JP2003020466A - ポリアミドと導電性充填剤を有する接着剤 - Google Patents

ポリアミドと導電性充填剤を有する接着剤

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JP2003020466A
JP2003020466A JP2002104640A JP2002104640A JP2003020466A JP 2003020466 A JP2003020466 A JP 2003020466A JP 2002104640 A JP2002104640 A JP 2002104640A JP 2002104640 A JP2002104640 A JP 2002104640A JP 2003020466 A JP2003020466 A JP 2003020466A
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エドウィン フリーマン ティ
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ロヴァロ テオドア
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エム パイ ダモダー
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Antonio Decrescentis
デクレセンティス アントニオ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 継目付可撓性ベルトの継目部分の導電性を向
上させた印刷機用のベルトを提供する。 【解決手段】 静電写真印刷機、接触静電印刷機、ディ
ジタル印刷機および類似の他の印刷機用の継目付き可撓
性ベルト30の継目31を連結させるための結合成分と
して用いられ、導電性充填剤61,62が中に分散また
は含有されているポリアミド含有の接着剤63である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル印刷装
置を含む静電写真印刷装置において有用な転写部材に関
する。特定の実施形態において、本発明は、継目によっ
て殆どまたは全くプリント欠陥が生じないで画像をベル
トの継目で転写できるエンドレス可撓性継目付きベルト
に用いるための接着剤に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、静
電写真装置において、入力された像データに基づく静電
潜像を受容する転写部材は、例えば、ベルト形状を呈
し、その表面に電荷保持面が形成されたものが使用され
ていた。前記電荷保持面に静電潜像を形成した後、トナ
ー等を用いて現像して可視化さらた像として、シート等
の媒体に転写(印刷)する。転写部材を構成するベルト
は、通常、両端部を継ぎあわせたものが使用されてい
る。しかし、従来この継ぎ目部分で、良好な電荷保持が
行われず、転写欠落(印刷欠落)がしばしば発生してい
た。
【0003】そこで、継ぎ目による印刷欠落をほとんど
若しくは全く有することなく像を継ぎ目部で転写可能
な、静電写真装置の転写部材用のエンドレスの継ぎ目付
きベルトが要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】実施形態において、本発
明は、相互噛み合い継目エレメント間に形成された接着
剤に関し、導電性充填剤が中に分散または含有されてい
るポリマアミドを含有する接着剤に関する。好ましく
は、充填剤は、炭素充填剤、金属酸化物充填剤、ポリマ
ー充填剤などの導電性充填剤、電荷輸送分子またはそれ
らの混合物である。実施形態において、接着剤が架橋さ
れているので強度が高まった継目を提供する。しかし、
ベルトは、それでもなお、割れを伴わずに180度クリ
ースに耐えるのに十分に可撓性である。本実施形態にお
いて、接着剤は、ベルトの継目と残りとの間の高さの差
が実質的に零である継目を提供する。接着剤は、実施形
態において、継目における画像転写が可能なベルトを提
供する。画像転写は、一部の理由として本発明の接着剤
が十分な転写のために必要とされる所望の導電性および
剥離特性をもつゆえに達成される。本発明の接着剤は実
施形態において、リップルのない継目を提供する。さら
に、実施形態において、継目を比較的低い温度で迅速に
硬化させることが可能である。さらに、接着継目は、実
施形態において、耐アルコール性および耐有機溶媒性で
ある。さらに、実施形態において、接着のため継目領域
にはテンティングがない。接着継目は、実施形態におい
て、繰り返し電気転写サイクルに耐え、そして機能的な
ままであることが可能である。実施形態において、接着
剤は、25〜130℃の間の温度過渡応答に耐え、そし
て相対湿度の周囲変化に耐える。接着継目は、電子写真
画像形成プロセスに対して実質的に全面的にそれと分か
らない。
【0005】本発明の実施形態は、ポリアミドと導電性
充填剤とを含む接着剤を包含する。
【0006】さらに、本発明の実施形態は、アルコール
可溶性ポリアミドと導電性充填剤とを含む接着剤を包含
する。
【0007】実施形態は、更に、ポリアミドが以下の一
般式を有する接着剤を包含する。
【0008】
【化2】 式中、Rは水素、炭素数約1〜20のアルキル、炭素数
約1〜20のアルコキシ、炭素数約1〜20のアルキル
アルコキシ、炭素数約1〜20のアルキレンアルコキシ
からなる群から選択される。nは約50〜約1,000
の数である。
【0009】
【発明の実施の形態】好ましい実施形態において、接着
剤は、ディジタル電子写真装置を含む電子写真装置にお
いて有用な中間転写ベルト、シート、ロールまたはフィ
ルムのような継目ベルトに用いられる。しかし、接着剤
は、接触静電印刷用途およびディジタルを含む電子写真
用途などのための多くの異なるプロセス用の、ならびに
感光体、定着部材、トランスフィックス部材、バイアス
転写部材、バイアス帯電部材、現像剤部材、画像保持部
材、コンベア部材、クリーニング部材および他の部材な
どの要素用のベルト、ロールおよびドレルト(ドラムと
ベルトのハイブリッド)などの継目に用いられるさら
に、本願の接着剤は、乾式が好ましいけれども、湿式
(liquid)と乾式の粉末電子写真構成の両方のた
めに用いられる継目成分として用いることができる。
【0010】図1を参照すると、代表的な静電写真複製
装置において、複写しようとする原稿の光画像を感光部
材上で静電潜像の形で記録し、その後、一般にトナーと
呼ばれる導電性(electroscopic)熱可塑
性樹脂粒子の塗布(application)によって
潜像を可視化する。詳しくは、電圧が電源11から供給
されている帯電装置12によって感光体10をその表面
上で帯電させる。その後、レーザーおよび発光ダイオー
ドなどの光学システムまたは画像入力装置13からの光
に感光体を画像状に露光させて、感光体上に静電潜像を
形成させる。一般に、現像剤ステーション14の現像剤
混合物を静電潜像と接触させることにより静電潜像を現
像する。磁気ブラシ、粉末クラウドまたは公知の他の現
像プロセスの使用によって現像を行うことが可能であ
る。
【0011】トナー粒子が画像構成において光導電性表
面上に沈着した後、圧力転写または静電転写であっても
よい転写手段15によってトナー粒子を複写シート16
に転写する。好ましくは、現像画像を中間転写部材に転
