JP2003031434A - チップインダクタ部品の製造方法 - Google Patents

チップインダクタ部品の製造方法

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JP2003031434A JP2001212933A JP2001212933A JP2003031434A JP 2003031434 A JP2003031434 A JP 2003031434A JP 2001212933 A JP2001212933 A JP 2001212933A JP 2001212933 A JP2001212933 A JP 2001212933A JP 2003031434 A JP2003031434 A JP 2003031434A
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Kazuo Sato
和男 佐藤
Hideo Takahashi
秀夫 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル本体において樹脂封止した端部にバリ
が発生することのない樹脂封止ができ、樹脂封止のため
の成形を良好かつ安定に行い、バリを取る後処理が必要
にならないチップインダクタ部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 コイル本体10を上下金型で挟んだ状態
で、該コイル本体10の端面に形成した電極2に対応し
てマスク樹脂11の注入される第1のキャビティと、前
記コイル本体10の樹脂封止部12とすべき部分に対応
して封止樹脂の注入される第2のキャビティとをそれぞ
れ形成しておき、始めに前記第1のキャビティにマスク
樹脂11を注入し、所定の温度まで下げてから、前記第
2のキャビティに封止樹脂を注入して樹脂封止部12と
して硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ型のインダ
クタ部品を製造する方法に係り、とくにドラム状フェラ
イトコアに巻線を施したコイル本体を樹脂封止してなる
チップインダクタ部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フェライト粉を成形し焼成す
る技術によりドラム状フェライトコアを得て、ドラム状
フェライトコアの両端面に厚膜又は薄膜技術で電極を形
成し、このドラム状フェライトコアの小径となっている
巻芯部に巻線を巻回し、その巻線端を予め電極にはんだ
付けする、あるいは、はんだ付けに替えて溶接や導電性
接着剤で接続する。こうしてコイル本体を製作し、例え
ば、ドラム状フェライトコアの巻芯部に巻線を巻回した
外周を樹脂で封止する等、このコイル本体を樹脂で封止
して製品とする。ドラム状フェライトコアの鍔の形状
は、方形あるいは円形にしておいて、この外形を方形あ
るいは円柱形となして実装し易い全体形状とするもので
ある。また、樹脂封止は、巻線を巻回したコイル本体を
保護する働きも担っている。その他に樹脂としてフェラ
イト入り樹脂を用いると、インダクタ部品の電気的特性
を変えたり、樹脂で封止することが磁気シールドになる
ことも知られている。
【0003】このコイル本体を樹脂で封止する方法とし
て、例えば、コイル本体を上下金型で挟んだ状態で樹脂
が注入されるキャビティを形成し、キャビティに連通す
るランナーを通じて樹脂をキャビティに注入している。
トランジスタやIC等の樹脂封止電子部品の製造に用い
られるトランスファー樹脂封止方法と同じであるが、コ
イル本体はドラム状フェライトコアの両端面に形成され
た電極を内部電極(下地電極)として備え、この内部電
極に巻線の端末を接続している。後から内部電極に覆い
被せて電気的に導通する外部電極を形成し、このコイル
本体が含まれるインダクタ部品をプリント基板等に実装
すると、この外部電極が回路パターンと電気的に接続し
導通する電極となる。従って、コイル本体を上下金型で
挟んだ状態で樹脂が注入されるキャビティは、内部電極
が外部電極と導通する部分を除いて樹脂が注入されるこ
