JP2003021682A - 放射線3次元位置検出器 - Google Patents

放射線3次元位置検出器

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JP2003021682A
JP2003021682A JP2001208251A JP2001208251A JP2003021682A JP 2003021682 A JP2003021682 A JP 2003021682A JP 2001208251 A JP2001208251 A JP 2001208251A JP 2001208251 A JP2001208251 A JP 2001208251A JP 2003021682 A JP2003021682 A JP 2003021682A
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scintillator
light receiving
fluorescence
time constant
radiation
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Hideo Murayama
秀雄 村山
Eiichi Tanaka
栄一 田中
Takashi Yamashita
貴司 山下
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National Institute of Radiological Sciences
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Hamamatsu Photonics KK
National Institute of Radiological Sciences
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    • G01T1/1641Static instruments for imaging the distribution of radioactivity in one or two dimensions using one or several scintillating elements; Radio-isotope cameras
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線の吸収効率の向上を図ると共に、放射
線の入射により蛍光を発したシンチレータセルの同定を
正確に行うこと。 【解決手段】 シンチレータユニット12は、第1の蛍
光減衰時定数を有する各シンチレータセル24sの中心
位置が受光素子14の受光面に平行な方向に偏倚するよ
うに積層される、第1の蛍光減衰時定数を有するシンチ
レータセル24sから構成される第1のシンチレータア
レイ(24,28)と、第1のシンチレータアレイ(2
4,28)に隣接するように積層される、第2の蛍光減
衰時定数を有するシンチレータセル26sから構成され
る第2のシンチレータアレイ(26,30)とを有し、
位置検出部が受光素子14からの検出信号を異なる蛍光
減衰時定数毎に波形弁別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンチレーション
放射線検出器において、放射線の3次元位置検出機能を
有する放射線3次元位置検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】被検体に放射性同位元素(RI:Radioa
ctive Isotope)が投与されると、消滅ガンマ線と呼ば
れる2個の光子が正反対方向に同時に放出される。陽電
子放出断層装置(PET:Positron Emission Tomograp
hy装置)は、この放射線を同時計数で検出することによ
り被検体内のRIの分布像を得る装置である。
【0003】このようなPET装置に用いられる放射線
3次元位置検出器としては、複数のシンチレータセル
を、屈折率の異なる透明板を挟みながら受光素子上に積
層してシンチレータユニットを構成し、受光素子に到達
する光の透過率を各シンチレータセル毎に異ならせるこ
とにより、受光素子における受光量の差に基づいて、放
射線が入射して蛍光を発したシンチレータセルを同定す
る技術が、特開昭63−47686号公報(文献1)に
記載されている。
【0004】また、複数のシンチレータセルを、その中
心位置が光位置検出器の受光面に平行な方向に偏倚する
ように光位置検出器上に積層し、光位置検出器からの出
力光の空間分布の重心位置を各シンチレータセル毎に異
ならせることにより、重心位置演算に基づいて、放射線
が入射して蛍光を発したシンチレータセルを同定する技
