JP2003017760A - 熱電変換素子ならびにそれを用いた光通信用モジュール - Google Patents

熱電変換素子ならびにそれを用いた光通信用モジュール

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JP2003017760A
JP2003017760A JP2001202360A JP2001202360A JP2003017760A JP 2003017760 A JP2003017760 A JP 2003017760A JP 2001202360 A JP2001202360 A JP 2001202360A JP 2001202360 A JP2001202360 A JP 2001202360A JP 2003017760 A JP2003017760 A JP 2003017760A
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Fumio Kuno
文雄 久野
Bunichi Kitani
文一 木谷
Ujihiro Nishiike
氏裕 西池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能的に優れ、低電圧化が可能な熱電変換素
子ならびにそれを用いた光通信用モジュール。 【解決手段】 片面に回路形成用電極8,9を有し、反
対側の面に半田の濡れが可能な面を有する絶縁基板7,
11を2枚用い、各々絶縁基板7,11の回路形成用電
極上に半田を用いて多数の半導体チップ12を並設接合
した熱電変換素子において、回路形成用電極上に用いる
半田Bと、絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半
田A,Cの組成が異なり、かつ両方の半田とも鉛を含有
しないことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用途や民生用
途などにおいて精密な温度制御が必要な機器などに付設
される熱電変換素子ならびにそれを用いた光通信用モジ
ュールに係り、特に鉛を含有しない半田を使用した熱電
変換素子ならびにそれを用いた光通信用モジュールに関
する。
【0002】
【従来の技術】光通信用の半導体レーザモジュール(L
Dモジュール)は近年高出力に伴い、必然的に発熱量が
増大し、従来のものよりも効率よく廃熱しなければなら
ず、そのために熱電変換素子の使用が増大している。
【0003】また、波長分割多重(DWDM)伝送技術
の開発が急速に進み、現在では1本の光ファイバー内に
176波長の光を多重化する技術が実用段階に入ってい
る。通信量の飛躍的な増大に対応するため、今後さらな
る波長の多重化の要求が大きくなる。
【0004】これを実現するため図1に示すLDモジュ
ールなどDWDM伝送技術の中核をなす光デバイスの温
度を精密(±0.01℃程度)に制御し、波長ならびに
光出力などを厳密に一定に保つことが要求される。ま
た、DWDM伝送技術のネットワーク展開において不可
欠な波長可変レーザなどでは、半導体レーザ素子温度の
変化を波長変化に利用しており、素子温度設定の正確さ
と、可変温度範囲の広さの両方の特性が要求され、その
温度制御のために熱電変換素子は必要不可欠な部品とな
りつつある。
【0005】図1は、DWDM伝送技術に使用される光
通信用LDモジュールの概略構成図である。図に示すよ
うに半導体レーザ(LD)素子3から出射されたレーザ
光13はレンズ4を通り、外部レンズ6を経由し、図示
しない光ファイバーに送られて通信信号となる。半導体
レーザ素子3のレンズ4と反対側にフォトダイオード1
が設置され、半導体レーザ素子3の発信を検出する。半
導体レーザ素子3は台座2の上にあり、フォトダイオー
ド1と台座2とレンズ4は、熱電変換素子10の吸熱側
絶縁基板7の上に半田で固定されている。
【0006】この熱電変換素子10の半導体チップ12
は吸熱側絶縁基板7の下に形成されている吸熱側電極8
と、放熱側絶縁基板11の上に形成されている放熱側電
極9の間に挟まれて固定されている。この熱電変換素子
10の放熱側絶縁基板11の下面を格納容器5の底部5
aに半田で固定されている。格納容器5の上方開口部
は、蓋14で閉塞されている。
【0007】半導体レーザ素子3の温度変化で簡単に周
波数が変動するので、変動しては都合の悪い通信用の波
