JP2003019748A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法

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JP2003019748A JP2001207608A JP2001207608A JP2003019748A JP 2003019748 A JP2003019748 A JP 2003019748A JP 2001207608 A JP2001207608 A JP 2001207608A JP 2001207608 A JP2001207608 A JP 2001207608A JP 2003019748 A JP2003019748 A JP 2003019748A
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resin film
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Hidehito Minamizawa
秀仁 南澤
Ikuo Hagiwara
郁夫 萩原
Yoshihiko Iinuma
良彦 飯沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂フィルムの製造において、縦延伸
後のフィルム端部が必要以上に高配向となることを抑制
し、フィルムの製膜を安定化し生産性を向上させるこ
と。特に高配向フィルムやインラインコーティングを行
うプロセスにおいて、製膜を安定化し生産性を向上させ
ること。 【解決手段】縦延伸において赤外線ヒーターを用いてフ
ィルムを加熱する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であ
って、フィルム中央部を加熱する赤外線ヒーターの単位
幅当たりの出力(A)とフィルム端部から10mm内側
を加熱する赤外線ヒーターの単位幅当たりの出力(B)
の比(A/B)が0.1以上0.8以下であることを特
徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱転写材、電気絶
縁材料、離型材、包装材料、磁気記録材料等の各用途に
有効に用いられる熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムの製造方法のう
ち、縦方向に延伸する方法としては、熱媒や電気ヒータ
ーなどにより加熱されたロールに延伸前のフィルムを接
触させて加熱し、ロールの周速差を利用して必要な倍率
に延伸する方法が知られている。また、ロールでの加熱
だけでは不十分な場合、補助加熱手段として、セラミッ
クプレートヒーターや発熱コイルをガラス管で被覆した
赤外線ヒーターなどを使用する方法が知られている。延
伸前のフィルムは、例えば口金からフィルムが吐出され
て冷却されたドラム上で冷却固化される場合、口金とド
ラム間で生じるネックダウン現象により、フィルムの中
央部に比べて、端部の厚みが厚くなることが知られてい
る。また、ロール上を搬送するときのフィルムの蛇行を
抑制したり、縦延伸の後にテンターオーブンで横方向の
延伸を行う場合に、クリップを用いてフィルムを把持す
る方法が用いられるが、このクリップによるフィルムの
把持を安定させるためにフィルム端部を中央に比べて厚
く成形することがある。さらに近年、各用途において、
フィルムの薄膜化が進んでおり、フィルムの厚みが薄く
なるほどフィルム中央部と端部の厚みの差は大きくなっ
ているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の加熱方法の場
合、同じように加熱しても、厚みの厚いフィルム端部は
中央部に比べて加熱されにくいために、延伸時の温度が
中央に比べて低くなる。その結果、中央部と同じ倍率で
延伸されているにもかかわらず、フィルムの縦方向への
配向が進む。続いて、横方向の延伸を行う場合、前記し
た縦方向の配向のため、端部の延伸性が中央に比べて悪
くなり、フィルム端部に特に厚みの薄い過延伸部分が発
生して横延伸時に破れが発生することがあった。また、
破れが発生しない場合でも、フィルム端部の厚みムラが
大きくなり、製膜されたフィルムの幅に比べて、製品の
取り幅が極端に狭くなるなど、生産性が低下する原因と
なっていた。かかる状況に鑑み、本発明は、フィルム加
熱手段の一つである赤外線ヒーターのフィルム中央部と
端部の熱量に差を持たせることにより、上記のような縦
延伸時の中央と端部でのフィルムの昇温状態の差を解消
して、縦延伸後のフィルム端部が必要以上に高配向とな
ることを抑制し、フィルムの製膜を安定化し、生産性を
向上させることができる熱可塑性樹脂フィルムの製造方
法の提供を目的とする。特に高配向フィルムやインライ
ンコーティングを行うプロセスに適用できる熱可塑性樹
脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は以下の構成を取る。すなわち、本発明は、
縦延伸において赤外線ヒーターを用いてフィルムを加熱
する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であって、フィル
ム中央部を加熱する赤外線ヒーターの単位幅当たりの出
力(A)とフィルム端部から10mm内側を加熱する赤
外線ヒーターの単位幅当たりの出力(B)の比(A/
B)が0.1以上0.8以下であることを特徴とする熱
可塑性樹脂フィルムの製造方法を骨子とするものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
詳細に説明する。
【0006】本発明における熱可塑性樹脂としては特に
限定されず、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリ
オレフィン等が挙げられ、これらの中でもポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステルが好ましく用いられる。また、
本発明に使用する熱可塑性樹脂は、先に挙げたものの中
のうち1種類単独でも、2種以上の樹脂成分の共重合体
や、2種以上の樹脂の混合体であってもかまわない。ま
た、これら樹脂の中に公知の各種添加剤、例えば易滑性
付与のための不活性粒子、帯電防止剤、酸化防止剤など
が添加されていてもかまわない。
【0007】本発明における縦延伸とは、未延伸のフィ
ルムをフィルム巻き取り方向に行う延伸を言う。通常、
数本の加熱されたロールを用い延伸可能な温度までフィ
ルムを加熱し、必要な配向が得られるようロールの周速
差により延伸倍率を調整して縦延伸を行う方法が好まし
く用いられる。延伸倍率は、熱可塑性樹脂の種類により
適正な範囲が異なるが、例えばポリエステル樹脂の場
合、2〜8倍が好ましい。
【0008】本発明では、縦延伸におけるフィルムの加
熱手段として、赤外線ヒーター(例えばヘレウス社製ツ
インチューブ石英ガラスヒーターなど)を使用する必要
がある。ここで、加熱を効率的にするため加熱ロールを
併用するのが好ましい。赤外線ヒーターによる加熱を用
いることで、本発明の狙いとするフィルム製膜の安定
化、生産性向上を達成することができる。
【0009】本発明に使用する赤外線ヒーターの設置箇
所としては、縦延伸工程内であれば特に限定されない
が、縦延伸直前、または縦延伸中のフィルムを加熱でき
る場所に好ましく設置される。
【0010】赤外線ヒーターの設置数は特に限定されな
いが、好ましくはフィルム端部加熱用のヒーターに加え
全幅加熱用のヒーターまたは端部加熱用ヒーターの加熱
部分以外を加熱するヒーターの2種類が用いられる。各
ヒーターの出力、本数は必要に応じて適宜選択すること
ができる。
【0011】複数の赤外線ヒーターを使用する場合、同
一のケース内に設置され、1つのユニットとなっている
ことが好ましい。1つのユニットとなっていることで、
省スペース化、加熱効率の向上が達成できる。
【0012】赤外線ヒーターとフィルムの間隙は10m
m以上50mm以下が好ましく、より好ましくは15m
m以上30mm以下である。赤外線ヒーターとフィルム
の間隙が上記範囲より小さい場合、フィルムの位置が変
動した場合などにフィルムがヒーターに接触し、フィル
ムが破れたりヒーターが破損する可能性がある。また、
上記範囲より大きい場合は、ヒーターによるフィルムの
加熱効率が悪くなり、延伸性が悪化することがある。
【0013】本発明においては、フィルム中央部を加熱
する赤外線ヒーターの単位幅当たりの出力(A)とフィ
ルム端部から10mm内側を加熱する赤外線ヒーターの
単位幅当たりの出力(B)の比(A/B)が0.1以上
0.8以下である必要がある。ここで、フィルム中央部
とは、フィルム幅方向(フィルム巻き取り方向と垂直な
方向)の略中央のことを言い、より具体的にはフィルム
幅方向の中央から幅方向に15%以内の領域内の任意の
場所を言う。また、フィルム端部とは、フィルム幅方向
の端部を言う。また、フィルム端部から10mm内側と
は、10mm幅の領域を言うのではなく、フィルム端部
から直角に10mm中央寄りの場所のことであり、より
具体的には10±2mmの任意の場所のことである。ま
た、赤外線ヒーターの出力の単位は、W/cmである。
A/Bは、好ましくは0.2以上0.7以下であり、更
に好ましくは0.2以上0.6以下である。A/Bが、
0.8を越えると、フィルム中央部と端部の加熱量の差
が小さすぎ、縦延伸フィルム端部の横延伸性改善効果が
低く、横延伸時にフィルム破れが生じたり、横延伸後の
フィルム端部の厚みが極端に薄くなるなど、生産性が悪
くなるため好ましくない。一方、0.1未満では、フィ
ルム中央部と端部の加熱量の差が大きすぎ、フィルム幅
方向にフィルム特性ムラ(たとえば屈折率ムラ、配向ム
ラなど)が生じるため好ましくない。