術が、特公平5−75990号公報(文献2)に記載さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文献1
に記載された技術においては、光が透明板を通過する度
にその一部が損失されるため、放射線の入射により蛍光
を発したシンチレータセルが受光素子から離れたもので
ある程、受光素子における受光量が小さくなり、すなわ
ち、受光素子からの検出信号が小さくなり、エネルギー
分解能が低下して放射線が入射して蛍光を発したシンチ
レータセルを正確に同定することができないおそれがあ
る。
【0006】また、文献2に記載された技術において
は、シンチレータセルを多層化する程、各シンチレータ
セルによる光位置検出器からの出力光の空間分布の重心
位置の配列が密となり、当該重心位置の識別が困難にな
るため、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータセ
ルの正確な同定が困難になるおそれがある。
【0007】したがって、上述したような従来の技術に
おいては、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ
セルの同定を正確に行うために、シンチレータセルの多
層化による放射線の吸収効率の向上が妨げられるという
問題がある。
【0008】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、放射線の吸収効率の向上を図れ
ると共に、放射線の入射により蛍光を発したシンチレー
タセルの同定を正確に行うことができる放射線3次元位
置検出器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る放射線3次元位置検出器は、放射線の
入射により蛍光を発するシンチレータセルを2次元に配
列して構成されるシンチレータアレイを、複数積層して
構成されるシンチレータユニットと、シンチレータセル
からの蛍光を検出する受光素子と、受光素子からの検出
信号に基づいて、放射線の入射により蛍光を発したシン
チレータセルの同定を行う位置検出手段とを備えた放射
線3次元位置検出器であって、シンチレータユニット
は、第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレータセル
の中心位置が受光素子の受光面に平行な方向に偏倚する
ように積層される、第1の蛍光減衰時定数を有するシン
チレータセルから構成される複数の第1のシンチレータ
アレイと、第1のシンチレータアレイに隣接するように
積層される、第1の蛍光減衰時定数と異なる第2の蛍光
減衰時定数を有するシンチレータセルから構成される第
2のシンチレータアレイとを有し、位置検出手段は、受
光素子からの検出信号を異なる蛍光減衰時定数毎に波形
弁別することを特徴としている。
【0010】このような構成によれば、受光素子からの
検出信号を異なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別すること
により、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータセ
ルが第1のシンチレータアレイと第2のシンチレータア
レイとのどちらに存在するのかを検出することができる
ため、シンチレータユニットを多層化して、放射線の吸
収効率を向上させることができる。
【0011】そして、検出信号の波形弁別後に、第1の
蛍光減衰時定数を有するシンチレータセルからの検出信
号に基づいて、受光素子に到達した光の重心位置を求め
れば、第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレータセ
ルの中心位置が受光素子の受光面に平行な方向に偏倚し
ているため、放射線が入射して蛍光を発したシンチレー
タセルの同定を正確に行うことができる。
【0012】また、第1の蛍光減衰時定数を有する各シ
ンチレータセルの中心位置の偏倚方向は、第1のシンチ
レータアレイを構成する第1の蛍光減衰時定数を有する
シンチレータセルの配列の行または列のいずれか一方ま
たは双方向であり、第1の蛍光減衰時定数を有する各シ
ンチレータセルの中心位置の偏位量は、第1のシンチレ
ータアレイにおいて、隣接する第1の蛍光減衰時定数を
有するシンチレータセルの中心位置間距離の半分である
ことが好ましい。
【0013】第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレ
ータセルが蛍光を発した場合の受光素子に到達する光の
重心位置の配列が上述した方向において等間隔となるた
め、重心位置の識別を正確に行うことができるからであ
る。
【0014】また、各シンチレータセルの形状は、直方
体であることが好ましい。
