JP4669352B2 - チタニアナノロッドの製造方法、及びこのチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents

チタニアナノロッドの製造方法、及びこのチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、高結晶性のチタニアナノロッドの製造方法、およびこれを用いた高発電(光電変換)効率の色素増感太陽電池に関する。
多孔質のチタニア(TiO)を電極に用いた色素増感太陽電池は、低コストで環境への影響が少なく、またシリコンを用いた太陽電池より効率がよいことから、学問的にも商業的にも関心が集まり、広く研究開発の対象になっている。
従来の色素増感太陽電池は、図1の模式図に示すように、透明電極101、表面に増感色素103が吸着しているチタニア104の多孔質の層、対向電極102、透明電極101と対向電極102の間に封止されている液体電解質105を基本的な構成要素とする。増感色素103は光を吸収して電子をチタニア104の伝導帯に注入する機能を果たす。チタニア104は、注入された電子を透明電極101へ輸送する半導体として機能し、アナターゼ相のチタニアが適していることが知られている。また、液体電解質105にはI/I の酸化還元対を含む水溶液が用いられている。
色素増感太陽電池に太陽光を照射すると、増感色素103中の電子が励起される。この励起された電子は、チタニア104から透明電極101へ注入され、外部負荷106を経由して対向電極102へ移動する。そして対向電極102ではI が電子を与えられて還元され、3Iになる。この3Iが液体電解質105中を拡散して増感色素103に達すると電子を与え、自らは酸化されてI に戻る。このサイクルが繰り返されることにより、発電が行なわれる。
色素増感太陽電池の実用化を目指して、光電変換効率を高める検討が種々行なわれている。前記の色素増感太陽電池の構成の説明から分かるように、増感色素と多孔質チタニアが、高い光電変換効率を達成するための主要な要素となる。このため、従来からチタニアの粒径とモルフォロジーを変化させること(特許文献1)、多孔質チタニア層の製造方法と構造の最適化(非特許文献1)、新規な増感剤の開発(非特許文献2)、電荷の再結合の抑制(非特許文献3)、チタニアと増感色素の界面等の各界面における自由エネルギ差の改善(非特許文献4)等が検討されてきた。
特開2003−34531号公報(段落0054〜0058) M.ゴメス(M.Gomez)他、Sol.Energy Mater.Sol.Cells、64巻、 p385−、(2000年) S.フェレル(S.Ferrere)他、J.Am.Chem.Soc.、120巻 、p843−、(1998年) S.Y.ハン(S.Y.Huang)他、J.Phys.Chem.、B101巻、p2576−、(1997年) S.Y.ハン(S.Y.Huang)他、J.Phys.Chem.、B101巻、p8141−、(1997年)
ところで、現在一般的に知られている多孔質のチタニア膜電極は、球状のナノ粒子をコロイド状に分散させてドクターブレードを用いて形成されたものである。微小なチタニアナノ粒子を用いると、表面積を大きくする上で有利である一方、チタニアナノ粒子同士が接触する点が増えるため、多孔質チタニア層の電気抵抗が増加し電子の輸送効率が低下する結果、光電変換効率が損なわれるという問題がある。
上記問題に鑑み、本発明は従来よりも電子輸送効率の高い高結晶性のチタニアナノロッドの製造方法、およびこのチタニアナノロッドを用いる太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、高い電子輸送効率が得ることが可能で、かつ、色素増感太陽電池の光電変換率も高められるチタニアナノロッドの構造について、チタニアナノロッドの結晶性に注目して検討した。この結果、特定条件で合成したチタニアナノロッドは従来知られているものより高い結晶性を有し、これを用いた色素増感太陽電池は高い光電変換効率を示すことを見出し、本発明に至った。
本発明に係るアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法は、有機アミンまたはアンモニアを含む水溶液に、チタン有機化合物を反応させてチタニアゾルを得る反応工程と、反応工程で得たチタニアゾルを水熱反応させてアナターゼ相のチタニアナノロッドを生成水熱反応工程と有し、水溶液は疎水性ブロック及び親水性ブロックを有するブロック共重合体をさらに含むことを特徴とする。
チタニアゾルを親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体の存在下で水熱反応させることにより、従来のものより高結晶性で、かつ形状の揃ったチタニアナノロッドを製造することができる。これは、親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体が水溶液中で形成する微小な隔離された反応場で、水熱合成でチタニアナノロッドへと成長する結果、最終的に得られるチタニアナノロッドの形状が揃ったものに制御されているものと考えられる。
本発明に係る色素増感太陽電池は、前記したアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドを酸化物半導体層に用いることを特徴とする。このような構成の色素増感太陽電池は、高結晶性チタニアナノロッドが高い電子輸送効率を有すること、およびチタニアナノロッド同士の接触点が、ナノ粒子を用いる場合よりも減少して電池の内部抵抗が低下することにより、高い光電変換効率が得られる。
本発明によれば、従来よりも電子輸送効率が高いアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドの製造方法、およびこのチタニアナノロッドを用いる高光電変換効率の太陽電池が提供される。
以下、本発明に係るアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドについて、その製造方法と構造、およびこのチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池について、適宜図面等を参照しつつ説明する。
<チタニアナノロッドの製造>
本発明に係るアナターゼ相のチタニアナノロッドは、親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体、並びに有機アミンまたはアンモニアを含む水溶液に、チタン有機化合物を反応させてチタニアゾルを得た後に、前記チタニアゾルを水熱反応させることにより生成させることができる。また、前記のブロック共重合体、並びに有機アミンまたはアンモニアを含む水溶液に、さらにカチオン性界面活性剤を添加することもできる。
