JP2003026090A - 自律型無人航走体を用いた海底探査方式及びその装置 - Google Patents

自律型無人航走体を用いた海底探査方式及びその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】自律型無人航走体が容易に出入りできる水中ス
テーションを用いた海底探査方式。 【解決手段】母船1から下げた水中ステーション3と、
海底15の第2トランスポンダ14と、第3トランスポンダ
12及び第3受波器13を有する自律型無人航走体4とから
成る。水中ステーション3は、収納部5と、動力源格納
部6と、第1トランスポンダ9と、第1,第2の受波器
7,8と、複数のスラスタ10a 〜10c とを有する。第2
トランスポンダ14の信号を航走体4の第3受波器13で受
信して航走体4を制御すると共に第1受波器7で受信し
て水中ステーション3のスラスタ10a 〜10c を制御す
る。航走体4の第3トランスポンダ12の信号を水中ステ
ーションの第2受波器8により受信してスラスタ10a 〜
10c の制御を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的大深度の海
域において、海底の地層などの探査を行う場合に良好な
自律型無人航走体を用いた海底探査方式及びこの方式を
実施するための海底探査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自律型無人航走体は、予め、所定の探査
域に設置した音響トランスポンダの信号を受けて自航す
ると共に、自航中に、海底に向けて音波を発信し、その
反射波を受信して、例えば、海中の観測や地層探査など
を行い、それが終了すると、母船に揚収されていた。
【0003】しかし、自律型無人航走体は、母船との間
のケーブルを持たないために、電力などの動力源に制約
があり、長時間航行することができなかった。このた
め、母船に頻繁に揚収して動力を補給する必要があっ
た。
【0004】ところが、探査する海域が1000mを超
える大深度の場合、動力補給のために母船まで戻ると、
その間に要する時間と、余分な動力が必要になり、作業
効率が著しく悪化する。
【0005】このような問題を解決するため、水中ステ
ーションを海中に配置して無索式無人潜水艇に動力を供
給する案が提案されている(特開平3−266794号
公報)。
【0006】すなわち、この水中ステーションは、母船
からランチャーを介して海中に下ろされ、複数の推進器
によって移動可能になっていると共に、無索式無人潜水
艇を収容して電力などの動力を補給できるようになって
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の水中ス
テーションは、ランチャーの移動などにより、その位置
が変化し易いため、無索式無人潜水艇の収容に多くの時
間を要するという問題がある。
【0008】特に、従来の水中ステーションは、その一
方の側面のみに入り口が設けられているため、無索式無
人潜水艇が入り口の反対側にいる場合には、水中ステー
ションの回りを180度旋回しなければならないことが
あり、収容が難しくなると共に、収容時間が更に長くな
る。
【0009】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、自律型無人航走体が容易に出入りできる水中ステー
ションを用いた海底探査方式及びその装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、次のように構成されている。
【0011】すなわち、 (1) 母船から海中に吊り下げられた水中ステーショ
ンと、海底に設置された第2トランスポンダと、第3ト
ランスポンダ及び第3受波器を有する自律型無人航走体
とから成り、前記水中ステーションが、自律型無人航走
体を収納する収納部と、動力源を格納する動力源格納部
と、第1トランスポンダと、第1及び第2の受波器と、
複数のスラスターとを備えており、前記海底に設置され
た第2トランスポンダの信号を、自律型航走体の第3受
波器によって受信して自律型航走体の航走を制御すると
共に第1受波器によって受信して水中ステーションのス
ラスターを制御し、更に、自律型航走体の第3トランス
ポンダの信号を水中ステーションの第2受波器によって
受信して前記スラスターの制御を補正することを特徴と
する自律型無人航走体を用いた海底探査方式である。
【0012】(2) 母船から海中に吊り下げられた水
中ステーションと、海底に設置された第2トランスポン
ダと、第3トランスポンダ及び第3受波器を有する自律
型無人航走体とから成り、前記水中ステーションが、自
律型無人航走体を収納する収納部と、動力源を格納する
動力源格納部と、第1トランスポンダと、第1及び第2
の受波器と、複数のスラスタとを備えている自律型無人
航走体を用いた海底探査装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0014】図1において、1は、母船であり、母船1
から海中に水中ステーション3が吊り下げられている。
水中ステーション3は、図2に示すように、その内部に
自律型無人航走体4を収納する収納部5と、電池などの
動力源を格納する動力格納部6とを備えている。
【0015】また、この水中ステーション3は、その下
