以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、放射線検出器1は、複数の放射線検出ユニット10を備えている。複数の放射線検出ユニット10は、二次元的に配列されている。この例では、複数の放射線検出ユニット10は、4行4列にマトリクス状に配列されている。隣り合う放射線検出ユニット10同士は、例えば接着等によって固定されることで、一体とされている。
図2に示されるように、放射線検出ユニット10は、第1シンチレータ部20と、第2シンチレータ部30と、光反射部50,60と、光検出ユニット80と、を備えている。各シンチレータ部20,30は、外部から入射したガンマ線等の放射線の吸収によってシンチレーション光を発生する結晶塊により構成されている。各シンチレータ部20,30は、放射線を吸収した位置において、吸収した放射線の線量に応じた強さのシンチレーション光を発生する。結晶塊は、例えば、Bi4Ge3O12(BGO)、CeがドープされたLu2SiO5(LSO)、Lu2(1−X)Y2XSiO5(LYSO)、Gd2SiO5(GSO)、PrがドープされたLuAG(Lu3Al5O12)、CeがドープされたLaBr3(LaBr3)、CeがドープされたLaCl3(LaCl3)、又はCeがドープされたLu0.7Y0.3AlO3(LuYAP)、Lutetium Fine Silicate (LFS)等の結晶によって、構成される。
第1シンチレータ部20は、例えば正角柱状の形状を有している。第1シンチレータ部20は、所定の方向Dに沿って配列された複数の第1セグメント21と、隣り合う第1セグメント21間に設けられた第1光散乱部22と、を有している。すなわち、第1シンチレータ部20は、複数(この例では、4つ)の第1光散乱部22によって複数(この例では、5つ)の第1セグメント21に区分されている。第1セグメント21は、例えば立方体状の形状を有している。以下、方向Dにおける一方の側S1から他方の側S2に配列された5つの第1セグメント21を、それぞれ、第1セグメント21A、第1セグメント21B、第1セグメント21C、第1セグメント21D、第1セグメント21Eという。
第1光散乱部22は、当該第1光散乱部22に入射したシンチレーション光の一部を散乱させ、当該第1光散乱部22を通過するシンチレーション光の強度を減衰させる。第1光散乱部22は、例えば、方向Dと直交する平面状の形状を有している。より具体的には、第1光散乱部22は、例えば、第1セグメント21Aの第1端面23(方向Dにおける一方の側S1の表面)と同じ形状(この例では、正方形状)を有している。複数の第1光散乱部22は、例えば、方向Dにおいて互いに等しい間隔が空くように、また、方向Dから見た場合に互いに重なるように、配置されている。
第2シンチレータ部30は、例えば正角柱状の形状を有している。第2シンチレータ部30は、方向Dに沿って配列された複数の第2セグメント31と、隣り合う第2セグメント31間に設けられた第2光散乱部32と、を有している。すなわち、第2シンチレータ部30は、複数(この例では、4つ)の第2光散乱部32によって複数(この例では、5つ)の第2セグメント31に区分されている。第2セグメント31は、例えば立方体状の形状を有している。以下、方向Dにおける一方の側S1から他方の側S2に配列された5つの第2セグメント31を、それぞれ、第2セグメント31A、第2セグメント31B、第2セグメント31C、第2セグメント31D、第2セグメント31Eという。
第2光散乱部32は、当該第2光散乱部32に入射したシンチレーション光の一部を散乱させ、当該第2光散乱部32を通過するシンチレーション光の強度を減衰させる。第2光散乱部32は、例えば、方向Dと直交する平面状の形状を有している。より具体的には、第2光散乱部32は、例えば、第2セグメント31Aの第2端面33(方向Dにおける一方の側S1の表面)と同じ形状(この例では、正方形状)を有している。複数の第1光散乱部22は、例えば、方向Dにおいて互いに等しい間隔が空くように、また、方向Dから見た場合に互いに重なるように、配置されている。
各光散乱部22,32は、各シンチレータ部20,30を構成する結晶塊の一部を改質(例えばアモルファス化)させることにより形成されている。この改質は、レーザ光の照射によって行われる。より具体的には、各シンチレータ部20,30を構成する結晶塊に対して光透過性を有するレーザ光を集光させ、結晶塊の所定の面に沿ってレーザ光の集光点を相対的に移動させる。これにより、結晶塊においてレーザ光の集光点が合わされた部分で光吸収を生じさせ、結晶塊の所定の面に沿って改質領域を形成する。このレーザ光がパルスレーザ光である場合には、1パルスのレーザ光の照射によって1つの改質スポットが形成され、結晶塊の所定の面に沿って複数の改質スポットが並ぶことにより、改質領域が形成される。このようにして形成された改質領域が各光散乱部22,32となる。つまり、各光散乱部22,32は、レーザ光の照射によって形成されている。
改質スポットは、シンチレーション光を遮断したり吸収したりするものではないため、第1光散乱部22の全面に改質スポットが形成されていても、入射したシンチレーション光の一部は透過する。このように形成された各光散乱部22,32は、シンチレーション光の入射角度によってシンチレーション光の透過率が異なるという性質を有している。例えば、各光散乱部22,32にシンチレーション光が垂直に入射した場合には、入射したシンチレーション光は殆ど透過する。一方、シンチレーション光の入射角度が大きくなると、シンチレーション光が垂直に入射した場合と比較して、透過率が下がる。
以上のように構成された第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とは、方向Dと直交する方向において、各第1セグメント21A〜21Eと各第2セグメント31A〜31Eとが隣り合い、且つ各第1光散乱部22と各第2光散乱部32とが隣り合うように、配置されている。この状態で、方向Dにおいて最も他方の側S2に位置する第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとは、接続部40を介して光学的に接続されている。この例では、第1セグメント21Eの第2シンチレータ部30側の表面24、及び第2セグメント31Eの第1シンチレータ部20側の表面34が粗研磨面とされており、表面24と表面34との間に光学的結合剤42が充填されて固化されることで、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとが接合され、光学的に結合されている。すなわち、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとは、その隣接する境界面(つまり、互いの対向する表面24,34)の間で光学的に接続されている。
接続部40は、粗研磨面とされた表面24及び表面34、並びに光学的結合剤42によって構成されている。この接続部40により、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間でシンチレーション光が流通可能となっている。この接続部40においても、表面24及び表面34が粗研磨面とされていることから、鏡面とされている場合と比較して、接続部40を通過するシンチレーション光の反射が抑えられ、流通量が増加する。なお、光学的結合剤42としては、例えばRTV(Room Temperature Vulcanizing)ゴム、光学グリス、シリコンオイル等を用いることができる。
第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30において、第1セグメント21E以外の第1セグメント21A〜21Dと、第2セグメント31E以外の第2セグメント31A〜31Dとは、光反射部50によって光学的に分離されている。光反射部50は、第1セグメント21A〜21Dと第2セグメント31A〜31Dとの間に配置されている。光反射部50は、膜状の反射部材であり、第1セグメント21A〜21D及び第2セグメント31A〜31Dと接触している。光反射部50は、表面が鏡面反射面とされており、表面に入射したシンチレーション光を鏡面反射する。これにより、第1セグメント21A〜21D及び第2セグメント31A〜31Dにおいて光反射部50と接触する表面(平滑面)が、鏡面反射領域となっている。光反射部50は、例えば、テフロンテープ(テフロンは登録商標)、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ESR(Enhanced Specular Reflector)フィルム、又はポリエステルフィルム等の材料によって構成される。