チタニアゲルを製造する出発原料のチタン有機化合物には、チタンアルコキシド、チタンアセテートを用いることができる。チタンアルコキシドは一般式Ti(OH)(OR)またはTi(OR)4(Rは直鎖または分岐を有するアルキル基)で表され、一例として、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ(n−プロポキシド)、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ(n−ブトキシド)、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラ(2−エチルヘキソキシド)、チタンテトラメトキシエトキシド、チタンメチルトリプロポキシドが挙げられる。また、チタンアセテートの一例として、チタン(2−メタクリロキシ)エチルアセトアセテートトリイソプロポキシド、チタンジイソプロポキシドジアセチルアセテート等を挙げることができる。
チタン有機化合物には、入手が容易なことからチタンテトラアルコキシドを好適に用いることができ、反応性を考慮すると炭素数1〜6、より好ましくは炭素数3〜4のアルキル基を有するチタンテトラアルコキシドを好適に用いることができる。
疎水性ブロック及び親水性ブロックを有するブロック共重合体には、疎水性ブロックと親水性ブロックとからなる二元ブロック共重合体、あるいは親水性−疎水性−親水性ブロックからなる三元ブロック共重合体のように、水溶液中で疎水性ブロックが親水性ブロックによって囲まれたミセル状の反応場を形成し、チタニアナノロッド同士が連結できないような隔離された反応場を提供することができるものを用いることができる。また、チタニアゾルの水酸基が配位しうる酸素原子を疎水性ブロックの主鎖または側鎖に有する共重合体を用いることができる。
このような二元または三元ブロック共重合体の一例として、疎水性ブロックがポリオキシプロピレン、親水性ブロックがポリオキシエチレンのもの、あるいは疎水性ブロックがポリメタクリル酸メチル、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ乳酸、ポリラクトン、又はポリラクタムのいずれかで、親水性ブロックがポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアリルアミン、又はポリアクリル酸のいずれかであるブロック共重合体等を挙げることができる。
(ポリオキシエチレン(PEO))−(ポリオキシプロピレン(PPO))−(ポリオキシエチレン(PEO))の構造を有する三元ブロック共重合体は、入手のし易さから好適に用いることができる。上記の式中、x及びzは20以上、好ましくは100以上であり、yは10以上、好ましくは50以上のものを用いることができる。
このような二元または三元ブロック共重合体の溶液中の濃度は5wt%以上40wt%以下であり、好ましくは5wt%以上20wt%以下を用いることができる。二元または三元ブロック共重合体の濃度が5wt%以下になると、親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体が形成する疎水的雰囲気の反応場が安定に形成できないため、チタニアナノロッドの形状を制御できないと考えられる。一方、二元または三元ブロック共重合体の濃度が40wt%以上であると、親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体が形成する疎水的雰囲気の反応場が相分離に基づいて緻密に構築されるため、チタニアナノロッドの形状が制御できなくなる。
チタニアナノロッドの製造機構は親・疎水性ブロックを有するブロック共重合体が形成する疎水的雰囲気の反応場の形成が重要であって、従来から知られているブロック共重合体が構築する周期的な構造を鋳型として用いて、その鋳型の形状がチタニアの形状となる製造方法とは異なる。
有機アミンは有機チタン化合物とコンプレックスを形成してチタニアナノロッドの前駆体を生成するものであり、水溶性の脂肪族アミンまたは脂肪族ジアミンを用いることができる。このような有機アミンとして、炭素数1〜5の直鎖アルキル基の末端または両末端にアミンを有する脂肪族アミン、または脂肪族ジアミンを用いることが好ましく、例えばエチレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミンジアミン等を好適に用いることができる。
カチオン性界面活性剤には長鎖アルキル基含有ハロゲン化4級アンモニウム塩を用いることが好ましく、具体的には、炭素数10〜20の長鎖アルキル基と3個のメチル基を有するハロゲン化4級アンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイドを用いることができる。カチオン性界面活性剤により、チタンイオンを水溶液中でより安定化させて、高結晶性のチタニアナノロッドを得ることが可能になる。
以上説明したカチオン性界面活性剤、および/または有機アミンと、ブロック共重合体とを含有する水溶液を調製した後、チタンアルコキシド等のチタン有機化合物を添加して撹拌することにより、チタニアゾルを得ることができる。その後、このチタニアゾルを水熱反応させて、目的物のチタニアナノロッドを得ることができる。
水熱反応の温度は、水の沸点から臨界温度の範囲(373K〜647K)で、チタンアルコキシドの種類等、反応に用いる試薬に応じて適宜選択することができる。また、水熱反応は水熱反応温度における水の飽和水蒸気圧で行なうので、オートクレーブや耐圧ガラス容器等、公知の耐圧容器を用いて行なうことが好ましい。反応時間は、反応に用いるチタンアルコキシドの種類等に応じて適宜選択すればよく、通常は10分〜数10時間の範囲で行なうことができる。
このようにして得られた高結晶性のチタニアナノロッドはミラー指数表示における(004)面と(200)面のX線回折強度比(004)/(200)が1.0と、標準的なアナターゼ相チタニアの0.57よりはるかに高い値を示す。詳細は後述する。
得られたアナターゼ相のチタニアナノロッドを色素増感太陽電池に用いるために焼成するときは、700℃以下、好ましくは600℃以下で行なえばルチル相への転移を防止することができる。
<色素増感太陽電池の製造>
次に、高結晶性のチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池について図2を参照して説明する。
