JP2003015749A - 電圧レギュレータ - Google Patents

電圧レギュレータ

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JP2003015749A JP2001194723A JP2001194723A JP2003015749A JP 2003015749 A JP2003015749 A JP 2003015749A JP 2001194723 A JP2001194723 A JP 2001194723A JP 2001194723 A JP2001194723 A JP 2001194723A JP 2003015749 A JP2003015749 A JP 2003015749A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源立ち上げ時におけるオーバーシュートを
抑制する。 【解決手段】 オペアンプ29とコンパレータ30とは
差動入力部を構成するトランジスタQ21、Q22を共
通に用いている。出力電圧Voが0Vから目標電圧に達
する間、オペアンプ29の出力ノードN1は0Vとなり
トランジスタQ36は飽和オンする。出力電圧Voが目
標電圧を超えると出力ノードN1の電位が上昇し、さら
に出力電圧Voがコンパレータ30の持つオフセット電
圧に相当するオーバーシュート電圧に達すると、コンパ
レータ30の出力ノードN2がLレベルとなりトランジ
スタQ35がオンする。これにより短時間で位相補償回
路39のコンデンサC21が充電され、トランジスタQ
34のゲート電位が上昇してトランジスタQ36がオフ
駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源入力端子に与
えられる電圧を指令された電圧値に変換して電源出力端
子から出力する電圧レギュレータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図6は、IC化された
一般的な電圧レギュレータの電気的構成を示している。
この図6において、電圧レギュレータ1は、MOSトラ
ンジスタQ1〜Q10からなるオペアンプ2、電源入力
端子3と出力端子4との間に接続されたバイポーラトラ
ンジスタQ11とQ12、抵抗R1とR2とからなる電
圧検出回路5、および差動増幅回路6の出力ノードN1
(トランジスタQ10のゲート)と出力端子4との間に
接続された位相補償回路7から構成されている。
【0003】オペアンプ2は電源線8、9から制御電源
電圧Vccの供給を受けて動作し、トランジスタQ1、Q
2のゲートにはそれぞれ基準電圧Vref 、検出電圧Vde
t が入力されている。位相補償回路7は、コンデンサC
1と抵抗R3との直列回路により構成され、その容量値
と抵抗値は、回路定数、出力端子4に接続される負荷の
抵抗値と容量値などに基づいて決定されている。一例と
して、コンデンサC1の容量値は1000pF程度が必
要とされる。
【0004】電源入力端子3の電圧VBと制御電源電圧
Vccとが0Vから立ち上がる時、出力電圧Voが目標電
圧(=Vref ×(R1+R2)/R2)に達するまでの
期間、トランジスタQ10のゲート電位はほぼ0Vとな
る。これにより、トランジスタQ10、Q11がオンと
なり、トランジスタQ12は十分なベース電流の供給を
受けて飽和オン状態となる。その結果、出力電圧Voは
電圧VBに追従して上昇する。
【0005】出力電圧Voが上記目標電圧を超えると、
検出電圧Vdet が基準電圧Vref よりも高くなるため、
トランジスタQ9に流れる一定の電流は全てトランジス
タQ1に流れ、トランジスタQ2、Q6に流れる電流は
0となる。この時、トランジスタQ7、Q8にはトラン
ジスタQ9に等しい電流が流れ、差動増幅回路6の出力
ノードN1の電位は上昇する。
【0006】しかし、出力ノードN1には位相補償用の
コンデンサC1が接続されているため、出力ノードN1
の電位が上昇する傾きは、トランジスタQ8のドレイン
電流によるコンデンサC1への充電速度で定まる。従っ
て、コンデンサC1の容量が大きい場合あるいはトラン
