JP2003033766A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

Info

Publication number
JP2003033766A
JP2003033766A JP2001226044A JP2001226044A JP2003033766A JP 2003033766 A JP2003033766 A JP 2003033766A JP 2001226044 A JP2001226044 A JP 2001226044A JP 2001226044 A JP2001226044 A JP 2001226044A JP 2003033766 A JP2003033766 A JP 2003033766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
diaphragm
electrode
electrolyzer
electrolyzed water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001226044A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Nishiyama
修二 西山
Naohito Wajima
尚人 輪島
Itsunao Koga
逸尚 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2001226044A priority Critical patent/JP2003033766A/ja
Publication of JP2003033766A publication Critical patent/JP2003033766A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水の電気分解によって、アルカリイオン水、
酸性イオン水を生成する電解槽において、隔膜のメンテ
ナンスを必要としない電解槽構造と、電解中に捨て水を
排出しない電解水生成装置を提供する。 【解決手段】 隔膜の電気抵抗を測定し、その検出値が
上昇したときに隔膜近傍に酸性水を生成するメンテナン
ス電極を隔膜に設置して、隔膜に付着した炭酸カルシウ
ムなどを溶解する。また、電解槽の一方の電極室の水に
対して、循環しながら電解するための循環路と循環ポン
プを設置し、流路を切り換えることで捨て水をなくす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水を電気分解
することで、酸性水とアルカリ水を生成する電解水生成
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料用や、調理用、殺菌用に用いる水と
して、水を直流電流によって電気分解し、陽極陰極それ
ぞれの電極において生成される酸性水、アルカリ水を利
用する技術がある。酸性水は、殺菌力や肌をひきしめる
作用が知られ、またアルカリ水は、洗浄力や消化器系を
活性化させる作用から、一般家庭や病院、レストランな
どに広く普及してきている。通常、電解槽の前段に、活
性炭や中空糸膜を配置し、カビ臭や鉄分などの不純物を
除去した状態で電解することが多く、使用者ニーズの高
い浄水に、電解成分を加えることで水の付加価値を高め
る技術となっている。
【0003】従来の電解槽構成は、陽極と陰極を、隔膜
によって隔離する有隔膜電解槽が多い。隔膜によって分
離されたそれぞれの電極室に通水し、電極に直流電流を
通電し、二つの出口から酸性水、アルカリ水を取り出
す。隔膜によって電極室は完全に分離されるため、酸性
水とアルカリ水が混合することがなく、高効率で電解水
を回収できる利点がある。しかし、アルカリ側の電極室
はpHが高くなるため、アルカリ電極室側の隔膜表面に
炭酸カルシウムを主成分とする固形物が析出沈着し、隔
膜におけるイオンの移動を妨げる問題があった。前記汚
れは、電解とともに次第に堆積するため、電極間の抵抗
を上昇させ、所定水質の電解水を生成するには高電力を
要するようになり、制御上の問題が生じてくる。よって
定期的に隔膜をメンテナンスする必要があり、場合によ
っては電解槽ごと交換する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような経
