JP2016031289A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンチレーション光が発生したシンチレータセルを精度良く特定可能な放射線検出器を提供する。【解決手段】放射線検出器1は、入射面12に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセル16を含む第1のシンチレータ層2と、光結合面9に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセル22を含む第2のシンチレータ層3と、第2のシンチレータ層3のシンチレータセル22に対して光学的に結合された受光部6を有する光検出器4と、を備えている。第1のシンチレータ層2は光散乱面13と光反射面14とを有する。複数のシンチレータセル16は、格子状に互いに組み合わされた光散乱面13及び光反射面14によって仕切られている。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線を検出した位置を特定可能な放射線検出器に関する。
ポジトロン断層法(PET :Positron Emission Tomography)に利用されている放射線検出器は、放射線を吸収してシンチレーション光を発生させるシンチレータとシンチレーション光が発生した位置を検出する位置検出型光検出器とを備えている。このシンチレータは、物理的或いは光学的に分離された複数のシンチレータセルを含んでいる。シンチレータセルは、例えば、格子状に形成された光散乱層により光学的に互いに分離されている。光散乱層は、シンチレータ内へのレーザー光照射によって形成されている。また、光散乱層が有する光透過性によれば、重心演算を利用したシンチレータのセグメント分離が可能になる。このような放射線検出器に関する技術として、特許文献1〜4に記載された技術が知られている。
特許文献1の放射線検出器は、複数の光散乱面が形成されたシンチレータと2個の光検出器とを備えている。少なくとも一方の光検出器は、一又は複数の光散乱面を通過して光強度が減衰したシンチレーション光を捉える。光強度の減衰量は、通過した光散乱面の数に対応しているので、光強度を利用してシンチレーション光が発生した領域の特定が可能になる。特許文献2の3次元放射線位置検出器は、複数のシンチレータセルを有するシンチレータユニットと受光素子とを備えている。シンチレータセル間には、反射材及び透過材のいずれか一方のみが配置されている。特許文献3の放射線位置検出器は、複数のシンチレータセルを含む層を複数積層した多層シンチレータと受光素子とを備えている。この放射線位置検出器は、受光素子に入射される光強度を均一化する手段の一つとして、シンチレータセル間に設置された光反射材を有している。特許文献4の検知器コンポーネントは、シンチレータを備えている。このシンチレータには、シンチレーション光を制御する光学的境界を画定するための複数のボイドが形成されている。このボイドは、シンチレータ内に設定された焦点にレーザービームを集束させることにより形成されている。
国際公開2012/105292号 特許第4338177号 特許第4332613号 特許第5013864号
ところで、放射線検出器では、光検出器から出力された信号を利用して、光が発生した位置に対応する検出点を含む位置情報データを得る。この位置情報データにおいて、あるシンチレータセルに対応する検出点に対して、当該シンチレータセルに隣接する別のシンチレータセルに対応する検出点が画像処理によって弁別可能な程度に分離されている必要がある。
そこで、本発明は、シンチレーション光が発生したシンチレータセルを精度良く特定可能な放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る放射線検出器は、放射線の入射方向と交差する入射面、及び入射面に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセルを含む第1のシンチレータ層と、第1のシンチレータ層に対して光学的に結合されると共に入射面に対して平行である光結合面、及び光結合面に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセルを含む第2のシンチレータ層と、入射面に対して平行であり、第2のシンチレータ層の複数のシンチレータセルに対して光学的に結合された受光部を有する光検出部と、を備えている。第1のシンチレータ層及び第2のシンチレータ層の少なくとも一方は、入射面の法線方向に対して平行な複数の第1の光散乱面と、入射面の法線方向に対して平行であって第1の光散乱面と交差する複数の光反射面と、を有すると共に、複数のシンチレータセルが、格子状に互いに組み合わされた複数の第1の光散乱面及び複数の光反射面によって仕切られている。
この放射線検出器では、入射面から放射線が入射し、第1のシンチレータ層又は第2のシンチレータ層において当該放射線が吸収されて、線量に応じた光強度を有するシンチレーション光が発生する。例えば、第1のシンチレータ層においてシンチレーション光が発生した場合には、シンチレーション光は、その発生位置から第2のシンチレータ層に向かって拡散しつつ伝播する。拡散したシンチレーション光は、受光部に入射する。そして、受光部から出力される信号を利用して、シンチレーション光が発生した位置を算出する。すなわち、シンチレーション光が発生した位置の算出には、シンチレーション光の拡散範囲が影響する。ここで、第1のシンチレータ層又は第2のシンチレータ層のいずれか一方には入射面の法線方向に対して平行な光反射面及び第1の光散乱面が設けられている。第1の光散乱面はある程度のシンチレーション光を透過する。一方、光反射面は、シンチレーション光をほとんど透過することなく反射する。そうすると、シンチレーション光は、第1の光散乱面に対して交差する方向において光散乱面を通過しつつ拡散するが、光反射面に対して交差する方向にはほとんど拡散しない。従って、この放射線検出器では、光検出器に到達するまでのシンチレーション光の拡散範囲を制御することができる。これによって、あるシンチレータセルに対応する検出点に対し、当該シンチレータセルに隣接する別のシンチレータセルに対応する別の検出点が、画像処理によって弁別可能な程度に分離されるように、シンチレーション光の拡散範囲を制御することが可能になる。従って、シンチレーション光が発生したシンチレータセルを精度良く特定することができる。