第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30の外表面は、光反射部60によって覆われている。光反射部60は、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30の外表面のうち、第1セグメント21Aの第1端面23及び第2セグメント31Aの第2端面33以外の外表面を覆っている。光反射部60は、膜状の反射部材であり、第1セグメント21Eの表面25(方向Dにおける他方の側S2の表面)及び第2セグメント31Eの表面35(方向Dにおける他方の側S2の表面)からは離間し、表面25及び表面35以外の外表面には接触している。光反射部60は、表面が鏡面反射面とされており、表面に入射したシンチレーション光を鏡面反射する。これにより、第1セグメント21A〜21E及び第2セグメント31A〜31Eにおいて光反射部60と接触する表面が、後述する第1領域26及び第2領域36を除いて、鏡面反射領域となっている。光反射部60は、例えば光反射部50と同様の材料により構成される。
第1セグメント21Aの第1端面23以外の表面の一部、及び第2セグメント31Aの第2端面33以外の表面の一部は、粗研磨面とされている。これにより、第1セグメント21Aにおいて粗研磨面とされた第1領域26、及び第2セグメント31Aにおいて粗研磨面とされた第2領域36は、光反射部60との接触によって、拡散反射領域となっている。すなわち、第1領域26及び第2領域36は、入射したシンチレーション光を拡散反射する。換言すれば、第1領域26は、粗面化された第1セグメント21Aの表面を光反射部60が覆うことにより、拡散反射領域となっており、第2領域36は、粗面化された第2セグメント31Aの表面を光反射部60が覆うことにより、拡散反射領域となっている。
第1領域26は、第1セグメント21Aにおいて対向する一対の面の一方に形成されており、第2領域36は、第2セグメント31Aにおいて対向する一対の面の一方に形成されている。具体的には、この例では、第1セグメント21は、第1端面23以外の表面において、二対の対向する面を有している。これらの一対の面の一方に第1領域26が形成されることで、第1領域26は、第1セグメント21Aの第1端面23以外の表面のうち、隣り合う2つの面の全面に形成されている。同様に、第2領域36は、第2セグメント31Aの第2端面33以外の表面のうち、隣り合う2つの面の全面に形成されている。
放射線検出ユニット10は、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eを光学的に接続する導光部70を更に備えている。放射線検出ユニット10では、光反射部60の一側部62が方向Dと直交する方向に延在し、且つ粗研磨面とされた表面25及び表面35との間に一側部62が間隔を空けて設けられることで、導光部70が構成されている。これにより、一側部62と表面25及び表面35との間に、直方体状の空気層72が形成されている。換言すれば、導光部70は、表面25及び表面35との間に空間(空気層72)が形成されるように、表面25及び表面35を光反射部60が覆うことにより、構成されている。この導光部70によっても、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間でシンチレーション光が流通可能となっている。これにより、接続部40のみが備えられている場合と比較して、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間のシンチレーション光の流通量が増加されている。また、表面25及び表面35は、粗研磨面ではなく、鏡面反射面とされていてもよい。
放射線検出ユニット10では、放射線の吸収によって第1セグメント21A〜21E及び第2セグメント31A〜31Eのいずれかでシンチレーション光が発生した場合、鏡面反射領域及び拡散反射領域での反射等を繰り返しながら、発生したシンチレーション光の一部が第1端面23に到達し、残りが第2端面33に到達する。このとき、第1光散乱部22、第2光散乱部32、及び接続部40においてシンチレーション光が減衰されることから、第1セグメント21A〜21E及び第2セグメント31A〜31Eのどのセグメントでシンチレーション光が発生したかに応じて、第1端面23及び第2端面33に到達する光量の比が段階的に変化する。
したがって、例えば、第1端面23に到達した光量と第2端面33に到達した光量の比を算出することで、すなわち重心演算を行うことで、シンチレーション光が発生した第1セグメント21又は第2セグメント31(すなわち、放射線が吸収された第1セグメント21又は第2セグメント31)を特定することができる。放射線検出器1では、この重心演算を利用して、複数の放射線検出ユニット10の第1セグメント21A〜21E及び第2セグメント31A〜31Eの中から、放射線が吸収された第1セグメント21又は第2セグメント31を特定する。なお、重心演算以外の方法を用いてシンチレーション光が発生した第1セグメント21又は第2セグメント31を特定してもよく、例えば最尤法を用いてもよい。
光検出ユニット80は、第1光検出部82と、第2光検出部84と、を有している。第1光検出部82は、例えば光学用の接着剤を介して、第1セグメント21Aの第1端面23に光学的に結合されている。第2光検出部84は、例えば光学用の接着剤を介して、第2セグメント31Aの第2端面33に光学的に結合されている。第1光検出部82は、第1端面23に入射したシンチレーション光の強度を検出し、検出値に応じた大きさの電気信号を出力する。第2光検出部84は、第2端面33に入射したシンチレーション光の強度を検出し、検出値に応じた大きさの電気信号を出力する。各光検出部82,84は、例えば、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photo Diode)又はMPPC(Multi−Pixel Photon Counter)等を用いた半導体光検出器である。なお、MPPCは、複数のガイガーモードAPDのピクセルから成るフォトンカウンティングデバイスである。
図3に示されるように、放射線検出器1は、各放射線検出ユニット10の光検出ユニット80から出力を取り出す出力取出部90と、出力取出部90から取り出された出力に基づいてシンチレーション光の発生位置を特定する演算部100と、を更に備えている。出力取出部90は、各放射線検出ユニット10に電気的に接続されている。演算部100は、出力取出部90に電気的に接続されている。
出力取出部90は、第1抵抗チェーン92及び第2抵抗チェーン96を有している。第1抵抗チェーン92には、各放射線検出ユニット10の第1光検出部82が電気的に接続されている。第2抵抗チェーン96には、各放射線検出ユニット10の第2光検出部84が電気的に接続されている。
図4に示されるように、第1光検出部82と第2光検出部84との位置関係は、複数の放射線検出ユニット10間において同一となっている。つまり、いずれの放射線検出ユニット10においても、行方向(第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とが並ぶ方向)における一方の側(図4中の左側)に第1光検出部82が位置し、行方向における他方の側(図4中の右側)に第2光検出部84が位置している。
第1抵抗チェーン92では、行方向において隣接する第1光検出部82同士が抵抗を介して接続されている。更に、第1抵抗チェーン92では、行方向において一方の側に位置する第1光検出部82同士が抵抗を介して接続されており、行方向において他方の側に位置する第1光検出部82同士が抵抗を介して接続されている。すなわち、第1抵抗チェーン92では、列方向(第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30が配置される平面上において行方向と直交する方向)に隣接する第1光検出部82同士が抵抗を介して接続されている。第2抵抗チェーン96では、行方向において隣接する第2光検出部84同士が抵抗を介して接続されている。更に、第2抵抗チェーン96では、行方向において一方の側に位置する第2光検出部84同士が抵抗を介して接続されており、行方向において他方の側に位置する第2光検出部84同士が抵抗を介して接続されている。すなわち、第2抵抗チェーン96では、列方向に隣接する第2光検出部84同士が抵抗を介して接続されている。
演算部100には、第1抵抗チェーン92の4つの頂点における電気信号の値が出力A1〜A4として入力され、第2抵抗チェーン96の4つの頂点における電気信号の値が出力B1〜B4として入力される。