写し、そしてその後複写シートに転写することができ
る。
【0012】現像画像の転写が完了した後に、複写シー
ト16は、図1において定着ロールおよび圧力ロールと
して描かれている定着ステーション19に向けて前進
し、定着ステーションにおいて、定着部材20と圧力部
材21との間に複写シート16を通すことにより現像画
像を複写シート16に定着させ、よって永久画像を形成
する。圧力ロールと圧接している定着ベルト、圧力ベル
トと接触している定着ロールまたはその他の類似のシス
テムなどの他の定着部材によって定着を実行することが
可能である。感光体10は、転写後にクリーニングステ
ーション17に向けて前進し、クリーニングステーショ
ンにおいて、ブレード22(図1に示したようなも
の)、ブラシまたは他のクリーニング装置の使用によっ
て感光体上に残った一切のトナーを感光体から取り除
く。
【0013】図2は、中間転写部材を含む画像現像シス
テムを示す概略図である。図2は、本発明のもう一つの
実施形態を示し、そして画像形成部材10と転写ロール
6との間に配置された転写部材1を含む転写装置15を
描写している。画像形成部材10は感光体ドラムによっ
て例示されている。しかし、他の適切な画像形成部材に
は、イオノグラフィーベルト、イオノグラフィードラム
および電子写真ベルトなどの他の静電写真画像形成受容
体(receptor)を挙げることが可能である。
【0014】図2の多画像形成システムにおいて、転写
される各画像を画像形成ステーション12によって画像
形成ドラム上に形成する。その後、これらの画像の各々
を現像ステーション13で現像し、そして転写部材2に
転写する。各画像を感光体ドラム10上に形成し、逐次
現像し、そしてその後転写部材2に転写することが可能
である。別法において、各画像を感光体ドラム10上に
形成し、現像し、そして転写部材2に見当において(i
n registration)転写することが可能で
ある。本発明の好ましい実施形態において、多画像シス
テムはカラー複写システムである。このカラー複写シス
テムにおいて、複写される画像の各カラーを感光体ドラ
ム上に形成する。各カラー画像を現像し、転写部材2に
転写する。上述のように、着色画像の各々をドラム10
上に形成し、逐次現像し、そしてその後転写部材2に転
写することが可能である。別法において、画像の各カラ
ーを感光体ドラム10上に形成し、現像し、そして転写
部材2に見当において転写することが可能である。
【0015】潜像形成ステーション12が感光体ドラム
10上に潜像を形成し、そして感光体の潜像が現像ステ
ーション13で現像された後、現像ステーション13の
帯電トナー粒子4は、感光体ドラム10がトナー粒子4
の電荷とは反対の電荷5を有するので、感光体ドラム1
0によって引き付けられ、保持される。図2において、
トナー粒子を負に帯電しているとして示し、感光体ドラ
ム10を正に帯電しているとして示している。これらの
電荷は、用いられるトナーおよび機械類の性質に応じて
逆であってもよい。好ましい実施形態において、トナー
は液体現像剤中に存在する。しかし、本発明は、実施形
態において、乾式現像システムにおいても有用である。
【0016】感光体ドラム10の反対側に配置されたバ
イアス転写ロール6は、感光体ドラム10の表面より高
い電圧を有する。図2に示したように、バイアス転写ロ
ール6は、転写部材2の裏側7を正電荷で帯電させる。
本発明の別の実施形態において、転写部材2の裏側7を
帯電させるために、コロナ帯電メカニズムまたは他のい
ずれかの帯電メカニズムを用いることが可能である。
【0017】負に帯電したトナー粒子4は、転写部材2
の裏側7上の正電荷9によって転写部材2の前側8に引
き付けられる。
【0018】図3は、本発明によるベルトの実施形態の
例を示している。ベルト30を継目31と合わせて示し
ている。継目31は、パズルカット継目の一つの実施形
態の例として描かれている。ベルトは所定位置に保持さ
れ、ロール32の使用によって回転する。ベルト30が
水平であろうと垂直であろうと、ベルト30が平面上に
ある時に継目31の機械的連結関係が二次元平面におい
て存在することに注意すること。継目がベルトの二つの
平行側面に垂直であると図3において示されている一方
で、継目を平行側面に対してある角度で曲げるか、ある
いは傾斜させることが可能であることは理解されるべき
である。これによって、システムにおいて発生する一切
のノイズをより均一に分配することが可能となり、そし
て各噛み合いエレメントまたはノード上に加えられた力
を減少させることが可能となる。
【0019】本発明により形成された継目は、高い強
度、改善された可撓性および長い機械的寿命の薄くて滑
らかな形材をもつ継目である。好ましい実施形態におい
て、ベルトの両端は、パズルカットによって互いに固定
されている、ベルト材料の両端間の幾何形状的状態によ
って接合されている。パズルカット継目は、多くの異な
る構成の継目であることが可能であるが、継目の二つの
端がパズルの方式で互いに連結する継目である。詳しく
は、相互噛み合いエレメントは、第1の端上の第2の受
け口が第2の端上の第1の突起を受取り、そして第1の
端上の第1の突起を第2の端上の第2の受け口によって
受取るように幾何形状的に配置された第1の突起および
第2の受け口を含む。継目は、ベルトの二つの接合端で
の相互噛み合いエレメント間で切り溝、空隙または隙間
を有し、そして当該隙間を本発明による接着剤で満たす
ことが可能である。継目付き可撓性ベルトがエンドレス
ベルトとして本質的に機能することを可能にするため
に、パズルカットパターンの反対面を互いに結合する
か、あるいは互いに接合する。本発明において、パズル
カット部材を含む継目をベルトの残りと適合性であるポ
リアミド接着剤によって接合する。ベルトは、実施形態
において、ベルトの継目と隣接部分との間で厚さの差が
実質的にない改善された継目の品質および平滑性をもた
らす。
【0020】パズルカット部材または相互噛み合いエレ
メントを各々が含む二つの端を有するパズルカット継目
の実施形態の例を図4に示している。パズルカットパタ
ーンは、同じポスト、すなわち、ネック34およびヘッ
ド33、すなわち、図4に示したように組み合わされた
時に連結する突起36および受け口35を有するノード
パターンなどのノードの形態を含む実質的にいかなる形
態も取ることが可能である。パズルカットパターンは、
図5に示したように第1の突起38と39および第2の
受け口40と37を有するよりキノコ様形状パターン、
ならびに第1の突起41および第2の受け口42を有す
る図6に示したような鳩尾パターンのパターンであるこ
とも可能である。図7に示したパズルカットパターン
は、連結歯44をもつ複数の第1の指43および組み立
てられた時に歯44と連結する窪み46をもつ複数の第
2の指45を有する。連結エレメント間の応力を減少さ
せるために連結エレメントがすべて湾曲噛み合いエレメ
ントをもち、そして図3のロール32などの湾曲部材ま
わりで移動する時に連結エレメントが分離することを可
能にすることが好ましい。湾曲噛み合いエレメントを用
いると、応力が均一に分配されるのではなく応力が集中
し、起きうる破壊の原因になる角張った隅を用いるより
も応力が低いことが判明した。
【0021】パズルカット継目のもう一つの例を図8に
示している。図8において、相互噛み合いエレメントま
たはパズルカット部材は、第1の受け口52と第1の突
