JP2003236546A - 電解槽 - Google Patents

電解槽

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JP2003236546A
JP2003236546A JP2002036096A JP2002036096A JP2003236546A JP 2003236546 A JP2003236546 A JP 2003236546A JP 2002036096 A JP2002036096 A JP 2002036096A JP 2002036096 A JP2002036096 A JP 2002036096A JP 2003236546 A JP2003236546 A JP 2003236546A
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electrolytic cell
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electrode
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Shuji Nishiyama
修二 西山
Naohito Wajima
尚人 輪島
Itsunao Koga
逸尚 古賀
Aiko Mitsu
愛子 三津
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水を電気分解する無隔膜電解槽において、電
極寿命を良くすること。 【解決手段】 電気分解する一対の電極両側に、電解水
取水用の開口を設け、二つの開口をでた水のどちらかを
三方弁で選択する。開口を電極の片側のみにする場合
は、もう一方の電極の開口より下流に対応する部分をカ
ットし、開口電極を陽極とする。電極背後に弾性体を設
け、スペーサーを電極で挟み込んで押圧する際、電極の
曲がりを弾性体で吸収する。電解槽の前段に陽イオン交
換樹脂、または有機酸添加装置を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隔膜を介すること
なく互いに接近して平行に対峙する一対の電極を有する
電解槽とその電解制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水を電気分解することで水の水質を変化
させ、諸目的を達成する技術がある。アルカリイオン水
の生成、酸性水の生成、次亜塩素酸水などが代表例であ
る。水道水を原水とし、家庭、病院、飲食店など使用環
境は様々である。電極表面での酸化還元反応を利用す
る。アルカリ、酸性水は水分子が水素イオン、水酸化物
イオンに分かれ、次亜塩素酸水は、塩素イオンが次亜塩
素酸に酸化され、殺菌力をもつ全く違う性質の水とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水の電気分解技術の問
題点に電極寿命がある。電解が長時間行われると、電極
表面の劣化が進み、当初の性能を維持できなくなるとい
うものである。特に陽極において顕著であり、めっき電
極においては、金属めっき層が欠落して寿命となる。陽
極は酸化反応であり、電解にともなう金属の酸化反応が
欠落につながると予想される。電極寿命にダイレクトに
関わるパラメータは、電流密度とポールチェンジ回数で
ある。両者を最適化して、性能と寿命の仕様をクリアす
る。また、電極寿命に関わる問題として、陰極への析出
物蓄積がある。これは陰極がアルカリとなる場合、強ア
ルカリ水域で水中のカルシウムが炭酸カルシウムになる
現象である。これは水路の閉塞、電圧の上昇につなが
り、電極寿命に悪影響を引き起こす。
【0004】本発明はこのような経緯をふまえたもので
あり、電極寿命を延ばす方法を主願とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】隔膜を
介することなく互いに接近して平行に対峙する一対の電
極からなる電解槽において、一対の電極は同じ材質から
なり、かつ両電極とも開口を電極内に有し、両電極の開
口部を通過した電解水は三方弁によって択一的に吐水さ
れると共に、前記開口部を通過しない電解水を吐水させ
るものであり、前記電極へ通電する極性の変換と三方弁
の水路変換を同期させることを特徴とする。
【0006】隔膜を介することなく互いに接近して平行
に対峙する一対の電極からなる電解槽を以後無隔膜電解
槽と記す。無隔膜電解槽は、電解槽内で陽極側と陰極側
の水が混じり合わないようにする隔膜を持たない電解槽
である。電極間距離を小さくして、水の流れを制御する
ことで混合を防ぐ。電解電圧を小さくでき、消費電力を
小さくする利点がある。本発明は、一対の電極を同じ材
質にし、両電極に取水用の開口を設けた。材質と取水部
形状が同じであるため、電極近傍の層流を採取する機構
がどちらの電極でも達成できる。かつ三方弁によって2