ジスタQ9に流れる電流が小さい場合には、トランジス
タQ10を速やかにオフすることができず、トランジス
タQ12のオフが遅れ、出力電圧Voにオーバーシュー
トが発生する。
【0007】このオーバーシュートは、例えば出力端子
4に接続されたMOSトランジスタ回路にラッチアップ
を引き起こす原因となる。また、出力端子4に接続され
る負荷の容量値と抵抗値が大きい場合にあっては、一旦
オーバーシュートが発生すると、出力電圧Voが上記目
標電圧に戻るまでに長時間を要するため、負荷の安定動
作の開始が遅れるという不都合も生じる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、電源立ち上げ時におけるオーバーシュ
ートを抑制した電圧レギュレータを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した手段
によれば、差動増幅回路は基準電圧と検出出力電圧とに
基づいた電圧誤差信号を出力し、電源入力端子と電源出
力端子との間に設けられた出力回路は、この電圧誤差信
号に従って駆動される。このフィードバック制御によ
り、出力電圧は目標値に等しく制御される。
【0010】一般に、電圧レギュレータには位相補償回
路が接続されており、電源立ち上げ時においては、この
位相補償回路や各素子の遅れなどに起因して出力電圧に
オーバーシュートが発生する。出力電圧に設定値以上の
オーバーシュートが発生すると、オーバーシュート検出
回路は電圧制限信号を出力し、出力遮断回路はこの電圧
制限信号に応じて直ちに出力回路を電流遮断状態に制御
する。これにより、電源入力端子から電源出力端子への
電流供給が断たれ、出力電圧の上昇を停止することがで
きる。
【0011】この場合、上記設定値を当該電圧レギュレ
ータに接続される負荷の電源定格に合致するように定め
ることにより、負荷に悪影響を及ぼすようなオーバーシ
ュートの発生を防止することができる。
【0012】請求項2に記載した手段によれば、オーバ
ーシュート検出回路としてのコンパレータは、基準電圧
と検出出力電圧とをオーバーシュートの設定値に対応し
たオフセット電圧の下で比較し、電圧制限信号を出力す
る。コンパレータは高速動作が可能であるため、コンパ
レータの動作遅延によるオーバーシュートの増大を防止
することができる。
【0013】請求項3に記載した手段によれば、差動増
幅回路とコンパレータとは差動入力トランジスタを共通
に用いた構成となっている。一般に、差動増幅回路とコ
ンパレータとは製造ばらつきに起因するオフセット電圧
を持っており、両者を別回路により構成した場合、両者
のオフセット電圧の相対的なばらつきが大きくなる虞が
ある。そこで、出力電圧が目標値に一致している定常状
態において、差動増幅回路とコンパレータのオフセット
電圧との関係が反転する(コンパレータから電圧制限信
号が出力される)ことがないように、コンパレータのオ
フセット電圧(オーバーシュートの設定値)を上記相対
的なばらつきに応じてやや大きく定める必要がある。
【0014】これに対し、本手段によれば差動増幅回路
とコンパレータについて差動入力トランジスタにおける
相対的なオフセット電圧を0にでき、両者の回路全体と
しての相対的なオフセット電圧を低減することができ
る。これにより、コンパレータのオフセット電圧をより
小さく設定することができ、以てオーバーシュートの一
層の低減が可能となる。
【0015】請求項4に記載した手段によれば、カレン
トミラー回路が第1、第2の能動負荷回路に対し第1お
よび第2の差動入力トランジスタの出力電流に応じた電
流を流すことにより、差動増幅回路およびコンパレータ
は、それぞれ差動入力トランジスタを共通化した状態で
差動増幅動作および比較動作を行うことができる。
【0016】請求項5に記載した手段によれば、第1、
第2の差動入力トランジスタの出力電流が、互いに異な
るミラー比で折り返されて第2の能動負荷回路に流れる
ので、コンパレータはそのミラー比の差に応じたオフセ
ット電圧を持つ。
【0017】請求項6に記載した手段によれば、コンパ
レータのカレントミラー回路のうちの少なくとも一方
は、電流出力側のトランジスタのエミッタまたはソース
