JP2003025195A - セラミック素子の製造装置 - Google Patents

セラミック素子の製造装置

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JP2003025195A JP2001209847A JP2001209847A JP2003025195A JP 2003025195 A JP2003025195 A JP 2003025195A JP 2001209847 A JP2001209847 A JP 2001209847A JP 2001209847 A JP2001209847 A JP 2001209847A JP 2003025195 A JP2003025195 A JP 2003025195A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設体がセラミック焼結体の径方向の中心軸
上に位置するように研磨することが可能なセラミック素
子の製造装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 本セラミック素子の製造装置は、X線検
知部31と、回転制御部32と、X線透過像処理部33
とを備える。また、X線透過像の発熱体22の輪郭か
ら、断面像における発熱体42の横断線を求め、その中
心を通る位置を算出することで研磨前セラミックヒータ
20の研磨時の回転軸を求めることができる。この得ら
れた回転軸が中心となるように、研磨前セラミックヒー
タ20を粗研磨した後、センタレス研磨加工により仕上
げ研磨して、目的とするセラミックヒータ2を得る。こ
れにより従来のようなセラミック焼結体中の発熱体を埋
設する際の厳重な管理をしなくとも、セラミック焼結体
中に埋設された発熱体を径方向の中心位置の精度を高め
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グロープラグ用の
セラミックヒータ等、円柱形状のセラミック焼結体に発
熱体等の埋設体が埋設されているセラミック素子の製造
装置に関する。更に詳しくは、埋設体がセラミック焼結
体の径方向の中心軸上に位置するように研磨することが
できるセラミック素子の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの始動補助等に用い
られるグロープラグのセラミックヒータは、セラミック
焼結体に発熱体を埋設したものが多い。このようなグロ
ープラグは図1及び2に示すように、発熱体22と、こ
の発熱体22へ給電を行うリード線23、24とがセラ
ミック焼結体21に埋設されているセラミックヒータ2
を、金具11に設けた構成となっている。また、使用す
るセラミックヒータは耐熱性に優れているため、通電に
より急速に発熱し昇温させることが可能である。この具
体例として、特許3004134号公報、特開平10−
110951号公報、特開2000−121055号公
報、特開2000−130754号公報及び特開200
0−193241号公報を挙げることができる。
【0003】このようなセラミックヒータを作製するに
は、射出成型法等を用いて作製した未焼成の発熱体をセ
ラミック粉末中に埋設し、プレス成型法等を用いて棒状
で未焼成のセラミック成形体を形成する。次いで、この
未焼成のセラミック成形体をホットプレス焼成法等の公
知の焼成方法を用いて焼成し、図4に例示するような研
磨前セラミックヒータ20を得る。その後、この研磨前
セラミックヒータ20の外周面にセンタレス研磨等の研
磨加工を施してセラミックヒータ2が得られる。
【0004】このセラミックヒータ2を組み込んだグロ
ープラグ1は、燃料等の可燃性流体の着火及び燃焼を促
進するために、できるだけセラミックヒータの全周にお
いて均等な発熱が得られるようにすることが望ましい。
また、均等な発熱を行うにはセラミック焼結体の径方向
の中心に発熱体を位置させることが好ましい。発熱体か
らセラミックヒータの表面までの距離が略同じとなり、
熱の伝導が均等になるためである。
【0005】しかし、セラミック焼結体21中における
発熱体22は、埋設時の位置精度を容易に高めることが
できず、埋設時に片寄ることがあるため温度ムラが発生
して均等な発熱が十分に得られない問題がある。この問
題を解決するために、発熱体となる導電材の粒子径や粒
度組成を規定することで有効発熱部領域の発熱温度分布
を均一化したセラミックヒータが特開平9−18086
3号公報に開示されている。また、セラミックヒータを