起54とを含む第1の部材50と、第2の受け口55と
第2の突起56とを含む第2の部材51とを含む。第1
の部材50の第1の受け口52は、第2の部材51の第
2の突起56を受取り、そして第2の部材51の第2の
受け口55は、第1の部材50の第1の突起54を受取
る。ベルトの継目付き部分と隣接継目無し部分との間の
高さの差を減少させるために、ベルトの両端としてのベ
ルトの一部内に実質的な深さにおいて第2の受け口をそ
れらの個々の部材内で形成させることが望ましい。
【0022】実施形態において、ベルトの継目と残り
(ベルトの継目無し部分)との間の高さの差は実用上零
であるか、あるいは約0〜約25μm、好ましくは約
0.0001〜約25μm、特に好ましくは約0.01
〜約5μmである。
【0023】ポリアミド樹脂は好ましくは継目の間に存
在し、そして約0.001〜約50μmの厚さにパズル
カット部材間の隙間内に入れる。本発明によるパズルカ
ット継目31の一つの実施形態において示したように、
接着剤は、パズルカット部材間に、そして図9の継目隙
間57において存在する。
【0024】接着剤は、好ましくは、トナーの静電転写
のために必要な範囲内の固有抵抗を有するように選択さ
れる。好ましくは、継目の固有抵抗は、ベルトの継目と
残りに関して同じ電気特性をもたらすためにベルトの固
有抵抗と同じかまたは似ている。トナー転写性能のため
に好ましい体積固有抵抗は、約101〜約1013ohm
−cm、好ましくは約109〜約1013ohm−cmで
ある。ベルトおよびベルトの継目が同じかまたは実質的
に同じ電気抵抗を有する時、継目におけるトナー転写は
ベルトにおける転写と同じかまたは実質的に同じであ
る。継目におけるこうした転写は、それと分からない継
目または実質的にそれと分からない継目をもたらす。
【0025】電気特性は、充填剤の量を変えることによ
り、添加される充填剤の種類を変えることにより、およ
び/または硬化手順を変えることにより調整することが
可能である。
【0026】実施形態において、接着剤のポリアミド樹
脂はアルコール可溶性である。「アルコール可溶性」に
よって、出願人らは、ブタノール、エタノールおよびメ
タノールなどのアルコールに溶解する材料を意味してい
る。実施形態において、接着剤中のポリアミド樹脂は、
メトキシペンダント基、エトキシペンダント基およびヒ
ドロキシペンダント基から成る群から選択された官能性
ペンダント基(官能性側鎖基)を有する。実施形態にお
いて、ペンダント官能基はメトキシメチレン基である。
実施形態において、ポリアミドは以下の式を有する。
【0027】
【化3】 式中、nは約50〜約1,000、または約150〜約
500、あるいは約270の数である。Rは、水素、メ
チル、エチルおよびプロピルなどの炭素数約1〜約20
または炭素数約1〜10のアルキル、メトキシ、エトキ
シおよびプロポキシなどの炭素数約1〜約20または炭
素数約1〜10のアルコキシ、メチルメトキシ、メチル
エトキシ、エチルメトキシ、メチルジメトキシおよびメ
チルトリメトキシなどの炭素数約1〜約20または炭素
数約1〜10のアルキルアルコキシ、メチレンメトキシ
およびエチレンエトキシなどの炭素数約1〜約20また
は炭素数約1〜10のアルキレンアルコキシから成る群
から選択される。実施形態において、上式のモノマーを
接着剤組成物中に含めることが可能である。ここでモノ
マー中のRは、水素、メチレンメトキシおよびメチレン
ジメトキシであることが可能である。あるいは、接着剤
組成物中のRは、約40〜約80モル%の水素、または
約50〜約65モル%の水素、あるいは約64モル%の
水素、および約20〜約45モル%のメチレンメトキ
シ、または約30〜約35モル%のメチレンメトキシ、
あるいは約32モル%のメチレンメトキシ、および約1
〜約10モル%のメチレンジメトキシ、または約1〜約
5モル%のメチレンジメトキシ、あるいは約4モル%の
メチレンジメトキシであることが可能である。本願で用
いるために適する代表的な市販のアルコール可溶性ポリ
アミドポリマーには、大日本インキ(Dai Nipp
on Ink)から商品名LUCKAMIDE(登録商
標)5003で、東レ(Toray Industri
es,Ltd.)から商品名NYRON(登録商標)
8、CM4000(登録商標)およびCM8000(登
録商標)で販売されているもの、ならびにソレンソン
(Sorenson)およびキャンベル(Campbe
ll),「Preparative Methods
of Polymer Chemistry」,sec
ond edition,pg.76,John Wi
ley & Sons,Inc.,1968に記載され
た方法により製造されたものなどの他のN−メチレンメ
トキシ側鎖ポリアミドなど、およびそれらの混合物が挙
げられる。
【0028】上記樹脂中で大きな凝集物を伴わずに均一
に分散している適する微粉導電性強化充填剤を本接着剤
と合わせて用いることができる。実施形態において、充
填剤は、炭素充填剤、金属酸化物充填剤、ポリマー充填
剤、電荷輸送分子またはそれらの混合物である。その他
の導電性充填剤には、シリコン粉末、第四アンモニウム
塩(例えば、アルドリッチケミカル(Aldrich
Chemical)によってメチルトリアルキル(C8
〜C10)アンモニウムクロリドとして販売されているA
dogen464)などの第四塩ならびに熱分解ポリア
クリロニトリル粒子および繊維が挙げられる。
【0029】実施形態において、充填剤は、カーボンブ
ラック、グラファイト、弗化炭素またはそれらの混合物
などの炭素充填剤である。好ましい弗化炭素には、式C
xを有するものが挙げられる。式中、xは弗素原子の
数を表し、一般には約1.5以下、好ましくは約0.0
1〜約1.5、特に好ましくは約0.04〜約1.4で
ある。他の好ましい弗化炭素は、通常は略して(C
2F)nで記載されるポリ(一弗化二炭素)である。選択
された好ましい弗化炭素には、主題を全体として本願に
引用して援用するルリー(Luly)らによる米国特許
第4,524,119号に記載されたもの、および商品
名がACCUFLUOR(登録商標)(オクラホマ州カ
ツーサのアドバンスドリサーチケミカルズ(Advan
ced Research Chemicals,In
c.)製の弗化炭素)のものが挙げられる。例には、A
CCUFLUOR(登録商標)2028、ACCUFL
UOR(登録商標)2065、ACCUFLUOR(登
録商標)1000およびACCUFLUOR(登録商
標)2010が挙げられる。ACCUFLUOR(登録
商標)2028およびACCUFLUOR(登録商標)
2010は、それぞれ弗化炭素の重量に対して28およ
び11重量%の弗素を有する。ACCUFLUOR(登
録商標)1000およびACCUFLUOR(登録商
標)2065は、それぞれ弗化炭素の重量に対して62
および65重量%の弗素を有する。また、ACCUFL
UOR(登録商標)1000は炭素コークスを含むのに
対して、ACCUFLUOR(登録商標)2065、2
028および2010はすべて導電性カーボンブラック
を含む。これらの弗化炭素は式CFxの弗化炭素であ
り、そしてC+F2=CFxの反応によって形成される。
【0030】好ましい金属酸化物充填剤には、二酸化チ
タン、酸化錫(II)、酸化アルミニウム、酸化インジ
ウム錫、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化鉄など、およ