緯をふまえたものであり、原水の電気分解によって酸性
水、アルカリ水を生成する電解槽において、隔膜のメン
テナンスを必要としない電解水生成装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するため、本発明は、給水路と隔膜を有する電
解槽から成る、水を電気分解することで陽極から酸性イ
オン水、陰極からアルカリイオン水を生成する電解水生
成装置において、前記隔膜表面に通孔を有する電極を設
置し、隔膜に付着し隔膜を閉塞させる炭酸カルシウムな
どを、前記隔膜に設置した電極に通電して生成する酸性
水によって溶解させることを特徴とする。
【0006】電解槽内部に設置される隔膜は、陽極室と
陰極室を完全に分離するため、両室での液の組成をまっ
たく別な要素に分離することができるようになる。用途
によって多様な膜の選択が可能であり、最近では、陽イ
オン交換樹脂や陰イオン交換樹脂を用いて、イオンを選
択的に選別する方法がとれるようになり、電解効率が改
善されるようになってきた。通常隔膜は、ミクロにみる
と空隙が多数存在し、水分子やイオン分子がその中を通
過している。電極に電流が加わると、反対の電荷をもつ
イオンはクーロン力で電極に引き寄せられる。その際、
隔膜の種類によって隔膜部のイオンの透過率が膜によっ
て異なってくる。通常、イオンの移動度は隔膜で落ちる
ため、単位体積当たりのイオン個数が隔膜部では高くな
る。よってイオン濃度が隔膜部では高くなる。カルシウ
ムは水道水中に数十ppm含まれ、電解と共に、マイナ
ス側にひかれる。陰極側はアルカリ水生成域であり、水
酸化物が多数存在する中に、隔膜を通過して入ってく
る。隔膜部では高濃度にカルシウムが存在するため、隔
膜のアルカリ室側は、カルシウム結晶ができやすい状況
となる。
【0007】本発明において、通常のアルカリ水、酸性
水を生成する電解においては、通水路の壁面に設置され
る平板電極に通電される。電極の主要材質は白金で、白
金は水の電気分解に最適な金属である。電源から直流電
流が流れると、電極表面において電子の授受に相当する
酸化還元反応がおきる。陽極では、酸化反応が生じ、水
素イオンと酸素が、陰極では、還元反応が生じ、水酸化
物イオンと水素が発生する。反応は、ファラデーの原理
から電流と通電時間に影響される。電流の大きさと電流
印可時間によって、電極に供給される電子のモル数が算
出される。前記酸化還元反応の反応式から、供給された
電子量と、生成された水素イオン量、水酸化物イオン量
が計算できる。反応式は、一モルの電子から、一モルの
水素イオンと水酸化物イオンが生成されることを示す。
この新たに生成される水素イオンと水酸化物イオンと、
もとの水に含まれる各種イオン成分が、利点と問題を引
きおこす。問題の一つとして、陰極室のアルカリ水域中
において、促進される炭酸カルシウムの析出である。こ
の析出は前記したように隔膜と更に電極表面において顕
著になる。電極表面の析出については、電極の極性を交
互に変えること(ポールチェンジと呼ばれる)を行い、
電荷の反発力を引き起こすことで、静電気的に電極表面
の析出の堆積を防止する手段が従来からとられてきた。
【0008】本発明においては、隔膜に通孔を有する電
極を設置する。これを以下の文においては、メンテナン
ス電極と呼ぶことにする。隔膜はイオンが通過するた
め、隔膜に併設するメンテナンス電極にはイオンを通過
させるための孔を設ける。形状としては、メッシュ状、
スリット状などが挙げられる。材質は白金を主成分とす
る。隔膜に併設したメンテナンス電極は、隔膜に炭酸カ
ルシウムなどの析出物がついてきた時点で通電が行わ
れ、pHの非常に低い酸性水を作り出す。隔膜はメンテ
ナンス電極に接触もしくは接近しているため、強酸性水
でダイレクトに洗浄される。この結果隔膜表面の炭酸カ
ルシウムは酸に溶解し、隔膜表面が清浄な状態まで洗い
落とされる。この結果、隔膜を長期間メンテナンスフリ
ーで使用できる。またメンテナンス電極を隔膜に接触さ
せて設置することにより、隔膜の強度もあがり、耐久的
にも長期間の使用が可能になる。
【0009】更に本発明は、隔膜の両側に設置されたメ
ンテナンス電極を利用して、隔膜部の電気抵抗を測定す
ることを特徴とする。
【0010】隔膜をはさんで、隔膜の両側にメンテナン
ス電極を設置する場合は、メンテナンス電極と、陽極陰
