JP2003026440A - 合成石英ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

合成石英ガラスおよびその製造方法

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Katsuhiro Nishihara
克浩 西原
Toshiro Yamamoto
俊郎 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長165nm以下の波長領域での透過性が良好
で、かつFに起因する赤色発光のない合成石英ガラスお
よびその製造方法の提供。 【解決手段】合成石英ガラスを、多孔質シリカをAlとF
とを含有する水溶液に浸漬した後、加熱して透明化し
て、合成石英ガラスに含まれるAl、Fがそれぞれ2ppm以
上9ppm以下、1ppm以上100ppm未満となるように製造す
る。このように製造した合成石英ガラスは、Fレーザ
用合成石英ガラスに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線レーザを使用
する光学装置に用いられる合成石英ガラスおよびその製
造方法に係り、特に、Fエキシマレーザ(波長157m
m)などの短波長の紫外光を使用する光学装置のレン
ズ、プリズム、窓部材などの光学部材として使用される
合成石英ガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの微細化・高集積化に伴い、ウエハ
により微細なパターンを描写することができる光リソグ
ラフィー技術の開発が急務となっている。光リソグラフ
ィーの解像度は使用する光の波長により制限されるた
め、近年では、光リソグラフィーの光源として、より短
波長の紫外光を発振する光源が使用されている。
【0003】具体的には、現在、光源としてKrFレーザ
(波長248nm)、ArFレーザ(波長193nm)といったエキシマ
レーザが用いられており、Fレーザ(波長157mm)も
用いられようとしている。
【0004】一方で、光源の変更に伴い、光リソグラフ
ィーを行う際に使用する光学部材も従来のものとは異な
るものを使用しなければならない。従来、光学部材とし
て、光学ガラスが使用されていたが、上記のような波長
400nm以下のレーザ光を透過させると、光の透過率は急
激に低下し、さらに光学ガラスが紫外光を吸収すること
から、発熱が生じ光学部材の膨張による光軸のずれが生
じるといった問題が生じていた。
【0005】そのため、レーザ光透過用の光学部材に
は、紫外光の透過率が高く、熱膨張係数が小さい石英ガ
ラスを用いることが必要である。特に、合成石英ガラス
は、不純物の含有量が極めて少ないために、不純物に起
因する光吸収が少なく、紫外光用の光学部材として適し
ている。
【0006】しかし、合成石英ガラスは190nm程度まで
の短波長領域までの紫外光に対して、良好な透過性を示
すが、165nm以下の波長領域では、透過率が急激に低下
してしまうため、前出のFレーザを用いた光リソグラ
フィーには使用できない。そこで、より短波長領域まで
光透過性のよい合成石英ガラスの開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】Fレーザの波長領域
での光の透過性を改善するためには、F(フッ素)を合
成石英ガラスに含有させることが有効である。Fは合成
石英ガラス中の不安定構造、すなわち合成石英ガラスを
歪ませる≡Si−O−Si≡結合を減少させる効果を有し、
165nm以下の波長領域での透過性を改善すると推測され
る。
【0008】例えば、Fを合成石英ガラスに含有させる
方法については、シリカ微粒子を堆積させた多孔質シリ
カ(スート体)をフッ素含有雰囲気下で保持し、その
後、透明ガラス化温度まで昇温し、透明ガラス化するこ
とで、Fを合成石英ガラスに含有させる方法が考えられ
ている。(特開2000−277419号公報、特開2
001−19450号公報参照)しかし、このような方
法により合成石英ガラスにFを導入すると、波長165nm
以下の波長領域での透過性の改善に大きく寄与するが、
合成石英ガス中のF原子はFレーザを照射するとその
電子状態が変動し、赤色発光源となるという新たな問題
が生じていた。