に抵抗が接続されているので、その抵抗値および電流値
によってミラー比が定まる。
【0018】請求項7に記載した手段によれば、第2の
能動負荷回路が一対のカレントミラー回路に対しオフセ
ット電流を持つことによりオフセット電圧が生成され
る。
【0019】請求項8に記載した手段によれば、第2の
能動負荷回路を構成する一対のトランジスタにおいて、
少なくとも一方のトランジスタのエミッタまたはソース
に抵抗が接続されているので、その抵抗値と電流値とに
よってオフセット電流が定まる。
【0020】請求項9に記載した手段によれば、電源入
力端子と電源出力端子との間に設けられた出力トランジ
スタは、電圧誤差信号に従って制御される。その結果、
電源入力端子の電圧変動や電源出力端子に接続された負
荷の変動にかかわらず、出力電圧が一定に制御される。
また、出力遮断回路は遮断用トランジスタから構成され
るため、電圧制限信号に応じて出力トランジスタを高速
にオフ駆動できる。
【0021】請求項10に記載した手段によれば、駆動
用トランジスタを介して出力トランジスタが駆動される
ので、コンパレータおよび遮断用トランジスタの電流容
量を下げることができる。また、実際の回路において
は、差動増幅回路の出力ノードに駆動用トランジスタの
ベースまたはゲートおよび位相補償回路(コンデンサ)
が接続される場合が多い。この場合、遮断用トランジス
タは、電圧制限信号に応じて位相補償回路への充放電を
行うことにより、駆動用トランジスタのベースまたはゲ
ートの電位を速やかにオフ駆動電位とする。従って、電
源立ち上げ時における出力電圧の整定時間が短くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態について図1を参照しながら説明す
る。図1は、シリーズレギュレータ方式による電圧レギ
ュレータの電気的構成を示している。この図1に示す電
圧レギュレータ21は、例えば車両駆動用エンジンを制
御する電子制御装置(ECU)内に設けられる電源IC
として構成されている。
【0023】ICの電源入力端子22と23との間には
制御電源電圧Vcc(例えば5V)が印加され、電源入力
端子24と23との間には車載バッテリから電源電圧V
B(例えば12V)が印加されるようになっている。ま
た、当該ICに内蔵されたバンドギャップ基準電圧回路
(図示せず)からノード25に対し、出力端子26(電
源出力端子に相当)の電圧Voの目標電圧(例えば5
V)を指令するための基準電圧Vref が与えられるよう
になっている。なお、本実施形態では制御電源電圧Vcc
と出力電圧Voとが等しいので、出力端子26と電源入
力端子22とを接続し起動回路を設ける構成とすれば、
制御電源電圧VccをIC外部から供給する必要がなくな
る。
【0024】IC内において、電源入力端子22、23
にはそれぞれ電源線27、28が接続されている。電源
線27と28との間には、トランジスタQ21〜Q2
8、QQ33、Q34からなるオペアンプ29と、トラ
ンジスタQ21〜Q24、Q29〜Q33、抵抗R21
からなるコンパレータ30(オーバーシュート検出回路
に相当)とが形成されている。トランジスタQ23〜Q
26、Q29、Q30は同一サイズのNチャネル型MO
Sトランジスタで、トランジスタQ27、Q28、Q3
1、Q32は同一サイズのPチャネル型MOSトランジ
スタである。トランジスタQ21〜Q24とQ33はオ
ペアンプ29とコンパレータ30とに共通に用いられて
いる。
【0025】オペアンプ29とコンパレータ30に共通
の差動入力部を構成するトランジスタQ21、Q22
(第1、第2の差動入力トランジスタに相当)の各ゲー
トには、それぞれ上述した基準電圧Vref 、後述する検
出電圧Vdet (検出出力電圧に相当)が与えられてい
る。トランジスタQ21、Q22の共通のソースは定電
流回路として機能するトランジスタQ33を介して電源
線27に接続されており、各ドレインはそれぞれトラン
ジスタQ23、Q24を介して電源線28に接続されて
いる。トランジスタQ33のゲートには一定のバイアス
電位が与えられている。
【0026】トランジスタQ23とQ25およびトラン