一旦発熱させてセラミックヒータ表面の温度分布を温度
検出手段によって測定した後、得られた温度分布に基づ
いて温度の低い部分のセラミック焼結体を切削し、薄層
化することで均熱化したセラミックヒータが特開平11
−162620号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平9−1
80863号公報に例示される方法では発熱体の片寄り
によってセラミックヒータの均熱性が低下する場合があ
る。また、特開平11−162620号公報に例示され
る方法では、複雑形状の切削等を行う必要があり、煩雑
であった。ところで、埋設時の発熱体の位置精度を高め
るには成型圧力、焼結体の重量及び焼結体の寸法精度等
の多数のパラメータを管理制御する必要がある。これら
の管理制御を行うとセラミックヒータの製造工数が増え
てしまい、製造コストの低減の妨げになる。また、セン
タレス研磨加工は、焼結体の外周に沿った研磨を行うた
めに、研磨前の焼結体内の発熱体の位置精度が低くて片
寄りがあった場合であっても、これを矯正することがで
きず、加工後も発熱体の位置が片寄ったものとなる。こ
のため、セラミックヒータの均熱性が低下する。
【0007】また、作製するセラミック焼結体の径をよ
り大きくして、発熱体が片寄って埋設された場合であっ
ても、セラミック焼結体表面及び発熱体の間の厚みを一
定以上確保する必要があった。従って、余分に確保した
厚みの分だけセラミックヒータの小型化が困難になると
ともに、セラミック焼結体の熱容量も大きくなり、省電
力化、昇温性能の向上が難しくなる問題が生じる。本発
明は、このような問題点を解決するものであり、セラミ
ック焼結体の径方向の中心軸上に発熱体が位置するよう
に研磨をすることが可能なセラミック素子の製造装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック素子
の製造装置は、セラミック焼結体21に埋設される埋設
体22の中心部が回転軸上となるよう研磨し、略円柱形
状のセラミック素子2を作製するためのセラミック素子
の製造装置であって、X線検知部31、回転制御部32
及びX線透過像処理部33を備え、該X線検知部は、該
セラミック焼結体にX線照射を行うX線照射部311
と、該セラミック焼結体を透過したX線透過像を検知す
るX線透過像検知部312とを具備し、該回転制御部3
2は、該セラミック焼結体を保持しながら回転させ、該
X線透過像処理部33は、該X線透過像検知部から得ら
れたX線透過像を画像処理して該埋設体の輪郭を求める
輪郭検出部332と、該輪郭検出部により得られた該輪
郭に対応して上記回転の動作を該回転制御部に指示する
回転指示部335と、該輪郭検出部により検出された輪
郭の中心部を通過する直線を回転軸として出力する回転
軸出力部333とを具備することを特徴とする。
【0009】上記「セラミック素子」は、上記「セラミ
ック焼結体」に任意の上記「埋設体」を埋設し円柱形状
に研磨して製造される素子であればよい。この例として
グロープラグに用いられる上記埋設体が発熱体であるセ
ラミックヒータ等を挙げることができる。また、セラミ
ック素子は、リード線等の任意の要素を配設することが
できる。
【0010】上記「輪郭検出部」及び上記「回転軸出力
部」は、焼成したセラミック焼結体中に埋設された埋設
体の位置を検出し、その埋設体の中心部を求める手段で
ある。また、セラミック焼結体中に埋設された埋設体の
位置を検知するための像を得るには、生産性を考慮すれ
ばX線を用いることが好ましい。更に、X線を用いた具
体的な装置としては、埋設体を埋設したセラミック焼結
体を透過したX線像の処理をして断面像を得ることがで
きるX線マイクロフォーカス装置やX線CT装置を例示
することができる。
【0011】上記「研磨」は任意の回転軸によってセラ
ミック焼結体を略円柱形状に加工することができる方法
であればよく、円筒研削盤でトラバース研削を用いて研
磨する方法等を例示することができる。また、上記研磨
は、粗研磨及びセンタレス研磨をこの順に行い、該粗研
磨は上記埋設体の中心部が上記回転軸となるよう、上記
セラミック焼結体の外周を研磨することができる。つま
りトラバース研削等による研磨は研磨時間が掛かるた
め、セラミック焼結体の形状がおおよそ円柱状になるま
でトラバース研削等による粗研磨を行い、その後はセン
タレス研磨等によって本研磨を行うことで、埋設体の位
置精度を高く保ったまま、短時間で大量の研磨が可能と
なる。センタレス研磨は外周面を均等厚さで研磨するた
め、研磨前の断面形状が略真円であれば研磨後も真円で