本実施形態に係る色素増感太陽電池1は、透明電極2と、透明電極2の上に積層され、増感色素6が表面に吸着している酸化物半導体3を含有する多孔質の層と、透明電極2に対向して設けられる対向電極4と、透明電極2と対向電極4の間に含浸される電解液5を含んで構成され、さらに透明電極2と対向電極4の間隔を規制して電解液5を含浸させる空間を形成するためのスペーサ11を備えている。
そして、透明電極2と対向電極4を外部負荷12に接続することにより閉回路が形成され、電池として機能する。なお、本実施形態では図2に示すように、酸化物半導体3を含有する多孔質の層と対向電極4の間に、電解液5で満たされる空間が設けられている場合を例に説明する。また、以下の記載で酸化物半導体3を含有する多孔質の層を酸化物半導体層7と記す。
透明電極2は、紫外線ないし可視光線の入射光Uを透過させ、また、酸化物半導体層7から電子を注入されるものであり、ガラス製またはプラスチック製の透明基材22の片面に、膜厚が2.5〜10μmの導電性光透過膜23が、スパッタリング、イオンプレーティング、スクリーン印刷等の公知の方法によりコーティングされて形成されている。
導電性光透過膜23は、電気伝導性を有し、入射光U(紫外線ないし可視光線)を透過し、透明基材22に対する密着性に優れるものであればよく、例えばITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等を用いて形成することができる。ITOは入手し易く、製膜加工も容易である点で適している。
本実施形態に係る酸化物半導体層7は、図3の部分拡大図に模式的に示すように、透明電極2上に酸化物半導体3からなる多孔質の層を積層することにより形成され、増感色素6を吸着している。酸化物半導体3には、本実施形態に係るアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドを使用し、この他に、例えば酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化インジウム(In23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ランタン(La23)、酸化タンタル(Ta25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)等の他の酸化物半導体3を併用することもできる。
色素増感型太陽電池の光電変換効率を高めるためには、量子サイズ効果が発現するメゾスコピックな酸化物半導体層7を用いることが好ましい。すなわち、直径が5〜30nmで長さが50〜300nm、好ましくは直径が10〜20nmで長さが100〜200nmのサイズのナノロッドを用いて、多孔質の酸化物半導体層7を形成することが好ましい。特に、アナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドを酸化物半導体層7に適用すれば、チタニア結晶内に長く連続した導電帯が形成されるので電子輸送効率が高く、この結果、高い光電変換効率が得られると考えられるため、酸化物半導体層7を構成する材料として優れている。
また、酸化物半導体層7を多孔質にすることによって、注入された電子を透明電極2まで導くことができる。このような酸化物半導体層7は、チタニアを水あるいは有機溶剤に分散させてスラリ状とし、透明電極2の上にスピンコーティング法、キャストコーティング法やドクターブレード法等の公知の方法で薄膜を形成した後、前記した方法で焼成または乾燥することで形成することができる。
増感色素6には、その吸収波長域が可視光域を覆うくらい長波長側まで及び、光励起されたときのエネルギが酸化物半導体層7の伝導帯のレベルよりも約0.2eV以上高く、さらに電子を酸化物半導体層7へ注入された電子が増感色素6と再結合する前に、電解液5中のIから電子を速く受け取れる色素を用いることが好ましい。
このような増感色素6には、ルテニウム錯体、フタロシアニン、シアニン、メロシアニン、ポルフィリン、クロロフィル、ピレン、メチレンブルー、チオニン、キサンテン、クマリン、ローダミン等の金属錯体ないしは有機色素ならびにそれらの誘導体を用いることができる。アナターゼ相のチタニアの場合は、式(1)で表されるルテニウム錯体を好適に用いることができる。なお、式(1)において、−COOHが−COOCで置換されていてもよい。
式(1)
電解液5は、酸化物半導体層7へ電子注入して正孔が生じた増感色素6に電子を供与して酸化され、対向電極4で電子を受容して還元されるサイクルを繰り返すことができる酸化還元対を含有する溶液であればよく、I/I の酸化還元対を用いることができる。具体例として、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI)等の金属ヨウ化物とヨウ素との組合せ、を挙げることができる。また、溶媒は水でもよいし、有機溶媒であってもよい。
対向電極4は、固定板42の片面に白金材質等の導電膜41がコーティングされて形成される。そして、この対向電極4に透明電極2が対向して設けられ、対向電極4と透明電極2の間には、両者の間隔を規制して電解液5を含浸させる空間を形成するためのスペーサ11が挿入される。なお、固定板42とスペーサ11の材質は電解液5に対して化学的に安定なものであればよく、例えばポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂、シリコーン、ポリイミド等の熱硬化性樹脂、あるいはガラス等を用いることができる。
対向電極4、透明電極2とスペーサ11で形成される空間に電解液5を含浸させる場合、毛管現象を利用するか、あるいは減圧ポンプを用いて前記空間を減圧して行なうことができる。このとき、酸化物半導体3で構成される酸化物半導体層7も電解液5で浸漬され、酸化物半導体3の表面に吸着している増感色素6と、電解液5に溶解しているI/I 等の酸化還元対が接触できる状態になる。これにより、太陽光で励起した増感色素6から酸化物半導体3へ電子注入が起こり、図2のように電解液5に溶解している酸化還元対から増感色素6、酸化物半導体3(酸化物半導体層7)、透明電極2、外部負荷12、対向電極4を経て酸化還元対に戻る閉回路が形成され、色素増感太陽電池1として機能する。
本実施形態では、酸化物半導体3にアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドを使用しているので、この閉回路における酸化物半導体3で構成される酸化物半導体層7の電子輸送効率が高くなることによって高光電変換効率が達成される。