極いずれか一方間に隔膜をはさむ時と、はさまない時の
抵抗を測定する。測定された抵抗は、一方は、電極間に
存在する水の抵抗と、隔膜の抵抗を測定し、もう一方は
水の抵抗のみを測定することになる。両者の抵抗値の差
は、隔膜における抵抗を表し、この抵抗値から、隔膜へ
の炭酸カルシウムなどの付着の程度を直接的に検知する
ことができるようになる。この抵抗値の上昇を監視し、
上昇率が設定値をこえたところで、メンテナンス電極に
通電し、酸性水をつくりだして隔膜表面を洗浄する。
【0011】更に本発明は、隔膜に設置されるメンテナ
ンス電極が、アルカリ水生成室側にのみ設置されること
を特徴とする。アルカリ水生成室側は、水酸化物イオン
が多量に存在し、水中の炭酸成分が、炭酸イオンとして
存在する割合が高くなるため、カルシウムイオンと反応
して炭酸カルシウムができやすくなる。よって隔膜の両
面を比較すると、アルカリ水生成室側に炭酸カルシウム
が多く付着する。本発明において、メンテナンス電極を
アルカリ水生成室側にのみ設置することで、隔膜に付着
する炭酸カルシウムを効率的に溶解することができるよ
うになる。
【0012】更に本発明は、電解槽の一方の電極室をで
た電解水を循環させて再度電解槽に入水させる循環ポン
プを設けたことを特徴とする。陽極陰極でつくられる電
解水のうち、使用する水の電極と反対側の電極でできた
水は、通常は排水されるが、本発明ではそれを循環して
再度電解槽に入水することで、使用中の排水をなくす構
造とした。アルカリ水を使用する場合は、酸性水が循環
される。酸性水は次第にpHが低くなり、強酸性水とな
る。アルカリ水を連続電解で生成し、使用が終了した
ら、強酸性になった循環水を一方の電極室の水と合流さ
せ中和してから排出する。循環する水を逐一交換するこ
とで、電解効率の低下を防ぐ。酸性水を使用する場合
も、同様にアルカリ水を循環させ、逐一水を入れ替え
る。この場合は、アルカリ水の循環であるため、炭酸カ
ルシウムの析出が顕著になり、隔膜におけるメンテナン
ス電極の威力が最大限発揮されることとなる。
【0013】更に本発明は、電解槽の一方の電極室をで
た電解水を循環させて再度電解槽に入水させる循環ポン
プと、循環水中に含まれるカルシウムイオンを除去する
陽イオン交換装置を設けたことを特徴とする。アルカリ
水を循環する場合、電解が進むにつれて循環水中の水酸
化物イオンが増加し炭酸成分が2価の炭酸イオンに平衡
が移動してくるため、炭酸カルシウムが生成しやすくな
ってくる。本発明においては、メンテナンス電極によっ
て炭酸カルシウムを溶解除去する方法に加え、循環流路
中にカルシウムイオンを除去する陽イオン交換装置を設
置することで循環水中のカルシウムイオンを除去し、炭
酸カルシウムが生成することを防ぐという予防対策もと
った。
【0014】更に本発明は、電解槽入水部をノズル形状
にし、電解する水を電解槽内に噴射する構造としたこと
を特徴とする。電解槽を隔膜によって陽極室と陰極室に
分けるため、お互いの水が交わることがなく、効率をア
ップさせるため電極室内の水を可能な限り流動させるこ
とで電極表面の反応を活性化させる。電極表面に接近す
る水分子をできるだけ多くするためと、反応によってで
きた水素イオンや水酸化物イオン、更に気体である酸素
や水素を電極表面からすばやく引き離すためには、電極
室内が乱流であることが好ましい。本発明は、電解槽入
水部をノズル形状とし、電解する水を噴射することで、
電極室内に乱流を引き起こす。ノズル先端の径を絞るこ
とで圧力をかけ、ノズルを出た瞬間、圧力開放すること
で流速をあげ、電極室内の流れを乱す方法や、ノズルを
直接、電極室の壁面へ噴射することで乱流を引き起こし
ても良い。それにより電解効率が高まり、小電力で酸性
水、アルカリ水を生成できるようになる。効率のアッ
プ、また電極室内の乱流によって隔膜に炭酸カルシウム
ができやすくなっても、隔膜につけるメンテナンス電極
の作用によって溶解させることができる。
【0015】更に本発明は、電解槽出口部に複数の孔を
有する水流攪乱板を有することを特徴とする。本発明
も、電極室内に乱流を引き起こすことを目的とする。電
極室内で一方向に進む水の流れを、水流攪乱板を設置し
て多方向に向かう水の流れに変えることで、水と電極の
接触効率をあげる。これにより、電極と接触せずに出て
いく水分子がへり、電解効率がよくなる。
【0016】更に本発明は、電解槽内に入る水が、数カ