長を安定させるために、熱電変換素子10を用いて決め
られた温度に精密に制御される。
【0008】前記フォトダイオード1や台座2などと吸
熱側絶縁基板7の間を半田A(図示せず)で接合し、吸
熱側絶縁基板7と半導体チップ12ならびに半導体チッ
プ12と放熱側絶縁基板11の間を半田B(図示せず)
で接合し、放熱側絶縁基板11は半田C(図示せず)を
用いて格納容器5の底部5aに固定していた。そして従
来の半田A,Cは鉛を含んでいた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この鉛を含んだ半田の
使用は環境を汚染し、人体に悪影響を与える恐れがある
ため、鉛を含まない鉛フリー半田の使用が必要になって
きている。また、光通信用LDモジュールの熱制御に熱
電変換素子の使用が不可欠になるにつれ、その効率的な
製造を可能にする熱電変換素子の構成が求められてい
る。
【0010】本発明の目的は、このような背景に鑑みな
されたものであり、鉛の弊害がなく、しかも効率的な製
造が可能な熱電変換素子ならびにそれを用いた光通信用
モジュールを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の本発明は、片面に吸熱側電極や放熱側電極な
どの回路形成用電極を有し、反対側の面に半田の濡れが
可能な面を有する吸熱側絶縁基板や放熱側絶縁基板など
の絶縁基板を2枚用い、各々絶縁基板の回路形成用電極
上に半田を用いて多数の半導体チップを並設接合した熱
電変換素子において、前記回路形成用電極上に用いる半
田と、絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半田の
組成が異なり、かつ両方の半田とも鉛を含有しないこと
を特徴とするものである。
【0012】第2の本発明は、片面に回路形成用電極を
有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面を有する第1
の絶縁基板と第2の絶縁基板の2枚用い、その第1の絶
縁基板と第2の絶縁基板の各々の回路形成用電極上に半
田を用いて多数の半導体チップを並設接合した熱電変換
素子において、前記第1の絶縁基板の半田の濡れが可能
な面に用いる半田の融点が、当該絶縁基板の回路形成用
電極上に用いる半田の融点よりも低く、前記第2の絶縁
基板の半田の濡れが可能な面に用いる半田の融点より高
いことを特徴とするものである。
【0013】第3の本発明は、片面に回路形成用電極を
有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面を有する絶縁
基板を2枚用い、各々絶縁基板の回路形成用電極上に半
田を用いて多数の半導体チップを並設接合した熱電変換
素子において、前記絶縁基板の回路形成用電極と半導体
チップとの接合に用いる半田の融点が220℃から25
0℃の範囲に規制された鉛を含まない半田組成を有し、
かつ、前記絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半
田の融点が160℃から200℃の範囲に規制された鉛
を含まない半田組成を有していることを特徴とするもの
である。
【0014】第4の本発明は、前記第1ないし第3の本
発明において、前記半田のうちの少なくとも1つの半田
が3重量%から50重量%のインジュウムを含有してい
ることを特徴とするものである。
【0015】第5の本発明は、前記第1ないし第4の本
発明の熱電変換素子を半導体レーザ素子の温度制御に用
いたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】前述のように第1の本発明は、片
面に回路形成用電極を有し、反対側の面に半田の濡れが
可能な面を有する絶縁基板を2枚用い、各々絶縁基板の
回路形成用電極上に半田を用いて多数の半導体チップを
並設接合した熱電変換素子において、前記回路形成用電
極上に用いる半田と、絶縁基板の半田の濡れが可能な面
に用いる半田の組成が異なり、かつ両方の半田とも鉛を
含有しないことを特徴とするものである。
【0017】従来これらに用いる半田A,B,Cは、特
に何ら制約が必要なかった。しかし、光通信用モジュー
ルのように小さい熱電素子を格納容器に固定するために
は半田Cの固定作業と半田Aの接合作業を同時に行なう
ことは、位置合わせの問題などで困難である。その際作
