JP2003027201A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
るのに好適な、めっき密着性および摺動性に優れた合金
化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 めっき付着量:30〜100g/m2 、合金化
度:8.0 〜11.5%、めっき層の表面粗度 (Ra) :0.9 μ
m 以下であって、任意の断面における母材とめっき層と
の界面における接触長さ:観察視野水平方向基準長さの
1.015 〜1.08倍である合金化溶融亜鉛めっき鋼板であ
る。
Description
っき鋼板およびその製造方法に関する。より詳述すれ
ば、本発明は、例えば自動車用防錆表面処理鋼板として
用いるのに好適な、めっき密着性および摺動性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関す
る。
板は塗装後の耐食性に優れるとともに電気めっき鋼板よ
りも低コストで製造できることから、従来より、自動車
や家電製品等に広く使用されている。
鋼板に溶融亜鉛めっき処理を行った後に合金化炉で加熱
し、めっき母材である鋼板に含有されるFeをめっき層中
に拡散させ、めっき皮膜全体をZn−Fe合金化することに
よって、製造される。このめっき皮膜中のFe濃度は、厚
さ方向の全域にわたって均一ではなく、一般的に、鋼板
に近い部分からめっき表層に向かうにつれてFe濃度が減
少する。この合金化溶融亜鉛めっき皮膜を形成するZn−
Fe合金には、一般的に、Fe濃度が高いものから順にΓ
相、Γ1 相、δ1 相、ζ相がある。
能としては、耐食性とともに、主として、成形性、塗装
性、溶接性さらにはめっき密着性等がある。塗装性や溶
接性は、それぞれ塗装条件や溶接条件を最適化すること
によって、ユーザによる使用時に多少なりとも補うこと
が可能である。しかしながら、成形性やめっき密着性
は、めっき鋼板の製造工程においてその良否が決定され
てしまい、ユーザによる使用時に補うことは殆どできな
い。このため、成形性やめっき密着性が良好な合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を製造することは、特に重要な課題で
ある。
としては、細かく見ると、主にパウダリング性および摺
動性を挙げることができる。前述したΓ相およびΓ1 相
は硬く脆い性質であり、例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼
板が自動車用外装材として使用された場合には、跳ね上
げられた小石等の衝突による衝撃により剥離を起こす、
いわゆるチッピング現象の起点となる。
は、軟質であることからプレス加工時の金型との摺動抵
抗が大きく、加工性を劣化させる原因となる。Γ相およ
びΓ1 相の生成を抑制するためには、めっき皮膜中のFe
比率を小さくすればよい。しかしながら、めっき皮膜の
Fe比率を低減すると、めっき皮膜の表層のζ相の生成が
助長され、摺動性が劣化してしまう。
の生成をいずれも抑制すること、すなわち、めっき皮膜
の密着性 (剥離性) と摺動性とをいずれも向上させるこ
とは技術的に難しく、その具体的手段はこれまであまり
研究されなかった。
ζ相の生成温度域である低温域を回避し、比較的高温で
処理を行うことにより、皮膜表層のζ相の生成を抑制す
る方法は既に知られている。例えば特許公報第2770824
号には、溶融めっき浴中のAl濃度、めっき浴への侵入板
温、および合金化温度を適度に設定することによりζ相
の生成を抑制し、摺動性を向上させる発明が開示されて
いる。
面粗度を低下させることが有効であることも知られてい
る。例えば特開平5−331606号公報には、溶融めっき浴
中のAl濃度、めっき浴への侵入板温を適度に設定し、合
金化温度を比較的低温化することによりめっき表面の平
滑性(粗度)を向上させる発明が開示されている。
が示されてはいるものの、もうひとつのめっき主要性能
である密着性については何ら言及されていない。一方、
特開平5−125485号公報には、母材成分およびめっき浴
温度を規定することによって、めっき密着性に優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する発明が開示されてい
るが、加工性に必要なめっき表面の摺動性の改善につい
ては何ら言及されていない。
き密着性を損なうことなく表面平滑性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を製造する発明が開示されているが、
この発明を実施するには2つのめっき浴が必要であるた
め、工業的規模で実施するには不利である。
き皮膜中の鉄の濃度勾配が表層側から地鉄側に向かって