【0015】さらに、シンチレータユニットは、各シン
チレータアレイを構成するシンチレータセルの配列の行
または列のいずれか一方または双方向において、隣接す
る各シンチレータアレイのうち受光素子と反対側のシン
チレータアレイの全長が、受光素子側のシンチレータア
レイの全長以下となるように、各シンチレータアレイを
積層して構成されることが好ましい。
【0016】このような放射線3次元位置検出器をPE
T装置用として円環状に配置する場合、上述した方向を
PET装置の円環面と平行になるように配置すれば、受
光素子側のシンチレータアレイの全長よりも、円環面の
中心側のシンチレータアレイの全長を短くすることによ
り、隣り合う放射線3次元位置検出器間の空隙を減少さ
せ、放射線の吸収効率の向上及び空間分解能の向上を図
ることができるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の好適な
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を
省略する。また、図面の比率は、説明のものと必ずしも
一致していない。
【0018】図1は、本発明の一実施形態に係る放射線
3次元位置検出器10の構成を示すブロック図である。
放射線3次元位置検出器10は、入射した放射線により
蛍光が生じるシンチレータセルを複数有するシンチレー
タユニット12と、シンチレータユニット12内のシン
チレータセルからの蛍光を検出する受光素子14と、受
光素子14から出力される検出信号に基づいて、シンチ
レータユニット12内において蛍光を発したシンチレー
タセルの同定を行う位置検出部16(位置検出手段)と
を備えている。位置検出部16は、波形弁別回路18、
重心位置検出回路20及びデータ処理回路22を備えて
いる。
【0019】図2は、シンチレータユニット12及び受
光素子14の構成を示す斜視図であり、図3は、図2に
おけるIII−III線に沿ってのシンチレータユニット12
の断面図である。シンチレータユニット12は、第1の
シンチレータアレイ24、第2のシンチレータアレイ2
6、第3のシンチレータアレイ28及び第4のシンチレ
ータアレイ30を備えている。受光素子14は、本実施
の形態においてはマルチアノード型等の位置検出型光電
子増倍管であり、蛍光を検出した際の検出信号は、4本
の出力端子32から出力される。
【0020】図2に示すようにx−y−z座標を設定
し、図中のx軸方向を行方向、y軸方向を列方向とする
と、第1のシンチレータアレイ24は、第1の蛍光減衰
時定数を有するシンチレータセル24s(以下、第1シ
ンチレータセル24sとする)が6行×6列に配置され
構成されている。また、第2のシンチレータアレイ26
は、第2の蛍光減衰時定数を有するシンチレータセル2
6s(以下、第2シンチレータセル26sとする)が6
行×6列に配置され構成されている。さらに、第3のシ
ンチレータアレイ28及び第4のシンチレータアレイ3
0はそれぞれ、第1シンチレータセル24s及び第2シ
ンチレータセル26sが6行×5列に配置され構成され
ている。
【0021】各シンチレータアレイ24〜30を構成す
る各シンチレータセル24s,26sの形状は同等の直
方体であり、z軸方向に対向する一対の面が正方形で、
その他の面(以下、側面とする)におけるz軸方向の各
辺が前記正方形の一辺よりも長い、形状を有している。
なお、各シンチレータセル24s,26sの材料として
は、本実施の形態ではCeがドープされたGd2SiO5
が用いられ、そのCe濃度が0.5%molのものが第
1シンチレータセル24sに、1.5%molのものが
第2シンチレータセル26sに用いられている。
【0022】シンチレータユニット12は、受光素子1
4の受光面上に各シンチレータアレイ24〜30が以下
に説明するように積層され構成されている。まず、第1
のシンチレータアレイ24が、受光素子14の受光面上
に結合材等により光学的に結合されている。第2のシン
チレータアレイ26は、第1のシンチレータアレイ24
及び第2のシンチレータアレイ26を構成する各シンチ
レータセル24s及び26sの中心位置が受光素子14
の受光面に垂直な方向すなわちz軸方向に全て一致する
ように、第1のシンチレータアレイ24上に積層され光
学的に結合されている。第3のシンチレータアレイ28
は、第2のシンチレータアレイ26及び第3のシンチレ
ータアレイ28を構成する各シンチレータセル24s及
び26sの中心位置が受光素子14の受光面に平行な方
向に偏倚するように、第2のシンチレータアレイ26上
に積層され光学的に結合されている。この偏倚方向は行
方向すなわちx軸方向であり、偏倚量は、第3のシンチ
レータアレイ28において、互いに隣接する第1シンチ
レータセル24sの中心位置間距離の半分である。第4
