JP2003027145A - 連続焼鈍炉の冷却帯および冷却制御方法 - Google Patents
連続焼鈍炉の冷却帯および冷却制御方法Info
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Abstract
鈍炉において、炉出側の適正板温が異なる連続焼鈍材お
よび溶融メッキ材それぞれについて、効率的に高精度な
冷却制御を行う。 【解決手段】 ガスジェット方式の可変速ブロワーを配
設した冷却帯を、通板材進行方向に3分割し、各制御ゾ
ーンの出側に板温計を設置し、あらかじめ設定した冷却
パターンおよび各板温計の計測値に基づいて、各制御ゾ
ーンの可変速ブロワーを制御する制御機構を備えた冷却
帯。さらに、すくなくとも第2制御ゾーンにヒーターを
配設し、制御機構がヒーター制御機能も備えた冷却帯。
溶融メッキ材の冷却に際し、第2制御ゾーンを徐冷域と
するのが好ましく、また保定域とするのが好ましい。
Description
溶融メッキを同一の設備で切替えて行う連続焼鈍および
溶融メッキ兼用設備における連続焼鈍炉の冷却制御に関
するものである。
の設備で製造されるのがこれまで一般的であった。すな
わち、連続焼鈍材は連続焼鈍炉を出た鋼板を水冷装置に
より冷却して製造され、溶融メッキ材は連続焼鈍炉を出
た鋼板を溶融メッキ装置でメッキしついで水冷装置によ
り冷却して製造されていた。一方、連続焼鈍炉の後に溶
融メッキ装置を経て水冷装置に至る工程と、溶融メッキ
装置を通らずに水冷装置に至る工程を設け、連続焼鈍材
と溶融メッキ材を切替えて製造できる兼用設備が知られ
ている。
設備の連続焼鈍炉では、通板材を加熱して焼鈍するまで
は両者同条件であるが、冷却条件が異なる。すなわち連
続焼鈍材は、鋼板表面が酸化しなくなる200℃程度以
下まで非酸化性の炉内で冷却するのに対し、溶融メッキ
材は、メッキ浴に浸漬して鋼板表面にメッキ金属との合
金化層を形成するため、炉出側の板温をメッキ浴温度と
ほぼ等しい温度、たとえば亜鉛メッキの場合は約450
℃の均一な一定温度に制御することが必要である。
帯において、連続焼鈍材および溶融メッキ材それぞれに
対する冷却制御が必要となる。連続焼鈍炉における鋼板
の冷却制御に関しては、特開平5−9593号公報、特
開平5−295508号公報などが知られている。
た冷却帯において、ロールクラウンを考慮して徐冷設備
の輻射伝熱モデル式による板温推移予測計算を行い、徐
冷設備出口で目標板温になっているか否かを判定したう
えで急冷設備出口の板温および徐冷設備の炉温を決定し
て制御することにより、鋼板の絞りや蛇行を防止する技
術である。
ーブ帯を順に配置した冷却帯において、板厚、板幅、ラ
イン速度からテーブルを使ってラジアントチューブ帯の
出側設定温度を求め、また輻射による熱交換計算モデル
からガスジェット帯の出側設定温度を求めて冷却制御す
ることで、制御系統を自動管理し、サイズ変更時の応答
を迅速化する技術である。これらの技術は、連続焼鈍お
よび溶融メッキ兼用設備における連続焼鈍炉の冷却制御
にそのまま適用できるものではない。
ようとする課題は、連続焼鈍および溶融メッキ兼用設備
の連続焼鈍炉において、炉出側の適正板温が異なる連続
焼鈍材および溶融メッキ材それぞれについて、効率的に
適正な冷却を行うことができるように制御することであ
る。
の本発明の第1発明装置は、連続焼鈍および溶融メッキ
兼用設備における連続焼鈍炉の冷却帯であって、ガスジ
ェット方式の可変速ブロワーを配設した冷却帯を、通板
材進行方向に第1制御ゾーン、第2制御ゾーン、第3制
御ゾーンに3分割し、各制御ゾーンの出側に板温計を設
置し、あらかじめ設定した冷却パターンおよび各板温計
の計測値に基づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーを
制御する制御機構を備えたことを特徴とする連続焼鈍炉
の冷却帯である。
キ兼用設備における連続焼鈍炉の冷却帯であって、ガス
ジェット方式の可変速ブロワーを配設した冷却帯を、通
板材進行方向に第1制御ゾーン、第2制御ゾーン、第3
制御ゾーンに3分割し、各制御ゾーンの出側に板温計を
設置し、すくなくとも第2制御ゾーンにはヒーターを配
設し、あらかじめ設定した冷却パターンおよび各板温計
の計測値に基づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーお
よびヒーターを制御する制御機構を備えたことを特徴と
する連続焼鈍炉の冷却帯である。
1発明法は、上記第1発明装置において、あらかじめ設
定した冷却パターンおよび各板温計の計測値に基づい
て、各制御ゾーンの可変速ブロワーを制御することを特
徴とする冷却制御方法である。そして第1発明法におい
て、溶融メッキ材の冷却に際し、第2制御ゾーンを徐冷
域とするのが好ましい。
て、あらかじめ設定した冷却パターンおよび各板温計の
計測値に基づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーおよ
びヒーターを制御することを特徴とする冷却制御方法で
ある。そして第2発明法において、溶融メッキ材の冷却
に際し、第2制御ゾーンを保定域とするのが好ましい。
融メッキ兼用設備において、連続焼鈍材および溶融メッ
キ材に共通して使用される連続焼鈍炉の冷却帯であり、
本発明法は、該冷却帯における冷却制御方法である。前
述のように、連続焼鈍および溶融メッキ兼用設備の連続
焼鈍炉では、焼鈍後の冷却条件が通板材によって異な
る。溶融メッキ材では、冷却帯から炉外に出るときの板
温をメッキ浴温度とほぼ等しい温度、たとえば亜鉛メッ
キの場合は約450℃の均一な一定温度に制御すること
が必要であり、連続焼鈍材では、鋼板表面が酸化しなく
なる約200℃以下まで非酸化性の炉内で冷却する必要
がある。そのため本発明装置は、通常の溶融メッキ専用
設備にくらべ冷却帯を長くし、連続焼鈍材および溶融メ
ッキ材のそれぞれに対して適正な条件で連続冷却できる
ようにした。
うに、ガスジェット方式の可変速ブロワー3を配設した
冷却帯2を、通板材1の進行方向に第1制御ゾーンCF
1、第2制御ゾーンCF2、第3制御ゾーンCF3に3
分割し、第1制御ゾーンCF1の出側に板温計5、第2
制御ゾーンCF2の出側に板温計6、第3制御ゾーンC
F3の出側に板温計7を設置し、各制御ゾーン毎に可変
速ブロワー3を制御する制御機構8を備えている。制御
機構8は、あらかじめ設定した通板材1の冷却パターン
および板温計5,6,7の計測値に基づいて可変速ブロ
ワー3を制御する機能を有している。
て、あらかじめ設定した通板材の冷却パターンおよび板
温計5,6,7の計測値に基づいて、各制御ゾーンCF
1,CF2,CF3の可変速ブロワー3を制御する冷却
制御方法である。冷却パターンは、通板材1の種類およ
びサイズに応じて定めたものをあらかじめ制御機構8に
設定しておく。通板材1の種類は、連続焼鈍材、溶融メ
ッキ材、鋼種であり、サイズは板幅および板厚である。
機構8は、図1(a)に示すように板温計5,6,7の
計測値を入力し、該各計測値とあらかじめ設定した通板
材1の冷却パターンに基づいて、可変速ブロワー3を制
御する機能を有している。可変速ブロワー3の制御は、
ブロワーの回転数をVVVF制御などにより調整するこ
とで、鋼板に向けて噴出するガスジェットの風量を調整
して行うことができる。可変速ブロワー3は、各制御ゾ
ーンにおいて個々のブロワー毎に制御してもよく、また
ブロックに分割し、各ブロック毎に制御してもよい。
