JP2003031041A - フラット回路体 - Google Patents

フラット回路体

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JP2003031041A
JP2003031041A JP2001213656A JP2001213656A JP2003031041A JP 2003031041 A JP2003031041 A JP 2003031041A JP 2001213656 A JP2001213656 A JP 2001213656A JP 2001213656 A JP2001213656 A JP 2001213656A JP 2003031041 A JP2003031041 A JP 2003031041A
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insulator
conductor
circuit body
flat circuit
slit
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JP2001213656A
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Masashi Tsukamoto
真史 塚本
Kiyoshi Nakajima
清 中嶋
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールド性能を向上することができると共
に、取付部品点数の削減を行えるフラット回路体を提供
する。 【解決手段】 絶縁体の面に沿ってウェーブ状に蛇行す
る曲線状に形成される第1、第2導体2、4を有すると
共に、フレキシブルフラット絶縁体である第1、第2絶
縁体3、5の第1、第2挿入片7、12を第2、第1ス
リット13、9に挿入して積層する。このとき、第1、
第2導体2、4が、絶縁体の面方向と直交する方向から
みて、互いが交差する2点間に第1、第2導体2、4で
囲まれる第1領域を形成するように配置される。また、
第1挿入片7(第1導体2の一部)及び第2挿入片12
(第2導体4の一部)が第2絶縁体5及び第1絶縁体3
の積層面とは反対側面上に位置され、絶縁体の幅方向か
らみて、互いが交差する2点間に第1、第2導体2、4
で囲まれる第2領域が形成されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内の配線や
電子機器等の配線に用いられるフラット回路体に関し、
特にシールド性能を向上することができるフラット回路
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラット回路体は、自動車内の配線や電
子機器等に使用されており、シールド層を使用せずに電
磁シールド性を備えたものがあり、例えば、特開平5-12
0928号公報に開示されたものが知られている。このフラ
ット回路体は、図11及び図12に示すように、一方の
面に第1フラット導体30を設けた第1絶縁フィルム3
1と一方の面に第2フラット導体32を設けた第2絶縁
フィルム33とを接着剤等により固着するもので、第
1、2フラット導体30、32が、サインウェーブ状に
蛇行する曲線状に形成されていると共に、フラット回路
体34の面方向と直交する方向からみてほぼ同一の軸線
に関して対称に配置されている。これにより、フラット
回路体34の面方向と交差する方向(厚さ方向)の磁束
Wが生じた場合には、ノイズの発生を抑制している。す
なわち、フラット回路体34の厚さ方向に磁束Wが生じ
た場合、同一の第1フラット導体30及び第2フラット
導体32に、それぞれ隣接した領域毎に逆方向の誘導電
圧V1、V2が発生することになるため、各フラット導
体30、32においては各領域の誘導電圧V1、V2が
互いに相殺することになり、全体としては大きな誘導電
圧すなわちノイズが発生することがない。また、第1フ
ラット導体30と第2フラット導体32とに逆方向に電
流が流れた場合、隣接する領域毎に逆方向の磁束が発生
するため、隣接して発生した磁束が互いを打ち消し合
い、ノイズの誘発が抑制される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
フラット回路体は、その面方向と直交する方向からみて
同一の軸線に関して第1、第2フラット導体が対称に蛇
行するように配置されているため、フラット回路体の厚
さ方向の磁束が生じた場合には、ノイズの発生が抑制で