また、第1のシンチレータ層は、第1の光散乱面と、光反射面と、を有し、第1のシンチレータ層のシンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の第1の光散乱面及び複数の光反射面によって仕切られ、第2のシンチレータ層は、格子状に形成されると共に入射面の法線方向に対して平行である第2の光散乱面を有し、第2のシンチレータ層のシンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の第2の光散乱面によって仕切られていてもよい。この構成によれば、第1のシンチレータ層では、光反射面に交差する方向にシンチレーション光の拡散範囲が制限される。一方、第2のシンチレータ層では、シンチレーション光が二次元状に均等に拡散する。これによって、第1のシンチレータ層においてシンチレーション光が発生した場合には、第2のシンチレータ層はライトガイドとして機能する。従って、シンチレーション光を複数の受光部で受光することが可能になるので、シンチレータセルの数よりも受光部の数が少ない構成であっても光強度の分布を得ることができる。従って、シンチレーション光が発生したシンチレータセルを特定することができる。
また、第1のシンチレータ層は、格子状に形成されると共に入射面の法線方向に対して平行である第2の光散乱面を有し、第1のシンチレータ層のシンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の第2の光散乱面によって仕切られ、第2のシンチレータ層は、第1の光散乱面と、光反射面と、を有し、第2のシンチレータ層のシンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の第1の光散乱面及び複数の光反射面によって仕切られていている構成とすることもできる。この構成によれば、第2のシンチレータ層におけるシンチレータ光の発生において、重心演算により得られる検出点の間隔を制御することが可能になる。従って、第1のシンチレータ層に対応する検出点と第2のシンチレータ層に対応する検出点とを弁別可能な程度にそれぞれの位置を異ならせることができる。従って、シンチレーション光が発生したシンチレータセルを精度良く特定することができる。
また、第1のシンチレータ層及び第2のシンチレータ層は、第1の光散乱面と、光反射面と、をそれぞれ有し、第1のシンチレータ層及び第2のシンチレータ層におけるそれぞれのシンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の第1の光散乱面及び複数の光反射面によって仕切られ、第1のシンチレータ層における光反射面の延在方向は、第2のシンチレータ層における光反射面の延在方向に対して交差していてもよい。この構成によれば、第1のシンチレータ層では、第1のシンチレータ層の光反射面に交差する方向にシンチレーション光の拡散範囲が制限される。また、第2のシンチレータ層においても、第2のシンチレータ層の光反射面に交差する方向にシンチレーション光の拡散範囲が制限される。そして、それぞれの光反射面の延在方向が第1のシンチレータ層と第2のシンチレータ層とで異なっているので、拡散範囲が制限される方向も第1のシンチレータ層と第2のシンチレータ層とで異なる。従って、それぞれのシンチレータ層において、拡散範囲を制御することが可能になるので、シンチレーション光が発生したシンチレータセルをより精度良く特定することができる。
また、第1のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、法線方向と直交する第1の方向に沿って所定のピッチで配置され、第2のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、第1の方向に沿って所定のピッチで配置され、第1のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、第2のシンチレータ層におけるシンチレータセルに対して、第1の方向に沿って所定のピッチの二分の一だけずれていてもよい。この構成によれば、位置情報データにおいて、第1のシンチレータ層に対応する検出点の位置と、第2のシンチレータ層に対応する検出点の位置と、を互いに異ならせることができる。従って、シンチレーション光が第1シンチレータ層又は第2のシンチレータ層のいずれで発生したかを精度良く特定することが可能になる。
また、第1のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、法線方向及び第1の方向と交差する第2の方向に沿って所定のピッチで配置され、第2のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、第2の方向に沿って所定のピッチで配置され、第1のシンチレータ層におけるシンチレータセルは、第2のシンチレータ層におけるシンチレータセルに対して、第2の方向に沿って所定のピッチの二分の一だけずれていてもよい。この構成によれば、位置情報データにおいて、第1のシンチレータ層に対応する検出点の位置と、第2のシンチレータ層に対応する検出点の位置と、を互いに異ならせることができる。従って、シンチレーション光が第1又は第2のシンチレータ層のいずれで発生したかをさらに精度良く特定することが可能になる。
本発明の放射線検出器によれば、光が発生したシンチレータセルを精度良く特定することができる。