ところで、前記の閉回路で効率よく光電変換を行なうためには、例えばI/I の酸化還元対を用いる場合、一旦Iから増感色素6に移動した電子が、I と再結合して光電変換に寄与しなくなることを防止しなければならない。このためには、Iが電子を放出して生じたI が、酸化物半導体層7の細孔中で拡散を妨げられることなく対向電極4に達して、電子を受取ることができるようにする必要がある。
そこで、本実施形態の変形例として、図4に模式的に示すように、透明電極2上に粒径が1〜5nmの酸化物半導体ナノ粒子の層(第1多孔質層31)、直径5〜30nm、好ましくは直径10〜20nmのアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドを含有する層(第2多孔質層32)、粒径が30nmを超える酸化物半導体粒子または直径が30nmを超えるナノロッドの層(第3多孔質層33)の順で積層された酸化物半導体層7とすることができる。ここで、第1多孔質層31の層厚を0.5〜5μm、第2多孔質層32と第3多孔質層33の層厚の和を3〜50μmとすることが好ましい。また、酸化物半導体層7の層厚を8μm以上とすることが好ましい。
図4において、第1多孔質層31を構成するナノ粒子の粒径は1〜5nmと極めて微細であるため、層厚が薄いにもかかわらず大きな比表面積が得られる。すなわち第1多孔質層31に大量の増感色素6を吸着させることができる。これにより第1多孔質層31における入射光Uの吸光率が高くなり、色素増感太陽電池1の光電変換効率を向上させることができる。
また、第1多孔質層31を構成するナノ粒子の粒径が小さいことを考慮して層厚を0.5〜5μmと相対的に薄くすることにより、第1多孔質層31内部での電解液5中の酸化還元対の拡散不良が原因で電子が再結合により失われることが有効に防止される。
そして、第1多孔質層31で吸収されなかった入射光Uは、第2多孔質層32に達してその表面に吸着している増感色素6により吸収されるので、入射光Uの利用効率を高くすることができる。さらに、第2多孔質層32は直径5〜30nmの高結晶性チタニアナノロッドを含有しているので増感色素から注入された電子の移動は速い。また、粒径が1〜5nmのナノ粒子の場合ほどは稠密に充填された状態にはなりえないので、多孔質の酸化物半導体層7中に酸化還元対が拡散するために必要な空間が確保され、酸化還元対の拡散が妨げられないので、一旦増感色素6から酸化物半導体7に注入された電子が酸化還元対との再結合により失われることは無い。
このように、第2多孔質層32では入射光Uの利用効率を高める効果と、電子の再結合防止効果を有することに加え、アナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッドが高い電子輸送効率を示すことにより、高い光電変換効率が得られる。
第2多孔質層32上に、さらに粒径が30nmを超える酸化物半導体粒子または直径が30nmを超えるナノロッドで構成される第3多孔質層33を設けることができる。この第3多孔質層33も、第2多孔質層32と同様に、電子の再結合防止効果を有するが、主には、入射光Uを反射・散乱させることにより、光の利用効率を高める効果を有する。
このように第1多孔質層31〜第3多孔質層33を設けることにより、酸化物半導体層7中での酸化還元対の拡散を確保しつつ入射光Uの利用効率を高めることが可能となり、酸化物半導体層7全体としての層厚を薄くすることができる。この結果、透明電極2と対向電極4との間隔を狭めることが可能となり、色素増感太陽電池1の内部抵抗が小さくなるので、高い光電変換効率を得ることができる。
ここで、第1多孔質層31の層厚の下限が0.5μmであるのは、積層により酸化物半導体層7を形成する際に、一回のコーティングで形成可能な最低厚みであることによる。そして、第1多孔質層31の層厚の上限が5μmであるのは、第1多孔質層31の内部に浸透した電解液5中を移動する酸化還元対であるI および3Iの移動速度は極めて遅いため、層厚が5μmを超えると再結合により光電変換に寄与しなくなる電子が増大し、高い光電変換効率を得られなくなるからである。
また、第2多孔質層32と第3多孔質層33の層厚の和の下限が3μmであるのは、コーティング処理で形成可能な最低厚みであるからである。そして、第2多孔質層32と第3多孔質層33の層厚の和が上限の50μmを超えると、透明電極2と対向電極4との電極間隔が大きくなり、電池の内部抵抗が上昇する結果、高い光電変換効率を得られなくなるからである。
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例では、まずアナターゼ相の高結晶性チタニアナノロッド(以下、チタニアナノロッドと記す)を水熱反応により合成した後、その分析を行なった。また、得られたチタニアナノロッドを用いて色素増感太陽電池1を製造し、光電変換効率等の電池特性の評価を行なった。
<実施例1:チタニアナノロッドの合成と構造の評価>
本実施例では、以下の試薬類を用いてチタニアナノロッドを合成した。なお、全ての試薬は試薬グレードを用い、精製することなく使用した。
チタン有機化合物として、テトライソプロピルオルトチタネート(以下、TIPTと記す)を用いた。疎水性ブロック及び親水性ブロックを有するブロック共重合体には、BASF社製のPlouronic F127(以下F127)を用いた。F127は(PEO)(PPO)(PEO):x、z=100〜110、y=50〜70で表される三元ブロック共重合体である。また、有機アミンにはエチレンジアミン(以下EDA)を用い、カチオン性界面活性剤としてセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(以下CTAB)を用いた。
F127の10wt%水溶液を調製し、ここにCTABを0.05モル/Lとなるように添加した後、35℃で透明な水溶液が得られるまで撹拌した。この水溶液にEDAを0.2モル/Lになるように加えた後、TIPTを0.22モル/Lになるまで撹拌しながら添加して、白色沈殿状のチタニアゾルを得た。このチタニアゾルを含む水溶液を、ステンレススチール製の耐圧容器中にシールされるテフロン(登録商標)製の容器に入れ、160℃で12時間水熱反応を行ない、目的とするチタニアナノロッドが懸濁した白色の液を得た(以下、この懸濁液をスラリAと記す)。
得られたチタニアナノロッドを濾別し蒸留水で2回、エタノールで2回洗浄した後、遠心分離して得たチタニアナノロッドの白色粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、高分解能電子顕微鏡(HRTEM)、X線回折(XRD)分析用のサンプルとした。