びそれらの混合物が挙げられる。
【0031】好ましいポリマー充填剤には、ポリピロー
ル、ポリアクリロニトリル(例えば、熱分解ポリアクリ
ロニトリル)、ポリアニリン、ポリチオフェンおよびそ
れらの混合物が挙げられる。
【0032】電荷輸送分子の例には、ビス(ジヒドロキ
シジエチルアミノ−)トリフェニルメタン(DHTP
M)、ビス(ジエチルアミノ)トリフェニルメタン(T
PM)、ジヒドロキシテトラフェニルビフェニレンジア
ミン(DHTBD)など、およびそれらの混合物が挙げ
られる。特に好ましい電荷輸送分子には、DHTPMお
よびDHTBDが挙げられる。
【0033】実施形態において、充填剤は、全固形物の
約1〜約80重量%、好ましくは約20〜約50重量%
の量で接着剤中に存在する。本願で用いられる全固形物
は、接着剤中に存在するポリマー樹脂、充填剤、架橋
剤、他の添加剤および他の固形物の量を指す。
【0034】ポリマーの架橋を促進し、よって強い結合
を生じさせるために、ポリアミドと合わせて架橋剤を用
いることが可能である。適する架橋剤の例には、シュウ
酸、p−トルエンスルホン酸、燐酸、硫酸など、および
それらの混合物が挙げられる。実施形態において、架橋
剤はシュウ酸である。
【0035】コットン付刃塗布機、液体ディスペンサ、
グルーガンおよびその他の公知の手段を用いるなどの適
するいずれかの手段によって、継目においておよび連結
継目部材間に接着剤溶液を塗布することが可能である。
連結継目部材間で接着剤の乾燥が加えられる時、継目の
切り溝を完全に満たすのに必要とされる量の若干過剰の
量を用いる。
【0036】接着剤の中実フィルムテープを用いること
により、継目においておよび連結継目部材間に接着剤を
塗布することが可能である。加えられた温度および加圧
力下で接着剤を継目切り溝に溶融して入れる。
【0037】一般に、本願の接着剤を用いる継ぎ合わせ
方法は、樹脂を充填剤と合わせて配合し、その後、液相
複合材を固相薄層接着剤フィルムにすることを伴う。シ
ュウ酸などの架橋剤を用いることが可能である。その
後、ベルト部材またはフィルム部材のパズル連結継目付
き領域のみと位置合わせするように、除去可能な剥離裏
材付き、あるいは除去可能な剥離裏材無しの接着剤フィ
ルム複合材を塗布する。その後、継目を種々の方法によ
って硬化させることが可能である。継目を硬化させるに
際して有用な硬化手順には、室温水分硬化、熱硬化およ
び赤外線硬化が挙げられる。熱硬化の例には、継目隙間
に接着剤を入れると直ぐに中程度の熱を用いることが挙
げられる。この中程度の熱は、架橋/固化反応も高め、
そして継目加工およびベルト二次加工速度を高める。
【0038】接着剤は、より速いベルト製造を可能にす
る低温迅速硬化を見込んでいる。実施形態において、約
80〜約180℃、好ましくは約100〜約120℃の
温度で約1分〜約1時間、好ましくは約20分〜約30
分の時間で継目部材間において、接着剤を硬化させるこ
とが可能である。例えば、ヒートガン、オーブン、Ve
rtrodまたはSencor継目ウェルダまたは適す
る他の手段によって、熱を加えることが可能である。
【0039】接着剤は、多くの種類の基板に用いられる
が、好ましくは、過酷な使用を通して多数回サイクリン
グを受けるのに十分に頑丈である基板に用いられる。適
する基板材料の例には、ポリアニリンポリイミドなどの
半導電性ポリイミドなどの導電性充填剤入りまたは導電
性充填剤無しのポリイミド、炭素充填ポリイミドおよび
炭素充填ポリカーボネートなどが挙げられる。市販され
ているポリイミド基板の例には、両方ともデュポン(D
uPont)製のKAPTON(登録商標)とUPLI
EX(登録商標)およびジーイー(GE)製のULTE
M(登録商標)が挙げられる。
【0040】基板は充填剤を含むことが可能である。好
ましくは、基板中に充填剤が存在する場合、それは、全
固形物の約1〜約60重量%、好ましくは約3〜約40
重量%の量で存在する。基板中で用いるために適する充
填剤の例には、炭素充填剤、金属酸化物充填剤、ドープ
金属酸化物充填剤、他の金属充填剤および他の導電性充
填剤などが挙げられる。充填剤の特定の例には、カーボ
ンブラックなどの炭素充填剤、シリコン粒子、弗素化カ
ーボンブラック、グラファイト、低導電性炭素など、お
よびそれらの混合物、酸化インジウム錫、酸化亜鉛、酸
化鉄、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化鉛など、および
それらの混合物などの金属酸化物、アンチモンドープ酸
化錫、アンチモンドープ二酸化チタン、アルミニウムド
ープ酸化亜鉛、類似のドープ金属酸化物、およびそれら
の混合物などのドープ金属酸化物、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ドープポリア
ニリンなど、およびそれらの混合物などのポリマー粒子
が挙げられる。
【0041】ポリアミド樹脂接着剤と組み合わせて用い
られる好ましいベルトの例を図10に描いている。ベル
ト30は、好ましい実施形態において中に導電性充填剤
61を有する基板60を含む。ベルトは、継目部材64
と継目部材65との間に配置された接着剤63を有する
継目31を含む。好ましい実施形態において、導電性充
填剤62は、接着剤中に分散または含有されている。任
意に基板中に分散または含有されている導電性充填剤6
1と任意に接着剤中に分散または含有されている充填剤
62は同じかまたは異なってもよい。
【0042】本願の接着剤は、ベルト用の、そして好ま
しい実施形態においてポリイミド中間転写ベルト用の優
れた継目接着剤をもたらす。
【0043】
【実施例】実施例1 中間転写ベルトの作製 ポリイミドフィルム基板をデュポン(DuPont)か
ら購入した。ベルト基板はポリアニリンと炭素充填ポリ
イミドを含んでいた。固有抵抗を試験し、約109〜約
1010ohm−cmであることが判明した。接合しよう
としたベルトの両端を組み立て直前に下塗り剤で処理し
て密着力の改善を助けた。パズルカット両端をトルエン
中の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(アルドリ
ッチ(Aldrich))の10%溶液で拭き、放置し
て40℃で10分にわたり乾燥した。
【0044】任意に、密着力の改善を助けるために、接
合しようとするベルトの両端を「化学エッチング」処理
に供することが可能である。パズルカット両端は、1N
のNaOH水溶液に10分にわたり、その後、1NのH
Cl水溶液に10分にわたり浸漬することが可能であ
る。その後、両端を蒸留水でリンスするとともに放置し
て乾燥することが可能である。
【0045】実施例2 ポリアミド接着剤(サンプル1)の調製 約4gのLUCKAMIDE(登録商標)(大日本イン
キ(Dai Nippon Ink)製)、約10gの
メタノールおよび約10gの1−プロパノールを琥珀色
の8オンス瓶内で混ぜ、約60℃の水浴内で磁気攪拌し
ながら加熱してサンプル1を製造した。溶液が30分以
内に生じた。その後、この溶液を放置して約25℃に冷
却した。その後、約0.3gのトリオキサン(架橋剤)
および約0.4gのシュウ酸を添加し、溶液が形成され
るまで混合物を約50℃の水道水の下で加温した。その
後、液体接着剤は、パズルカット継目に塗布する準備が
整った。
【0046】あるいは、デュポン・ド・ヌムール(E.