のシンチレータアレイ30は、第3のシンチレータアレ
イ28及び第4のシンチレータアレイ30を構成する各
シンチレータセル24s及び26sの中心位置がz軸方
向に全て一致するように、第3のシンチレータアレイ2
8上に積層され光学的に結合されている。
【0023】図3に示すように、シンチレータユニット
12は、行方向すなわちx軸方向において、互いに隣接
する各シンチレータアレイ24〜30のうち受光素子1
4と反対側のシンチレータアレイの全長が、受光素子1
4側のシンチレータアレイの全長以下となるように、各
シンチレータアレイ24〜30が積層され構成されてい
る。なお、シンチレータアレイ24〜30のそれぞれに
おいて、行方向及び列方向に互いに隣接する各シンチレ
ータセル24s,26s間には反射材34が設けられて
おり、シンチレータユニット12の外周も反射材34に
覆われている。この反射材34は、放射線の入射により
各シンチレータセル24s,26sにおいて生じた蛍光
を反射して受光素子14に効率的に入射させるためのも
のである。また、必要があれば、第1のシンチレータア
レイ24と受光素子14との間にライトガイドを設置し
てもよい。
【0024】次に、位置検出部16について詳細に説明
する。
【0025】波形弁別回路18は、受光素子14から出
力される検出信号を異なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別
するためのものである。
【0026】本実施の形態における波形弁別法の原理
は、シンチレーション発光による受光素子からの出力波
形を積分波形に変換し、所定時間経過前後の出力値の比
に基づいて、異なる蛍光時定数毎に波形弁別するもので
ある。図4(a)は受光素子からの出力波形であり、図
4(b)はその積分波形である。図4(b)に示すよう
に、時刻t1及びt2において積分波形の出力値をサン
プリングしてA/D変換し、その比を計算すると、蛍光
減衰時定数が長い波形の比:S1/S2より蛍光減衰時
定数が短い波形の比:F1/F2が大きくなる。したが
って、これらの比を比較することで波形弁別することが
できる。
【0027】図5は、本実施の形態に係る波形弁別回路
18の波形弁別処理を示すフローチャートである。ま
ず、波形弁別回路18に、受光素子14からの検出信号
が入力される(ステップ50)。この検出信号は積分回
路により積分波形に変換される(ステップ52)。そし
て、所定時間経過前後の出力値がサンプリングされA/
D変換される(ステップ54)。そして、その比が計算
されて(ステップ56)、検出信号が、第1シンチレー
タセル24sにおけるシンチレーション発光によるもの
と、第2シンチレータセル26sにおけるシンチレーシ
ョン発光によるものとに弁別される(ステップ58)。
【0028】このように、受光素子14からの検出信号
を異なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別することにより、
放射線が入射して蛍光を発したシンチレータセルが第1
シンチレータセル24sを有するシンチレータアレイ
(すなわち、第1のシンチレータアレイ24及び第3の
シンチレータアレイ28)と、第2シンチレータセル2
6sを有するシンチレータアレイ(すなわち、第2のシ
ンチレータアレイ26及び第4のシンチレータアレイ3
0)とのどちらに存在するのかを検出することができる
ため、シンチレータユニット12を多層化して、放射線
の吸収効率を向上させるができる。
【0029】重心位置検出回路20は、受光素子14か
らの検出信号を波形弁別回路18により波形弁別した後
に、異なる蛍光減衰時定数毎に受光素子14に到達した
光の重心位置を求めるためのものである。
【0030】ここで説明の便宜上、第h(h=1〜4)
のシンチレータアレイにおけるi行(i=1〜6)j列
(h=1,2のときj=1〜6,h=3,4のときj=
1〜5)目のシンチレータセルをシンチレータセルhi
jとする。一例として、図2に示す第4のシンチレータ
アレイ30の4行2列目のシンチレータセル442に放
射線が入射して蛍光が生じた場合の、受光素子14に到
達する光の重心位置について説明する。図3に示すよう
に、シンチレータセル442の受光素子14と反対側の
面及び側面は反射材34に覆われているため、光はシン
チレータセル342内に進行する。そして、シンチレー
タセル342の側面も反射材34に覆われているため、
光はシンチレータセル242と243とに別れて進行す
る。さらに、シンチレータセル242及び243の側面
も反射材34に覆われているため、シンチレータセル2
42と243とに別れて進行した光は、それぞれシンチ
レータセル142と143とに進行し、受光素子14の
受光面に到達する。したがって、シンチレータセル44
2で蛍光が生じた場合の受光素子14に到達する光の重
