JP2003023920A - 蛍の育成方法とその装置 - Google Patents

蛍の育成方法とその装置

Info

Publication number
JP2003023920A
JP2003023920A JP2001210811A JP2001210811A JP2003023920A JP 2003023920 A JP2003023920 A JP 2003023920A JP 2001210811 A JP2001210811 A JP 2001210811A JP 2001210811 A JP2001210811 A JP 2001210811A JP 2003023920 A JP2003023920 A JP 2003023920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
net
mesh
fireflies
larvae
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001210811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4681764B2 (ja
Inventor
Kunio Yasuda
邦男 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GREEN MENTENANCE KK
Original Assignee
GREEN MENTENANCE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GREEN MENTENANCE KK filed Critical GREEN MENTENANCE KK
Priority to JP2001210811A priority Critical patent/JP4681764B2/ja
Publication of JP2003023920A publication Critical patent/JP2003023920A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4681764B2 publication Critical patent/JP4681764B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的な蛍の育成方法とその装置を提案する
こと。 【解決手段】 蛍の幼虫Aおよびその餌であるカワニナ
等の貝類Bの生息に適合する河川等の自然の水流1中
に、水流1が容器内部2aを通過可能な網容器2を配置
し、網容器2の内部2aにカワニナ等の貝類Bを入れ、
且つカワニナ等の貝類の好む野菜くず等の餌Cを投入し
て、貝類Bの育成を助長して稚貝などの貝類Bを繁殖さ
せ、網容器2の内部2aに蛍の幼虫Aを入れ、網容器2
内で繁殖する貝類Bを餌として蛍の幼虫Aが網容器2の
内部2aで終齢幼虫Aaに到るまで育成するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲンジホタルやヘ
イケホタル等の蛍を人工的に育成するために開発され
た、産卵・孵化から蛹化に到る蛍の育成方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】蛍のライフサイクルは、良く知ら
れているように、夏に、湿潤環境である水辺に産卵され
た卵が孵化した幼虫が水中に落下し、秋、冬の間に、水
中のカワニナ等の貝類を餌として脱皮を繰り返し、春
に、終齢幼虫となり、陸上に移動して土中に潜り込んで
蛹化し、夏に蛹から羽化して成虫となり、交尾して産卵
の後、その一生を終え、1世代のライフサイクルが完了
するようになっている。
【0003】近時、水辺環境の悪化から蛍の成長に適し
た環境が失われており、このような状況に鑑み、蛍の人
工繁殖や放流が盛んに行われているが、いまだ効率的に
蛍の人工育成に成功した事例は少ない。
【0004】一般的に行われている蛍の人工育成方法と
しては、孵化した蛍の幼虫を、底の浅い孵化容器(パッ
ド)に入れ、この水中に、カワニナの殻を破って、殻中
の身を細かく裁断した細切れ身や、微小な貝である稚貝
を投入し、これらを幼虫の餌としていたが、この方法で
は、細切れ身が腐り、孵化容器内の水が腐敗するため、
人手によって頻繁の水の入れ換え作業を行わなければな
らず、又この水の入れ換え時に、水中に生存する蛍の幼
