の形成に極めて重要な役割を担うものである。
この界面活性剤としては、各種のものを選択することが
できるが、好適には、陽イオン界面活性剤を用いること
ができる。なかでも、脂肪族アミン塩を用いることが好
ましい。たとえば、炭素数8〜20の1級アミンとして
の脂肪族アミン塩等が例示される。より具体的には、た
とえば、ラウリルアミン塩酸塩等である。
【0022】この出願の発明においては、上記の金属ア
ルコキシドの有機溶媒溶液と、界面活性剤と、水とを接
触させて混合して固化させるが、その手段としては、次
の2通りを考慮することができる。まず1つは、金属ア
ルコキシドの有機溶媒溶液と、界面活性剤の水溶液とを
混合する方法である。そしてもう1つは、金属アルコキ
シドの有機溶媒溶液に界面活性剤を溶解した有機溶液
に、水を混合する方法である。
【0023】このようにして調整される混合溶液におい
て、金属アルコキシドおよび界面活性剤は、各々、次の
ような挙動を示す。金属アルコキシドについては、
(a)加水分解反応および重縮合反応が進行し、ゾルま
たはゲル化して金属酸化物を形成する。このゾルまたは
ゲルが固化することで固形体を得ることができる。界面
活性剤については、混合溶液中で自由エネルギーが最小
となるように(b)分子集合体を形成する。この分子集
合体は、界面活性剤の疎水部が小さい場合に球形とな
り、疎水部が大きい場合にラメラ構造の平板状となり、
そして、疎水部の大きさがこれらの中間である場合に棒
状の集合体となる。そして、金属アルコキシドと界面活
性剤が接触した場合には、(c)金属イオンが界面活性
剤の親水部に付着して複合体を形成する。この発明の方
法においては、以上の3つのどれが優位に作用するかに
より、得られる金属酸化物の形状が決定されることにな
る。
【0024】すなわち、たとえば、まず、界面活性剤1
分子と金属アルコキシドの1分子が対応した複合体を形
成すると、界面活性剤の疎水部と親水部のバランスが崩
れ、界面活性剤は疎水部を中心にした棒状の集合体とな
る。そして引き続きこの棒状体の表面において金属アル
コキシドの縮重合反応が進行することで、チューブ形状
の金属酸化物が形成されると考えられる。
【0025】また一方で、加水分解した金属アルコキシ
ド同士の縮重合反応が先行すると、まず粒子状の金属酸
化物が形成される。そして界面活性剤は、形成された粒
子のある特定の面に選択的に吸着してその面の成長を妨
げるため、粒子の吸着のない面あるいは少ない面が成長
してナノワイヤー形状の金属酸化物が形成されると考え
られる。このようにアルコキシドと界面活性剤の複合体
形成と、加水分解したアルコキシドの重合反応のどちら
が優勢かによって、アルコキシドが界面活性剤と円筒形
の組織を作るかアルコキシド同士で粒子を形成するかが
分かれ、得られる金属酸化物の形状がナノチューブある
いはナノワイヤー形状に決定されることになる。これら
の金属酸化物の中には粒状の組成物が含まれることもあ
る。
【0026】得られる金属酸化物の形状の制御は、対象
とする金属ごとによって異なるため一概には言えない
が、たとえば、金属アルコキシドがチタニウムアルコキ
シドである場合には、チタニウムアルコキシド、界面活
性剤および水の混合の手段として、金属アルコキシドの
有機溶媒溶液と、界面活性剤の水溶液とを混合する方法
を採用することで、ナノチューブ形状の二酸化チタンを
得ることができる。この場合、界面活性剤の水溶液はp
Hが0〜12、濃度が2mol/l以下であればよい
が、より好適には、pHを2〜5、濃度を0.5mol
/l以下に調整して安定させた水溶液を用いることが好
ましい。pHを調整する場合は、たとえば、塩酸や水酸
化ナトリウムなどを用いることができる。
【0027】一方の、チタニウムアルコキシドの有機溶
媒溶液に界面活性剤を溶解し、ついで水を混合する方法
については、金属アルコキシドの有機溶媒溶液に界面活
性剤を溶解した有機溶液に混合する水の量を、モル分率
でH2O/Tiが2以下と微量になるように調整するこ
とでナノワイヤー形状を有する二酸化チタンを得ること
ができる。また、有機溶液に混合する水の量を、モル分
率でH2O/Tiが4以上となるようにすることでナノ
チューブ形状の二酸化チタンを得ることができる。さら
にH2O/Tiが4以上8程度以下の範囲では、混合す
る水の量を増加させるにつれてナノチューブ形状の二酸
化チタンの壁厚を増大させることができる。
【0028】以上の金属アルコキシド、界面活性剤、水
の混合において、金属アルコキシドと界面活性剤の混合
比は、反応の進行および混合溶液の固化時間に影響を与
える。この出願の発明においては、金属アルコキシドと
界面活性剤のモル比は、金属アルコキシド:界面活性剤
として、0.1:1〜30:1、より好ましくは0.