業を分離して行なうことを試みたが、半田Cと半田Aと
同じ組成(同じ融点)のものを用いると、やはり位置精
度は改善されなかった。
【0018】そこで本発明のように接合作業を先に実施
する面の半田の組成を融点がそれの反対側の面の半田の
融点より高くなるよう変更すれば、非常に位置精度が良
好になることを見出した。
【0019】第2の本発明は、片面に回路形成用電極を
有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面を有する第1
の絶縁基板と第2の絶縁基板の2枚用い、その第1の絶
縁基板と第2の絶縁基板の各々の回路形成用電極上に半
田を用いて多数の半導体チップを並設接合した熱電変換
素子において、前記第1の絶縁基板の半田の濡れが可能
な面に用いる半田の融点が、当該絶縁基板の回路形成用
電極上に用いる半田の融点よりも低く、前記第2の絶縁
基板の半田の濡れが可能な面に用いる半田の融点より高
いことを特徴とするものである。
【0020】本発明者らは種々の鉛を含有しない半田を
検討した結果、半田Bの融点が他の半田C.Aと同等の
融点または低い融点を有していると、完成した熱電素子
の熱的性能が劣ることを見出した。これらの検討の結
果、熱電素子を構成する半導体チップが半田A.Bが溶
融するときにその熱影響を受け、正常な位置からずれを
生じ、それが原因となり熱電素子の熱特性が劣化するに
至ることを突き止め、半田Bは半田C.Aより高い融点
のものを使用すると、前述のような弊害が解消されるこ
とが分かり本発明に至った。
【0021】第3の本発明は、片面に回路形成用電極を
有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面を有する絶縁
基板を2枚用い、各々絶縁基板の回路形成用電極上に半
田を用いて多数の半導体チップを並設接合した熱電変換
素子において、前記絶縁基板の回路形成用電極と半導体
チップとの接合に用いる半田の融点が220℃から25
0℃の範囲に規制された鉛を含まない半田組成を有し、
かつ、前記絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半
田の融点が160℃から200℃の範囲に規制された鉛
を含まない半田組成を有していることを特徴とするもの
である。
【0022】本発明において半田の融点を220℃から
250℃の範囲に限定する理由は、以下の通りである。
すなわち半田の融点が250℃を超えると、半導体チッ
プに半田成分が浸透拡散し易くなり、また半導体チップ
に与える熱的なストレスが大きくなるため、半導体の性
能を劣化させる。一方、融点が220℃より低いと半田
C及び半田Aとの適切な温度範囲が狭まり、接合作業性
が劣化する。
【0023】半田C及び半田Aの融点は半田Bの要点よ
り40℃以上低くなければ、熱電素子を格納容器に固定
した後の熱電素子の半田Bが融けてしまい、一度半田接
合した状態が変化する場合があり、性能が劣化すること
がある。
【0024】また第2の絶縁基板の表面に用いるいずれ
か一方の半田の融点は160℃から200℃の範囲にあ
ることを要する、融点が200℃を超すと半田Bを現行
230℃(Sn100重量%、融点231.8℃)〜2
40(Sn95重量%/Sb5重量%、融点240℃)
の半田をさらに高温の融点を有する半田(例えばAu8
0重量%/Sn20重量%、融点280℃)にしなけれ
ばならず、半導体チップ中への半田成分の拡散など、製
造上の問題が発生する。一方、融点が160℃未満であ
ると、もう一方の絶縁基板表面に用いる半田の融点が低
すぎ、半田の選定が困難となる。
【0025】第4の本発明は、絶縁基板表面に用いられ
る半田のうち少なくとも1つの半田は、インジュウム
(In)を3重量%から50重量%含有していることを
特徴とするものである。
【0026】このようにインジュウム(In)を3重量
%から50重量%含有した半田は200℃以下の融点を
有しており、熱電変換素子の表面実装に用いる半田とし
て使用目的に適している。しかし、インジュウムの含有
率が50重量%を超えると、実装後の半田層の経時的劣
化など信頼性に問題があるから、インジュウムの含有率
は前述の範囲に規制する必要がある。
【0027】第5の本発明は、前記第1ないし第4の本
発明のいずれかの熱電変換素子を半導体レーザ素子の温
度制御に用いたことを特徴とするものである。半田融点