きるが、第1、第2フラット導体は第1絶縁フィルムの
一方の面と他方の面にそれぞれ設けられほぼ平行に配置
されているため、フラット回路体の面方向とほぼ平行に
磁束が生じた場合にはシールド性がなく、ノイズの発生
を抑制することができない。このため、第1、第2フラ
ット導体を極限まで近づける(絶縁フィルムの厚さをで
きる限り薄くする)ことにより、ノイズの発生を最小限
に抑制することも可能であるが、この場合、静電容量が
異常に大きくなり所望の電気特性が確保できない。
【0004】また、上述のフラット回路は、第1フラッ
ト導体を有する第1絶縁フィルムと第2フラット導体を
有する第2絶縁フィルムとを接着剤等の固着部材により
固着するため、絶縁フィルの他に別の材料が必要にな
り、部品点数が多い。
【0005】そこで、本発明は、このような実状に鑑み
なされたものであり、その目的は、シールド性能を向上
することができると共に、取付部品点数の削減を行える
フラット回路体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のフラット回路体は、第1導体を有する第1
絶縁体と第2導体を有する第2絶縁体とを導体同士が接
触しないように積層してなり、前記第1、第2導体が、
絶縁体の面に沿って山部と谷部とからなるウェーブ状に
蛇行する曲線状に形成されると共に、絶縁体の面方向と
直交する方向からみて、互いが交差する2点間に第1、
第2導体で囲まれる第1領域を形成するように配置され
ているフラット回路体において、前記第1絶縁体及び前
記第2絶縁体を折り曲げ可能なフレキシブルフラット絶
縁体でそれぞれ形成し、該第1絶縁体に、第1導体の各
山部又は各谷部をそれぞれ囲繞する第1挿入片を形成す
ると共に、前記第2絶縁体に、前記第1挿入片で囲繞し
た山部又は谷部と前記第1領域を形成する第2導体の各
谷部又は各山部をそれぞれ囲繞する第2挿入片を形成
し、かつ、前記第1絶縁体及び第2絶縁体に、前記第2
挿入片及び第1挿入片が挿入されて第2導体及び第1導
体の一部が第1絶縁体及び第2絶縁体の積層面とは反対
側面上に位置させる第1スリット及び第2スリットをそ
れぞれ設けたものである(請求項1)。
【0007】このように構成すれば、絶縁体の面方向と
直交する方向からみて、互いが交差する2点間に第1、
第2導体で囲まれる領域が形成されるので、フラット回
路体の厚さ方向の磁束が生じた場合には、ノイズの発生
が抑制される。また、フラット回路体の幅方向からみ
て、互いが交差する2点間に第1、第2導体で囲まれる
領域が形成されるため、その幅方向に磁束が生じた場合
でも、第1、第2導体にそれぞれ隣接した領域毎に逆方
向の誘導電圧が発生するので、各導体においては各領域
の誘導電圧が互いに相殺され、ノイズの発生が抑制され
る。
【0008】また、第1、第2導体に逆方向に電流が流
れた場合、フラット回路体の厚さ方向及び幅方向に隣接
する領域毎に磁束が発生しても、これら磁束は方向毎に
順次反対方向であるので、磁束が互いを打ち消し合い、
ノイズの発生が抑制される。
【0009】したがって、本発明のフラット回路体は、
その厚さ方向及びその幅方向の磁場による誘導起電力が
打ち消されるので、ノイズの発生を抑制することがで
き、シールド性能が向上する。また、本発明のフラット
回路体は、第1挿入片及び第2挿入片をそれぞれ第2ス
リット及び第1スリットに挿入することで形成されるの
で、接着剤等の固着部材が必要なく、取付部品点数の削
減を行える。
【0010】前記第1導体及び前記第2導体が、絶縁体
の面方向と直交する方向からみて、それぞれの軸となる
基準線がほぼ同一の直線上に配置され、かつ、その直線
を軸に対象に形成されていることが好ましい(請求項
2)。
【0011】このように構成すれば、フラット回路体の
厚さ方向に磁束が生じた場合、同一の第1導体及び第2
導体に、それぞれ隣接した領域毎に反対方向に発生した
誘導電圧が互いに確実に打ち消し合うので、ノイズの発
生をより抑制することができる。
【0012】前記第1導体及び前記第2導体が、絶縁体
の面方向と直交する方向からみて、第1、第2導体で囲
まれる第1領域がほぼ同じ面積に形成されていることが
好ましい(請求項3)。
【0013】このように構成すれば、第1、第2導体に
逆方向に電流が流れた場合、隣接する領域毎に順次反対
方向に発生した磁束が互いを確実に打ち消し合うので、
ノイズの発生をより一層抑制することができる。
【0014】前記第1、第2絶縁体が、どちらか一方の
絶縁体の両面に第1導体と第2導体とが位置されると共
に、絶縁体の幅方向からみて2層になるように積層さ
