JP2003029556A - 定着用ベルトの製造方法 - Google Patents
定着用ベルトの製造方法Info
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Abstract
脂製のベルト基材を備えた定着ベルトの製造方法を提供
することである。 【構成】円筒状の芯金30の外周に、第1の耐熱樹脂フ
ィルム22aを、互いに対向する側縁が互いに接触する
ように隙間なく巻き付ける第1の工程と、この第1の工
程で巻きつけられた第1の耐熱樹脂フィルム22aの外
周面に全面に渡り弾性接着剤22cを塗布する第2の工
程と、この第2の工程で塗布された弾性接着剤22cの
外周に、第2の耐熱樹脂フィルム22bを、互いに対向
する側縁が互いに接触するように隙間なく、これの互い
に対向する側縁が、第1の耐熱樹脂フィルム22aの互
いに隣接する側縁と重なり合わないように、これからオ
フセットした状態で巻き付ける第3の工程と、弾性接着
剤22cを固化させる第4の工程とを具備することを特
徴としている。
Description
タ、ファクシミリ等において、シート上の未定着トナー
を溶融圧着し、該シートに定着させるために使用される
定着装置に用いられる定着ベルトの製造方法に関する。
前より、定着ローラと加圧ローラとを互いに圧接させ
て、両ローラの間にニップ部を形成すると共に、発熱源
を定着ローラから取り出し、定着ローラから離間して配
設された加熱ローラにこの発熱源を内蔵させ、加熱ロー
ラと定着ローラとの間をエンドレスベルトで連結して、
発熱源からの熱を、エンドレスベルトを走行させてニッ
プ部に供給するように構成し、このニップ部を未定着ト
ナーが担持された未定着シートを挿通させることによ
り、未定着トナーを加圧・溶融して、シート上に定着さ
せる所謂ベルト式定着装置が開発され、実用に供されて
いる。
上述したように、加熱ローラからの熱をエンドレスベル
トを介してニップ部に伝達しなければならないため、こ
のエンドレスベルトには、例えば、特開平6−3180
01号に開示されるような範囲の熱容量が要求されてい
る。また、このエンドレスベルトは比較的高速でエンド
レス走行されるため、所要の屈曲疲労耐久性も要求され
ている。このような熱容量と屈曲疲労耐久性との観点を
同時に満足するためのベルト基材としては、現在、ニッ
ケル電鋳製やポリイミド樹脂製のものが知られている。
製とポリイミド樹脂製を比較すると、熱容量とコストと
の観点においてはニッケル電鋳製が好適するものの、屈
曲疲労耐久性の観点においてはポリイミド樹脂製が好適
している。しかし、ポリイミド樹脂製のベルト基体は、
エンドレス走行を達成するために円筒形状に一体的に加
工しなければならず、高コストの主たる原因となってい
る。このために、ポリイミド樹脂製のベルト基体を有す
る定着ベルトにおいては、コストの低廉化が強く要望さ
れ、具体的な解決が期待されている。
01-142325号公報に示されるように、ベルト基
材を、外側シート材、接着層、内側シート材を順次積層
して形成し、外側シート材及び接着層の一端部よりも内
側シート材の一端部を実質的に短くして第1の相欠きを
形成すると共に、外側シート材および接着層の他端部よ
りも内側シート材の他端部を実質的に長くして第2の相
欠きを形成し、これら第1第2の相欠きを接着層を介し
て相欠き継ぎして接着し、基材を相欠き継ぎにより円筒
体に形成するようにする技術が開示されている。
製造方法を実施しようとすると、他端部における内側シ
ート材の突出部分上に、一端における外側シート材の突
出部分に塗布された接着層を重ねあわして接着させる作
業が必須となるものであり、この接着作業において、間
に空気溜まりを発生させず、また、皺を寄らせない状態
を達成するためには、かなりの熟練が要求されるもので
あり、実際への利用に困難性が指摘されている。