虫をスポイドで吸い上げて移し換えるという時間と根気
の必要な作業を行わなければならない。
【0005】また餌となるカワニナは、野外の自然の川
から採集されることになるが、一度に大量に採集する
と、その後の維持が難しく、餌として利用される前に死
滅したり、自然の川のカワニナを餌とし、自然の中で生
息する蛍にも悪影響を及ぼし、自然破壊につながること
もあった。
【0006】更にまた、孵化容器や繁殖容器の水中は、
その酸素濃度(溶存酸素量)が100%に近い状態に維
持し、且つ水温も26度前後に維持する必要があった。
このためには、孵化容器や繁殖容器には空調設備を付帯
させて一定の温度に保ち、且つエアーコンプレーサーを
付帯させて24時間稼動によって水中を曝気して溶存酸
素量を維持する必要があり、その維持管理費用が極めて
高額になっていた。
【0007】本発明は、これらの難点を一挙に解消し、
効率的な蛍の育成方法とその装置を提案することを解決
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、請求項1に係る発明は、実施形態の参照符合を付し
て示せば、図1に示すように、蛍の幼虫Aおよびその餌
であるカワニナ等の貝類Bの生息に適合する河川等の自
然の水流1中に、該水流1が容器内部2aを通過可能な
網容器2を配置し、この網容器2の内部2aにカワニナ
等の貝類Bを入れ、且つカワニナ等の貝類の好む野菜く
ず等の餌Cを投入して、貝類Bの育成を助長して稚貝な
どの貝類へを繁殖させる共に、網容器2の内部2aに蛍
の幼虫Aを入れ、網容器2内で繁殖する貝類Bを餌とし
て蛍の幼虫Aが網容器2の内部2aで終齢幼虫Aa(図
5)に到るまで育成するようにした蛍の育成方法に係
る。
【0009】また請求項2に係る発明は、主に、図3に
示すように、雌雄の成虫蛍Dを入れ、成虫蛍Dが逃げな
いように閉鎖した産卵容器本体3とその底部に設けた網
床4とからなる産卵容器5の網床4に水苔等の産卵床6
を載置し、網床4の下部に水面が網床に接するか、網床
に近接する孵化容器7を配置し、雌雄の成虫蛍Dの交尾
により産卵床6に産卵した卵が孵化して生まれた蛍の幼
虫Aが網床4の網目を通過して孵化容器7の水中に落下
するようにし、この孵化容器7に落下した蛍の幼虫Aを
前記網容器2に入れるようにした請求項1に記載の蛍の
育成方法に係る。
【0010】また請求項3に係る発明は、図4に示すよ
うに、前記産卵容器5を前記網容器2の網目上面2bに
載置し、産卵容器5内の産卵床6に産卵した卵が孵化し
て生まれた蛍の幼虫Aが網床4の網目及び網容器2の網
目上面2bを通過して、直接に網容器2内に落下するよ
うにした請求項1に記載の蛍の育成方法に係る。
【0011】また請求項4に係る発明は、図5及び図6
に示すように、前記網容器2に設けた開口部2c付近上
面に、土8を内部に敷設した蛹化容器9を載置し、該容
器内の土8と前記網容器2内の水面1aとを連通する通
路部材10を設け、網容器2内の終齢幼虫Aaが通路部
材10を通って蛹化容器9内の土8内に潜り込み、蛹化
Abするようにした請求項1〜3の何れかに記載の蛍の
育成方法に係る。
【0012】また請求項5に係る発明は、図1に示すよ
うに、内部2aに収容したカワニナ、その稚貝等の貝類
B、及び蛍の幼虫Aが外部に逃げることができないが、
内部2aを水流が通過可能な網目を有する網目容器本体
11と、該容器本体11の内部に上記貝類Bや蛍の幼虫
A及びこれらの餌Cを投入可能で、閉鎖可能な開口部2
cと、からなる網容器2、を備えた蛍の育成装置に係
る。
【0013】また請求項6に係る発明は、図4に示すよ
うに、前記網容器2と、該容器本体11の網目上面2b
に載置され、成虫蛍Dが逃げないように閉鎖した産卵容
器本体3と該本体3の底部に設けた網床4と網床に載置
した水苔等の産卵床6とからなる産卵容器5と、からな
る請求項5に記載の蛍の育成装置に係る。
【0014】また請求項7に係る発明は、図5及び図6
に示すように、前記網容器2に設けた開口部2c付近上
面に、土8を内部に敷設した蛹化容器7を載置し、該容
器内の土8と前記網容器2内の水面1aとを連通する通
路部材10を設けてなる請求項5又は6に記載の蛍の育
成装置に係る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態の使
用状態を示す図であり、自然の水流1を備えた河川等に
吊り紐12で吊り下げて水中に網容器2を配置した状態
を示す。図2は、網容器2を河川などの水流1中に配置
した状態を示す。この網容器2の大きさや形状は特に限