とになり、樹脂が注入されない部分はコイル本体を収容
するだけの空間になる。しかし、コイル本体はフェライ
ト粉を成形し焼成するドラム状フェライトコア等が主体
であり、上下金型のキャビティが高精度の機械加工で製
作されることに比べると、寸法精度が悪く形状はばらつ
いているものである。キャビティにコイル本体を収容す
るだけの空間は、コイル本体の寸法精度や形状が許容で
きる範囲で余裕を備えることになり、キャビティとコイ
ル本体の間に間隙が生じ易く、樹脂が注入されるキャビ
ティの部分から樹脂が注入されない部分に樹脂が押し出
されることになる。
【0004】このような従来の製造方法では、フェライ
トコア自体の寸法ばらつきにより内部電極で樹脂封止し
ない部分と、上下金型を含め樹脂封止に用いる成形金型
のキャビティとの間の間隙により、コイル本体において
樹脂封止した端部にバリが発生する。このバリを取る後
処理が必要になるが、バリは内部電極側面に貼り付く形
で発生するため除去が困難であり、また、樹脂封止の樹
脂充填部分もバリを除去するとバリと共に剥離すること
がまれに生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、コ
イル本体を樹脂封止用のキャビティに入れて樹脂を注入
し封止しても、コイル本体において樹脂封止した端部に
バリが発生することのない樹脂封止ができ、樹脂封止の
ための成形を良好かつ安定に行い、バリを取る後処理が
必要にならないチップインダクタ部品の製造方法を提供
することにある。
【0006】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るチップインダクタ部品の
製造方法は、コイル本体の両端に形成した電極と当該コ
イル本体中間の樹脂封止部とすべき部分とに各々独立し
たキャビティを配し、始めに前記電極に配したキャビテ
ィにマスク樹脂を注入して前記電極をマスクし、続いて
前記樹脂封止部とすべき部分に配したキャビティに封止
樹脂を注入して樹脂封止することを特徴としている。
【0008】本願請求項2の発明に係るチップインダク
タ部品の製造方法は、コイル本体を上下金型で挟んだ状
態で、該コイル本体の端面に形成した電極に対応してマ
スク樹脂の注入される第1のキャビティと、前記コイル
本体の樹脂封止部とすべき部分に対応して封止樹脂の注
入される第2のキャビティとをそれぞれ形成しておき、
始めに第1のキャビティにマスク樹脂を注入し、所定の
温度まで下げてから、第2のキャビティに封止樹脂を注
入して樹脂封止部として硬化させることを特徴としてい
る。
【0009】本願請求項3の発明に係るチップインダク
タ部品の製造方法は、請求項2において、前記第1のキ
ャビティにコイル本体の両端を規制する位置決めピンを
設けていることを特徴としている。
【0010】本願請求項4の発明に係るチップインダク
タ部品の製造方法は、請求項2又は3において、前記マ
スク樹脂が熱可塑性樹脂で、前記封止樹脂が熱硬化性樹
脂であることを特徴としている。
【0011】本願請求項5の発明に係るチップインダク
タ部品の製造方法は、請求項4において、前記熱可塑性
樹脂が結晶性樹脂であることを特徴としている。
【0012】本願請求項6の発明は、請求項2,3,4
又は5において、前記上下金型を開放して取り出した前
記コイル本体から前記マスク樹脂を取り外し、前記コイ
ル本体端面の前記電極を露出させることを特徴としてい
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチップインダ
クタ部品の製造方法の実施の形態を図面に従って説明す
る。
【0014】図1は本発明に係るチップインダクタ部品
の製造方法の実施の形態であって、チップインダクタ部
品の製造手順を断面で示し、図2は樹脂成形前のコイル
本体を示し、図3及び図4はマスク樹脂及び封止樹脂を
成形するための金型構造を示し、図5は金型内のコイル
本体の配置を示し、さらに図6はコイル本体に対するマ
スク樹脂及び封止樹脂の成形の様子を示す。
【0015】まず、図1(A)のように、フェライト粉