あり、且つ中心のずれがほとんど生じないためである。
【0012】尚、センタレス研磨加工の研磨代は、セラ
ミックヒータの直径が約3.5mmの場合、通常200
〜300μm(好ましくは50〜190μm、より好ま
しくは80〜180μm、更に好ましくは100〜16
0μm)の範囲に設定されることが多い。また、本発明
においては、画像処理手段によって検出された埋設体の
中心部を通る回転軸に沿ってセンタレス研磨加工を行う
ため、200μm以下の研磨代を設定することが可能で
ある。研磨代の設定を少なくすることで、研磨に要する
時間を短縮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜15を用いて本発明
のセラミック素子の製造装置を実施例により更に詳しく
説明する。本実施例のセラミック素子の製造装置は、セ
ラミック素子であるグロープラグ用のセラミックヒータ
を製造するために用いられる。また、セラミックヒータ
の全製造工程のうち焼成した研磨前セラミックヒータを
円柱形状に研磨する工程で用いられる。
【0014】1.本セラミック素子の製造装置の構成及
び使用方法 (1)セラミック素子の製造装置の構成 本実施例のセラミック素子製造装置3は図8に示すよう
に、X線検知部31、回転制御部32及びX線透過像処
理部33を備える。X線検知部31は、X線照射部31
1及びX線透過像検知部312を具備するX線マイクロ
フォーカス装置である。また、X線照射部311は、研
磨前セラミックヒータ20のX線透過像を検知するため
のX線源である。更に、X線透過像検知部312はX線
照射部311から発せられ、研磨前セラミックヒータ2
0を透過したX線透過像の検知を行い、得られた信号を
331に送信する。また、回転制御部32は、X線検知
部31にてX線透過像の検知を行う研磨前セラミックヒ
ータ20を保持しながら任意の角度だけ回転させる装置
である。
【0015】X線透過像処理部33は、画像信号取込部
331、輪郭検出部332、画像出力部333、画像表
示部334及び回転指示部335を備える。画像信号取
込部331は、X線透過像検知部312から送信される
X線透過像信号を取り込む。また、輪郭検出部332
は、画像信号取込部331によって得られたX線透過像
信号を画像処理して埋設体の輪郭を求める装置である。
更に、画像出力部333は回転軸出力部であり、検出さ
れた輪郭からその幅を求めて対応する回転軸を求め、そ
の表示をX線透過像に重ねて、回転軸の位置や画像デー
タを画像表示部334に出力する装置である。回転指示
部335は、輪郭検出部332によって検出された輪郭
に対応して回転動作の制御を行うため回転制御部32に
指示する装置である。
【0016】(2)セラミックヒータの構成 初めに、研磨対象となるセラミック素子であるセラミッ
クヒータの構成について説明する。本セラミック素子製
造装置3の研磨対象となるセラミックヒータ2は、図1
及び図2に示すようにグロープラグ1の先端部分に篏装
されて用いられるものであり、図3に示すように、セラ
ミック焼結体21と、このセラミック焼結体21内に埋
設される埋設体である発熱体22と、発熱体22に電圧
を印加するためのリード線23、24とを備える。ま
た、セラミックヒータ2の形状は、研磨前は図4及び図
6に示すように直方体形状であるが、研磨によって図1
〜3に示すような略円柱形状となる。
【0017】セラミック焼結体21は、窒化硅素焼結体
でありホットプレスにて焼結形成される。また、焼成直
後の形状は図4及び図6に示すように直方体であるが、
本セラミック素子製造装置3を用いて研磨を行うこと
で、図3に示すような略円柱形状となる。更に、発熱体
22は、セラミック焼結体21の焼結前に埋設され、炭
化タングステンによって導電性を付与された略U字形状
の窒化珪素焼結体であり、給電により発熱する。また、
リード線23、24はタングステン等によって構成さ
れ、セラミック焼結体21に埋設された発熱体22に外
部から給電を行う。
【0018】(3)研磨時の回転軸の決定方法 本セラミック素子の製造装置を用いて、研磨時の回転軸
を決定する方法について説明する。研磨前セラミックヒ
ータ20のX線透過像から得ることができるセラミック
焼結体21及び発熱体22(図4参照)の輪郭像は一種
類に限られず、研磨前セラミックヒータ20の長尺方向
を軸として回転させることで、例えば図4及び図6に示
すように、撮影した方向によって異なる輪郭像を得るこ
とができる。また、発熱体22の形状はU字形状である
ため、図5に示すように輪郭像がU字形状にみえる平面