れ、第1、第2導体が、絶縁体の幅方向からみて絶縁体
の両面上に位置されているそれぞれの長さがほぼ同じ
で、かつ、第1、第2導体で囲まれる第1領域がほぼ同
じ面積になるように形成されていることが好ましい(請
求項4)。このように構成すれば、絶縁体の幅方向から
みて、第1、第2導体のそれぞれの軸となる基準線がほ
ぼ同一の直線上に配置されると共に、その直線を軸に対
象に形成され、かつ、第1、第2導体で囲まれる各領域
がほぼ同じ面積であるので、ノイズの発生をより一層確
実に抑制することができる。
【0015】前記挿入片の根元部に係止溝が設けられ、
該係止溝内に、前記スリットと係合する突出係止片が突
設されていることが好ましい(請求項5)。このように
構成すれば、挿入片をスリットに挿入したとき、フラッ
ト回路体の形状が変形することなくほぼ同じ形状に保持
され、安定したフラット回路体が得られる。
【0016】前記挿入片の側部に、前記スリットと係合
する係止片がスリットの長手方向とほぼ直交する方向に
沿って折り曲げられて形成されていることが好ましい
(請求項6)。このように構成すれば、挿入片をスリッ
トに挿入したとき、スリットからの挿入片の離脱が防止
され、安定したフラット回路体が得られる。
【0017】前記挿入片に、前記スリットと係合する係
止片がスリットの長手方向とほぼ直交する方向に沿って
切り起こして形成されていることが好ましい(請求項
7)。このように構成すれば、挿入片をスリットに挿入
したとき、スリットからの挿入片の離脱が防止され、安
定したフラット回路体が得られる。
【0018】前記第1絶縁体及び前記第2絶縁体が、1
枚のフレキシブルフラット絶縁体を折り返して積層して
なることが好ましい(請求項8)。このように構成すれ
ば、さらに部品点数を削減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。図1乃至図4は、本発明のフ
ラット回路体の一例を示す図である。図1乃至図4にお
いて、1はフラット回路体を示し、このフラット回路体
1は、第1導体2を有する第1絶縁体3と、第2導体4
を有する第2絶縁体5とを積層してなる。
【0020】第1絶縁体3としては、折り曲げ可能なフ
レキシブル絶縁材料等により例えば帯状にほぼ同一の形
状のフラット絶縁フィルム(フレキシブルフラット絶縁
体)が用いられる。第1絶縁体3には、多数の切込み6
が設けられている。切込み6は、第1絶縁体3の一方の
側部に、側部から第1絶縁体3の長手方向とほぼ直交す
る方向に沿って設けられている。切込み6は、第1間隔
Aと第1間隔Aより間隔が短い第2間隔Bとを交互に隔
てて複数設けられ、第1間隔Aを隔てた2つの切込み
6、6によってほぼコ字状の第1挿入片7が形成されて
いる。切込み6の先端(第1挿入片7の根元部)は、第
1絶縁体3の中央部より一方の側部側に位置されてい
る。第1挿入片7の先端部の両端部には、第1挿入片7
の挿入が容易に行えるようにテーパ部8が設けられてい
る。
【0021】また、第1絶縁体3には、第1挿入片7の
根元部から第1絶縁体1の中央部までの長さとほぼ同じ
長さその中央部から他方の側部に離間した位置にその長
手方向に沿って延在する直線上に所定の間隔を隔てて複
数の第1スリット9が設けられている。第1スリット9
は、例えば前記第1間隔Aとほぼ同じ長さであって、第
1絶縁体3の中央部にその長手方向に延在する中央線を
軸に前記第1挿入片7と相対する位置に形成されてい
る。すなわち、第1スリット9と第1挿入片7とは、第
1絶縁体3の幅方向に並列している。
【0022】第2絶縁体5としては、折り曲げ可能なフ
レキシブル絶縁材料等により例えば帯状にほぼ同一の形
状のフラット絶縁フィルム等が用いられる。第2絶縁体
5には、多数の切込み10が設けられて前述同様にテー
パ部11を有するほぼコ字状の第2挿入片12が形成さ
れている。これら切込み10は、前記第1絶縁体3に設
けた切込み6と長さや間隔がほぼ同じに形成され、異な
るところは、前記第1絶縁体3の切込み6が一方の側部
に形成されているのに対して、第2絶縁体5の切込み1
0が、第2絶縁体5の他方の側部に設けられている点で
ある。また、第2絶縁体5には、前記第1スリット9と
ほぼ同じ関係にある第2スリット13が設けられてい
る。すなわち、第1絶縁体3と第2絶縁体5とは、向き
を変えればほぼ同一形状に形成されている。
【0023】これら第1、第2絶縁体3、5を、例え
ば、第1絶縁体3を上層、第2絶縁体5を下層とする場
合、第2絶縁体5の第2挿入片12を第1絶縁体3の下
