JP3220239B2 - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器

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JP3220239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、γ線を検出する放射線
検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被測定物に放射性同位元素で標識された
試薬を投入し、放射性同位元素から放出される陽電子と
通常物質中の電子の対消滅により生成される一対の光子
(γ線)を計測し、被測定物の内部物質分布を測定す
る、ポジトロンCT装置(あるいはPET(Positron E
mission Tomography)装置)が注目されている。この場
合の対消滅は、陽電子・電子の双方とも運動エネルギが
質量エネルギに比べて充分に小さい状態で起こるので、
その際に最も高い確率で遷移モードである2光子生成モ
ードにおける各光子エネルギは陽電子あるいは電子の質
量エネルギ(0.511Mev)とほぼ同一である。また、ほぼ
陽電子・電子とも静止状態で対消滅を起こすので、運動
量の保存則より2光子は互いに反対方向に放出される。
以上のような、特徴的な光子対を計測し、陽電子・電子
の対消滅発生位置を推定して被測定物内の各点近傍での
対消滅頻度を求めることによって物質分布を測定する。
個々の光子は、そのエネルギと現状の測定手段を鑑み
て、該光子でγ線検出素子内シンチレーション発光をさ
せた後、このシンチレーション光を光検出器により検出
する測定系が一般的である。
【0003】このようなPET装置は、γ線検出素子
(例えば、BGOシンチレータ)と光検出器からなるγ
線検出器多数を所定の軸に対して多層リング状に配列す
る。上記の特定エネルギ(0.511Mev)の光子を2つのγ
線検出器が同時計数することにより、陽電子・電子の対
消滅が起きたことを認識し、各光子入射により生じたシ
ンチレータ内のシンチレーション発光位置を空間的に結
んで対消滅の発生位置を推定する。PET装置の解像力
は、このシンチレーション発光位置の分解能に依存す
る。
【0004】当初のPET装置では、同一のγ線検出素
子内のどこでシンチレーション発光が起こった場合で
も、そのγ線検出器の代表点(例えば、検出器入射面の
中央点)をシンチレーション発光位置とみなしていた。
即ち、シンチレーション発光位置の分解能は、γ線検出
素子の大きさと一致していた。近年、解像力向上のため
γ線検出素子の小口径化が進み、多層リングの母線方向
および円周方向の位置検出分解能の向上が達成されてい
る。光子の検出効率維持のため短小化が困難な半径方向
(以後、深さ方向と呼ぶ)に関しても位置分解能の向上
が図られている。
【0005】深さ方向の位置分解能向上の必要性を図6
を参照して説明する。図6はPET装置の断面の概念図
であり、シンチレータ310と光検出器320からなる
放射線検出器300がリング状に配設され、リング内に
被測定物350が設置されている。視野中心付近の点P
1で対消滅が発生して生じたγ線は、どのγ線検出器3
00対してもその正面より入射するため、γ線検出器3
00の代表点を結んだ線と実際のシンチュイレーション
発光位置を結んだ線とのずれは、γ線検出素子310の
入射面内に収まるので比較的誤差は少ない。しかし、視
野周辺部(例えば、点P2)で発生したγ線は、γ線検
出素子310の入射面に対して垂直な方向から傾いて入
射するので、入射したγ線検出器310でシンチレーシ
ョン発光を起こさずに透過し、他のγ線検出素子310
に至ってシンチレーション発光することがある。図6で
示す点P2での対消滅例では、γ線検出器A、Bを透過
してγ線検出器Cにてシンチレーション発光を発生して
いる。この場合、γ線検出器が深さ方向の分解能を有し
ていないと、γ線検出器間を結ぶ線はγ線検出器の代表
点同士を結ぶことになるので、図示のとおり、実際の発
光点を結ぶ線との位置ずれが上記の場合と比べ大きくな
ってしまう。従って、各放射線検出器ごとの深さ方向位
置分解能の向上が達成されれば、PET装置として、視