<比較例1:ブロック共重合体を用いないチタニアナノロッド>
比較用に、F127を使用しない点を除き、実施例1と全く同一の方法でチタニアナノロッドの白色懸濁液を製造した(以下、この白色懸濁液をスラリBと記す)。
(SEM、TEMによる構造の比較)
図5に実施例1と比較例1のチタニアナノロッドのモルフォロジを示した。図5A〜図5Cはそれぞれ実施例1のTEM写真、SEM写真、HRTEM写真であり、図5D、Eはそれぞれ比較例1のTEM写真、SEM写真である。なお、これらの写真はチタニアナノロッドの焼成前のものである。
まず、実施例1と比較例1のTEM写真(図5A、5D)およびSEM写真(図5B、5E)を比較する。実施例1のチタニアナノロッドは、直径20〜30nm、長さ100〜200nmの形状の揃ったロッドが分散しており、枝分かれしたロッドは見当たらない。これに対して比較例1では、ロッドの直径は20〜30nmであるが、長さは500〜600nmのものが多数あり、また単独で分散しておらず、枝分れ状態、若しくは会合状態のロッドであることが分かる。
本発明者らは、CTABを用いずに、F127の存在下でチタニアゾルの水熱反応を行なった場合も、実施例1と同様のロッドの直径と長さで、単独で分散しているチタニアナノロッドが得られることを確認した。これらの結果は、ナノロッドの直径と長さは疎水性ブロック及び親水性ブロックを有するブロック共重合体、例えばF127により制御できることを示している。
図5Cは、実施例1で得られた1本のチタニアナノロッドのHRTEM写真である。この写真で明瞭な格子状の縞が認められることから、このチタニアナノロッドは高い結晶性を有し、微細な双晶(microtwins)等の欠陥が殆どないことが分かる。また、図5Cでは、アナターゼ相チタニアの格子間隔0.354nmの(101)面の縁が観察され、さらにチタニアナノロッドの結晶は(001)方向に成長していることが観察される。
図6に実施例1と比較例1のチタニアナノロッドのXRD分析結果を示す。図6の横軸上の棒線は、アナターゼ相チタニアの標準サンプルのピーク位置を示している。なお、図6において、上は実施例1のXRDピーク曲線であり、下は比較例1のものである。
これらのサンプルのX線回折パターンから、実施例1ではc軸に沿って結晶領域が成長する結果、(004)面と(200)面の強度比(004)/(200)が、比較例1と比較して大きくなることが認められた。
すなわち、ミラー指数表示における(004)面と(200)面の強度比(004)/(200)は比較例1の0.84に対し、実施例1では1.0と大きな値を示すことが認められた。なお、アナターゼ相チタニアの標準サンプルの強度比(004)/(200)は0.57であった。このように、強度比(004)/(200)が0.85以上の高い値を示すことから、c軸成長したことが分かる。
ここで、強度比(004)/(200)の測定は以下のようにして行なった。
標準試料ホルダーに粉末試料を装填し、X線回折装置(Rigaku製、Rigaku Goniometer PMG-A2, CN2155D2)に装着し、X線照射条件を、CuKα35kV、15mA、Rigaku広角ゴニオメータ使用、スキャンスピード:2deg/min、スキャンステップ:0.017deg、走査範囲:4〜130degとして測定した。
なお、前記したように比較例1のロッドの長さは実施例1より長いが、これにも関わらず、強度比(004)/(200)が0.84と実施例1より低いのは、比較例1のチタニアナノロッドはロッド状ではない枝分れ部分、若しくは会合状態部分のチタニアを含有していることに起因すると考えられる(図5D、5E)。
以上から、チタニアゾルにF127を添加して水熱反応を行なうことにより、比較的短いチタニアナノロッドが完全に分散した状態で各々独立に成長することが分かる。またこのことから、水熱反応等のウェットケミカルプロセスで、チタニアに配位しうるリガンド、例えばチタニアの水酸基に配位しうる酸素を主鎖または側鎖に有するポリマを用いることによりナノ結晶の形状を制御できるものと考えられる。
<実施例2:チタニアナノロッドを用いた酸化物半導体層>
実施例1で合成したチタニアナノロッドを用いた酸化物半導体層7を製造し、その結晶構造を評価した。
酸化物半導体層7は以下のようにして製造した。
ガラス基板上に酸化インジウム・スズが製膜されたITO透明電極2(ジオマテック社製、シート抵抗約5Ω/□)の上に、メンディングテープを支持体として、実施例1で得たスラリAをドクターブレード法で塗布した。このチタニアナノロッドが塗布された透明電極を大気中室温下で自然乾燥させた後、450℃に熱せられた電気炉に入れて10分間焼成した。
続いて、チタニアナノロッドが焼成された透明電極2に、スラリAをドクターブレード法で塗布して焼成する操作を3回繰り返した。なお、焼成条件は450℃で10分間とし、最後の1回だけ450℃で40分間焼成した。このようにして、透明電極2上に多孔質の酸化物半導体層7を形成した。
<比較例2>
比較例2として、比較例1でF127を使用せずに製造したスラリBを用いて、実施例2と同一の方法で透明電極2上に多孔質の酸化物半導体層7を形成した。
<比較例3>
比較例3として、市販品のチタニアナノ粒子である日本アエロジル製のP25(以下P25と記す)を用いて透明電極2上に多孔質の酸化物半導体層7を形成した。本比較例では、2gのP25を40wt%のポリエチレングリコール水溶液30mlに分散させたスラリCを用いて、ガラス基板に酸化インジウム・スズが製膜されたITO透明電極2(ジオマテック社製、シート抵抗約5Ω/□)上に、実施例2と同様にドクターブレード法で塗付した後、450℃で焼成して酸化物半導体層7を形成した。
(酸化物半導体層の構造)
焼成後の各酸化物半導体層7を光学顕微鏡で観察した。実施例2の酸化物半導体層7の場合、表面にクラックの無い薄膜が観察され、透明電極2との密着性に優れていることを確認した。これに対し、比較例2、比較例3の場合、表面のクラックが原因となって酸化物半導体層7の薄膜が透明電極2から一部剥離していることが観察された。
スラリAに含有されている共重合体(F127)がチタニアナノロッドのバインダとしても機能することは予想されるが、同じくポリマ(ポリエチレングリコール)を含有するスラリCを用いた比較例3で表面のクラックが観察されたことから、ブロック共重合体であるF127は、透明電極2との密着性に優れた酸化物半導体層7を形成する上で特に顕著な効果を有することがわかる。