面から第1スリット9に挿入し、第2挿入片12を第1
絶縁体3の上面上の他方の側部側に位置させると共に、
第1絶縁体3の第1挿入片7を第2絶縁体5の上面から
第2スリット13に挿入し、第1挿入片7を第2絶縁体
5の下面の下の一方の側部側に位置させる。これによ
り、第1、第2絶縁体3、5が積層されることになる。
【0024】第1絶縁体3の一方の面(例えば上面)に
は、その面に沿って山部と谷部とからなるウェーブ状に
蛇行する曲線状のフラット導体である第1導体2が設け
られている。第1導体2は、第1絶縁体3の中央部にそ
の長手方向に延在する中央線(軸線)aを基準線とし、
例えば、第1絶縁体3の一方の側部を基準とすると谷部
が台形状に形成されると共に山部が三角形状に形成さ
れ、台形部(谷部)のピッチC及び三角部(山部)のピ
ッチDが前記第1間隔A及び第2間隔Bとほぼ同じ間隔
に形成されている。また、第1導体2の台形部(谷部)
の直線部(頂部)を含む一部が第1挿入片7内に配置さ
れていると共に三角部(山部)が第1スリットの間に配
置され、絶縁体積層時、第1導体の台形部の一部(直線
状の頂部を含む一部)が第2絶縁体5の下面の下に位置
されるようになっている。第1導体2は、第1挿入片7
を第2スリット13に挿入して第1、第2絶縁体2、4
を積層したとき、絶縁体の幅方向からみて、第1絶縁体
3の一方の面(例えば上面)に位置される部分の長さ
(絶縁体の長手方向の長さ)と、第2絶縁体5の下面に
位置される部分の長さ(絶縁体の長手方向の長さ)とが
ほぼ同じ長さになるように形成することが好ましい。
【0025】第2絶縁体5の一方の面(例えば上面)に
は、その面に沿って山部と谷部とからなるウェーブ状に
蛇行する曲線状のフラット導体である第2導体4が設け
られている。第2導体4は、絶縁体積層時、第2絶縁体
5の面方向と直交する方向からみて第1導体2の軸線a
とほぼ同じ軸線を基準線とし、かつ、基準線を軸に第1
導体2と対称に形成され、かつ、絶縁体の幅方向からみ
て、第2絶縁体5の一方の面(例えば下面)に位置され
る部分の長さ(絶縁体の長手方向の長さ)と、第1絶縁
体3の上面に位置される部分の長さ(絶縁体の長手方向
の長さ)とがほぼ同じ長さになるように形成されてい
る。すなわち、第2導体4を有する第2絶縁体5は、第
1導体2を有する第1絶縁体3と同じものであり、積層
する際に挿入片の向きを換えたものである。
【0026】また、第1導体2及び第2導体4は、絶縁
体積層時、図3に示すように、絶縁体の面方向と直交す
る方向からみて互いが交差する2点間に第1、第2導体
2、4で囲まれる領域E、Fがすべてほぼ同一になるよ
うに、例えば台形部の最大振幅Jを三角形部分の最大振
幅Kより短く形成することが好ましい。
【0027】第1挿入片7及び第2挿入片12には、図
5乃至図10に示すように、それぞれ離脱防止手段14
が設けられている。離脱防止手段14は、第1挿入片7
及び第2挿入片12を第2スリット13及び第1スリッ
ト9に挿入したときスリットからの挿入片の離脱を防止
するもので、離脱を防止できるならばどのように形成し
てもよい。例えば、図5に示すように、第1挿入片7及
び第2挿入片12の根元部に係止溝15を形成し、この
係止溝15を形成する壁に、絶縁体の中央部側に突出す
る突出片16を設け、この突出片16を第1、第2スリ
ット9、13に係合するようにしてもよい。
【0028】また、図6及び図7に示すように、第1挿
入片7及び前記第2挿入片12の根元部の端部をそれぞ
れ挿入片の幅方向の外方側に傾斜させて直角三角形状の
係止片17を形成し、この係止片17をスリットに差し
込んだ後、スリットの長手方向と直交する方向に沿って
折り曲げて、スリットに係合させるようにしてもよい。
【0029】また、図8及び図9に示すように、第1挿
入片7及び前記第2挿入片12の根元部に、スリットの
長手方向に沿って直線状の切込みを入れ、この切込みを
入れた先端からその切込みの出発点よりスリットの長手
方向と直交する方向に離間した位置まで直線状に切込み
を入れて、その切込みの出発点と終了点とを結ぶ直線に
沿って切り起こしてなる直角三角形状の係止片18であ
ってもよい。
【0030】次に本発明の作用を説明する。本発明のフ
ラット回路体1は、第1導体2を有する第1絶縁体3
と、第2導体4を有する第2絶縁体5とを積層してな
る。具体的には、第1、第2絶縁体3、5を、例えば、
第1絶縁体3を上層、第2絶縁体5を下層とする場合、
第1絶縁体3の第1挿入片7をそれぞれ下方に折り曲げ
て第2絶縁体5の上面から第2スリット13に挿入する