野周辺部の空間分解能の向上が可能となる。
【0006】この試みの代表例として、図5に示すよう
に検出素子の構造を工夫したものがある。図5(a)
は、特願昭62−117885に開示の一実施例に係わ
る放射線位置検出器の要部を示す(以後、従来例1と呼
ぶ)。この放射線位置検出器では、複数個の溝211お
よび212を設けた一つの板状シンチレータ210が、
溝212で区切られた領域ごとの光検出セグメントを備
えた光電子増倍管220(例えば、マルチアノード型光
電子増倍管、または、シングルアノード型光電子増倍管
群)と結合されている。光子入射面から掘られた溝21
1と光電子増倍管220を結合する面から掘られた溝2
12は、互い違いに配列されており、光電子増倍管22
0の結合面を除いたシンチレータ表面および溝211、
212には、シンチレーション光に対して反射剤230
が塗布されている。この放射線位置検出器は、光を検出
した上記のセグメントが一つであれば光電子増倍管22
0との結合面側でシンチレーション発光が起こったと判
断し、一方、光を検出したセグメントが二つ以上であれ
ば光子入射面側でシンチレーション発光が起こったと判
断して、シンチレータの深さ方向の位置分解能を向上し
ている。
【0007】図5(b)は、特願昭63−57233に
開示の一実施例に係わる放射線位置検出器の要部を示す
(以後、従来例1と呼ぶ)。この放射線位置検出器で
は、複数の板状あるいは柱状シンチレータ250を2層
に束ね、各層はシンチレータ間隔の2分の1づつずれて
配設され層間は光学的に結合されるとともに、一つの層
が光電子増倍管220と結合されている。同層内の各シ
ンチレータは多層および光電子増倍管220との接合面
を除いて反射剤230が塗布され、光電子増倍管220
は接合する層の各シンチレータごとの光検出セグメント
を備える(例えば、マルチアノード型光電子増倍管、ま
たは、シングルアノード型光電子増倍管群)。この放射
線位置検出器は、上記の放射線位置検出器と同様に、光
を検出した上記のセグメントが一つであれば光電子増倍
管220との結合面側でシンチレーション発光が起こっ
たと判断し、一方、光を検出したセグメントが二つ以上
であれば光子入射面側でシンチレーション発光が起こっ
たと判断して、シンチレータの深さ方向の位置分解能を
向上している。
【0008】また、発光減衰時間の異なる複数種のシン
チレータを深さ方向に層状に配列し減衰時間の相違から
発光位置の深さを検出する装置 (W.H.Wong: Designing
a Stratified Detection System for PET Cameras: IEE
E Trans Nucl Sci vol.33, No.1 (1986) 591;以後、従
来例3と呼ぶ;図示せず) 、半導体位置検出器と光電子
増倍管を組み合わせてシンチレーション発光位置を3次
元的に測定する装置 (S.E.Drenzo et al.: Initial Cha
racterization of a Position-Sensitive Photodiode/B
GO Detector for PET: IEEE Trans Nucl Sci vol.36, N
o.1(1989)1084;以後、従来例4と呼ぶ;図示せず) が
提案・製作されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の放射線検出器
は、以上のようにして深さ方向の位置分解能を向上して
いるが、従来例1〜3では検出素子であるシンチレータ
の構造の複雑化が必須であり、従来例4では異なる計測
手法を共存させる必要性に由来するγ線検出器としての
構造の複雑化を必然的に誘起していた。さらに、従来例
1、2では反射層により細かく区切られているためシン
チレーション光の反射層での吸収確率が増えるため光検
出器に到達する光量が減少し、結果としてエネルギ分解
能を低下させてγ線計測を行わなければならなかった。
また、従来例4でも光検出器とは別途設置された半導体
位置検出器へシンチレーション光を導くため、光検出器
に到達する光量が減少し、結果としてエネルギ分解能を
低下させてγ線計測を行わなければならなかった。
【0010】本発明は、以上の問題点を解消するために
なされたものであり、簡単な構造を有し、且つ、エネル