本発明の一形態に係る放射線検出器の斜視図である。 図1に示された放射線検出器の側面図である。 図1に示された第1のシンチレータ層の分解斜視図である。 図1に示された放射線検出器により得られる検出点の分布を模式的に示す図である。 変形例1に係る放射線検出器の斜視図である。 図5に示された放射線検出器の分解斜視図である。 図5に示された放射線検出器により得られる検出点の分布を模式的に示す図である。 変形例2に係る放射線検出器の斜視図である。 図8に示された放射線検出器により得られる検出点の分布を模式的に示す図である。 変形例3に係る放射線検出器の斜視図である。 比較例に係る放射線検出器の斜視図である。 図11に示された放射線検出器により得られる検出点の分布を模式的に示す図である。 図11に示された放射線検出器の作用効果を説明するための図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、放射線検出器1は、ガンマ線などの放射線の入射により発生した光を検出することにより、放射線を検出するものである。
放射線検出器1は、第1のシンチレータ層2と、第2のシンチレータ層3と、光検出器(光検出部)4とを備えている。第1のシンチレータ層2及び第2のシンチレータ層3は、放射線を吸収してシンチレーション光と呼ばれる光を発生させるものである。第1のシンチレータ層2又は第2のシンチレータ層3で発生したシンチレーション光は、発生した位置から光検出器4に向かって進行しつつ二次元状に拡散し、光検出器4において光強度の分布として検出される。この二次元的な光強度分布の重心を求める演算を行うことにより、シンチレーション光が発生した二次元的な位置情報が得られる。
図2に示されるように、光検出器4の複数の受光部6を含む受光面7には、第2のシンチレータ層3が光学的に結合されている。第2のシンチレータ層3は、光検出器4と結合された裏面8と、裏面8の反対側の光結合面9とを有している。光結合面9には、第1のシンチレータ層2の裏面11が光学的に結合されている。第1のシンチレータ層2と第2のシンチレータ層3との間には、シンチレーション光に対し透明な光学部材が充填されている。同様に、第2のシンチレータ層3と光検出器4との間にもシンチレーション光に対し透明な光学部材が充填されている。このような光学部材には、例えば、シリコーンオイル、空気、光学用透明接着剤等がある。このような構成を有する放射線検出器1では、第1のシンチレータ層2の表面が放射線の入射面12とされ、入射面12に対して放射線が入射される。
図1に示されるように、第1のシンチレータ層2及び第2のシンチレータ層3は、放射線の入射によってシンチレーション光を発生する結晶塊により構成されている。この結晶塊は、略直方体状の外形形状を有している。例えば、第1のシンチレータ層2は、一例として、一辺A1が50mmであり、他辺A2が50mmであり、高さA3が10mm程度である。第1のシンチレータ層2をなす結晶塊は、入射面12から入射した放射線を吸収し、吸収した放射線の線量に対応する光強度を有するシンチレーション光を発生する。結晶塊は、例えばBiGe12(BGO)、CeがドープされたLuSiO(LSO)、Lu2(1−X)2XSiO(LYSO)、GdSiO(GSO)、PrがドープされたLuAG(LuAl12)、CeがドープされたLaBr(LaBr)、CeがドープされたLaCl(LaCl)、CeがドープされたLu0.70.3AlO(LuYAP)、Lutetium Fine Silicate(LFS)などのいずれかの結晶によって好適に構成される。
図1に示されるように、第1のシンチレータ層2には、光散乱面13と光反射面14とが形成されている。これら光散乱面13と光反射面14とは、第1のシンチレータ層2を光学的に分離された複数のシンチレータセル16に分離するものである。また、第2のシンチレータ層3には、格子状の光散乱面13が形成されている。光散乱面13は、第2のシンチレータ層3を光学的に分離された複数のシンチレータセル22に分離するものである。なお、光散乱面13と光反射面14との具体的な配置は、後述する。また、光学的な分離とは、隣接するシンチレータセル16,22へ光が入射されたとき、光散乱面13において光が散乱されて光強度が弱まった光が伝播される場合、光反射面14においてほとんどが反射される場合、又は光反射面14において所定割合の光が反射され、残りの光が透過される場合を含む。
光散乱面13は、改質領域(不図示)により構成されている。改質領域は、レーザー光の照射により、例えばボイド状の改質スポットが互いに重なり合うように形成された領域である。この複数の改質スポットが光学的な散乱面を形成している。改質スポットは、結晶塊の内部にレーザー光を集光させることにより、形成する。すなわち、光散乱面13は、シンチレータをなす結晶塊の表面を機械的又は化学的に処理して得られるものではない。改質領域は、シンチレーション光を遮断したり吸収したりするものではないため、光散乱面13の全面に改質領域が形成されていても、シンチレーション光の一部は隣接するシンチレータセル16,22へ透過される。また、光散乱面13は、光散乱面13への光の入射角度により光透過率が異なる。例えば、入射角度が垂直である場合には、光透過率が大きくなる。すなわち、入射したシンチレーション光は殆ど透過する。一方、入射角度が大きくなると、垂直に入射した場合と比較して光透過率が下がる。
光反射面14は、シンチレーション光の拡散を阻害するものであり、光透過率が光散乱面13よりも低い。すなわち、光反射面14は、光散乱面13よりも光の拡散を阻害するものである。従って、光透過率が光散乱面13よりも低ければよいので、光反射面14の反射率は100%であってもよいし、100%以下であってもよい。このような光反射面14として、例えば、テフロンテープ(テフロンは登録商標)、硫酸バリウム、酸化アルミ、酸化チタン、ESR(Enhanced Specular Reflector)フィルム、及びポリエステルフィルムといった部材のいずれかを用いることができる。
図3に示されるように、光散乱面13と光反射面14とを有する第1のシンチレータ層2は、まず、板状の結晶塊にレーザー光を照射して光散乱面13を形成する。従って、光散乱面13の形成に当たっては、シンチレータをなす結晶塊を切断する工程は伴わない。そして、レーザー光により加工した各シンチレータの間に光反射面14をなす光反射材を配置して再び光学的に接合する。以上の工程によって第1のシンチレータ層2が得られる。要するに、第1のシンチレータ層2は、結晶塊に対するレーザー光の照射工程と、結晶塊同士の接合工程によって形成される。一方、第2のシンチレータ層3は、光反射面14を有していないので、板状の結晶塊にレーザー光を照射して光散乱面13を形成することにより得られる。
