JP2003013414A - 吸遮音壁用ジョイントの構造及びその取付方法 - Google Patents

吸遮音壁用ジョイントの構造及びその取付方法

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JP2003013414A
JP2003013414A JP2001199627A JP2001199627A JP2003013414A JP 2003013414 A JP2003013414 A JP 2003013414A JP 2001199627 A JP2001199627 A JP 2001199627A JP 2001199627 A JP2001199627 A JP 2001199627A JP 2003013414 A JP2003013414 A JP 2003013414A
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Japan
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joint
sound absorbing
insulating wall
joint body
insulating
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Hideaki Saito
秀明 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮変形量が大きく、大型化に対応でき、か
つ、3次元的な変形にも対応できる吸遮音壁用ジョイン
トの構造及びその取付方法を提供する。 【解決手段】 対向する吸遮音壁(1A,1B)の取り
付け支柱(2A,2B)にそれぞれ固定板(3A,3
B)を設け、可撓性弾性体からなるジョイント本体
(4)の両端部(4A,4B)を前記固定板(3A,3
B)に取り付けることにより、吸遮音壁間の伸縮を許容
するようにした吸遮音壁用ジョイントの構造、及び、予
め対向する吸遮音壁(1A,1B)間の長さを測定し、
その長さに基づいて可撓性弾性体からなるジョイント本
体(4)の初期長さを定め、固定手段(5)によってジ
ョイント本体(4)を初期長さに拘束し、その状態で支
柱(2A,2B)に取り付けた後、前記固定手段(5)
を取り外す吸遮音壁用ジョイントの取付方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隣接する吸遮音壁
間に使用されるジョイントの構造及びその取付方法に関
するものであり、特に、橋梁伸縮部や大型吸遮音壁等の
大きな伸縮変形量や3次元的な変形にも対応することが
できるジョイントの構造及びその取付方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、橋梁に設けられる吸遮音壁に
は、橋梁の継目における伸縮に対して吸遮音壁間の隙間
を塞ぐジョイントが広く使用されている。具体的には、
鋼製部材を吸遮音壁に沿ってスライドさせる機構にする
ことで、橋梁継目の伸縮に追随できるようにしたもので
ある。
【0003】ところで、橋梁の構造が長スパン化し、伸
縮部の変形吸収量が大きくなるとジョイントとしても相
応に大きなものが必要とされる。また、最近の傾向とし
て、自動車専用道路の高速化に対応して吸遮音壁が大型
化してきていることから、橋梁継目に限らず、大型のジ
ョイント構造に対応し得るものの開発が急務となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の鋼製ジョイントのようなスライド方式では、大
型化により変形吸収量を増加させることが難しいという
問題があった。また、ジョイントが大型化するとスライ
ド方向以外の変形も考慮する必要が生じるが、従来の鋼
製ジョイントではスライド方向のみの2次元的な変形に
しか対応できないという問題もある。
【0005】そこで本発明は、伸縮変形量が大きく、大
型化に対応でき、かつ、3次元的な変形にも対応できる
吸遮音壁用ジョイントの構造及びその取付方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するためになされたものであって、その第1の要旨
は、隣接する吸遮音壁間に使用されるジョイントの構造
であって、対向する吸遮音壁の取り付け支柱にそれぞれ
固定板を設け、可撓性弾性体からなるジョイント本体の
両端部を前記固定板に取り付けることにより、吸遮音壁
間の伸縮を許容するようにした吸遮音壁用ジョイントの
構造に係るものである。
【0007】そして好ましくは、ジョイント本体の中央
部が例えば蛇腹状になっていて、収縮時に山形の圧縮形
状となり、伸張時に引っ張り力が作用する形状となるジ
ョイント構造に係るものである。また、ジョイント本体
の構成材料にはゴム(特に、クロロスルフォン化ポリエ
チレン)又は樹脂を採用し、更にその内部に補強部材を