5:1〜8:1の範囲で考慮することができる。たとえ
ば、金属アルコキシドがチタニウムアルコキシドであっ
て、界面活性剤を水溶液として混合する方法を採用する
場合を例に具体的に説明すると、モル比が0.5:1〜
16:1の範囲で好適にチタニアナノチューブを製造す
ることができ、チタニウムアルコキシドの比が多い場合
は時間がかかり、チタニウムアルコキシドの比が少ない
場合には得られるチタニアナノチューブの量が少なくな
る。これらを考慮すると、チタニウムアルコキシドと界
面活性剤のモル比を3:1〜5:1とすることが効率が
よくて好ましく、4:1もしくはその付近となるように
混合することが最適な例として示される。このように、
混合比が上記範囲外であったり、また水が多すぎたりす
ると、加水分解および重縮合反応の進行が速すぎて均質
な固形体が得られなかったり、逆に、固化の時間がかか
りすぎる等の不都合が生じる場合がある。
【0029】なお、この出願の発明の方法において、製
造された金属酸化物の固化体中に存在する界面活性剤
は、具体的には、たとえば、イソプロピルアルコール等
のアルコール、THF、ジオキサン等で洗浄することで
除去することができる。
【0030】また、固化反応により生成された固化体、
あるいは前記の通り、アルコール等によって洗浄して界
面活性剤を除去した固化体については、自然乾燥ないし
風乾されてもよいし、あるいは通常の意味での加熱乾燥
が行われてもよい。従って、この発明の方法において
は、「固化」には、これらの乾燥が包含されている。
【0031】そして、この出願の発明においては、固化
の条件を、283〜373Kで、0.1〜500時間と
するようにしている。混合溶液における金属アルコキシ
ドおよび界面活性剤の反応は、金属の種類や各種の条件
によってその進行度合いは様々に変化するため、より好
適な固化の条件として、313〜373Kで0.5〜3
00時間とすることが例示される。具体的には、たとえ
ば、金属がTi、ZrまたはHfの場合は、333〜3
73K、より好適には353Kで24時間とすることが
望ましい。金属がCeの場合は、333〜373Kで2
40時間程度、SnあるいはGeの場合には313〜3
53Kで0.5時間程度とすることが望ましい。なお、
この発明においては、上記の金属の酸化物を、単独の酸
化物としてだけではなく複合酸化物としても、ナノチュ
ーブ形状あるいはナノワイヤー形状に製造することがで
きる。この場合の複合酸化物は、それぞれ単独系で得ら
れる金属酸化物の結晶構造とは異なる結晶構造を有して
いる。これは、単独の金属酸化物の結晶構造において、
その金属元素が他の金属元素で置換されることで変化し
て得られる結晶構造であると考えられる。この出願の発
明の方法は、このような結晶構造の変化を373K以
下、さらには353K以下の低温で実現することも可能
とされている。これによって、より効率的に、ナノチュ
ーブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物を得
ることができる。
【0032】この出願の第16ないし第19の発明が提
供するナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する
金属酸化物の製造方法は、上記いずれかの発明におい
て、固化で得られた固形物に、焼成処理を施すことを特
徴としている。すなわち、固化によって得られたナノチ
ューブあるいはナノワイヤー形状の金属酸化物は結晶と
して得られるが、なかには非晶質相が混在してもいる。
そのため、焼成処理を施し、非晶質相を結晶に転移させ
る。
【0033】たとえば、金属アルコキシドとしてチタニ
ウムアルコキシドを用いた場合には、上記の方法によっ
て得られる固化体としてのナノチューブ形状の二酸化チ
タンは主にアナターゼ相として得られるが、なかには非
晶質相が混在してもいる。そのため、473〜873K
で、0.5〜100時間の焼成処理を施すことで、ナノ
チューブ形状の二酸化チタンの非晶質相をアナターゼ相
に転移させることが示される。この場合、焼成処理温度
が473K程度よりも低くなると、非晶質相からアナタ
ーゼ相への転移が起こりにくいため好ましくない。ま
た、焼成処理温度が873K程度よりも高くなると、ア
ナターゼ相からさらにルチル相へ転移してしまうため好
ましくない。また、上記範囲内であっても、高温で長時
間の焼成処理は好ましくない場合がある。望ましくは、
573〜623Kで15〜24時間、たとえば600K
で24時間、あるいは、750〜800Kで0.5〜4
時間、たとえば773Kで3時間等の焼成処理を施すこ
とが示される。これによって、二酸化チタンの結晶形態
を、効率よく非晶質相からアナターゼ相へと転移させる
ことができる。すなわち、より光学活性の優れたナノチ
ューブ形状の二酸化チタンを実現することが可能とな
る。
【0034】この出願の第24ないし第27の発明が提
供する金属酸化物は、上記いずれかの方法によって製造
され、ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有して
いる。この金属酸化物は、出発材料の金属アルコキシド
として、原子量が30以上で価電子数が4または価電子
数が3のいずれかの金属のアルコキシドを単独で用いた
場合には、その金属の単独系の酸化物をナノチューブ形
状あるいはナノワイヤー形状のものとして得ることがで
きる。また金属アルコキシドとして、2種以上の金属ア
ルコキシドを用いた場合には、おのおのの単独系におい
て得られる金属酸化物の混合物ではなく、それら金属の
複合酸化物を、ナノチューブ形状あるいはナノワイヤー
形状のものとして得ることができる。この場合の金属酸
化物において特徴的なことは、それぞれの単独系で得ら
れた金属酸化物には見られない結晶構造を有しているこ
とである。
【0035】以上のようなこの出願の発明の金属酸化物
は、ナノチューブあるいはナノワイヤーという特徴的な
形状を有し、表面積が広く、大きさがナノサイズの微小
な結晶である。なかでも、この出願の第25の発明が提
供するナノチューブ形状を有する二酸化チタンは、その
ナノチューブ形状のため比表面積が大きく、また光触媒
の活性が高いアナターゼ相からなることを特徴としてい
る。また、この出願の第26の発明が提供する二酸化チ
タンは、そのナノチューブ体が集合したメゾポア構造を
有し、光触媒の活性がさらに高いことを特徴としてい
る。すなわち、この出願の発明の方法により製造される
ナノチューブ形状を有する二酸化チタンおよびその集合
体は、粉末の二酸化チタン結晶に比べて比表面積が非常
に大きく、アナターゼ相であるため、高い光触媒活性を
示す。これらを利用することによって、有害ガスの分
解、大気汚染の除去、殺菌および抗菌などの機能材料と
して有用な光触媒活性材料が提供される。
【0036】また、この出願の発明が提供するナノチュ
ーブ形状を有する二酸化チタンは、高い色素増感能力と
電子伝達能力を有することを特徴としており、太陽電池
などの電極材料として使用することが可能となる。たと
えば、色素増感太陽電池において、導電性薄膜付きガラ
スの導電性薄膜上にこの出願の発明のナノチューブ形状
を有する二酸化チタンを塗布してチタニア層を形成し、
そのチタニア層に色素を担持させてチタニア電極を構成
することで、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換