もので、この発明の主たる目的は、低廉に且つ容易に製
造することの出来る耐熱樹脂製のベルト基材を備えた定
着ベルトの製造方法を提供することである。
の定着ベルトを安価に且つ容易に製造することの出来る
製造方法を提供することである。
樹脂製の定着ベルトを安価に且つ容易に製造することの
出来る製造方法を提供することである。
め、この発明に係わる定着ベルトの製造方法は、請求項
1の記載によれば、円筒状の芯金の外周に、第1の耐熱
樹脂フィルムを、互いに対向する側縁が互いに接合する
ように隙間なく巻き付ける第1の工程と、この第1の工
程で巻きつけられた耐熱樹脂フィルムの外周面に全面に
渡り弾性接着剤を塗布する第2の工程と、この第2の工
程で塗布された弾性接着剤の外周に、第2の耐熱樹脂フ
ィルムを、互いに対向する側縁が互いに接合するように
隙間なく、これの互いに接合する側縁が、前記第1の耐
熱樹脂フィルムの互いに接合する側縁と、重なり合わな
いようにこれからオフセットした状態で巻き付ける第3
の工程と、前記弾性接着剤を固化させる第4の工程とを
具備することを特徴としている。
方法は、請求項2の記載によれば、円筒状の芯金の外周
に、第1の耐熱樹脂フィルムを、互いに対向する側縁が
互いに接合するように隙間なく巻き付ける第1の工程
と、第2の耐熱樹脂フィルムの下面に弾性接着剤を塗布
する第2の工程と、前記第1の工程で巻きつけられた耐
熱樹脂フィルムの外周面に、前記第2の耐熱樹脂フィル
ムを、互いに対向する側縁が互いに接合するように隙間
なく、これの互いに接合する側縁が、前記第1の耐熱樹
脂フィルムの互いに接合する側縁と、重なり合わないよ
うに、これからオフセットした状態で巻き付ける第3の
工程と、前記弾性接着剤を固化させる第4の工程とを具
備することを特徴としている。
方法は、請求項3の記載によれば、前記第2の耐熱樹脂
フィルムの外周に、弾性層を形成する第5の工程を更に
具備することを特徴としている。
方法は、請求項4の記載によれば、前記第5の工程にお
いて、シリコーンゴムを塗布することにより前記弾性層
を形成する事を特徴としている。
方法は、請求項5の記載によれば、前記弾性層の外周
に、離型層を形成する第6の工程を更に具備することを
特徴としている。
方法は、請求項6の記載によれば、前記第6の工程にお
いて、フッ素樹脂製フィルムを被覆することにより、前
記弾性層を形成させることを特徴としている。
方法は、請求項7の記載によれば、前記耐熱樹脂フィル
ムは、熱硬化性樹脂から形成されていることを特徴とし
ている。
方法は、請求項8の記載によれば、前記熱硬化性樹脂
は、ポリイミドである事を特徴としている。
方法は、請求項9の記載によれば、前記ポリイミドは、
芳香族ポリイミドであることを特徴としている。
方法は、請求項10の記載によれば、前記弾性接着剤
が、シリコーンゴム材料から形成されていることを特徴
としている。
ベルトの製造方法の一実施例の手順を、添付図面を参照
して以下に詳細に説明する。
示すように、この一実施例の定着装置10は、ハウジン
グ構造として、図示しない電子式画像形成装置、例え
ば、電子プリンタのフレームに固定されるハウジング
(図示せず)を備えてている。この定着装置10は、ロ
ーラ構成として、図示しない側板に固定軸線回りに回転
自在に軸支された定着ローラ12と、定着ローラ12に
転接する状態で、且つ、定着ローラ12の固定軸線と平
行に設定された固定軸線回りに回転自在に支持された加
圧ローラ14と、定着ローラ12から離間する状態で回
動自在に支持された加熱ローラ16とを備えて構成され
ている。
6の内部に配設された、例えばハロゲンランプ等の加熱
源18と、定着ローラ12と加熱ローラ16とに渡りエ
ンドレスに巻回された、この発明の位置実施例に係わる
定着ベルト(熱伝達ベルト)20とを更に備えている。
2は弾性ローラとして構成され、一方、加圧ローラ14
は弾性ローラより硬いローラ上硬度を有するローラから