【0009】本発明の課題は、波長165nm以下の波長領
域での透過性が良好で、かつFに起因する赤色発光のな
い合成石英ガラスおよびその製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、波長165n
m以下の波長領域での透過性が良好で、かつFに起因す
る赤色発光のない合成石英ガラスを得るために、Fの
含有量および≡Si−O−Si≡結合の安定化に関する観
点から、アプローチを試み、従来の合成石英ガラスの改
良を図った。
【0011】まず、では、合成石英ガラス中のFの含
有量を減少させることを試みた。Fは、165nm以下の波
長領域での透過性を改善する効果があるのと同時に、赤
色発光を誘発する効果を有する。このため、Fの含有量
を減少させれば、合成石英ガラスの赤色発光は抑えられ
る。しかし、不安定構造である合成石英ガラス中の歪ん
だ≡Si−O−Si≡結合を安定させることが難しくなるた
め、透過性も低下する。
【0012】そこで、では、上記でFの含有量を減
少させたことにより抑制しきれなかった歪んだ≡Si−O
−Si≡結合を安定させるために、他の元素を合成石英ガ
ラスに含有させることを試み、Alを用いることで、光の
透過性の低下が補償できることを知得した。
【0013】そして、気相成長法で合成したスート体を
AlとFを含有する水溶液中に浸漬することで、所定の量
のFとAlを含有する合成石英ガラスを得ることができる
ことを見いだした。
【0014】本発明は、上述の知見をもとに完成に至っ
たものであり、その要旨は、下記(1)を特徴とする合
成石英ガラス、下記(2)を特徴とする合成石英ガラス
の製造方法にある。
【0015】(1)2ppm以上9ppm以下のAlと1ppm以上10
0ppm未満のFを含有するFレーザ用合成石英ガラス、
である。
【0016】(2)気相合成法で作製した多孔質シリカ
を加熱して透明化する合成石英ガラスの製造方法であっ
て、多孔質シリカをAlとFとを含有する水溶液に浸漬し
た後、加熱して透明化し、合成石英ガラスが2ppm以上9p
pm以下のAlと1ppm以上100ppm未満のFを含有するように
した合成石英ガラスの製造方法、である。
【0017】(2)においては、気相合成法がVAD法
であることが好ましい。また、水溶液のAlイオン濃度が
0.5〜20ppmであること、水溶液中のFイオン濃度が3〜3
0ppmであること、水溶液中のAlイオンとFイオンの濃度
比Al/Fが0.16〜0.5であることが好ましい。さらに、
(2)の製造方法で製造された合成石英ガラスはF
ーザ用合成石英ガラスとして用いられることが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、上記に示したように大
別して、(1)合成石英ガラスと(2)合成石英ガラス
の製造方法、の発明からなる。以下では、(1)、
(2)に区分して詳述する。
【0019】(1)合成石英ガラス 本発明の合成石英ガラスは、2ppm以上9ppm以下のAlと1p
pm以上100ppm未満のFを含有するFレーザ用合成石英
ガラスである。
【0020】Alは、合成石英ガラス中の歪んだ≡Si−O
−Si≡結合の電子を引き寄せ、電荷分布を安定化させる
とともに、透明化処理をする際、脱離する酸素に置き換
わり、酸素欠乏欠陥の生成を抑制する。このため、波長
165nm以下における透過性が改善されると推定される。
そして、Alの含有量が2ppm以上9ppm以下の時、顕著な効
果が得られる。
【0021】また、Fは、歪んだ≡Si−O−Si≡結合に
電子を供給し、電荷分布を安定化させる効果を有する。
赤色発光が発生しないためには、その含有量を現状の検
出下限の100ppm未満にする必要がある。一方、Fの含有
量の下限は1ppm以上である。
【0022】AlとFは相補的な関係にあり、いずれか一
方のみしか、合成石英ガラス中に含有していない場合に
は、赤色発光がなく、高い光の透過性を有する合成石英
ガラスを得ることができない。
【0023】以上では、AlとFについて述べたが、合成
石英ガラスには不純物として、さまざまな元素が含有す
る。それらの元素は少ないほど好ましいが、許容される
不純物のレベルは、Clで1ppm以下、OH基で1ppm以下、