ジスタQ24とQ26は、それぞれオペアンプ29の一
部をなす一対のカレントミラー回路31、32を構成し
ている。電源線27とトランジスタQ25との間、電源
線27とトランジスタQ26との間には、それぞれ能動
負荷33(第1の能動負荷回路に相当)を構成するトラ
ンジスタQ27、Q28が接続されている。これらトラ
ンジスタQ27、Q28のソース同士およびゲート同士
は接続されている。トランジスタQ21〜Q28および
Q33は、オペアンプ29内の差動増幅回路34を構成
しており、この差動増幅回路34の出力ノードN1はオ
ペアンプ29内のトランジスタQ34(駆動用トランジ
スタに相当)のゲートに接続されている。
【0027】一方、トランジスタQ23とQ29および
トランジスタQ24とQ30は、それぞれコンパレータ
30の一部をなす一対カレントミラー回路35、36を
構成している。トランジスタQ29のソースと電源線2
8との間には、オフセット電圧を生成するための抵抗R
21が接続されている。電源線27とトランジスタQ2
9との間、電源線27とトランジスタQ30との間に
は、それぞれ能動負荷37(第2の能動負荷回路に相
当)を構成するトランジスタQ31、Q32が接続され
ている。これらトランジスタQ31、Q32のソース同
士およびゲート同士は接続されている。電源線27と上
記差動増幅回路34の出力ノードN1との間にはトラン
ジスタQ35(出力遮断回路、遮断用トランジスタに相
当)のソース・ドレイン間が接続されており、コンパレ
ータ30の出力ノードN2はトランジスタQ35のゲー
トに接続されている。
【0028】電源入力端子24と出力端子26との間に
は、PNP形トランジスタQ36(出力回路、出力トラ
ンジスタに相当)のエミッタ・コレクタ間が接続されて
いる。このトランジスタQ36のベース・エミッタ間に
は抵抗R22が接続されており、そのベースはNPN形
トランジスタQ37のコレクタ・エミッタ間と抵抗R2
3とを介して電源線28に接続されている。
【0029】また、出力端子26と電源線28との間に
は抵抗R24とR25との直列回路からなる電圧検出回
路38が接続されている。この電圧検出回路38は、出
力電圧Voを分圧した検出電圧Vdet を出力する。な
お、上記差動増幅回路34の出力ノードN1と出力端子
26との間には、コンデンサC21と抵抗R26との直
列回路からなる位相補償回路39が接続されている。
【0030】次に、電圧レギュレータ21の動作につい
て説明する。まず、制御電源電圧Vccと電源電圧VBが
与えられた後十分な時間が経過し、出力電圧Voが目標
電圧に整定した定常状態の動作について説明する。この
場合、オペアンプ29の差動増幅回路34は、出力ノー
ドN1に対し、基準電圧Vref と検出電圧Vdet との差
に応じた電圧誤差信号を出力する。この電圧誤差信号に
よりトランジスタQ34が駆動され、さらにトランジス
タQ37を介してトランジスタQ36が駆動される。こ
のフィードバック制御により、出力電圧Voは次の
(1)式で示される目標電圧に制御される。
【0031】 目標電圧=Vref ×(R24+R25)/R25 …(1) ただし、R24、R25はそれぞれ抵抗R24、R25
の抵抗値
【0032】この定常状態では、トランジスタQ21と
Q22にはほぼ等しいドレイン電流が流れている。コン
パレータ30のカレントミラー回路35には抵抗R21
が付加されているため、能動負荷37においてトランジ
スタQ31のドレイン電流はトランジスタQ32のドレ
イン電流よりも小さくなる。その結果、コンパレータ3
0は出力ノードN2に対しHレベル(ほぼVccの電位)
を出力し、トランジスタQ35はオフ状態に保持され
る。従って、コンパレータ30は、オペアンプ29によ
る定電圧制御に何ら影響を及ぼさない。
【0033】続いて、制御電源電圧Vccと電源電圧VB
の立ち上げ時における過渡状態の動作について説明す
る。出力電圧Voが0Vから(1)式で示す目標電圧に
達するまでの期間、出力ノードN1の電位はほぼ0Vと
なり、トランジスタQ36は十分なベース電流の供給を
受けて飽和オン状態となる。その結果、トランジスタQ
36から出力端子26に接続された負荷(図示せず)の