つの開口いずれかの水を選択する。極性変換と三方弁に
よって、一種類の目的電解水を2つの電極をできるだけ
均等に使用して生成することで、電極の使用可能時間を
伸ばす。
【0007】本発明は、上記電解槽の電極として白金を
主成分とするものと、白金とイリジウムを主成分とする
ものの2種類を挙げた。白金を主成分とする電極は、陽
極酸性水、陰極アルカリ水を生成する組み合わせであ
り、白金とイリジウムを主成分とする電極は、陽極次亜
塩素酸を含む酸性水、陰極アルカリ水を生成するものと
なる。アルカリイオン水、次亜殺菌水の代表的な機能水
である。いずれの場合も、一対の電極が同種類からなる
電解槽であれば、上記電解槽構造は適用できる。
【0008】また本発明は、前記三方弁の下流に流量調
節装置を設置し、前記開口部を通過する水と、通過しな
い水の流量比を調節することを特徴とする。
【0009】流量調節機構によって、陽極水と陰極水の
流量比をかえる。同じ電流であれば、電極で生成される
物質量は変わらないので、流量変動によって希釈濃縮が
おき濃度が変化する。pHや次亜塩素酸濃度である。流
量調節機構によって止水することも可能とし、この場
合、開口を通って後段の水路管を水が流れないため、水
は開口以外の水路管から全て出水される。次亜塩素酸を
つくる場合は、中性近傍の次亜塩素酸となり、目的の次
亜塩素酸は取り出せるうえ、捨て水がなくなる利点があ
る。
【0010】本発明は、一対の電極と、いずれか一方の
電極内に取水用の空隙を有する無隔膜型電解槽におい
て、空隙を有する電極に対向する電極の下流端を、対向
する空隙より上流域に設けることを特徴とする。
【0011】無隔膜電解槽で、スリット電極の対向電極
を小さくするというものである。スリットより下流部で
は電解を起こさないことを目的としており、その方策と
して対向電極のスリット対応部より下流側を無くした。
例えばスリット付き電極で酸性水、対向電極でアルカリ
水をつくる場合、陽極のスリットより上流域で生成され
る酸性水をスリットから取水し、それ以外の水は陰極の
アルカリ水とまとめて取り出す。スリットより下流で電
解を極力抑えることにより、アルカリ水のpHを落とさ
ない効果が生まれる。スリット以降での電解がなくなる
ことでスリット部で高くなる電流密度が抑えられ、電極
の寿命がよくなる。
【0012】さらに本発明は、開口を有する電極を陽極
として使用することを特徴とする。前述したように、白
金または白金とイリジウムをメッキ、または焼結した電
極では、陽極の劣化が陰極より激しい。劣化は金属の脱
落が原因で、その仮定に酸化現象が関わっていると思わ
れる。開口を有する電極は、対向する電極より面積が小
さい。これは電流密度を小さくすることにつながり、寿
命を延ばす効果が生まれる。
【0013】本発明は、一対の電極と、極間距離を規定
するスペーサからなる無隔膜型電解槽において、陽極、
陰極いずれか一方の電極の通水と反対側の面に、前記ス
ペーサーより弾性係数の大きい弾性体を設置し、前記ス
ペーサを両極側から押圧する力と、スペーサの抗力の差
を前記弾性体で吸収することで、電極間距離を一定に調
節することを特徴とする。
【0014】電極間距離をスペーサの厚みで規定する無
隔膜電解槽に関する。上述したように、無隔膜式は極間
距離を小さくすることに特徴がある。1mm以下の電極
間距離を場所によるばらつきなく規定するため、本発明
では、一方の電極背後に設けた弾性体の変形力を利用す
る。厚みを高精度で均一化したスペーサに電極表面をぴ
ったりくっつけて対向させれば、電極間距離=スペーサ
厚みとなる。スペーサを電極で両側から挟みこむ際、弾
性体を利用することで、挟みこみ力がアップする。さら
に電極のゆがみを弾性体が吸収し、電極とスペーサの接
触率が高まる。電極間距離を均一にすることで、電極表
面で均一に電解が行われ、寿命長期化が可能となる。電
気力線が一カ所に集中するなど、偏った電荷分布を回避
できる。
【0015】また本発明は、電解槽の前段に陽イオン交
換樹脂を設置することを特徴とする。性能と電解寿命に
影響する析出物は、炭酸カルシウムである。本発明で
は、陽イオン交換樹脂を用いることで電解する水からカ
ルシウムイオンを除く。陽イオン交換樹脂としては、反
応基にスルホン酸基やカルボキシル基をもち、カルシウ
ムイオンを捕らえて、変わりに水素イオンを放出するも
のを使用する。樹脂は再生が可能なため、定期的に酸性
水を樹脂に通水する。電解時は陽イオン交換樹脂→電解
槽の経路で、反応基がカルシウムやマグネシウムで飽和
したら、電解槽で生成する酸性水を用いて樹脂を再生す
る。電解槽と樹脂の間に三方弁を2つ設置して、三方弁
1→電解槽→陽極酸性水→陽イオン交換樹脂→三方弁2
で、カルシウムリッチな水を排水する。電解にともなう
析出物の生成が抑えられるため、電圧の上昇は起きず、
性能、寿命とも良化する。
【0016】また本発明は、電解槽の前段に有機酸添加
装置、または官能基にNaをもつ有機酸を添加する装置
を設置することを特徴とする。陰極の析出物の大部分は