する際の光電変換効率を向上させることが可能とされ
る。
【0037】また、金属アルコキシドとして錫のアルコ
キシドを用いた場合には、金属酸化物として酸化錫(S
nO2)が得られる。酸化錫は、最近になって湿式太陽
光発電の電極材料であるチタニア膜に変わる効率的な膜
形成材料として注目されてきており、この出願の発明に
より提供されるナノワイヤー状の酸化錫はその膜構成材
料として最適な形状を有するものとして利用が期待でき
る。
【0038】上記の二酸化チタン、二酸化スズ等は半導
体特性を示すことから、たとえば電子伝達特性に優れた
ナノワイヤーを製造し、異種の2本のナノワイヤーの接
点をpn接合として機能させることで、トランジスター
のように整流特性を有する材料が実現される。
【0039】さらに、金属アルコキシドとしてセシウム
アルコキシドを用いた場合には、金属酸化物としてセリ
ア(CeO2)が得られる。セリアは、NOX等の自動車
排ガス処理における高効率触媒、一般的な酸化・還元触
媒、さらには次世代エネルギーとして注目されている燃
料電池のメタンから水素を取り出す触媒等としての利用
が期待される材料である。たとえばこの出願の発明のナ
ノチューブ形状のセリアは、大きな比表面積が得られ、
そのような酸化還元触媒等の機能材料として有用であ
る。加えて、銅、イットリウム等の元素をドープするこ
とでより優れた酸化還元触媒が実現される。
【0040】以上のように詳しく例示したもの以外に
も、この出願の発明により製造されるナノチューブ形状
を有する金属酸化物は、たとえば、その毛管凝縮作用を
利用することで気相中の微量の成分を吸着除去する機能
を備え持つことになり、防臭剤等として応用することが
できる。また、その内壁を修飾することにより水素吸蔵
能力を付与する等といった応用も期待される。
【0041】さらに、ナノスケールの材料を規則正しく
配列すると光の波長変換がおこることから、この出願の
発明のナノチューブ形状あるいはナノワイヤー形状の金
属酸化物を非線形光学材料として利用することもでき
る。また、この金属酸化物自身の持つ光学特性による色
材としての利用など、各種光学材料としての利用も可能
である。このように、この出願の発明のナノチューブ形
状あるいはナノワイヤー形状の金属酸化物によって、電
子伝導性、磁性、光学特性、化学触媒特性等の各種の特
性に基づいた種々の応用が期待される。
【0042】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0043】
【実施例】(実施例1)チタニウムアルコキシドとし
て、テトライソプロピルオルトチタネート(TIPT)
を、有機溶媒として、アセチルアセトン(acac)
を、界面活性剤として、ラウリルアミン塩酸塩(LAH
C)を用い、チタニアナノチューブを作製した。
【0044】acacとTIPTをモル比1:1で混合
し、TIPT溶液とした。LAHCは0.1Mに調整
し、LAHC水溶液とした。このLAHC水溶液のpH
は、4.5とした。
【0045】TIPT溶液とLAHC水溶液を、モル比
4:1で混合し、353Kで加水分解および重縮反応を
進行させて、固形物とした。TIPT溶液とLAHC水
溶液の混合溶液は、以下のように変化した。
【0046】混合溶液は、反応前は黄色の透明な液体で
あったが、反応開始から2時間後にゲル状となり、3〜
4時間後には再びゾル状になった。さらに、約24時間
後には、溶液は水分がなくなり、薄く透明な上澄み層を
有するゼラチン状の析出物となった。その後72時間ま
では、そのままの状態を保つことが確認された。
【0047】混合溶液中に得られたチタニアナノチュー
ブの特性を、X線小角散乱(SAXS)によって調べ
た。図1aに、反応開始から1時間、3時間および25
時間後の混合溶液の状態を、SAXSにより測定した結
果を示した。図中のアルファベットD、Di、Lは、そ
れぞれ、チタニアナノチューブの外径、内径、長さを示
している。e.dは、共軸二重円筒を想定したときの電
子密度分布に関するパラメータであり、(ρ2−ρ1)
/(ρ2−ρs)で表される。ここで、ρs、ρ1、ρ
2は、それぞれ、溶媒としての水、内部核、親水殻の電
子密度を示している。
【0048】TIPTを添加する前のLAHC水溶液を
0.1Mに希釈した中には、球状の集合体が観察されて
いた。しかしながら、TIPTを添加して加水分解およ
び重縮反応を開始させてから1時間後には、混合溶液中
に、内径4.4nm、外径6.8nmの円筒状の集合体
が形成されているのが確認された。円筒という形状は測
定時間中保たれていたが、反応開始後3〜25時間で
は、円筒の長さは保たれたまま、円筒の径が大きくなる
のが確認された。そして、反応開始から25時間後の円
筒状の生成物の形状は、内径6.9nm、外径9.3n
mおよび長さ35nmであった。
【0049】この出願の発明者らが界面活性剤を鋳型と
してシリカナノチューブを形成させたときは、反応時間
と共にシリカナノチューブ円筒の長さは増大し、直径は
一定で変化しなかった。界面活性剤を鋳型としてナノチ
ューブ体を形成させるという同様な手法をとっているに
もかかわらず、ナノチューブ体が形成される際の特徴的
な点は、チタニアナノチューブとシリカナノチューブと
では全く異なることが確認された。
【0050】もう一つの特徴的な点として、チタニアナ
ノチューブ壁の厚さは、円筒径が変化しても常に約1.
2nmであった。その後、48時間までは、反応溶液の
SAXSパターンには何の変化も見られなかった。その
ため、反応開始から48時間および72時間後のSAX
S測定の結果からフラクタル分析を行い、その結果を図
1bに示した。
【0051】48時間および72時間後の溶液試料につ
いて、傾きが−4のフラクタル次元が得られたが、これ
は平滑な表面を持つ固体が形成されたことを示してい
る。この平滑表面の特性長さは9nmであった。平滑表
面の特性長さが9nmよりも長い範囲のフラクタル次元
は−2.7で、この値はクラスターと単量体が拡散律速
で凝集する際にのみに見られる値であり、ゲルが溶液へ
と再溶解することに一致している。
【0052】以上のことから、チタニウムアルコキシド
溶液と、界面活性剤の水溶液を混合し、固化させること
で、チタニアナノチューブが得られることが確認され
た。 (実施例2)実施例1で、反応開始から48時間後のゼ
ラチン状の析出物を乾燥させたものを試料Aとした。ま
た、623K、773Kで焼成したものを、それぞれ、
試料Bおよび試料Cとした。 <1> 試料A〜Cについて、フラクタル分析を行っ
た。その結果を、図1bに併せて示した。
【0053】乾燥させた試料Aの分析結果は、反応開始
から48時間後の試料の分析結果と一致した。623K
および773Kで焼成した試料Bおよび試料Cの分析結
果からは、平滑な固相表面の領域がおよそ16nmにま
で増大していることがわかった。これは、焼成によっ
て、チタニアナノチューブが凝集体を形成したことを示
している。
【0054】乾燥させた試料Aの透過型電子顕微鏡(T
EM)像を、図2aに示した。乾燥させた試料Aには、
単体のナノチューブ体が存在していることが確認され
た。このナノチューブ体の直径は約12nmで、長さは
約250nmであった。
【0055】773Kで焼成した試料CのTEM像を図
2bに示した。試料Cにもまた、直径6.5〜16nm
で長さが約50〜300nmの、ランダムな形状のチタ
