JP2003029162A - 顕微鏡用対物レンズおよび顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡用対物レンズおよび顕微鏡

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JP2003029162A
JP2003029162A JP2001210314A JP2001210314A JP2003029162A JP 2003029162 A JP2003029162 A JP 2003029162A JP 2001210314 A JP2001210314 A JP 2001210314A JP 2001210314 A JP2001210314 A JP 2001210314A JP 2003029162 A JP2003029162 A JP 2003029162A
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objective lens
microscope
optical axis
axis direction
stage
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Kunio Toshimitsu
邦夫 利光
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、顕微鏡用対物レンズおよび顕微鏡
に関し、熱膨張に起因する対物レンズの光軸方向の焦点
ずれを容易,確実に低減することを目的とする。 【解決手段】 対物レンズの先端部に設けられ、標本側
の光軸方向の基準面に当接し、前記基準面の光軸方向の
移動と共に、前記基準面と当接した状態で移動し、前記
対物レンズの先端と観察試料の間の光軸方向の間隔を観
察中に一定に保つように前記対物レンズの位置決めを行
う位置決め部材を設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡用対物レン
ズおよび顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来の顕微鏡は、周囲温度の変
化や、内部の発熱により、各部が膨張または収縮し、対
物レンズと標本との間隔が変化することが避けられない
構造を有している。従来の顕微鏡では、顕微鏡が内蔵す
る電気系の電源を入れると、電気部品が発熱し、その電
気部品からの熱が顕微鏡の全体に伝わり、飽和状態にな
るまで、顕微鏡各部の温度が変化してゆく。
【0003】一般に、飽和状態に達するまで、短くて3
時間程度かかり、このように顕微鏡各部の温度が変化し
ている間は、例えば、電気系に近い内部の部品の温度が
上昇し、それに伴い膨張する。一方、顕微鏡基台の外側
は、熱の伝わりが遅れ、膨張も遅れ、従って、内部と外
部との膨張が異なり、上述した公報の顕微鏡では、ピン
ト位置が変化してしまう。
【0004】また、周囲温度が変化した時も同様に、顕
微鏡各部の温度分布が変化し、ピント位置の変化が生じ
る。従来、このような問題を解決するために、例えば、
特開平9−120030号公報に開示されるように、フ
ォーカス調整するラックとステージの間に、熱膨張係数
の異なる材料のロッドを組み合わせ、対物レンズの光軸
方向の熱膨張を補償し、全体の温度変化が焦点外れとな
らない構造が提案されている。
【0005】そして、この公報に開示される顕微鏡で
は、顕微鏡各部、全体の温度が一定の状態下で、安定し
た焦点位置を維持することができる。また、一般に、顕
微鏡用対物レンズは、種類により全長が異なり、対物レ
ンズの取り付け面からピント位置までの間隔の温度によ
る変化は、対物レンズの種類によって異なってくる。
【0006】例えば、標本に焦点が合った時のレンズ先
端と標本の間隔は、4倍の対物レンズで17mm、10
0倍の対物レンズで0.2mmである。なお、焦点が合
った時の対物レンズの取り付け面と標本との距離は、ど
の対物レンズにおいても一定に設計されており、上述し
た公報の顕微鏡では、60mmである。
【0007】また、対物レンズ内のレンズ構成が倍率に
より異なり、構成する各レンズの熱膨張、間隔調整部材