と共に、第2絶縁体5の第2挿入片12をそれぞれ上方
に折り曲げて第1絶縁体3の下面から第1スリット9に
挿入して、第1絶縁体3の下面と第2絶縁体5の上面と
を当接させる。そして、第2スリット13を介して第2
絶縁体5の積層面(当接面)とは反対面(下面)に突出
した挿入片7、及び第1スリット9を介して第1絶縁体
3の積層面(当接面)とは反対面(上面)に突出した挿
入片12を、それぞれ側部側に折り曲げて第2絶縁体5
の下面に当接させ押しつけると共に第1絶縁体3の上面
に当接させ押しつける。このとき、絶縁体の幅方向から
みて、第1絶縁体3と第2絶縁体5とが2層に積層させ
るように挿入片7及び挿入片12を当接するようにす
る。すなわち、第1絶縁体3の第1スリット9より側部
側、及び第2絶縁体5の第2スリット13より側部側
が、それぞれ変位して図1に示すように2層構造となる
ように挿入片7及び挿入片12を押しつける。なお、第
1絶縁体3の下面に第1導体2が、第2絶縁体5の下面
に第2導体4がそれぞれ配置されるように第1絶縁体3
と第2絶縁体5を積層するようにしてもよい。
【0031】このフラット回路体1は、第2挿入片12
上の第2導体4の一部が第1絶縁体3の上面上に位置さ
れると共に、第1挿入片7上の第1導体2の一部が第2
絶縁体5の下面上に位置されるので、第1導体2と第2
導体4とはその位置が交互に入れ替っている。つまり、
第1、第2導体2、4とにより、フラット回路体1の幅
方向からみて、互いが交差する2点間に第1、第2導体
2、4で囲まれる第2領域G、Hが形成されている。ま
た、第1導体2と第2導体4とは、フラット回路体1の
厚さ方向(面方向と直交する方向)においてもその位置
が交互に入れ替っており、互いが交差する2点間に第
1、第2導体2、4で囲まれる第1領域E、Fが形成さ
れている。
【0032】これにより、フラット回路体1の厚さ方向
に磁束が生じた場合でも、第1、第2導体2、4に、そ
れぞれ隣接した領域ごとに逆方向の誘導電圧が発生する
ため、各導体においては各領域の誘導電圧が互いに相殺
することになり、全体としては誘導電圧が発生すること
がない。また、フラット回路体1は、その幅方向に磁束
が生じた場合でも、第1、第2導体2、4に、それぞれ
隣接した領域ごとに逆方向の誘導電圧が発生するため、
各導体においては各領域の誘導電圧が互いに相殺するこ
とになり、全体としては誘導電圧が発生することがな
い。
【0033】また、第1導体2と第2導体4に逆方向に
電流が流れた場合に、隣接する領域ごとに逆方向の磁束
が発生するため、これらの隣接して発生した磁束が互い
を打ち消し合い、結果として外部に磁界を形成するよう
なことがない。
【0034】したがって、本発明のフラット回路体1
は、その厚さ方向及びその幅方向の磁場による誘導起電
力が打ち消されるので、ノイズの発生を抑制することが
でき、シールド性能が向上する。また、第1絶縁体3と
第2絶縁体5とを、第1、第2挿入片7、12を第2,
第1スリット13、9に挿入するだけで積層することが
できるので、接着剤等の固着材料が不要にでき、部品点
数の削減を行える。また、第1、第2挿入片7、12を
それぞれ第2、第1スリット13、9に挿入することに
より、第1絶縁体3と第2絶縁体5とが積層されて、第
1、第2導体2、4の位置決めも行われるので、導体を
位置決めするための装置がなくても、簡単に導体(絶縁
体)の位置決めを行える。
【0035】また、第1導体2を有する第1絶縁体3
と、第2導体4を有する第2絶縁体5とをほぼ同一のも
のを用いてフラット回路体1を形成することにより、一
つの導体を有する絶縁体を製造すればよいので、設備比
の低減化及び設備の小型化を図れる。
【0036】また、第1導体2及び第2導体4が、絶縁
体の面方向と直交する方向からみて、それぞれの軸とな
る基準線がほぼ同一の直線上に配置され、かつ、その直
線を軸に対象に形成されていることにより、各第1領域
E、Fを形成する第1導体2及び第2導体4の形状がほ
ぼ同じであるので、フラット回路体1の厚さ方向に磁束
が生じた場合、同一の第1導体2及び第2導体4に、そ
れぞれ隣接した領域E、F毎に反対方向に発生した誘導
電圧が互いに確実に打ち消し合い、ノイズの発生をより
抑制することができる。
【0037】また、第1導体2及び第2導体4が、絶縁
体の面方向と直交する方向からみて、第1、第2導体
2、4で囲まれる第1領域E、Fがほぼ同じ面積に形成
されていることにより、第1、第2導体2、4に逆方向
に電流が流れた場合、隣接する領域E、F毎に順次反対
方向に発生した磁束が互いを確実に打ち消し合うので、
