JP2003020334A - 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品 - Google Patents

光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品

Info

Publication number
JP2003020334A
JP2003020334A JP2001208377A JP2001208377A JP2003020334A JP 2003020334 A JP2003020334 A JP 2003020334A JP 2001208377 A JP2001208377 A JP 2001208377A JP 2001208377 A JP2001208377 A JP 2001208377A JP 2003020334 A JP2003020334 A JP 2003020334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
resin composition
light
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001208377A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hiraoka
秀樹 平岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2001208377A priority Critical patent/JP2003020334A/ja
Publication of JP2003020334A publication Critical patent/JP2003020334A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性及び耐水性に優れる樹脂硬化物を与
え、且つ硬化収縮率の小さい硬化性樹脂組成物、及びそ
れを用いて製造された光学部品を提供する。 【解決手段】 本組成物は、ノルボルネン等の骨格含有
基を2個以上有する化合物(A)と、チオール基を2個
以上有する化合物(B)(ペンタエリスリトールテトラ
(3−メルカプトプロピオネート)等)と、を含み、光
ラジカル発生剤を含有しない。この化合物(A)は、ジ
シクロペンタジエンジメタノールのジノルボルネンカル
ボキシレート、ペンタエリスリトールテトラノルボルネ
ンカルボキシレート、トリメチロールプロパントリノル
ボルネンカルボキシレート等とすることができる。本光
学部品はこの組成物を加熱硬化させて得る。これは少な
くとも800nmから350nmの波長域におけるすべ
ての波長の光透過率が50%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学部品用樹脂組
成物及びそれを用いて製造された光学部品に関し、更に
詳しくは、光透過性及び耐水性に優れる樹脂硬化物を与
え、且つ硬化収縮率が小さい光学部品用樹脂組成物、並
びにそれを用いて製造された透明な光学部品に関する。
【0002】
【従来の技術】光学部品に用いられるプラスチック材料
は易成形性、軽量性などの特長を生かして、従来はガラ
ス、石英などの無機材料が用いられていた部分にも使用
されている。これらのプラスチックの代表的なものにポ
リカーボネート、ポリメチルメタクリレートがある。ま
た架橋性の樹脂では多官能(メタ)アクリレート等の例が
ある。これらの樹脂は何れも可視光領域の光を透過し、
目視による透明度の差はほとんどない。しかし、光の波
長が短く紫外領域周辺においては光の吸収が大きく、こ
の領域における光透過性はガラスには及ばなかった。架
橋性の多官能(メタ)アクリレートは配合物の粘度が低
く、様々な形状の成形品を作るのに適しており、また溶
剤に溶解して透明コーティング皮膜を形成したり、光学
部品用透明接着剤等に使用することもできる。しかし、
硬化収縮が大きい、吸水率が高いなどの欠点を持ってい
た。これに加えて、多官能(メタ)アクリレートを硬化す
るためには、紫外線などの光や加熱によってラジカル発
生剤の添加が必要であるため、これらの添加剤による着
色や近紫外領域における光透過性の低下が避けられず、
光学材料などの用途が制限されていた。
【0003】光学部品の分野では、小型軽量化が求めら
れる一方、情報の記録、読み取り及び通信の高速化、高
密度化が求められている。これらの要求を満たすため、
用いる光の波長は短波長、即ち青から紫外領域に広がり
つつある。しかし、従来から使用されてきた熱可塑性樹
脂であるポリカーボネートやポリメタクリル酸メチルは
紫外領域では光を通しにくいため、このような短波長光
に対応できなかった。また可視光と紫外線の境界付近で
は、たとえ光を通しても高いエネルギーを持った光が多
く樹脂に吸収されるため、樹脂が劣化しやすいという問
題もあった。更に架橋性樹脂で使用されてきた多価(メ
タ)アクリレートは吸水率が高く、加えてラジカル発生
剤の残さによる光の吸収やラジカル発生剤残さの環境へ
の影響などが問題となっていた。また、ノルボルネン骨
格を1分子中に2個以上有する化合物を含む組成物も知
られている(特公平2−500750号公報)。しか
し、この化合物には芳香族骨格を有するものであり、し
かもこの組成物にはラジカル開始剤、特に光ラジカル開
始剤を含むものである。この光ラジカル開始剤は光を強
く吸収する性質を持っている。従って、この組成物を用
いた硬化樹脂は、十分に優れた光透過性、特に350〜
400nm付近の可視光と紫外線の境界付近における光
透過性が十分ではなく、しかも、この光ラジカル発生剤
の残さによる着色も生じるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、光透
過性及び耐水性に優れる樹脂硬化物を与え、且つ硬化収
縮率の小さい硬化性樹脂組成物、及びそれを用いて製造
された光学部品、特に350〜400nm付近の可視光
と紫外線の境界付近における光透過性に優れる光学部品
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、上記式(1)で表さ
れるノルボルネン(X=CH、n=0の場合。)又は
その類似の骨格(X=(CH3C、CHCH、O