演算部100は、出力A1〜A4及び/又は出力B1〜B4に基づいて、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10を特定する。更に、演算部100は、出力A1〜A4及び出力B1〜B4に基づいて、特定した放射線検出ユニット10の第1セグメント21及び第2セグメント31のうちシンチレーション光が発生したセグメントを特定する。以下、シンチレーション光が発生したセグメントの特定方法について説明する。
まず、図5に示される放射線検出器101について説明する。図5に示されるように、放射線検出器101は、4つの放射線検出ユニット110を備えている。各放射線検出ユニット110は、第1方向d1に沿って配列された6つのセグメント121(セグメント121A〜121F)を有している。これらの放射線検出ユニット110は、第1方向d1と直交する第2方向d2に沿って配列されている。第2方向d2において隣り合う放射線検出ユニット110同士は、図示しない反射部材によって光学的に分離されている。また、第1方向d1において隣り合うセグメント121間には、光散乱部122が形成されている。各セグメント121Aには、第1光検出部182が光学的に接続されており、各セグメント121Fには、第2光検出部184が光学的に接続されている。第1光検出部182同士は、第1抵抗チェーン192に接続されており、第2光検出部184同士は、第2抵抗チェーン196に接続されている。
放射線検出器101では、演算部は、次の式(1),(2)により、第1抵抗チェーン192の両端部における出力A1,A2の和AS、及び出力A1(あるいは出力A1,A2の差)と和ASの比R1を求め、比R1とカウント数との関係を表すヒストグラムG1を参照して、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット110を特定する。
AS=A1+A2 …(1)
R1=A1/AS、あるいはR1=(A1−A2)/AS …(2)
また、これに代えて、又はこれに加えて、次の式(3),(4)により、第2抵抗チェーン196の両端部における出力B1,B2の和BS、及び出力B1(あるいは出力B1,B2の差)と和BSの比R2を求め、比R2とカウント数との関係を表すヒストグラムG2を参照して、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット110を特定してもよい。
BS=B1+B2 …(3)
R2=B1/BS、あるいはR2=(B1−B2)/BS …(4)
また、これに代えて、又はこれに加えて、出力A1,B1の和C1、出力A2,B2の和C2、及び和C1と和C2の和CSを求めると共に、和C1(あるいは和C1,C2の差)と和CSの比R3を求め、比R3とカウント数との関係を表すヒストグラム(図示略)を参照して、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット110を特定してもよい。
すなわち、演算部は、第1抵抗チェーン192からの出力A1,A2、及び第2抵抗チェーン196からの出力B1,B2の一方の比、あるいは両方の信号を和した信号(A1+B1,A2+B2)の比(つまり、少なくとも一方の比)に基づいて、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット110を特定する。
続いて、演算部は、次の式(5)により、和AS(あるいは和AS,BSの差)と、和AS及び和BSの和との比R4を求め、比R4とカウント数との関係を表すヒストグラムG3を参照して、特定した放射線検出ユニット110の複数のセグメント121のうちシンチレーション光が発生したセグメント121を特定する。
R4=AS/(AS+BS)、あるいはR4=(AS−BS)/(AS+BS) …(5)
このように、放射線検出器101では、出力A1,A2及び出力B1,B2に基づく演算によって、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット110の特定と、シンチレーション光が発生したセグメント121の特定とを独立して行うことができる。すなわち、第1方向d1と第2方向d2のそれぞれについて、独立してシンチレーション光の発生位置を特定することができる。この結果、シンチレーション光が発生したセグメント121を特定することができる。
放射線検出器101の場合と同様の処理によって、放射線検出器1においても、演算部100は、出力A1〜A4及び/又は出力B1〜B4に基づいて、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10を特定することができ、出力A1〜A4及び出力B1〜B4に基づいて、特定した放射線検出ユニット10の第1セグメント21及び第2セグメント31のうちシンチレーション光が発生したセグメントを特定することができる。なお、演算部100は、上述した処理手順とは逆に、出力A1〜A4及び出力B1〜B4に基づいて、放射線検出ユニット10の第1セグメント21及び第2セグメント31のうちシンチレーション光が発生したセグメントを特定し、その後に、特定したセグメントを有する放射線検出ユニット10(すなわち、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10)を特定してもよい。
次に、図6を参照して、放射線検出器1を装置に対して実装した例について説明する。図6は、複数の放射線検出器1が実装されたPET装置の概略図である。複数の放射線検出器1は、出力取出部90が設けられた側とは反対側の側面1Aが、測定対象の中心C側に向くように、中心Cを中心とする円の円周に沿って配列されている。これにより、各放射線検出器1の出力取出部90は、中心Cを中心とする円の半径方向外側に位置している。したがって、放射線検出器1に対する演算部100の電気的な接続を半径方向外側から実施することができる。このように、放射線検出器1では、配線を容易に取り回すことが可能となる。なお、複数の放射線検出器1は、方向Dと直交する側面が中心C側に向くように、中心Cを中心とする円の円周に沿って配列されていてもよい。
次に、放射線検出器1の作用効果を説明する。
放射線検出器1では、レーザ光の照射によって隣り合う第1セグメント21間に第1光散乱部22が形成されることで、第1シンチレータ部20が得られる。同様に、レーザ光の照射によって隣り合う第2セグメント31間に第2光散乱部32が形成されることで、第2シンチレータ部30が得られる。したがって、例えば、光散乱部材を介在させつつ複数のシンチレータブロックを接合するような場合と比較して、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30を容易に、かつ高い寸法精度で得ることができる。また、放射線検出器1では、第1セグメント21Aの第1端面23、及び第2セグメント31Aの第2端面33に光検出ユニット80が光学的に接続されている。したがって、光検出ユニット80に対する電気的な接続を、方向Dにおける一方の側(図2中の下側)から実施することができる。以上のように、放射線検出器1では、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化が図られている。
また、放射線検出器1では、第1セグメント21A〜21Dと第2セグメント31A〜31Dとの間に光反射部50を配置することで、所定の光学的分離を容易に且つ確実に実現することができる。
また、放射線検出器1では、複数の放射線検出ユニット10間において、第1光検出部82同士が第1抵抗チェーン92に接続されており、第2光検出部84同士が第2抵抗チェーン96に接続されている。したがって、例えば複数の光検出部のそれぞれから別々に出力を取り出す場合と比較して、出力数を低減することができる。また、第1抵抗チェーン92及び第2抵抗チェーン96のそれぞれから取り出された出力A1〜A4及び出力B1〜B4に基づく演算によって、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10の特定と、シンチレーション光が発生した第1セグメント21又は第2セグメント31の特定とを独立して行うことができる。したがって、出力数を低減しつつ、セグメント間の良好な弁別特性を確保することができる。
また、放射線検出器1では、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量が導光部70によって増加される。すなわち、導光部70がライトガイドとして機能する。したがって、セグメント間の弁別特性を向上させることができる。