炭酸カルシウムであるが、析出の原因としては陰極のp
Hが高くなり、すなわち強アルカリになり、炭酸カルシ
ウムの溶解度が下がることが考えられる。電解する水に
有機酸を添加することで、陰極のpH上昇を抑えられ、
電極上への析出が抑制される。官能基にNaをもつ有機
酸の場合は、炭酸カルシウムの生成につながるカルシウ
ムと炭酸水素イオンの衝突頻度を下げることで反応の効
率を下げ、析出を抑える。どれも析出物に由来する電圧
上昇を防ぎ、電解性能、電極寿命とも良化する効果をう
む。
【0017】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の作用・効果
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施の
形態について説明する。
【0018】図1は、本発明の第一の実施例に相当する
電解槽構造を示す。対向する電極1、2には、各々に開
口3、4が設けられる。開口を通った水は三方弁5に入
る。電極1,2の間には電極間距離を規定するスペーサ
ー6が設置される。電解槽は基材7と蓋材8をねじで締
めて電極部を支持する構造を例示する。樹脂溶着で電極
部を封止しても構わない。基材7と蓋材8には、開口
3、4を通った水を通す溝がほられる。溝を通った水は
電解槽を出て三方弁5に入り、どちらかの電解水が選択
されて下流へ向かう。電極間距離に相当するスペーサー
6の厚みは、0.5〜1mm程度が望ましい。また水が
電極に入る直前部には、内容積の大きい空間を設け、あ
る程度の水が充満するようにする。そこで流れ、水圧を
整えて、狭い電極間に入っていくことで電極間の水流の
乱れが抑制される。電極近傍の電解水を取り出すため、
電極間は層流が望ましい。前記スペーサー6の厚みが重
要となる。電解槽出口9、10から電解水がでる。出口
9は開口の何れかを通った水である。電極1、2が白金
電極であれば、酸性水、アルカリ水がでる。電極1、2
が白金イリジウム電極であれば、次亜塩素酸入り酸性
水、一般的には開口部を通らない出口10の方が通水抵
抗が抑えられるため大流量で取り出しやすい。白金電極
でアルカリ水生成を目的とする場合は、出口10からア
ルカリ水、白金イリジウム電極で次亜塩素酸水生成を目
的とする場合は、出口10から酸性次亜塩素酸水をとり
出すのが好ましい。取り出し電極を固定せずに、2枚の
電極を可能な限り均等に使用して目的の電解水を生成す
るため、三方弁5を用いる。図1の下に、極性と三方弁
5の組み合わせを図示した。出口10を本使用出口とす
るならば、白金電極で陰極からアルカリ水を取り出す電
解槽に相当する。この場合、出口9から出る酸性水は捨
て水となる。図の2状態を適宜変換する。図中三方弁5
は電極2の開口4を通過してきた水を通して、電解槽出
口9に送り出す。このとき電極1の開口3を通る水は三
方弁5で止められるため、開口3より下流は滞留し、電
極1の陰極で電解された水、例えばアルカリ水は全て電
解槽出口10から出る。一方、極性を変えて電極2が陰
極とする場合は、三方弁5は電極1の開口3を通った水
を通過させる。この結果、陽極の水が電解槽出口9から
出る。よって、常に電解槽出口9からは陽極水、電解槽
出口10からは陰極水がでる。このように目的とする極
性を、電極1、2ともに印可して生成水を取り出すこと
で、電極寿命を延ばす。
【0019】前記電極1,2の種類として、白金電極と
白金イリジウム電極を選択した。白金は水の電気分解に
おいて、水を水素イオンと水酸化物イオンに分解する触
媒となる。イリジウムは塩素イオンを酸化して次亜塩素
酸イオンにする触媒作用をもつ。電極表面に触媒層を形
成する方法としては、メッキ製法と焼き付け製法に分か
れ、生成する電解水の種類、電解条件(電流密度、電解
する水の水質)によって適した製法を選択する。本発明
では、水道水の電気分解がメインであるため、どちらの
製法も適用可能である。触媒層の厚みと、イリジウムの
混入割合がパラメータとなる。触媒層は0.3〜1ミク
ロン、イリジウムの混入割合は、白金との重量比率で5
0パーセント程度が好ましい。次亜塩素酸生成が目的の
電極となるから、混入割合が多いほどよいことと、同種
類を陰極として使用する場合、還元反応の対象は水であ
るため、白金が同程度必要である。
【0020】従来は電極1、2の極性を固定していた
が、本発明では極性を例えば一日ごとに切り換え、取り
出す側の電極を固定しない。電極1を陽極として使用し
たら、次の日の電解水生成は電極2を陽極とする。目当
ての電解水が陽極で生成される場合、電極寿命延長の効
果が特にでる。酸性水や次亜塩素酸水を取り出す場合で
ある。陽極は酸化反応であり、酸化反応では電極金属は
酸化物になる。酸化物形態では、電極からの脱落現象が
起きやすく、電極反応の触媒となる金属量が次第に減少
していくため、寿命に到達する時間が、陰極に比べて短
い。よって電流密度が高いなど過酷な使用状況では、極