所の導入孔から電解槽内に入ることを特徴とする。電極
室に入る水の入り口を、陽極室、陰極室それぞれ2カ所
以上にすることで、電極室内で水流の干渉を引き起こ
す。これにより、電解される水が、多方向から電極に衝
突してくるため、電子の受け渡しが行われる電極表面の
乱雑さが高まり、電解効率のアップが達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の作用・効果
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施の
形態について説明する。
【0018】図1は本発明の第一の実施例を表す。隔膜
4をはさんで、平板電極2a、2bが平行に配置され
る。電解槽1には、水道水が流入し、隔膜4で仕切られ
た陽極室と陰極室を通過するときに、電極2a、2bに
おいて電気分解をおこす。図1では電解槽1の内部を示
した。隔膜4には密着する形で、ポーラス状もしくはメ
ッシュ状のメンテナンス電極3a、3bがとりつけられ
る。隔膜は石綿系膜、ポーラス膜、均質膜からなる有機
高分子膜、複合材料膜などが使用される。隔膜4を両側
から挟み込む形で、メンテナンス電極3a、3bを設置
する。これは薄膜である隔膜4の固定化につながり、隔
膜4の電解槽内への設置が容易になる利点も生む。メン
テナンス電極3a、3bは、メンテナンス回路5によっ
て、隔膜4の抵抗検出と、酸性水生成のための直流電流
の印可が行われる。メンテナンス回路5は、定期的に隔
膜の抵抗を検出するときと、抵抗が高い値を検出したと
きに通電される。メンテナンス回路5は、電極2aとメ
ンテナンス電極に通ずる端子6a、6bを逐一通電切り
換えを行う。抵抗を検出するときは、電極2a、3b間
の抵抗、次ぎに電極2a、3a間の抵抗を調べ、両者の
差が、電極3aと隔膜部の抵抗に相当する。電極3a
は、隔膜にくらべ空孔径がはるかに大きいため、析出物
の付着はわずかで、検出抵抗値への寄与は小さい。検出
抵抗が、初期値に比べ設定値以上の上昇をみせたとき、
隔膜メンテナンスモードに入り、電極3a、3bを陽極
とする通電を行って、隔膜部を酸性水域中にする。電極
3aを陽極とする電解では、メンテナンス回路5を利用
して電極2aを陰極とし、同様に電極3bを陽極とする
場合も、メンテナンス回路5を利用して電極2aを陰極
とする。この際、できるだけ隔膜付近を強酸性水にする
ために、通水はストップすることが好ましい。もしくは
低流量でメンテナンス電解をする。通常は、電極2a、
2b間で直流電流がながれ、陽極から酸性水、陰極から
アルカリ水が生成される。
【0019】図2は本発明の第二の実施例を表す。メン
テナンス電極3をアルカリ生成室側にのみ設置した。こ
の場合もメンテナンス回路5を利用して、隔膜電気抵抗
の検出と、隔膜洗浄のための通電を行う。隔膜電気抵抗
の検出は、電極2aに接続するメンテナンス端子7a
と、メンテナンス電極3間の抵抗と、電極2bに接続す
るメンテナンス端子7bとメンテナンス電極3間の抵抗
を測定し、両者を減算することで算出する。この減算値
は、隔膜部のみの抵抗に相当する。検出抵抗が、初期値
に比べ設定値以上の上昇をみせたとき、隔膜メンテナン
スモードに入り、電極3を陽極とする通電を行って、隔
膜部を酸性水域中にする。この際、陰極は2a,2bい
ずれでも良いが、隔膜部を効率良く酸性水に接触させる
には、電解時、電極間に隔膜が位置するするようになる
2bを陰極とすることがより好ましい。本発明は、メン
テナンス電極が1枚ですむため、コストダウンにつなが
り、隔膜抵抗の直接検出も可能となる。
【0020】図3は本発明の第三の実施例を表す。一方
の電極室に循環路10と循環ポンプ8と流路切り換え弁
9を設置する。使用者が電解水を吐水しはじめると、流
路切り換え弁9が弁を循環路側にいれる。使用者の使う
電解水は、電極2aにおいて電気分解されたものとな
る。電極2a側はワンパスで通過していく一方、電極2
b側は循環路になるため、電解中は装置外に排出されな
い。電極2a、2b各電極室の流量は、2a側が大きく
設定されることが好ましい。電極2a側で酸性水を生成
する場合、循環路10を流れる水はアルカリ水となる。
一定量の水が何度も電解槽に入水して電解されるため、
pHは強アルカリを示すようになる。この場合、水中の
カルシウムイオンとアルカリ度成分が結合して、炭酸カ