光検出器4は、受光部6を有する受光面7に入射した光の入射位置及び光強度に応じた電気信号を出力する。光検出器4は、例えば、位置検出型の光電子増倍管やアバランシェフォトダイオード(APD:Avalance Photo Diode)、あるいはMPPC(Multi―Pixel Photon Counter)といった半導体光検出器により好適に構成される。なお、MPPCは、複数のガイガーモードAPDのピクセルからなるフォトンカウンティングデバイスである。光検出器4は、複数の受光部6を有している。光検出器4が有する受光部6の数は、シンチレータセル16の数よりも少ない。従って、受光部6は、複数のシンチレータセル16に跨るように配置されている(図2参照)。
次に、第1のシンチレータ層2における光散乱面13及び光反射面14の配置について詳細に説明する。
図1に示されるように、第1のシンチレータ層2の光散乱面13は、入射面12の法線方向(方向D1)に対して平行である。すなわち、光散乱面13は、入射面12に対して交差、より具体的には直交している。すなわち、放射線検出器1では、光検出器4の受光面7が第1のシンチレータ層2の光散乱面13と直交している。また、放射線検出器1では、第1のシンチレータ層2の入射面12が光検出器4の受光面7に対して平行である。従って、シンチレータ光は、光検出器4に到達するまでに、必ずしも光散乱面13を通過するものではない。この光散乱面13は、第1のシンチレータ層2の一方の側面17から他方の側面18の間に亘って延在し、入射面12から裏面11の間に亘って延在している。すなわち、光散乱面13は、側面17,18に直交する一対の側面19,21と同じ形状を有している。このような光散乱面13は、法線方向(方向D1)と直交する方向(方向D3)に沿って互いに離間するように形成されている。この離間距離が、シンチレータセル16の一辺A4に相当する。これら光散乱面13によって、第1のシンチレータ層2は、第1のシンチレータ層2の一辺A1に沿って光学的に分離されている。
光反射面14は、法線方向(方向D1)に対して平行であって、光散乱面13と交差している。具体的には、光反射面14は、入射面12及び光散乱面13に対してそれぞれ直交している。従って、シンチレータ光は、光検出器4に到達するまでに、必ずしも光反射面14を通過するものではない。この光反射面14は、第1のシンチレータ層2の側面19から側面21の間に亘って延在し、入射面12から裏面11の間に亘って延在している。すなわち、光反射面14は、側面17,18と同じ形状を有している。このような光反射面14は、法線方向(方向D1)及び光散乱面13が互いに離間する方向(方向D3)のそれぞれに直交する方向(方向D2)に沿って互いに離間している。この離間距離が、シンチレータセル16の他辺A6に相当する。第1のシンチレータ層2は、他辺A2に沿って光学的に分離されている。
このような光散乱面13と光反射面14とによって光学的に分離されたシンチレータセル16は、入射面12に沿って二次元状に配列されている。シンチレータセル16は、入射面12と交差する一対の側面が光散乱面13によって形成されている。また、シンチレータセル16は、一対の側面のそれぞれと直交する別の一対の側面が光反射面14によって形成されている。すなわち、シンチレータセル16は、一対の光散乱面13と一対の光反射面14とにより光学的に分離された領域である。
第1のシンチレータ層2と第2のシンチレータ層3とにおいて、シンチレータセル16とシンチレータセル22とは、第1の方向(方向D2)に沿って所定距離だけずれるように配置されている。第1のシンチレータ層2におけるシンチレータセル16は、法線方向(方向D1)と直交する第1の方向(方向D2)に沿って所定のピッチで配置されている。このピッチは、シンチレータセル16の他辺A6の長さに相当する。また、第2のシンチレータ層3におけるシンチレータセル22は、第1の方向(方向D2)に沿って所定のピッチで配置されている。このピッチは、シンチレータセル22の他辺A6の長さに相当する。本実施形態では、シンチレータセル16の他辺A6とシンチレータセル22の他辺A6とは互いに同じ長さである。そして、第1のシンチレータ層2におけるシンチレータセル16は、第2のシンチレータ層3におけるシンチレータセル16に対して、第1の方向(方向D2)に沿って所定のピッチの二分の一だけずれている。すなわち、第1のシンチレータ層2のシンチレータセル16は、第1の方向に沿って2個のシンチレータセル22に跨るように結合されている。換言すると、第2のシンチレータ層3のシンチレータセル22は、第1の方向に沿って2個のシンチレータセル16に跨るように結合されている。
以下、放射線検出器1の作用効果を比較例に係る放射線検出器の作用効果と比較しつつ説明する。
図11(a)に示されるように、比較例1に係る放射線検出器100Aは、第1のシンチレータ層102Aが光散乱面13を有していない点で放射線検出器1と相違する。すなわち、比較例1に係る放射線検出器100Aでは、第1のシンチレータ層102Aが、光反射面14によって複数のシンチレータセルC1aに光学的に分離されている。また、第2のシンチレータ層103Aが、光反射面14によって複数のシンチレータセルC2aに光学的に分離されている。
また、図11(b)に示されるように、比較例2に係る放射線検出器100Bは、第1のシンチレータ層102Bが光反射面14を有していない点で放射線検出器1と相違する。すなわち、比較例2に係る放射線検出器100Bでは、第1のシンチレータ層102Bが、光散乱面13によって複数のシンチレータセルC1bに光学的に分離されている。また、第2のシンチレータ層103Bが、光散乱面13によって複数のシンチレータセルC2bに光学的に分離されている。
