JPH08101306A - 位相差板の製造方法 - Google Patents

位相差板の製造方法

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JPH08101306A
JPH08101306A JP23753494A JP23753494A JPH08101306A JP H08101306 A JPH08101306 A JP H08101306A JP 23753494 A JP23753494 A JP 23753494A JP 23753494 A JP23753494 A JP 23753494A JP H08101306 A JPH08101306 A JP H08101306A
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JP
Japan
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temp
stretching
gradient
film
retardation
Prior art date
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Pending
Application number
JP23753494A
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English (en)
Inventor
Koji Ueda
孝司 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置にて着色むら及びコントラスト
むらの除去が高度に行われるべく、レターデーション値
のばらつきを制御し、レターデーション値が均一な高品
質の位相差板を製造する方法を提供すること。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムを縦一軸延伸する位相
差板の製造方法において、熱可塑性樹脂フィルムの幅方
向に延伸温度勾配を設けて縦一軸延伸して位相差板を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、F−STN方式の液晶
表示装置等に好適に用いられる熱可塑性樹脂フィルム製
の位相差板の製造方法に関し、特に熱可塑製性樹脂フィ
ルムを縦一軸延伸する位相差板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光透過性及び複屈折性を有する熱可塑性
樹脂フィルムまたはシートによる位相差板は、防眩材料
として、またF−STN方式の液晶表示装置における位
相差補償板としてその応用が広がっている。熱可塑製性
樹脂フィルム製の位相差板は、高分子フィルムの延伸に
よる分子配向によって延伸方向とそれと直交する方向と
で屈折率が異なるために生ずる複屈折性を利用するもの
である。
【0003】この種の位相差板の製造方法として、セル
ローズ樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、アクリルニトリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂フィルムを一軸延伸
によって製造する方法は既に知られており、固有複屈折
性の高い素材にあっては一軸延伸によって複屈折性を付
与できることが解っている。
【0004】位相差板は、F−STN方式の液晶表示装
置では、液晶表示セルの位相差を補償することに使用さ
れる。この光学的特性の一つである位相差補償性能はレ
ターデーション値と呼ばれ、複屈折値とフィルムの厚み
の積で表され、その要求値は目的によって異なる。位相
差板の製造方法に関する先行技術として、特開平2−8
9007号公報には、比較的配向可能な溶媒キャスト法
により、配向パラメータが0.01以下の高分子フィル
ムを用い、テンター延伸によりガラス転移温度Tg〜T
g+30℃の範囲から選ばれる条件の均一温度下で一軸
延伸することによってレターデーション値のばらつきが
標準偏差1.0%以内の位相差板を製造することが開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】位相差補償板としての
位相差板は、液晶表示装置の用途拡大に伴い種々の改善
が望まれており、白黒液晶表示の着色の除去、コントラ
ストの向上を目的とする利用が期待されている。しか
し、一般に入手できる熱可塑性樹脂フィルムをテンター
法による横一軸延伸やロール間の周速差で行う縦一軸延
伸等の公知の方法で延伸した場合、着色むらやコントラ
ストムラの問題が残り、まだ十分満足出来る性能に至っ
ていない。通常の縦一軸延伸、即ち均一温度による縦一
軸延伸では高分子フィルムの幅方向に位相差むらが生じ
ることが避けられない。
【0006】例えば、近接ロール延伸で単純に従来の方