ニアナノチューブが、単体として、あるいは集合体とし
て存在していることが確認された。単体として存在する
チタニアナノチューブは、形状が長いことも確認され
た。直径の大きいナノチューブ体は、ほとんどが単体の
ナノチューブが集合してできたものであると考えられ
る。
【0056】これらのTEM像からは、1本のナノチュ
ーブ体の中央の軸部分が白く、その両端が黒く表われて
おり、チューブ形状が形成されていることがよく分か
る。773Kで焼成した試料Cの走査型電子顕微鏡(S
EM)像を図2cに示した。SEM像からも、チタニア
のナノサイズチューブ体が形成されていることが確認さ
れた。 <2> 図3に、試料Aおよび試料CのX線回折(XR
D)の結果を示した。図中の記号:↓は、アナターゼ相
の回折ピークを示している。XRDパターンからは、試
料Aおよび試料Cのチタニアナノチューブの結晶構造
が、アナターゼ相であることが確認された。試料Aの回
折ピーク幅は広がりがあるが、試料Cのピークは鋭いこ
とがわかった。すなわち、773Kでの焼成により、チ
タニアナノチューブ内の非晶質相の部分がアナターゼ相
へ転移したことがわかった。 <3> 623Kで焼成した試料BのBET法による窒
素吸着等温線を、図4aに示した。図中の、●は窒素の
吸着過程を、○は窒素の脱着過程を示している。吸着等
温線のヒステリシスから、試料Bは、メゾポーラスな構
造であることが確認された。BET法から、試料Bの比
表面積は115m2/gであり、空孔体積は0.243
ml/gであることがわかった。
【0057】この試料Bの空孔径分布を、Dollimore &
Heal法によって求め、その結果を図4bに示した。試
料B中に観察された空孔半径の分布ピークは、2.65
〜3.60nmであった。これらの空孔ピーク径は、図
2bに示したTEM像から得られたチタニアナノチュー
ブの内径と近い値であることがわかった。
【0058】以上のことから、チタニアナノチューブを
焼成することで、結晶構造がアナターゼ相に転移するこ
と、また、メゾポーラスな構造のチタニアが形成される
ことが確認された。 (実施例3)実施例1で得られたゼラチン状の析出物
を、イソプロピルアルコールで洗浄して界面活性剤を取
り除き、めのう乳鉢で粉砕した。
【0059】これを表1に示した条件で焼成し、光活性
触媒性能の評価を行った。ただし、試料4〜6は、HC
lあるいはNaOHを用いて界面活性剤の水溶液のpH
を調整した。
【0060】チタニアナノチューブの光活性触媒性能の
評価は、粉末状のチタニアナノチューブを、KI水溶液
中にマグネチックスターラーを用いて懸濁させたとき
の、I 3 -の生成速度を測定することで評価した。I
3 -は、波長365nmの紫外線をKI水溶液に照射した
ときに、2I-→I2+2e,I2+I-→I3 -の反応によ
って発生する。すなわち、チタニアナノチューブが高い
光学活性を示すほど、I3 -の生成が促進されることにな
る。I3 -は、波長353nmと288nmに大きな吸光
を持つが、I2およびI-はこれらの光を吸収しないた
め、353nmと288nm光の吸光度を測定すること
でI3 -の生成速度を測定することができる。
【0061】粉末にしたチタニアナノチューブは、0.
05gTiO2/10mlKIとなるようにKI水溶液
中に懸濁させた。I3 -の生成速度は、波長288nmの
吸光度を測定することで得た。
【0062】
【表1】
【0063】チタニアナノチューブの光活性触媒性能の
評価も、あわせて表1に記した。また、試料1、2、
7、8および9については、吸光度の測定の結果を、日
本触媒学会の標準チタニア粒子(JRC−TIO−4)
と共に図5に示した。
【0064】473〜773Kでの適切な焼成により、
チタニアナノチューブ粉末の光活性触媒性能を高められ
ることが確認された。特に、573Kで24時間焼成し
た試料10のチタニアナノチューブ粉末の光活性触媒性
能が最も優れており、I3 -の酸化速度が標準試料のJR
C−TIO−4よりも3倍も速くなることが確認され
た。これは、ナノチューブ形状を有するために比表面積
が拡大されたこと、適切な焼成処理によりチタニアナノ
チューブの結晶相をアナターゼ相に転移することができ
たためであると考えられる。
【0065】また、界面活性剤の水溶液のpHが酸性の
場合は、チタニアナノチューブ粉末の光触媒活性に大き
な変化は見られなかったが、pHをアルカリ性にした場
合は、チタニアナノチューブ粉末の光触媒活性が著しく
低下することが確認された。
【0066】以上のことから、この出願の発明の方法に
よって、比表面積が大きく、優れた結晶特性の高機能性
チタニアナノチューブが製造されることが確認された。 (実施例4)実施例3の試料10と、従来のチタニア粉
末の高光活性触媒性能品(ST−01)と、光活性触媒
として市販されているチタニア粉末(JRC−1,3,
4)とを、実施例3と同様にして光触媒活性の評価を行
った。その結果を、図6に示した。
【0067】図6より、この出願の発明のナノチューブ
形状を有する二酸化チタンは、市販のチタニア粉末はも
とより、従来の光触媒活性を有するチタニア粉末よりも
高い光触媒活性を有することが確認された。 (実施例5)表2に示したように、金属アルコキシドと
して黒褐色のテトラブトキシセリウム(Ce(OnB
u)4)を用い、これを有機溶媒としてのイソプロピル
アルコールとメトキシプロパノール(IPA/MP)の
混合溶液に0.5mol/kgとなるように溶解し、さ
らにアセチルアセトン(acac)をセリウムとのモル
比で1:1となるように加え、セリウムアルコキシド溶
液を調整した。アセチルアセトンを加えると溶液の黒味
が増した。界面活性剤としてはラウリルアミン塩酸塩
(LAHC)を用い、これを0.1Mの水溶液に調整し
た。
【0068】このセリウムアルコキシド溶液と界面活性
剤の水溶液を、313Kで、セリウムとLAHCのモル
比が8:1となるように混合した。この混合溶液は、混
合しても液状のままであったが、その後353Kで反応
させると5日後にゲル化し、10日後に353Kで乾燥
させて固化体とした。この固化体を773Kで4時間焼
成して試料13とした。
【0069】
【表2】
【0070】図7(a)に試料13のTEM観察の結果
を、(b)に窒素吸着等温線を、(c)に試料13の焼
成前後のXRD結果を示した。また、その結果を簡単に
表2に示した。
【0071】TEM観察の結果、試料13はナノチュー
ブと少量の粒子が生成したものであることが確認され
た。TEM像は、直径12nm、長さ75nm程度のナ
ノチューブが単独で形成している様子を示したものであ
る。XRDの結果から、試料13は立方晶の二酸化セリ
ウム(CeO2)であることが確認された。また、乾燥
したままの焼成前の試料についても結晶化が見られる
が、焼成により結晶化が著しく進行することがわかっ
た。この試料13の窒素吸着等温線は、IUPACの4
型に分類され、ヒステリシスも見られることから、試料
13にメソ孔が存在することを示し、TEM観察の結果
を裏付けるものとなった。なお、BET比表面積は50
2/gであり、市販のセリア(CeO2)粒子の1m2
/gという値より格段に大きいものであった。 (実施例6)金属アルコキシドとして無色透明のテトラ
ブトキシハフニウム(Hf(OnBu)4)用い、これ
を有機溶媒としてのブタノール(BuOH)溶液に0.