Al以外の金属不純物(Li、K、Mg、Ca、Ti、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu)で検出下限の1ppb以下である。
【0024】このような組成元素からなる合成石英ガラ
スであれば、赤色発光がなく、高い光の透過性を有する
ので、Fレーザ用合成石英ガラスとして好ましく使用
することができる。
【0025】(2)合成石英ガラスの製造方法 本発明の合成石英ガラスは、以下に示す(A)〜(D)
のような工程により製造する。
【0026】(A)気相合成法による多孔質シリカ(ス
ート体)の作製 まず、VAD法、MOCVD法、PVD法、プラズマ法
など公知の気相合成法で多孔質シリカを作製する。気相
成長法によるスート体の合成は、その作製方法を問わな
いが、金属不純物およびOH基の混入を避けるために、
VAD法により行うことが好ましい。VAD法では、例
えばSiClなどの高純度のケイ素化合物を酸素・水素火
炎中で加水分解し、気相化学反応により石英ガラスを種
棒の周囲に付着・堆積させ、スート体を合成する。
【0027】スート体は多孔質のため、(B)の浸漬工
程において、容易に浸漬させることができる。スート体
の多孔度(多孔質の密度)などについては、特に限定は
しない。しかし、均一な合成石英ガラスを得るために、
スート体の孔はスート体全体に均一に分布していること
が好ましい。
【0028】(B)スート体の浸漬 次に、スート体をAlとFとを含有する水溶液に浸漬す
る。例えば、VAD法の場合、従来は、ケイ素化合物の
加水分解をフッ素雰囲気中で行うことで、合成石英ガラ
スにFを含有させていたが、本発明では、水溶液への浸
漬によりFなどを導入する。このように、気相合成法を
行う雰囲気を調整して、Fなどを導入した場合には、合
成石英ガラスに含有するFの量の制御が難しく、100ppm
を超えるFが合成石英ガラス中に含有してしまうため、
本発明で規定する合成石英ガラスの製造は難しくなるた
めである。
【0029】スート体は多孔質であるため、水溶液に浸
漬した場合、孔中に水溶液が容易に侵入する。本発明で
使用する水溶液中にはAlとFが含有しているため、孔に
はAlとFがともに侵入する。このとき、スート体は水溶
液中に16〜64時間、浸漬させることが好ましい。
【0030】水溶液はAlとFをともに含有している必要
がある。AlとFを別々に含有させる、例えばAlのみ含有
する水溶液に浸漬し、次いでFのみ含有する水溶液に浸
漬するようにした場合には、AlとFがともに含有する水
溶液に浸漬した場合に比べ、≡Si−O−Si≡結合が弱
く、結合の安定性が低くなる。その結果、光の透過性が
低下する。
【0031】これは、Alのみ、Fのみを含有する水溶液
にそれぞれ浸漬した場合は、AlとFが帯電した状態でス
ート体に取り込まれるのに対し、AlとFとを含有する水
溶液に浸漬した場合は、電気的にほぼ中性が維持された
状態でスート体に取り込まれるためであると推測され
る。
【0032】スート体を浸漬させる水溶液は、その溶質
の種類を問わない。しかし、極力不純物の混入による透
過性の低下などの悪影響を避けるため、AlF、Al(N
、AlCl、NaF、NHF、HF、HSiF
などを溶質として溶解させることが好ましく、特に、Al
単体またはAl(NOとNaFの混合体を溶質と
して溶解させることがより好ましい。
【0033】AlとFとを含有する水溶液の濃度や組成比
は、最終的に得られる合成石英ガラスが2ppm以上9ppm以
下のAlと1ppm以上100ppm未満のFを含有するようになれ
ば、特に限定しない。しかし、水溶液のAlイオン濃度が
0.5〜20ppm(0.5ppm以上20ppm以下)であることが好ま
しい。また、Fイオン濃度が3〜30ppm(3ppm以上30ppm
以下)であることが好ましく、水溶液中のFイオン濃度
は15〜30ppm(15ppm以上30ppm以下)であることがより
好ましい。Al、Fいずれもこの濃度を超えると、透明化
処理の際に、合成石英ガラスが失透してしまい、光学材
料として使用できなくなり、また、この濃度に満たない
と合成石英ガラスの透過率は改善されない。
【0034】また、水溶液中のAlイオン濃度とFイオン
濃度の比(Al/F)は、Al3+イオンとFイオンの価
数比が3:1であることから、F原子の電荷状態を補償
するため、Al/Fの濃度比Al/Fを0.33に近づける、す