定されることはなく、例えば、横幅が50cm、高さと奥
行が30cmの直方体からなるが、直径が30cmの長い円
筒体であってもよい。
【0016】網容器2は、少なくとも、図1に示すよう
に、その側面周囲11aが網体から形成され、且つその
上面2bも網体から形成され、その底面11bは合成樹
脂や金属の板体によって形成された網目容器本体11
と、該容器本体11の内部2aに上記貝類Bや蛍の幼虫
A及びこれらの餌Cを投入可能で、閉鎖可能な開口部2
cとによって構成されている。開口部2cを閉鎖可能と
するために、図示のように一端部を枢軸部13aとする
蓋体13が留め金具、係止布やファスナー等の止め具に
よって開口部2cに開閉可能に枢着されている。
【0017】上記開口部2cから網容器2の内部2a
に、カワニナ等の貝類Bと蛍の幼虫Aとを図示のように
多数入れ、且つ野菜くずや米等のカワニナBなど貝類B
が好む餌Cを投入し、その底部に岩、小石及び砂Eを適
宜に配置するようになっている。
【0018】また網容器2は、図2にも示すように河川
等の水中に設置され、適宜吊り紐12に吊るされ、該吊
り紐12を操作することによって、網容器2は、その内
部2aの蛍の幼虫Aの成長に合わせて水面1aに対して
上下動できるようになっており、且つその水流1が網容
器2の内部2aを通過可能となっている。尤も、網容器
2を、その内部2aに大きな岩を入れるなどして適当な
固定手段によって、河川等の底部に係留させるようにし
てもよい。
【0019】網容器2の網目容器本体11は、水流1が
網目容器本体11の内部2aを通過可能であるが、内部
2aに収容される蛍の幼虫Aやカワニナ等の貝類Bが網
目を通して外部に逃げない程度の網目、例えば1〜2m
mの網目或いはそれ以下のメッシュの網体によって、該
本体11の側面周囲11a及び上面2bが形成され、ま
た底面11bも網体によって形成してもよい。更にこれ
らの網体は周知のサランネット等合成樹脂製のネットに
よって形成してもよいが、河川等に生息するザリガリ等
が網を破って内部2aに侵入しないように金網によって
形成することが好ましい。また、二重の網体とし、内側
をメッシュの小さい合成樹脂性のネットとし、外側をメ
ッシュの比較的に大きく強靱な金網としてもよい。
【0020】図3は、蛍の幼虫Aを産卵孵化するための
産卵・孵化容器5,7を示す。産卵容器5は、雌雄の成
虫蛍Dを入れ、成虫蛍Dが逃げないように閉鎖した産卵
容器本体3と、その底部に設けた網床4と、該網床4の
上面に載置した産卵床6と、からなる。産卵容器本体3
の上面3aと側面3bは図示のように網体によって形成
してもよいが、透明な合成樹脂体によって形成してもよ
い。なお、上面3aには開放部3cを設け、これに蓋体
3dを開閉可能に取り付けるようにしてもよい。そして
産卵容器本体3の底面である網床4の下部に水面が網床
4に接するか、網床4に近接する底の浅い皿状の孵化容
器7を配置し、内部に水を充填している。孵化容器7が
底の浅い皿状のものになっているのは、できるだけ水中
に酸素を多く含んで、溶存酸素量を多く確保するためで
ある。
【0021】網床4上に載置する産卵床6は、園芸用の
水苔をよく殺菌消毒したもの、数枚重ねたガーゼ或いは
スポンジ状のものを用いる。そして、該産卵床6が乾燥
しないよう上述のように網床4の下部が孵化容器7の水
面に接するようにして、産卵床6が適度な湿気を有する
ようにする。
【0022】蛍は羽化して成虫蛍Dとなるが、1週間〜
2週間程度の短期間のうちに交尾・産卵して死滅するた
め、羽化したての成虫蛍Dの雌雄を捕獲して、これを図
3に示すように、産卵容器5に入れて産卵床6に産卵さ
せる。産卵された卵は約1ヵ月で孵化し、これにより生
まれた蛍の幼虫Aが網床4の網目を通過して孵化容器7
の水中に落下する。孵化容器7に落下した蛍の幼虫Aに
カワニナBの身を細かく裁断した細切れ身を幼虫Aの餌
として一回与え、その後に該幼虫Aを図1に示す網容器
2に入れることになる。
【0023】上述の産卵・孵化容器5,7は、網容器2
とは別個に設け、産卵・孵化容器5,7で生まれた幼虫
Aを産卵・孵化容器5,7から取り出し、これを網容器
2に移しかえるようにして使用する。このように、孵化
容器7内で生まれた幼虫Aに前述のように一回の餌を与
えて若干の抵抗力を付けた上で、網容器2に移しかえる
ようになっているため、幼虫Aの網容器2内での生存率
を高めることができるが、その移しかえ作業が面倒であ
る。
【0024】この面倒さを回避するために、図4に示す