【0014】本発明において、フィルム中央部を加熱す
る赤外線ヒーターが1つのときは、その単位幅当たりの
出力を出力(A)とし、2つ以上のときは、それらの合
計を出力(A)とする。同様に、フィルム端部から10
mm内側を加熱する赤外線ヒーターが1つの時はその単
位幅当たりの出力を出力(B)とし、2つ以上のとき
は、それらの合計を出力(B)とする。
【0015】本発明に使用する赤外線ヒーターの最大エ
ネルギー波長は1μm以上4μm以下が好ましく、より
好ましくは1μm以上3μm以下、更に好ましくは1μ
m以上2.5μm以下である。上記波長の範囲は、フィ
ルムに対するエネルギーの吸収効率が高く、本発明の効
果を得る上で好ましいものである。なお、複数の赤外線
ヒーターを使用する場合は、フィルム端部加熱用の赤外
線ヒーターの最大エネルギー波長が上記範囲であるのが
特に好ましい。
【0016】本発明に使用する熱可塑性樹脂がポリエス
テルの場合、縦延伸後のフィルム中央部の縦方向の複屈
折が0.06以上0.17以下が好ましく、より好まし
くは0.06以上0.15以下である。また、縦延伸後
のフィルム中央部の結晶化度は10%以上30%以下が
好ましく、より好ましくは12%以上25%以下であ
る。上記した複屈折、結晶化度を有する場合、製膜性を
悪化させずに、得られる製品フィルムの機械強度を高く
できるため有益である。
【0017】縦延伸を行う前のフィルム端部から10m
m内側の厚み(a:単位μm)とフィルム中央部の厚み
(b)の差(a−b)は100μm以上600μm以下
であると製膜の安定化に対して好ましい。a−bが10
0μmより小さい場合、縦延伸時のネックダウン(縦延
伸により生じる幅方向の収縮)が大きくなり、更に加熱
ロール上でのフィルムの蛇行や幅変動が生じやすくな
る。また、a−bが600μmを越えると縦延伸後のフ
ィルム端部の配向、結晶化が進みすぎ、縦延伸後の横延
伸時にフィルム端部が割れたり、端部から破れるなど製
膜が安定しないことがある。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、縦延伸
した後、通常、横延伸(フィルム巻き取り方向と直角方
向の延伸)を行う。横延伸は、通常テンターオーブンを
用いて、クリップによりフィルム両端を把持し、搬送し
ながら横方向に延伸する。横延伸の倍率は熱可塑性樹脂
の種類によって好適な範囲が異なるが、例えばポリエス
テル樹脂の場合2〜8倍が好ましい。横延伸の温度は限
定されないが、一般に縦延伸温度よりも高い温度が用い
られる。
【0019】また、縦延伸後、横方向の延伸の前にフィ
ルムの片面、または両面に接着性付与などの表面改質を
目的として各種塗剤を塗布してもかまわない。塗剤とし
ては特に限定されず、たとえばポリエステル、アクリル
ポリマー、ポリアミド、ポリウレタンなどの水溶液また
は樹脂の水分散液が好適に用いられる。塗剤の塗布方法
は、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター
など公知の方法を用いることができる。なお、このよう
な塗剤の塗布後に横延伸を行う場合、横延伸時に塗剤塗
布部分とフィルム端部の未塗布部分の延伸性が異なるた
め、製膜が安定せず、フィルム端部の厚みムラやフィル
ム破れなどが発生することがある。本発明を適用するこ
とでこれらの現象が解消でき、製膜を安定化させること
ができる。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、必要に
応じて横方向延伸後に再度縦延伸を行ってもよく、更に
その後、横方向の再延伸を行っても良い。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、縦延
伸、横延伸の後に熱処理を行うのが好ましい。熱処理を
行うことにより、フィルムの熱寸法安定性が向上し、フ
ィルムを各用途向けに加工したり、最終加工品として使
用する際の取り扱い性が良好となる。熱処理の温度とし
ては特に限定されないが、熱処理直前の延伸の温度より
高く、熱可塑性樹脂の溶融温度より低い温度が好まし
い。
【0022】続いて本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製
造方法の一例についてポリエステル樹脂を例に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】まず、公知の方法により得られたポリエス
テル樹脂をペレットなどの形態で準備し、必要に応じて
真空中などで加熱乾燥する。乾燥された樹脂を公知の押
出し機に供給し、押出し機中で樹脂の溶融温度以上に加
熱して溶融押出しする。次に溶融状態の樹脂を必要に応
じて異物除去のため公知の濾過装置を通過させ、ギアポ
ンプで計量後、T型ダイ、フィッシュテールダイなどの
公知の口金からシート状に吐出させる。口金から吐出さ
れたシート状の樹脂は、キャスティングドラム上で冷却