上昇する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。
しかし、この鋼板の製造に際しては、溶融亜鉛めっき後
のめっき表面に電気Feめっきを行う必要があり、また合
金化処理についても現在の実操業レベルと比較してかな
り長い時間行う必要がある。このため、現状では量産は
極めて困難である。
着性および摺動性を両立させた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板が開示されており、めっき表面の凹部の面積率を特定
域に規定することによって摺動性が改善されることが示
されている。一方、密着性については合金化度 (めっき
皮膜中のFeの比率) が8〜13%(本明細書においては特
にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するも
のとする)の範囲で良好となると規定しているものの、
これは通常の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のFe比率であ
り、現状の合金化溶融亜鉛めっき鋼板と比較し密着性が
十分に向上しているとは考えられない。
防錆表面処理鋼板として用いるのに好適な、めっき密着
性および摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およ
びその製造方法を提供することである。
するためには、めっき表層ζの生成の抑制およびめっき
表層の平滑性向上を図り、さらに、耐チッピング性をは
じめとするめっき密着性を向上するためには、Γ相およ
びΓ1 相の生成を抑制するだけでは不十分であり、母材
鋼板とめっき相との界面の凹凸を適度な大きさに制御す
ることにより、めっき密着性(特に耐低温チッピング
性)とめっき表面摺動性(特に摩擦係数)とがいずれも
良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができ
るという、新規かつ重要な知見に基づいてなされたもの
である。
が大きくなるほどめっき密着性が向上する。ただし、界
面の凹凸が大きくなるとめっき表面の凹凸(粗度)も大
きくなる。一方、めっき皮膜の凹凸が小さいほど摺動性
が向上する。このように、めっき皮膜の密着性とめっき
表面の摺動性とは二律背反の関係にあるが、めっき浴中
のAl濃度および合金化温度をいずれも最適化することに
よって、めっき皮膜の密着性とめっき表面の摺動性とを
高いレベルで両立させることができる。
合金化度:8.0 〜11.5%、めっき層の表面粗度(Ra):0.
9 μm 以下の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、この
鋼板のめっき表面に対し垂直に切断した切断面の観察視
野における水平方向基準長さ(L1)と、同一観察視野での
同区間における母材とめっき層とがなす界面の接触長さ
(L2)との比率(L2/L1) の値が1.015 〜1.08であることを
特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
5 〜0.142 %であるめっき浴を用いて溶融亜鉛めっきを
行った後に、下記の(1) 式〜(3) 式により規定される合
金化温度で合金化処理することを特徴とする上記の合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
に存在するAlの質量%を示す。
鋼板の製造方法では、合金化温度が524 ℃以上であるこ
とが望ましい。また、本発明は、めっき付着量:30〜10
0g/m2 、合金化度:8.0 〜11.5%、めっき層の表面粗度
(Ra) :0.9 μm 以下の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であ
って、この鋼板のめっき表面に対し垂直に切断した切断
面の観察視野における水平方向基準長さ(L1)と、同一観
察視野での同区間における母材とめっき層とがなす界面
の接触長さ(L2)との比率(L2/L1) の値が1.015 〜1.08で
あり、さらにめっき母材のP含有量が200ppm以上である
ことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
9 〜0.140 質量%であるめっき浴を用いて溶融亜鉛めっ
きを行った後に、下記(4) 式〜(6) 式により規定される
合金化温度で合金化処理することを特徴とする上記の合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
に存在するAlの質量%を示し、Pは母材のP含有量を示
す。
鋼板の製造方法では、合金化温度が520 ℃以上であるこ
とが望ましい。