ノイズの発生をより一層抑制することができる。
【0038】また、前記第1、第2絶縁体3、5が、ど
ちらか一方の絶縁体の両面に第1導体2と第2導体4と
が位置されると共に、絶縁体の幅方向からみて、2層に
なるように積層され、かつ、第1、第2導体2、4が、
絶縁体の幅方向からみて、絶縁体の両面上に位置されて
いるそれぞれの長さがほぼ同じ長さになるように形成さ
れていることにより、絶縁体の幅方向からみて、第1、
第2導体2、4のそれぞれの軸となる基準線がほぼ同一
の直線上に配置されると共に、その直線を軸に対象に形
成され、かつ、第1、第2導体2、4で囲まれる各領域
G、Hがほぼ同じ面積であるので、ノイズの発生をより
一層確実に抑制することができる。
【0039】また、第1挿入片7及び第2挿入片12に
それぞれ離脱防止手段14を設けることにより、第1ス
リット9及び第2スリット13に挿入したときスリット
から離脱することがなく、安定したフラット回路体1が
得られる。また、離脱防止手段14が、図5に示す突出
片16、図6及び図7に示す係止片17、図8及び図9
に示す係止片18により構成することで、簡単な構造で
第1、第2挿入片7、12の離脱を防止することができ
る。
【0040】図10は、本発明のフラット回路体の他の
例を示す図である。図10において、20はフラット回
路体を示し、このフラット回路体20と前記フラット回
路体1との異なるところは、第1絶縁体3と第2絶縁体
5とを1枚の絶縁体21で形成した点である。前記フラ
ット回路体1と同一部分には同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0041】絶縁体21は前記とほぼ同様に折り曲げ可
能なフレキシブル絶縁材料等により例えば帯状であって
その幅が前記第1絶縁体3の幅より例えば約2倍を超え
る長さに形成されている。絶縁体21の一方の面の一方
の端部近傍には、その長手方向に沿って延在する第1導
体2が設けられていると共に、前記とほぼ同じ関係位置
に第1挿入片7及び第1スリット9が設けられている。
また、絶縁体21の他方の面の他方の端部近傍には、そ
の長手方向に沿って延在する第2導体4が設けられてい
ると共に、前記とほぼ同じ関係位置に第2挿入片12及
び第2スリット13が設けられている。
【0042】このように構成しても、ノイズの発生を抑
制することができる。すなわち、絶縁体21の一方の側
部と他方の側部とが重なり合うように、例えば、一方の
面が上面に他方の面が下面になるように絶縁体21を折
り曲げる。このとき、第2挿入片12を下方から第1ス
リット9に挿入し、第2挿入片12を絶縁体21の上面
上に位置させると共に、第1挿入片7を上方から第2ス
リット13に挿入し、第1挿入片7を絶縁体21の下面
の下に位置させる。これにより、第1導体2と第2導体
4とは、絶縁体21の幅方向において、その位置が交互
に入れ替わると共に、絶縁体の厚さ方向においてもその
位置が交互に入れ替わったフラット回路体20が形成さ
れる。
【0043】よって、このフラット回路体20は、その
厚さ方向に磁束が生じた場合でも、同一の第1導体2及
び第2導体4に、それぞれ隣接した領域ごとに逆方向の
誘導電圧が発生するため、各導体においては各領域の誘
導電圧が互いに相殺することになり、全体としては誘導
電圧が発生することがない。また、フラット回路体20
は、その幅方向に磁束が生じた場合でも、同一の第1導
体2及び第2導体4に、それぞれ隣接した領域ごとに逆
方向の誘導電圧が発生するため、各導体においては各領
域の誘導電圧が互いに相殺することになり、全体として
は誘導電圧が発生することがない。
【0044】また、第1導体2と第2導体4に逆方向に
電流が流れた場合に、隣接する領域ごとに逆方向の磁束
が発生するため、これらの隣接して発生した磁束が互い
を打ち消し合い、結果として外部に磁界を形成するよう
なことがない。
【0045】したがって、本発明のフラット回路体20
は、その厚さ方向及びその幅方向に磁束が生じてもフラ
ット回路体全体としては誘導電圧すなわちノイズが発生
することがなく、ノイズの発生を抑制することができ
る。
【0046】また、1枚の絶縁体21を折り曲げ積層し
てフラット回路体20を形成するので、部品点数を少な
くすることができる。また、挿入片をスリットに挿入し
てフラット回路体20を形成するので、接着剤等の固着
材料が不要にでき、さらに部品点数を少なくできる。ま
た、挿入片をスリットに挿入するだけで、フラット回路
体20が形成されるので、簡単に導体(絶縁体)の位置
決めを行える。