ルシウムができやすくなる。滞留部分に付着しやすく、
隔膜に付着したもの、流路に付着したものが特に悪影響
を及ぼす。隔膜部では電気抵抗に寄与し、一定電流を流
すのに必要な電圧が高くなる。隔膜の電気抵抗の上昇が
一定値になったら、メンテナンス電極3a、3bに通電
して、隔膜洗浄を行う。電極2a、2bの電解に伴い、
循環路10をまわる水のpHは、変動がなくなってく
る。強酸、強アルカリのpHでは、水素イオン、水酸化
物イオンが中性の1万〜10万倍に増えており、その状
態からさらに一桁増やすのは大変だからである。さらに
強酸の場合は酸素、強アルカリの場合は水素が同時に発
生するため、水溶液中に気泡が混じるようになる。これ
らは電解効率を低下させる要因になるため、除去するこ
とが望ましい。本実施例では、電極2a、2bで電解終
了後、流路切り換え弁9の働きで循環水を排水し、次の
使用に備えて待機する方法をとった。排水の際は、一方
の電極室の水と混合させて中性化させる方法が望まし
い。
【0021】図4は本発明の第四の実施例を表す。電解
中の捨て水を防止するため、一方の電極室に循環路10
と循環ポンプ8と流路切り換え弁9と陽イオン交換装置
11を設置する。循環路が設置される電極室がアルカリ
生成部になるときに、循環水中で析出する炭酸カルシウ
ムを防止するため、循環水中のカルシウムイオンを陽イ
オン交換装置11で取り除く。陽イオン交換装置11
は、反応基としてスルホン酸基やカルボキシル基をも
ち、末端にある水素イオンが、カルシウムイオンなどの
陽イオンと交換される。循環水がアルカリ性のときに、
前記交換反応が促進され、溶液中のカルシウムイオンが
捕獲されやすくなる。この循環水中のカルシウムイオン
を選択的に減らす方法と、隔膜にできた炭酸カルシウム
をメンテナンス電極で溶かし出す方法によって、電解に
つきものの炭酸カルシウムの析出問題に対処する。前記
陽イオン交換装置11は、使用者の選択によって使用水
が酸性水の場合は、循環水中は強酸になり、このときに
反応基についたカルシウムイオンは水素イオンと置換さ
れて再生される。
【0022】図5は本発明の第五の実施例を表す。隔膜
4付きの電解槽1において、電解槽入水部をノズル12
a、12b形状としている。ノズル先端の吐水径を絞る
ことにより、水が電極室内に噴射される。ノズル先端の
形状により、水に圧力をかけ、ノズル吐水直後に圧力を
開放することで、流速があがる。この増大した流速が、
乱流を引き起こし、さらに壁面に反射して合流するなど
により、電極室ないの水が著しく攪拌される。どんなに
攪拌されても、隔膜4によって電極室が隔離されるため
水が混じり合うことがなく、組成の違う電解水を取り出
すことが可能となる。攪拌によって、電極2a、2b表
面の水も流動作用をうけ、電極反応の律速となる反応物
質の電極への移動時間が短縮され、電解効率があがる。
【0023】図6は本発明の第六の実施例を表す。隔膜
4付きの電解槽1において、電解槽出口部に水流攪乱板
13a、13bを設置する。水流攪乱板13a、13b
には、複数の通過孔があけられ、圧損を生じる構造とな
っている。水流攪乱板13a、13bがない場合、電極
2a、2bから遠い距離にある隔膜近傍の流れは、電極
に接近し反応することなく、電解槽を出ていってしまう
が、出口部に流れを乱す構造物を設置することで、反応
物質を電極へ誘導する作用と、電極近傍の溶液置換を促
進させる効果を引き出す。
【0024】図7は本発明の第七の実施例を表す。隔膜
4付きの電解槽1において、電解槽1の入り口部に、複
数の通孔を有する水導入板14a、14bを設置する。
電解槽1に入った水は、水導入板14a、14bで散乱
されて、電極室中央部に導入されるため、電極室内は乱
流となる。通孔は孔の径を変えることで、流れの不均一
が起きやすくなる。通孔の向きを孔ごとに変えることも
好ましい。通孔の向きを電極2a、2bの方向にし、電
極近傍での溶液攪拌作用を高める方法など考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す電解槽。
【図2】本発明の第二の実施例を示す電解槽。
【図3】本発明の第三の実施例を示す電解水生成装置。
【図4】本発明の第四の実施例を示す電解水生成装置。
【図5】本発明の第五の実施例を示す電解槽。
【図6】本発明の第六の実施例を示す電解槽。
【図7】本発明の第七の実施例を示す電解槽。
【符号の説明】