法で縦一軸延伸した場合、レターデーション値がフィル
ムの幅方向に対し、両端部に向かうに従い大きく、中央
部に向かうに従って小さくなる、幅方向に連続的にはU
字パターンとなって均一なものが得られない。本発明の
目的は、液晶表示装置にて着色むら及びコントラストむ
らの除去が高度に行われるべく、レターデーション値の
ばらつきを制御し、レターデーション値が均一な高品質
の位相差板を製造する方法を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の問題
点を鋭意検討した結果、近接ロール延伸で単純に縦一軸
延伸した場合、レターデーション値がフィルムの幅方向
に対し、両端部に向かうに従い大きく、中央部に向かう
に従って小さくなるのは、フイルム幅方向の両端部と中
央部とではネックインの状況が異なることに起因してい
ると云うことを見い出した。即ち、中央部ではネックイ
ンが阻害されやすく、両端部では比較的自由にネックイ
ンが行われ、ネックイン量は大きい。このため両端部の
方が中央部より完全な一軸配向に近くなり、この差がレ
ターデーション値の中央部値と両端部値の差となる。
【0008】レターデーション値と延伸温度の関係は、
ガラス転移温度Tg〜Tg+30℃の範囲から選ばれる
1つの延伸温度と延伸倍率によって定まり、延伸倍率が
等しい場合は、延伸温度とレターデーション値の間に
は、ほぼ逆比例の関係を示すことが判った。そして、ガ
ラス転移温度Tg〜Tg+30℃の範囲から選ばれる1
つの延伸温度に対し、両端部のレターデーション値の大
きくなる部分をその程度に応じて延伸温度を高く、ま
た、中央部のレターデーション値の小さい部分をその程
度に応じて延伸温度を低くし、延伸温度に温度勾配を持
たせることにより、目的の位相差板が得られることが判
った。
【0009】本発明による位相差板の製造方法は、この
ことに着目してなされたものであり、熱可塑性樹脂フィ
ルムを縦一軸延伸する位相差板の製造方法において、熱
可塑性樹脂フィルムの幅方向に延伸温度勾配を設けて縦
一軸延伸することを特徴としている。延伸温度とレター
デーション値の関係は、ガラス転移温度Tg〜Tg+3
0℃の範囲から選ばれる1つの延伸温度条件において、
延伸温度差1℃によってレターデーション値は5〜10
nm変わる。延伸温度を高く取れば、レターデーション
値が低くなり、延伸温度を低くすれば、その逆である。
【0010】これによりレターデーション値の制御は、
レターデーション値の温度依存性=5〜10nm/℃を
もって可能である。延伸温度勾配は、従来の方法をもっ
て温度差を設けずに延伸した場合に中央部と両端部とで
生じるレターデーション値の差の実際値に応じて設定さ
れればよい。実際には、温度勾配が下向き凸状の二次曲
線になるよう、166℃〜160℃の範囲で延伸温度が
設定されてよい。
【0011】高分子フィルムの延伸温度勾配をつける方
法としては、以下の方法が可能である。 (1)延伸温度勾配の高温を必要とする部分にスポット
状に熱風を吹き付け、加熱する。熱風は必要な温度に応
じて吹き出し、ノズルスリット幅を変えて吹き付けるこ
とにより必要な温度が得られる。 (2)温度勾配の高温を必要とする部分にスポット状の
遠赤外線ヒーターを設置し、必要に応じて電気容量を制
御する。 (3)オイル加熱ロールの内部を分割し、高分子フィル
ムの中央部分と両端部分に対応する部分とで、低温部分
と高温部分に区分する。 (4)誘電加熱ロール内部のヒートパイプやジャケット
の分割によって温度差を付与する。
【0012】このようにして製造された位相差板は、液
晶表示装置における表示液晶せるの位相差を補償するた
めの位相差板として使用され、この位相差板を使用され
た液晶表示装置において、障害になる着色むら、コント
ラストむらが目視では認められず、問題のないことが確
認された。本発明における製造方法にて使用される熱可
塑性樹脂フィルムは、光線透過性が70%以上の実質的
に透明フィルムであり、これにはポリカーボネート、ポ
リサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリフェニールサルファイド、ポリフォニレンオキ
サイド、ポリアリルスルフォン、ポリアミドイミド、ポ
リイミドポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル
ニトリル、セルローズ等がある。
【0013】
【作 用】熱可塑性樹脂フィルムの幅方向に延伸温度勾
配をもたせることにより、中央部と両端部のレターデー
ション値が等しくなり、均一な位相差板が得られる。
【0014】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。 〔実施例1〕厚さ90μm、幅550nm、ガラス転移
点149℃のポリカーボネートフィルムを未延伸原反と
して使用し、延伸温度160℃を基準としてフィルムの
両端部に相当する部分を166℃、中央部を160℃に