又はS、n=1〜5の場合。)(以下、これらの骨格を
「ノルボルネン等の骨格」と総称する。)を2個以上有
する化合物と、チオール基を2個以上有する化合物とか
らなる組成物が、透明性が高く、耐水性に優れ、及び硬
化収縮が小さい樹脂硬化物を与え、上記課題を解消しう
る良好な物性を発揮する光学部品に好適な樹脂硬化物を
与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の光学部品用樹脂組成物は、
前記式(1)で表される基を2個以上有し且つ芳香族骨
格を有しない化合物(A)と、チオール基を2個以上有
する化合物(B)と、を含み、光ラジカル発生剤を含有
しないことを特徴とする。本発明に用いる上記「化合物
(A)」は、前記式(1)で表わされる基を1分子中に
2個以上有する化合物で、この式(1)において、X
は、CH、(CH C、CHCH、O又はSを
示し、Rは、水素原子、アルキル基若しくはカルボキ
シル基又はその誘導体を示し、Rは、水素原子、シア
ノ基、アルキル基、置換アルキル基若しくはカルボキシ
ル基又はその誘導体を示す。nは0〜5の整数、αは結
合部位を表す。
【0007】上記式(1)においてXは、CH、(C
C、CHCH、O又はSから選択されるもの
であるが、樹脂硬化物の耐水性が優れることから、Xは
CH 、(CHC、CHCH、である骨格を有
する化合物が好ましい。また、Rは水素原子、アルキ
ル基若しくはカルボキシル基又はその誘導体から選ばれ
た一種であるが、硬化物の耐水性が優れる点から水素原
子又はメチル基が好ましく、ディールスアルダー反応を
用いて合成する場合に加熱の必要が少ないことから水素
原子がより好ましい。Rは、水素原子、アルキル基、
置換アルキル基、シアノ基若しくはカルボキシル基又は
その誘導体の何れかであり、具体的には、−H、−CH
、−CHOH、−CN、−CHCOOR’(R’
は、アルキル基、アリール基等)及びCOOR’(R’
は、アルキル基、アリール基等)等が挙げられる。この
うち、耐水性に優れるという点において、水素原子又は
アルキル基が好ましい。また、R、Rの何れかがカ
ルボキシル基の場合はアルカリ性水溶液に溶かすことが
できるため、本組成物を溶液状にしてコーティングなど
の用途に使用する際、水を溶剤にすることができるの
で、R、Rの何れかはカルボキシル基が好ましい。
また、金属との接着性を向上させる点において、化合物
(A)の一部又は全部に上記のカルボキシル基含有化合
物を用いることが好ましい。nは0〜5の整数を示す。
この内、n=1のものは耐熱性が高く好ましい。またn
=0のものは合成の容易さと接着性が高い点で好まし
い。nが2以上になると化合物(A)の粘度が高くなり
すぎて取り扱いにくくなるので好ましくない。αは結合
部位を表しているが、Rとの間で環構造を形成してい
ても良い。
【0008】上記式(1)で表される基を2個以上有す
る化合物(A)としては、前記の式(2)又は(3)で
表される化合物とすることができる。但し、式(2)に
おいては、XはCH、CHCH、(CHC、
O又はSであり、m、m、mはそれぞれ独立して
0〜5の整数を表し、R,Rはそれぞれ独立して水
素原子又はメチル基を表す。また、式(3)において
は、Zは上記式(4)で表される基であり、Yは炭素数
1〜5のアルキル基である。そして、aは1〜4の整
数、bは0〜2の整数であり、a’及びb’は0〜3の
整数であり、mは0又は1である。更に、a+b=4−
m、m=1の場合にa’+b’=3であり、且つ、a+
a’>1である。更に、式(4)中、Rは炭素数1〜
4のアルキレン基若しくはポリアルキレングリコール残
基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表す。ま
た、Xは上記式(1)と同義である。尚、一分子内に2
個以上存在する式(4)で表される基の構造はそれぞれ
同じであっても違っていても良い。
【0009】上記式(3)で表される化合物として、よ
り具体的には以下の式(5)〜(8)で表される化合物
が挙げられる。式(5)〜(8)においてR〜R
は、前記式(4)で表される基又は炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキル基であって、式(4)で表される基が
少なくとも2個以上である。
【化5】
【0010】上記化合物(A)は、前述のノルボルネン
等の骨格を有する化合物である。このうちXがCH
ものは、不飽和二重結合及びカルボニル基を有する化合
物とシクロペンタジエンとを反応させるなどの方法で得
ることができる。nは0〜5の整数を表しているが、n
が1以上のものは原料となる不飽和二重結合に対してシ
クロペンタジエン若しくはシクロペンタジエンに類する
環状ジエン化合物を過剰に加えることで得ることができ
るし、n=0の化合物を目的に合成を行う場合において
も、温度などの条件によっては、一部にn=0でないも
のが生成する場合もある。特に、不飽和二重結合及びカ
ルボニル基を有する化合物が、アクリロイル基及び/又
はメタクリロイル基(以下、「(メタ)アクリロイル
基」と称する。)を有する化合物の場合は、シクロペン
タジエンと容易にディールスアルダー反応が起こり好ま
しい。また、2官能以上の(メタ)アクリレートは多く
の種類が市販されており、原料の入手しやすさや用途に
応じて様々な骨格の化合物を選択できるなどの利点もあ
り、本発明で用いる化合物(A)を合成する手段として
最も好ましい。尚、シクロペンタジエンはジシクロペン
タジエンを加熱分解することにより容易に得ることがで
きる。化合物(A)のうち、X=O又はSの化合物は、
シクロペンタジエンの代わりに、それぞれフラン又はチ
オフェンを用いることにより得ることができる。
【0011】上記化合物(A)を容易に合成する第二の
方法としては、ノルボルネン等の骨格を有する酸無水物
と多価アルコールの反応がある。酸無水物としては例え
ばナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物などがあ
る。このような酸無水物とアルコールは無触媒、若しく
は塩基性化合物を触媒として容易に反応し、ノルボルネ
ン等の骨格を2個以上有する化合物を得ることができ
る。
【0012】上述の代表的な合成方法以外に、J.Ap