焼成後の酸化物半導体層7のSEM写真を、図7A(実施例2)、図7B(比較例2)に示す。実施例2の、F127を使用して製造したチタニアナノロッドは焼成後もナノロッドの形状を維持している(図7A)のに対し、比較例2では、ロッド形状から粒子に近い形状に変化し、ナノロッドの直径が30μm以上となっている(図7B)ことが認められた。すなわちブロック共重合体であるF127を用いて製造したチタニアナノロッドは、焼成しても形状は変化しないという特徴を有する。これは、F127がチタニアナノロッドの一本一本を包み込んで隔離しているため、焼成してもチタニアナノロッド同士が結合することはないためと考えられる。
次に、XRD分析によりチタニアナノロッドの結晶構造を分析した。測定には、薄膜分析用のX線回折装置(Rigaku製、Rigaku Goniometer PMG-A2,CN2155D2)を用いた。
実施例2の酸化物半導体層7のX線回折のピークは、回折パターンカードJCPDSに見られるアナターゼ型の結晶ピーク位置と一致した。また、アナターゼ相チタニアの特徴的ピークである(101)面の回折ピークの半値幅は1度であった。比較例2のX線回折ピークもアナターゼ相の結晶ピーク位置を示したが、(101)面回折ピークの半値幅は1.5度であった。
比較例3の場合、アナターゼ相の結晶ピークが得られたが、ルチル相のピークも認められた。また、(101)面回折ピークの半値幅は2度であった。
これらの結果から、実施例2の酸化物半導体層7を構成するチタニアナノロッドの結晶性は、比較例2、比較例3より高いことが示される。
図8に、実施例2における焼成前後の酸化物半導体層7のX線回折パターンを示す。焼成前の強度比(004)/(200)は1.0であったのに対し、焼成後の値は0.893であり、焼成しても1割程度小さくなるにとどまっていた。このことは、本発明に係る高結晶性のチタニアナノロッドは、焼成しても結晶構造は極わずかしか変化しない事を示している。これはまた、前記したように焼成によっても形状が変化しないことと共に、本発明に係る高結晶性のチタニアナノロッドの特徴である。
また、チタニアナノロッドを焼成する前後でのBET比表面積を測定したところ、焼成前が45.5m/g、焼成後が43.7m/gと顕著な変化は見られなかった。このことからも、本発明に係るチタニアナノロッドの構造は焼成の前後で変化していないことが示される。
(色素増感太陽電池への適用)
次に、高結晶性のチタニアナノロッドを色素増感太陽電池1に適用して、その性能を評価した。フッ素がドープされた酸化スズは金属と比べて電気抵抗が大きいため、透明電極2が大型化した際にはその抵抗によって色素増感太陽電池1の効率が大きく下がる。そこで、フッ素がドープされた酸化スズの膜と金属配線とを組み合わせた透明電極2を作製して色素増感太陽電池1を製造した。
<実施例3>
透明電極2を以下の手順で作製し、この透明電極2上に実施例2に示した方法で酸化物半導体層7を形成した後、色素増感太陽電池1を製造した。
まず、図9に示すように、ガラス基板上にフッ素ドープされた酸化スズ膜52が製膜されたガラス基板51に溝53を敷設し、その溝53の中に銀ペースト(田中貴金属製)を埋設して550℃で1時間焼成することによって、金属配線54を設置した。
この金属配線54とフッ素ドープされた酸化スズ膜との電気的接続のため、インジウムドープされた酸化スズの前駆体溶液(ITO−05、高純度化学研究所製)を塗布して、400℃で1時間焼成した。こうして作製したITO薄膜55は金属配線54とフッ素ドープされた酸化スズ膜52との電気的接続を確保するのと同時に、金属配線54を電解液5から保護する役割を兼ねている。
こうして得られた透明電極2上に、実施例2と同一の方法で酸化物半導体層7を形成した。続いて、この酸化物半導体層7に増感色素6を吸着させた。まず、増感色素6としてcis−Di(thiocyanato)−N,N'−bis(2,2'−bipyridyl−4,4'dicarboxylic acid)−Ruthenium(II)(solaronix社製、商品名N719)を濃度3×10−4モル/Lでエタノールに溶解させた溶液を調整した。
次に、この溶液に酸化物半導体層7が積層された透明電極2を浸漬して、40℃の温度条件で20時間放置した。その後、この溶液から透明電極2を取り出してエタノールで洗浄して、暗所にて自然乾燥させた。これにより透明電極2上に、増感色素6を吸着している酸化物半導体層7を形成した。
次に対向電極4として、前記の透明電極2と同じ大きさの透明導電性ガラス(ITOスパッタガラス、日本板硝子社製)の表面に白金をスパッタした電極を製造した。
また、電解液5としてヨウ素系の酸化還元対溶液(ヨウ素0.05モル/L、ヨウ化リチウム0.1モル/L、2,3ジメチル−ヨウ化イミダゾリウム0.5モル/L、溶媒;メトキシアセトニトリル)を調製した。
さらに、透明電極2と対向電極4とをスペーサ11を介して対向させ、加熱することによって両電極とスペーサ11を密着させた。なおスペーサ11にはアイオノマ(商品名ハイミラン1702、三井デュポンポリケミカル社製)のフィルムを用いた。そして毛管現象を利用することにより、スペーサ11、透明電極2および対向電極4で構築された空間に上記の電解液5を充填した後、透明電極2と対向電極4の間の開口をエポキシ系接着剤で封止して色素増感太陽電池1を完成させた。
<実施例4>
前述したようにI -が酸化物半導体層7の細孔中で拡散を妨げられることなく対向電極4に到達できるように、酸化物半導体層7を粒径が1〜5nmのチタニアナノ粒子からなる第1多孔質層31と、直径5〜30nmのアナターゼ相のチタニアナノロッドを含有する第2多孔質層と、最大径が30nmを超えるチタニアナノロッドを含有する第3多孔質層とで形成した色素増感太陽電池1を製造した。
(第1多孔質層31の構築)
まず、第1多孔質層を構成する粒径が1〜5nmのチタニアナノ粒子を製造した。30mLの蒸留水に2モルの塩酸を0.2g加え、そこにF127を3g溶解させて、F127を10wt%含む水溶液を調製した。次に、チタンアルコキシドのテトライソプロピルオルトチタネート(TIPT)とアセチルアセトン(ACA)とをモル比1:1で混合した。具体的には、3.4gのTIPTと1.2gのACAを混合した。
そして、40℃で、前記のF127の10wt%水溶液と、TIPTとACAの混合溶液とを混合し、24時間攪拌して透明な液を得た。透明になった液を80℃の空気恒温槽中で攪拌しないで3日放置してゲル化させ、チタニアを含有する白色の懸濁液を得た。(以下、この懸濁液をスラリDと記す。)
なお、得られたチタニアナノ粒子の粒径は2〜4nmであることをSEM観察で確認した。