の熱による変化が異なり、ひいては、熱に対する特性が
異なっている。
【0008】さらに、対物レンズには、観察時にレンズ
先端と標本の間に専用の油を満たす油浸系と、空気のま
まの乾燥系があり、油浸系の場合には、油の温度により
屈折率が変化する。そして、油浸系の場合には、一般
に、温度上昇により、屈折率が大きくなり、見かけ上、
標本と対物レンズの距離が近くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報の顕微鏡
では、顕微鏡全体の熱膨張補正用のロッドが、上下動機
構に比べ、長いものとなっており、このような長い部材
を顕微鏡本体内に内蔵させるには、顕微鏡の内部に従来
にない大きなスペースを確保しなければならない。これ
は、顕微鏡の使用状況から顕微鏡自体の小型化が求めら
れていることに反するだけでなく、長い部材は、熱的に
も温度が平衡状態になるまで時間がかかる欠点を有して
いる。
【0010】更に、前記した様に、対物レンズの種類に
より温度特性が異なるが、上述した公報の顕微鏡では、
熱膨張の補償は一定のままで、様々な対物レンズの特性
に対応していないという問題があった。又、上述した公
報の顕微鏡では、油浸系対物レンズを用いたときの問題
も解決できなかった。
【0011】本発明は、かかる従来の問題を解決するた
めになされたもので、熱膨張に起因する対物レンズの光
軸方向の焦点ずれを容易,確実に低減することができる
顕微鏡用対物レンズおよび顕微鏡を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の顕微鏡用対物
レンズは、対物レンズの先端部に設けられ、標本側の光
軸方向の基準面に当接し、前記基準面の光軸方向の移動
と共に、前記基準面と当接した状態で移動し、前記対物
レンズの先端と観察試料の間の光軸方向の間隔を観察中
に一定に保つように前記対物レンズの位置決めを行う位
置決め部材を設けてなることを特徴とする。
【0013】請求項2の顕微鏡用対物レンズは、請求項
1記載の顕微鏡用対物レンズにおいて、前記対物レンズ
は、筺体内にレンズ保持部材を光軸方向に移動可能に設
け、前記レンズ保持部材を前記対物レンズの先端部側に
付勢手段により付勢してなることを特徴とする。請求項
3の顕微鏡は、請求項1記載の顕微鏡用対物レンズを有
することを特徴とする。
【0014】請求項4の顕微鏡は、請求項3記載の顕微
鏡において、前記基準面は、前記標本を支持するステー
ジ、または、標本用のチャンバーに形成されていること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態について説明する。
【0016】(第1の実施形態)図1は、本発明の顕微
鏡用対物レンズの第1の実施形態を示しており、図2は
図1の顕微鏡用対物レンズが配置された倒立型の顕微鏡
を示している。図2の顕微鏡では、顕微鏡基台11に、
ステージ13が、ステージ支持部15を介して設けられ
ている。
【0017】対物レンズ17は、回転により対物レンズ
17の切り換えを行うレボルバ19に取り付けられ、レ
ボルバ19は、上下駆動機構21に支持されている。上
下駆動機構21は、上下動ハンドル23により上下動操
作される。レボルバ19の下方には、対物レンズ17を
通して標本25に照明を行う落射照明装置27が配置さ
れ、また、その下方の顕微鏡内部に結像レンズ(不図
示)が配置されている。
【0018】結像レンズによる像は、図示しない光学系
を介して接眼レンズ31により肉眼観察される。また、
図示しないテレビカメラにより観察することができる。
透過照明用光源33の光は、コンデンサレンズ35によ
り、ステージ13上に配置される標本25を標本の上方
から照明する。また、落射照明用光源37は、落射照明
装置27を通して標本25を標本の下方から照明する。
【0019】なお、この顕微鏡において、顕微鏡の周囲
あるいは内部の温度変化により膨張または収縮する部材
として、レボルバ19、上下動機構21を構成する図示
しないラックとピニオン、顕微鏡基台11、ステージ支
持部15、ステージ13が挙げられる。図1は、図2の
顕微鏡のレボルバ19に装着される顕微鏡用対物レンズ
を示すもので、対物レンズ17の円筒状の筺体39の後