なわち、Al/Fを0.16〜0. 5(0.16以上0.5以下)とす
ることが好ましく、Al/Fを0.3〜0.36(0.3以上0.36以
下)とすることがより好ましい。
【0035】以上のように水溶液中のAlイオン濃度、F
イオン濃度およびAl/Fを調整すれば、透明化処理によ
り得られる合成石英ガラスに含有するAlとFをそれぞれ
2ppm以上9ppm以下、1ppm以上100ppm未満とすることがで
きる。
【0036】(C)透明化処理 AlおよびFを含有する水溶液からスート体を取り出した
後、スート体に透明化処理を施す。ここで、透明化処理
とは、スート体を焼結させて緻密化し透明な合成石英を
得る処理のことである。透明化処理は一般に行われてい
るように行えばよく、孔が除去できる程度の非常に低い
速度でスート体を加熱炉の均熱帯域で移動させればよ
い。孔を取り除ければ、透明化処理の条件(雰囲気、圧
力、温度、昇温速度、冷却速度など)は特に限定しな
い。
【0037】合成石英ガラス中に孔を残さないために
は、真空もしくは不活性ガスの減圧下(<0.1Torr)で行
うことが好ましい。また、透明化処理を施す前に、酸素
雰囲気下でプレアニールを行ってもよい。
【0038】このようにして透明化処理されたスート体
は、プリフォーム材と呼ばれる。最終的にこのプリフォ
ーム材にさらに熱処理を加え、最終製品である合成石英
ガラスを得る。
【0039】(D)最終熱処理 透明化処理を施した後は、プリフォーム材をさらに熱処
理する。この熱処理を加えることにより、プリフォーム
材中に存在する不安定構造の三員環、四員環構造等を取
り除くことができる。これらの不安定構造を除去するに
は、1000〜1200℃で熱処理を行い、急激な温度変化に伴
う歪みが生じるのを避けるため、800〜1000℃まで16〜6
4時間かけて徐冷した後、室温まで放冷すればよい。
【0040】このとき、酸素雰囲気下で熱処理を行うこ
とが好ましい。プリフォーム材の表面より酸素が逃げ、
表面に酸素欠乏欠陥が発生することを抑制することがで
きる。
【0041】また、製造設備の不具合により生じる汚染
や、酸素欠乏欠陥の生成が懸念される場合には、プリフ
ォーム材を別に作製した石英ガラス製ダミー材で挟むな
どの処理を施し、直接、熱処理雰囲気に接触しないよう
にしてもよい。ただし、ダミー材は合成石英ガラスと同
等またはそれ以上の純度を有していることが必要であ
る。
【0042】このようにして作製された合成石英ガラス
は、Fに起因する赤色発光がなく、波長165nm以下の波
長領域の光の透過性も良好であるので、Fレーザ用合
成石英ガラスとして使用するのに適している。
【0043】
【実施例】まず、本発明に係る合成石英ガラスをVAD法
に従って以下の手順で作製した。高純度ケイ化合物であ
る四塩化ケイ素(SiCl)を原料とし、酸素・水素火炎
中で気相化学反応させることで微粒子状の合成石英ガラ
スを合成し、これを種棒の周囲に付着・堆積させ、スー
ト体を形成した。
【0044】続いて、得られたスート体を切断し、25mm
×25mm×80mmのブロック状に切り出し、AlとFとを含有
する水溶液に64時間、浸漬した。
【0045】表1は、ブロック状のスート体を浸漬させ
た水溶液の成分を示す表である。水溶液は、溶質として
溶解させる化合物の量および比率を変えることによっ
て、溶液中のAlイオン濃度とFイオン濃度を変化させ、
最終的に得られる合成石英ガラスのAlおよびFの含有量
を調節した。
【0046】
【表1】
【0047】浸漬したスート体を水溶液中から取り出し
た後は、13Pa以下に真空引きした加熱炉で、200℃で4時
間保持し、次いで、真空を維持しつつ、200℃から1325
℃まで4時間で昇温後、10時間保持し、さらに1450℃ま
で1時間で昇温後、6時間保持した。この後、16時間か
けて1000℃まで冷却し、室温まで放冷することにより、
透明化処理を行い、プリフォーム材を作製した。
【0048】そして、得られたプリフォーム材を切断
し、10mm×10mm×40mmのブロック状に切り出し、レーザ
を入射、出射させる面を光学研磨した。このプリフォー
ム材は、さらに、常温、酸素雰囲気中で室温から1200℃
まで4時間で昇温後、16時間保持し、16時間かけて800℃
まで冷却し、室温まで放冷して、最終的に合成石英ガラ