ように、前記産卵・孵化容器5,7のうち、産卵容器5
を前記網容器2の網目上面2bに載置し、産卵容器5内
の産卵床6に産卵した卵が孵化して生まれた蛍の幼虫A
が網床4の網目及び網容器2の網目上面2bを通過し
て、直接に網容器2内に落下するようにしてもよく、こ
れによれば、いちいち孵化容器7内の幼虫Aを網容器2
内に移しかえる作業を必要としないから、それだけ育成
作業を容易に行うことができる。
【0025】図1に示すように、網容器2の内部2aに
は開口部2cから網容器2の内部2aに、親貝であるカ
ワニナBを多数入れることによって、カワニナBは岩E
や網体11aに付着し、開口部2cからカワニナBの好
むキャベツ等の野菜のくずや米等の餌Cを内部2aに投
入することによって、カワニナBがこれらの餌Cによっ
て急速に成長して、その胎生類の特徴として、親貝のカ
ワニナBより多数の稚貝Bが産出され、貝類Bが網容器
2の内部2aで大量に繁殖する。
【0026】貝類Bの繁殖した網容器2の内部2aに、
孵化容器7からの蛍の幼虫Aを入れることによって、幼
虫AはカワニナBやその稚貝を餌として成長することに
なる。
【0027】ここで最も重要なことは、網容器2に生息
する蛍の幼虫AやカワニナBが死滅することなく効率的
に育成されることである。このためには網容器2内の水
の溶存酸素量を100%近くに常時維持する必要があ
る。
【0028】本発明は、この点で、網容器2の網目容器
本体11は、前述のように、水流1が網目容器本体11
の内部2aを通過可能であるが、内部2aに収容される
蛍の幼虫Aやカワニナ等の貝類Bが網目を通して外部に
逃げない程度の網目、例えば1〜2mm或いはそれ以下
のメッシュの網体によって形成され、この条件を備えた
網容器2を、図2に示すように、カワニナBの生息に適
した水流1を有する河川等の水中に設置するようにした
ため、網容器2の内部2aは常時溶存酸素量を100%
近く水が流通するようになっており、幼虫Aやカワニナ
Bの効率的な育成を果たすことができ、しかも網容器2
の内部2aの溶存酸素量を維持するための設備を何ら必
要としないから、その維持コストは零である。
【0029】更にまた、幼虫AとカワニナBとは網容器
2の内部2aという環境のもとで育成するから、自然の
河川等の環境のもとで育成するにもかかわらず、飛散し
たり、外部の天敵の被害を受けることがない。それがた
めに蛍の幼虫Aを図5に示すように終齢幼虫Aa(蛹化
する直前の幼虫)に到るまで効率的に育成させることが
できる。
【0030】図5及び図6は、終齢幼虫Aaを陸上に移
動させて蛹化させるための装置を示すもので、桜の開花
が終わる4月の末頃に蛍の幼虫が終齢幼虫Aaとなっ
て、その水中生活から陸上生活に移行することになる
が、この移行を円滑に行わせるために、網容器2の開口
部2cの蓋体13を開放して、網目容器本体11の網目
上面2bに蛹化容器9を載置する。この蛹化容器9の内
部には、終齢幼虫Aaが潜り込むための蛹床である土8
が敷設されている。この土8は、湿り過ぎても乾きすぎ
ても不適で、握ってもほぐれない程度の水分を保持して
いることがよく、そのため土質は乾燥して固くならない
ものが適しており、蛍が生息していた河川の岸辺の土が
最適であるが、黒土、畑土、山土或いはピートモスなど
でも代用することができる。
【0031】そして、この蛹化容器9内の蛹床である土
8と網容器2内の水面1aとの間に終齢幼虫Aaが移動
することが可能な橋である通路部材10を連結する。こ
の通路部材10はガーゼなどによって形成することが好
ましい。
【0032】終齢幼虫Aaは、夜間などに網容器2の側
面壁を伝って通路部材10を通って、蛹化容器9の開口
部より土8の内部に潜り込むことになるが、この際に土
8に潜る作業は容易でないので、この間は吊り紐12に
よって網容器2を若干下げて、網容器2上の蛹化容器9
を水面すれすれまで位置させて、内部の土8の水分を十
分にして土8を柔らかくし終齢幼虫Aaが土8の中に潜
りやすくする。
【0033】このようにして土8中に潜った終齢幼虫A
aは蛹化Abして繭となり、それから1ヵ月ないし1.
5ヵ月の間に羽化して成虫蛍となり、空中を乱舞し、夏
の風物詩として親しまれることになる。
【0034】本発明では、蛹床である土8を内部に敷設
した蛹化容器9を網容器2の上面に載置するだけである
から、終齢幼虫Aaが土8に潜り込み、蛹Abとなり、
繭となっている頃に該蛹化容器9を網容器2から分離し
て、蛍を必要とする場所に運搬して、その場所で蛹化容