構成されている。一方、加圧ローラ14は図示しないス
プリングを介して定着ローラ12に圧接する方向に付勢
されている。この結果、定着ローラ12と加圧ローラ1
4との互いの転接部(ニップ部)においては、両者は互
いに所定の圧接力で転接し、これにより、定着ローラ1
2が転接部で凹んだ状態にもたらされることになる。即
ち、ニップ幅が十分に確保されるように設定されてい
る。
おいては、図示しない搬送機構を介して搬送されてきた
未定着シートSは、未定着トナーが付着していない面を
加圧ローラ14側を向くように設定された状態で、定着
ベルト20が巻かれた定着ローラ12と加圧ローラ14
との転接部(ニップ部)に向けて案内され、両者12,
14の間を圧接された状態で挿通されることにより、未
定着トナーが熱圧着されてシート上に定着されることに
なる。
に説明する。 {定着ローラ24の説明}
アリングを介して回転自在に軸支される芯金部と、この
芯金部の外周に同軸に配設され、定着ベルト20が巻回
されるローラ本体とを備えて構成されている。この定着
ローラ12のローラ外径は、この一実施例では38mm
に設定されている。ここで、この一実施例において、芯
金部は、直径25mmの鉄製シャフトから形成され、ロ
ーラ本体は、芯金部の外周に厚さ6.5mmで取り付け
られたシリコーンゴム耐熱弾性体(具体的には、ローラ
上にてJISA硬度で18度)から形成されている。
に、加圧ローラ14は、回転自在に軸支される芯金部
と、この芯金部の外周に同軸に配設されたローラ本体と
を備えて構成され、ローラ外径を35mmに設定されて
いる。ここで、この一実施例において、芯金部は、外径
29mmの鉄製パイプから形成され、ローラ本体は、芯
金部の外周に厚さ3mmで取り付けられたシリコーンゴ
ム耐熱弾性体(具体的には、上述した定着ローラ12の
シリコーンゴム耐熱弾性体よりも硬めのローラ上にてJ
IS A硬度で40度のもの)から形成されている。
18を内蔵する加熱ローラ16は、この一実施例におい
ては、直径30mmのアルミニウムパイプ製芯金の外周
面に、厚さ20μmのPTFEの被覆層をコーティング
したものから構成されている。この加熱ローラ16の両
端は、ベアリングを介して回転自在に軸支されており、
各ベアリングの内側には、図示していないが、耐熱樹脂
のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製のカラー
が挿入されており、これにより、定着ベルト20のエン
ドレス走行時における蛇行や片寄りを防止している。
としての加熱源18が内蔵されているが、この一実施例
においては、この加熱源18は、最大出力が800Wの
ハロゲンランプから構成されている。
をなす定着ベルト20は、未定着シートS上の未定着ト
ナーを定着温度まで過剰な熱量を与えることなく定着で
きるように、その定着ベルト20の1平方cm当たりの
熱容量が、0.002cal/℃乃至0.025cal
/℃の範囲内のものが好ましいものである。
に示すように、定着ベルト20は、2層の耐熱樹脂フィ
ルムを互いに接着剤を介して張り合わせた構成のベルト
基体22と、このベルト基体22の外周面に厚さ200
μmでコーティングされた導電性シリコーンゴム製の弾
性層24と、この弾性層24の外周面(表層)に厚さ5
0μmで被覆されたPFAの耐熱離型層26とを備え
て、内径が60mmとなるように構成されている。
せベルトとしてのベルト基体22を備えた定着ベルト2
0の構成及び成形(製造)方法につき、詳細に説明す
る。
に、第1の耐熱樹脂フィルムとしての短冊状の第1のポ
リイミド樹脂フィルム22aをスパイラル状に巻き込む
共に、巻き込み状態でこの第1のポリイミド樹脂フィル
ム22aの互いに隣接する側縁が互いに僅かなギャップ
を介して近接するように設定された円筒状の第1層22
Aと、第2の耐熱樹脂フィルムとしての短冊状の第2の