部に第1,第2の二つの受波器7,8を備えると共に、
その上部に第1トランスポンダ9を備えている。更に、
水中ステーション3は、前進及び後進用の2台のスラス
ター10aと、横行用スラスター10bと、昇降用の2
台のスラスター10cとを備えている。
【0016】また、図1に戻って説明すると、自律型無
人航走体4は、その下部に圧電素子(PZT)などの振
動源11を有し、更に、船体上面に第3トランスポンダ
12を有すると共に、船首部に第3受波器13を備えて
いる。また、海底15には、第2トランスポンダ14が
設置されている。
【0017】上記水中ステーション3及び自律型無人航
走体4は、母船1によって所定の探査海域に運搬された
後、海中に下ろされる。海中の水中ステーション3は、
第2トランスポンダ14の信号P1 を第1受波器7によ
って受信し、その信号を制御装置(図示せず)に入力し
てスラスター10a〜10dを制御し、水中ステーショ
ン3の定点保持を図る。
【0018】一方、自律型無人航走体4は、第3受波器
13によって第2トランスポンダ14の信号P1 を受信
して自由に自航する。自航中に、例えば、振動源11か
ら振動波P2 を発し、その反射波を、例えば、母船1に
搭載した受信器(図示せず)、海底15に敷設したハイ
ドロホン内装海底ケーブル(図示せず)、あるいは自律
型無人航走体4により曳航されるストリーマーケーブル
(図示せず)によって受信して地層を探査する。
【0019】しかして、自律型無人航走体4の動力が所
定量まで経過すると、自律型無人航走体4に設けた第3
受波器13によって水中ステーション3に設置した第1
トランスポンダ9の信号P3 を受信し、自律型無人航走
体4を水中ステーション3に向けて航走させる。と同時
に、自律型無人航走体4の第3トランスポンダ12から
の信号P4 を水中ステーション3の第2受波器8により
受信し、これを制御装置(図示せず)に入力して2台の
スラスター10aを制御する。
【0020】すなわち、図3に示すように、自律型無人
航走体4が矢印Aの方向を向いている場合には、前進及
び後進用の2台のスラスター10aを制御して水中ステ
ーション3を実線で示す方向から二点破線で示す方向に
90度旋回させ、収納部5の入り口5aが自律型無人航
走体4の船首と対向するようにする。
【0021】しかる後に、自律型無人航走体4を、その
まま矢印A方向に前進させると、自律型無人航走体4が
水中ステーション3の収納部5に収容される。
【0022】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、母船か
ら海中に吊り下げられた水中ステーションの定点保持が
可能になると共に、自律型無人航走体の動力を補給する
場合には、水中ステーションに収容する自律型無人航走
体の方位に対して収納部の入り口が対向するように水中
ステーションを旋回させることができる。
【0023】従って、自動無人航走体の早期収容が可能
となり、動力補給に要するトータル時間を短縮すること
ができ、以て、探査期間の短縮を計ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海底探査方式の概略図である。
【図2】水中ステーションの断面図である。
【図3】水中ステーションの旋回説明図である。
【符号の説明】
1 母船 2 ランチャー 3 水中ステーション 4 自律型航走体 5 収納部 6 動力源格納部 7 第1受波器 8 第2受波器 9 第1トランスポンダ 10a〜10b スラスター 11 駆動源 12 第3トランスポンダ 13 第3受波器 14 第2トランスポンダ 15 海底

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母船から海中に吊り下げられた水中ステ
    ーションと、海底に設置された第2トランスポンダと、
    第3トランスポンダ及び第3受波器を有する自律型無人
    航走体とから成り、前記水中ステーションが、自律型無
    人航走体を収納する収納部と、動力源を格納する動力源
    格納部と、第1トランスポンダと、第1及び第2の受波
    器と、複数のスラスターとを備えており、前記海底に設
    置された第2トランスポンダの信号を、自律型航走体の
    第3受波器によって受信して自律型航走体の航走を制御
    すると共に第1受波器によって受信して水中ステーショ
    ンのスラスターを制御し、更に、自律型航走体の第3ト
    ランスポンダの信号を水中ステーションの第2受波器に
    よって受信して前記スラスターの制御を補正することを
    特徴とする自律型無人航走体を用いた海底探査方式。
  2. 【請求項2】 母船から海中に吊り下げられた水中ステ
    ーションと、海底に設置された第2トランスポンダと、
    第3トランスポンダ及び第3受波器を有する自律型無人
    航走体とから成り、前記水中ステーションが、自律型無
    人航走体を収納する収納部と、動力源を格納する動力源
    格納部と、第1トランスポンダと、第1及び第2の受波
    器と、複数のスラスタとを備えている自律型無人航走体
    を用いた海底探査装置。
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