1 … 電解槽 2a、2b … 電極 3a、3b … メンテナンス電極 4 … 隔膜 5 … メンテナンス回路 6a、6b … メンテナンス回路端子 7a、7b … メンテナンス回路端子 8 … 循環ポンプ 9 … 流路切り換え弁 10… 循環路 11… 陽イオン交換装置 12a、12b… ノズル 13a、13b… 水流攪乱板 14a、14b… 水導入板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 逸尚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4D025 AA02 AB19 BA08 BB14 DA06 4D061 DA03 DB07 EA02 EB05 EB12 EB21 FA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に設けられた通水路を隔膜
    により仕切った電解槽から成る、水を電気分解すること
    で陽極側通水路から酸性イオン水、陰極側通水路からア
    ルカリイオン水を生成する電解水生成装置において、前
    記隔膜表面に通孔を有するメンテナンス電極を設置し、
    隔膜に付着し隔膜を閉塞させる炭酸カルシウムなどを、
    前記メンテナンス電極に通電して生成する酸性水によっ
    て溶解させることを特徴とする電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、隔膜の両側に設置されたメンテナンス電極を利用し
    て、隔膜部の電気抵抗を測定することを特徴とする電解
    水生成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、隔膜に設置されるメンテナンス電極が、陰極と向い
    合う側にのみ設置されることを特徴とする電解水生成装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、前記電解槽の一方の電極室をでた電解水を循環させ
    て再度電解槽に入水させる循環ポンプを設けたことを特
    徴とする電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、前記電解槽の一方の電極室をでた電解水を循環させ
    て再度電解槽に入水させる循環ポンプと、循環水中に含
    まれるカルシウムイオンを除去する陽イオン交換装置を
    設けたことを特徴とする電解水生成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、電解槽入水部をノズル形状にし、電解する水を電解
    槽内に噴射する構造としたことを特徴とする電解水生成
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、電解槽出口部に複数の孔を有する水流攪乱板を有す
    ることを特徴とする電解水生成装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電解水生成装置におい
    て、電解槽内に入る水が、数カ所の導入孔から電解槽内
    に入ることを特徴とする電解水生成装置。
JP2001226044A 2001-07-26 2001-07-26 電解水生成装置 Pending JP2003033766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226044A JP2003033766A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 電解水生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226044A JP2003033766A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 電解水生成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003033766A true JP2003033766A (ja) 2003-02-04

Family