pl.Sci.,45,471−485(1992)や
特許第2583435号公報に述べられているような多
くの合成方法が試みられている。これらの方法により合
成されたノルボルネン等の骨格を有する化合物も同様に
使用することができる。
【0013】上記化合物(A)をディールスアルダー反
応により合成する場合において一方の原料である不飽和
二重結合を有する化合物としては、例えば(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸のエステル
若しくはアミド、あるいはそれが二価の酸の場合はイミ
ドを有する化合物等が挙げられる。この内、入手しやす
く、ディールスアルダー反応が容易である点で(メタ)ア
クリル酸から誘導される(メタ)アクリロイル化合物が好
ましい。
【0014】上記(メタ)アクリロイル基を有する化合物
(以下、アクリレート及びメタクリレートを総称して、
「(メタ)アクリレート」と称する。)としては、ビス
フェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
Fジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変成ビ
スフェノールAジ(メタ)アクリレート(例えば東亞合
成(株)製、商品名「アロニックスM210」)、エチ
レンオキサイド変成ビスフェノールFジ(メタ)アクリ
レート(例えば東亞合成(株)製、商品名「アロニック
スM208」)、プロピレンオキサイド変成ビスフェノ
ールAジ(メタ)アクリレート(例えば共栄社化学
(株)製、商品名「ライトアクリレートBP−4P
A」)、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アク
リレート(例えば共栄社化学(株)製、商品名「ライト
アクリレートDCP−A」)、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート(例えば共栄社化学(株)製、商品名
「ライトアクリレート1・6HX−A」)、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸とを反応させて製造されるエポキシ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリテトラメチレンオキサイドジ(メタ)
アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2
官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリヒドロキシ
エチルのトリ(メタ)アクリレート(例えば東亞合成
(株)製、商品名「アロニックスM315」)等の3官
能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックポリグリ
シジルエーテルと(メタ)アクリル酸を反応させて製造
されるエポキシ(メタ)アクリレート等の多官能(メ
タ)アクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ヘキ
サメチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能アク
リルアミド、トリプロピレングリコールビスシアノアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールビスシアノアクリ
レート等の多官能シアノアクリレート等が挙げられる。
これらの2種類以上を併用してもよい。
【0015】前述の化合物(A)をディールスアルダー
反応により合成する際に用いる不飽和二重結合を有する
化合物の好ましい種類は、得られる硬化性樹脂組成物の
目的に応じて異なる。例えば樹脂硬化物に高い機械的強
度、高い弾性率及び高いガラス転移温度を望む場合は、
ビスフェノール類、ジシクロペンタジエン、イソシアヌ
ル酸等の環構造の残基を有する(メタ)アクリレート
か、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。また柔軟性
のある樹脂硬化物を必要とする場合や、硬化物の弾性率
を下げるための添加剤等として使用する場合には、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステ
ルジ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アク
リレートなどの柔軟な構造を有する化合物を好適に使用
できる。
【0016】また、上記化合物(A)を合成する際に用
いる不飽和二重結合を有する化合物が脂肪族骨格から構
成される場合は、特に硬化反応性が優れており、ラジカ
ル発生剤を添加しなくても比較的低い温度で硬化するこ
とができる。更に、光学特性として重要なアッベ数が高
い硬化物が得られるため、特に好ましく使用できる。
【0017】本発明で使用することができる上記「チオ
ール化合物(B)」は、ノルボルネン等の骨格に含まれ
る炭素炭素二重結合に容易に付加反応を起こし、二官能
以上のものを用いることにより、化合物(A)と反応し
て重合物を与える。この具体例としては、エチレングリ
コールジメルカプトアセテート、エチレングリコールジ
メルカプトプロピオネート、1,4−ブタンジオールジ
メルカプトアセテート、1,4−ブタンジオールジメル
カプトプロピオネート、1,6−ヘキサンジオールジメ
ルカプトアセテート、1,6−ヘキサンジオールジメル
カプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリメ
ルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリメル
カプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラメ
ルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラメル
カプトプロピオネート、ペンタエリスリトールトリメル
カプトアセテート、ペンタエリスリトールトリメルカプ
トプロピオネート、ジトリメチロールプロパンテトラメ
ルカプトアセテート、ジトリメチロールプロパンテトラ
メルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘ
キサメルカプトアセテート、ジペンタエリスリトールヘ
キサメルカプトプロピオネート、1,2−ジ(2−メル
カプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン、2−メ
ルカプト−3−チオヘキサン−1,6−ジチオール、
5,5−ビス(メルカプトメチル)−3,7−ジチオノ
ナン−1,9−ジチオール、2,4,5−トリス(メル
カプトメチル)−1,3−ジチオラン、5−(2−メル
カプトエチル)−3,7−ジチアノナン−1,9−ジチ
オール、4,8−ジ(メルカプトメチル)−3,6,9
−トリチオウンデカン−1,11−ジチオール、末端が
SH基のポリスルフィド(例えば東レチオコール社製の
商品名「チオコールLP−3」)、ビス(3−メルカプ
トプロピル)ポリジメチルシロキサン、キシリレンジチ
オール、トリスメルカプトメチルベンゼン、テトラキス
メルカプトメチルベンゼン等が挙げられる。これらは2
種以上を併用しても良い。また2官能以上のチオール化
合物であれば、上述の例に限定されるものではない。
【0018】上記化合物(B)の好ましい種類は、得ら
れる硬化性樹脂組成物の目的に応じて異なる。例えば樹
脂硬化物に高い機械的強度、高い弾性率及び高いガラス
転移温度を望む場合は、3官能以上のチオール化合物が
好適である。また柔軟性のある樹脂硬化物を必要とする
場合や、硬化物の弾性率を下げるための添加剤等として
使用する場合には、1,6−ヘキサンジオールジメルカ
プトプロピオネート、ビス(3−メルカプトプロピル)
ポリジメチルシロキサンなどの柔軟な構造を有する化合
物が好ましい。更に、高いアッベ数や、近紫外領域での
高い透明性が要求される場合は、骨格中に芳香族環を含
まないものが好ましい。
【0019】本発明の硬化性樹脂組成物における化合物
(A)と化合物(B)との割合は、化合物(A)が含有
するノルボルネン等の骨格と、化合物(B)が有するチ
オール基との割合に換算した場合、ノルボルネン等の骨
格の1当量に対して、チオール基が0.5〜2当量であ
るのが好ましく、更に好ましくは0.7〜1.5当量で
ある。この化合物(B)のチオール基が0.5当量未満
の場合、2当量を越える場合はどちらも硬化が不十分と
なり、強度、耐熱性が損なわれ、また硬化物の酸化など
による着色が起こりやすいため好ましくない。
【0020】本発明で用いる硬化性樹脂の粘度を低下さ
せる目的、又は硬化物の弾性率を調整する目的などで、
単官能のノルボルネン化合物、あるいは単官能のチオー
ル化合物を併用することができる。この場合、ノルボル
ネン等の骨格を有する基とチオール基の比は上記に記載
された比率になるように調整することが好ましい。
【0021】本発明の樹脂組成物は、配合後に放置する
だけでも硬化反応が進行するが、加熱硬化を行うことが
望ましい。この場合の好ましい硬化温度は50℃〜20
0℃、更に好ましくは70℃〜180℃である。本組成
物の硬化発熱をDSCにより分析すると、ラジカル発生
剤などの添加剤を加えなくても50℃〜200℃にかけ
て硬化反応による発熱を観察することができる。従っ
て、50℃〜200℃の温度で加熱すれば効率が良い。
また、ラジカル発生剤は、光透過性を損なわない範囲で
過酸化物、アゾ化合物等の熱ラジカル発生剤を添加する
ことにより硬化を促進させることができる。
【0022】また、本発明の樹脂組成物においては、光
ラジカル発生剤が含有されない。この光ラジカル発生剤
は、光によってラジカルを発生する化合物である。この
発生剤としては、ベンゾインエーテル系としてベンジ
ル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;ケタール系と
してベンジルジアルキルケタール;アセトフェノン系と
して2,2’−ジアリコキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセ
トフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン;
ベンゾフェノン系としてベンゾフェノン、4−クロルベ
ンゾフェノン、4,4’−ジクロルベンゾフェノン、
4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、o−ベ
ンゾイル安息香酸メチル、3,3’−ジメチル−4−メ
トキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル
ジフェニルスルフィド、ジベンゾスベロン、ベンジメチ
ルケタール;チオキサントン系としてチオキサント、2
−クロルチオキサントン、2−アルキルチオキサント
ン、2,4−ジアルキルチオキサントン、2−アルキル
アントラキノン、2,2’−ジクロロ−4−フェノキシ
アセトン等が挙げられる。光ラジカル発生剤を添加して
エンチオール反応を紫外線などの光で硬化する方法が、
特許第2583435号公報などにおいて提案されてい
るが、光によってラジカルを発生する化合物は光を強く
吸収する性質を持っている。従って、この光ラジカル発
生剤の添加は、本樹脂組成物の特徴である広範囲の波長
に対する透明性を損なう。また、多くの場合は、光ラジ
カル発生剤の残さによる着色が見られ、これらの残さが
光を吸収するため耐候性が低下する。従って本発明では
光ラジカル発生剤の添加は行われない。
【0023】本発明の樹脂組成物には、酸化防止剤、染
料、顔料、充填材、レベリング剤、離型剤などを添加す
ることができる。充填材などの添加は透明性を損なわな
い範囲で行うのが好ましい。また、本発明の樹脂組成物
には、銅箔等の金属への接着力の向上を目的として、必
要に応じてシランカップリング剤、チタンカップリング
剤等のカップリング剤が添加併用される。これらのシラ
ンカップリング剤の中では、エポキシ基、アミノ基、メ
ルカプト基又は炭素炭素二重結合を有するシランカップ
リング剤が金属などとの密着性を向上させる効果が高く
好ましい。
【0024】本発明の光学部品は、本発明の光学部品用
樹脂組成物を加熱し硬化させて得られたことを特徴とす
る。本発明において、少なくとも800nmから350
nmの波長域におけるすべての波長の光透過率が50%