ポリイミド樹脂フィルム22bをスパイラル状に巻き込
むと共に、巻き込み状態でこの第2のポリイミド樹脂フ
ィルム22bの互いに隣接する側縁が僅かなギャップを
介して互いに近接するように設定された円筒状の第2層
22Bとを備えたベルト基体22を備え、図2に再び示
すように、第2層22Bは、第1層Aの外周面上に弾性
接着剤22cを介して接着されている。
おける互いに近接する側縁と、第2層22Bにおける互
いに近接する側縁とが、円筒形状の軸方向に関してオフ
セットした状態に設定されている。
以上のように構成される定着ベルト20の製造方法を、
以下に説明する。
いては、図5に示すように、円筒状の外径60mm(φ
60mm)の中子30を用意し、第1層22Aを規定す
る幅50mm、厚さ50μmの短冊状の第1のポリイミ
ド樹脂フィルム22aをスプール32に巻き取らせてお
き、先ず、この中子30の外周に、第1のポリイミド樹
脂フィルム22aの先端を、例えば両面接着テープ等を
用いて貼り付け、この第1のポリイミド樹脂フィルム2
2aの互いの側縁が互いに接触するように緊密に、且
つ、その巻き角度が約75度となるように設定する。
周に、第1のポリイミド樹脂フィルム22aを隙間無く
スパイラル状に巻きつける。
で、この第1のポリイミド樹脂フィルム22aの外周面
に接着剤を塗布して接着剤層22cを形成する。
m、厚さ25μmの短冊状の第2のポリイミド樹脂フィ
ルム22bを別のスプール34に巻き取り、図7に示す
ように、これの先端を接着剤層22cを介して、第1の
ポリイミド樹脂フィルム22aの外周面に接着し、この
第2のポリイミド樹脂フィルム22bの互いの側縁が互
いに接触するように緊密に、且つ、その巻き角度が約7
5度となるように設定する。
を巻きつける際に、これの互いに接触する端縁が、第1
のポリイミド樹脂フィルム22aの互いに接触する端縁
に対して、円筒状の芯金30の軸方向に関してオフセッ
トした状態となるように設定する。
ミド樹脂フィルム22aの外周に、第2のポリイミド樹
脂フィルム22bを隙間無くスパイラル状に巻きつけ
る。
のポリイミド樹脂フィルム22aと第2のポリイミド樹
脂フィルム22bとを接着して、ベルト基体22を構成
させる。
後、第2層22Bの外周面に導電性のシリコーンゴムを
所定の厚さでコーティングし、加硫させることにより、
導電性を有する弾性層24を形成する。
PFA樹脂を50μmに被覆して、耐熱離型層26を構
成し、中子30を抜き出して、定着ベルト20を独立し
た状態で取り出す。このようにして定着ベルト20を形
成する。
する過程において、接着剤の接着性を発揮させるための
加熱工程や、加硫工程において、ポリイミド樹脂フィル
ムも加熱されることになり、この結果、ある程度の収縮
が発生することになる。この結果、ポリイミド樹脂フィ
ルムを互いの側縁が互いに接触する状態でスパイラル状
に巻きつけたとしても、上述した加熱工程を経ることに
より、巻きつけられたポリイミド樹脂フィルムの互いに
接触していた側縁は、収縮により、間に僅かな隙間が発
生することになるが、この隙間は後述するように、画質
に何らの悪影響を与えるものでなく、問題がないもので
ある。
ァクターにつき、詳細に説明する。先ず、再び図3に示
すように、第1のポリイミド樹脂フィルム22a及び第
2のポリイミド樹脂フィルム22bの夫々のスパイラル
状に巻き込む際の巻き角度は、フィルムの幅と円筒形状
の径とにより決まるものであり、以下の表1に示す関係
となっている。
mm〜80mmにある範囲において、37度〜87度の
範囲が適正巻き角度であることが判明した。ちなみに、
本実施例における数値は、これら巻き角度の適正範囲に
入っているものである。
と、巻き回数が増え、加工性・性能上の観点で好ましく
ない。また、フィルム幅が100mmを超えると、外径
寸法の小さいサイズのものが作り難くなり、また、フィ