容量に対し充電電流が流れ、出力電圧Voは電源電圧V
Bに追従して上昇する。
【0034】出力電圧Voが目標電圧を超えると、検出
電圧Vdet が基準電圧Vref よりも高くなるため、出力
ノードN1の電位が上昇する。しかし、出力ノードN1
には位相補償回路39が接続されているため、出力ノー
ドN1の電位上昇が遅れ、出力電圧Voにオーバーシュ
ートが発生する。
【0035】そして、出力電圧Voが目標電圧を超えて
上昇し、コンパレータ30の持つオフセット電圧に相当
するオーバーシュート電圧に達すると、能動負荷37に
おいてトランジスタQ31のドレイン電流がトランジス
タQ32のドレイン電流よりも大きくなり、コンパレー
タ30の出力はHレベルからLレベル(ほぼ0Vの電
位)に反転する。このLレベルの信号が本発明でいう電
圧制限信号に相当する。これにより、トランジスタQ3
5がオンとなり、位相補償回路39のコンデンサC21
はトランジスタQ35のオン抵抗を介して急速に充電さ
れる。
【0036】従って、トランジスタQ35のトランジス
タサイズを、そのオン抵抗が十分に小さくなるように決
めることにより、十分に短い時間でトランジスタQ34
のゲート電位を上昇させてトランジスタQ36をオフ駆
動することができる。その結果、出力電圧Voの上昇が
停止し、オーバーシュートをコンパレータ30のオフセ
ット電圧に相当する電圧に制限することができる。
【0037】その後、出力電圧Voが上記オーバーシュ
ート電圧よりも下がると、コンパレータ30の出力ノー
ドN2は再びHレベルとなり、トランジスタQ35がオ
フしてオペアンプ29による定電圧制御が継続して行わ
れる。この場合、位相補償回路39のコンデンサC21
は、トランジスタQ35を介してほぼ定常電圧にまで充
電されているため、出力電圧の整定時間が短くなる。
【0038】本実施形態の電圧レギュレータ21によれ
ば、出力端子26に接続される負荷の電源定格に合致す
るようにコンパレータ30のオフセット電圧を定めるこ
とにより、負荷に悪影響を及ぼすようなオーバーシュー
トの発生を防止することができる。例えば、負荷がMO
Sトランジスタ回路である場合、電源投入時におけるラ
ッチアップの発生を確実に防止することができる。この
場合、コンパレータ30は高速動作が可能であるため、
コンパレータ30の動作遅延によりオーバーシュートが
助長されることがない。
【0039】また、オペアンプ29の差動増幅回路34
とコンパレータ30とは差動入力部を構成するトランジ
スタQ21、Q22を共通に用いた構成となっている。
一般に、差動増幅回路34とコンパレータ30とは製造
ばらつきに起因するオフセット電圧を持っており、両者
を別回路により構成した場合(第2の実施形態を参
照)、両者のオフセット電圧の相対的なばらつきが大き
くなる虞がある。この場合には、出力電圧Voが目標電
圧に一致した定常状態において、差動増幅回路34とコ
ンパレータ30のオフセット電圧の関係が反転する(コ
ンパレータ30から電圧制限信号が出力される)ことが
ないように、コンパレータ30のオフセット電圧を上記
相対的なばらつきに応じて大きく定める必要がある。
【0040】これに対し、本実施形態によれば差動増幅
回路34とコンパレータ30についてトランジスタQ2
1、Q22における相対的なオフセット電圧を0にでき
るので、両者の回路全体としての相対的なオフセット電
圧を低減することができる。これにより、抵抗R21の
抵抗値を下げてコンパレータ30のオフセット電圧つま
りオーバーシュート電圧の設定値をより小さく設定する
ことが可能となり、安定した定電圧制御を維持しつつオ
ーバーシュートの一層の低減を図ることが可能となる。
【0041】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図であ
る。この図2において、図1と同一構成部分には同一符
号を付して示している。電圧レギュレータ40は、オペ
アンプ29とコンパレータ41とが別回路により構成さ
れている。コンパレータ41の非反転入力端子、反転入
力端子にはそれぞれ基準電圧Vref 、検出電圧Vdet が
与えられており、出力端子はトランジスタQ35のゲー