を成形し焼成する技術によりドラム状フェライトコア1
(以下コア1という)を得て、同図(B)のようにコア
1の両側の鍔1aの両端面に厚膜又は薄膜技術で内部電
極(下地電極)2を形成する。内部電極2の形成はCu
スパッタやNiメッキが適用される
【0016】そして、図1(C)のように、前記コア1
の鍔と鍔の間に備える小径となった巻芯部1bに、例え
ば直径30μm程度の絶縁被覆線である巻線ワイヤ3
(以下巻線3という)を巻回し、その継線部(巻線端
部)3aを予め熱圧着等で固定した状態にて内部電極2
にはんだ付けする、あるいは、はんだ付けに替えて溶接
や導電性接着剤で接続する。こうして図1(C)及び図
2に示すコイル本体10が作製される。
【0017】このコイル本体10に対して樹脂封止する
工程が本発明の特徴を備えるプロセスであり、図1
(D)乃至(G)を用い他の図も参照して以下に説明す
る。
【0018】図1(D)の内部電極マスク樹脂成形及び
図1(E)の封止樹脂成形を実行するための成形金型を
図3及び図4に示す。この成形金型30は図1(G)の
チップインダクタ部品20を作製するためにコイル本体
10を1個だけ樹脂封止するが、この樹脂封止する構成
を成形金型30に複数組にして設けると、複数個のコイ
ル本体10を同時に樹脂封止することができる。
【0019】図3(A)は1個のコイル本体10を樹脂
封止してチップインダクタ部品を作製するための成形金
型30であり、この成形金型30は、同図(B)の上型
31と同図(C)の下型32でなり、上型31と下型3
2にはランナーとゲートとキャビティを構成する型とし
ての窪み31a,32aが所定の形状に設けられ、上型
31と下型32を所定の位置精度で組み合わせると、窪
み31a,32a同士が組合わさって空間を構成し、そ
の空間は、コイル本体10を収容しセットする型にな
り、マスク樹脂や封止樹脂を流し込み成形する型にな
る。
【0020】前記成形金型30において、上型31と下
型32を所定の位置精度で組み合わせるために下型32
に2個のガイドピン35が固定されており、これに嵌合
するガイド穴36が上型31に形成されている。これら
により、上型31と下型32を組み合わせたときに所定
の組み合わせ位置精度を得ることができる。37はノッ
クアウトピンであり、成形後のチップインダクタ部品を
金型より排出するためのものである。
【0021】図4(A),(B)は上型31と下型32
とが組み合わされたときの窪み31a,32aからなる
空間を示し、マスク樹脂を注入するためのランナー4
0、ゲート41及びキャビティ42と、封止樹脂を注入
するための樹脂移送器(タブレットを収納する部分)4
5、ゲート46及びキャビティ47とが形成されてい
る。図4(A)はそれらの平面図であり、同図(B)は
それらの中心線位置の断面をとった縦断面図である。
【0022】前記キャビティ42は上型31及び下型3
2の両者に対称的に形成されていて、仮想線の如くコイ
ル本体10が配置されたとき、コイル本体10の鍔1a
の内部電極形成面、つまり鍔端面を少なくとも覆ってお
り、当該キャビティ42内にコイル本体10の両端を規
制する位置決めピン48が突出するように下型32に設
けられて(形成されて)いる。位置決めピン48は断面
が台形であり、断面が台形の方が成形金型の加工費は高
価になるが、コイル本体10を規制し易く、摩耗し難い
利点がある。このキャビティ42はマスク樹脂を流し込
みマスクを樹脂成形するものであり、マスク樹脂は図4
の左側のランナー40に射出成形機から送り込まれ、ゲ
ート41を経てキャビティ42に注入されるようになっ
ている。
【0023】前記キャビティ47はコイル本体10が配
置されたときにその鍔1aにより前記キャビティ42か
ら実質的に分離されるものであり、コイル本体10が配
置されたときに樹脂封止部となるべき巻芯部1bの周囲
に空間が残る形状である。図4において、このキャビテ
ィ47の右側にゲート46が接続して開口し、ゲート4
6の右端は樹脂移送器45の大きめの凹穴の底に近い側
面に開口する。この凹穴に入れられた封止樹脂は加熱溶
融状態にされ、ゲート46からキャビティ47に加圧注