ID=19058937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001226044A Pending JP2003033766A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 電解水生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003033766A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101408502B1 (ko) 2012-07-12 2014-06-17 이재용 산성수 전해조 및 그 산성 환원수의 이용방법
KR101610045B1 (ko) 2014-06-18 2016-04-08 (주) 마그테크놀러지 산성수 전해조 및 그 산성수의 이용방법
JP6371489B1 (ja) * 2018-04-03 2018-08-08 株式会社ドクターズ・マン 水素水の製造装置
JPWO2020179667A1 (ja) * 2019-03-07 2021-03-11 株式会社超微細科学研究所 微細気泡含有水生成装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101408502B1 (ko) 2012-07-12 2014-06-17 이재용 산성수 전해조 및 그 산성 환원수의 이용방법
KR101610045B1 (ko) 2014-06-18 2016-04-08 (주) 마그테크놀러지 산성수 전해조 및 그 산성수의 이용방법
JP6371489B1 (ja) * 2018-04-03 2018-08-08 株式会社ドクターズ・マン 水素水の製造装置
WO2019193776A1 (ja) * 2018-04-03 2019-10-10 株式会社ドクターズ・マン 水素水の製造装置
JP2019181316A (ja) * 2018-04-03 2019-10-24 株式会社ドクターズ・マン 水素水の製造装置
JPWO2020179667A1 (ja) * 2019-03-07 2021-03-11 株式会社超微細科学研究所 微細気泡含有水生成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4392354B2 (ja) 高電界電解セル
CN101960661B (zh) 用来进行反电渗析工艺的装置和方法
US20080057398A1 (en) Non-faraday based systems, devices and methods for removing ionic species from liquid
JP2004058006A (ja) 電解水製造方法
US20070056847A1 (en) Electrochemical liquid treatment equipments
JP2005507314A (ja) 電気分解整水器
JP4600225B2 (ja) 電解水生成装置
KR100319022B1 (ko) 전해부상법을이용한폐수처리장치
JP2003033766A (ja) 電解水生成装置
JP4377104B2 (ja) 脱塩装置
JP6000673B2 (ja) オゾン水生成装置のリフレッシュ洗浄方法
JPH08257561A (ja) 電解水生成装置
KR200473934Y1 (ko) 음용수 또는 세정수가 생성되는 무격막형 전해조
JP5547661B2 (ja) オゾン水センサーの洗浄方法
JP2007090147A (ja) 電解水生成装置
US7794582B1 (en) Method of recovering metal ions recyclable as soluble anode from waste plating solutions
CN108602695B (zh) 电解水生成装置
JP4512842B2 (ja) 電解水生成方法及び電解水生成装置
JP2002035751A (ja) バッチ式電解水生成装置
JPH0731976A (ja) 電解イオン水生成装置
JP2008000730A (ja) 電解水生成装置
JP3572662B2 (ja) 電解水生成器
JP4544793B2 (ja) 電解水生成装置
JP2008178771A (ja) 電解水生成装置
JPH10296276A (ja) ミネラル溶出装置