トに接続されている。コンパレータ41は、反転入力端
子の電圧が非反転入力端子の電圧よりも所定電圧だけ高
い電圧条件の下で出力電圧が反転するようなオフセット
電圧を有している。本実施形態によっても、第1の実施
形態と同様の動作により、出力電圧Voのオーバーシュ
ート電圧をコンパレータ41のオフセット電圧に相当す
る電圧に制限することができる。
【0042】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図であ
る。この図3に示す電圧レギュレータ42は、図1に示
す電圧レギュレータ21に対し、トランジスタQ36の
駆動部の構成が異なっている。その他の構成部分は同一
であって、図3において図1と同一符号を付して示して
いる。
【0043】この図3において、トランジスタQ36の
エミッタは電源線27に接続されている。トランジスタ
Q34のドレインと電源線28との間には、トランジス
タQ34の負荷として機能するトランジスタQ38が接
続されている。トランジスタQ38のゲートには一定の
バイアス電位が与えられており、これらトランジスタQ
34、Q38により反転増幅回路43が構成されてい
る。
【0044】トランジスタQ36のベースと電源線28
との間には、抵抗R27とオープンドレインの回路形態
を持つトランジスタQ39とが直列に接続されている。
このトランジスタQ39は、トランジスタQ36にベー
ス電流を供給するためのもので、そのゲートは上記反転
増幅回路43の出力ノードN3に接続されている。ま
た、電源線27とトランジスタQ36のベースとの間に
は、トランジスタQ35と同様の機能を持つトランジス
タQ40(出力遮断回路、遮断用トランジスタに相当)
が接続されており、そのゲートはコンパレータ30の出
力ノードN2に接続されている。
【0045】次に、電圧レギュレータ42の動作につい
て説明する。まず、出力電圧Voが目標電圧に一致した
定常状態においては、トランジスタQ35、Q40がオ
フしている。この時、オペアンプ29からの電圧誤差信
号は、反転増幅回路43で反転された後トランジスタQ
39のゲートに与えられ、トランジスタQ39はこのゲ
ート電圧に従ってトランジスタQ36を駆動する。この
フィードバック制御により、出力電圧Voは上述した
(1)式で示す目標電圧に制御される。
【0046】一方、制御電源電圧Vccの立ち上げ時にお
ける過渡状態において出力電圧Voが目標電圧を超える
と、オペアンプ29の出力ノードN1の電位が上昇す
る。そして、出力電圧Voがコンパレータ30の持つオ
フセット電圧に相当するオーバーシュート電圧に達する
と、トランジスタQ35、Q40がオンとなり、トラン
ジスタQ34がオフとなる。これによりトランジスタQ
39はそのゲート電位がほぼ0Vに低下してオフとな
り、一方でトランジスタQ40がオンとなるため、トラ
ンジスタQ36のベースが電源線27の電位付近まで上
昇する。その結果、トランジスタQ36は、そのベース
電流が0となりオフとなる。
【0047】本実施形態によっても、コンパレータ30
とトランジスタQ35、Q40の動作により、出力電圧
Voのオーバーシュート電圧をコンパレータ30のオフ
セット電圧に相当する電圧に制限することができる。な
お、バイポーラトランジスタQ36に替えてMOSトラ
ンジスタを用いても良い。この場合には、BiCMOS
プロセスに替えてMOSプロセスを採用することができ
る。
【0048】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図であ
る。この図4に示す電圧レギュレータ44は、駆動用ト
ランジスタを省くことにより出力部の構成を簡単化した
ものである。すなわち、電源線27と出力端子26との
間にはMOSトランジスタQ41(出力回路、出力トラ
ンジスタに相当)が接続されており、そのゲートは直接
オペアンプ29の出力ノードN1に接続されている。本
実施形態によっても、第1の実施形態と同様の動作によ
り、出力電圧Voのオーバーシュート電圧を制限するこ
とができる。
【0049】(第5の実施形態)図5は、本発明の第5
の実施形態を示す電圧レギュレータの電気的構成図であ