入されるようになっている。
【0024】前記キャビティ42とキャビティ47とは
コイル本体10を配置したときに完全に分離されること
が一番望ましいが、両キャビティは実際には僅かな隙間
で連通する。この僅かな隙間も無くしたいところである
が、実際問題として、上下金型のキャビティが高精度の
機械加工で製作されることに比べると、コイル本体10
は寸法精度は悪く形状がばらついて入るものである。キ
ャビティ42,47側でコイル本体10の寸法精度や形
状が許容できる範囲で余裕を設けることになり、そのた
めに大方のコイル本体10に対しては僅かな隙間が生じ
ることになる。この隙間に流し込まれる状態のマスク樹
脂が入り込み易いが、発明者らは工夫して、樹脂を選択
し、樹脂と金型の温度設定をすることにより殆ど隙間か
ら入り込まない状態を作り出した。この点については後
述する。
【0025】上記の成形金型30を用いたマスク樹脂成
形及び封止樹脂成形の工程を順に説明する。まず、成形
金型30を開いた状態で図5(A),(B)のようにコ
イル本体10をキャビティ47に配置する。このとき、
図5(B)のようにコイル本体10の鍔1aは45°傾
いた状態で搭載され、かつコイル本体10両端面は位置
決めピン48で移動しないように規制される。上型31
及び下型32を組み合わせて型締めし、1次成形機とし
ての射出成型機に成形金型30を挿入して射出成形を行
う。これにより、マスク樹脂は図4の左側のランナー4
0に射出成形機から送り込まれ、ゲート41を経てキャ
ビティ42に注入される。このとき、キャビティ42と
キャビティ47間は図5のようにコイル本体10を配置
することで実質的に分離されるが、前述したようにコイ
ル本体10の寸法ばらつき等に起因して僅かな隙間が残
っている。キャビティ47内にマスク樹脂が入り込むと
樹脂封止が不良となるため、入り込まない工夫が必要で
ある。
【0026】本発明者らは、マスク樹脂の種類を選択
し、樹脂と金型の温度設定をすることにより殆ど隙間か
ら入り込まない状態にすることができた。この点につい
て説明すると、マスク樹脂には熱可塑性樹脂を選択す
る。そして、熱可塑性樹脂は加熱すると融点を境に急激
に粘度が変化する結晶性樹脂(液晶ポリマー、PPS
等)と、融点の前後でも比較的に緩慢に粘度が変化する
非結晶性樹脂が知られる。従って、マスク樹脂は熱可塑
性樹脂の結晶性樹脂を選択する方が適している。結晶性
樹脂は融点を越える温度で極めて粘度が低くても、融点
を超えない温度まで冷えてくると極めて粘度が高くな
る。例えば、融点の温度が270℃の結晶性樹脂をマス
ク樹脂に選択することができる。コイル本体10が収容
されたキャビティの成形金型30を150℃に予熱して
おき、マスク樹脂は300℃程度に加熱してランナー4
0から加圧注入する。マスク樹脂はランナー40からゲ
ート41を通りキャビティ42に充満する。キャビティ
42内に存在した空気は上下金型の間等から排出され
る。この加圧注入の過程でマスク樹脂の温度は300℃
程度から150℃近くまで下がることになる。マスク樹
脂が持つ熱が成形金型30に伝わり拡散するからであ
る。マスク樹脂がキャビティ42に充満するころにはか
なり粘度が高くなり、マスク樹脂はキャビティ42とコ
イル本体10間の隙間に入り込まないし、コイル本体1
0を収容しているキャビティ47においては、封止樹脂
を流し込むキャビティの空間がコイル本体10の周りに
残されている。図1(D)はこの状態でありコイル本体
10の内部電極2を形成した端面側がマスク樹脂11で
覆われている。この状態でマスク樹脂11を硬化させて
取り出してしまったサンプルが図6(A)である(但
し、実際の製造においてはこの状態で金型を開けること
はない)。キャビティ42に充満し、硬化したマスク樹
脂11でコイル本体10の両端面が覆われており、しか
もコイル本体10の巻線3の周囲、つまり樹脂封止部と
すべき部分にはマスク樹脂が入り込んでいないことを示
す。
【0027】上記のように、1次成形機としての射出成
形機によるマスク樹脂の成形が終了し、キャビティ42
にマスク樹脂が充満し、成形金型30の予熱温度まで温