ギ分解能を低下させずに深さ方向の位置分解能を向上す
る放射線検出器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの放射線検
出器は、シンチレータ接合面で接合された2つのシンチ
レータに2つの光検出器を光検出器結合面にて結合した
放射線検出器であって、2つのシンチレータと2つの光
検出器を1対1に結合し、該シンチレータ間の光透過度
を光検出器結合面と垂直方向で変化させ、シンチレータ
接合面と光検出器結合面を除いて反射剤を塗布して構成
し、2つの光検出器それぞれの出力電気信号強度を比較
することにより、シンチレータ内での発光位置の深さを
検出することを特徴とする。この場合、シンチレータ同
士は空気を介して束ねられ、その接合面の光透過度を連
続的または離散的に変化させる。この光透過度を変化さ
せる一つの方法として、結合面の表面粗さによるものが
考えられる。また、シンチレータ間の光透過度変化を2
値の離散分布とする場合には、光透過度に対応して、シ
ンチレータ接合面間を空気領域および反射領域の二領域
構造としてもよい。
【0012】また、本発明の他の放射線検出器は、シン
チレータ接合面で接合された2つのシンチレータに2つ
の光検出器を光検出器結合面にて結合した放射線検出器
であって、2つのシンチレータと前記2つの光検出器を
1対1に結合し、2つのシンチレータを空気を介して束
ね、前記シンチレータ接合面と反対側の面の反射方向乱
雑度を光検出器結合面と垂直方向で変化させ、シンチレ
ータ接合面と前記光検出器結合面を除いて反射剤を塗布
されて構成し、シンチレータ内発光位置を検出すること
を特徴とする。この場合、シンチレータ接合面の反対側
の面の反射方向乱雑度変化を連続的または離散的に変化
させる。該乱雑度を形成する一つの方法は、表面粗さに
よるものが考えられる。
【0013】
【作用】本発明の一つの放射線検出器は上記のように構
成したので、γ線の入射にともない発生したシンチレー
ション光は、発光位置の深さ付近の接合面間の光透過度
に従った割合で隣接するシンチレータに分配され光検出
器に到達する。到達した光に対する各検出器の出力を比
較することにより、シンチレータ発光が起こったシンチ
レータの識別と発光の発生位置の深さを測定できる。シ
ンチレーション光を吸収する反射層の配設を最小限に止
めたので、各光検出器に到達した光の総量は精度良く入
射γ線のエネルギを反映している。従って、各光検出器
の出力電気信号の和を取ることにより、エネルギ分解能
良くγ線計測を実施できる。
【0014】また、本発明の他の放射線検出器は上記の
ように構成したので、高エネルギγ線の入射にともない
発生したシンチレーション光は、シンチレーション発光
位置の深さ付近の接合面と反対側の面における反射方向
の乱雑度に従った割合で隣接するシンチレータに分配さ
れ光検出器に到達する。この放射線検出器においても、
到達した光に対する各検出器の出力を比較することによ
りシンチレション発光が起こったシンチレータの識別と
発光の発生位置の深さを測定できる。シンチレーション
光を吸収する反射層の配設を最小限に止めたので、各光
検出器に到達した光の総量は精度良く入射γ線のエネル
ギを反映している。従って、各光検出器の出力電気信号
の和を取ることによりエネルギ分解能良くγ線計測を実
施できる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同
一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
に係わる放射線検出器の説明図である。図1(a)は、
この放射線検出器の構造を示す。同一の単一材料からな
る2つのシンチレータ111a、bが2つの光検出器1
20a、bと1対1で結合され、空気を介して束ねられ
ている。シンチレータ111a、b同士の接合面は、深
さ方向の中点を境に光検出器側の一方の領域は鏡面仕上
げであり、他の領域は粗面仕上げとしている。この結
果、2つのシンチレータ間の光透過度は深さ方向に対し
て図1(b)のとうり2値の離散的分布を有している。
シンチレータ111a、bの接合面と光検出器120
a、bの結合面を除いては、反射剤130が塗布されて