端部には、レボルバ19の雌螺子部に螺合される雄螺子
部39aが形成されている。
【0020】筺体39内には、円筒状のレンズ保持部材
41が配置され、レンズ保持部材41内には、複数のレ
ンズ43が、それぞれ保持枠45を介して支持されてい
る。レンズ保持部材41は、筺体39内に、光軸方向に
移動可能に配置されている。レンズ保持部材41は、筺
体39の後部に配置される付勢手段であるコイルスプリ
ング47により、対物レンズ17の先端部側に付勢され
ている。
【0021】そして、筺体39の先端部に螺合されるナ
ット部材49により、先方への抜け落ちを防止されてい
る。レンズ保持部材41の先端には、雄螺子部41aが
形成され、この雄螺子部41aに、円環状の位置決め部
材51の雌螺子部51aが螺合されている。位置決め部
材51の外周には、先方に向けて突出する突出部51b
が円環状に形成され、突出部51bの先端に当接面51
cが形成されている。
【0022】一方、ステージ13の下面には、下方(対
物レンズ方向)に向けて突出する突出部13aが円環状
に形成され、突出部13aの下端に基準面13bが形成
されている。そして、位置決め部材51の当接面51c
が、基準面13bに当接されている。ステージ13の上
面には、標本25が載置されている。
【0023】この標本25は、シャーレ53の底部の穴
部53aを覆ってカバーグラス55を接着し、カバーグ
ラス55上に観察対象となる細胞57を培養してなる。
シャーレ53の内部には、細胞培養のための生理食塩水
が満たされている。また、ステージ13上には、標本2
5の周囲温度を維持するための図示しない温度コントロ
ール装置が設けられている。
【0024】以下、上述した顕微鏡の使用方法を説明す
る。先ず、標本25を低倍率の対物レンズ17、一般に
4倍程度の倍率で観察し、焦点合わせ、および、目標と
する観察部を探す。レボルバ19に装着される対物レン
ズ17は、対物レンズ17同士の焦点位置が一定になっ
ているため、切り換えるだけで略焦点が合っている。
【0025】この実施形態の顕微鏡用対物レンズを使用
する場合には、対物レンズ17を切り換える前に、対物
レンズ17を下方(ステージから離れる方向)に移動
し、一度対物レンズ17と標本25との間隔を広げる。
これは、位置決め部材51とステージとの接触を避ける
為である。そして、主観察で使用する対物レンズ17に
切り換えた後、対物レンズ17を上方に移動し、レンズ
保持部材41の先端部に配置される位置決め部材51の
当接面51cを、ステージ13の下面に形成される基準
面13bに当接させた状態で観察が行われる。
【0026】上述した顕微鏡用対物レンズを使用した顕
微鏡では、対物レンズ17の先端部に、標本25側の光
軸方向のステージ13の基準面13bに当接し、対物レ
ンズ17の光軸方向の位置決めを行う位置決め部材51
を設けたので、熱膨張に起因する対物レンズ17の光軸
方向の焦点ずれを容易,確実に低減することができる。
【0027】すなわち、上述した顕微鏡において、周囲
温度または内部発熱により対物レンズ17および標本2
5周囲の部材の膨張あるいは収縮が起きた場合を考え
る。一般に、ステージ13に使用される材料は、アルミ
ニウムであり、本実施形態での位置決め部材51もアル
ミニウムで形成する。アルミニウムの線膨張係数は、2
2×10-6程度である。
【0028】一方、図1において、ピントずれに関係す
るステージ13の厚さは、ステージ13の上面と基準面
13bとの間の厚さTであり、約6mmである。ここ
で、温度変動が5℃あるとして計算すると、ステージ1
3の厚さTの変動は、22×10-6×6×5=0.66
μmになる。従って、この量が、対物レンズ17の焦点
深度以下であれば、観察に支障がないことになる。
【0029】乾燥系対物レンズ17のおよその焦点深度
は、4倍で24μm、10倍で6μm、20倍で2μ
m、40倍で1μm、60倍で0.8μmである。従っ
て、乾燥系対物レンズ17の場合には、ステージ13お
よび位置決め部材51をアルミニウムにより形成し、温
度変動を5℃以下とすれば、ピントずれの影響を受けな
くてすむことがわかる。
【0030】一方、油浸系および水浸系の対物レンズ1
7のおよその焦点深度は、60倍、100倍ともに0.