像の場合は、その幅261、262が最大となり、図7
に示すように輪郭像が棒形状にみえる側面像の場合は、
その幅263、264が最小となる。
【0019】つまり、研磨前セラミックヒータ20を回
転制御部32によって回転させて、発熱体22の輪郭の
幅が最小及び最大となる2種類のX線透過像を得ること
で、研磨時の回転軸の位置決定に必要な発熱体22の位
置を特定することができる。また、この2種類のX線透
過像における発熱体22の輪郭像を横断する、2本の横
断線(図6においては261、262、図7においては
263、264)の中間点を通過する直線25は、埋設
体である発熱体22の中心部を通過する線であり、これ
を研磨時の回転軸として出力することで、研磨時の回転
軸を決定するという本製造装置の目的を達成することが
できる。
【0020】(4)セラミック素子の製造装置の動作 上記「(3)研磨時の回転軸の決定方法」により研磨時
の回転軸を決定する手順を順に説明する。初めに、回転
軸を求める研磨前セラミックヒータ20をその長尺方向
が回転軸となるように回転制御部32へ取付ける。ま
た、研磨前セラミックヒータ20のX線透過像をX線検
知部31を用いて取得し、画像信号取込部331を介し
て輪郭検出部332へ送信し、輪郭検出部332によっ
てセラミック焼結体21及び発熱体22(図4参照)の
輪郭像を求める。更に、発熱体22の横断線(図5にお
ける261、262、図7における263、264)を
求め、この線長が最小又は最大となる輪郭像が得られる
まで、回転指示部335を介して回転制御部32へ指示
を送信し、研磨前セラミックヒータ20を回転させる。
【0021】次いで、画像出力部333は得られた最大
横断線261、262と最小横断線263、264のそ
れぞれの中間点を通過する直線25を回転軸として求
め、その表示をX線透過像に重ねて画像表示部334に
出力する。また、研磨前セラミックヒータ20に得られ
た回転軸の位置は、研磨時に利用できるように記憶され
る。この例として、回転軸の位置をレーザ光によって研
磨前セラミックヒータ20の回転軸が露出する面に刻印
したり、回転軸の位置を再現可能な座標情報として研磨
時の固定装置に送信することを挙げることができる。
【0022】(5)研磨方法 「(4)セラミック素子の製造装置の動作」にて求めた
回転軸を回転の中心となるよう、セラミック焼結体21
を円筒研削盤に固定し、セラミック焼結体21の外周を
トラバース研削によって粗研磨を行う。次いで、センタ
レス研磨加工による本研磨を行って目的とするセラミッ
クヒータ2を得る。この作製されたセラミックヒータ2
は、図3に示すようにセラミック焼結体21中の先端側
の径方向の中心軸上に発熱体22が位置する。
【0023】(6)グロープラグの作製 上記各工程を経ることによって作製されたセラミックヒ
ータ2は、図1及び図2に示すように金具11内に挿入
固定され、グロープラグ1が作製される。このグロープ
ラグ1は、発熱する部位である先端側に発熱体22が配
置される形でセラミックヒータ2を備える。セラミック
ヒータ2は、金属製の固定筒12に貫装、保持される。
一方、この固定筒12は金具11の先端側にロウ付けに
より固定される。尚、金具11の外周には、グロープラ
グ1をエンジンに取り付けるための取り付けねじ部13
が螺刻され、さらに取り付ける際にインパクトレンチを
あてがうための六角状の工具係合部14が形成されてい
る。
【0024】2.芯振れの検討 本セラミック素子の製造装置によって作製される直径
3.34mmの実施例と、粗研磨を行わずにセンタレス
研磨を行った直径3.5mmの比較例とを用意し、その
発熱体22が埋設されている部位を切断して、セラミッ
クヒータの中心軸に対する発熱体の中心部を通る回転軸
のずれ(以下、「芯振れ」という。図15を参照。)を
計測し、プロットした結果を図9〜12に示す。図9及
び図10は実施例のセラミックヒータの芯振れのプロッ
トであり、図9は先端側(図5では101)、図10は
端子側(図5では100)である。また、セラミックヒ
ータの先端からそれぞれ5mm、10mmの位置であ
る。一方、図11及び図12は比較例のセラミックヒー
タの芯振れのプロットであり、図11は先端側、図12
は端子側である。尚、発熱体及びセラミック焼結体表面
の間の最小厚さは、実施例及び比較例のいずれも0.1
6mm以上である。
【0025】図9及び図10に示すように、本実施例の
セラミックヒータでは、発熱体のヒータ先端側及び端子
側のいずれも芯振れが約0.04mm以内と、約±1%
の誤差内に収まっていることがわかる。一方、図11及