を前述のような関係にすることにより、光通信用モジュ
ールの効率的な製造と構成補任の高い位置精度が得ら
れ、信頼性の高い光通信用モジュールが提供できる。
【0028】次に本発明の実施例について説明する。 (実施例1)光通信用半導体レーザモジュールは図1に
示すような構造であるので、重複する説明は省略する。
図2はその半導体レーザモジュールに用いる熱電変換素
子の斜視図、図3は台座などの電子部品を実装した熱電
変換素子を格納容器の底部に固定した状態を示す説明
図、図4はその熱電変換素子を格納容器の底部に固定す
る直前の状態を示す説明図である。
【0029】絶縁基板は例えばアルミナセラミックなど
からなり、所定の広さを有し、吸熱側絶縁基板7上に吸
熱側電極8が、放熱側絶縁基板11上に放熱側電極9
が、それぞれパターンニングにより予め形成されてい
る。
【0030】前記吸熱側電極8上に多数のP形,N形半
導体チップ12が交互に半田Bにより並設接合され、さ
らにP形,N形半導体チップ12の上に半田Bにより放
熱側電極9が接合される。P形半導体チップ12とN形
半導体チップ12は一対になって吸熱側絶縁基板7と放
熱側絶縁基板11の間に並列に介在されるとともに、前
記電極8,9により電気的には直列に接続されて、熱電
変換素子10を構成している。図中の16はリード線で
ある。
【0031】それぞれの絶縁基板7,11の電極形成面
と反対の面には、フォトダイオード1や台座2などの他
の電子部品あるいは格納容器5の底部5aと半田接合す
るために、半田の濡れが可能なようにメッキなどの表面
処理15(図2参照)が予め施される。この表面処理1
5は例えば、絶縁基板7,11上に銅メッキ後にニッケ
ルメッキをし、さらに半田の濡れを良好にするために金
メッキをする。
【0032】絶縁基板7,11の電極形成面と反対の面
(以下、この面を表面実装面という)に用いる半田A,
Cが、電極8,9と半導体チップ12の接合に用いる半
田Bと同じ組成であると、台座2などの部品実装時ある
いは熱電変換素子10を格納容器5に固定するときに半
田Bも融け、電極8,9と半導体チップ12の接続が不
安定になり、半導体チップ12の特性が維持できないこ
とがある。そのため表面実装面側に用いる半田A,C
は、電極8,9と半導体チップ12の接続に用いる半田
Bより融点を低くすることにより、前述の問題が解決で
きる。
【0033】熱電変換素子10に台座2などの部品を実
装するための半田Aと、熱電変換素子10を格納容器5
の底部5aに固定するための半田Bも差を設けた方が、
生産効率を上げることができる。台座2には、コバール
や銅タングステンなど熱膨脹率が熱電変換素子10の吸
熱側絶縁基板7に近い金属を用いる。
【0034】実装手順として図4に示すように、先に熱
電変換素子10に台座2を実装する場合、半田Aを融か
すために、熱電変換素子10を温度調節されたヒータプ
レートの上に置くが、温度のバラツキなどを考慮して半
田Aの融点より20℃から30℃程度半田Aが高くなる
ようにプレート温度が設定されている。このとき、ヒー
タプレートに一番近い熱電変換素子10の半田Bは半田
Aより40℃以上高くないと、熱電変換素子10が破壊
されることになる。
【0035】次に熱電変換素子10を格納容器5の底部
5aに固定するときには、半田Cの融点は半田Aの融点
より30℃程度低いものを用いることにより、先に行な
った熱電変換素子10と台座2の実装の形態を損なわず
固定が可能となる。半田Aや半田Cは、熱電変換素子1
0の絶縁基板7,11上の表面実装面に予備的にそれぞ
れコーティングしておくか、実装時にペースト状の半田
やシート状の半田が用いられる。
【0036】本発明で使用可能な半田A,半田B,半田
Cの具体例を示せば下記の通りである。半田A,半田C
としては例えば、 〇Bi/Sn(融点138℃) 〇Sn77.2重量%/In20重量%/Ag2.8重
量%(融点187℃) 〇Sn83.6重量%/In8.8重量%/Zn7.6
重量%(融点187℃) 〇Sn86.5重量%/Zn5.5重量%/In4.5
重量%/Bi3.5重量%(融点189℃) 〇Sn/Zn系(融点190℃前後) 半田Bとしては例えば、Sn95重量%/Sb5重量%
(融点240℃)などがある。またInを3重量%から
50重量%含有したものは、融点が200℃以下であ
り、半田Bとの融点関係において半田A,半田Cとして