次に、透明電極2上に、メンディングテープを支持体として、スラリDをドクターブレード法で塗布した。このチタニアナノ粒子が塗布された透明電極を大気中室温下で自然乾燥させた後、450℃に熱せられた電気炉に入れて10分間焼成した。
続いて、チタニアナノ粒子が焼成された透明電極2上に、スラリDをドクターブレード法で塗布して焼成する操作を3回繰り返した。なお、焼成条件は450℃で10分間とした。
(第2多孔質層32の構築)
ここで得られた第1多孔質層の上に、メンディングテープを支持体として、実施例1で得たスラリAをドクターブレード法で塗布した。このチタニアナノロッドが塗布された透明電極を大気中室温下で自然乾燥させた後、450℃に熱せられた電気炉に入れて10分間焼成した。
引続き、チタニアナノロッドが焼成された透明電極2に、スラリAをドクターブレード法で塗布して焼成する操作を3回繰り返した。なお、焼成条件は450℃で10分間とした。
(第3多孔質層33の構築)
光散乱を利用した光路長の拡張を目的として、第3多孔質層を構築した。すなわち、比較例1で用いたスラリBを、メンディングテープを支持体として、ドクターブレード法で第2多孔質層32の上に塗布した。塗布後、大気中室温下で自然乾燥させた後、450℃に熱せられた電気炉に入れて40分間焼成した。
(色素増感太陽電池1の製造)
こうして形成された酸化物半導体層7が積層された透明電極2に、実施例3と同様の方法で増感色素6を吸着させ、実施例3と同様にして色素増感太陽電池1を完成させた。
<比較例4>
酸化物半導体層7を、F127を用いずに製造した酸化物半導体3を用いて形成した点を除き、実施例3と同一の方法で色素増感太陽電池1を製造し、比較例4とした。
<比較例5>
酸化物半導体層7を市販のチタニアナノ粒子であるP25を用いて形成した点を除き、実施例3と同一の方法で色素増感太陽電池1を製造し、比較例5とした。
(色素増感太陽電池としての特性評価)
以下の手順および測定条件により、実施例3と比較例4、比較例5の短絡電流密度、フィルファクタ等、色素増感太陽電池としての特性評価を行なった。特性評価は、ソーラーシミュレーター(セリック社製、商品名XIL−05A50K)を用いて照射強度1Sun、エアマス1.5の条件の擬似太陽光を照射することによって行った。
実施例3、実施例4、比較例4、比較例5の各色素増感太陽電池1について、ポテンショスタット(BAS−100W、BAS社製)を用いて、室温(20℃)にて電流・電圧特性を測定し、開放電圧(以下Voc:単位V)、短絡電流密度(以下Jsc:単位mA/cm)、フィルファクタを求め、これらから起動初期の光電変換効率(単位%)を求めた。
(電池特性へのブロック共重合体の影響)
実施例3と比較例4の色素増感太陽電池1の特性を上記の方法で測定し、結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例3の色素増感太陽電池1のVoc、Jsc、フィルファクタ、光電変換効率はいずれも比較例4よりも優れており、焼成により電池として優れた特性を示すようになることが認められた。これは、実施例3では、チタニアナノロッドを包み込んでいるF127が焼成によりカーボンとなり、チタニアナノロッドの表面を絶縁層のように覆うことにより輸送中の電子の漏出を防止しているためと考えることができる。
(ナノ粒子との電池特性の比較)
表2に実施例3と比較例5(市販のチタニア粒子を用いた電池)の色素増感太陽電池1の特性を比較した結果を示した。
表2から、本発明の高結晶性のチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池は、チタニアのナノ粒子を用いた場合よりも優れた性能を有し、特に光電変換効率が約1.5倍に改善されることが認められる。このことから、本発明のチタニアナノロッドは色素増感太陽電池に適していることが分かる。
(多孔質層の構築による比較)
実施例3と実施例4について、多孔質層の構築による色素増感太陽電池1の特性を測定した結果を表3に示した。
表3から明らかなように、酸化物半導体層7を第1多孔質層31〜第3多孔質層33で形成することにより、I -の拡散が抑制されることなく進行するため、短絡電流値Jscが増大することが認められる。このことから、本発明のチタニアナノロッドを適用し、かつ多孔質層を積層することによって、より大きな光電変換効率を示す色素増感太陽電池1が作製可能であることがわかる。
図10に、実施例3と比較例5について、酸化物半導体層7の膜厚と、Jscおよび光電変換効率との関係を示した。膜厚が8μm以下の比較的薄い領域では、両者のJscは同じか比較例5の方が若干高い傾向が認められる。
しかし膜厚が8μmを超えると、実施例3の電池のJscは増加し続けて比較例5を上回るようになる。また、実施例3の光電変換効率は膜厚が8μmを超えても単調に増加して7.5%まで達しているが、比較例5の光電変換効率は膜厚が8μmを超えると約5%で飽和してしまう傾向が認められる。
従来報告されているチタニアを用いた太陽電池の光電変換効率は最高7〜8%であることから、本発明に係るチタニアナノロッドは高い光電変換効率を有するといえる。
さらに図11に示すように、増感色素6の吸着量が6×10−8モル/cm以下の領域では、実施例3と比較例5の色素吸着量に対するJsc曲線はほぼ重なっている。しかし、これより色素吸着量が多い領域では、実施例3のJscは直線的に増加する傾向を示すのに対し、比較例5のJscは飽和状態となる傾向を示した。
このように、実施例3において高色素濃度領域でJscの直線的な増加傾向が認められることは、高結晶性のチタニアナノロッドを用いれば、さらに高効率の色素増感太陽電池が得られる可能性があることを示している。
実施例3で高いJscと光電変換効率が認められるのは、図1CのHRTEM写真に見られるような高結晶性で均一なチタニアナノロッド中では、電子移動の妨げとなる欠陥が少ないため、効率よく電子移動が行なわれるものと考えられる。ナノ粒子と比較すると、チタニアナノロッド内では導電帯が長く形成されているので、電気的に均質な材料であり電子の移動が容易に行なわれるといえる。さらに、チタニアナノ粒子の代わりに高結晶性チタニアナノロッドを用いれば、電子トラップとなりうる粒状界面のチタニア間の接触点数が減少することも、電子の移動が容易になる一因となる。
これは図12に示した実施例3と比較例5の、フィルファクタと膜厚の関係からも裏付けられる。フィルファクタは電池の抵抗と相関し、電子が素早く効率的に移動できるときは抵抗が小さくなり、フィルファクタの値は大きくなる。図12から明らかなように、比較例5では、膜厚を増すとフィルファクタが減少する傾向を示す。これは半導体的性質を有するチタニアナノ粒子の膜厚が増加することにより抵抗が増加していることを示している。