3μm〜0.4μmである。従って、上述の構成では、
ピントずれの影響を受けることになるが、この場合に
は、同じ構造で、線膨張率の低い材料を使用すること
で、この問題を解決することができる。
【0031】例えば、鉄とニッケルの合金であるインバ
ーと呼ばれる材料は、線膨張係数が、0.13×10-6
であり、アルミニウムの100分の1未満であり、この
材料をステージ13および位置決め部材51に使用する
ことにより、ピントずれの影響が100分の1未満にな
り、無視できるものになる。そして、本発明の顕微鏡用
対物レンズでは、膨張または収縮に関係する部材が、対
物レンズ17および標本25の周囲の限られた位置に集
中しており、また、その体積が、顕微鏡全体に対して非
常に小さくなっているため、短い時間で熱的安定状態を
得ることができる。
【0032】すなわち、例えば、長時間観察する標本2
5の例として生きた細胞が挙げられるが、このような場
合には、細胞の周囲温度を、例えば、37℃に維持する
装置がステージ13上に設けられ、通常の顕微鏡では、
その温度が顕微鏡全体に伝わり、全体が熱的安定状態に
なりピントが安定するまでに長い時間がかかる。しかし
ながら、本発明の顕微鏡用対物レンズでは、標本25の
近傍にピント変化に関係する位置決め部材51およびス
テージ13が配置され、その体積が小さいため、短い時
間で熱的安定状態を確実に得ることができる。
【0033】そして、この実施形態では、対物レンズ1
7のレンズ保持部材41の先端部に形成される雄螺子部
41aに、位置決め部材51の雌螺子部51aを螺合す
るようにしたので、光軸方向の微細な位置決め調整を行
うことができる。また、この実施形態では、対物レンズ
17の先端部に、位置決め部材51を着脱自在に配置し
たので、位置決め部材51を取り外すことにより通常の
対物レンズ17として使用することができる。
【0034】そして、逆に、通常の対物レンズ17に、
雄螺子部41a等を形成し、位置決め部材51を装着す
ることにより本発明の顕微鏡用対物レンズを容易に製造
することができる。 (第2の実施形態)図3は、本発明の顕微鏡用対物レン
ズの第2の実施形態を示すもので、この実施形態では、
位置決め部材51Aが、第1の部材59と第2の部材6
1により構成されている。
【0035】第1の部材59は、円筒状をしておりレン
ズ保持部材41の先端部に形成される雄螺子部41aに
雌螺子部59aを螺合されている。第1の部材59の外
周部59bは、ステージ13と反対側に向けて延在して
形成されており、外周部59bの下部には、雄螺子部5
9cが形成されている。そして、この雄螺子部59c
に、円筒状の第2の部材61の下部内周に形成される雌
螺子部61aが螺合されている。
【0036】第2の部材61の上端面は、当接面61c
とされ、ステージ13の下面に形成される基準面13b
に当接されている。図4は、図3のステージ13および
この近傍を示すもので、対物レンズ17の先端とカバー
グラス55の間の空間は、ワーキング・ディスタンスと
呼ばれ、W.D.で表している。
【0037】この部分は、乾燥系対物レンズの場合に
は、空気であり、油浸系対物レンズの場合には、所定の
屈折率を有する油であり、水浸系対物レンズの場合に
は、水である。また、対物レンズ17の先端と第1の部
材59の先端内面までの距離がAとされている。これ
は、第1の部材59の位置に対する対物レンズ17自身
の熱による変動部分という意味で示している。そのた
め、距離A自体が必ずしも熱膨張に関係する距離とはな
らない。
【0038】距離Bは、第1の部材59のピントずれに
関係する光軸方向の厚さで、距離Cは、第2の部材61
のピントずれに関係する光軸方向の厚さである。また、
距離Sは、ステージ13の厚さである。ここで、ステー
ジ13自体は、対物レンズ17が変わっても同じである
ため、その材料による熱膨張率を定数として考え各部の
熱膨張を考察する。
【0039】ステージ13には、アルミダイカストが使
用され、その線膨張係数は、21×10-6である。距離
Aは、対物レンズ17毎に有する特性を意味し、個別に
温度による変化の方向と量を測定することにより知るこ
とができる。この距離Aの変化特性と距離Sに合わせ
て、第1の部材59および第2の部材61の材料と、距
離Bおよび距離Cを決定することによりピントずれ対策
が行われる。
【0040】以下、距離Bと距離Cの決定方法につい
て、細かい計算を省き、線膨張係数の大小から説明す
る。すなわち、ステージ13の線膨張係数と対物レンズ
17の特性により、距離Sの膨張が距離Aの膨張より大
きく、温度上昇により対物レンズ17の先端が標本25
から離れる場合には、距離Bの膨張が、距離Cの膨張よ
り大きくなるように、第1の部材59と第2の部材61
の線膨張係数および長さが決められる。