おりシンチレータ111a、bのいずれかの内部で発生
したシンチレーション光の放射線検出器外への放射を阻
止している。
【0017】シンチレータ111a、bの一方にγ線が
入射しシンチレーション発光を起こすと、発光位置の深
さでの光透過度に応じて分配された光量が光検出器12
0a、bに到達する。光検出器120a、bは、到達し
た光量に比例した強度の電気信号に変換して出力する。
シンチレータ111aでシンチレーション発光が起こっ
た場合の発光位置の深さに対する各出力電気信号強度を
図1(c)のグラフに示す。シンチレータ111bでシ
ンチレーション発光が起こった場合は、図1(c)の
(出力a)と(出力b)を交換したグラフとなる。2つ
のシンチレータ111a、bの間は空気であり、光を吸
収しないので二つの出力電気信号強度の和は、発光の原
因であるγ線のエネルギを正確に反映している。また、
2つのシンチレータ111a、bは同一材料からなるの
で、発光減衰時間が同じであり、各出力電気信号を単純
に重ね合わせた信号からも入射γ線のエネルギを同定で
きる。
【0018】従って、この放射線検出器によれば、各光
検出器の出力電気信号強度を比較することにより発光の
起こったシンチレータの識別と、出力電気信号強度の差
(あるいは比)より発光位置の深さが光検出器に近い側
あるいは遠い側のいずれであるかの識別が可能になる。
更に、二つの出力電気信号の単純に重ね合わせた信号の
波高分析によりエネルギの同定が可能である。
【0019】以上の機能は、エネルギ分解能を少々犠牲
とするが、シンチレータ面の仕上げを一定としても、シ
ンチレータ間の光透過度に対応させてシンチレータ間を
空気領域と反射領域で構成することによっても実現でき
る。
【0020】(第2実施例)図2は本発明の第2実施例
に係わる放射線検出器の説明図である。図2(a)は、
この放射線検出器の構造を示す。同一の単一材料からな
る2つのシンチレータ112a、bが2つの光検出器1
20a、bと1対1で結合され、空気を介して束ねられ
ている。シンチレータ112a、b同士の接合面は、各
接合面を深さ方向に三等分した領域を光検出器側の領域
から鏡面、やや粗面、粗面の順に研磨仕上げを施してい
る。この結果、2つのシンチレータ間の光透過度は深さ
方向に対して図2(b)のとうり3値の離散的分布を有
している。シンチレータ112a、bの接合面と光検出
器120a、bの結合面を除いては、反射剤130が塗
布されておりシンチレータ112a、bのいずれかの内
部で発生したシンチレーション光の放射線検出器外への
放射を阻止している。
【0021】シンチレータ112a、bの一方にγ線が
入射しシンチレーション発光を起こすと、発光位置の深
さでの光透過度に応じて分配された光量が光検出器12
0abに到達する。光検出器120a、bは、到達した
光量に比例した強度の電気信号に変換して出力する。シ
ンチレータ112aでシンチレーション発光が起こった
場合の発光位置の深さに対する各出力電気信号強度を図
2(c)のグラフに示す。シンチレータ112bでシン
チレーション発光が起こった場合は、図2(c)の(出
力a)と(出力b)を交換したグラフとなる。2つのシ
ンチレータ112a、bの間は空気であり、光を吸収し
ないので二つの出力電気信号強度の和は、発光の原因で
あるγ線のエネルギを正確に反映している。また、2つ
のシンチレータ112a、bは同一材料からなるので、
発光減衰時間が同じであり、各出力電気信号を単純に重
ね合わせた信号からも入射γ線のエネルギを同定でき
る。
【0022】従って、この放射線検出器によれば、各光
検出器の出力電気信号強度を比較することにより発光の
起こったシンチレータの識別と、出力電気信号強度の差
(あるいは比)より発光位置がシンチレータ間の光透過
度に対応して三分した領域のどの領域に属するかの識別
が可能になる。更に、二つの出力電気信号の単純な重ね
合わせた信号の波高分析によりエネルギの同定が可能で
ある。
【0023】(第3実施例)図3は本発明の第3実施例
に係わる放射線検出器の説明図である。図3(a)は、
この放射線検出器の構造を示す。2つのシンチレータ1
13a、bが2つの光検出器120a、bと1対1で結
合され、空気を介して束ねられている。シンチレータ1