I.du Pont de Nemours and
Company)製のTEDLAR(登録商標)剥離フ
ィルムまたはバーモント州セントアルバンスのミランテ
クノロジーズ(MylanTechnologies,
Inc.)製のコロナ処理IFS3 Industri
al Fluorosilicone Release
Film Number44461などの剥離基板上
に接着剤のフィルム(乾燥厚さ3〜5ミル(0.076
mm〜0.127mm))を溶媒被覆することにより、
「Hot Melt」LUCKAMIDE(登録商標)
接着剤を調製する。その後、溶媒を放置して、(110
〜130℃のその硬化温度より十分に低い)約50℃で
1時間にわたりオーブン内で蒸発させる。剥離フィルム
上の乾燥半導電性LUCKAMIDE(登録商標)接着
剤の細片をパズルカット継目より若干広く切り出し、そ
の接着剤の細片を用いてパズルカット継目を合わせて
(熱および圧力下で)融着させる。
【0047】より低い導電性のコーティング組成物を製
造するために、より少ないシュウ酸および/またはより
少ないDHTBDを用いることが可能である。より導電
性のマトリックスを製造するために、カーボンブラック
の添加によって組成物はかなりより導電性となった。カ
ーボンブラックが印加電場の影響下で正孔伝達マトリッ
クスに電荷を注入するからである。
【0048】実施例3 ポリアミド接着剤(サンプル2)の調製 4gの代わりに3.6gのDHTBDを用い、そして
0.4gのトリフェニルメタン(TPM)またはジヒド
ロキシトリフェニルメタン(DHTPM)のいずれかを
用いたことを除いて実施例2に記載された配合物を調製
した。この接着剤はサンプル2であった。
【0049】実施例4 様々な量のカーボンブラックを含むポリアミド接着剤
(サンプル3〜8およびグループサンプルA−D)の調
製 サンプル3〜8を次の通り製造した。TEFLON(登
録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色の60mL瓶に、
LUCKAMIDE(登録商標)(4g)、DHTBD
(4g)、トリオキサン(0.3g、7.5重量%)お
よび種々の量のBlack Pearls(登録商標)
2000カーボンブラック、すなわち、サンプル3−
(0.04g)、サンプル4−(0.2g)、サンプル
5−(0.2g)、サンプル6−(0.4g)、サンプ
ル7−(0.6g)およびサンプル8−(0.8g)を
添加し、そしてメタノールと1−プロパノールの1:1
混合物(20g)を添加した。LUCKAMIDE(登
録商標)、DHTBD、カーボンブラックおよび溶媒を
160°F(71℃)において水浴内で加熱して、カー
ボンブラックを除くすべての原料が溶解した分散液を形
成した。その後、スチール散弾(60g)を添加し、キ
ャップを閉じた容器を少なくとも16時間にわたってロ
ール練りするか(roll−milled)、あるいは
塗料振とうした(paint shaken)。その
後、グループサンプルA(0.3g、すなわち、LUC
KAMIDE(登録商標)に対して7.5重量%)、グ
ループサンプルB(0.4g、すなわち、LUCKAM
IDE(登録商標)に対して10重量%)、グループサ
ンプルC(0.6g、すなわち、LUCKAMIDE
(登録商標)に対して15重量%)およびグループサン
プルD(0.8g、すなわち、LUCKAMIDE(登
録商標)に対して20重量%)中にシュウ酸(架橋剤)
を添加した。
【0050】実施例5 ポリアミドとカーボンブラックの接着剤(サンプル9〜
11)の調製 TEFLON(登録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色
の60mL瓶に、LUCKAMIDE(登録商標)(4
g)およびメタノールと1−プロパノールの1:1混合
物(20g)を添加した。その後、Black Pea
rls(登録商標)2000カーボンブラック(サンプ
ル9では0.4g、サンプル10では0.6gおよびサ
ンプル11では0.8g)を添加した。LUCKAMI
DE(登録商標)、DHTBD、カーボンブラックおよ
び溶媒を160°F(71℃)において水浴内で加熱し
て、カーボンブラックを除くすべての原料が溶解した分
散液を形成した。その後、スチール散弾(60g)を添
加し、キャップを閉じた容器を少なくとも16時間にわ
たってロール練りするか、あるいは塗料振とうした。そ
の後、シュウ酸(0.3g、すなわち、LUCKAMI
DE(登録商標)に対して7.5重量%)を添加した。
【0051】実施例6 Elvamideを含むポリアミド接着剤(サンプル1
2)の調製 TEFLON(登録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色
の60mL瓶に、LUCKAMIDE(登録商標)(1
g)、ELVAMIDE(登録商標)(4g)、DHT
BD(5g)、トリオキサン(0.3g)およびメタノ
ールと1−プロパノールの1:1混合物(20g)を添
加した。LUCKAMIDE(登録商標)、DHTBD
および溶媒を160°F(71℃)において水浴内で加
熱して、すべての原料が溶解した溶液を形成した。その
後、シュウ酸(0.3g、すなわち、LUCKAMID
E(登録商標)に対して7.5重量%)を添加した。こ
れはサンプル12であった。
【0052】実施例7 ELVAMIDEを含むポリアミド接着剤(サンプル1
3)の調製 LUCKAMIDE(登録商標)(2g)およびELV
AMIDE(登録商標)(2g)という原料変更を行っ
たことを除いて実施例6に記載された手順を繰り返すこ
とによりサンプル13を作製した。
【0053】実施例8 種々の温度におけるPPANを含むポリアミド接着剤
(サンプル14〜19)の調製 TEFLON(登録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色
の60mL瓶に、LUCKAMIDE(登録商標)(2
g)、熱分解ポリアクリロニトリル(PPAN)粉末
(2g)およびメタノールと1−プロパノールの1:1
混合物を添加した。LUCKAMIDE(登録商標)、
DHTBD、PPANおよび溶媒を160°F(71
℃)において水浴内で加熱して、熱分解ポリアクリロニ
トリルを除くすべての原料が溶解した分散液を形成し
た。その後、スチール散弾(60g)を添加し、キャッ
プを閉じた容器を少なくとも16時間にわたってロール
練りするか、あるいは塗料振とうした。その後、シュウ
酸(0.3g、すなわち、LUCKAMIDE(登録商
標)に対して7.5重量%)およびトリオキサン(0.