【0047】また、第1導体2及び第2導体4が、絶縁
体の面方向と直交する方向からみて、それぞれの軸とな
る基準線がほぼ同一の直線上に配置され、かつ、その直
線を軸に対象に形成されていることにより、各第1領域
E、Fを形成する第1導体2及び第2導体4の形状がそ
れぞれほぼ同じであるので、フラット回路体20の厚さ
方向に磁束が生じた場合、同一の第1導体2及び第2導
体4に、それぞれ隣接した領域E、F毎に反対方向に発
生した誘導電圧が互いに確実に打ち消し合い、ノイズの
発生をより抑制することができる。
【0048】また、第1導体2及び第2導体4が、絶縁
体の面方向と直交する方向からみて、第1、第2導体
2、4で囲まれる第1領域E、Fがほぼ同じ面積に形成
されていることにより、第1、第2導体2、4に逆方向
に電流が流れた場合、隣接する領域E、F毎に順次反対
方向に発生した磁束が互いを確実に打ち消し合うので、
ノイズの発生をより一層抑制することができる。
【0049】また、絶縁体21が、絶縁体の幅方向から
みて2層になるように積層され、つまり、第1スリット
9から突出した第2挿入片12、及び第2スリット13
から突出した第1挿入片7がそれぞれ絶縁体21に押し
つけられ絶縁体21が凹んで2層構造となり、かつ、第
1、第2導体2、4が、絶縁体の幅方向からみて、絶縁
体21の両面上に位置されているそれぞれの長さがほぼ
同じ長さになるように形成されていることにより、絶縁
体の幅方向からみて、第1、第2導体2、4のそれぞれ
の軸となる基準線がほぼ同一の直線上に配置されると共
に、その直線を軸に対象に形成され、かつ、第1、第2
導体2、4で囲まれる各領域G、Hがほぼ同じ面積であ
るので、ノイズの発生をより一層確実に抑制することが
できる。
【0050】また、第1挿入片7及び第2挿入片12に
それぞれ離脱防止手段14を設けることにより、スリッ
トからの離脱を防止することができる。
【0051】
【発明の効果】以上要するに請求項1に記載の発明によ
れば、シールド性能が向上すると共に部品点数の削減を
行えるフラット回路体が得られる。
【0052】請求項2に記載の発明によれば、ノイズの
発生をより抑制することができるフラット回路体が得ら
れる。
【0053】請求項3に記載の発明によれば、ノイズの
発生をより一層抑制することができるフラット回路体が
得られる。
【0054】請求項4に記載の発明によれば、ノイズの
発生をより一層確実に抑制することができるフラット回
路体が得られる。
【0055】請求項5、6及び7に記載の発明によれ
ば、スリットからの挿入片の離脱が防止され、安定した
フラット回路体が得られる。
【0056】請求項8に記載の発明によれば、さらに部
品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラット回路体の一例を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明のフラット回路体の第1絶縁体と第2絶
縁体との関係を示す上面図である。
【図3】本発明のフラット回路体の厚さ方向における第
1導体と第2導体との関係を示す図である。
【図4】本発明のフラット回路体の幅さ方向における第
1導体と第2導体との関係を示す図である。
【図5】本発明の離脱防止手段の第1の例を示す上面図
である。
【図6】本発明の離脱防止手段の第2の例を示す上面図
である。
【図7】本発明の離脱防止手段の第2の例を示す斜視図
である。
【図8】本発明の離脱防止手段の第3の例を示す上面図
である。
【図9】本発明の離脱防止手段の第3の例を示す斜視図
である。
【図10】本発明のフラット回路体の他の例を示す斜視
図である。
【図11】従来のフラット回路体の一例を示す斜視図で
ある。
【図12】従来のフラット回路体の第1絶縁体と第2絶
縁体との関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フラット回路体 2 第1導体 3 第1絶縁体 4 第2導体 5 第2絶縁体 7 第1挿入片 9 第1スリット 12 第2挿入片 13 第2スリット 16 突出片 17 係止片 18 係止片 21 絶縁体 20 フラット回路体 a 軸線 C、D 間隔 E、F 第1領域 G、H 第2領域 J、K 振幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G311 CB01 CC01 CC07 CE02 5G319 EA01 EB02 EB09 5G363 AA09 BA05 DA13 DC02 DC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導体を有する第1絶縁体と第2導体