心位置は、シンチレータセル242及び243で蛍光が
生じた場合の受光素子14に到達する光のの重心位置間
の中間位置になる。
【0031】図6(a)は、第1シンチレータセル24
sから受光素子14に到達する光の重心位置の配列であ
り、黒円形は第1のシンチレータアレイ24からの、黒
三角形は第3のシンチレータアレイ28からのものを示
す。また、図6(b)は、第2シンチレータセル26s
から受光素子14に到達する光の重心位置の配列であ
り、白抜き円形は第2のシンチレータアレイ26から
の、白抜き三角形は第4のシンチレータアレイ30から
のものを示す。そして、図6(a),(b)に示すよう
に、出力端子32a,32b,32c及び32dを設定
し、それらの出力値をa,b,c及びdとすると、重心
位置検出回路20は、受光量の重心位置(x,y)を重
心位置演算 x=(c+d)/(a+b+c+d) y=(a+d)/(a+b+c+d) により求める。
【0032】このように、第1のシンチレータアレイ2
4に対し第3のシンチレータアレイ28が、また、第2
のシンチレータアレイ26に対し第4のシンチレータア
レイ30がそれぞれ、互いに隣接するシンチレータセル
の中心位置間距離の半分だけ、行方向すなわちx軸方向
に偏倚しているため、受光素子14からの検出信号を波
形弁別回路18により波形弁別した後に、異なる蛍光減
衰時定数毎に受光素子14に到達する光の重心位置を求
めると、異なる蛍光減衰時定数毎に各シンチレータセル
24s,26sからの光の重心位置の配列が等間隔とな
るため、重心位置の識別を正確に行うことができる。
【0033】データ処理回路22は、波形弁別回路18
及び重心位置検出回路20の処理データを収集し、シン
チレータユニット12内において蛍光を発したシンチレ
ータの同定や、入射放射線のエネルギー弁別や、その蛍
光が生じた時刻の検出を行うためのものである。
【0034】次に、放射線3次元位置検出器10によ
り、放射線の入射により蛍光を発したシンチレータの同
定を行う方法について説明する。
【0035】上述したように、例えばシンチレータセル
442に放射線が入射して蛍光が生じると、その蛍光は
受光素子14により検出され、検出信号として受光素子
14の出力端子34を介し位置検出部16の波形弁別回
路18に入力される。波形弁別回路18は、その検出信
号を異なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別する。シンチレ
ータセル442は、第2の蛍光減衰時定数を有するた
め、第2のシンチレータアレイ26または第4のシンチ
レータアレイ30のいずれかに存在することが検出され
る。そして、重心位置検出回路20により受光素子14
に到達した光の重心位置が演算され、データ処理回路2
2によりシンチレータセル442が同定される。
【0036】次に、本実施の形態に係る放射線3次元位
置検出器10をPET装置に用いた場合について説明す
る。図7は、放射線3次元位置検出器10をPET装置
に用いた場合の説明図である。図示するように、放射線
3次元位置検出器10は、被検体34を中心として円環
状に設けられた筐体36の外周に、互いに隣接するよう
に複数設置されている。
【0037】このように、放射線3次元位置検出器10
を円環状に配置する場合、放射線3次元位置検出器10
のシンチレータユニット12の行方向をPET装置の円
環面と平行になるように配置すれば、受光素子14側す
なわち第1のシンチレータアレイ24の全長よりも、被
検体34側すなわち第4のシンチレータアレイ30の全
長が短いため、隣接する放射線3次元位置検出器間の空
隙を減少させ、放射線の吸収効率の向上及び空間分解能
の向上を図ることができる。
【0038】以上、本発明の一実施形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されないこ
とはいうまでもない。
【0039】例えば、本実施の形態では、1つのシンチ
レータユニットに対し受光素子として位置検出型光電子
増倍管を1つ用いたが、1つのシンチレータユニットに
対し複数用いてもよい。
【0040】また、本実施の形態では、シンチレータセ
ルの材料としてCeがドープされたGd2SiO5を用い
たが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば
GSOとBGOのように異なった材料のシンチレータで
構成してもよい。また、LGOとGSOでもよい。
【0041】また、本実施の形態においては、シンチレ
ータセルとして、第1の蛍光減衰時定数を有するものと
第2の蛍光減衰時定数を有するものとを用いた場合につ
いて説明したが、3種類以上の蛍光減衰時定数を有する
シンチレータセルを用いてもよい。この場合でも、シン