15g)を添加した。ポリアクリロニトリル(アルドリ
ッチ(Aldrich))を400℃で4時間(サンプ
ル14)、350℃で4時間(サンプル15)、325
℃で6時間(サンプル16)、300℃で8時間(サン
プル17)および260℃で8時間(サンプル18)加
熱することによりPPANサンプルを製造した。LUC
KAMIDE(登録商標)(3g)、溶媒(10g)、
トリオキサン(0.225g)およびシュウ酸(0.4
5g)を溶液中で混ぜたサンプル19を比較用の対照と
して製造した。
【0054】実施例9 種々の量のPPANを含むポリアミド接着剤テープ(サ
ンプル20〜24)の作製 自立接着剤テープを次の通り製造した。TEFLON
(登録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色の60mL瓶
に、LUCKAMIDE(登録商標)(3g)、300
℃で8時間にわたり熱分解されたポリアクリロニトリル
の粒子(サンプル20では1.0g、サンプル21では
1.5g、サンプル22では1gおよびサンプル23で
は0.75g)、トリオキサン(0.3g)およびメタ
ノールと1−プロパノールの1:1混合物(15g)を
添加した。LUCKAMIDE(登録商標)、DHTB
Dおよび溶媒を160°F(71℃)において水浴内で
加熱して、すべての原料が溶解した溶液を形成した。そ
の後、スチール散弾(60g)を添加し、キャップを閉
じた容器を少なくとも16時間にわたってロール練りす
るか、あるいは塗料振とうした。その後、シュウ酸
(0.225g)を添加した。隙間30ミル(0.76
mm)のスクエアアプリケータを用いてコロナ処理剥離
紙(ニューヨーク州バファローのアベリー(Aver
y),Paper116626 4N)上に分散液を被
覆し、ヒュームフード内で室温において一晩(16時
間)空気乾燥した。被覆された乾燥フィルムは、厚さが
約70μmであり、剥離紙から容易に引き剥がされた。
寿命を保存するために、自立テープを−21℃において
フリーザー内で貯蔵した。酸もトリオキサンも用いない
が、ELVAMIDE(登録商標)(3g)、PPAN
(1g)、溶媒(15g)を用いる同じ手順に従うこと
により作製されたもう一つのテープ(サンプル24)
と、これらのテープを比較した。
【0055】実施例10 ポリアミドとカーボンブラックの接着剤テープ(サンプ
ル25〜26)の作製 自立接着剤テープを次の通り製造した。TEFLON
(登録商標)密封キャップ付き褐色琥珀色の120mL
瓶に、LUCKAMIDE(登録商標)(8g)、Bl
ack Pearls(登録商標)2000カーボンブ
ラック(キャボット(Cabot)、サンプルAでは
0.4g、サンプルBでは0.8g)、トリオキサン
(0.6g)およびメタノールと1−プロパノールの
1:1混合物(40g)を添加した。LUCKAMID
E(登録商標)、DHTBDおよび溶媒を160°F
(71℃)において水浴内で加熱して、すべての原料が
溶解した溶液を形成した。その後、ガラスビーズ(60
g)を添加し、キャップを閉じた容器を少なくとも16
時間にわたってロール練りするか、あるいは塗料振とう
した。その後、シュウ酸(0.6g)を添加した。隙間
30ミル(0.76mm)のスクエアアプリケータを用
いてコロナ処理剥離紙(ニューヨーク州バファローのア
ベリー(Avery),Paper116626 4
N)上に分散液を被覆し、ヒュームフード内で室温にお
いて一晩(16時間)空気乾燥した。被覆されたフィル
ムは、厚さが約70μmであり、剥離紙から容易に引き
剥がされた。寿命を保存するために、自立テープを−2
1℃においてフリーザー内で貯蔵した。酸もトリオキサ
ンも用いないが、ELVAMIDE(登録商標)(3
g)、PPAN(1g)、溶媒(15g)を用いる同じ
手順に従うことにより作製されたもう一つのテープ(サ
ンプル26)と、これらのテープ(サンプル25)を比
較した。
【0056】実施例11 種々の量のAdogen464を含む、剥離テープとし
ての導電性ポリアミド接着剤組成物(サンプル27〜3
2) 琥珀色の4オンス瓶内でLUCKAMIDE(登録商
標)(4g)、メタノール(10g)および1−プロパ
ノール(10g)をAdogen(登録商標)464
(LUCKAMIDE(登録商標)に対して1〜25重
量%の間)と混ぜ、マグネテックスターラを用い攪拌し
ながら約60℃の水浴内で加熱した。溶液が30分以内
に生じ、その後、それを放置して25℃に冷却した。ト
リオキサン(0.3g)およびシュウ酸(0.4g)を
添加し、溶液が形成されるまで混合物を50℃の水道水
の下で加温した。接着剤は、パズルカット継目に塗布す
る準備が整ったか、あるいは、別法としてホットメルト
接着剤テープを次の通り製造した。
【0057】剥離紙(ニューヨーク州バファローのアベ
リー(Avery))をコロナ処理し、隙間25ミル
(0.64mm)のアプリケータを用いてコロナ処理剥
離紙に接着剤を塗布した。その後、被覆された湿りフィ
ルムを少なくとも2時間にわたり空気乾燥する一方で、
剥離紙を減圧下でプラテン上に固定した。その後、乾燥
された接着剤テープは、厚さ約80μmの自立フィルム
として基板から容易に除去された。直ちに使用しない場
合、その後、接着剤テープをフリーザー内で−15℃に
おいて貯蔵した。その後、接着剤テープを幅4mm×長
さ約18インチ(457mm)の細片にトリムし、90
〜100psi(621kPa〜690kPa)の加圧
力下で10分にわたり、248°F(120℃)に設定
された接触ウェルダーを用いて中間ベルト基板のパズル
カット継目に貼付けた。その後、継目付き円筒状ベルト
を120℃に設定された炉内で30分にわたりポストキ
ュアさせた。その後、融着された継目まわりのフラッシ
ングを研磨によって除去した。テープの固有抵抗をHi
resta IP固有抵抗計(三菱石油(Mitsub
ishi Petrochemical Co.))で
500ボルトにおいて測定した。このようにして製造さ
れた円筒状ベルトは、Cゾーンにおけるプリンタ運転条
件の機能範囲下でDocucolor12試験具におい
て明暗(light−dark)パズルカット継目プリ
ントアウトを示さなかった。継目の密着強度は19ポン
ド/直線インチより高く、硬化した接着剤はメタノール
などの有機溶媒に耐性であった。サンプルのADOGE
N(登録商標)464の量(LUCKAMIDE(登録
商標)に対する重量%)は、サンプル27(0.05
g、1重量%)、サンプル28(0.1g、2.5重量
%)、サンプル29(0.2g、5重量%)、サンプル
30(0.3g、7.5重量%)、サンプル31(0.