図12(a)は、放射線検出器100AのシンチレータセルC1a,C2aに対して放射線を入射して得られる検出点の分布を模式的に示す想定図である。白丸の複数の検出点P1aは、シンチレーション光が発生したシンチレータセルC1aに対応している。例えば、検出点T1aは、シンチレータセル106aに対応している。従って、放射線検出器100Aを利用して得た位置情報データに検出点T1aが含まれている場合には、シンチレータセル106aで放射線が吸収され、シンチレーション光が発生したことを示す。ハッチングを付した複数の検出点P2aは、シンチレーション光が発生したシンチレータセルC2aに対応している。例えば、検出点T2aは、シンチレータセル107aに対応している。従って、放射線検出器100Aを利用して得た位置情報データに検出点T2aが含まれている場合には、シンチレータセル107aで放射線が吸収され、シンチレーション光が発生したことを示す。
図12(b)は、放射線検出器100BのシンチレータセルC1b,C2bに対して放射線を入射して得られる検出点の分布を模式的に示す想定図である。白丸の複数の検出点P1bは、シンチレーション光が発生したシンチレータセルC1bに対応している。例えば、検出点T1bは、シンチレータセル106bに対応している。従って、放射線検出器100Bを利用して得た位置情報データに検出点T1bが含まれている場合には、シンチレータセル106bで放射線が吸収され、シンチレーション光が発生したことを示す。ハッチングを付した複数の検出点P2bは、シンチレーション光が発生したシンチレータセルC2bに対応している。例えば、検出点T2bは、シンチレータセル107bに対応している。従って、放射線検出器100Bを利用して得た位置情報データに検出点T2bが含まれている場合には、シンチレータセル107bで放射線が吸収され、シンチレーション光が発生したことを示す。
ここで、図11(a)のようにシンチレータセルC1a,C1bが全て光反射面14にて囲まれている場合には、検出点P1a及び検出点P2aの分布は、図12(a)となる。第1のシンチレータ層102AのシンチレータセルC1aと、第2のシンチレータ層103AのシンチレータセルC2aとは、方向D2に沿ってピッチがずれている。従って、第1のシンチレータ層102Aに対応する検出点P1aの間に、第2のシンチレータ層103Aに対応する検出点P2aが位置する。言い換えると、位置情報データでは、方向D2に沿って検出点P1aと検出点P2aとが交互に配置される。しかし、図11(b)のようにシンチレータセルC1b,C2bが全て光散乱面13にて囲まれている場合には、図12(b)に示されるように、第2のシンチレータ層103Bに対応する検出点P2bは、図12(a)の検出点P2aよりも全体に縮まり、第1のシンチレータ層102Bに対応する検出点P1bは、さらに間隔が狭くなっている。従って、第1のシンチレータ層102Aの周辺部に対応する検出点T1aが、第2のシンチレータ層103Aに対応する検出点T2aの間に位置せず、重なってしまっている。
この理由を説明する。図11(b)のようにシンチレータセルが全て光散乱面13にて囲まれている場合には、図13(a)に示されるように、第1のシンチレータ層102Bのシンチレータセル106dでシンチレーション光が発生すると、シンチレーション光の発生位置S1から光検出器4までの距離S2、具体的には入射面12の法線方向(方向D1)に沿った距離S2は比較的長い。そうすると、シンチレーション光Lが光検出器4までに到達するまでの間に、シンチレーション光Lは広範囲に拡散する。
シンチレーション光Lの拡散範囲が広がりすぎると、各検出点の間隔が狭くなり、中央に縮んだパターンとなる。例えば、第1のシンチレータ層102Bのシンチレータセル106dでシンチレーション光が発生した場合を想定する。シンチレーション光Lが二次元状に均等に拡散したとすると、第1のシンチレータ層102Bの外側には受光部6が配置されていないので、この拡散領域は実際には検出されない。そうすると、検出された光の強度分布は、非対称な分布になる(図13(b)参照)。図13(b)は、各受光部6で検出された光出力を示すヒストグラムである。このようなヒストグラム分布に基づいて、重心演算を行うと、図13(c)に示される重心演算の結果が得られる。図13(c)を参照すると、図13(b)のヒストグラムから得られた重心の位置は、正確な位置(バーB1)によりも第1のシンチレータ層2の中央に片寄った位置(バーB2)になっている。従って、第1のシンチレータ層102Bに対応する点は、周縁部に近いほど、正確な位置に対して第1のシンチレータ層102Bの中央に片寄った位置になると予想される。すなわち、実際にはシンチレータセル106dでシンチレーション光Lが発生しているのにも関わらず、重心演算の結果として得られる位置はシンチレータセル106eになることが有り得る。要するに、比較例2に係る放射線検出器100Bでは、シンチレーション光Lが拡散しすぎることが問題になっている。そして、このシンチレーション光Lが拡散しすぎる理由は、光散乱面13の光透過率が高い点と、シンチレーション光Lが発生した位置から光検出器4までの距離S2が比較的長いことによる。
なお、第2のシンチレータ層103Bでシンチレーション光が発生した場合には、シンチレーション光が発生した位置と、光検出器4までの距離は比較的短い。このため、第1のシンチレータ層102Bで発生したシンチレーション光Lのようにシンチレーション光の拡散範囲が大きくない。このため、光検出点のパターンは、第1のシンチレータ層102Bほど縮まったものとはならない。
さらに、比較例2の放射線検出器100Bでは、図12(b)に示されるように、第1のシンチレータ層102Bに対応する検出点T1bと、第2のシンチレータ層103Bに対応する検出点T2bとが部分的に重なっている点である。基本的に、第1のシンチレータ層102Bに対応する検出点P1bと、第2のシンチレータ層103Bに対応する検出点P2bとは、完全に分離していることが望ましいが、画像処理によって弁別が可能な範囲であれば検出点P1b,P2b同士の重なりもある程度許容される。しかし、例えば検出点T1b,T2bのように重なりの度合いが大きい場合には、検出された点が第1のシンチレータ層102B又は第2のシンチレータ層103Bのいずれに対応するかの判定が困難になる。従って、第1のシンチレータ層102B及び第2のシンチレータ層103Bのいずれのシンチレータセルに対応するかの判定結果の精度が低下する。