以上とすることができる。例えば、800nmから35
0nmの波長域におけるすべての波長の光透過率が50
%以上とすることができるし、800nmから330n
mの波長域におけるすべての波長の光透過率が50%以
上とすることもできるし、800nmから320nmの
波長域におけるすべての波長の光透過率が50%以上と
することもできる。
【0025】本発明の光学部品は、その透明性を生かし
て発光ダイオード、各種レンズ類、プリズム、ミラー、
記録ディスク、導光板、光導波路、光ファイバー、液晶
用カラーフィルター、光学材料用透明コーティング膜、
光学部品用接着剤などに用いることができる。特に青色
から近紫外領域の短波長の光の透過率が高いことから、
情報記録媒体のコーティング材料やピックアップレン
ズ、及びその周辺材料に好ましく用いることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物を硬化させた硬化物及
び本発明の光学部品において、実施例の測定方法により
測定される光透過率50%になる波長は、好ましくは3
50nm、より好ましくは330nm、更に好ましくは
320nm、特に好ましくは310nmである。実施例
の測定方法により測定されるその硬化収縮率は、好まし
くは6.0%以下、より好ましくは5.5%以下、更に
好ましくは5.3%以下、特に好ましくは5.0%以下
である。実施例の測定方法により測定されるその吸水率
は、好ましくは0.25%以下、より好ましくは0.2
0%以下、更に好ましくは0.16%以下、特に好まし
くは0.14%以下である。更に、これらの上記特性値
を種々組み合わせたものとすることもできる。
【0027】
【作用】本発明の硬化性樹脂組成物から得られる樹脂硬
化物は、耐水性及び透明性等に優れ、硬化収縮の少ない
硬化性樹脂である。これらの特性が得られる理由は、本
組成物において、ノルボルネン骨格を1分子中に2個以
上有し且つベンゼン骨格を有しない化合物(A)を含
み、しかも光ラジカル開始剤を含まない。即ち、化合物
(A)に含まれる官能基の環部分、例えばノルボルネン
骨格が可視光領域から近紫外領域の幅広い範囲の光を透
過する性質を持ち、更に嵩高く、高い疎水性を持つため
耐水性も向上するものと考えられる。化合物(A)に含
まれる環部分は、可視光領域から近紫外領域にかけてほ
とんど吸収が無いため、透明性に優れるものと考えられ
る。更に、光を強く吸収する性質を持つ光ラジカル発生
剤を含まないので、光ラジカル発生剤の残さによる着色
も見られず、そのためこれらの残さによる光の吸収に起
因する耐候性の低下も生じない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 1.多官能ノルボルネン化合物の合成 (合成例1)温度計、ジムロート、攪拌器を備えた10
0mlの3口フラスコにジシクロペンタジエンジメタノ
ールのジアクリル酸エステル(共栄社化学(株)製、商
品名:「ライトアクリレートDCP−A」)30g
(0.099mol)を仕込み、室温下で攪拌しなが
ら、予めジシクロペンタジエンを150℃で分解して得
られたシクロペンタジエン26.1g(0.39mo
l)を30分かけて滴下した。そのまま20時間攪拌後
内容物を100mlナス型フラスコに移し替え、反応せ
ずに残ったシクロペンタジエンを減圧下で留去した。フ
ラスコ内に残ったものをNMR(図1)で下記のように
分析し、目的物であるジシクロペンタジエンジメタノー
ルのジノルボルネンカルボキシレート(DCPDN)で
あることを確認した。
【0029】NMRの条件は、270MHzのプロトン
NMRで、溶剤は重クロロホルム、測定温度は室温、基
準物質はテトラメチルシラン(TMS)とした。原料が
有していた5.8〜6.5ppm付近のアクリロイル基
のC=Cに結合したプロトンのピークが消失して、新た
に5.9〜6.2ppm付近にノルボルネンの二重結合
部分のプロトンが出現し、また2.8〜3ppm付近に
ノルボルネンの橋頭位のプロトンが確認されたことか
ら、原料が有するアクリロイル基にシクロペンタジエン
がディールスアルダー反応により付加し、ノルボルネン
骨格になったジシクロペンタジエンジメタノールのジノ
ルボルネンカルボキシレートであることを確認した。
【0030】(合成例2)温度計、ジムロート、攪拌器
を備えた100mlの3口フラスコにペンタエリスリト
ールテトラアクリレート(東亞合成(株)製、商品名「ア
ロニックスM450」)30g(0.085mol)を
仕込み、室温下で攪拌しながら、予めジシクロペンタジ
エンを150℃で分解して得られたシクロペンタジエン
49.5g(0.75mol)を30分かけて滴下し
た。そのまま20時間攪拌後内容物を100mlナス型
フラスコに移し替え、反応せずに残ったシクロペンタジ
エンを減圧下で留去した。フラスコ内に残ったものをN
MR(図2)で分析したところ、原料が有するアクリロ
イル基にシクロペンタジエンがディールスアルダー反応
により付加しノルボルネン骨格になった、ペンタエリス
リトールテトラノルボルネンカルボキシレート(PET
TN)であることを確認した。
【0031】(合成例3)温度計、ジムロート、攪拌器
を備えた100mlの3口フラスコにトリメチロールプ
ロパントリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名:
「アロニックスM309」)30g(0.10mol)
を仕込み、室温下で攪拌しながら、予めジシクロペンタ
ジエンを150℃で分解して得られたシクロペンタジエ
ン41.3g(0.63mol)を30分かけて滴下し
た。そのまま20時間攪拌後内容物を100mlナス型
フラスコに移し替え、反応せずに残ったシクロペンタジ
エンを減圧下で留去した。フラスコ内に残ったものをN
MR(図3)で分析したところ、原料が有するアクリロ
イル基にシクロペンタジエンがディールスアルダー反応
により付加しノルボルネン骨格になった、トリメチロー
ルプロパントリノルボルネンカルボキシレート(TMP
TN)であることを確認した。
【0032】2.光学部品用樹脂組成物の調製及びその
硬化樹脂の合成 (実施例1)合成例1で得られた多官能ノルボルネン化
合物(DCPDN)20gにペンタエリスリトールテト
ラ(3−メルカプトプロピオネート)(PETMP)1