度が下がりほぼ流動しない粘度になったら、成形金型3
0を2次成形機に挿入し、封止樹脂の成形を行う。すな
わち、図4の前記樹脂移送器45の凹穴に、例えば、樹
脂封止の樹脂として熱硬化性樹脂にフェライト粉を分散
し、外径4mm、長さ5mmの円柱に成形したタブレット5
0を1個入れる。タブレットは成形金型30の予熱温度
150℃まで加熱されて流動するまでに軟化し、同時に
熱硬化を開始するが、凹穴に嵌合するピストン状の部材
を押し込む構成としてあり、ピストン状の部材で押すと
軟化した熱硬化性樹脂はゲート46からキャビティ47
に加圧注入される。この結果、図1(E)に示す樹脂封
止部12が巻線3を覆うように形成される。この樹脂封
止部12を成形する封止樹脂はキャビティ47とコイル
本体10の隙間に入り込みキャビティ42側に押し出さ
れそうになるが、しかし、図1(E)に示す如く既にコ
イル本体10の両端はマスク樹脂11が充満しており、
このマスク樹脂11が壁となり樹脂封止部12の押し出
しは所定の位置(内部電極2が樹脂封止部12で殆ど覆
われない位置)で阻止されることになる。この状態でマ
スク樹脂11と樹脂封止部12を硬化させて取り出した
姿が図6(B)である。図6(A),(B)のいずれも
ゲートの部分で切り離したものである。
【0028】マスク樹脂及び封止樹脂の成形により図1
(E)のようなコイル本体10の両端がマスク樹脂11
で覆われ、コイル本体10の巻線3の周囲が樹脂封止部
12で覆われた成形品が得られる。このとき、マスク樹
脂11がコイル本体10の両端に位置し、内部電極2や
継線部3aの所定の領域に樹脂封止部12の熱硬化性樹
脂が回り込むことを防ぎ、かつ熱硬化性樹脂の端部を端
正に形作っている。また、不特定の汚れから内部電極2
の露出部分をマスク樹脂11が保護しており、後工程で
外部電極を形成するときに内部電極2との界面に不特定
の汚れが無い状態を作り出すことができる。
【0029】その後、マスク樹脂11を取り外し、図1
(F)のよう内部電極2が露出した状態とする。
【0030】さらに、図1(G)のように、内部電極2
上に覆い被せて電気的に導通する外部電極4をメッキ等
で形成してチップインダクタ部品20の完成品とする。
【0031】この実施の形態によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0032】(1) コイル本体10の両端に形成した内
部電極2をマスク樹脂11でマスクしてから、コイル本
体10中間位置の巻線周囲を囲む部分(樹脂封止部12
とすべき部分)に封止樹脂を注入するので、コイル本体
10において樹脂封止部12の端部にバリが発生するこ
とのない樹脂封止ができる。このため、樹脂封止のため
の成形を良好かつ安定に行い高品質が得られ、バリを取
る等の後処理が不要になり、高品質でコストをセーブし
たチップインダクタ部品を作製できる。
【0033】(2) 内部電極2はマスク樹脂11で覆わ
れているため、不特定の汚れから内部電極2の露出部分
をマスク樹脂11が保護することになり、後工程で外部
電極4を形成するときに内部電極2との界面に不特定の
汚れが無い状態を作り出すことができる。
【0034】(3) 成形金型30はマスク樹脂11の成
形工程と樹脂封止部12の成形工程とに共用でき、製造
工程が複雑化することがなく、コストの面でも有利であ
る。
【0035】(4) マスク樹脂11として熱可塑性樹脂
の結晶性樹脂を用いることで、マスク樹脂成形用のキャ
ビティ42から封止樹脂成形用のキャビティ47にマス
ク樹脂が入り込むことを効果的に防止できる。
【0036】上記実施の形態では、コア1の鍔1aが方
形の場合を図示したが、円形等の場合にも本発明は適用
可能である。
【0037】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、コイル
本体の両端に形成した電極と当該コイル本体中間の樹脂
封止部とすべき部分とに各々独立したキャビティを配
し、始めに前記電極に配したキャビティにマスク樹脂を
注入して前記電極をマスクし、続いて前記樹脂封止部と