また、放射線検出器1では、第1セグメント21Aの表面に拡散反射領域が設けられているので、第1セグメント21Aと第1セグメント21Bとの間において、シンチレーション光が発生した場合に取り出される出力の特性に差を生じさせることができる。したがって、第1セグメント21A,21B間の弁別特性を向上させることができる。同様に、第2セグメント31Aの表面に拡散反射領域が設けられているので、第2セグメント31A,31B間の弁別特性を向上させることができる。
また、放射線検出器1では、第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とは、方向Dと直交する方向において各第1光散乱部22と各第2光散乱部32とが隣り合うように配置されている。このため、光散乱部22,32を形成する際に、レーザ光の照射を効率良く行うことができる。
また、放射線検出器1では、位置関係が同一である第1光検出部82同士が第1抵抗チェーン92に接続され、位置関係が同一である第2光検出部84同士が第2抵抗チェーン96に接続されることから、比較的簡単な処理によってセグメント間の良好な弁別を行うことができる。
また、放射線検出器1では、複数の放射線検出ユニット10が二次元的に配列されるので、放射線の検出範囲を広げることができる。また、このように複数の放射線検出ユニット10が二次元的に配列されている場合でも、出力数を低減しつつ、セグメント間の良好な弁別特性を確保することができる。
また、放射線検出器1では、演算部100は、第1抵抗チェーン92からの出力A1〜A4及び第2抵抗チェーン96からの出力B1〜B4の少なくとも一方に基づいて、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10を特定し、出力A1〜A4及び出力B1〜B4に基づいて、第1セグメント21及び第2セグメント31のうちシンチレーション光が発生したセグメントを特定する。このような演算により、シンチレーション光が発生した放射線検出ユニット10の特定と、シンチレーション光が発生したセグメントの特定と、を独立して行うことができ、良好な弁別特性を得ることができる。
また、放射線検出器1では、第1領域26が、第1セグメント21Aにおいて対向する一対の面の一方に形成されており、第2領域36が、第2セグメント31Aにおいて対向する一対の面の一方に形成されている。この場合、互いに異なる方向に延びるように複数の第1領域26が形成されることから、第1セグメント21A内においてシンチレーション光が良好に拡散される。また、対向する面の両方に第1領域26が形成される構成と比較して、加工の容易化が図られる。同様に、第2セグメント31Aにおいてシンチレーション光が良好に拡散されると共に、対向する面の両方に第2領域36が形成される構成と比較して加工の容易化が図られる。
また、放射線検出器1では、レーザ光の照射によって第1光散乱部22及び第2光散乱部32が形成されることから、各光散乱部の改質領域の面積や形成密度を調整することで、各光散乱部におけるシンチレーション光の流通量を容易に調整することができる。したがって、シンチレーション光の流通量が比較的少ない位置に形成される光散乱部の流通量を増加させることや、シンチレーション光の流通量が比較的多い位置に形成される光散乱部の流通量を減少させることにより、セグメント間の弁別特性を向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、図7に示される第1変形例の放射線検出ユニット10Aのように、第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とが一体に形成されていてもよい。この場合、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30は、例えば、1つのシンチレータブロックから切り出されることにより形成される。製造工程においては、例えば、第1セグメント21A〜21Dと第2セグメント31A〜31Dとの間がダイシングソーによって切断される。そして、第1セグメント21A〜21Dと第2セグメント31A〜31Dとの間に光反射部50が挿入される。また、放射線検出ユニット10Aでは、接続部40の代わりに、レーザ光の照射によって形成された光散乱部44が設けられており、これにより、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eが区分されている。
このような第1変形例によっても、上記実施形態と同様に、装置に対する実装の容易化を図ることができる。また、第1変形例によれば、第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とを接合する工程が省略されるので、製造の容易化及び高精度化をより一層図ることができる。また、レーザ光の照射によって形成された光散乱部44によって第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間を区分するので、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量を容易に調整することができる。
また、図8(a)に示される第2変形例の放射線検出ユニット10B、及び図8(b)に示される第3変形例の放射線検出ユニット10Cのように、導光部70の構成を変更してもよい。放射線検出ユニット10Bでは、光反射部60の一側部62Bは、方向Dと交差して延在する第1部分65及び第2部分66を有している。この例では、第1部分65の延在方向と第2部分66の延在方向とは、直交している。第1部分65及び第2部分66は、互いの先端部(表面25及び表面35と反対側の端部)で連続しており、当該先端部は、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30の境界線上に位置している。この例では、一側部62Bと、表面25及び表面35との間に、三角柱状の空気層72Bが形成されている。また、放射線検出ユニット10Cでは、光反射部60の一側部62Cは、表面25及び表面35と反対側に凸となるように湾曲した形状を有している。この例では、一側部62Cと、表面25及び表面35との間に、半円柱状の空気層72Cが形成されている。
このような第2変形例及び第3変形例によっても、上記実施形態と同様に、セグメント間の良好な弁別特性を確保することができる。なお、空気層72,72B,72Cに相当する領域(空間)に、導光可能な材質により形成された導光部材(例えば、アクリル樹脂からなる部材等)を配置してもよい。
また、図9に示される第4変形例の放射線検出ユニット10Dのように、拡散反射領域の構成を変更してもよい。放射線検出ユニット10Dでは、光反射部60は、第1領域26及び第2領域36を覆う拡散反射部68を有している。拡散反射部68は、表面が拡散反射面とされている。この場合、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30において第1領域26及び第2領域36に対応する表面を粗研磨面とする必要はなく、当該表面は平滑面であってもよい。このような構成によっても、第1領域26及び第2領域36が拡散反射領域となる。つまり、この例では、第1領域26は、第1セグメント21Aの表面を拡散反射部68が覆うことにより、拡散反射領域となっており、第2領域36は、第2セグメント31Aの表面を拡散反射部68が覆うことにより、拡散反射領域となっている。したがって、第4変形例によっても、第2セグメント31A,31B間の弁別特性を向上させることができる。なお、第1領域26は、第1セグメント21Aの第1端面23以外の表面の少なくとも一部を含む領域であれば、任意の領域とすることができる。例えば、第1領域26には、光反射部50と接する表面が含まれてもよい。また、第1領域26には、第1セグメント21Bの表面の一部が含まれてもよい。これらの場合においても、第1セグメント21A,21B間の弁別特性を向上させることができる。これらの点は、第2領域36についても同様である。
また、図10に示される第5変形例のように、出力取出部90の構成を変更してもよい。第5変形例では、複数の放射線検出ユニット10間において、第1光検出部82と第2光検出部84との位置関係が、同一となっていない。このような場合でも、第1光検出部82及び第2光検出部84の配置が既知であれば、上述した処理と同様の処理によってシンチレーション光が発生したセグメントを特定することができる。したがって、第5変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第5変形例によれば、隣接する放射線検出ユニット10間においてシンチレーション光の漏れが生じた場合でも、シンチレーション光の検出位置に生じる誤差を低減することができる。