5mol/kgとなるように溶解し、さらにアセチルア
セトン(acac)をハフニウムとのモル比で1:1と
なるように加えてハフニウムアルコキシド溶液を調整し
た。この溶液は、アセチルアセトンを加えると黄色にな
った。この溶液と0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LA
HC)水溶液を、313Kで、ハフニウムとLAHCの
モル比が8:1となるように加えて混合した。混合溶液
は白濁した。
【0072】その後、353Kで反応させると、2〜3
時間後にゲル化し、1日後に取り出して353Kで乾燥
して固化体とした。その後、この固化体を773Kで4
時間焼成し、試料14とした。
【0073】図8(a)(b)に試料14のTEM観察
の結果と電子線回折像を、(c)に試料14の焼成前後
のXRD結果を示した。また、その結果を簡単に前記表
2に示した。
【0074】TEM観察の結果、試料14には、直径1
5nm、長さ300nm程度の単独のナノチューブの形
成が見られた。XRDの結果から、試料14は単斜晶の
二酸化ハフニウム(HfO2)であることが確認され
た。また、試料14は乾燥時には非晶質状態であるが、
焼成により結晶化が著しく進行することがわかった。 (実施例7)金属アルコキシドとして黄色透明のテトラ
ブチルオルトスタネート(Sn(OnBu)4)を用
い、その0.5mol/kgのブタノール(BuOH)
の溶液に、アセチルアセトン(acac)を錫とのモル
比で1:1となるように加えてた錫アルコキシド溶液を
調整した。この溶液はアセチルアセトンを加えても黄色
であった。この溶液と、0.1Mラウリルアミン塩酸塩
(LAHC)水溶液を、313Kで、錫とLAHCのモ
ル比が8:1となるように加えて混合すると白色とな
り、ゲル化した。その後、353Kで4日反応させた後
に取り出して353Kで乾燥した。その後、773Kで
4時間焼成し、試料15とした。
【0075】図9(a)(b)に試料15のTEM観察
の結果と電子線回折像を、(c)に試料15の焼成前後
のXRD結果を、(d)に試料15の窒素吸着等温線を
示した。また、その結果を簡単に前記表2に示した。
【0076】TEM像から試料15は、少量の粒子と直
径15〜30nm、長さ300〜600nm程度のナノ
ワイヤーが形成したものであることがわかった。電子線
回折像およびXRDの結果から、これらの粒子およびナ
ノワイヤーは正方晶の二酸化錫(SnO2)であること
が確認された。また、試料15は、乾燥時にはアモルフ
ァス状態であるが、焼成により結晶化が著しく進行する
こともわかった。また、試料15の吸着等温線はIUP
ACの2型に分類されて、TEM像のワイヤー形状と合
致する結果であった。BET比表面積は、50m2/g
であった。 (実施例8)金属アルコキシドとして無色透明のテトラ
ブトキシジルコニウム(Zr(OnBu)4)を用い、
その0.5mol/kgのブタノール(BuOH)の溶
液に、アセチルアセトン(acac)をジルコニウムと
のモル比で1:1となるように加えてジルコニウムアル
コキシド溶液を調整した。この溶液はアセチルアセトン
を加えても黄色であった。この溶液と、0.1Mラウリ
ルアミン塩酸塩(LAHC)水溶液を、313Kで、ジ
ルコニウムとLAHCのモル比が8:1となるように加
えて混合すると白濁した。この混合溶液を353Kで反
応させると2〜3時間後にゲル化し、1日後に取り出し
て353Kで乾燥した後、773Kで4時間焼成し、試
料16とした。
【0077】図10(a)(b)に試料16のTEM観
察の結果と電子線回折像を、(c)に試料16の焼成前
後のXRD結果を示した。また、その結果を簡単に前記
表2に示した。
【0078】TEM像から試料16に、直径25nm、
長さ500nm程度のナノワイヤーの形成が確認され
た。電子線回折像およびXRDの結果から、このナノワ
イヤーは立方晶の二酸化ジルコニウム(ZrO2)であ
ることがわかった。また、試料16は、乾燥時には非晶
質状態であるが、焼成により結晶化が著しく進行するこ
とがわかった。 (実施例9)金属アルコキシドとして無色透明なテトラ
イソプロピルオルトゲルマネート(Ge(OiP
r)4)を用い、その0.5mol/kgのイソプロピル
アルコール(IPA)溶液にアセチルアセトン(aca
c)をゲルマニウムとのモル比で1:1となるように加
えてゲルマニウムアルコキシド溶液を調整した。この溶
液は無色透明なままであった。この溶液と0.1Mラウ
リルアミン塩酸塩(LAHC)水溶液を、313Kで、
ゲルマニウムとLAHCのモル比が8:1となるように
加えて混合すると、直ちに白色沈殿が生成した。その
後、353Kで3日間反応させた後乾燥させ、773K
で4時間焼成し、試料17とした。
【0079】図11(a)(b)に試料17のTEM像
および電子線回折像を、(c)に試料17の焼成前後の
XRD結果を、(d)に窒素吸着等温線を示した。試料
17のTEM観察の結果、直径20〜100nm、長さ
500〜800nm程度のナノワイヤーの形成が見られ
た。電子線回折およびXRDの結果から、ナノワイヤー
は六方晶の二酸化ゲルマニウム(GeO2)であること
が分かった。また、試料17の結晶化は、焼成前の乾燥
の段階で既に起こっていることが分かった。また、試料
17の吸着等温線はIUPACの2型に分類される典型
的な曲線であって、試料17がナノワイヤー形状である
ことを示し、TEM観察の結果と合致した。 (実施例10)金属アルコキシドとして褐色のトリメト
キシプロパノールオルトフェレイト(Fe(OM
P)3)を用い、その0.5mol/kgのメトキシプロ
パノール(MP)溶液にアセチルアセトン(acac)
を鉄とのモル比で1:1となるように加えた鉄アルコキ
シド溶液を調整した。この溶液は褐色のままであった。
この溶液と0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LAHC)
水溶液を、313Kで、鉄とLAHCのモル比が8:1
となるように加えた。混合溶液は黒色となった。353
Kで3日間反応させたところ、反応1日後から黒褐色の
沈殿が下部に析出して収縮するのが観察された。このも
のを乾燥した後、773Kで4時間焼成し、試料18と
した。
【0080】試料18のTEM像および電子線回折像を
図12(a)(b)に、XRDの結果を(c)に示し
た。TEM像から直径30〜50nm、長さ100〜3
00nmのナノワイヤーの形成が確認された。電子線回
折およびXRDの結果から、ナノワイヤーは菱面体晶の
ヘマタイト(Fe23)であることが確認された。ま
た、試料18の結晶化は、乾燥の段階で既に起こってい
ることが分かった。焼成により菱面体晶以外の結晶構造
がなくなり、完全な結晶となることが示された。 (実施例11)出発材料として、価電子数4の金属のア
ルコキシドであるテトラブトキシハフニウムとテトラブ
トキシジルコニウムの2種類の金属アルコキシドを用い