13a、b同士の接合面は、各接合面を深さ方向に連続
した粗さ度に研磨仕上げを施している。この結果、2つ
のシンチレータ間の光透過度は深さ方向に対して図3
(b)のとうり連続的分布を有している。シンチレータ
113a、bの接合面と光検出器120a、bの結合面
を除いては、反射剤130が塗布されておりシンチレー
タ113a、bのいずれかの内部で発生したシンチレー
ション光の放射線検出器外への放射を阻止している。
【0024】シンチレータ113a、bの一方にγ線が
入射しシンチレーション発光を起こすと、発光位置の深
さでの光透過度に応じて分配された光量が光検出器12
0abに到達する。光検出器120a、bは、到達した
光量に比例した強度の電気信号に変換して出力する。シ
ンチレータ113aでシンチレーション発光が起こった
場合の発光位置の深さに対する各出力電気信号強度を図
3(c)のグラフに示す。シンチレータ113bでシン
チレーション発光が起こった場合は、図3(c)の(出
力a)と(出力b)を交換したグラフとなる。2つのシ
ンチレータ113a、bの間は空気であり、光を吸収し
ないので二つの出力電気信号強度の和は、発光の原因で
あるγ線のエネルギを正確に反映している。また、2つ
のシンチレータ113a、bは同一材料からなるので、
発光減衰時間が同じであり、各出力電気信号を単純に重
ね合わせた信号からも入射γ線のエネルギを同定でき
る。
【0025】従って、この放射線検出器によれば、各光
検出器の出力電気信号強度を比較することにより発光の
起こったシンチレータの識別と、出力電気信号強度の差
(あるいは比)より発光位置の深さの識別が可能にな
る。更に、二つの出力電気信号の単純な重ね合わせた信
号の波高分析によりエネルギの同定が可能である。
【0026】(第4実施例)図4は本発明の第4実施例
に係わる放射線検出器の説明図である。図4(a)は、
この放射線検出器の構造を示す。同一の単一材料からな
る2つのシンチレータ114a、bが2つの光検出器1
20a、bと1対1で結合され、空気を介して束ねられ
ている。シンチレータ114a、b同士の接合面の反対
側の面は、深さ方向の中点を境に光検出器側の一方の領
域は鏡面仕上げであり、他の領域は粗面仕上げとしてい
る。この結果、これらの面の反射方向乱雑度は深さ方向
に対して図4 (b)のとうり2値の離散的分布を有し
ている。シンチレータ114a、bの接合面と光検出器
120a、bの結合面を除いては、反射剤130が塗布
されておりシンチレータ114a、bのいずれかの内部
で発生したシンチレーション光の放射線検出器外への放
射を阻止している。
【0027】シンチレータ114a、bの一方にγ線が
入射しシンチレーション発光を起こすと、発光位置の深
さでの反射方向乱雑度に応じて分配された光量が光検出
器120abに到達する。光検出器120a、bは、到
達した光量に比例した強度の電気信号に変換して出力す
る。シンチレータ114aでシンチレーション発光が起
こった場合の発光位置の深さに対する各出力電気信号強
度を図4(c)のグラフに示す。シンチレータ114b
でシンチレーション発光が起こった場合は、図4
(c)の(出力a)と(出力b)を交換したグラフとな
る。2つのシンチレータ111a、bの間は空気であ
り、光を吸収しないので二つの出力電気信号強度の和
は、発光の原因であるγ線のエネルギを正確に反映して
いる。また、2つのシンチレータ111a、bは同一材
料からなるので、発光減衰時間が同じであり、各出力電
気信号を単純に重ね合わせた信号からも入射γ線のエネ
ルギを同定できる。
【0028】従って、この放射線検出器によれば、各光
検出器の出力電気信号強度を比較することにより発光の
起こったシンチレータの識別と、出力電気信号強度の差
(あるいは比)より発光位置の深さが光検出器に近い側
あるいは遠い側のいずれであるかの識別が可能になる。
更に、二つの出力電気信号の単純な重ね合わせた信号の
波高分析によりエネルギの同定が可能である。
【0029】第4実施例におけるシンチレータ同士の接
合面の反対側の面の研磨粗さ度を2段階から多段階また
は連続的とすることにより、第1実施例に対する第2、
3実施例のように発光位置の深さ方向分解能を高くする