1.2gを加えて攪拌混合して、樹脂組成物を調製した
(表1参照)。次に、この樹脂組成物を減圧状態で脱泡
し、ガラス板上にのせたフッ素樹脂製の型に流し込み、
その上にガラス板をのせて蓋をした。これを熱プレス機
の熱板間に挟み、10kg/cmで加圧しながら10
0℃で30分間加熱し、更に150℃に昇温して1時間
加圧加熱を続け、樹脂の硬化を完了した。硬化した樹脂
を型から取り外し、分光光度計による光透過性の測定、
硬化収縮率及び吸水率測定を行った。これらの試験の結
果は表1にまとめた。尚、光透過率の測定においては、
透過率が50%を最初に切ったところの波長が310n
mであったとともに(表1参照)、800〜400nm
付近まではいずれも透過率80%以上を維持していた。
【0033】(実施例2)合成例1で得られた多官能ノ
ルボルネン化合物(DCPDN)20gにペンタエリス
リトールテトラメルカプトアセテート(PETAP)
9.9gを加えて攪拌混合した(表1参照)。その後、
実施例1と同方法により硬化樹脂を得、この硬化樹脂に
ついて同測定方法により光透過性の測定、硬化収縮率及
び吸水率測定を行った。これらの試験の結果は表1にま
とめた。
【0034】(実施例3)合成例2で得られた多官能ノ
ルボルネン化合物(PETTN)20gにペンタエリス
リトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)(P
ETMP)15.8gを加えて攪拌混合した(表1参
照)。その後、実施例1と同方法により硬化樹脂を得、
この硬化樹脂について同測定方法により光透過性の測
定、硬化収縮率及び吸水率測定を行った。これらの試験
の結果は表1にまとめた。
【0035】(実施例4)合成例1で得られた多官能ノ
ルボルネン化合物(DCPDN)10gと合成例2で得
られた多官能ノルボルネン化合物10gにペンタエリス
リトールテトラ(3−メルカプトプロピオン酸)(PE
TMP)13.5gを加えて攪拌混合した(表1参
照)。その後、実施例1と同方法により硬化樹脂を得、
この硬化樹脂について同測定方法により光透過性の測
定、硬化収縮率及び吸水率測定を行った。これらの試験
の結果は表1にまとめた。
【0036】(実施例5)合成例3で得られた多官能ノ
ルボルネン化合物(TMPTN)20gにペンタエリス
リトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)(P
ETMP)14.8gを加えて攪拌混合した。その後、
実施例1と同方法により硬化樹脂を得、この硬化樹脂に
ついて同測定方法により光透過性の測定、硬化収縮率及
び吸水率測定を行った。これらの試験の結果は表1にま
とめた。
【0037】(比較例1)ジシクロペンタジエンジメタ
ノールのジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名
「ライトアクリレートDCP−A」)30gに増感剤と
してベンジルジメチルケタール(東亞合成(株)製、商品
名「C−101」)1.5gを加えて攪拌混合した(表
1参照)。次に攪拌混合した樹脂組成物を減圧状態で脱
泡し、ガラス板上にのせたフッ素樹脂製の型に流し込
み、その上にガラス板をのせて蓋をした。これをアイグ
ラフィックス(株)製紫外線硬化用電源装置を用い、紫
外線を1000mJ/cm照射して樹脂を硬化した。
硬化した樹脂を型から取り外し、分光光度計による光透
過性の測定、吸水率測定を行った。これらの試験の結果
は表1にまとめた。
【0038】(比較例2)ジシクロペンタジエンジメタ
ノールのジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名
「ライトアクリレートDCP−A」)20gにペンタエ
リスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)
(PETMP)16.1gを加えて攪拌混合した(表1
参照)。その後、実施例1と同方法により硬化樹脂を得
た。硬化した樹脂はゴム状でメルカプタン臭が残ってお
り、光学部品には適さないものであった。型から取り外
した樹脂は、べたつきがあったため吸水率測定及び硬化
収縮率は行わず、分光光度計による光透過性の測定のみ
を行った。試験の結果は表1にまとめた。
【0039】(比較例3)市販の無着色ポリメチルメタ
クリレート板(三菱レイヨン株式会社製「アクリライト
001」)を用い、分光光度計による光透過性の測定及
び吸水率測定を行った。これらの試験の結果は表1にま
とめた。尚、これは熱可塑性樹脂であるため、硬化収縮
率の測定はできなかった。
【0040】3.実施例1〜5、比較例1〜2の硬化物
の評価方法 (光透過性)島津製作所(株)製分光光度計UV−240
0PCを用い、厚さ1mmの試験片について波長800
nm〜190nmの光透過率を測定した。長波長側から
測定を開始すると波長が短くなるに従って透過率下が
る。そのまま波長を走査して透過率が50%を最初に切
ったところの波長を表1にまとめた。 (硬化収縮率)硬化前のモノマー混合物の比重をピクノ
メーターで測定、及び硬化物の比重を水中置換法により
測定した。両比重より硬化収縮率を算出した。尚、比較
例2は硬化性が悪くゴム状であったため評価しなかっ
た。比較例2は硬化性が悪くゴム状であったため評価し
なかった。比較例3は硬化性樹脂ではないため硬化収縮
率の測定はできない。 (吸水率)実施例1及び比較例1の樹脂組成を用いて作
成した厚さ2mmの試験片を使用した。これらを50℃
のオーブン内に24時間試験片を放置して乾燥し、乾燥
時重量を測定した。次に、23℃に保った蒸留水に24
時間試験片を浸した後、表面についた水を拭き取って吸
水後の重量を測定した。両測定値から重量増加率を計算
して吸水率とした。尚、比較例2は硬化性が悪くゴム状
であったため評価しなかった。
【0041】
【表1】
【0042】4.実施例の効果 表1の結果によれば、比較例1は光透過率50%になる
波長が380nmと長く350nm以上であり、硬化収
縮率も6.6%と大きく、吸水率も0.37%と大きか
った。比較例2は光透過率50%になる波長が320n
mと目的の範囲内であったものの、硬化収縮率も吸水率
も硬化性が悪くて評価できなかった。比較例3は光透過
率50%になる波長が375nmと長く、吸水率も0.