性を固定せず電解水を生成する効果が顕著になる。従来
はポールチェンジという電極洗浄に相当する作動を行っ
ていたが、本発明では洗浄用のポールチェンジを行う必
要がない。つまり陰極を固定しないからである。陰極は
アルカリ水域で、炭酸カルシウムの溶解度が下がり固体
が析出してくる極である。本発明では、極性を一日おき
に交換していくので、析出物が蓄積しない。
【0021】図2は本発明の第二の実施例に相当する電
解槽構造を示す。図1の出口9に流量調節機構11を設
置した。図は流量調節機構11が、三方弁5の下流水路
管の流路径を可変する様子を示した。図中の右下は、流
量調節機構11が流路を完全に閉じ、電解槽の出口を出
口10に一本化する作用で、捨て水が生じない。次亜塩
素酸水を取り出す電解槽では、陽極でできる次亜塩素酸
水を取り出せばよいので、有力な作動モードとして適用
できる。また図中左下は、出口9側の水路管内流路抵抗
を変化させることを表す。流量を落としていけば、同電
流においては、溶存イオンが濃縮され濃度が高まる。白
金電極で、出口9から酸性水を取り出す場合は、流量調
節機構11の作用で、pHを可変させることができる。
強酸性水を作る場合に適用する。
【0022】図3は、本発明の第三の実施例に相当する
電解槽構造を示す。開口4を有する電極2に比べ、電極
1は、面積が小さい。開口4より下流で電解を行わない
ためである。電極1の電解水は電解槽出口10から、電
極2の電解水は開口4を通り電解槽出口9から取り出
す。電極1、2とも負荷電流は同じであるため、電極面
積が大きい電極2は、電流密度が小さくなる。電極寿命
は電流密度に比例するため、電極2は面積差分の寿命延
長が望める。更に、電極2を陽極として使用すること
で、電極1、2の寿命バランスを良くする。また、電解
槽出口10から出る電解水は、開口4より下流の電解水
がなくなることで、水質例えばpHの良化効果がでる。
【0023】図4は、本発明の第四の実施例を表す。電
極1と電極2の間にスペーサー6が設置され、かつ電極
1と電解槽の基材7の間に弾性体12が配置される。電
極1、2を、基材7と蓋材8で弾性体12を介して、ね
じで絞める。ねじを均等に配置して絞めることで、電極
に一定の力を加える。その際、電極のゆがみを代表とす
る曲がりを、電極間距離に反映させないため、弾性体1
2の弾性力を利用する。電極に加わる外力をF、電極に
スペーサー6から加わる抗力をN、スペーサー6の弾性
係数K、弾性体12の弾性係数kとし、電極が平面形状
から△d歪んだ点があるとすると、 F―N=K*△d…… が成り立つ。K>>kであるため、歪みの吸収は、弾性
体12で行われる。スペーサー6がねじ締めで圧縮変形
しないため、電極間距離を電極の場所によらず一定にで
き、電圧の場所による違いを抑えられる。K>>kの組
み合わせとして、弾性体12を天然ゴムや合成ゴムから
なるゴム類、スペーサー6をテフロン(登録商標)などの
フッ素樹脂で構成するのが好ましい。
【0024】図5は、本発明の第五の実施例を表す。実
施例として樹脂の再生機構も搭載した装置構成を示す。
電解槽13の前段に陽イオン交換樹脂14を設け、電解
する水からカルシウム、マグネシウムイオンを除去す
る。これら二価陽イオンは電解に際して陰極側に引か
れ、アルカリ水域で炭酸カルシウムの白色析出となる。
この析出は電解にあらゆる面で悪影響を及ぼすので取り
除く。樹脂は設置ボリュームで取り除ける二価陽イオン
の量が決まっており、それ以上は、プロトン水で反応基
についた二価陽イオンを除去する必要がある。本発明で
は、プロトン水を電解槽13を用いて生成し、三方弁1
5を用いて流路切替を行う。図5には、電解水生成時と
樹脂再生時の水の流れを示した。電解水生成時は、陽イ
オン交換樹脂14を通った水が電解槽13に入り、一つ
は陽極である電極2の開口4を通り、電解槽出口9から
酸性水、もう一つは電極1で電解され電解槽出口10か
らアルカリ水ができる。樹脂再生時は、三方弁15を用
いて、電解槽13で生成した酸性水を陽イオン交換樹脂
14に通水し、樹脂の反応基についたカルシウムをプロ
トンで置換し、再生する。これにより、電解による陰極
への析出は抑えられ、非導電性の析出物に由来する電圧
の上昇はなくなり、電極寿命の延長につながる。
【0025】図6は、有機酸添加装置16を用いて、析
出物を抑える実施例である。有機酸としてはクエン酸が
望ましい。電解する水にクエン酸を添加することで、陰
極においてアルカリへの変化を抑える。よって炭酸カル
シウムの溶解度の減少がおきず、析出は抑えられる。N
a型の有機酸を添加する装置を設置し、Naを豊富に加
えることで、カルシウムとアルカリ度の衝突頻度を抑
え、炭酸カルシウムの反応効率を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す電解槽。
【図2】本発明の第二の実施例を示す電解槽。
【図3】本発明の第三の実施例を示す電解槽。
【図4】本発明の第四の実施例を示す電解槽。