ことができる。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、1対1に結合した単一材料からなるシンチレータ
と光検出器を2組用い、シンチレータ接合面のみの研磨
度を調整し、外側に反射剤を塗布することにより放射線
検出器を構成したので、量産に適した簡易な構造であ
り、且つ、正確なエネルギ分解能と深さ方向に対する位
置分解能を有する放射線検出器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる放射線検出器の説
明図である。
【図2】本発明の第2実施例に係わる放射線検出器の説
明図である。
【図3】本発明の第3実施例に係わる放射線検出器の説
明図である。
【図4】本発明の第4実施例に係わる放射線検出器の説
明図である。
【図5】従来の放射線検出器の説明図である。
【図6】PET装置における深さ方向位置分解能の必要
性の説明図である。
【符号の説明】
111,112,113,114,210,250,3
10…シンチレータ、120,220,320…光検出
器、130,230…反射剤、211,212…溝、3
00…γ線検出器、350…被測定体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンチレータ接合面同士が対向するよう
    に配置された2つのシンチレータに2つの光検出器を光
    検出器結合面にて結合した放射線検出器であって、 前記2つのシンチレータと前記2つの光検出器を1対1
    に結合し、前記シンチレータ間の光透過度を前記光検出
    器結合面と垂直方向で変化させると共に、前記シンチレ
    ータ接合面と前記光検出器結合面を除いて反射剤を塗布
    して構成し、前記2つの光検出器それぞれの出力電気信
    号強度を比較することにより、前記シンチレータ内での
    発光位置の深さを検出することを特徴とする放射線検出
    器。
  2. 【請求項2】 前記シンチレータ接合面間には空気層が
    介在され、前記シンチレータ面の研磨粗さが連続的に変
    化させられることにより光透過度変化が連続的にされて
    いることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  3. 【請求項3】 前記シンチレータ接合面間には空気層が
    介在され、前記シンチレータ面の研磨粗さが離散的に変
    化させられることにより光透過度変化が離散的にされて
    いることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  4. 【請求項4】 前記シンチレータ接合面間を空気層領域
    および反射層領域の二領域構造とすることにより、光透
    過度変化が離散的にされていることを特徴とする請求項
    1記載の放射線検出器。
  5. 【請求項5】 シンチレータ接合面同士が対向するよう
    に配置された2つのシンチレータに2つの光検出器を前
    記光検出器結合面にて結合した放射線検出器であって、 前記2つのシンチレータと前記2つの光検出器を1対1
    に結合し、前記シンチレータ接合面と反対側の面の反射
    方向乱雑度を光検出器結合面と垂直方向で変化させると
    共に、前記シンチレータ接合面と前記光検出器結合面を
    除いて反射剤を塗布して構成し、前記シンチレータ内発
    光位置を検出することを特徴とする放射線検出器。
  6. 【請求項6】 前記シンチレータ接合面間には空気層が
    介在されていることを特徴とする請求項5記載の放射線
    検出器。
  7. 【請求項7】 前記シンチレータ接合面の反対側の面の
    研磨粗さが連続的に変化させられることにより、当該反
    対側の面の反射方向乱雑度変化が連続的にされているこ
    とを特徴とする請求項5記載の放射線検出器。
  8. 【請求項8】 前記シンチレータ接合面の反対側の面の
    研磨粗さが離散的に変化させられることにより、当該反
    対側の面の反射方向乱雑度変化が離散的にされているこ
    とを特徴とする請求項5記載の放射線検出器。
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