た。まず、テトラブトキシハフニウムの0.5mol/
kgのブタノール(BuOH)の溶液に、テトラブトキ
シジルコニウムの0.5mol/kgのブタノール(B
uOH)の溶液をモル比で1:1で加え、アセチルアセ
トン(acac)を全金属(Hf+Zr)とのモル比で
1:1となるように加えて(Hf+Zr)のアルコキシ
ド溶液を調整した。この溶液と0.1Mラウリルアミン
塩酸塩(LAHC)水溶液を、313Kで、(Hf+Z
r)とLAHCのモル比が4:1となるように加えて混
合し、反応させると2〜3時間後にゲル化した。このゲ
ル化物を353Kで7日間反応させた後に353Kで乾
燥させ固化体とした。この固化体を773Kで4時間焼
成し、試料19とした。試料19のTEM像および電子
線回折像を図13(a)(b)に、XRDの結果を表3
に示した。
【0081】
【表3】
【0082】この試料19は単斜晶の結晶のナノチュー
ブであることが確認された。実施例8で得られたジルコ
ニア(試料16)は単独の系ではナノワイヤー形状で立
方晶であり、実施例6で得られた二酸化ハフニウム(H
fO2)(試料14)は単独の系ではナノチューブ形状
で単斜晶であったが、この試料19のようにZrはHf
との混合系とすることでその酸化物は形状および結晶系
が変化することがわかった。
【0083】また試料19、16、14の面間隔dの実
測値は、参照として二酸化ハフニウムの単斜晶およびジ
ルコニアの単斜晶のJCPDSカードのd値と比較し
た。二酸化ハフニウムのJCPDS参照データは、単独
系である試料14とよく一致しているが、複合系である
試料19とはずれが大きい。試料19では、試料14で
見られるd=1.577および1.349のピークが欠
落していた。また、試料19のd値はジルコニア単斜晶
のJCPDS参照データと比較的良く一致するが、参照
データのd=2.598及び1.801のピークが欠落
していた。
【0084】以上の結果から、試料19は、HfO2
ZrO2がそれぞれ独立に単斜晶と立方晶を形成したも
のではなく、両者が複合して単斜晶に変化し、HfO2
の単斜晶の金属原子の一部がZrによって置換された構
造であることが示された。 (実施例12)出発材料として、価電子数4の金属のア
ルコキシドであるテトラブチルオルトスタネートとテト
ライソプロピルオルトチタネートの2種類の金属アルコ
キシドを用いた。まず、テトラブチルオルトスタネート
の0.5mol/kgのブタノール(BuOH)の溶液
に、テトライソプロピルオルトチタネートをモル比で
1:1で加え、その溶液に全金属(Sn+Ti)とac
acのモル比が1:1になるようにacacを加えて
(Sn+Ti)のアルコキシド溶液を調整した。この溶
液と0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LAHC)水溶液
を、313Kで、(Sn+Ti)とLAHCのモル比が
4:1となるように加えて混合した。混合溶液は2時間
でゲル化し、そのゲル化物を353Kで7日反応させた
後に353Kで乾燥して固化体とした。この固化体を7
73Kで4時間焼成して試料20とした。試料20のT
EM像および電子線回折像を図14(a)(b)に、X
RDの結果を表4に示した。
【0085】
【表4】
【0086】この試料20は正方晶のナノチューブであ
ることが確認された。試料20と、実施例7の単独系で
得られたSnO2(試料15)、実施例1のチタニアナ
ノチューブの面間隔dを、SnO2とTiO2のJCPD
Sカードのd値と比較した。SnO2JCPDSカード
の面間隔dは、単独系の試料15および混合系の試料2
0共に良く一致した。しかし、試料20は、試料15で
見られるd=2.310,2.118および1.117
のピークが欠落しており、SnO2の正方晶である試料
15にはみられないd=3.261のピークが観測され
た。この試料20のd=3.261のピークは、ルチル
型のチタニアのJCPDSデータの第一ピークであるd
=3.247に近いが、試料20にはルチル型のチタニ
アの他のピークであるd=2.487,2.188,
1.624および1.360が欠落している。以上の結
果から、試料20は、SnO2とTiO2がそれぞれ独立
に正方晶とアナターゼを形成したものではなく、両者が
複合して正方晶に変化し、SnO2の正方晶の金属原子
の一部がTiによって置換された構造の金属酸化物であ
ることが示された。 (実施例13)出発材料として、価電子数4の金属のア
ルコキシドであるテトラブチルオルトスタネートと、価
電子数2の金属のアルコキシドであるジメトキシプロピ
ルジンケイトの2種類の金属アルコキシドを用いた。ま
ず、テトラブチルオルトスタネートの0.5mol/k
gのブタノール(BuOH)の溶液に、Snとacac
のモル比が1:1になるようにacacを加え、さらに
ジメトキシプロピルジンケイトをSn:Znのモル比が
1:1となるように加えて(Sn+Zn)のアルコキシ
ド溶液を調整した。Znはacacで修飾しなかった。
この溶液と0.1Mラウリルアミン塩酸塩(LAHC)
水溶液を、313Kで、(Sn+Zn)とLAHCのモ
ル比が4:1となるように加えて混合すると白色とな
り、ゲル化した。このゲル化物を353Kで7日反応さ
せた後に取り出して353Kで乾燥し固化体とした。こ
の固化体を773Kで4時間焼成し、試料21とした。
この試料21のTEM像および電子線回折像を図15
(a)(b)に、XRDの結果を表5に示した。
【0087】
【表5】
【0088】この試料21はナノチューブであることが
確認された。この試料21には、SnO2の正方晶系及
びZnOのJCPDS参照データに見られる面間隔と対
応するピークが多くみられるが、参照データには見られ
ないd=1.631および1.383の二つのピークが
観測された。また、ZnOの参照データのd=1.57
のピークは試料21のデータから欠落している。以上の
結果から、試料21はSnO2とZnOがそれぞれ独立
に結晶を形成したものではなく、両者が複合して別の結
晶構造をとったものであることがわかる。 (実施例14)実施例1で得られたゼラチン状の析出物
を、イソプロピルアルコールで洗浄して遠心分離により
界面活性剤を取り除き、適切な粘度を有するペースト状
物質を得た。このペースト状物質を、透明導電性膜とし
てのフッ素ドープを施した酸化錫の両サイドに厚さ約1
00μmのテープを貼ってなる基板の上に滴下し、ガラ
ス棒で延ばしながら塗布した。次いでこの基板を乾燥
し、テープを取り外した後、300〜450℃で30分
〜2時間程度焼成してチタニア膜付き基板を得た。
【0089】このチタニア膜付き基板を50℃に保ちな
がら、増感色素である3×10-4Mのルテニウム色素
(RuL2(NCS)2、L=4,4’−ジカルボキシ−
2,2’ビピリジン)の脱水エタノール溶液に一晩漬
け、チタニア層に増感色素を吸着させた。この増感色素
を担持したチタニア膜付き基板を電極とし、白金蒸着膜
を対極として張り合わせ、その間隙を電解質溶液(0.