要するに、比較例2に係る放射線検出器100Bでは、1個のシンチレータセルC1b,C2bで発生したシンチレーション光は、二次元状に拡散する。このような第1のシンチレータ層102B及び第2のシンチレータ層103Bを積層して形成した比較例2に係る放射線検出器100Bでは、上段の第1のシンチレータ層102Bと下段の第2のシンチレータ層103Bとでそれぞれシンチレーション光が二次元状に拡散する。従って、第1のシンチレータ層102Bでシンチレーション光Lが発生した場合には、シンチレーション光Lの発生位置S1と光検出器4との間の距離S2が長くなるため、拡散範囲が広がりすぎて、検出点P1bのパターンが第2のシンチレータ層103Bより縮んでしまう。そうすると、第1のシンチレータ層102Bの周辺のシンチレータセルC1bと第2のシンチレータ層103BのシンチレータセルC2bとの分離特性が劣化する。
本実施形態に係る放射線検出器1では、入射面12から放射線が入射し、第1のシンチレータ層2又は第2のシンチレータ層3において当該放射線が吸収されて、線量に応じた強度を有するシンチレーション光が発生する。例えば、第1のシンチレータ層2においてシンチレーション光が発生した場合には、シンチレーション光の発生位置から第2のシンチレータ層3に向かって拡散しつつ伝播する。拡散したシンチレーション光は、複数の受光部6に入射する。そして、シンチレーション光が入射した受光部6から出力される信号を利用して重心演算を行い、シンチレーション光が発生した位置を算出する。具体的には、シンチレーション光が発生したシンチレータセル16を特定する。すなわち、シンチレーション光が発生した位置の算出には、シンチレーション光の拡散範囲が影響する。
ここで、第1のシンチレータ層2には入射面12の法線方向(方向D1)に対して平行な光散乱面13及び光反射面14が設けられている。光散乱面13はある程度のシンチレーション光を透過するが、光反射面14はほとんど透過せず、シンチレーション光を反射する。そうすると、シンチレーション光は、光散乱面13に対して交差する方向D3にはある程度拡散するが、光反射面14に対して交差する方向D2にはほとんど拡散しない。すなわち、放射線検出器1では、シンチレーション光の拡散方向は、主として、光反射面14と平行な方向D2に沿った1次元方向に限定される。従って、放射線検出器1では、光検出器4に到達するまでのシンチレーション光の拡散範囲を制御することができる。
図4(a)は、検出点P1及び検出点P3の分布を模式的に示す図である。検出点P1は、比較例2に係る放射線検出器100Bの第1のシンチレータ層102Bに対応する点である。検出点P3は、本実施形態に係る放射線検出器1の第1のシンチレータ層2に対応する点である。破線L3は、本実施形態のシンチレータセル16が光散乱面13によって光学的に分離されていることを示す。二点鎖線L4は、本実施形態のシンチレータセル16が光反射面14によって光学的に分離されていることを示す。
光反射面14を配置した第1のシンチレータ層2によれば、光反射面14の法線方向(方向D2)へのシンチレーション光の拡散範囲が、光反射面14に対して平行な方向D3への光の拡散範囲よりも制限される。このようなシンチレーション光の拡散範囲に基づいて重心演算を行うと、実際の位置よりも第1のシンチレータ層2における中心寄りにシフトすることが抑制される。従って、図4(a)に示されるように、検出点P1の間隔は、光反射面14(二点鎖線L4)の法線方向(方向D2)へ拡大する。
そして、第1のシンチレータ層2と、第2のシンチレータ層3とを組み合わせると、図4(b)に示される検出点P3,P4の分布が得られる。図4(b)は、検出点P3及び検出点P4の分布を模式的に示す図である。検出点P3は、放射線検出器1の第1のシンチレータ層2に対応する点である。検出点P4は、放射線検出器1の第2のシンチレータ層3に対応する点である。破線L6は、第1のシンチレータ層2のシンチレータセル16が、光散乱面13によって光学的に分離されていることを示す。また、二点鎖線L7は、第1のシンチレータ層2のシンチレータセル16が、光反射面14によって光学的に分離されていることを示す。破線L8,L9は、第2のシンチレータ層3のシンチレータセル22が、光散乱面13によって光学的に分離されていることを示す。
図4(b)によれば、第1のシンチレータ層2に対応する検出点P3と第2のシンチレータ層3に対応する検出点P4とが重なっていない。従って、シンチレータセル16,22に対応する検出点P3,P4の分離特性が向上し、ひいては、シンチレーション光が発生したシンチレータセル16,22を精度良く特定することができる。
すなわち、本実施形態に係る放射線検出器1は、第1のシンチレータ層2に対応する検出点P3と、第2のシンチレータ層3に対応する検出点P4と、画像処理によって弁別可能な程度に分離されるように、シンチレーション光の拡散範囲が制御されている。従って、算出された検出点P3,P4が、第1のシンチレータ層2又は第2のシンチレータ層3のいずれで発生したものであるかを精度良く特定することができる。
また、上段に配置された第1のシンチレータ層2が、光散乱面13を有している。この構成によれば、第1のシンチレータ層2では、方向D2におけるシンチレーション光の拡散範囲を制限しつつ、第2のシンチレータ層3では方向D2におけるシンチレーション光の拡散範囲の制限を行わない。これによって、第1のシンチレータ層2においてシンチレーション光が発生した場合には、第2のシンチレータ層3はライトガイドとして機能する。これによって、シンチレーション光を複数の受光部6で受光することが可能になる。従って、シンチレータセル16の数よりも受光部6の数を少なくする構成で二次元位置を特定することが可能になる。
また、第1のシンチレータ層2におけるシンチレータセル16は、第2のシンチレータ層3におけるシンチレータセル22に対してずれるように配置されている。この構成によれば、検出点P3及び検出点P4の分布において、シンチレータセル16に対応する検出点P3の位置と、シンチレータセル22に対応する検出点P4の位置と、を予め異ならせることができる。従って、シンチレーション光が、第1のシンチレータ層2又は第2のシンチレータ層3のいずれで発生したかを精度良く特定することが可能になる。
また、本実施形態に係る放射線検出器1によれば、光反射面14の法線方向(方向D2)に沿ったシンチレーション光の拡散範囲が制限される。従って、第1のシンチレータ層2の高さA3を高くすることもできる。