また、図11に示される第6変形例のように放射線検出器1E及び放射線検出ユニット10Eを構成してもよい。図11(a)では、光反射部60が省略されている。放射線検出器1Eは、図11(b)に示されるように、4行4列にマトリクス状に配列された複数の放射線検出ユニット10Eを備えている。複数の放射線検出ユニット10Eのそれぞれは、図11(a)に示されるように、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30と同様の構成を有するシンチレータ部20Eを2行2列にマトリクス状に配列することによって構成されている。隣り合うシンチレータ部20E同士は、接続部40によって光学的に結合されると共に、光反射部50によって光学的に分離されている。各放射線検出ユニット10Eは、シンチレータ部20Eに光学的に結合された4つの光検出部86A〜86Dを有している。図11(b)では、放射線検出器1Eの下方に、光検出部86A〜86Dの配置が二点鎖線によって仮想的に示されている。複数の放射線検出ユニット10E間においては、光検出部86A同士が第1抵抗チェーンに接続され、光検出部86B同士が第2抵抗チェーンに接続され、光検出部86C同士が第3抵抗チェーンに接続され、光検出部86D同士が第4抵抗チェーンに接続されている。このような第6変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。
また、図12(a)に示される第7変形例のように放射線検出器1を構成してもよい。第7変形例では、第1抵抗チェーン92及び第2抵抗チェーン96を用いることなく、複数の放射線検出ユニット10の第1光検出部82及び第2光検出部84のそれぞれから出力が取り出されている。この場合にも、重心演算によってシンチレーション光が発生したセグメントを特定することができる。したがって、第7変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。ただし、上記実施形態の方が、出力数を低減できる点で好ましい。
また、図12(b)に示される第8変形例のように放射線検出器1を構成してもよい。第8変形例では、光検出部88が、隣り合う放射線検出ユニット10の一方の放射線検出ユニット10の第1セグメント21Aの第1端面23、及び隣り合う放射線検出ユニット10の他方の放射線検出ユニット10の第2セグメント31Aの第2端面33の両方に光学的に接続されている。なお、端部に配置された光検出部88は、第1端面23又は第2端面33のみに光学的に接続されている。放射線検出ユニット10の第1抵抗チェーン92及び第2抵抗チェーン96を用いていない点は、第7変形例と同様である。このような第8変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第8変形例によれば、光検出部88の数を低減して出力数を低減することができる。
また、図13(a)に示される第9変形例のように放射線検出器1を構成してもよい。第9変形例の放射線検出ユニット10Hは、第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とが、2つのシンチレータ部20Hを介して光学的に接続されることによって構成されている。2つのシンチレータ部20Hは、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30と同様の構成を有しており、方向Dにおける最も一方の側S1のセグメントにおいて、接続部40を介して互いに光学的に結合されている。また、第1シンチレータ部20に隣接するシンチレータ部20Hは、方向Dにおいて最も他方の側S2に位置するセグメントにおいて、接続部40を介して第1シンチレータ部20の第1セグメント21Eに光学的に結合されている。一方、第2シンチレータ部30に隣接するシンチレータ部20Hは、方向Dにおいて最も他方の側S2に位置するセグメントにおいて、接続部40を介して第2シンチレータ部30の第2セグメント31Eに光学的に結合されている。すなわち、2つのシンチレータ部20Hの方向Dにおける最も一方の側S1のセグメント同士が、その隣接する境界面(つまり、互いの対向する表面)の間で光学的に結合されている。また、これらのセグメントと、第1セグメント21E又は第2セグメント31Eとが、その隣接する境界面(つまり、互いの対向する表面)の間で光学的に結合されている。このように、第1シンチレータ部20と第2シンチレータ部30とが、複数のシンチレータ部20Hを介して光学的に接続されていてもよい。第1抵抗チェーン92及び第2抵抗チェーン96を用いていない点は、第7変形例と同様である。このような第9変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第9変形例によれば、光検出部88の数を低減して、出力数を低減することができる。
また、図13(b)に示される第10変形例のように光検出ユニット80の構成を変更してもよい。第10変形例の光検出ユニット80Iは、シンチレーション光を検出した位置を検出可能な位置検出型の光検出器によって構成されている。このような検出器としては、例えば、位置検出型光電子増倍管や位置検出型アバランシェフォトダイオードを用いることができる。このような第10変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。
また、図14(a)に示される第11変形例のように放射線検出器1を構成してもよい。第11変形例では、複数の放射線検出ユニット10の第1光検出部82及び第2光検出部84が1つの抵抗チェーン99に接続されている。この場合でも、重心演算によってシンチレーション光が発生したセグメントを特定することができる。したがって、このような第11変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。なお、第11変形例では、構造を簡略化し、第1セグメント21及び第2セグメント31を3つとしている。この点は、以下で述べる第12変形例についても同様である。
また、図15(a)に示される第12変形例のように放射線検出器1を構成してもよい。第12変形例では、第8変形例と同様に、光検出部88が、隣り合う放射線検出ユニット10Kの一方の放射線検出ユニット10Kの第1セグメント21Aの第1端面23、及び隣り合う放射線検出ユニット10Kの他方の放射線検出ユニット10Kの第2セグメント31Aの第2端面33の両方に光学的に接続されており、これらの光検出部88が1つの抵抗チェーン99に接続されている。また、隣り合う放射線検出ユニット10Kは、方向Dにおける最も一方の側S1のセグメントにおいて、接続部40を介して互いに光学的に結合されている。また、隣り合う放射線検出ユニット10Kは、光反射部60が共通化されている。このような第12変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第12変形例によれば、光検出部88の数を低減して、出力数を低減することができる。また、図14(b)及び図15(b)に示されるように、第11変形例の放射線検出ユニット10間で生じていた分離特性上の分布の開きが第12変形例では小さくなっており、分離特性が良いことが分かる。このように、第12変形例は、セグメント間の弁別特性を向上させることができる点でも好ましい。
また、図20に示される第13変形例の放射線検出ユニット10Mのように、導光部70が設けられていなくともよい。第13変形例では、光反射部60の一側部62が、鏡面反射面とされた表面25及び表面35に接触するように設けられている。このような第13変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。また、第13変形例の放射線検出ユニット10Mのように、拡散反射領域となる第1領域26及び第2領域36が形成されていなくともよい。第13変形例では、第1セグメント21Aの表面及び第2セグメント31Aの表面の全体が鏡面反射領域となっている。
また、図21に示される第14変形例のように放射線検出ユニット10Pを構成してもよい。第14変形例では、第1セグメント21A内に平面状の光散乱面27が設けられている。光散乱面27は、方向Dに沿って配置され、第1端面23と、第1セグメント21A,21B間の第1光散乱部22との間に延在している。光散乱面27は、第1セグメント21Aの中心を通るように配置されている。また、第2セグメント31A内に平面状の光散乱面37が設けられている。光散乱面37は、方向Dに沿って配置され、第2端面33と、第2セグメント31A,31B間の第2光散乱部32との間に延在している。光散乱面37は、第2セグメント31Aの中心を通るように配置されている。各光散乱面27,37は、各光散乱部22,32と同様に、レーザ光の照射によって形成されている。