器9を開放し、土8中の繭を羽化させるようにすれば、
あらゆる場所で蛍を乱舞を味わうことができるという大
きなメリットがある。
【0035】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、蛍の幼虫
およびその餌であるカワニナ等の貝類の生息に適合する
河川等の自然の水流中に、該水流が容器内部を通過可能
な網容器を配置し、この網容器の内部にカワニナ等の貝
類を入れ、且つカワニナ等の類の好む野菜くず等の餌を
投入して、貝類の育成を助長して稚貝などの貝類を繁殖
させる共に、網容器の内部に蛍の幼虫を入れ、網容器内
で繁殖する貝類を餌として蛍の幼虫が網容器の内部で終
齢幼虫に到るまで育成するようにしたため、網容器の内
部には常時溶存酸素量が100%近くの水が流通するよ
うになっており、幼虫やカワニナの効率的な育成を果た
すことができ、しかも網容器の内部の溶存酸素量を維持
するための設備を何ら必要としないから、その維持コス
トは最小限に留めることができる。
【0036】しかも、蛍の幼虫とカワニナ等の貝類とは
網容器の内部という規制された環境のもとで育成される
から、自然の河川等の環境のもとで育成するにもかかわ
らず、飛散したり、外部の天敵の被害を受けることがな
い。それがために蛍の幼虫を終齢幼虫(蛹化する直前の
幼虫)に到るまで効率的に育成させることができる。
【0037】更に又、蛍の幼虫の餌であるカワニナ等の
貝類は網容器内で育成されて、河川等の自然環境の中で
採取しないので自然破壊の原因となることはない。又、
網容器の内部で蛍の幼虫を育成するため、該幼虫の生存
を確認することができ、必要とする数だけの蛍を供給す
ることができる。
【0038】請求項2に係る発明によれば、雌雄の成虫
蛍から容易に且つ確実に蛍の幼虫を、該幼虫を育成する
ための育成装置(網容器)に供給することができる。
【0039】請求項3に係る発明によれば、雌雄の成虫
蛍から容易に且つ確実に、しかも作業能率よく、蛍の幼
虫を育成するための育成装置(網容器)に供給すること
ができる。
【0040】請求項4に係る発明によれば、前記網容器
に設けた開口部付近上面に、土を内部に敷設した蛹化容
器を載置し、該容器内の土と前記網容器内の水面とを連
通する通路部材を設け、網容器内の終齢幼虫が通路部材
を通って蛹化容器内の土内に潜り込み、蛹化するように
したため、網容器内の終齢幼虫を確実に蛹化させること
ができ、しかも蛹床である土を内部に敷設した蛹化容器
を網容器の上面に載置するだけであるから、終齢幼虫が
土に潜り込み、蛹となり、繭となっている頃に該蛹化容
器を網容器から分離して、蛍を必要とする場所に運搬し
て、その場所で蛹化容器を開放し、土中の繭を羽化させ
るようにすれば、あらゆる場所で蛍の乱舞を味わうこと
ができるという大きなメリットがある。
【0041】請求項5に係る発明によれば、内部に収容
したカワニナ、その稚貝等の貝類、及び蛍の幼虫が外部
に逃げることができないが、内部を水流が通過可能な網
目を有する網目容器本体と、該容器本体の内部に上記貝
類や蛍の幼虫及びこれらの餌を投入可能で、閉鎖可能な
開口部と、からなる網容器を育成装置として用いるた
め、カワニナの生息に適した水流を有する河川等の水中
に網容器を設置することによって、網容器の内部には常
時溶存酸素量が100%近くの水が流通するようになっ
ており、幼虫やカワニナの効率的な育成を果たすことが
でき、しかも網容器の内部の溶存酸素量を維持するため
の設備を何ら必要としないから、その維持コストを最小
限に維持することができる。
【0042】更にまた、幼虫とカワニナとは網容器の内
部という規制された環境のもとで育成するから、自然の
河川等の環境のもとで育成するにもかかわらず、飛散し
たり、外部の天敵の被害を受けることがない。それがた
めに蛍の幼虫を終齢幼虫(蛹化する直前の幼虫)に到る
まで網容器の内部で効率的に育成させることができる。
【0043】請求項6及び請求項7に係る発明によれ
ば、請求項2〜4に掲げる作用効果を発揮することがで
きるにも係わらず、その構成が簡単で安価に蛍の育成装
置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の使用状態を示す縦断正
面図である。
【図2】 同使用状態を示す斜視図である。
【図3】 同他の要部を示す縦断正面図である。
【図4】 同他の実施形態の要部を示す縦断正面図であ
る。
【図5】 同他の要部を示す縦断正面図である。
【図6】 同斜視図である。