好適である。前述の半田は鉛を含んでいない鉛フリー半
田である。
【0037】(実施例2)図5に示すように熱電変換素
子10を格納容器5の底部5aに固定し、次に熱電変換
素子10の上に台座2を実装する場合は、半田Cを融か
すために格納容器5を温度調節されたヒータプレートの
上に置くか、温度のバラツキなどを考慮して半田Cの融
点より20℃から30℃程度半田Cが高くなるようにプ
レート温度が設定されている。このとき、熱電変換素子
10の半田Bは半田Cより40℃以上高くないと、熱電
変換素子10が破壊されることになる。
【0038】次に熱電変換素子10の上に台座2を実装
するときには、熱電変換素子10を固定した格納容器5
をそのまま、温度調節されたヒータプレートの上に置く
ため、格納容器5側から伝達される熱は、熱伝導性の悪
い半導体チップ12を用いている熱電変換素子10によ
り妨げられる(熱遮断効果)。従って半田Aの融点まで
加熱するためには、半田Aの融点は半田Cの融点よりも
40℃程度低いものを用いることにより、熱電変換素子
10と格納容器5の接合位置が変位せずに台座2などの
実装が可能となる。
【0039】(実施例3)熱電変換素子10を格納容器
5の底部5aに固定し、次に熱電変換素子10の上に台
座2を実装する場合において、熱電変換素子10を格納
容器5の底部5aに固定する手順は実施例2と同様に行
なう。熱電変換素子10の上に台座2を実装するときに
は、熱電変換素子10を固定した格納容器5をヒータプ
レートで加熱せず、台座2側から加熱窒素のブローや赤
外線加熱などによる加熱手段を用いて、半導体チップ1
2の熱遮断効果を利用すれば、半田Aと半田Cはほぼ同
一の融点のもので、半田Bより融点が約40℃低くけれ
ば実装が可能である。
【0040】(実施例4)前記実施例1〜3での半田に
おいて、鉛が含まれない鉛フリー半田を用いる場合の半
田組成の組み合わせは限られたものとなる。一般的なL
Dモジュールで用いられてきた半田の代表的なものは、
半田BにSn100重量%半田(融点232℃)やSn
95重量%/Sb5重量%半田(融点240℃)があ
る。これらの半田を用いてLDモジュールなどの実装を
行なう場合に、半田Bと半田A、半田Cは、融点の温度
差を30〜40℃以上必要となるため、半田A、半田C
は200℃以下の融点を有する半田が必要となる。この
ような融点を有する半田としてPb/Snの共晶半田が
一般的であるが、鉛が含まれているため使用することが
できない。
【0041】Sn95重量%/Sb5重量%半田(融点
240℃)は熱疲労性に優れており、熱的な応力がかか
る熱電変換素子10には最適な半田であり、この半田を
容易に他のものに変更することが困難である。そのため
半田A、半田Cを鉛を含まない半田組成のものが熱電変
換素子10と表面実装との関係においては、次に挙げる
組み合わせが、生産上最適であることが確認された。
【0042】 (組合例1) 半田A:Bi/Sn(融点138℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5重量%(融点240℃) 半田C:Sn77.2重量%/In20重量%/Ag2.8重量% (融点187℃) (組合例2) 半田A:Bi/Sn(融点138℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5重量%(融点240℃) 半田C:Sn86.5重量%/Zn5.5重量%/In4.5重量%/ Bi3.5重量%(融点189℃) (組合例3) 半田A:Bi/Sn(融点138℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5重量%(融点240℃) 半田C:Sn83.6重量%/In8.8重量%/Zn7.6重量% (融点187℃) (組合例4) 半田A:Sn77.2重量%/In20重量%/Ag2.8重量% (融点187℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5重量%(融点240℃) 半田C:Sn77.2重量%/In20重量%/Ag2.8重量% (融点187℃) (組合例5) 半田A:Sn86.5重量%/Zn5.5重量%/In4.5重量%/ Bi3.5重量%(融点189℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5(融点240℃) 半田C:Sn86.5重量%/Zn5.5重量%/In4.5重量%/ Bi3.5重量%(融点189℃) (組合例6) 半田A:Sn83.6重量%/In8.8重量%/Zn7.6重量% (融点187℃) 半田B:Sn95重量%/Sb5重量%(融点240℃) 半田C:Sn83.6重量%/In8.8重量%/Zn7.6重量% (融点187℃) この他、Sn/Zn系で融点が190℃前後の半田を半