【0041】これにより、対物レンズ17の観察位置が
温度上昇により標本25に接近するように補正すること
ができる。逆に、ステージ13の線膨張係数と対物レン
ズ17の特性により、距離Sの膨張が距離Aの膨張より
小さく、温度上昇により対物レンズ17の先端が標本2
5に接近する場合には、距離Bの膨張が、距離Cの膨張
より小さくなるように、第1の部材59と第2の部材6
1の線膨張係数および長さが決められる。
【0042】これにより、対物レンズ17の観察位置が
温度上昇により標本25から離れるように補正すること
ができる。なお、この実施形態において第1の実施形態
と同一の部材には、同一の符号を付して詳細な説明を省
略する。この実施形態の顕微鏡用対物レンズ17におい
ても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる
が、この実施形態では、位置決め部材51を第1の部材
59と第2の部材61により構成したので、第1の部材
59と第2の部材61の線膨張係数および長さを適切な
値に設定することにより、熱膨張に起因する対物レンズ
17の光軸方向の焦点ずれをより確実に低減することが
できる。
【0043】(第3の実施形態)図5は、本発明の顕微
鏡用対物レンズの第3の実施形態を示すもので、この実
施形態では、位置決め部材51Bが、第1の部材63と
圧電素子65により構成されている。第1の部材63
は、円筒状をしておりレンズ保持部材41の先端部に形
成される雄螺子部41aに雌螺子部63aを螺合されて
いる。
【0044】第1の部材63の外周部63bは、ステー
ジ13と反対側に向けて延在して形成されており、外周
部63bの下部には、鍔部63cが形成されている。そ
して、この鍔部63cに形成される雌螺子部63dに、
圧電素子65の下部に形成される雄螺子部65aが螺合
されている。圧電素子65の上端面は、当接面65cと
され、ステージ13の下面に形成される基準面13bに
当接されている。
【0045】この実施形態では、圧電素子65の当接面
65cを、ステージ13の基準面13bに付勢状態で当
接し、この状態で圧電素子65を作動することにより、
圧電素子65の光軸方向の長さが変化される。この実施
形態の顕微鏡用対物レンズにおいても第1の実施形態と
同様の効果を得ることができるが、この実施形態では、
圧電素子65を作動することにより、圧電素子65の光
軸方向の長さが変化されるため、ピントの調整を容易,
確実に行うことができる。
【0046】なお、この実施形態において、線膨張係数
の補正用の部材を、第1の部材63、圧電素子65の先
端、あるいは、基準面13bに取り付けることが可能で
あり、これにより圧電素子65自体の線膨張係数を含ん
だ補正を実行することができる。また、この実施形態で
は、圧電素子65によりピントの調整を行った例につい
て説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、ステージ13側または対物レンズ
17側に、くさび、カム、偏心駒等を利用して基準面1
3bあるいは当接面65cを光軸方向に微小移動する機
構を設けることによりピントの調整を行うようにしても
良い。
【0047】(第4の実施形態)図6は、本発明の顕微
鏡用対物レンズの第4の実施形態を示すもので、この実
施形態では、本発明が、図7に示す正立型顕微鏡に適用
される。図7の正立型顕微鏡では、ステージ67が、上
下動ハンドル69により上下に移動される。
【0048】ステージ67の上方には、対物レンズ17
が装着されるレボルバ71が配置され、レボルバ71の
上方に接眼レンズ73が配置されている。そして、ステ
ージ67の上面に標本75が載置されている。図6は、
対物レンズ17,標本75およびステージ67の詳細を
示すもので、この実施形態では、標本75は、チャンバ
ー77の内底部に穴部77aを覆って第1のカバーグラ
ス79を配置し、第1のカバーグラス79の下面に観察
対象となる細胞57を培養してなる。
【0049】チャンバー77の外底部には、第2のカバ
ーグラス81が接着され、第1のカバーグラス79と第
2のカバーグラス81との間の空間に、細胞57培養の
ための培養液が満たされている。なお、培養液は、図示
しない装置により、還流可能とされている。そして、対
物レンズ17の先端部に、位置決め部材51Aが配置さ
れている。
【0050】位置決め部材51Aは、第2の実施形態と
同様に、第1の部材59と第2の部材61により構成さ
れている。第2の部材61の下端面は、当接面61cと
され、チャンバー77の上面に形成される基準面77b
に当接されている。
【0051】なお、この実施形態において第2の実施形
態と同一の部材には、同一の符号を付して詳細な説明を
省略する。この実施形態では、チャンバー77の上面に