固化させ、実質的に非晶状態の樹脂シートを得る。この
際、シート状の樹脂に静電気を印可してキャスティング
ドラム上に密着させ急冷固化させる方法が好ましく用い
られる。次に、該樹脂シートを縦方向に延伸する。縦延
伸は、加熱ロールが配置され、さらに延伸直前のフィル
ムを加熱できる位置に赤外線ヒーターが設置された縦延
伸装置を用いて、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以
上、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は80℃
〜120℃になるように加熱し、ロールの周速差により
2〜8倍延伸する。延伸は1段階でも、2段以上の多段
階の延伸を行っても良い。赤外線ヒーターの出力は、本
発明の範囲となるように調整する。縦延伸後のフィルム
に塗剤たとえば共重合ポリエステル樹脂の水溶液などを
塗布する場合は、ロールコーター、バーコーターなどの
公知の塗布装置を用いて塗剤をを塗布する。続いて、横
方向の延伸を行う。横方向の延伸は公知のテンターオー
ブンにより、縦方向延伸後のフィルムをクリップで把持
してオーブン内に導き、樹脂のガラス転移温度以上、結
晶化温度以下の温度に加熱された熱風雰囲気内で2〜8
倍延伸する。次に、このように縦方向、横方向に延伸さ
れたフィルムは、テンターオーブン内で熱処理される。
熱処理温度は、横方向延伸温度以上、樹脂の溶融温度未
満である。熱処理を行うことによりフィルムの平面性や
寸法安定性を向上させることができる。
【0024】次に本発明に用いた測定項目、効果の評価
方法等について説明する。
【0025】(1)複屈折 ベレックコンペンセータを装備した偏光顕微鏡により、
フィルムのレターデーションを求め、レターデーション
をフィルムの厚みで除して複屈折とした。
【0026】(2)結晶化度 樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、臭化ナトリ
ウム水溶液による密度勾配管を作成し、25℃における
フィルムの密度を測定する。この密度dから下記式によ
り結晶化度を算出した。 結晶化度(%)={(d−da)/(dc−da)}×
100 ここでdaは樹脂の非晶密度、dcは完全結晶密度で、
ポリエチレンテレフタレートの場合は、da=1.33
5g/cm3 、dc=1.455g/cm3とした。
【0027】(3)製膜安定性 製膜日数連続10日間における横方向延伸工程でのフィ
ルム破れの回数をカウントし、3回以下を製膜安定性良
好とした。
【0028】(4)フィルム厚み、厚みムラ 製膜後、任意の場所でフィルムを幅方向にカットしたサ
ンプルを3枚用意し、次の測定方法で求めた平均値とし
た。サンプルは、アンリツ社製フィルムシックネステス
タ「KG601A」および電子マイクロメーター「K3
06C」を用いてフィルム全幅の幅方向の厚みおよび厚
みムラを測定した。ここで、厚みムラは、このときの厚
みの最大値(Tmax)と最小値(Tmin)の差
(R)と平均厚み(Tave)から下記式により求め
た。 厚みムラ(%)=R/Tave 3サンプルの平均値が15%以下を厚みムラ良好とし
た。
【0029】(5)赤外線ヒーターの出力 赤外線ヒーターの出力計に示される出力をヒーターの加
熱有効幅(cm)で割返して、1cm当たりの出力を求
める。フィルム中央部を加熱する赤外線ヒーターの単位
幅当たりの出力(A)とフィルム端部から10mm内側
を加熱する赤外線ヒーターの単位幅当たりの出力(B)
から、その比(A/B)を求めた。
【0030】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0031】実施例1 公知の方法により得られた、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)のペレットを180℃、真空中で5時間乾
燥後、公知の押出機に供給し280℃の温度で溶融し、
濾過装置を通過させた後、口金から押出した。次いで、
静電印加法を用いて表面温度25℃のキャスティングド
ラム上で冷却固化し非晶状態の未延伸PETフィルムを
得た。この未延伸フィルムのフィルム端部から10mm
内側の厚みは250μm、フィルム中央の厚みは80μ
mであり、その差は170μmであった。この未延伸フ
ィルムを加熱ロールと赤外線ヒーターが配置された縦延
伸装置を用いて95℃で3.8倍縦方向延伸した。赤外
線ヒーターは、全幅加熱用のヒーターと端部加熱用のヒ
ーターが一つのケース内に取り付けられ、これら2種類
のヒーターはフィルムの縦延伸直前にほぼ同時にフィル
ムを加熱できる位置に設置した(図1)。このときフィ
ルム中央を加熱する赤外線ヒーターの出力(A)は25
W/cm、フィルム端部から10mm内側を加熱する赤
外線ヒーターの出力(B)は78W/cmであり、A/
Bは0.32であった。なお、端部加熱用のヒーターに
は、最大エネルギー波長が1.2μmのヘレウス社製の