ルムのロスも大きくなる。一方、製品サイズとしては、
定着ベルト20の外径が20mm以下ではフィルムが巻
きにくいとの問題があり、また、外径寸法100mm以
上では、定着装置が全体的に大きくならざるを得ず、好
ましくないことが判明した。
接着剤としては、この実施例においては、シリコーンゴ
ム系接着剤が用いられており、特に、2液付加LTV
(商品名:SE1700、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製)が用いられている。尚、このシリコーンゴ
ム系接着剤は、絶縁性を呈するものであるが、これに導
電性の2液付加LTV(商品名:DY35−3027、
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を混合して、
抵抗値を10exp10Ω・cm以下に調整して導電性
を呈するようにして用いることができるである。
ム系に限定されることなく、エポキシ樹脂係接着剤(商
品名:アレムコボンド568、米国アレムコ・プロダク
ツ社製)やフッ素樹脂系接着剤(商品名:EN−540
CL、三井デュポンフロロケミカル社製)をも用いるこ
とが出来るものである。
は、以下の表2に示す通りとなった。尚、接着強度の測
定には、10mm幅にテストピースをカットして、スト
ログラフV10−C(東洋精機製作所社製)を用いて、
180度剥離テストを行った。
て、接着強度の観点からは、問題なく用い得ることが判
明した。ここで、この実施例においては、上述したよう
に2液付加LTVタイプのシリコーンゴム系接着剤が用
いられている。
のシリコーンゴム系接着剤を用いる場合における接着剤
層22cの層厚を5μm〜40μmの範囲で変化させた
場合の最適値を、接着強度の観点から検証した。この結
果、以下の表3の示す通りとなった。尚、この表3に示
す接着強度は、上述の表2で示した接着強度の測定と同
一の測定条件で行った。
ては、接着強度の観点からは、10μm〜40μmの範
囲が最適することが判明した。
着ベルト20を組み込んだ際の耐久性を、接着剤の材質
を異ならして評価した。尚、この耐久性試験において、
ニップ部の温度を150℃となるように温度調整し、ニ
ップ幅を4.0mmとなるように、加圧ローラ14の付
勢力を調整し、定着ベルト20の走行速度を80mm/
秒で連続空回転して、接着剤層22cに割れが出るまで
の耐久時間を測定した。この結果を、次の表4に示す。
剤としての材質としては、シリコーンゴム製のものが良
いことが判明した。従って、上述した表2に示す接着強
度の観点と総合すると、接着剤の材質としては、付加L
TVタイプのシリコーンゴム系接着剤が最適することが
判明した。また、付加型LTVであれば1液付加LT
V、2液付加LTVのどちらをも用いることができるも
のである。
は、上述したように、形成することにより発生する所
の、互いに隣接するポリイミド樹脂フィルムの近接する
側縁間の隙間を意味しており、「フィルム段差」とは、
この隙間に発生する凹みの深さを意味しており、即ち、
第2層22Bのフィルム厚を意味しているものである。
着装置を、実機としてのカラー複写機(具体的には、商
品面:カラーページプロPS、ミノルタ社製)に装着し
て、画像評価を行った。この画像評価においては、貼り
合わせ幅を変えた場合の画像評価と、第1層22Aと第
2層22Bとのフィルム厚を変えた場合の画像評価と、
弾性層24の厚さを変えた場合の画像評価との、3種類
の画像評価を行った。また、各画像評価においては、黒
べた(4色)10枚を取り、画像上に欠陥があるかを判
定した画質評価と、初期定着画像(電源を入れてから1
分後)を取り、これの定着率を測定した結果としての定
着性評価と、通常の画像を取った後、白紙を通紙してオ
フセット現象がないかを判定した帯電オフセット評価と
の3種類を各々実施した。貼り合わせ幅を変えた場合の