基準面77bが形成されるが、第2の実施形態と同様
に、熱膨張に起因する対物レンズ17の光軸方向の焦点
ずれを容易,確実に低減することができる。
【0052】なお、この実施形態では、基準面77bを
チャンバー77の上面に形成した例について説明した
が、本発明はかかる実施形態に限定されるものではな
く、例えば、基準面をステージ67の上面の標本75か
ら離れた位置に形成し、この基準面に位置決め部材の当
接面を当接するようにしても良い。そして、上述した第
1,第2および第4の実施形態では、位置決め部材5
1,51Aの当接面51c,61cを円環状に形成した
例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定
されるものではなく、例えば、所定角度を置いて突出部
を形成し、この突出部の先端に当接面を形成しても良
い。
【0053】また、上述した各実施形態では、レンズ保
持部材41の付勢にコイルスプリングを用いた例につい
て説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、板バネ等によりレンズ保持部材を
付勢するようにしても良い。さらに、上述した各実施形
態では、レンズ保持部材41を付勢手段により付勢した
例について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定
されるものではなく、例えば、顕微鏡側に対物レンズ1
7を付勢する付勢手段等が設けられている場合には、レ
ンズ保持部材41を必ずしも付勢する必要はなく、レボ
ルバに付勢手段を設けても良い。
【0054】又、付勢手段を設ける場合、本実施形態で
は、対物レンズ側に設けたが、ステージ又はチャンバー
に付勢手段を設け、対物レンズ側には付勢手段を設けな
い構成でも良い。なお、上述した各実施形態において、
例えば、位置決め部材51,51Aの当接面51c,6
1cに磁性材料を使用し、ステージ13またはチャンバ
ー77を鉄系の材料にすることにより、あるいは、その
逆の構成とすることにより、基準面13b,77bに当
接面51cをより確実に密着させることができる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の顕微鏡用対
物レンズおよび顕微鏡では、熱膨張に起因する対物レン
ズの光軸方向の焦点ずれを容易,確実に低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡用対物レンズの第1の実施形態
を示す断面図である。
【図2】図1の顕微鏡用対物レンズを備えた顕微鏡を示
す側面図である。
【図3】本発明の顕微鏡用対物レンズの第2の実施形態
を示す断面図である。
【図4】図3のステージおよびこの近傍の寸法関係を示
す説明図である。
【図5】本発明の顕微鏡用対物レンズの第3の実施形態
を示す断面図である。
【図6】本発明の顕微鏡用対物レンズの第4の実施形態
を示す断面図である。
【図7】図6の顕微鏡用対物レンズを備えた顕微鏡を示
す側面図である。
【符号の説明】
13 ステージ 13b 基準面 17 対物レンズ 25 標本 39 筺体 41 レンズ保持部材 47 コイルスプリング 51 位置決め部材 51c 当接面 77 チャンバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズの先端部に設けられ、標本側
    の光軸方向の基準面に当接し、前記基準面の光軸方向の
    移動と共に、前記基準面と当接した状態で移動し、前記
    対物レンズの先端と観察試料の間の光軸方向の間隔を観
    察中に一定に保つように前記対物レンズの位置決めを行
    う位置決め部材を設けてなることを特徴とする顕微鏡用
    対物レンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の顕微鏡用対物レンズにお
    いて、 前記対物レンズは、筺体内にレンズ保持部材を光軸方向
    に移動可能に設け、前記レンズ保持部材を前記対物レン
    ズの先端部側に付勢手段により付勢してなることを特徴
    とする顕微鏡用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の顕微鏡用対物レンズを有
    することを特徴とする顕微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の顕微鏡において、 前記基準面は、前記標本を支持するステージ、または、
    標本用のチャンバーに形成されていることを特徴とする
    顕微鏡。
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