03MのI2,0.3MのLiIのアセトニトリル溶
液)で満たして色素増感太陽電池を作製した。この色素
増感太陽電池にAM1.5の擬似太陽光(100mW/
cm2)を照射し、両電極間の電流−電圧特性を測定し
た。その結果、開放電圧は種々の実験条件の変化によら
ずほぼ0.6Vで一定であったので、エネルギー変換効
率は主に短絡電流密度の大小で決定されることがわかっ
た。
【0090】この色素増感太陽電池と、公知であるグレ
ッツェルらの方法により作製した色素増感太陽電池P−
25について、膜厚に対する短絡電流密度の変化を図1
6に示した。図16より、膜厚が5μm以下の領域で
は、この出願の発明により作製した色素増感太陽電池の
方が、公知の色素増感太陽電池P−25に比べて2倍近
い電流密度を持つことが示された。 (実施例15)実施例5で得られたCeO2、実施例7
で得られたSnO2、および実施例9で得られたGeO2
を触媒として用い、プロパン(C38)の酸化反応に対
する触媒活性の評価を行った。触媒活性の評価方法は、
実施例で得られたCeO2、SnO2、およびGeO
2と、市販のCeO2、SnO2、およびGeO2の各々5
0mgを石英砂450mgで希釈し、400℃において
50ml/min.の空気を30分間流して前処理を行
い、その後C38,N2,O2の混合ガスをC38
2:O2=10:32:8の割合で計50ml/mi
n.流してC38の分解生成物量を分析することで調べ
た。生成物分析はメタナイザーを備えたFID型のガス
クロマトグラフで行った。その結果を図17、図18、
表6に示した。
【0091】
【表6】
【0092】実施例で得られたSnO2、GeO2、Ce
2(図18)はいずれも市販のもの(図17)と比較
して高収率が得られることが確認された。特にSnO2
は2倍以上、GeO2も約2倍の収率を示した。さら
に、CeO2については、市販の試料がCO(0.10
%),CO2(0.37%)の収率であるのに対し、実
施例で得られた試料はC36(0.23%),CO
(0.21%),CO2(0.48%)であり、分解生
成物の組成も好ましいことが確認された。
【0093】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0094】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、ナノチューブ形状を有し、比表面積が大きく、光
触媒活性の高いアナターゼ相の二酸化チタンとその製造
方法が提供される。さらに、この出願の発明は、ナノチ
ューブあるいはナノワイヤー形状を有し、比表面積が大
きな金属酸化物と、それらの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】TIPT、LAHC、acac混合溶液の反応
の状態を、(a)SAXSにより測定した結果と、
(b)SAXS結果をフラクタル分析した結果とを例示
した図である。
【図2】チタニアナノチューブ試料の、(a)(b)T
EM像、および(c)SEM像を例示した図である。
【図3】チタニアナノチューブ試料のX線回折の結果を
例示した図である。
【図4】チタニアナノチューブ試料の、(a)BET法
による窒素吸着等温線と、(b)空孔径分布を例示した
図である。
【図5】チタニアナノチューブ試料粉末の光活性触媒性
能の評価結果を例示した図である。
【図6】チタニアナノチューブ試料粉末と、標準チタニ
ア粉末の光活性触媒性能の評価結果を例示した図であ
る。
【図7】実施例において作製したセリアナノチューブの
(a)TEM像と、(b)BET法による窒素吸着等温
線、(c)XRDの結果を例示した図である。
【図8】実施例において作製した二酸化ハフニウムナノ
チューブの(a)TEM像、(b)電子線回折像、
(c)XRDの結果を例示した図である。
【図9】実施例において作製した二酸化錫ナノワイヤー
の(a)TEM像、(b)電子線回折像、(c)XR
D、(d)BET法による窒素吸着等温線を例示した図
である。
【図10】実施例において作製した二酸化ジルコニウム
ナノワイヤーの(a)TEM像、(b)電子線回折像、
(c)XRDの結果を例示した図である。
【図11】実施例において作製した二酸化ゲルマニウム
ナノワイヤーの(a)TEM像、(b)電子線回折像、
(c)XRD、(d)BET法による窒素吸着等温線を
例示した図である。
【図12】実施例において作製した酸化鉄ナノワイヤー
の(a)TEM像、(b)電子線回折像、(c)XRD
の結果を例示した図である。
【図13】実施例において作製したHfとZrのナノチ
ューブ形状の酸化物の(a)TEM像、(b)電子線回
折像を例示した図である。
【図14】実施例において作製したTiとSnのナノチ
ューブ形状の酸化物の(a)TEM像、(b)電子線回
折像を例示した図である。
【図15】実施例において作製したSnとZnのナノワ
イヤー形状の酸化物の(a)TEM像、(b)電子線回
折像を例示した図である。
【図16】実施例において作製した(a)この出願の発
明の二酸化チタンを用いた色素増感太陽電池と、(b)
公知の色素増感太陽電池P−25の、二酸化チタン層の
膜厚と短絡電流密度の関係を例示した図である。
【図17】市販のCeO2、GeO2、SnO2の、プロ
パン(C38)の酸化反応に対する触媒活性の評価結果
を例示した図である。
【図18】実施例で得られたCeO2、GeO2、SnO
2の、プロパン(C38)の酸化反応に対する触媒活性
の評価結果を例示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 25/02 C01G 25/02 5F051 27/02 27/02 5H032 49/06 49/06 A H01L 31/04 H01M 14/00 P // H01M 14/00 H01L 31/04 Z (72)発明者 村田 雄輔 京都府京都市伏見区深草大島屋敷町30−1 −31 米市館413 Fターム(参考) 4G002 AA03 AB02 4G042 DB11 DD01 DE09 4G047 CA02 CB06 CD05 4G048 AA02 AB02 AC01 AC05 AD01 AE08 4G076 AA02 AB13 BA14 BC02 CA07 5F051 AA14 FA01 FA03 FA06 5H032 AA06 BB00 BB02 EE02 EE16 HH00 HH01

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属化合物あるいはその有機溶媒溶液
    と、界面活性剤と、水とを接触させて混合して固化する
    ことを特徴とするナノチューブあるいはナノワイヤー形
    状を有する金属酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシドの有機溶媒溶液と、界
    面活性剤と水、あるいは界面活性剤の水溶液とを混合し
    て固化することを特徴とする請求項1記載のナノチュー
    ブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 金属アルコキシドの有機溶媒溶液に界面
    活性剤を溶解した有機溶液に、水を混合して固化するこ
    とを特徴とする請求項1記載のナノチューブあるいはナ
    ノワイヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属アルコキシドが、原子量が30以上
    で価電子数が4の金属のアルコキシド、または価電子数
    が3の金属のアルコキシドであることを特徴とする請求
    項1ないし3いずれかに記載のナノチューブあるいはナ
    ノワイヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属アルコキシドが、価電子数4のT
    i,Ce,Hf,Sn,Zr,Geあるいは価電子数3
    のFeのうちのいずれか1種であることを特徴とする請
    求項4記載のナノチューブあるいはナノワイヤー形状を
    有する金属酸化物の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属アルコキシドが、価電子数4の金属
    のアルコキシドの異なる2種、または価電子数4の金属
    のアルコキシドのいずれか1種と価電子数3あるいは2
    の金属のアルコキシドのいずれか1種との混合物である
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のナ
    ノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の製造方法において、金