結果を表5に、フィルム厚を変えた場合の結果を表6
に、弾性層24の厚さを変えた場合の結果を表7に、夫
々示す。
準としては、「○」は画像上に欠陥がない場合を示し、
「×」は画像上に欠陥がある場合を示している。また、
定着性評価の基準としては、「○」は定着率85%以上
を示し、「×」は定着率80%以下を示している。ま
た、帯電オフセット評価においては、「○」はオフセッ
ト現象無しを示し、「×」はオフセット現象がないこと
を示している。
5mm以下であれば、画像評価に何ら悪影響を与えない
ことが判明した。また、表6から、第2層22Bの厚さ
が第1層22Aの厚さよりも厚くなった場合に、画質評
価に問題が出るが、少なくとも同等以下であれば問題が
ないことが判明した。更に、表7から、弾性層24の層
厚は、50乃至1000μmの範囲が最適することが判
明した。
は、定着ベルト20を従来のように円筒形状に一体的に
形成することと比較して、短冊状のポリイミドフィルム
をスパイラル状に巻きつけると共に2層構造として貼り
合わせて製造しているため、その製造コストは従来と比
して飛躍的に低廉化させることが出来ることになる。
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であることはいうまでもない。
24を導電性を有するように説明したが、この発明は、
このような構成に限定されることなく、耐熱樹脂フィル
ムとしてのポリイミド樹脂、接着剤層22c、耐熱離型
層26の何れか1つが導電性材料であれば、定着ベルト
20を全体的に帯電しないレベルまで下げることができ
るものである。
0の外周に巻き付けられた第1のポリイミド樹脂フィル
ム22aの外周面に接着剤を塗布して接着剤層22cを
形成するように説明したが、この発明は、このような手
順に限定されることなく、第2のポリイミド樹脂フィル
ム22bの内周面に予め接着剤を塗布して接着剤層22
cを形成し、中子30の外周に巻きつけられた第1の耐
熱樹脂フィルム22aの外周面に、接着剤層22cを下
面に形成された第2の耐熱樹脂フィルム22bを、互い
に対向する側縁が互いに接合するように隙間なく、これ
の互いに接合する側縁が、第1の耐熱樹脂フィルム22
aの互いに接合する側縁と、重なり合わないように、こ
れからオフセットした状態で巻き付けるように手順を構
成しても、同様な効果を奏する事ができるものである。
のポリイミド樹脂フィルムを中子30の外周面において
スパイラル状に巻きつけるように説明したが、この発明
は、このような構成に限定されることなく、短冊状のポ
リイミド樹脂フィルムを中子30の円周方向に沿って巻
きつけて、互いに対向する側縁同士を接合するように構
成してもよいことは言うまでもない。
ば、高価な円筒状のポリイミド樹脂製ベルト基材を用い
なくとも、短冊状のポリイミド樹脂フィルムを貼り合わ
せることにより、低廉に製造することの出来る耐熱樹脂
製のベルト基材を備えた定着ベルトの製造方法が提供さ
れることになる。
着ベルトを安価に製造することの出来る製造方法が提供
されることになる。
製の定着ベルトを安価に且つ容易に製造することの出来
る製造方法が提供されることになる。
着ベルトの一実施例のものが組み込まれる定着装置の構
成を概略的に示す正面図である。
の接合側縁が、軸方向に沿ってオフセットしている状態
を示す断面図である。
するもので、第1のポリイミド樹脂フィルムの先端を中
子に貼り付けた状態を示す図である。
をスパイラル状に緊密に巻き付けた状態を示す図であ
る。
樹脂フィルムの外周に、第2のポリイミド樹脂フィルム
の先端を貼り付けた状態で示す図である。
のポリイミド樹脂フィルムをスパイラル状に緊密に巻き
つけた状態を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】円筒状の芯金の外周に、第1の耐熱樹脂フ
ィルムを、互いに対向する側縁が互いに接合するように