31%と大きかった。一方、実施例1〜5はいずれも、
光透過率50%になる波長が310〜320nmと短
く、硬化収縮率も4.2〜5.2%と小さく、吸水率も
0.12〜0.15%と小さく、全ての性能のバランス
に優れている。特に、実施例1及び2のジシクロペンタ
ジエンジメタノールのジノルボルネンカルボキシレート
(DCPDN)を用いた場合は、光透過率50%になる
波長が310nm、硬化収縮率が4.2〜4.5%、吸
水率も0.12〜0.13%といずれも極めて優れてい
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、広範囲に及ぶ光
に対する透明性、高い耐水性及び低い硬化収縮等の特長
を有する硬化物を与える硬化性樹脂組成物である。そし
て、これを用いた光学部品は、これらの全ての性能に優
れたものであり光学部品としては極めて有用なものであ
る。即ち、これらは樹脂の透明性、耐水性などの特長を
生かし、情報記録の高密度化、情報転送の大容量化、高
速化に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られたジシクロペンタジエンジメ
タノールジ−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート
のプロトン−NMRスペクトル図である。
【図2】合成例2で得られたペンタエリスリトールテト
ラ−5−ノルボルネン−2−カルボキシレートのプロト
ン−NMRスペクトル図である。
【図3】合成例3で得られたトリメチロールプロパント
リ−5−ノルボルネン−2−カルボキシレートのプロト
ン−NMRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 11:00 B29L 11:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表される基を2個以上有
    し且つ芳香族骨格を有しない化合物(A)と、チオール
    基を2個以上有する化合物(B)と、を含み、光ラジカ
    ル発生剤を含有しないことを特徴とする光学部品用樹脂
    組成物。 【化1】 (XはCH、CHCH、(CHC、O又はS
    であり、Rは水素原子、アルキル基若しくはカルボキ
    シル基又はその誘導体であり、Rは水素原子、シアノ
    基、アルキル基、置換アルキル基若しくはカルボキシル
    基又はその誘導体である。nは0〜5の整数であり、α
    は結合部位を表す。)
  2. 【請求項2】 上記式(1)で表される基を2個以上有
    する化合物(A)が、下記の式(2)又は(3)で表さ
    れる化合物である請求項1記載の光学部品用樹脂組成
    物。 【化2】 (XはCH、CHCH、(CHC、O又はS
    であり、m、m、m はそれぞれ独立して0〜5の
    整数を表し、R,Rはそれぞれ独立して水素原子又
    はメチル基を表す。) 【化3】 (Zは下記式(4)で表される基であり、Yは炭素数1
    〜5のアルキル基である。また、aは1〜4の整数、b
    は0〜2の整数であり、a’及びb’は0〜3の整数で
    あり、mは0又は1である。更に、a+b=4−m、m
    =1の場合にa’+b’=3であり、且つ、a+a’>
    1である。また、式(4)中、mは0〜5の整数を表
    す。更に、式(4)中、Rは炭素数1〜4のアルキレ
    ン基若しくはポリアルキレングリコール残基を表し、R
    10は水素原子又はメチル基を表す。また、Xは上記式
    (1)と同義である。尚、一分子内に2個以上存在する
    式(4)で表される基の構造はそれぞれ同じであっても
    違っていても良い。) 【化4】
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光学部品用樹脂
    組成物を加熱し硬化させて得られたことを特徴とする光
    学部品。
  4. 【請求項4】 少なくとも800nmから350nmの
    波長域におけるすべての波長の光透過率が50%以上で
    ある請求項3記載の光学部品。
JP2001208377A 2001-07-09 2001-07-09 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品 Pending JP2003020334A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001208377A JP2003020334A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001208377A JP2003020334A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003020334A true JP2003020334A (ja) 2003-01-24

Family

ID=19044212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001208377A Pending JP2003020334A (ja) 2001-07-09 2001-07-09 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003020334A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011019067A1 (ja) 2009-08-13 2011-02-17 富士フイルム株式会社 ウェハレベルレンズ、ウェハレベルレンズの製造方法、及び撮像ユニット
EP2296018A1 (en) 2009-09-14 2011-03-16 Fujifilm Corporation Wafer-level lens array, method of manufacturing wafer-level lens array, lens module and imaging unit
EP2298544A2 (en) 2009-09-16 2011-03-23 FUJIFILM Corporation Wafer-level lens array, method of manufacturing wafer-level lens array, lens module and imaging unit
EP2298543A2 (en) 2009-09-17 2011-03-23 FUJIFILM Corporation Master model of lens array and method of manufacturing the same
WO2011040103A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 富士フイルム株式会社 素子アレイ及び素子アレイ積層体
EP2319672A1 (en) 2009-11-05 2011-05-11 FUJIFILM Corporation Lens array press mold and lens array molded by the same
EP2353828A1 (en) 2010-02-08 2011-08-10 FUJIFILM Corporation Molding die for optical molding product, method of molding optical molding product and lens array
EP2361754A2 (en) 2010-02-26 2011-08-31 FUJIFILM Corporation Lens array
EP2361755A2 (en) 2010-02-26 2011-08-31 FUJIFILM Corporation Lens array