    属アルコキシドの混合比を変化させることを特徴とする
    ナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸
    化物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の製造方法にお
    いて、金属アルコキシドが、価電子数4のSi,Ti,
    Ce,Hf,Sn,Zr,Geのアルコキシドの異なる
    2種、またはそのいずれか1種と価電子数3のFeある
    いは価電子数2のZnのいずれか1種のアルコキシドと
    の混合物であることを特徴とするナノチューブあるいは
    ナノワイヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属アルコキシドのアルコキシル基が、
    炭素数1〜6のトリまたはテトラアルコキシル基である
    ことを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載のナ
    ノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】 有機溶媒は、ジケトン化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載のナノ
    チューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属酸化物
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 界面活性剤が、陽イオン界面活性剤で
    あることを特徴とする請求項1ないし10いずれかに記
    載のナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金
    属酸化物の製造方法。
  12. 【請求項12】 陽イオン界面活性剤が、脂肪族アミン
    塩である請求項11記載のナノチューブあるいはナノワ
    イヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  13. 【請求項13】 金属アルコキシドと界面活性剤のモル
    比を0.5:1〜8:1とすることを特徴とする請求項
    1ないし12いずれかに記載のナノチューブあるいはナ
    ノワイヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  14. 【請求項14】 283〜373Kの温度で、0.1〜
    500時間の条件で固化することを特徴とする請求項1
    ないし13いずれかに記載のナノチューブあるいはナノ
    ワイヤー形状を有する金属酸化物の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項4ないし14いずれかに記載の
    製造方法において、金属アルコキシドがチタニウムアル
    コキシドであり、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶
    液と、界面活性剤の水溶液とを混合して固化するとき、
    界面活性剤の水溶液のpHが2〜5であり、濃度が0.
    5mol/l以下であることを特徴とするナノチューブ
    形状を有する二酸化チタンの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項4ないし14いずれかに記載の
    製造方法において、金属アルコキシドがチタニウムアル
    コキシドであり、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶
    液と、界面活性剤の水溶液とを混合して固化するとき、
    チタニウムアルコキシドと界面活性剤のモル比を4:1
    とすることを特徴とするナノチューブ形状を有する二酸
    化チタンの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項4ないし14いずれかに記載の
    製造方法において、金属アルコキシドがチタニウムアル
    コキシドであり、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶
    液に界面活性剤を溶解した有機溶液に、水を混合して固
    化するとき、モル分率でH2O/Tiが2以下となるよ
    うに水を混合することを特徴とするナノワイヤー形状を
    有する二酸化チタンの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項4ないし14いずれかに記載の
    製造方法において、金属アルコキシドがチタニウムアル
    コキシドであり、チタニウムアルコキシドの有機溶媒溶
    液に界面活性剤を溶解した有機溶液に、水を混合して固
    化するとき、モル分率でH2O/Tiが4以上となるよ
    うに水を混合することを特徴とするナノチューブ形状を
    有する二酸化チタンの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の製造方法において、
    モル分率でH2O/Tiを4以上で調整することで、ナ
    ノチューブ形状の二酸化チタンの壁厚を制御することを
    特徴とするナノチューブ形状を有する二酸化チタンの製
    造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし19いずれかの製造方
    法で製造された固化物に、焼成処理を施すことを特徴と
    するナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金
    属酸化物の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20の製造方法において、固化
    物がナノチューブ形状を有する二酸化チタンであると
    き、473〜873Kの温度で、0.5〜100時間焼
    成することを特徴とするナノチューブ形状を有する金属
    酸化物の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21の製造方法において、固化
    物がナノチューブ形状を有する二酸化チタンであると
    き、573〜623Kの温度で、15〜24時間焼成す
    ることを特徴とするナノチューブ形状を有する金属酸化
    物の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項21の製造方法において、固化
    物がナノチューブ形状を有する二酸化チタンであると
    き、750〜800Kの温度で、0.5〜4時間焼成す
    ることを特徴とするナノチューブ形状を有する金属酸化
    物の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし23いずれかの方法に
    よって製造された、ナノチューブあるいはナノワイヤー
    形状を有する金属酸化物。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の金属酸化物であっ
    て、光触媒活性が高い二酸化チタンであることを特徴と
    するナノチューブ形状を有する二酸化チタン。
  26. 【請求項26】 請求項25記載のナノチューブ形状を
    有する二酸化チタンが集合したメゾポア構造を有する光
    触媒活性の高い二酸化チタン。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の金属酸化物であっ
    て、高い色素増感能力と電子伝達能力を有することを特
    徴とするナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有す
    る金属酸化物。
  28. 【請求項28】 請求項27記載のナノチューブあるい
    はナノワイヤー形状を有する金属酸化物を用いたことを
    特徴とする色素増感太陽電池用電極。
  29. 【請求項29】 請求項24記載の金属酸化物であっ
    て、触媒あるいは触媒担体として用いることを特徴とす
    るナノチューブあるいはナノワイヤー形状を有する金属
    酸化物。
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