【符号の説明】
A 蛍の幼虫 B カワニナ等の貝類 1 水流 1a 水面 2 網容器 2a 網容器の内部 2b 網容器の網目上面 2c 網容器の開口部 C 野菜くず等の餌 Aa 終齢幼虫 D 成虫蛍 3 産卵容器本体 4 網床 5 産卵容器 6 産卵床 7 孵化容器 8 蛹床である土 9 蛹化容器 10 通路部材 11 網目容器本体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍の幼虫およびその餌であるカワニナ等
    の貝類の生息に適合する河川等の自然の水流中に、該水
    流が容器内部を通過可能な網容器を配置し、この網容器
    の内部にカワニナ等の貝類を入れ、且つカワニナ等の類
    の好む野菜くず等の餌を投入して、貝類の育成を助長し
    て稚貝などの貝類を繁殖させる共に、網容器の内部に蛍
    の幼虫を入れ、網容器内で繁殖する貝類を餌として蛍の
    幼虫が網容器の内部で終齢幼虫に到るまで育成するよう
    にした蛍の育成方法。
  2. 【請求項2】 雌雄の成虫蛍を入れ、成虫蛍が逃げない
    ように閉鎖した産卵容器本体とその底部に設けた網床と
    からなる産卵容器の網床に水苔等の産卵床を載置し、網
    床の下部に水面が網床に接するか、網床に近接する孵化
    容器を配置し、雌雄の成虫蛍の交尾により産卵床に産卵
    した卵が孵化して生まれた蛍の幼虫が網床の網目を通過
    して孵化容器の水中に落下するようにし、この孵化容器
    に落下した蛍の幼虫を前記網容器に入れるようにした請
    求項1に記載の蛍の育成方法。
  3. 【請求項3】 前記産卵容器を前記網容器の網目上面に
    載置し、産卵容器内の産卵床に産卵した卵が孵化して生
    まれた蛍の幼虫が網床の網目及び網容器の網目上面を通
    過して、直接に網容器内に落下するようにした請求項1
    に記載の蛍の育成方法。
  4. 【請求項4】 前記網容器に設けた開口部付近上面に、
    土を内部に敷設した蛹化容器を載置し、該容器内の土と
    前記網容器内の水面とを連通する通路部材を設け、網容
    器内の終齢幼虫が通路部材を通って蛹化容器内の土内に
    潜り込み、蛹化するようにした請求項1〜3の何れかに
    記載の蛍の育成方法。
  5. 【請求項5】 内部に収容したカワニナ、その稚貝等の
    貝類、及び蛍の幼虫が外部に逃げることができないが、
    内部を水流が通過可能な網目を有する網目容器本体と、
    該容器本体の内部に上記貝類や蛍の幼虫及びこれらの餌
    を投入可能で、閉鎖可能な開口部と、からなる網容器、
    を備えた蛍の育成装置。
  6. 【請求項6】 前記網容器と、該容器本体の網目上面に
    載置され、成虫蛍が逃げないように閉鎖した産卵容器本
    体と該本体の底部に設けた網床と網床に載置した水苔等
    の産卵床とからなる産卵容器と、からなる請求項5に記
    載の蛍の育成装置。
  7. 【請求項7】 前記網容器に設けた開口部付近上面に、
    土を内部に敷設した蛹化容器を載置し、該容器内の土と
    前記網容器内の水面とを連通する通路部材を設けてなる
    請求項5又は6に記載の蛍の育成装置。
JP2001210811A 2001-07-11 2001-07-11 蛍の育成方法とその装置 Expired - Lifetime JP4681764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210811A JP4681764B2 (ja) 2001-07-11 2001-07-11 蛍の育成方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001210811A JP4681764B2 (ja) 2001-07-11 2001-07-11 蛍の育成方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003023920A true JP2003023920A (ja) 2003-01-28