る。この図5に示す電圧レギュレータ45は、図4に示
す電圧レギュレータ44に対し、オペアンプ29とコン
パレータ41とを別回路により構成した点が異なってい
る。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の動
作により、出力電圧Voのオーバーシュート電圧をコン
パレータ41のオフセット電圧に相当する電圧に制限す
ることができる。
【0050】(その他の実施形態)なお、本発明は上記
し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではな
く、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
カレントミラー回路35において、トランジスタQ23
とQ29のトランジスタサイズを変えることにより、オ
フセット電圧に相当するミラー比を設定しても良い。ま
た、カレントミラー回路35ではなく、カレントミラー
回路36におけるトランジスタQ24とQ30のトラン
ジスタサイズを変えたりソースに抵抗を接続しても良
い。さらに、トランジスタQ31とQ32のトランジス
タサイズを変えたりソースに抵抗を接続することにより
能動負荷37にオフセット電流を設定し、コンパレータ
30にオフセット電圧を持たせるように構成しても良
い。
【0051】出力トランジスタQ36、Q41に出力遮
断回路としての遮断用トランジスタを直列に接続し、コ
ンパレータ30、41から電圧制限信号が出力されてい
ない時には遮断用トランジスタを十分なオン状態とし、
電圧制限信号が出力されている時には遮断用トランジス
タをオフ状態とするように構成しても良い。
【0052】差動入力トランジスタとしてPチャネル型
のMOSトランジスタQ21、Q22を用いたが、これ
に替えてNチャネル型のMOSトランジスタを使用し、
それに合わせて他のトランジスタの導電型を変更した回
路としても良い。オペアンプ29、コンパレータ30、
トランジスタQ35などはMOSトランジスタにより構
成したが、バイポーラトランジスタにより構成しても良
い。本発明はシリーズレギュレータ方式に限らずシャン
トレギュレータ方式の電圧レギュレータにも適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す電圧レギュレー
タの電気的構成図
【図2】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図3】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図4】本発明の第4の実施形態を示す図1相当図
【図5】本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
【図6】従来技術を示す図1相当図
【符号の説明】
21、40、42、44、45は電圧レギュレータ、2
2、24は電源入力端子、26は出力端子(電源出力端
子)、30、41はコンパレータ(オーバーシュート検
出回路)、31、32、35、36はカレントミラー回
路、33は能動負荷(第1の能動負荷回路)、34は差
動増幅回路、37は能動負荷(第2の能動負荷回路)、
38は電圧検出回路、Q21はトランジスタ(第1の差
動入力トランジスタ)、Q22はトランジスタ(第2の
差動入力トランジスタ)、Q34はトランジスタ(駆動
用トランジスタ)、Q35、Q40はトランジスタ(出
力遮断回路、遮断用トランジスタ)、Q36、Q41は
トランジスタ(出力回路、出力トランジスタ)である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源入力端子に与えられる電圧を指令さ
    れた電圧値に変換して電源出力端子から出力する電圧レ
    ギュレータにおいて、 出力電圧を検出する電圧検出回路と、 前記出力電圧の目標値を指令する基準電圧と前記電圧検
    出回路により検出された検出出力電圧とに基づいて電圧
    誤差信号を出力する差動増幅回路と、 前記電源入力端子と前記電源出力端子との間に設けられ