チレータアレイを蛍光減衰時定数が同等のシンチレータ
セルによりそれぞれ構成し、受光素子からの検出信号を
異なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別すれば、放射線が入
射して蛍光を発したシンチレータセルが、いずれのシン
チレータアレイに存在するのかを検出することができ
る。
【0042】また、本実施の形態においては、全てのシ
ンチレータセルの形状が同等の直方体である場合につい
て説明したが、各シンチレータアレイ毎に、各シンチレ
ータアレイを構成する各シンチレータセルの形状を変え
てもよい。
【0043】図8は、各シンチレータアレイ38〜44
毎に各シンチレータセルの形状が異なるシンチレータユ
ニット46の説明図である。図示するようにx−z座標
を設定すると、シンチレータユニット46を構成する各
シンチレータセルの形状は、全て直方体であるが、各シ
ンチレータアレイ38〜44毎にその側面におけるz軸
方向の各辺の長さのみが異なっている。すなわち、x軸
方向の各辺の長さは全て4mmであるが、z軸方向の各
辺の長さは、第1のシンチレータアレイ38については
9mm、第2のシンチレータアレイ40については8m
m、第3のシンチレータアレイ42については7mm、
第4のシンチレータアレイ44については6mmとなっ
ている。
【0044】そして、シンチレータユニット46は、受
光素子14の受光面上に各シンチレータアレイ38〜4
4が以下に説明するように積層され構成されている。ま
ず、第1のシンチレータアレイ38が、受光素子14の
受光面上に結合材等により光学的に結合されている。第
2のシンチレータアレイ40は、第1のシンチレータア
レイ38及び第2のシンチレータアレイ40を構成する
各シンチレータセルの中心位置がz軸方向に全て一致す
るように、第1のシンチレータアレイ38上に積層され
光学的に結合されている。第3のシンチレータアレイ4
2は、第2のシンチレータアレイ40及び第3のシンチ
レータアレイ42を構成する各シンチレータセルの中心
位置がx軸方向に2mmだけ偏倚するように、第2のシ
ンチレータアレイ40上に積層され光学的に結合されて
いる。第4のシンチレータアレイ44は、第3のシンチ
レータアレイ42及び第4のシンチレータアレイ44を
構成する各シンチレータセルの中心位置がz軸方向に全
て一致するように、第3のシンチレータアレイ42上に
積層され光学的に結合されている。なお、第1のシンチ
レータアレイ38及び第3のシンチレータアレイ42を
構成する各シンチレータセルは、第1の蛍光減衰時定数
を有し、第2のシンチレータアレイ40及び第4のシン
チレータアレイ44を構成する各シンチレータセルは、
第2の蛍光減衰時定数を有している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シンチレータユニットが、第1の蛍光減衰時定数を有す
るシンチレータセルから構成される第1のシンチレータ
アレイと、第1のシンチレータアレイに隣接するように
積層される、第1の蛍光減衰時定数と異なる第2の蛍光
減衰時定数を有するシンチレータセルから構成される第
2のシンチレータアレイとを有し、位置検出手段が、受
光素子からの検出信号を異なる蛍光減衰時定数毎に波形
弁別することにより、放射線が入射して蛍光を発したシ
ンチレータセルが第1のシンチレータアレイと第2のシ
ンチレータアレイとのどちらに存在するのかを検出する
ことができるため、シンチレータユニットを多層化し
て、放射線の吸収効率を向上させることができる。
【0046】そして、検出信号の波形弁別後に、第1の
蛍光減衰時定数を有するシンチレータセルからの検出信
号に基づいて、受光素子に到達した光の重心位置を求め
れば、第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレータセ
ルの中心位置が受光素子の受光面に平行な方向に偏倚し
ているため、放射線が入射して蛍光を発したシンチレー
タセルの同定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る放射線3次元位置検
出器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシンチレータユニッ
ト及び受光素子の構成を示す斜視図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿ってのシンチレー
タユニットの断面図である。
【図4】(a) シンチレーション発光による受光素子
からの出力波形である。 (b) 図4(a)における出力波形の積分波形であ
る。
【図5】本発明の実施の形態に係る波形弁別回路による
波形弁別処理を示すフローチャートである。
【図6】(a) 本発明の実施の形態に係る第1シンチ