JP4681764B2 JP4681764B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=19046222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001210811A Expired - Lifetime JP4681764B2 (ja) 2001-07-11 2001-07-11 蛍の育成方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4681764B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100881574B1 (ko) 2008-10-16 2009-02-02 전라북도 무주군 반딧불이의 대량 사육 방법
KR200477102Y1 (ko) * 2015-01-26 2015-05-06 이삼구 귀뚜라미 산란 및 부화기구
CN105850896A (zh) * 2016-05-05 2016-08-17 华南农业大学 一种黑水虻养殖一体化装置和养殖方法
JP2017059422A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 東芝三菱電機産業システム株式会社 導体接続構造および接続部材
KR101779927B1 (ko) 2015-09-04 2017-09-19 영남대학교 산학협력단 반딧불이 유충 가공사료 및 이의 제조 방법
CN109287575A (zh) * 2018-12-05 2019-02-01 广西壮族自治区农业科学院 一种粉蚧饲养装置
WO2022113670A1 (ja) * 2020-11-26 2022-06-02 株式会社ジェイテクト 飼育装置
CN116267807A (zh) * 2023-02-14 2023-06-23 西安布鲁普庭生物科技有限公司 一种幼虫分离器及幼虫分离方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61193765U (ja) * 1985-05-25 1986-12-02
JPS6219037A (ja) * 1985-07-17 1987-01-27 建部町 ホタルの人工飼育方法及び装置
JPH08322429A (ja) * 1995-05-29 1996-12-10 Mitsui Kyodo Kensetsu Consultant Kk 水性ボタル育成水路
JPH08322428A (ja) * 1995-05-25 1996-12-10 Hisashi Ichihara ホタルの養殖装置
JP2000157101A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Takeshi Umetsu 蛍の養殖装置
JP2001178310A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Hirose:Kk 蛍育成及び鑑賞用容器

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61193765U (ja) * 1985-05-25 1986-12-02
JPS6219037A (ja) * 1985-07-17 1987-01-27 建部町 ホタルの人工飼育方法及び装置
JPH08322428A (ja) * 1995-05-25 1996-12-10 Hisashi Ichihara ホタルの養殖装置
JPH08322429A (ja) * 1995-05-29 1996-12-10 Mitsui Kyodo Kensetsu Consultant Kk 水性ボタル育成水路
JP2000157101A (ja) * 1998-11-27 2000-06-13 Takeshi Umetsu 蛍の養殖装置
JP2001178310A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Hirose:Kk 蛍育成及び鑑賞用容器

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100881574B1 (ko) 2008-10-16 2009-02-02 전라북도 무주군 반딧불이의 대량 사육 방법
KR200477102Y1 (ko) * 2015-01-26 2015-05-06 이삼구 귀뚜라미 산란 및 부화기구
KR101779927B1 (ko) 2015-09-04 2017-09-19 영남대학교 산학협력단 반딧불이 유충 가공사료 및 이의 제조 방법
JP2017059422A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 東芝三菱電機産業システム株式会社 導体接続構造および接続部材