亜鉛めっき鋼板の実施の形態を説明する。本実施の形態
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、(1) めっき付着量:30
〜100g/m 2 、(2) 合金化度:8.0 〜11.5%、(3) めっき
層の表面粗度 (Ra) :0.9 μm 以下、(4) 任意の断面に
おける母材とめっき層との界面における接触長さ:観察
視野水平方向基準長さの1.015 〜1.08倍、(5)Al 濃度が
0.115 〜0.142 %であるめっき浴を用いて溶融亜鉛めっ
きを行った後に、(1) 〜(3) 式により規定される合金化
温度で合金化処理されてなるものである。以下、これら
の発明特定事項(1)〜(5) について順次説明する。
一方、めっき付着量が100 g/m2超であるとパウダリング
性が低下する。そこで、本実施の形態では、めっき付着
量は、30g/m2以上100g/m2 以下と限定する。
在すると、めっき密着性および耐パウダリング性が低下
する。また、めっき皮膜の合金化度(めっき皮膜中に占
めるFeの質量%) が高くなった場合、Γ1 相が厚く成長
する。そこで、本実施の形態では合金化度の上限を11.5
%と限定する。
と摺動性が低下する。このζ相はめっき皮膜の合金化度
が低くなると存在し易くなる。そこで、本実施の形態で
は、合金化度の下限を8.0 %と限定する。
以下、および(4) 任意の断面における母材とめっき層と
の界面における接触長さ(L2):観察視野水平方向基準長
さ(L1)の1.015 〜1.08倍 本発明者の知見によれば、溶融亜鉛めっき処理後の合金
化の際に高温で処理を行うと、合金化の初期反応速度に
ばらつきが生じ、これにより、界面の凹凸が大きくな
る。一方、高温で合金化処理を行うと、めっき自体の表
面の粗度(凹凸)が小さくなる。
膜と母材との界面における凹凸と、めっき皮膜の表面に
おける凹凸との和であると考えられる。本発明者の知見
によれば、合金化温度を 510〜520 ℃ (=520 ℃近傍)
以上とすることにより、界面の凹凸を確保しながら、摺
動性を良好に保つことができる表面粗度を有する鋼板を
製造することができる。このようなめっき層の表面粗度
(Ra)としては、0.9 μm 以下であることが望ましい。
面SEM 像の模式図である。図1には、太線により「めっ
き皮膜−母材界面長さL2」を示し、横軸には「観察視野
水平方向基準長さL1」を示している。
接触長さ(L2)を満足することにより、めっき皮膜−母材
界面条件において良好となる。すなわち、接触長さ(L2)
/観察視野水平方向基準長さ(L1)が1.015 未満では十分
なアンカー効果を得ることができず、密着性が低下す
る。一方、接触長さ(L2)/観察視野水平方向基準長さ(L
1)が1.08超では、表面粗度が増大するため、摺動性が低
下する。このため、本実施の形態では、接触長さ(L2)/
観察視野水平方向基準長さ(L1)は1.015 以上1.08以下と
限定する。
き浴を用いて溶融亜鉛めっきを行った後に、前述した
(1) 式〜(3) 式により規定される合金化温度で合金化処
理されてなる。
による影響も受けるため、合金化温度のみを管理しても
所望の値に制御することはできない。これに対し、本実
施の形態では、Al濃度が0.115 〜0.142 %であるめっき
浴を用いて溶融亜鉛めっきを行った後に、前述した(1)
式〜(3) 式により規定される範囲を満足する合金化温度
で合金化処理することにより、良好な性能を有する合金
化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。
度を低下させ、プレス加工の際の摩擦抵抗を抑制する観
点から524 ℃以上であることが望ましい。一方、めっき
皮膜と母材との界面にΓ1 相が厚く存在するとめっき密
着性および耐パウダリング性が低下する。非常に高温で
合金化処理を行った場合にΓ1 相が厚く成長するため、
合金化温度の上限を540 ℃とすることが望ましい。
Pを200ppm以上含有するいわゆる高張力鋼を母材鋼板と
する場合には、上記(1) 式〜(3) 式により規定される合
金化温度ではなくて、下記(4) 〜(6) 式により規定され
る合金化温度で合金化処理されることが望ましい。すな
わち、P添加鋼は、一般の軟鋼と比較すると、合金化反
応が進行し難いためである。
存在するAlの質量%を示し、Pは母材のP含有量を示
す。
自動車用防錆表面処理鋼板として用いるのに好適な、め
っき密着性および摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板が提供される。
照しながら、より具体的に説明する。
C:0.03%、Si:0.01%、Mn:0.27%、P:0.008 %、
S:0.002 %) を用い、めっき浴中Al濃度を0.113 〜0.