【図5】本発明の第五の実施例を示す電解槽と陽イオン
交換樹脂図。
【図6】本発明の第五の実施例を示す電解槽と有機酸添
加装置図。
【符号の説明】
1 … 電極 2 … 電極 3 … 開口 4 … 開口 5 … 三方弁 6 … スペーサー 7 … 電解槽の基材 8 … 電解槽の蓋材 9 … 電解槽出口 10 … 電解槽出口 11 … 流量調節機構 12 … 弾性体 13 … 電解槽 14 … 陽イオン交換樹脂 15 … 三方弁 16 … 有機酸添加装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 逸尚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 三津 愛子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA03 DB07 DB08 DB10 EA02 EB01 EB05 EB14 EB17 EB30 EB31 EB39 ED12 GC18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜を介することなく互いに接近して平
    行に対峙する一対の電極からなる電解槽において、一対
    の電極は同じ材質からなり、かつ両電極とも開口を電極
    内に有し、両電極の開口部を通過した電解水は三方弁に
    よって択一的に吐水されると共に、前記開口部を通過し
    ない電解水を吐水させるものであり、前記電極へ通電す
    る極性の変換と三方弁の水路変換を同期させることを特
    徴とする電解槽。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電解槽において、前記電
    極は白金を主成分とし、前記三方弁からは酸性水又はア
    ルカリ水を吐水することを特徴とする電解槽。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電解槽において、前記電
    極は白金とイリジウムを主成分とし、前記開口部を通過
    しない電解水として次亜塩素酸を含む酸性水を吐水する
    ことを特徴とする電解槽。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電解槽において、前記三
    方弁の下流に流量調節装置を設置し、前記開口部を通過
    する水と、通過しない水の流量比を調節することを特徴
    とする電解槽。
  5. 【請求項5】 隔膜を介することなく互いに接近して平
    行に対峙する一対の電極と、いずれか一方の電極内に開
    口を有する電解槽において、開口を有する電極に対向す
    る電極の下流端を、対向する開口より上流域に設け、開
    口部を通過した電解水と、前記開口部を通過しない電解
    水を吐水することを特徴とする電解槽。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電解槽において、開口を
    有する電極が陽極となる極性で通電することを特徴とす
    る電解槽。
  7. 【請求項7】 隔膜を介することなく互いに接近して平
    行に対峙する一対の電極と、極間距離を規定するスペー
    サからなる電解槽において、いずれか一方の電極の通水
    と反対側の面に、前記スペーサーより弾性係数の大きい
    弾性体を設置し、前記スペーサを両極側から押圧する力
    と、スペーサの抗力の差を前記弾性体で吸収すること
    で、電極間距離を一定に調節することを特徴とする電解
    槽。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7何れか一項記載の電解槽に
    おいて、電解槽の前段に陽イオン交換樹脂を設置した特
    徴とする電解槽。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7何れか一項記載の電解槽に
    おいて、電解槽の前段に有機酸添加手段を設置したこと
    を特徴とする電解槽。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電解槽において、前記
    有機酸添加手段は官能基にNaをもつ有機酸を添加する
    ことを特徴とする電解槽。
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WO2014102865A1 (en) * 2012-12-27 2014-07-03 Osaka Electro-Communication University Device and method for producing electrolyzed liquid
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