すべき部分に配したキャビティに封止樹脂を注入して樹
脂封止するので、コイル本体において樹脂封止で形成し
た樹脂封止部の端部にバリが発生することのない樹脂封
止ができ、樹脂封止のための成形を良好かつ安定に行い
高品質が得られ、バリを取る等の後処理が不要になり、
高品質でコストをセーブしたチップインダクタ部品を提
供できる製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップインダクタ部品の製造方法
の実施の形態を示す説明図である。
【図2】実施の形態において、ドラム状フェライトコア
に巻線を施したコイル本体(樹脂成形前)を示す斜視図
である。
【図3】実施の形態で用いる成形金型であって、(A)
は成形金型の正面図、(B)は上型の正面図及び底面
図、(C)は下型の平面図及び一部を断面とした正面図
である。
【図4】実施の形態で用いる成形金型の要部構造であっ
て、(A)は金型に形成された窪み部分を示す平面図、
(B)は縦断面図である。
【図5】前記成形金型のキャビティへのコイル本体の配
置を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図6】実施の形態の樹脂成形工程で得られる成形品で
あって、(A)はマスク樹脂を成形後の成形品の平面
図、(B)は封止樹脂で樹脂封止部を成形後の成形品の
平面図である。
【符号の説明】
1 ドラム状フェライトコア 1a 鍔 1b 巻芯部 2 内部電極 3 巻線ワイヤ 3a 継線部 4 外部電極 10 コイル本体 11 マスク樹脂 12 樹脂封止部 20 チップインダクタ部品 30 成形金型 31 上型 32 下型 35 ガイドピン 40 ランナー 41,46 ゲート 42,47 キャビティ 45 樹脂移送器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル本体の両端に形成した電極と当該
    コイル本体中間の樹脂封止部とすべき部分とに各々独立
    したキャビティを配し、始めに前記電極に配したキャビ
    ティにマスク樹脂を注入して前記電極をマスクし、続い
    て前記樹脂封止部とすべき部分に配したキャビティに封
    止樹脂を注入して樹脂封止することを特徴とするチップ
    インダクタ部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 コイル本体を上下金型で挟んだ状態で、
    該コイル本体の端面に形成した電極に対応してマスク樹
    脂の注入される第1のキャビティと、前記コイル本体の
    樹脂封止部とすべき部分に対応して封止樹脂の注入され
    る第2のキャビティとをそれぞれ形成しておき、始めに
    前記第1のキャビティにマスク樹脂を注入し、所定の温
    度まで下げてから、前記第2のキャビティに封止樹脂を
    注入して樹脂封止部として硬化させることを特徴とする
    チップインダクタ部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1のキャビティにはコイル本体の
    両端を規制する位置決めピンが設けられている請求項2
    記載のチップインダクタ部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マスク樹脂が熱可塑性樹脂で、前記
    封止樹脂が熱硬化性樹脂である請求項2又は3記載のチ
    ップインダクタ部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である請
    求項4記載のチップインダクタ部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記上下金型を開放して取り出した前記
    コイル本体から前記マスク樹脂を取り外し、前記コイル
    本体端面の前記電極を露出させる請求項2,3,4又は
    5記載のチップインダクタ部品の製造方法。
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