このような第14変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第1セグメント21A内に光散乱面27が設けられているので、第1セグメント21Aと第1セグメント21Bとの間において、シンチレーション光が発生した場合に取り出される出力の特性(両端の出力の比)に差を生じさせることができる。したがって、第1セグメント21A,21B間の弁別特性を向上させることができる。同様に、第2セグメント31A内に光散乱面37が設けられているので、第2セグメント31A,31B間の弁別特性を向上させることができる。なお、第15変形例において、光散乱面27は、第1セグメント21Aの中心を通るように配置されていなくてもよく、任意の位置に配置されてよい。また、光散乱面27は、方向Dに沿って配置されていなくてもよい。光散乱面27は、第1セグメント21A内に複数設けられていてもよい。光散乱面27の全体が、改質領域が形成された形成領域となっていてもよく、光散乱面27は、改質領域が形成されていない非形成領域を有していてもよい。非形成領域は、例えば矩形状であってよい。光散乱面27においては、形成領域と非形成領域とが市松模様状に配置されてもよい。すなわち、形成領域及び非形成領域のそれぞれが矩形状をなして交互に配置されてもよい。あるいは、形成領域と非形成領域とがストライプ状に配置されてもよい。すなわち、形成領域及び非形成領域のそれぞれが帯状をなして交互に配置されてもよい。これらの点は、光散乱面37についても同様である。
また、図22(a)に示される第15変形例の放射線検出ユニット10Q、及び図22(b)に示される第16変形例の放射線検出ユニット10Rのように構成してもよい。第15変形例では、第1セグメント21Eの表面25上に半球状の光学的結合剤73が設けられ、第2セグメント31Eの表面35上に半球状の光学的結合剤74が設けられている。第16変形例では、第1セグメント21Eの表面25上及び第2セグメント31Eの表面35上にわたって、半球状の光学的結合剤75が設けられている。光学的結合剤73〜75の屈折率は、第1シンチレータ部20及び第2シンチレータ部30のそれぞれの屈折率よりも小さい。光学的結合剤73〜75としては、例えば光学的結合剤42と同様の材料を用いることができる。表面25,35は、鏡面反射面とされている。このような第15変形例及び第16変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量をより一層増加させることができる。すなわち、各シンチレータ部20,30の屈折率とその外部(空気層72)の屈折率(略値1)との差が大きいと、各シンチレータ部20,30を進んできたシンチレーション光が各表面25,35で全反射し易くなり、シンチレーション光が各シンチレータ部20,30から脱出し難くなる。対して、各シンチレータ部20,30と空気層72との間の屈折率を有する光学的結合剤73〜75を各表面25,35上に設けることにより、各シンチレータ部20,30から空気層72にシンチレーション光が脱出し易くなり、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量をより一層増加させることができる。特に、第16変形例では、光学的結合剤75がライトガイドとして機能することより、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量をより一層増加させることができる。なお、光学的結合剤73〜75は、任意の形状であってよく、例えば直方体状であってもよい。また、表面25及び表面35は、粗研磨面とされていてもよい。
また、図23に示される第17変形例のように放射線検出ユニット10Sを構成してもよい。第17変形例では、第1セグメント21E内に平面状の光散乱面28が設けられている。光散乱面28は、第1セグメント21Eの表面24と直交するように、方向Dに沿って配置されている。光散乱面28は、第1セグメント21Eの中心を通るように配置されている。また、第2セグメント31E内に平面状の光散乱面38が設けられている。光散乱面38は、第2セグメント31Eの表面34と直交するように、方向Dに沿って配置されている。光散乱面38は、第2セグメント31Eの中心を通るように配置されている。各光散乱面28,38は、各光散乱部22,32と同様に、レーザ光の照射によって形成されている。
このような第17変形例によっても、上記実施形態と同様に、製造の容易化、高精度化、及び装置に対する実装の容易化を図ることができる。更に、第1セグメント21Eと第2セグメント31Eとの間におけるシンチレーション光の流通量をより一層増加させることができる。なお、第17変形例において、光散乱面28は、第1セグメント21Eの中心を通るように配置されていなくてもよく、任意の位置に配置されてよい。また、光散乱面28は、方向Dに沿って配置されていなくてもよい。光散乱面28は、第1セグメント21E内に複数設けられていてもよい。光散乱面28の全体が、改質領域が形成された形成領域となっていてもよく、光散乱面27は、改質領域が形成されていない非形成領域を有していてもよい。非形成領域は、例えば矩形状であってよい。光散乱面28においては、形成領域と非形成領域とが市松模様状に配置されてもよい。すなわち、形成領域及び非形成領域のそれぞれが矩形状をなして交互に配置されてもよい。あるいは、形成領域と非形成領域とがストライプ状に配置されてもよい。すなわち、形成領域及び非形成領域のそれぞれが帯状をなして交互に配置されてもよい。これらの点は、光散乱面38についても同様である。また、導光部70が更に設けられていてもよい。
[実施例]
実施例として、1つの放射線検出ユニットについて、セグメント間の弁別特性を調べた。図16(a)は、実施例1のヒストグラムを示すグラフである。実施例1では、第1セグメント21及び第2セグメント31のそれぞれを3つとした。また、上記第13変形例と同様に、接続部40において、表面24及び表面34を粗研磨面ではなく鏡面反射面とし、第1セグメント21及び第2セグメント31の表面の全体を鏡面反射領域とし、導光部70は設けなかった。その他の点については上記実施形態と同一とした。
弁別特性の評価指標として、次式(6),(7)によって指標V1及び指標V2を算出した。
V1=(C−B)/(D−A) …(6)
V2=D−A (7)
ここで、Aは、方向Dにおいて最も一方の側S1に位置する第1セグメント21の分布における頂点の位置を、Bは、方向Dにおいて最も他方の側S2に位置する第1セグメント21の分布における頂点の位置を、Cは、方向Dにおいて最も他方の側S2に位置する第2セグメント31の分布における頂点の位置を、Dは、方向Dにおいて最も一方の側S1に位置する第2セグメント31の分布における頂点の位置を、それぞれ表している。分布間の距離を離し、分離特性を良くするためには、指標V1は小さくし、指標V2を大きくすることが望まれる。
実施例1では、指標V1の値は0.373となり、指標V2の値は675となった。図16(a)から、分布間の距離が離れており、分離特性が良好であることが分かる。
図16(b)は、実施例2のヒストグラムを示すグラフである。実施例2では、上記実施形態と同様に、表面24及び表面34を粗研磨面とした。その他の点については実施例1と同一とした。実施例2では、指標V1の値は0.265となり、指標V2の値は688となった。指標V1及び指標V2の両方において実施例1よりも向上した。中央の2つのピークB,Cが互いに近づくことにより、これらの外側のピークも内側に引っ張られ、一番外側のピークA,D間の距離が広がり、分離特性のピークと谷の比が向上した。
図17(a)は、実施例3のヒストグラムを示すグラフである。実施例3では、第1セグメント21及び第2セグメント31のそれぞれを5つとした。また、上記第13変形例と同様に、第1セグメント21及び第2セグメント31の表面の全体を鏡面反射領域とし、導光部70は設けなかった。その他の点については上記実施形態と同一とした。実施例3では、指標V1の値は0.306となり、指標V2の値は530となった。
図17(b)は、実施例4のヒストグラムを示すグラフである。実施例4では、導光部70を設けた。その他の点については実施例3と同一とした。実施例4では、指標V1の値は0.255となり、指標V2の値は534となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例4は実施例3よりも向上した。このことから、導光部70を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