加熱する。
【0015】延伸ロールの加熱方法は、誘電加熱ロール
を用い160℃に加熱した。温度勾配付与の加熱方法は
上記(1)に述べたように、両端部分にフィルム幅の1/
4幅で、ノズルスリット幅が端部5に対し内側2のノズ
ルを用い、166℃の熱風を至近距離から吹き付け、温
度勾配ができるように加熱した。フィルムの幅方向の温
度分布はサーモビアーで測定した。この測定結果は図1
の通りである。上述の加熱状態にてニップ間250mm
の一軸ロール延伸で、縦方向に1.15倍の延伸を行っ
た結果、厚さ85μmの透明な延伸フィルムが得られ
た。
【0016】この延伸フィルムの590nmに於けるレ
ターデーション値をフィルム幅方向に30mm間隔をお
いた16点で測定した。その結果得られたレターデーシ
ョン値は、両端部が421nm、中央部が415nmで
あった。このレターデーション値の状況は図2に示す通
りであり、平均418.5nm、ばらつき±3nmであ
り、以下に示すように問題はなかった。この延伸フィル
ムを液晶デバイス用位相差板として使用したところ、着
色むら、コントラストむらが除去され、目的の鮮明な液
晶画像を得られた。
【0017】〔比較例1〕延伸温度を両端部、中央部と
もに160℃、温度勾配を設けなかったこと以外は実施
例1と同様にして、ポリカーボネートの延伸フィルムを
得た。この場合の延伸フィルムの幅方向の延伸温度は図
3に示す通りである。
【0018】この延伸フィルムの590nmに於けるレ
ターデーション値をフィルム幅方向に30mm間隔をお
いた16点で測定した。その結果得られたレターデーシ
ョン値は、両端部が448nm、中央部が414nm
で、34nmのばらつきがあった。このレターデーショ
ン値のばらつき状況は図4に示す通りであり、平均42
5nm、ばらつき±16nmであった。この延伸フィル
ムを液晶デバイス用位相差板として使用したところ、着
色むら、コントラストムがあり、鮮明な液晶画像が得ら
れなかった。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
による位相差板の製造方法によれば、熱可塑性樹脂フィ
ルムの幅方向に延伸温度勾配をもたせることにより、レ
ターデーション値の温度依存性によって中央部と両端部
のレターデーション値が等しくなり、均一な位相差板が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造方法により製造された位相差
板の実施例のフィルム幅方向の延伸温度分布を示すグラ
フ。
【図2】本発明による製造方法により製造された位相差
板の 実施例のフィルム幅方向のレターデーション値を
示すグラフ。
【図3】比較例のフィルム幅方向の延伸温度分布を示す
グラフ。
【図4】比較例のフィルム幅方向のレターデーション値
を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムを縦一軸延伸する
    位相差板の製造方法において、 熱可塑性樹脂フィルムの幅方向に延伸温度勾配を設けて
    縦一軸延伸することを特徴とする位相差板の製造方法。
JP23753494A 1994-09-30 1994-09-30 位相差板の製造方法 Pending JPH08101306A (ja)

Priority Applications (1)

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JP23753494A JPH08101306A (ja) 1994-09-30 1994-09-30 位相差板の製造方法

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JPH08101306A true JPH08101306A (ja) 1996-04-16

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ID=17016766

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JP (1) JPH08101306A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003019748A (ja) * 2001-07-09 2003-01-21 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2010208078A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Kaneka Corp アクリル樹脂系フィルムの製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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