レータセルから受光素子に到達する光の重心位置の配列
である。 (b) 本発明の実施の形態に係る第2シンチレータセ
ルから受光素子に到達する光の重心位置の配列である。
【図7】本実施の形態に係る放射線3次元位置検出器を
PET装置に用いた場合の説明図である。
【図8】各シンチレータアレイ毎に各シンチレータセル
の形状が異なるシンチレータユニットの説明図である。
【符号の説明】
10…放射線3次元位置検出器、12…シンチレータユ
ニット、14…受光素子、16…位置検出部、18…波
形弁別回路、20…重心位置検出回路、22…データ処
理回路、24…第1のシンチレータアレイ、26…第2
のシンチレータアレイ、28…第3のシンチレータアレ
イ、30…第4のシンチレータアレイ、24s…第1シ
ンチレータセル、26s…第2シンチレータセル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/321 G01T 1/161 A // G01T 1/161 H01L 31/00 A (72)発明者 田中 栄一 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 山下 貴司 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2F067 AA04 CC19 HH11 JJ04 KK01 LL01 LL02 LL14 RR00 RR12 RR19 RR21 RR24 RR27 2G088 EE02 FF07 GG17 GG20 JJ03 JJ05 JJ06 JJ37 KK02 KK21 KK27 KK33 KK35 5C024 AX12 CX37 GX00 5F088 BB03 BB10 JA17 KA08 LA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線の入射により蛍光を発するシンチ
    レータセルを2次元に配列して構成されるシンチレータ
    アレイを、複数積層して構成されるシンチレータユニッ
    トと、 前記シンチレータセルからの前記蛍光を検出する受光素
    子と、 前記受光素子からの検出信号に基づいて、放射線の入射
    により蛍光を発したシンチレータセルの同定を行う位置
    検出手段とを備えた放射線3次元位置検出器であって、 前記シンチレータユニットは、 第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレータセルの中
    心位置が前記受光素子の受光面に平行な方向に偏倚する
    ように積層される、前記第1の蛍光減衰時定数を有する
    シンチレータセルから構成される複数の第1のシンチレ
    ータアレイと、 前記第1のシンチレータアレイに隣接するように積層さ
    れる、前記第1の蛍光減衰時定数と異なる第2の蛍光減
    衰時定数を有するシンチレータセルから構成される第2
    のシンチレータアレイとを有し、 前記位置検出手段は、前記受光素子からの検出信号を異
    なる蛍光減衰時定数毎に波形弁別することを特徴とする
    放射線3次元位置検出器。
  2. 【請求項2】 前記第1の蛍光減衰時定数を有する各シ
    ンチレータセルの中心位置の偏倚方向は、前記第1のシ
    ンチレータアレイを構成する前記第1の蛍光減衰時定数
    を有するシンチレータセルの配列の行または列のいずれ
    か一方または双方向であり、 前記第1の蛍光減衰時定数を有する各シンチレータセル
    の中心位置の偏位量は、前記第1のシンチレータアレイ
    において、隣接する前記第1の蛍光減衰時定数を有する
    シンチレータセルの中心位置間距離の半分であることを
    特徴とする請求項1に記載の放射線3次元位置検出器。
  3. 【請求項3】 前記各シンチレータセルの形状は、直方
    体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射
    線3次元位置検出器。
  4. 【請求項4】 前記シンチレータユニットは、前記各シ
    ンチレータアレイを構成する前記シンチレータセルの配
    列の行または列のいずれか一方または双方向において、
    隣接する前記各シンチレータアレイのうち前記受光素子
    と反対側の前記シンチレータアレイの全長が、前記受光
    素子側の前記シンチレータアレイの全長以下となるよう
    に、前記各シンチレータアレイを積層して構成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の放射
    線3次元位置検出器。
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