EP2366534A2 (en) 2010-03-19 2011-09-21 Fujifilm Corporation Die, molding method and lens array
EP2366535A2 (en) 2010-03-19 2011-09-21 Fujifilm Corporation Lens and lens array and manufacturing method thereof
EP2372406A1 (en) 2010-03-19 2011-10-05 Fujifilm Corporation Lens array and lens array manufacturing method
EP2380721A1 (en) 2010-03-30 2011-10-26 Fujifilm Corporation Method for fabricating a master

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011019067A1 (ja) 2009-08-13 2011-02-17 富士フイルム株式会社 ウェハレベルレンズ、ウェハレベルレンズの製造方法、及び撮像ユニット
EP2296018A1 (en) 2009-09-14 2011-03-16 Fujifilm Corporation Wafer-level lens array, method of manufacturing wafer-level lens array, lens module and imaging unit
EP2298544A2 (en) 2009-09-16 2011-03-23 FUJIFILM Corporation Wafer-level lens array, method of manufacturing wafer-level lens array, lens module and imaging unit
EP2298543A2 (en) 2009-09-17 2011-03-23 FUJIFILM Corporation Master model of lens array and method of manufacturing the same
WO2011040103A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 富士フイルム株式会社 素子アレイ及び素子アレイ積層体
EP2319672A1 (en) 2009-11-05 2011-05-11 FUJIFILM Corporation Lens array press mold and lens array molded by the same
EP2353828A1 (en) 2010-02-08 2011-08-10 FUJIFILM Corporation Molding die for optical molding product, method of molding optical molding product and lens array
EP2361754A2 (en) 2010-02-26 2011-08-31 FUJIFILM Corporation Lens array
EP2361755A2 (en) 2010-02-26 2011-08-31 FUJIFILM Corporation Lens array
EP2366534A2 (en) 2010-03-19 2011-09-21 Fujifilm Corporation Die, molding method and lens array
EP2366535A2 (en) 2010-03-19 2011-09-21 Fujifilm Corporation Lens and lens array and manufacturing method thereof
EP2372406A1 (en) 2010-03-19 2011-10-05 Fujifilm Corporation Lens array and lens array manufacturing method
EP2380721A1 (en) 2010-03-30 2011-10-26 Fujifilm Corporation Method for fabricating a master

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5301164B2 (ja) チオール化合物を含有する硬化性組成物
JP5050473B2 (ja) フッ素系重合体および樹脂組成物
JP2003020334A (ja) 光学部品用樹脂組成物及びそれを用いた光学部品
KR101070656B1 (ko) 경화성 조성물 및 반사 방지용 적층체
JP5272338B2 (ja) フッ素系重合体および樹脂組成物
WO2007048819A1 (en) Antimony-free photocurable resin composition and three dimensional article
JP5083444B2 (ja) フッ素系重合体および樹脂組成物
KR20100092947A (ko) 염 화합물, 양이온 중합 개시제 및 양이온 중합성 조성물
JP2003055316A (ja) ノルボルネン構造を有する基を有する化合物及びその製造方法
KR20140072061A (ko) 중합성 무기 입자 분산제, 그 중합성 무기 입자 분산제를 포함하는 무기 유기 복합 입자, 및 무기 유기 수지 복합재
JP5654050B2 (ja) 新規のフッ素化化合物、これを含む組成物、これを利用した成形体、及び成形体の製造方法
JP2022128911A (ja) 重合性組成物及びそれを重合硬化してなる樹脂
CN101466741A (zh) 聚合促进剂、固化性组合物和固化物以及硫醇化合物的制造方法
RU2408627C2 (ru) Свободная от сурьмы фотоотверждаемая полимерная композиция и трехмерное изделие
JP2007002073A (ja) 光学的立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた光学的立体造形方法
JPH0629382B2 (ja) 紫外線硬化性ハードコーティング剤
EP0831373B1 (en) Photo-curable resin compositions and process for preparing a resin-based mold
JP4017236B2 (ja) 光硬化性液状樹脂組成物
JP5502791B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物並びに光学材料
JP2003238904A (ja) 光硬化型光学用接着剤組成物
JP5430345B2 (ja) 光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物及びそれを光硬化させて得られる立体造形物
WO2007055134A1 (ja) 光導波路形成用感光性樹脂組成物、光導波路、及び光導波路の製造方法
JP2002138131A (ja) エポキシ(メタ)アクリレート及び該エポキシ(メタ)アクリレートを用いた樹脂組成物並びにこれらの硬化物
JP3419314B2 (ja) 液状放射線硬化型樹脂組成物及び光ファイバ
US8207239B2 (en) Radioactive ray-curable liquid resin composition for use in optical stereolithography, and optically shaped article produced by curing the composition