ンCF1,CF2,CF3の可変速ブロワー3の冷却能
力を十分に発揮させて、第3制御ゾーンCF3出側の板
温計7の計測値が200℃以下となるように制御して冷
却すればよい。しかし溶融メッキ材の場合は、鋼板表面
にメッキ金属との合金化層を形成した良好なメッキ製品
を得るため、上述のように、メッキ浴に浸漬するときの
板温を均一な一定温度にする必要があり、第3制御ゾー
ンCF3出側の板温を高精度で制御する。亜鉛メッキの
場合、メッキ浴の成分により異なるが約450℃であ
る。
キ材の冷却に際し第2制御ゾーンCF2を徐冷域とする
のが好ましい。これにより、200℃程度まで冷却する
能力を有する冷却帯で約450℃までの均一高精度な冷
却を行うことができる。第1制御ゾーンCF1入側の板
温をT0 、第1制御ゾーンCF1出側の板温をT1 、第
2制御ゾーンCF2出側の板温をT2 、第3制御ゾーン
CF3出側の板温をT3 とするとき、例えば図1(b)
のような冷却パターンとする。本例は第1制御ゾーンC
F1および第2制御ゾーンCF2を徐冷域とし、T0 か
らT2 までほぼ一様な勾配で徐冷し、第3制御ゾーンC
F3では、冷却速度を速めてT3まで冷却している。図
1(b)の横軸は、通板材1のパスラインにおける位置
を表す。
示すように、第2制御ゾーンCF2にヒーター4を配設
し、制御機構8にヒーター4を制御する機能も持たせて
いる。さらに、第1制御ゾーンCF1あるいは第3制御
ゾーンCF3にヒーター4を配設することもできる。そ
の他は図1(a)の例に示すような第1発明装置と同様
である。
て、あらかじめ設定した通板材の冷却パターンおよび板
温計5,6,7の計測値に基づいて、各制御ゾーンCF
1,CF2,CF3の可変速ブロワー3およびヒーター
4を制御する冷却制御方法である。冷却パターンは、第
1発明と同様、通板材1の種類およびサイズに応じて定
めたものをあらかじめ制御機構8に設定しておく。
機構8は、図1(b)に示すように板温計5,6,7の
計測値を入力し、該各計測値とあらかじめ設定した通板
材1の冷却パターンに基づいて、可変速ブロワー3およ
びヒーター4を制御する機能を有している。可変速ブロ
ワー3の制御は、第1発明におけると同様にして行うこ
とができる。ヒーター4としては、一般的に使用されて
いる抵抗発熱体等を採用することができ、その制御は、
通電する電流を可変することにより行うことができる。
また第2制御ゾーンCF2では、可変速ブロワー3を使
用せずヒーター4のみを使用することもでき、第2制御
ゾーンCF2の入側近くの部位では可変速ブロワー3の
みを使用し、その他の部位ではヒーター4のみを使用す
ることもできる。
融メッキ材の特に薄手材の連続冷却に採用する。溶融メ
ッキ材の場合は、上述のように、メッキ浴に浸漬すると
きの板温を例えば約450℃の均一な一定温度にするた
め、第3制御ゾーンCF3出側の板温を高精度で制御す
る必要がある。そして、特に薄手材では第1制御ゾーン
CF1で板温が低下しやすいので、第2制御ゾーンCF
2にてヒーターを使用し、特に板幅方向の板温均一化を
はかる。
キ材の冷却に際し第2制御ゾーンCF2を保定域とする
のが好ましい。第1制御ゾーンCF1入側の板温をT
0 、第1制御ゾーンCF1出側の板温をT1 、第2制御
ゾーンCF2出側の板温をT2、第3制御ゾーンCF3
出側の板温をT3 とするとき、例えば図2(b)のよう
な冷却パターンとする。本例は第1制御ゾーンCF1を
徐冷域とし、T0 からT 2 までほぼ一様な勾配で徐冷
し、第2制御ゾーンCF2をT1 =T2とする一定温度
の保定域とし、第3制御ゾーンCF3では、冷却速度を
速めてT3まで冷却している。
り、鋼種IF鋼(Interstitial Atom Free Steel)、板
厚0.7mm、板幅1.6mの連続焼鈍材を速度150m