隙間なく巻き付ける第1の工程と、 この第1の工程で巻きつけられた第1の耐熱樹脂フィル
ムの外周面に全面に渡り弾性接着剤を塗布する第2の工
程と、 この第2の工程で塗布された弾性接着剤の外周に、第2
の耐熱樹脂フィルムを、互いに対向する側縁が互いに接
合するように隙間なく、これの互いに接合する側縁が、
前記第1の耐熱樹脂フィルムの互いに接合する側縁と、
重なり合わないようにこれからオフセットした状態で巻
き付ける第3の工程と、 前記弾性接着剤を固化させる第4の工程と、を具備する
ことを特徴とする定着ベルトの製造方法。 - 【請求項2】円筒状の芯金の外周に、第1の耐熱樹脂フ
ィルムを、互いに対向する側縁が互いに接合するように
隙間なく巻き付ける第1の工程と、 第2の耐熱樹脂フィルムの下面に弾性接着剤を塗布する
第2の工程と、 前記第1の工程で巻きつけられた第1の耐熱樹脂フィル
ムの外周面に、前記第2の耐熱樹脂フィルムを、互いに
対向する側縁が互いに接合するように隙間なく、これの
互いに接合する側縁が、前記第1の耐熱樹脂フィルムの
互いに接合する側縁と、重なり合わないように、これか
らオフセットした状態で巻き付ける第3の工程と、 前記弾性接着剤を固化させる第4の工程と、を具備する
ことを特徴とする定着ベルトの製造方法。 - 【請求項3】前記第2の耐熱樹脂フィルムの外周に、弾
性層を形成する第5の工程を更に具備することを特徴と
する請求項1又は2に記載の定着ベルトの製造方法。 - 【請求項4】前記第5の工程において、シリコーンゴム
を塗布することにより前記弾性層を形成する事を特徴と
する請求項3に記載の定着ベルトの製造方法。 - 【請求項5】前記弾性層の外周に、離型層を形成する第
6の工程を更に具備することを特徴とする請求項3又は
4に記載の定着ベルトの製造方法。 - 【請求項6】前記第6の工程において、フッ素樹脂製フ
ィルムを被覆することにより、前記弾性層を形成させる
ことを特徴とする請求項5に記載の定着ベルトの製造方
法。 - 【請求項7】前記耐熱樹脂フィルムは、熱硬化性樹脂か
ら形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記
載の定着ベルトの製造方法。 - 【請求項8】前記熱硬化性樹脂は、ポリイミドである事
を特徴とする請求項7に記載の定着ベルトの製造方法。 - 【請求項9】前記ポリイミドは、芳香族ポリイミドであ
ることを特徴とする請求項8に記載の定着ベルトの製造
方法。 - 【請求項10】前記弾性接着剤が、シリコーンゴム材料
から形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
記載の定着ベルトの製造方法。
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JP2012076295A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 耐湿熱性ガスバリアフィルム積層体、及び包装袋 |
JP2012076293A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 耐湿熱性ガスバリアフィルム積層体、及び包装袋 |
JP2014218084A (ja) * | 2014-05-21 | 2014-11-20 | 大日本印刷株式会社 | 耐湿熱性ガスバリアフィルム積層体、及び包装袋 |
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- 2001-07-11 JP JP2001211224A patent/JP4297315B2/ja not_active Expired - Fee Related
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