5g、12.5重量%)およびサンプル32(1.0
g、25重量%)であった。
【0058】実施例12 充填剤を含まないポリアミド接着剤フィルム(サンプル
33〜36)の作製 大日本インキ(Dai Nippon Ink)から購
入したLUCKAMIDE(登録商標)(4g)、メタ
ノール(10g)および1−プロパノール(10g)を
琥珀色の8オンス瓶内で混ぜ、約60℃の水浴内でマグ
ネテックスターラを用い攪拌しながら加熱した。溶液が
30分以内に生じた。その後、この溶液を放置して約2
5℃に冷却した。その後、サンプル33ではLUCKA
MIDE(登録商標)の重量に対して0.3gのトリオ
キサン、サンプル34では0.3gのトリオキサンおよ
び10重量%のTPM(1.6gのTHF中の0.4
g)、サンプル35では0.3gのトリオキサンおよび
0.3gのシュウ酸、サンプル36では0.3gのトリ
オキサン、10重量%のTPMおよび0.3gのシュウ
酸を溶液に添加した。
【0059】溶液が形成されるまで混合物を約50℃の
水道水の下で加温した。接着剤を約16μmの厚さでM
yst−R基板(Data Instruments1
00Discovery Way,Action,MA
01778)上に被覆した。これらのフィルの上に0.
25インチ(6.4mm)金電極を電気接点用にスパッ
タリングした。図11は、標準無防備(unguard
ed)電流−電圧測定から得られた印加電場の関数とし
ての体積直流導電率を示している。
【0060】シュウ酸は、自由電荷キャリアの密度の増
加の効果によりDHTDBを酸化させる。従って、シュ
ウ酸は導電率を高める。TPMは、閉じこめるか、ある
いは錯化する傾向をもち、結果として、TPMは、逆の
効果をもつことが予想される。TPMを含むサンプルお
よびTPMを含まないサンプルは移動度の有意な変化を
示さなかった。この結果は、そのメカニズムが移動度を
介してではなく電荷キャリア密度の変化を介してである
ことを確認している。
【0061】実施例13 カーボンブラック充填剤を含むポリアミド接着剤フィル
ム(サンプル37〜40)の作製 実施例12のサンプルに、BLACK PEARLS
(登録商標)2000カーボンブラック(1重量%)を
電荷注入中心として添加した。実施例12の場合のよう
にサンプルを作製し測定した。得られた導電率を図12
に示している。サンプル37〜40が炭素の添加を含む
ことを除き、図12のサンプル37〜40は、図11の
サンプル33〜36にそれぞれ対応する。全体の実施例
12組は上方にシフトしており、オーム挙動からの逸脱
は、炭素の注入特性のゆえに、より初期の電場において
である。
【0062】実施例14 カーボンブラック充填剤を含むポリアミド接着剤フィル
ムの作製 約4gのLUCKAMIDE(登録商標)(大日本イン
キ(Dai Nippon Ink)製)、約10gの
メタノールおよび約10gの1−プロパノールを琥珀色
の8オンス瓶内で混ぜ、約60℃の水浴内でマグネテッ
クスターラを用い攪拌しながら加熱した。溶液が30分
以内に生じた。その後、この溶液を放置して約25℃に
冷却した。その後、約トリオキサン(LUCKAMID
E(登録商標)に対して7.5重量%)およびシュウ酸
(LUCKAMIDE(登録商標)に対して7.5重量
%)を添加し、そしてBLACK PEARLS(登録
商標)2000カーボンブラックを0.5、1.0、
2.5および5重量%の量で添加した。
【0063】図13は、異なる電場強度でのカーボンブ
ラック装填量の関数としてのこれらのサンプルの導電率
を示している。
【0064】実施例15 Luckamide(ポリアミド)とDHTBDの接着
剤の調製 1000mlの瓶内で約100gの量のLUCKAMI
DE(登録商標)を150gのメタノールと150gの
1−プロパノールとの混合物に添加した。樹脂が完全に
溶解するまで瓶を約60℃に加温した。暖かいLUCK
AMIDE(登録商標)溶液に60gのDHTBDを添
加し、すべての固形物が溶解するまで溶液をよく混合し
た。その後、最少量のメタノールに溶解した4.2gの
シュウ酸をこの溶液に添加し、14gのBLACK P
EARLS(登録商標)2000(カーボンブラック)
分散液も添加した。混合物を1時間にわたりロールミル
上に置いて完全混合を確保した。
【0065】得られた分散液を一枚のTEDLAR(登
録商標)上にドロー被覆した。適する大きさのコーティ
ングバーを用いた。コーティングを放置して約40℃に
設定された乾燥炉内で約3時間にわたり乾燥した。一旦
フィルムが乾くと、フィルムを剥離ライナー上に保持
し、そしてフィルムは継目接着剤として使用する用意が
整った。保存寿命を維持するために、作製された接着剤
テープを0℃未満で貯蔵した。
【0066】3/16’’(4.8mm)ステンレスス
チール散弾媒体が装填されたベンチトップ磨砕機を用い
て、150gの1−プロパノールに分散した10gのL
UCKAMIDE(登録商標)に加えて10gのBLA
CK PEARLS(登録商標)2000を約3時間に
わたり磨砕することにより、カーボンブラックの分散原
液を早期に調製した。粗いスクリーンを通してスラリー
を濾過して、媒体を取り除き、そして炭素分散液を8オ
ンスのポリエチレン瓶内に集めた。
【0067】実施例16 LUCKAMIDE(登録商標)と弗化炭素の接着剤の
調製 500mlの瓶内で60gのメタノールと150gの1
−プロパノールとの混合物に50gのLUCKAMID
E(登録商標)、3.5gのトリオキサンおよび3.5
gのシュウ酸を溶解することにより、LUCKAMID
E(登録商標)の原液を最初に調製した。15gの酢酸
エチル、0.15gのACCUFLUOR(登録商標)
2028および0.20gのACCUFLUOR(登録
商標)2010(オクラホマ州カツーサのアドバンスリ
サーチケミカルズ(Advance Research
Chemicals,Inc.)製の弗化炭素)を4
オンスのガラス瓶に別個に添加した。その後、混合し、
そして超音波浴内に約10〜15分にわたり瓶を入れる
ことによりカーボンブラックを溶媒に分散させた。その
後、0.10gのDIAK3(登録商標)(デュポン
(DuPont))を瓶に添加し、分散液を再びよく混
合した。27gのLUCKAMIDE(登録商標)原液
をこの瓶に添加し、そして混合物をロールミル上に約1
時間にわたり置いた。
【0068】得られた分散液を一枚の剥離フィルム上に
ドローバー被覆した。適する大きさのコーティングバー
を用いた。コーティングを放置して約40℃に設定され
た乾燥炉内で約3時間にわたり乾燥した。一旦フィルム
が乾くと、フィルムを剥離紙上に保持し、そしてフィル
ムは継目接着剤として使用する用意が整った。
【0069】この段階で、フィルムは制御された導電性
を全く示さなかった。実際、フィルムを第2の熱ポスト
キュア工程に供した時にのみ導電性を達成した。ステン
レススチール基板上に被覆され約120℃で約30分に
わたりポストキュアされた厚さ0.001インチ(0.