田Aあるいは(ならびに)半田Cとして用いることもで
きる。
【0043】(実施例5)図6は、実施例5に係る光通
信用半導体レーザモジュールの概略構成図である。この
例の場合、フォトダイオード1、半導体ケーザ素子3、
レンズ4をともに1つの台座2に搭載し、その台座2は
半田Aを介して熱電変換素子10の吸熱側絶縁基板7に
固定されている。他の構成は前記実施例1〜4と同様で
ある。
【0044】前記応用例では半導体レーザ素子3の温度
制御について述べたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、他の各種分野に本発明の熱電変換素子を使用
することもできる。
【0045】
【発明の効果】前述のように第1の本発明は、片面に回
路形成用電極を有し、反対側の面に半田の濡れが可能な
面を有する絶縁基板を2枚用い、各々絶縁基板の回路形
成用電極上に半田を用いて多数の半導体チップを並設接
合した熱電変換素子において、前記回路形成用電極上に
用いる半田と、絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用い
る半田の組成が異なり、かつ両方の半田とも鉛を含有し
ないことを特徴とするものである。
【0046】従って接合作業を先に実施する面の半田の
組成を融点がそれの反対側の面の半田の融点より高くな
るよう変更すれば、位置精度を良好に保持しながら確実
な接合ができる。
【0047】前述のように第2の本発明は、片面に回路
形成用電極を有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面
を有する第1の絶縁基板と第2の絶縁基板の2枚用い、
その第1の絶縁基板と第2の絶縁基板の各々の回路形成
用電極上に半田を用いて多数の半導体チップを並設接合
した熱電変換素子において、前記第1の絶縁基板の半田
の濡れが可能な面に用いる半田の融点が、当該絶縁基板
の回路形成用電極上に用いる半田の融点よりも低く、前
記第2の絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半田
の融点より高いことを特徴とするものである。
【0048】このように半田Bは半田C.Aより高い融
点のものを使用すると、位置精度を良好に保持しながら
確実な接合ができる。
【0049】前述のように第3の本発明は、片面に回路
形成用電極を有し、反対側の面に半田の濡れが可能な面
を有する絶縁基板を2枚用い、各々絶縁基板の回路形成
用電極上に半田を用いて多数の半導体チップを並設接合
した熱電変換素子において、前記絶縁基板の回路形成用
電極と半導体チップとの接合に用いる半田の融点が22
0℃から250℃の範囲に規制された鉛を含まない半田
組成を有し、かつ、前記絶縁基板の半田の濡れが可能な
面に用いる半田の融点が160℃から200℃の範囲に
規制された鉛を含まない半田組成を有していることを特
徴とするものである。
【0050】このように構成することにより、半導体チ
ップに半田成分が浸透拡散したり、半導体チップに与え
る熱的なストレスが大きくなって、半導体の性能を劣化
させることが解消される。
【0051】前述のように第4の本発明は、絶縁基板表
面に用いられる半田のうち少なくとも1つの半田は、イ
ンジュウム(In)を3重量%から50重量%含有して
いることを特徴とするものである。
【0052】このようにインジュウムを含有した半田は
200℃以下の融点を有しており、熱電変換素子の表面
実装に用いる半田として使用目的に適している。
【0053】前述のように第5の本発明は、前記第1な
いし第4の本発明のいずれかの熱電変換素子を半導体レ
ーザ素子の温度制御に用いたことを特徴とするものであ
る。半田融点を前述のような関係にすることにより、光
通信用モジュールの効率的な製造と構成補任の高い位置
精度が得られ、信頼性の高い光通信用モジュールが提供