しかし、実施例3の高結晶性のチタニアナノロッドを用いた色素増感太陽電池1では、膜厚が増してもフィルファクタが減少することは無く、膜厚が増加しても抵抗は増加しないことを示している。以上から、本発明の高結晶性チタニアナノロッドは電子輸送に適した材料であることが分かる。
図13に実施例3と比較例5の色素増感太陽電池1のJsc−電圧特性を示す。この図から明らかなように、実施例3の色素増感太陽電池1はJsc、Vocともに比較例5より高い値を示しており、優れた電池特性を有することが分かる。なお、ここで用いた実施例3の増感色素6を吸着したチタニアナノロッドの酸化物半導体層7の膜厚は16μm、増感色素6の吸着量は10モル/cm、比較例5の増感色素6を吸着したチタニアナノ粒子の酸化物半導体層7の膜厚は16μm、増感色素6の吸着量は12×10−8モル/cmである。
なお、BET比表面積を測定したところ、実施例3のチタニアナノロッドは45m/gであり、P25の50〜55m/gより僅かに小さい値であった。これは、実施例3のナノロッドは、サイズ(長さ)は大きいが表面積は小さいことから予想された結果である。これはまた、チタニアナノロッドの径を小さくて表面積を大きくすることにより、さらに増感色素6の吸着量を増やして光電変換効率を高められることを示している。
色素増感太陽電池の模式図である。 本実施形態に係る色素増感太陽電池の断面構造を表した模式図である。 本実施形態に係る酸化物半導体層の部分拡大図である。 本実施形態に係る酸化物半導体層の変形例の部分拡大図である。 図5A〜図5Cは実施例1のTEM写真、SEM写真、HRTEM写真あり、図5D、Eは比較例1のTEM写真、SEM写真である。 実施例1と比較例1のXRD測定結果を表す図である。 図7Aは実施例2の、図7B比較例2の酸化物半導体層を焼成した後のSEM写真である。 実施例2の酸化物半導体層の焼成前後のXRD測定結果を表す図である。 各実施例で用いた透明電極の構造を表す断面図である。 実施例3と比較例5の、酸化物半導体層の膜厚と、Jscおよび光電変換効率との関係を示した図である。 実施例3と比較例5の色素吸着量とJscの関係を示した図である。 実施例3と比較例5のフィルファクタと膜厚の関係を示した図である。 実施例3と比較例5の色素増感太陽電池のJscと電圧の関係を示した図である。
符号の説明
1 色素増感太陽電池
2 透明電極
3 酸化物半導体
4 対向電極
5 電解液
6 増感色素
7 酸化物半導体層
11 スペーサ
12 外部負荷
31 第1多孔質層
32 第2多孔質層
33 第3多孔質層
U 入射光

Claims (11)

  1. 有機アミンまたはアンモニアを含む水溶液に、チタン有機化合物を反応させてチタニアゾルを得る反応工程と、
    前記反応工程で得た前記チタニアゾルを水熱反応させてアナターゼ相のチタニアナノロッドを生成水熱反応工程と有し、
    前記反応工程の前記水溶液は、
    疎水性ブロック及び親水性ブロックを有するブロック共重合体をさらに含む
    ことを特徴とするアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  2. 記ブロック共重合体の前記疎水性ブロックがポリオキシプロピレンであり、前記親水性ブロックがポリオキシエチレンである
    ことを特徴とする請求項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  3. 記ブロック共重合体が、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンで構成される三元ブロック共重合体である
    ことを特徴とする請求項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  4. 前記水溶液は、さらにカチオン性界面活性剤を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  5. 前記カチオン性界面活性剤は長鎖アルキル基含有ハロゲン化4級アンモニウム塩である
    ことを特徴とする請求項4に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  6. 前記チタン有機化合物は、Ti(OR)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるチタンアルコキシドである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  7. 前記有機アミンは、脂肪族アミンまたは脂肪族ジアミンである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法。
  8. 透明電極と、
    前記透明電極上に積層され、増感色素が表面に吸着している多孔質の酸化物半導体層と、
    前記透明電極に対向して設けられる対向電極と、
    前記透明電極および前記対向電極の間に含浸される電解液と
    を備える色素増感太陽電池であって、
    前記酸化物半導体層は、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のアナターゼ相のチタニアナノロッドの製造方法で製造されたアナターゼ相のチタニアナノロッドを含有する
    ことを特徴とする色素増感太陽電池。
  9. 前記多孔質の酸化物半導体層は、
    粒径が1〜5nmの酸化物半導体ナノ粒子を前記透明電極上に積層してなる第多孔質層と、
    直径5〜30nmの前記アナターゼ相のチタニアナノロッドを含有し、前記第1多孔質層上に積層される第2多孔質層と、
    を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の色素増感太陽電池。
  10. 最大径が30nmを超える酸化物半導体ナノ粒子または酸化物半導体ナノロッドを含有し、前記第2多孔質層上に積層される第3多孔質層を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の色素増感太陽電池。
  11. 前記第1多孔質層の層厚は、0.5〜5μmであり、前記第2多孔質層の層厚と前記第3多孔質層の層厚との和は、3〜50μmである
    ことを特徴とする請求項10に記載の色素増感太陽電池。
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