また、本実施形態の放射線検出器1では、シンチレーション光の拡散範囲は、光散乱面13及び光反射面14の光透過率に基づいている。このため、光散乱面13及び光反射面14の光透過率をパラメータとして、シンチレーション光の拡散範囲を任意の範囲に設定することが可能になる。すなわち、光散乱面13及び光反射面14の光透過率をパラメータとして、各シンチレータセル16,22に対応する検出点P3,P4の位置を調整することができる。
以上、本発明の一形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
[変形例1]
例えば、図5に示されるように、変形例1に係る放射線検出器1Aは、第1のシンチレータ層2と第2のシンチレータ層3Aとを備えていてもよい。第1のシンチレータ層2は、上記実施形態の第1のシンチレータ層2と同様の構成を有している。第2のシンチレータ層3Aは、上記実施形態の第1のシンチレータ層2と同様に、光散乱面13と光反射面14とを有している。従って、変形例1に係る放射線検出器1Aでは、第1のシンチレータ層2と第2のシンチレータ層3Aとは互いに同様の構成を有している。
図6に示されるように、第1のシンチレータ層2における光反射面14の延在方向(方向D3)は、第2のシンチレータ層3Aにおける光反射面14の延在方向(方向D2)に対して直交している。このような構成によれば、第1のシンチレータ層2におけるシンチレーション光の拡散を制限する方向(方向D2)と、第2のシンチレータ層3Aにおけるシンチレーション光の拡散を制限する方向(方向D3)と、が直交する。これによって、シンチレーション光の拡散を好適に抑制することができるので、シンチレータセル16,22の分離特性の低下が抑制される。従って、放射線検出器1Aにおいても、上記実施形態に係る放射線検出器1と同様の効果を得ることができる。
図7は、検出点P5及び検出点P6の分布を模式的に示す図である。検出点P5は、放射線検出器1Aの第1のシンチレータ層2に対応する点である。検出点P6は、放射線検出器1Aの第2のシンチレータ層3Aに対応する点である。破線L11は、第1のシンチレータ層2のシンチレータセル16が光散乱面13で光学的に分離されていることを示す。二点鎖線L12は、第1のシンチレータ層2のシンチレータセル16が光反射面14で光学的に分離されていることを示す。破線L13は、第2のシンチレータ層3Aのシンチレータセル22が光散乱面13で光学的に分離されていることを示す。二点鎖線L14は、第2のシンチレータ層3Aのシンチレータセル22が光反射面14で光学的に分離されていることを示す。
図7に示されるように、放射線検出器1Aでは、第1のシンチレータ層2に対応する検出点P5の間隔を、光反射面14(二点鎖線L12)の法線方向(方向D2)へ拡大することができる。換言すると、検出点P5の間隔を、光反射面14(二点鎖線L12)に直交する方向(方向D2)へ拡大することができる。また、放射線検出器1Aでは、第2のシンチレータ層3Aに対応する検出点P6の間隔を、光反射面14(二点鎖線L14)の法線方向(方向D3)へ拡大することができる。換言すると、検出点P6の間隔を、光反射面14(二点鎖線L14)に直交する方向(方向D3)へ拡大することができる。そして、第1のシンチレータ層2に対応する検出点P5は、第2のシンチレータ層3Aに対応する検出点P6と重複していない。従って、シンチレーション光が発生したシンチレータセル16,22を精度良く特定することが可能になる。
[変形例2]
図8に示されるように、変形例2に係る放射線検出器1Bは、光散乱面13を有する第1のシンチレータ層2Bと、光散乱面13及び光反射面14を有する第2のシンチレータ層3Bとを備えていてもよい。すなわち、変形例2の放射線検出器1Bでは、光検出器4に直接に結合された第2のシンチレータ層3Bにのみ光反射面14が形成されている。また、第1のシンチレータ層2Bは、上記実施形態の第2のシンチレータ層3と同様の構成を有している。このような構成を有する放射線検出器1Bにおいても、上記実施形態に係る放射線検出器1と同様の効果を得ることができる。
図9(a)は、検出点P2及び検出点P8の分布を模式的に示す図である。検出点P2は、比較例2に係る放射線検出器100Bの第2のシンチレータ層103Bに対応する点である。検出点P8は、変形例2に係る放射線検出器1Bの第2のシンチレータ層3Bに対応する点である。破線L16は、第2のシンチレータ層3Bのシンチレータセル22が光散乱面13で光学的に分離されていることを示す。二点鎖線L17は、第2のシンチレータ層3Bのシンチレータセル22が光反射面14で光学的に分離されていることを示す。図9(b)は、検出点P7及び検出点P8の分布を模式的に示す図である。検出点P7は、放射線検出器1Bの第1のシンチレータ層2Bに対応する点である。検出点P8は、放射線検出器1Bの第2のシンチレータ層3Bに対応する点である。破線L18は、第1のシンチレータ層2Bのシンチレータセル16が、光散乱面13によって光学的に分離されていることを示す。
図9(a)に示されるように、放射線検出器1Bでは、第2のシンチレータ層3Bに対応する検出点P8の間隔を、光反射面14(二点鎖線L17)の法線方向(方向D3)へ拡大することができる。換言すると、検出点P8の間隔を、光反射面14(二点鎖線L17)と直交する方向(方向D3)へ拡大することができる。さらに、図9(b)に示されるように、第1のシンチレータ層2Bに対応する検出点P7と、第2のシンチレータ層3Bに対応する検出点P8とは、互いに重複していない。従って、シンチレーション光が発生したシンチレータセル16,22を精度良く特定することが可能になる。
[変形例3]
また、上記実施形態では、第1のシンチレータ層2と第2のシンチレータ層3とは、第1の方向(方向D2)にのみシンチレータセル16がずれていた。しかし、図10に示される放射線検出器1Cのように、第1の方向(方向D2)に加えて、第1の方向(方向D2)と直交する第2の方向(方向D3)にもずれるように配置されていてもよい。すなわち、第1のシンチレータ層2におけるシンチレータセル16は、法線方向(方向D1)及び第1の方向(方向D2)と交差する第2の方向(方向D3)に沿って所定のピッチで配置されている。第2のシンチレータ層3におけるシンチレータセル16は、第2の方向(方向D3)に沿って所定のピッチで配置されている。そして、第1のシンチレータ層2におけるシンチレータセル16は、第2のシンチレータ層3におけるシンチレータセル16に対して、第1の方向(方向D2)及び第2の方向(方向D3)へ所定のピッチの二分の一だけずれている。