    前記電圧誤差信号に従って駆動される出力回路と、 前記基準電圧と前記検出出力電圧とを比較し、前記出力
    電圧に設定値以上のオーバーシュートが発生した場合に
    電圧制限信号を出力するオーバーシュート検出回路と、 前記電圧制限信号に応じて前記出力回路を電流遮断状態
    に制御する出力遮断回路とを備えて構成されていること
    を特徴とする電圧レギュレータ。
  2. 【請求項2】 前記オーバーシュート検出回路は、前記
    設定値に対応したオフセット電圧を有するコンパレータ
    により構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    電圧レギュレータ。
  3. 【請求項3】 前記差動増幅回路と前記コンパレータと
    は、前記基準電圧が入力される第1の差動入力トランジ
    スタと前記検出出力電圧が入力される第2の差動入力ト
    ランジスタとを共通に用いて構成されていることを特徴
    とする請求項2記載の電圧レギュレータ。
  4. 【請求項4】 前記差動増幅回路は、 前記第1および第2の差動入力トランジスタと、 これら第1および第2の差動入力トランジスタに対して
    設けられた第1の能動負荷回路と、 この第1の能動負荷回路に対し前記第1および第2の差
    動入力トランジスタの出力電流に応じた電流を流す一対
    のカレントミラー回路とから構成され、 前記コンパレータは、 前記第1および第2の差動入力トランジスタと、 これら第1および第2の差動入力トランジスタに対して
    設けられた第2の能動負荷回路と、 この第2の能動負荷回路に対し前記第1および第2の差
    動入力トランジスタの出力電流に応じた電流を流す一対
    のカレントミラー回路とから構成されていることを特徴
    とする請求項3記載の電圧レギュレータ。
  5. 【請求項5】 前記コンパレータの一対のカレントミラ
    ー回路を構成する各カレントミラー回路は、前記オフセ
    ット電圧に相当する互いに異なるミラー比を持つように
    構成されていることを特徴とする請求項4記載の電圧レ
    ギュレータ。
  6. 【請求項6】 前記コンパレータの一対のカレントミラ
    ー回路を構成する各カレントミラー回路は、それぞれベ
    ースまたはゲートが共通に接続された電流入力側および
    電流出力側のトランジスタから構成されており、 これらカレントミラー回路のうち少なくとも一方は、前
    記電流出力側のトランジスタのエミッタまたはソースに
    抵抗が接続されていることを特徴とする請求項5記載の
    電圧レギュレータ。
  7. 【請求項7】 前記第2の能動負荷回路は、前記コンパ
    レータの一対のカレントミラー回路に対し、前記オフセ
    ット電圧に相当するオフセット電流を持つように構成さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の電圧レギュレ
    ータ。
  8. 【請求項8】 前記第2の能動負荷回路は、ベースまた
    はゲートが共通に接続された一対のトランジスタから構
    成されており、 この一対のトランジスタにおける少なくとも一方のトラ
    ンジスタのエミッタまたはソースに抵抗が接続されてい
    ることを特徴とする請求項7記載の電圧レギュレータ。
  9. 【請求項9】 前記出力回路は出力トランジスタから構
    成され、 前記出力遮断回路は、前記電圧制限信号に応じて前記出
    力トランジスタをオフ駆動する遮断用トランジスタから
    構成されていることを特徴とする請求項1ないし8の何
    れかに記載の電圧レギュレータ。
  10. 【請求項10】 前記電圧誤差信号に従って前記出力ト
    ランジスタを駆動する駆動用トランジスタを備え、 前記遮断用トランジスタは、前記電圧制限信号に応じて
    前記駆動用トランジスタのベースまたはゲートにオフ駆
    動信号を与えるように構成されていることを特徴とする
    請求項9記載の電圧レギュレータ。
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