/minで通板し、第1発明法により連続冷却した。冷却帯
内における板温の推移を図3に示す。横軸は通板材1の
パスラインにおける位置を表す。第3制御ゾーンCF3
出側の板温計7の計測値は200℃で、ほぼ均一に冷却
され大気中に出ても鋼板表面の酸化はみられなかった。
より、鋼種IF鋼、板厚1.06mm、板幅1.6mの溶
融メッキ材を速度150m/minで通板し、第1発明法に
より連続冷却した。上記と同様の板温推移を図4に示
す。第3制御ゾーンCF3出側の板温計7の計測値は4
50℃で、板幅方向均一に冷却され、溶融メッキ後の鋼
板には均一に合金層が形成され、良好なメッキ製品が得
られた。
り、鋼種IF鋼、板厚0.467mm、板幅1.2mの溶
融メッキ材を速度150m/minで通板し、第2発明法に
より連続冷却した。第2制御ゾーンCF2の出側近くの
部位にヒーター4を設け、該部位では可変速ブロワー3
を使用せず、ヒーター4で加熱した。上記と同様の板温
推移を図4に示す。第3制御ゾーンCF3出側の板温計
7の計測値は450℃で、板幅方向均一に冷却され、溶
融メッキ後の鋼板には均一に合金層が形成され、良好な
メッキ製品が得られた。
キ兼用設備の連続焼鈍炉において、炉出側の適正板温が
異なる連続焼鈍材および溶融メッキ材それぞれについ
て、効率的に高精度な冷却制御を行うことができる。
図である。
図である。
すグラフである。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
ーン CF3…第3制御ゾーン T0 …冷却帯入側板温 T1 …第1制御ゾ
ーン出側板温 T2 …第2制御ゾーン出側板温 T3 …第3制御ゾ
ーン出側板温
Claims (6)
- 【請求項1】 連続焼鈍および溶融メッキ兼用設備にお
ける連続焼鈍炉の冷却帯であって、ガスジェット方式の
可変速ブロワーを配設した冷却帯を、通板材進行方向に
第1制御ゾーン、第2制御ゾーン、第3制御ゾーンに3
分割し、各制御ゾーンの出側に板温計を設置し、あらか
じめ設定した冷却パターンおよび各板温計の計測値に基
づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーを制御する制御
機構を備えたことを特徴とする連続焼鈍炉の冷却帯。 - 【請求項2】 連続焼鈍および溶融メッキ兼用設備にお
ける連続焼鈍炉の冷却帯であって、ガスジェット方式の
可変速ブロワーを配設した冷却帯を、通板材進行方向に
第1制御ゾーン、第2制御ゾーン、第3制御ゾーンに3
分割し、各制御ゾーンの出側に板温計を設置し、すくな
くとも第2制御ゾーンにはヒーターを配設し、あらかじ
め設定した冷却パターンおよび各板温計の計測値に基づ
いて、各制御ゾーンの可変速ブロワーおよびヒーターを
制御する制御機構を備えたことを特徴とする連続焼鈍炉
の冷却帯。 - 【請求項3】 請求項1記載の冷却帯において、あらか
じめ設定した冷却パターンおよび各板温計の計測値に基
づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーを制御すること
を特徴とする冷却制御方法。 - 【請求項4】 溶融メッキ材の冷却に際し、第2制御ゾ
ーンを徐冷域とすることを特徴とする請求項3記載の冷
却制御方法。 - 【請求項5】 請求項2記載の冷却帯において、あらか
じめ設定した冷却パターンおよび各板温計の計測値に基
づいて、各制御ゾーンの可変速ブロワーおよびヒーター
を制御することを特徴とする冷却制御方法。 - 【請求項6】 溶融メッキ材の冷却に際し、第2制御ゾ
ーンを保定域とすることを特徴とする請求項5記載の冷
却制御方法。
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