025mm)のサンプル接着剤フィルムは、約1010
hm−cmの見掛け固有抵抗を有することが観察され
た。この配合を繰り返し、そして電気的結果は再現性が
あることが判明した。弗化炭素の量および/または種
類、硬化剤およびポストキュアパラメータを調節するこ
とにより固有抵抗を調整した。
【0070】実施例17 イメージオンシームパズルカット継目付きベルトの作製 実施例1において作製されたポリイミドフィルムの二つ
のパズルカット端を一緒に持ってきて、ウェルダーの両
面に取り付けられた真空押えテーブルを利用してTec
hnoseal Vertrod Thermal I
mpulseHeat Sealer(Mod.20E
P/P−1/4−WC−CAN−DIG−1)の下方顎
上で位置合わせした。上述の実施例のいずれかによって
形成された接着剤/剥離層(好ましくは、厚さ約8〜約
80μm)の自立フィルムを選択した。ベルト基板上で
パズルカット継目領域を適切に覆うのに十分な長さおよ
び幅に狭い材料細片(約1〜約4cm幅)を切り出し
た。継目を覆う継目領域の上を横切って接着剤/剥離層
の細片を置いた。LUCKAMIDE(登録商標)の架
橋温度に相当する約120℃の公称インパルス温度にウ
ェルダーを設定した。加えられた温度および加圧力で1
0分にわたり継目を融着させて、継目切り溝に接着剤を
圧縮成形し、継目切り溝を完全に満たした。これは接着
剤の架橋も開始させた。さらに架橋するため、そして接
着剤の機械的特性を改善するため、さらに30分にわた
る120℃でのポストキュアが必要であった。
【0071】その他のホットメルト接着剤密着方法も用
いることができよう。例えば、継目に沿って移動しうる
加熱ロールまたは加熱シューを用いることが可能であ
る。
【0072】継目付きベルトを固定具から除去し、ポス
トキュアし、そして継目を仕上げ(サンダー仕上げ)お
よび研磨工程に供して、過剰の接着剤を除去し、ベルト
の残りと調和した継目領域微細構成を生じさせた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 静電写真装置を示す概略図である。
【図2】 本発明の実施形態による転写システムを示す
拡大図である。
【図3】 本発明によるベルト構成および継目の実施形
態を示す強調図である。
【図4】 本発明の一つの実施形態による多数のヘッド
部材およびネック部材を有するパズルカット継目を示す
拡大図である。
【図5】 本発明のもう一つの実施形態によるキノコ状
パズルカット部材を有するパズルカット継目を示す拡大
図である。
【図6】 本発明のもう一つの実施形態による鳩尾形部
材を有するパズルカット継目の拡大である。
【図7】 本発明のもう一つの実施形態による受け口
(レセッサー)部材および歯形部材を有するパズルカッ
ト継目を示す拡大図である。
【図8】 本発明のもう一つの実施形態による異なる深
さの受け口(レセッサー)部材および突起部材を有する
パズルカット継目を示す拡大図である。
【図9】 本発明の一つの実施形態によるベルトを示す
拡大図であり、パズルカット部材間の接着剤を含む隙間
を示す図である。
【図10】 本発明の好ましい実施形態によるベルトを
示す拡大断面図である。
【図11】 充填剤を含まないポリアミド接着剤のサン
プルに関する印加電場(V/cm)の関数としての導電
率(S/cm)を示すグラフである。
【図12】 様々な量のカーボンブラックを添加した後
のポリアミド接着剤のサンプルに関する印加電場(V/
cm)の関数としての導電率(S/cm)を示すグラフ
である。
【図13】 異なる電場強度でのカーボンブラック装填
量の関数としてのこれらのサンプルの導電率を示すグラ
フである。
【符号の説明】
30 ベルト、31 継目、60 基板、61,62
導電性充填剤、63接着剤。
フロントページの続き (72)発明者 テオドア ロヴァロ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウィリ アムソン ニュー ロード 4312 (72)発明者 ダモダー エム パイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 フェア ポート シャグバーグ ウェイ 72 (72)発明者 ジョン エフ ヤナス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェブ スター リトル バードフィールド ロー ド 924 (72)発明者 ティモシー ジェイ フラー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード レールロード ミルズ ロード 67 (72)発明者 マーカス アール シルベストリー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 フェア ポート クラークス クロッシング 29 (72)発明者 ジェラルド エム フレッチャー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード キャリッジ コート 19 (72)発明者 アントニオ デクレセンティス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ロチェ スター カバード ブリッジ サークル 43 (72)発明者 アイホー ダブリュ ターナウスキー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェブ スター ブルー クリーク ドライブ 753 Fターム(参考) 4J040 DF082 EG011 EJ002 GA04 HA026 HA036 HA066 HA136 HA156 HC01 KA32 KA42 LA09 NA19 5G301 DA17 DA18 DA19 DA23 DA28 DA51 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドと導電性充填剤とを含む接着
    剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミドは、以下の一般式で表さ
    れる請求項1に記載の接着剤。 【化1】 (式中、Rは水素、炭素数約1〜20のアルキル、炭素
    数約1〜20のアルコキシ、炭素数約1〜20のアルキ
    ルアルコキシ、炭素数約1〜20のアルキレンアルコキ
    シからなる群から選択される。nは約50〜約1,00
    0の数である)
  3. 【請求項3】 前記Rがメチレンメトキシ基である請求
    項2に記載の接着剤。
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