び図12に示すように、比較例のセラミックヒータで
は、約0.1mm以内と、約±3%の誤差が生じてお
り、実施例より発熱体の片寄りが大きいことがわかる。
このように、本発明のセラミック素子の製造装置によっ
て製造されるセラミックヒータは、比較例より直径が小
さいにもかかわらず、芯振れが少なく発熱体が中心に位
置している。
【0026】3.発熱特性の検討 印加電圧が10V、11Vの条件で、上記「2.芯振れ
の検討」と同じ実施例及び比較例のセラミックヒータの
発熱特性を求め、図13及び図14に示す。図13に示
すように印加電圧が10Vの場合、比較例のセラミック
ヒータの発熱温度が1120〜1160℃であるのに対
し、芯振れが少なく外形を細くすることができたため、
表面積が少なくなり熱逃げによるロスが少なくなった本
実施例のセラミックヒータでは1170〜1210℃と
高温を得ることができた。また、比較例の平均電力が8
1.5Wであるのに対し、実施例の平均電力が80.0
Wと低消費電力であった。更に、図14に示すように印
加電圧が11Vの場合、比較例が1230〜1280
℃、93.2Wであるのに対し、本実施例は1290〜
1330℃と高温・低消費電力のセラミックヒータを得
ることができた。
【0027】4.本セラミック素子の製造装置の効果 本セラミック素子の製造装置は、セラミック焼結体中に
埋設された埋設体である発熱体の中心部を通る回転軸を
求めることができるため、その回転軸を径方向の中心軸
上としてセラミック焼結体の外周を粗研磨を行うこと
で、従来のようなセラミック焼結体の作製時の厳重な精
度の管理をしなくても、セラミック焼結体中に埋設され
た埋設体の中心位置の精度を高めることができる。この
ように、埋設体である発熱体がセラミック焼結体の径方
向の中心軸上に位置するセラミックヒータは、発熱体が
片寄って埋設された場合を考慮して、セラミック焼結体
表面と発熱体との厚みを余分に確保する必要がなく、同
じ発熱体を用いてより直径を小さくすることができ、小
型化が従来より容易になる。その結果、発熱体から発せ
られる熱がより短い時間でセラミック焼結体の外周に伝
導し、セラミックヒータの昇温性能が向上する。また、
発熱の伝達時間の短縮、発熱むらの減少及び熱容量の減
少によって、必要な発熱に要する電力を低減することが
できる。
【0028】更に、本発明のセラミック素子の製造装置
は、従来の製造方法のような分割予備焼結体や複合焼結
体を作製するプレス成形工程における発熱体の埋設位置
精度の管理を厳密にする必要がなく、製造歩留まりの向
上及び製造コストの低減を図ることができる。
【0029】尚、本発明においては、上記実施例に限ら
れず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更し
た実施例とすることができる。即ち、セラミック素子の
製造装置はセラミックヒータの製造に限らず、他の用途
に用いることができる。また、本実施例では、横断線2
61、262等が最大及び最小となる2種類のX線透過
像を用いて回転軸を決定したが、これに限らず、異なっ
た基準で得た2種類のX線透過像を用いて回転軸を決定
することができる。例えば、セラミック焼結体の方向
(例えば平面及び側面となる位置)を基準にする2種類
のX線透過像を用い、これらのX線透過像から横断線2
61、262等を求め、その中間点を通過する直線から
回転軸を決定することができる。
【0030】更に、セラミック焼結体及び発熱体の形状
も実施例に示す直方体形状及びU字形状に限られず、任
意の形状とすることができるし、発熱体及びリード線の
材質も任意に選択することができる。また、本製造装置
は、回転軸の決定にのみの工程に限られず、研磨作業等
のため装置を付加し、研磨工程等にも使用することがで
きる。
【0031】
【発明の効果】本発明のセラミック素子の製造装置によ
れば、セラミック焼結体中に埋設された埋設体の中心部
を通る回転軸を求めることができ、その回転軸を径方向
の中心軸上としてセラミック焼結体の外周を研磨するこ
とで、従来のようなセラミック焼結体の作製時の厳重な
管理をしなくとも、セラミック焼結体中に埋設された埋
設体の中心位置の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックヒータを備えるグロープラグを説明
するための模式断面図である。
【図2】グロープラグのセラミックヒータ部分を説明す
るための部分拡大断面図である。
【図3】セラミックヒータ内の発熱体の好ましい位置を
説明するための平面からみた模式断面図である。