142 %として溶融亜鉛めっきを行った。なお、めっき浴
温度は460 ℃であり、めっき浴侵入板温は470 ℃であっ
た。溶融亜鉛めっき後直ちに誘導加熱炉を用いて合金化
処理を行った。
のFe濃度を変化させて、サンプルを作成し、下記の評価
方法にしたがって評価した。 評価方法 (a)めっき皮膜−母材界面長さ 上記条件で製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の断面SE
M 写真(2000 倍程度)のめっきを画像データとしてコン
ピュータに取り込み、めっき界面および前記界面の両端
を結ぶ直線を同一太さ(写真内1μm 相当)の線に模式
化した後、画像解析により両者の線の面積比をもって、
めっき皮膜−母材長さとした。
ては倍率2000倍にて1視野あたり50μm ×10視野としL1
=0.5mm の値を用いた。 (b)表面粗度 上記条件で製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の中心線
平均粗さ(Ra、カットオフ値=0.8mm)を接触式表面粗度
計を用いて測定した。
リン酸亜鉛系化成皮膜を形成した後、カチオン電着:膜
厚20μm を形成し、さらにその電着板に中塗り塗料、上
塗り塗料をそれぞれ35μm 塗装した。
kg/cm2にて玄武岩50g(粒径2.4 〜4.8mm)を塗装したサン
プルに垂直に衝突させた後、サンプル表面にテープを貼
付した後に剥離し、最大剥離径の10点平均を測定した。
剥離径3mm未満を満足するか否かを基準として、十分な
耐低温チッピング性を有するか否かを判断した。
記条件で平板引抜き試験を行って、摩擦係数を測定し
た。
化学製プレトーン303P、5g/m2)し、一晩立てかけた後
に、下記条件で平板引抜き試験を行った。 ・ビード形状:平−平 ・ビード研磨:#1000エメリー ・押さえ圧:8kN ・引き抜き速度:200mm/min 、摺動距離:100mm 、押さ
え長さ:50mm 評価は、測定された摩擦係数について下記3段階を基準
として行った。
摩擦係数0.124 未満を満足するか否かを基準として、十
分な摺動性を有するか否かを判断した。
して剥離し、剥離前後における重量変化を測定した。
ス直径52mm、ポンチ直径50mm、絞り比2.0 評価は、測定された摩擦係数について下記2段階を基準
として行った。
レベルであるため、めっき剥離量:15以下(mg/サンプ
ル) を満足するか否かを基準として、十分なパウダリン
グ性を有するか否かを判断した。
析した。これらの試験結果を表1にまとめて示す。
グラフにまとめて示すグラフである。すなわち、図2
は、合金化温度と合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮
膜−母材界面の粗さ(L2/L1比)との関係を示すグラフで
ある。図3は、比(L2 /L1) とチッピング剥離径との関
係を示すグラフである。図4は、合金化温度とチッピン
グ剥離径との関係を示すグラフである。図5は、合金化
温度とめっき表面の粗度Raとの関係を示すグラフであ
る。図6は、めっき表面粗度と摺動性(めっき表面摩擦
係数)との関係を示すグラフである。図7は、合金化温
度と摺動性(めっき表面摩擦係数)との関係を示すグラ
フである。さらに、図8は、摺動性、めっき密着性が良
好な浴中Al濃度、合金化温度領域を示すグラフである。
図中、前述の(1) 式〜(3) 式によってデータを整理して
示す。
する条件を満足することにより、例えば自動車用防錆表
面処理鋼板として用いるのに好適な、めっき密着性およ
び摺動性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供でき
たことがわかる。
を用い、めっき浴中Al濃度を0.117 〜0.143 で溶融亜鉛
めっきを行った。なお、めっき浴温度は460 ℃であり、
めっき浴侵入板温は470 ℃であった。溶融亜鉛めっき後
直ちに誘導加熱炉を用いて合金化処理を行った。
のFe濃度を変化させて、めっきおよび合金化処理したサ
ンプルを作成し、下記の評価方法にしたがって評価し
た。 評価方法 (a) めっき皮膜−母材界面長さ 上記条件で製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の断面SE
M 写真(2000 倍程度)のめっきを画像データとしてコン
ピュータに取り込み、めっき界面および前記界面の両端
を結ぶ直線を同一太さ(写真内1μm 相当)の線に模式
化した後、画像解析により両者の線の面積比をもって、
めっき皮膜−母材長さとした。
平均粗さ(Ra、カットオフ値=0.8mm)を接触式表面粗度
計にて測定した。
ン酸亜鉛系化成皮膜を形成した (脱脂→水洗→化成液に
42℃、120 秒浸漬処理→水洗→乾燥) 後、カチオン電
着:膜厚20μm を形成し、さらにその電着板に中塗り塗
料および上塗り塗料をそれぞれ35μm 塗装した。
7kg/cm2 にて玄武岩50g(粒径2.4 〜4.8mm)を塗装したサ
ンプルに垂直に衝突させた後、サンプル表面にテープを
貼付して剥離し、最大剥離径10点平均を測定した。そし
て、評価は次の3投階で行った。
3mm未満を基準として、十分な耐低温チッピング性を有
するか否かを判断した。
試験を行って、摩擦係数を測定した。
化学製プレトーン303P、5g/m2)し、一晩立てかけ後に
平板引抜き試験を行った。 ・ビード形状:平−平 ・ビード研磨:#1000エメリー ・押さえ圧=8kN ・引き抜き速度:200mm/min 、摺動距離:100mm 、押さ
え長さ:50mm 評価は、測定された摩擦係数について下記の3段階で行
った。
摩擦係数0.125 未満を満足するか否かを基準として、十
分な摺動性を有するか否かを判断した。
後における重量変化を測定した。
直径52mm、ボンチ直径50mm、絞り比2.0 評価は、測定された摩擦係数について下記2段階を基準
として行った。
レベルであるため、めっき剥離量:15以下(mg/サンプ
ル) を満足するか否かを基準として、十分なパウダリン
グ性を有するか否かを判断した。
析した。これらの試験結果を表3にまとめて示す。
観察結果は図1とほぼ同様であった。また、図9は、浴
中Al濃度および合金化温度と皮膜性能との関係 (鋼中P
濃度:240ppm、付着量:42〜59g/m2、Fe%:8.3 〜11.