短波長赤外線ヒーターを用いた。縦方向延伸後のフィル
ムの複屈折は0.09、結晶化度は18%であった。続
いて、バーコーターを用いてフィルムの片面に共重合ポ
リエステル樹脂の水溶液を塗布した後、テンターオーブ
ンを用い、100℃で3.8倍横方向に延伸後、220
℃で3秒間熱固定を行い2軸延伸フィルムを製造した。
このフィルムを10日間連続で製造したところ、この1
0日間でのテンターオーブン内でのフィルム破れは全く
なかった。またフィルム幅方向の厚みムラは5%と非常
に良好であった。結果をまとめて表1に示した。
【0032】実施例2〜7 未延伸フィルムの厚み、縦方向の延伸条件を表1に記載
した通り変更した以外は実施例1と同様の方法でフィル
ムを製膜した。実施例2〜7においては、フィルム破れ
は3回未満であり、またフィルム幅方向の厚みムラは1
5%以下であり良好であった。
【0033】実施例8 実施例8においては、フィルム全幅加熱用ヒーターと端
部加熱用ヒーターを別のケースに取り付けて、端部加熱
ヒーターは全幅加熱用ヒーターよりも上流側に設置した
(図2)。それ以外の条件は、実施例1と同様の条件と
した。実施例8においては、フィルム破れは3回であ
り、またフィルム幅方向の厚みムラは9.1%と良好で
あった。結果を表1に示した。
【0034】比較例1〜6 未延伸フィルムの厚み、縦方向の延伸条件を変更した以
外は実施例1と同様の方法でフィルムを製膜した。しか
し、赤外線ヒーターの出力比が本発明の範囲から外れた
本比較例1〜6は、フィルム破れが多発または製膜出来
ず、フィルム幅方向の厚みムラも大きかった。結果を表
1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明により、熱可塑性樹脂フィルムを
製造するに際し、製膜時の破れ回数を減少して安定化
し、かつ得られるフィルムの特に端部の厚みムラを良好
とすることができる。特に高配向フィルムが求められる
用途や機能性付与のためにフィルム製膜工程で塗剤の塗
布を行う場合に適用すると、生産性を飛躍的に向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1態様を示す赤外線ヒーターの配置図
(実施例1〜7に使用)
【図2】本発明の別の1態様を示す赤外線ヒーターの配
置図(実施例8に使用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F073 AA14 BA23 BA24 BB01 CA53 GA01 4F210 AA24 AC03 AG01 AH38 AH54 AK05 AR06 AR07 QA02 QC06 QD13 QD36 QG01 QG18 QW07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦延伸において赤外線ヒーターを用いてフ
    ィルムを加熱する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であ
    って、フィルム中央部を加熱する赤外線ヒーターの単位
    幅当たりの出力(A)とフィルム端部から10mm内側
    を加熱する赤外線ヒーターの単位幅当たりの出力(B)
    の比(A/B)が0.1以上0.8以下であることを特
    徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】赤外線ヒーターの最大エネルギー波長が1
    μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】縦延伸を行う前のフィルム端部から10m
    m内側の厚み(a)とフィルム中央部の厚み(b)の差
    (a−b)が100μm以上600μm以下であること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】複数の赤外線ヒーターが同一のケース内に
    設置され、1つのユニットからなることを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム
    の製造方法。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリエステルであり、縦延
    伸後のフィルム中央部の縦方向の複屈折が0.06以上
    0.17以下であること特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂がポリエステルであり、縦延
    伸後のフィルム中央部の結晶化度が10%以上30%以
    下であることを特徴する請求項1から5のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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