この構成によれば、シンチレータセル16に対応する検出点の位置と、シンチレータセル22に対応する検出点の位置と、を予め異ならせることができる。理想的には、第1のシンチレータ層2に対応する検出点と第2のシンチレータ層3に対応する検出点とが、千鳥上に分布することになる。従って、放射線検出器1Cによれば、シンチレーション光が第1のシンチレータ層2又は第2のシンチレータ層3のいずれで発生したかをさらに精度良く特定することが可能になる。
1,1A,1B,100A,100B…放射線検出器、2,2B,102A,102B…第1のシンチレータ層、3,3A,3B,103A,103B…第2のシンチレータ層、4…光検出器、6…受光部、7…受光面、9…光結合面、12…入射面、13…光散乱面(第1の光散乱面、第2の光散乱面)、14…光反射面、D1…方向(入射面の法線方向)、16,22,C1a,C1b,C2a,C2b…シンチレータセル。

Claims (6)

  1. 放射線の入射方向と交差する入射面、及び前記入射面に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセルを含む第1のシンチレータ層と、
    第1のシンチレータ層に対して光学的に結合されると共に前記入射面に対して平行である光結合面、及び前記光結合面に沿って二次元状に配列された複数のシンチレータセルを含む第2のシンチレータ層と、
    前記入射面に対して平行であり、前記第2のシンチレータ層の複数の前記シンチレータセルに対して光学的に結合された受光部を有する光検出部と、
    を備え、
    前記第1のシンチレータ層及び前記第2のシンチレータ層の少なくとも一方は、前記入射面の法線方向に対して平行な複数の第1の光散乱面と、前記入射面の法線方向に対して平行であって前記第1の光散乱面と交差する複数の光反射面と、を有すると共に、複数の前記シンチレータセルが、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第1の光散乱面及び複数の前記光反射面によって仕切られている、放射線検出器。
  2. 前記第1のシンチレータ層は、前記第1の光散乱面と、前記光反射面と、を有し、
    前記第1のシンチレータ層の前記シンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第1の光散乱面及び複数の前記光反射面によって仕切られ、
    前記第2のシンチレータ層は、格子状に形成されると共に前記入射面の法線方向に対して平行である第2の光散乱面を有し、
    前記第2のシンチレータ層の前記シンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第2の光散乱面によって仕切られている、請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記第1のシンチレータ層は、格子状に形成されると共に前記入射面の法線方向に対して平行である第2の光散乱面を有し、
    前記第1のシンチレータ層の前記シンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第2の光散乱面によって仕切られ、
    前記第2のシンチレータ層は、前記第1の光散乱面と、前記光反射面と、を有し、
    前記第2のシンチレータ層の前記シンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第1の光散乱面及び複数の前記光反射面によって仕切られている、請求項1記載の放射線検出器。
  4. 前記第1のシンチレータ層及び前記第2のシンチレータ層は、前記第1の光散乱面と、前記光反射面と、をそれぞれ有し、
    前記第1のシンチレータ層及び前記第2のシンチレータ層におけるそれぞれの前記シンチレータセルは、格子状に互いに組み合わされた複数の前記第1の光散乱面及び複数の前記光反射面によって仕切られ、
    前記第1のシンチレータ層における前記光反射面の延在方向は、前記第2のシンチレータ層における前記光反射面の延在方向に対して交差している、請求項1記載の放射線検出器。
  5. 前記第1のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記法線方向と直交する第1の方向に沿って所定のピッチで配置され、
    前記第2のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記第1の方向に沿って前記所定のピッチで配置され、
    前記第1のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記第2のシンチレータ層における前記シンチレータセルに対して、前記第1の方向に沿って前記所定のピッチの二分の一だけずれている、請求項1〜4の何れか一項に記載の放射線検出器。
  6. 前記第1のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記法線方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って前記所定のピッチで配置され、
    前記第2のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記第2の方向に沿って前記所定のピッチで配置され、
    前記第1のシンチレータ層における前記シンチレータセルは、前記第2のシンチレータ層における前記シンチレータセルに対して、前記第2の方向に沿って前記所定のピッチの二分の一だけずれている、請求項5に記載の放射線検出器。
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