【図4】研磨前のセラミック焼結体の形状と、発熱体の
位置を説明するための平面からみた模式断面図である。
【図5】発熱体の横断線の位置を説明するための平面か
らみた模式断面図である。
【図6】研磨前のセラミック焼結体の形状と、発熱体の
位置を説明するための平面からみた模式断面図である。
【図7】発熱体の横断線の位置を説明するための平面か
らみた模式断面図である。
【図8】本セラミック素子の製造装置の構成を説明する
ためのブロック図である。
【図9】実施例のセラミックヒータの先端側(図5では
101)で求めた発熱体の芯振れのプロット図である。
また、X軸は図5における左右方向、Y軸は図6におけ
る左右方向である。
【図10】実施例のセラミックヒータの端子側(図5で
は100)で求めた発熱体の芯振れのプロット図であ
る。また、X軸は図5における左右方向、Y軸は図6に
おける左右方向である。
【図11】比較例のセラミックヒータの先端側(図5で
は101)で求めた発熱体の芯振れのプロット図であ
る。また、X軸は図5における左右方向、Y軸は図6に
おける左右方向である。
【図12】比較例のセラミックヒータの端子側(図5で
は100)で求めた発熱体の芯振れのプロット図であ
る。また、X軸は図5における左右方向、Y軸は図6に
おける左右方向である。
【図13】実施例及び比較例のセラミックヒータに10
V電源を接続した時の先端温度を示すグラフである。
【図14】実施例及び比較例のセラミックヒータに11
V電源を接続した時の先端温度を示すグラフである。
【図15】芯振れの状態を説明するための模式図であ
る。
【符号の説明】
1;グロープラグ、11;金具、12;固定筒、2;セ
ラミックヒータ、20;研磨前セラミックヒータ、2
1;セラミック焼結体、22;発熱体、23、24;リ
ード線、25;回転軸、3;セラミック素子製造装置、
31;X線検知部、311;X線照射部、312;X線
透過像検知部、32;回転制御部、33;X線透過像処
理部、331;画像信号取込部、332;輪郭検出部、
333;画像出力部、334;画像表示部、335;回
転指示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/18 H05B 3/18 3/48 3/48 (72)発明者 吉川 孝哉 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 伊藤 正也 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 CA01 HA13 KA05 LA02 LA06 LA11 RA01 RA08 3C043 AC00 CC02 DD05 3K092 PP16 QA01 QB03 QB74 QC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック焼結体21に埋設される埋設
    体22の中心部が回転軸上となるよう研磨し、略円柱形
    状のセラミック素子2を作製するためのセラミック素子
    の製造装置であって、 X線検知部31、回転制御部32及びX線透過像処理部
    33を備え、 該X線検知部は、該セラミック焼結体にX線照射を行う
    X線照射部311と、該セラミック焼結体を透過したX
    線透過像を検知するX線透過像検知部312とを具備
    し、 該回転制御部32は、該セラミック焼結体を保持しなが
    ら回転させ、 該X線透過像処理部33は、該X線透過像検知部から得
    られたX線透過像を画像処理して該埋設体の輪郭を求め
    る輪郭検出部332と、該輪郭検出部により得られた該
    輪郭に対応して上記回転の動作を該回転制御部に指示す
    る回転指示部335と、該輪郭検出部により検出された
    輪郭の中心部を通過する直線を回転軸として出力する回
    転軸出力部333とを具備することを特徴とするセラミ
    ック素子の製造装置。
  2. 【請求項2】 上記セラミック素子は、上記埋設体が発
    熱体であるセラミックヒータである請求項1記載のセラ
    ミック素子の製造装置。
  3. 【請求項3】 上記研磨は、粗研磨及びセンタレス研磨
    をこの順に行い、該粗研磨は上記埋設体の中心部が上記
    回転軸となるよう、上記セラミック焼結体の外周を研磨
    する請求項1又は2に記載のセラミック素子の製造装
    置。
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