5) を示すグラフである。図中、前述の(4) 式〜(6) 式
によってデータを整理して示す。
件を満足することにより、例えば自動車用防錆表面処理
鋼板として用いるのに好適な、めっき密着性および摺動
性に優れた高強度の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供で
きたことがわかる。
り、例えば自動車用防錆表面処理鋼板として用いるのに
好適な、耐チッピング性に代表される優れためっき密着
性と、めっき表面が平滑であることに起因した優れた摺
動性とをともに兼備した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提
供することができた。
て著しい。
ある。
き皮膜−母材界面の粗さ(L2/L1比)との関係を示すグラ
フである。
ラフである。
グラフである。
すグラフである。
数)との関係を示すグラフである。
る。
金化温度領域を示すグラフである。
係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 めっき付着量:30〜100g/m2 、合金化
度:8.0 〜11.5質量%、めっき層の表面粗度(Ra):0.9
μm 以下の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、該鋼板
のめっき表面に対し垂直に切断した切断面の観察視野に
おける水平方向基準長さ(L1)と、同一観察視野での同区
間における母材とめっき層とがなす界面の接触長さ(L2)
との比率(L2/L1) の値が1.015 〜1.08であることを特徴
とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項2】 Al濃度が0.115 〜0.142 質量%であるめ
っき浴を用いて溶融亜鉛めっきを行った後に、下記(1)
式〜(3) 式により規定される温度T1、T2、T3を満足する
合金化温度で合金化処理することを特徴とする請求項1
に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 T1(℃)≧−860 ×Al+600 ・・・・・(1) T2(℃)≦−860 ×Al+640 ・・・・・(2) T3(℃)≧ 1500 ×Al+305 ・・・・・(3) ただし、(1) 式〜(3) 式における「Al」は、めっき浴中
に存在するAlの質量%を示す。 - 【請求項3】 前記合金化温度は524 ℃以上である請求
項2に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法。 - 【請求項4】 めっき付着量:30〜100g/m2 、合金化
度:8.0 〜11.5質量%、めっき層の表面粗度 (Ra) :0.
9 μm 以下の合金化溶融亜鉛めっき鋼板であって、該鋼
板のめっき表面に対し垂直に切断した切断面の観察視野
における水平方向基準長さ(L1)と、同一観察視野での同
区間における母材とめっき層とがなす界面の接触長さ(L
2)との比率(L2/L1) の値が1.015 〜1.08であり、さらに
めっき母材のP含有量が200ppm以上であることを特徴と
する合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項5】 Al濃度が0.119 〜0.140 質量%であるめ
っき浴を用いて溶融亜鉛めっきを行った後に、下記(4)
式〜(6) 式により規定される温度T4、T5、T6を満足する
合金化温度で合金化処理することを特徴とする請求項4
に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 T1(℃)≧−1600×Al+ 0.1×P+693 ・・・・・(4) T2(℃)≦−1400×Al+0.05×P+702 ・・・・・(5) T3(℃)≧ 600×Al+0.05×P+412 ・・・・・(6) ただし、(4) 式〜(6) 式における「Al」は、めっき浴中
に存在するAlの質量%を示し、Pは母材のP含有量を示
す。 - 【請求項6】 前記合金化温度は520 ℃以上である請求
項5に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法。
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JP2014201818A (ja) * | 2013-04-09 | 2014-10-27 | 新日鐵住金株式会社 | めっき鋼板の耐パウダリング性評価方法 |
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