また、図17(a)及び図17(b)から、実施例4では、実施例3と比較して、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21の分布と、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31の分布との間の距離が近づいていることが分かる。このことから、導光部70を設けることによってこれらのセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
図18(a)は、実施例5のヒストグラムを示すグラフである。実施例5では、第4変形例のように、拡散反射材を用いた拡散反射部68を設けることによって第1領域26及び第2領域36を拡散反射領域とした。その他の点については実施例4と同一とした。実施例5では、指標V1の値は0.243となり、指標V2の値は577となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例4よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
また、図17(b)及び図18(a)から、実施例5では、実施例4と比較して、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21の分布と、当該第1セグメント21に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第1セグメント21の分布との間の距離が離れていることが分かる。このことから、第1領域26を拡散反射領域とすることにより、これらの第1セグメント21間の弁別特性を向上できることが分かる。同様に、実施例5では、実施例4と比較して、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31の分布と、当該第2セグメント31に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第2セグメント31の分布との間の距離が離れていることが分かる。このことから、第2領域36を拡散反射領域とすることにより、これらの第2セグメント31間の弁別特性を向上できることが分かる。
図18(b)は、実施例6のヒストグラムを示すグラフである。実施例6では、上記実施形態と同様に、第1領域26及び第2領域36を粗面化して拡散反射面とすることにより、第1領域26及び第2領域36を拡散反射領域とした。その他の点については実施例4と同一とした。実施例6では、指標V1の値は0.228となり、指標V2の値は641となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例4よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。また、図17(b)及び図18(b)から、実施例6においても、実施例4と比較して、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21の分布と、当該第1セグメント21に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第1セグメント21の分布との間の距離が離れていることが分かる。また、第2セグメント31についても同様のことが分かる。
図19(a)は、実施例7の放射線検出ユニット10Lの断面図である。実施例7では、第1変形例と同様に、1つのシンチレータブロックから切り出すことによって、第1シンチレータ部20、第2シンチレータ部30、及びこれらを光学的に接続する2つのシンチレータ部20Lを備える放射線検出ユニット10Lを形成した。第1シンチレータ部20、第2シンチレータ部30、及び各シンチレータ部20Lは、レーザ光の照射によって形成された光散乱部44において区分されている。実施例7では、第1セグメント21、第2セグメント31、及びシンチレータ部20Lのセグメント21Lのそれぞれを4つとした。また、導光部70は設けなかった。その他の点については上記実施形態と同一とした。以下、第1光検出部82から第2光検出部84までの光路上に配列された第1セグメント21、セグメント21L、第2セグメント31を、それぞれ、第1セグメント211、第1セグメント212、第1セグメント213、第1セグメント214、セグメント21L5、セグメント21L6、セグメント21L7、セグメント21L8、セグメント21L9、セグメント21L10、セグメント21L11、セグメント21L12、第2セグメント3113、第2セグメント3114、第2セグメント3115、第2セグメント3116という。
実施例7では、シンチレーション光の流通量が比較的多い位置に形成された、第1セグメント212,213間の第1光散乱部22、第1セグメント214とセグメント21L5の間の光散乱部44、セグメント21L6,21L7間の光散乱部22L、セグメント21L10,21L11間の光散乱部22L、セグメント21L12と第2セグメント3113の間の光散乱部44、及び第2セグメント3114,3115間の第2光散乱部32、のそれぞれにおいて、これら以外の光散乱部よりも改質領域の面積を狭くすることにより、セグメント間におけるシンチレーション光の流通量を制限した。図19(a)では、改質領域の面積を狭くした光散乱部が太線で示されている。なお、改質領域の面積を狭くする代わりに、改質領域の形成密度を低下させることによってセグメント間におけるシンチレーション光の流通量を制限してもよい。
図19(b)は、実施例7のヒストグラムを示すグラフである。図19(b)中の1〜16は、第1セグメント211〜214、セグメント21L5〜21L12、第2セグメント3113〜3116の各分布における頂点の位置を、それぞれ表している。図19(b)から、分布間の距離が離れており、分離特性が良好であることが分かる。このことから、シンチレーション光の流通量が比較的多いセグメント間の流通量を制限することによりセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
図24(a)は、実施例8のヒストグラムを示すグラフである。実施例8では、第1セグメント21及び第2セグメント31のそれぞれを7つとした。また、上記第13変形例と同様に、第1セグメント21及び第2セグメント31の表面の全体を鏡面反射領域とし、導光部70は設けなかった。その他の点については上記実施形態と同一とした。
弁別特性の評価指標として、上述した指標V1及び指標V2に加えて、指標V(L)/P(L)及び指標V(R)/P(R)を算出した。ここで、V(L)は、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21に対して他方の側に隣り合う第1セグメント21の分布におけるカウント数を、P(L)は、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21の分布におけるカウント数を、V(R)は、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31に対して他方の側に隣り合う第2セグメント31の分布におけるカウント数を、P(R)は、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31の分布におけるカウント数を、それぞれ表している。方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21の分布と、当該第1セグメント21に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第1セグメント21の分布との間の距離を離し、分離特性を良くするためには、V(L)/P(L)を小さくすることが望まれる。方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31の分布と、当該第2セグメント31に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第2セグメント31の分布との間の距離を離し、分離特性を良くするためには、指標V(R)/P(R)を小さくすることが望まれる。
図24(a)に示されるように、実施例8では、指標V1の値は0.245となり、指標V2の値は753となり、指標V(L)/P(L)の値は0.204となり、指標V(R)/P(R)の値は0.212となった。