スを得た。
【0049】以上のようにして得られた合成石英ガラス
を試験片として、組成、透過率および赤色発光の有無を
調べた。試験片の組成は、試験片をICP質量分析装置(V
G社製 Plasma Quad PQ-2 Plus)で測定した。透過率
は、同試料片に波長157nmの紫外光を入射し、透過率を
真空紫外分光光度計(日本分光(株)社製VUV-200)で
測定した。また、赤色発光の有無は分光蛍光光度計(日
本分光(株)社製FP-777)で調べた。
【0050】表2は、各試料片の組成および波長157nm
の紫外光の透過率を示した表である。ICP質量分析装置
による組成分析では、Clの含有量およびOH基の含有量は
1ppm以下、金属不純物の含有量はすべて1ppb以下であ
り、いずれも検出下限以下であったため、表2への記載
を省略した。また、Fの含有量も、検出下限以下の100p
pm以下であった。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示した試料片はいずれもFの含有量
が低いため、赤色発光は見られなかったが、表2から明
らかなように、本発明で規定するAlおよびFの含有量を
満足する試料片は、いずれも157nmの紫外光に対し、60
%以上の高い透過率を示したのに対し、本発明で規定す
る範囲外の試料片は、いずれも透過率が50%以下であっ
た。これより、本発明の合成石英ガラスは、Fレーザ
用合成石英ガラスには適していることが分かった。
【0053】
【発明の効果】本発明に係る合成石英ガラスは、AlとF
とを含有する水溶液にそのスート体を浸漬した後、透明
化処理を施して製造するため、Al含有量、F含有量がそ
れぞれ2ppm以上9ppm以下、1ppm以上100ppm未満を満足す
る合成石英ガラスを製造することができ、赤色発光がな
く、波長165nm以下の波長領域における光の透過性が良
好な合成石英ガラスを得ることができる。このような合
成石英ガラスはFレーザ用合成石英ガラスに適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 3/034 H01S 3/03 G Fターム(参考) 4G014 AH21 AH23 4G062 AA04 BB02 CC07 DA01 DB02 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE02 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM02 NN16 NN20 5F071 AA04 DD04 DD06 FF07 FF09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2ppm以上9ppm以下のAlと1ppm以上100ppm未
    満のFを含有することを特徴とするFレーザ用合成石
    英ガラス。
  2. 【請求項2】気相合成法で作製した多孔質シリカを加熱
    して透明化する合成石英ガラスの製造方法であって、前
    記多孔質シリカをAlとFとを含有する水溶液に浸漬した
    後、加熱して透明化し、前記合成石英ガラスが2ppm以上
    9ppm以下のAlと1ppm以上100ppm未満のFを含有するよう
    にしたことを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】前記気相合成法がVAD法であることを特
    徴とする請求項2に記載の合成石英ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】前記水溶液のAlイオン濃度が0.5〜20ppmお
    よびFイオン濃度が3〜30ppmであり、かつAlイオンとF
    イオンの濃度比Al/Fが0.16〜0.5であることを特徴と
    する請求項2または3に記載の合成石英ガラスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記合成石英ガラスがFレーザ用合成石
    英ガラスであることを特徴とする請求項2~4のいずれ
    かに記載の合成石英ガラスの製造方法。
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