CN105850896A (zh) * 2016-05-05 2016-08-17 华南农业大学 一种黑水虻养殖一体化装置和养殖方法
CN109287575A (zh) * 2018-12-05 2019-02-01 广西壮族自治区农业科学院 一种粉蚧饲养装置
WO2022113670A1 (ja) * 2020-11-26 2022-06-02 株式会社ジェイテクト 飼育装置
CN116267807A (zh) * 2023-02-14 2023-06-23 西安布鲁普庭生物科技有限公司 一种幼虫分离器及幼虫分离方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4681764B2 (ja) 2011-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jones Production of juvenile redclaw crayfish, Cherax quadricarinatus (von Martens)(Decapoda, Parastacidae) I. Development of hatchery and nursery procedures
CN100394846C (zh) 综合海产养殖系统
CN104145866B (zh) 滩头雅罗鱼人工繁育、增殖放流的方法
JP2015107085A (ja) 生のクロレラを飼料としてワムシを増養殖している水槽の内部にてウナギ、及びクロマグロの幼生であるプレレプトセアルスを飼育する方法。
KR20100041623A (ko) 주꾸미 증식용 인공어초
US5144907A (en) Scallop aquaculture
CN101283678A (zh) 克氏原螯虾可控化苗种同步繁育技术
James Culture of sea-cucumber
James Hatchery and culture technology for the sea cucumber Holothuria scabra Jaeger, in India
JP4681764B2 (ja) 蛍の育成方法とその装置
Acarlı Population, aquaculture and transplantation applications of critically endangered species Pinna nobilis (Linnaeus 1758) in the Mediterranean Sea
KR101806086B1 (ko) 해삼용 침하식 복합 양식방법
KR20140116306A (ko) 문어 해중림 인공어초
Chen et al. Breeding and reproduction of the African turquoise killifish Nothobranchius furzeri
KR101603715B1 (ko) 어류 생육 장치 및 이를 이용하는 긴꼬리투구새우의 생육 방법
JPH0775497B2 (ja) ドジョウの産卵育成方法及びその装置
JP7354383B2 (ja) 頭足類への給餌方法および頭足類への給餌器具
KR20070099406A (ko) 자연어장구축장치
KR101427538B1 (ko) 도루묵 산란 및 보육을 위한 어소
JP2004222704A (ja) ホタルの養殖装置及び養殖方法
JP2003274793A (ja) 蟹類の養殖装置及びその使用方法
JPH0415011Y2 (ja)
Keremah et al. Aspects of the reproductive biology of Tilapia guineensis (Bleeker, 1862) under laboratory conditions
Smitherman et al. OBSERVATIONS ON THE BIOLOGY OF Macrobrachium americanum BATE FROM A POND ENVIRONMENT IN PANAMA 3
KR102690711B1 (ko) 치어 방류 장치 및 이를 이용한 치어 서식장 조성 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4681764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term