    を有する第2絶縁体とを積層してなり、前記第1、第2
    導体が、絶縁体の面に沿って山部と谷部とからなるウェ
    ーブ状に蛇行する曲線状に形成されると共に、絶縁体の
    面方向と直交する方向からみて第1、第2導体で囲まれ
    る第1領域が形成されるように配置されているフラット
    回路体において、 前記第1絶縁体及び前記第2絶縁体を折り曲げ可能なフ
    レキシブルフラット絶縁体でそれぞれ形成し、該第1絶
    縁体に、第1導体の各山部又は各谷部をそれぞれ囲繞す
    る第1挿入片を形成すると共に、前記第2絶縁体に、前
    記第1挿入片で囲繞した山部又は谷部とで前記第1領域
    を形成する第2導体の各谷部又は各山部をそれぞれ囲繞
    する第2挿入片を形成し、かつ、前記第1絶縁体及び前
    記第2絶縁体に、前記第2挿入片及び前記第1挿入片が
    挿入されて第2導体及び第1導体の一部が第1絶縁体及
    び第2絶縁体の積層面とは反対側面上に位置させる第1
    スリット及び第2スリットをそれぞれ設けたことを特徴
    とするフラット回路体。
  2. 【請求項2】 前記第1導体及び前記第2導体が、絶縁
    体の面方向と直交する方向からみて、それぞれの軸とな
    る基準線がほぼ同一の直線上に配置され、かつ、その直
    線を軸に対象に形成されている請求項1に記載のフラッ
    ト回路体。
  3. 【請求項3】 前記第1導体及び前記第2導体が、絶縁
    体の面方向と直交する方向からみて、第1、第2導体で
    囲まれる第1領域がほぼ同じ面積に形成されている請求
    項2に記載のフラット回路体。
  4. 【請求項4】 前記第1、第2絶縁体が、どちらか一方
    の絶縁体の両面に第1導体と第2導体とが位置されると
    共に、絶縁体の幅方向からみて2層になるように積層さ
    れ、第1、第2導体が、絶縁体の幅方向からみて絶縁体
    の両面上に位置されているそれぞれの長さがほぼ同じ
    で、かつ、第1、第2導体で囲まれる第1領域がほぼ同
    じ面積になるように形成されている請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載のフラット回路体。
  5. 【請求項5】 前記挿入片の根元部に係止溝が設けら
    れ、該係止溝内に、前記スリットと係合する突出係止片
    が突設されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    のフラット回路体。
  6. 【請求項6】 前記挿入片の側部に、前記スリットと係
    合する係止片がスリットの長手方向とほぼ直交する方向
    に沿って折り曲げられて形成されている請求項1乃至4
    のいずれか1項に記載のフラット回路体。
  7. 【請求項7】 前記挿入片に、前記スリットと係合する
    係止片がスリットの長手方向とほぼ直交する方向に沿っ
    て切り起こして形成されている請求項1乃至4のいずれ
    か1項に記載のフラット回路体。
  8. 【請求項8】 前記第1絶縁体及び前記第2絶縁体が、
    1枚のフレキシブルフラット絶縁体を折り返して積層し
    てなる請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフラット
    回路体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7083083B2 (en) * 2004-04-27 2006-08-01 Nagraid S.A. Portable information carrier with transponders
JP2017107656A (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 住友電装株式会社 プロテクタ

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US7083083B2 (en) * 2004-04-27 2006-08-01 Nagraid S.A. Portable information carrier with transponders
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