できるなどの特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】光通信用半導体レーザモジュールの概略構成図
である。
【図2】本発明の実施例1に係る熱電変換素子の斜視図
である。
【図3】台座などの電子部品を実装した熱電変換素子を
格納容器の底部に固定した状態を示す説明図である。
【図4】その熱電変換素子を格納容器の底部に固定する
直前の状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例1に係る格納容器の底部に固定
した熱電変換素子の上に台座を実装する状態を示す説明
図である。
【図6】本発明の実施例5に係る光通信用半導体レーザ
モジュールの概略構成図である。
【符号の説明】
1 フォトダイオード 2 台座 3 半導体レーザ素子 4 レンズ 5 格納容器 5a 格納容器の底部 6 外部レンズ 7 吸熱側絶縁基板 8 吸熱側電極 9 放熱側電極 10 熱電変換素子 11 放熱側絶縁基板 12 半導体ップ 13 レーザ光 14 蓋 15 表面処理 16 リード線 A,B,C 半田
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木谷 文一 東京都中央区日本橋箱崎町36番1号 リバ ーサイド読売ハイツS803号室 株式会社 エコ・トゥエンティーワン内 (72)発明者 西池 氏裕 東京都中央区日本橋箱崎町36番1号 リバ ーサイド読売ハイツS803号室 株式会社 エコ・トゥエンティーワン内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BA33 BC06 BC33 BF01 BF05 5F073 AB21 AB27 FA02 FA06 FA22 FA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に回路形成用電極を有し、反対側の
    面に半田の濡れが可能な面を有する絶縁基板を2枚用
    い、各々絶縁基板の回路形成用電極上に半田を用いて多
    数の半導体チップを並設接合した熱電変換素子におい
    て、 前記回路形成用電極上に用いる半田と、絶縁基板の半田
    の濡れが可能な面に用いる半田の組成が異なり、かつ両
    方の半田とも鉛を含有しないことを特徴とする熱電変換
    素子。
  2. 【請求項2】 片面に回路形成用電極を有し、反対側の
    面に半田の濡れが可能な面を有する第1の絶縁基板と第
    2の絶縁基板の2枚用い、その第1の絶縁基板と第2の
    絶縁基板の各々の回路形成用電極上に半田を用いて多数
    の半導体チップを並設接合した熱電変換素子において、 前記第1の絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半
    田の融点が、当該絶縁基板の回路形成用電極上に用いる
    半田の融点よりも低く、前記第2の絶縁基板の半田の濡
    れが可能な面に用いる半田の融点より高いことを特徴と
    する熱電変換素子。
  3. 【請求項3】 片面に回路形成用電極を有し、反対側の
    面に半田の濡れが可能な面を有する絶縁基板を2枚用
    い、各々絶縁基板の回路形成用電極上に半田を用いて多
    数の半導体チップを並設接合した熱電変換素子におい
    て、 前記絶縁基板の回路形成用電極と半導体チップとの接合
    に用いる半田の融点が220℃から250℃の範囲に規
    制された鉛を含まない半田組成を有し、 かつ、前記絶縁基板の半田の濡れが可能な面に用いる半
    田の融点が160℃から200℃の範囲に規制された鉛
    を含まない半田組成を有していることを特徴とする熱電
    変換素子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の熱電変換素子において、前記半田のうちの少なくと
    も1つの半田が3重量%から50重量%のインジュウム
    を含有していることを特徴とする熱電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載のいずれか
    の熱電変換素子を半導体レーザ素子の温度制御に用いた
    ことを特徴とする光通信用モジュール。
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