図24(b)は、実施例9のヒストグラムを示すグラフである。実施例9では、導光部70を設けた。その他の点については実施例8と同一とした。実施例9では、指標V1の値は0.152となり、指標V2の値は755となり、指標V(L)/P(L)の値は0.101となり、指標V(R)/P(R)の値は0.167となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例9は実施例8よりも向上した。このことから、導光部70を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
また、図24(a)及び図24(b)から、実施例9では、実施例8と比較して、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21の分布と、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31の分布との間の距離が近づいていることが分かる。このことから、導光部70を設けることによってこれらのセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
図25(a)は、実施例10のヒストグラムを示すグラフである。実施例10では、第16変形例と同様に、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21の表面上、及び方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31の表面上に半球状の光学的結合剤73を設けた。その他の点については実施例9と同一とした。実施例10では、指標V1の値は0.130となり、指標V2の値は794となり、指標V(L)/P(L)の値は0.179となり、指標V(R)/P(R)の値は0.215となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例10は実施例9よりも向上した。このことから、光学的結合剤73を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
また、図24(b)及び図25(a)から、実施例10では、実施例9と比較して、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21の分布と、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31の分布との間の距離が近づいていることが分かる。このことから、光学的結合剤73を設けることによってこれらのセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
図25(b)は、実施例11のヒストグラムを示すグラフである。実施例11では、第17変形例と同様に、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21内に光散乱面28を設け、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31内に光散乱面38を設けた。その他の点については実施例8と同一とした。実施例11では、指標V1の値は0.153となり、指標V2の値は777となり、指標V(L)/P(L)の値は0.174となり、指標V(R)/P(R)の値は0.474となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例11は実施例8よりも向上した。このことから、光散乱面28,38を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
また、図24(a)及び図25(b)から、実施例11では、実施例8と比較して、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第1セグメント21の分布と、方向Dにおいて最も他方の側に位置する第2セグメント31の分布との間の距離が近づいていることが分かる。このことから、光散乱面28,38を設けることによってこれらのセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。
図26(a)は、実施例12のヒストグラムを示すグラフである。実施例12では、第4変形例と同様に、拡散反射材を用いた拡散反射部68を設けることによって第1領域26及び第2領域36を拡散反射領域とした。実施例12では、指標V1の値は0.145となり、指標V2の値は792となり、指標V(L)/P(L)の値は0.079となり、指標V(R)/P(R)の値は0.100となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例9よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。更に、指標V(L)/P(L)において実施例9よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることにより、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21と、当該第1セグメント21に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第1セグメント21との間の弁別特性を向上できることが分かる。また、指標V(R)/P(R)において実施例9よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることにより、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31と、当該第2セグメント31に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第2セグメント31との間の弁別特性を向上できることが分かる。
図26(b)は、実施例13のヒストグラムを示すグラフである。実施例13では、上記実施形態と同様に、第1領域26及び第2領域36を粗面化して拡散反射面とすることにより、第1領域26及び第2領域36を拡散反射領域とした。その他の点については実施例9と同一とした。実施例13では、指標V1の値は0.136となり、指標V2の値は771となり、指標V(L)/P(L)の値は0.115となり、指標V(R)/P(R)の値は0.139となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例9よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。更に、指標V(R)/P(R)において実施例9よりも向上した。このことから、拡散反射領域を設けることにより、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31と、当該第2セグメント31に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第2セグメント31との間の弁別特性を向上できることが分かる。
図27は、実施例14のヒストグラムを示すグラフである。実施例14では、第15変形例と同様に、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21内に光散乱面27を設け、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31内に光散乱面38を設けた。その他の点については実施例9と同一とした。実施例14では、指標V1の値は0.144となり、指標V2の値は811となり、指標V(L)/P(L)の値は0.097となり、指標V(R)/P(R)の値は0.112となった。このように、指標V1及び指標V2の両方において、実施例9よりも向上した。このことから、光散乱面27,37を設けることによってセグメント間の弁別特性を向上できることが分かる。更に、指標V(L)/P(L)において実施例9よりも向上した。このことから、光散乱面27を設けることにより、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第1セグメント21と、当該第1セグメント21に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第1セグメント21との間の弁別特性を向上できることが分かる。また、指標V(R)/P(R)において実施例9よりも向上した。このことから、光散乱面37を設けることにより、方向Dにおいて最も一方の側に位置する第2セグメント31と、当該第2セグメント31に対して方向Dにおける他方の側に隣り合う第2セグメント31との間の弁別特性を向上できることが分かる。