埋設することが好ましい。なお、ジョイント本体の固定
板は吸遮音壁の裏側に別に設けることが好ましい。
【0008】次に本発明の第2の要旨は、隣接する吸遮
音壁間に使用されるジョイントの取付方法であって、予
め対向する吸遮音壁間の長さを測定し、その長さに基づ
いて可撓性弾性体からなるジョイント本体の初期長さを
定め、固定手段によってジョイント本体を初期長さに拘
束し、その状態で支柱に取り付けた後、前記固定手段を
取り外す吸遮音壁用ジョイントの取付方法に係るもので
ある。なお、ジョイント本体やその固定板は、上記した
ジョイント構造と同様のものとすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のジョイント構造は、可撓
性弾性体からなるジョイント本体を使用するものであ
り、この点で、従来の鋼製ジョイントのようなスライド
方式のものと大きく異なっている。即ち、本発明の構造
では機械的な可動部が存在せず、ジョイント本体を可撓
性弾性体で構成することによって伸縮部の変形を吸収す
るようにしているのである。
【0010】ここで可撓性弾性体は、例えばジョイント
本体の中央部の形状を蛇腹状にすることにより実現でき
る。そして、蛇腹の山の数や高さを適当に変更すること
によって、伸縮による大移動量(例えば±250mm)
にも柔軟に対応できるようにするのである。
【0011】但し、ジョイント本体の収縮時及び伸張時
には最大200kg/cm2 の風荷重が負荷として作用
することが知られている。そこで、蛇腹状であるか否か
にかかわらず、ジョイント本体の中央部は収縮時に山形
の圧縮形状となり、伸張時に引っ張り力が作用する形状
となるようにすることが好ましい。このような形状であ
れば、収縮時には山形の形状によって吸遮音壁に垂直な
方向の変形を抑えることができ、伸張時には引っ張り力
によってその方向の変形を抑えることができるからであ
る。
【0012】また、ジョイント本体の構成材料として
は、ゴム又は樹脂を採用することにより容易に可撓性弾
性体を得ることができる。この場合、上記の風荷重に十
分対応できるようにするために補強部材を埋設すること
が好ましい。即ち、ゴム等の厚さと、内部に埋設する補
強部材(例えば帆布等)の組み合わせによって、ジョイ
ントとして必要な強度を得るのである。
【0013】なお、ジョイント本体をゴムで構成する場
合には、新たに色の問題が生じる。即ち、一般的な黒色
ゴムでは景観上好ましくないという問題がある一方、着
色すると耐久性が悪化してしまうのである。そこで、カ
ラー化、例えば吸遮音壁の金属材料と同色系のグレーに
しても耐候性に強い材料であるクロロスルフォン化ポリ
エチレン等を使用することが好ましい。
【0014】このように、本発明のジョイント構造で
は、可撓性弾性体からなるジョイント本体を使用するこ
とにより、吸遮音壁が大型化(例えば高さ5m〜8m)
した場合に生じる問題、即ち、単純な伸縮方向だけでな
く、道路や民地側への動き、更にはジョイントに対する
せん断方向の変形も加わるという問題にも対応でき、大
変形及び3次元的変形を十分吸収することが可能となっ
ている。
【0015】また、伸縮変形量の増大に対しては、一定
の長さのジョイント本体を長手方向に連結することで、
何mでも対応可能である。更に、最近採用されている分
岐型の遮音壁であっても、分岐部でジョイント本体を連
結するようにすれば対応可能である。
【0016】ところで、可撓性弾性体からなるジョイン
ト本体の取り付けであるが、対向する吸遮音壁の取り付
け支柱にそれぞれ固定板を設け、ジョイント本体の両端
部を固定板に取り付けるようにすればよい。即ち、吸遮
音壁は一般にH鋼等の支柱に固定されるので、ジョイン
ト本体もその支柱を利用して取り付けるのである。
【0017】なお、固定板は支柱と一体であってもよい
が、別体のものを支柱に後付けしてもよく、要するにジ
ョイント本体の両端部が取り付けられるようになってい
ればよい。例えば支柱がH鋼の場合、H鋼に板材を後付
けして固定板とすることができる。また、吸遮音壁はH
鋼の表面の道路側に固定されるので、H鋼の裏面の部分
を固定板とすれば、板材の後付けは不要である。更に、
吸遮音壁がH鋼からはみ出している場合には、はみ出し
た部分の吸遮音壁を支柱に設けた固定板とすることもで
きる。
【0018】但し、景観上はジョイント本体が目立たな
い方が好ましい。そこで、固定板を吸遮音壁の裏側に別
に設け、支柱の道路側に吸遮音壁を、民地側に外装板を
付加してジョイント本体を両者間に挟み込むようにすれ
ば、景観性と音漏れの双方に配慮した構造とすることが
できる。
【0019】次に、ジョイントの取付方法については、
ジョイント本体を設置現場で取り付ける方法と、初めか
ら工場等でジョイント本体を支柱に取り付けておき、設
置現場にて支柱を立てる方法とが考えられる。いずれに
せよ、ジョイント本体の伸縮方向の初期長さは取り付け
時の橋梁等の伸縮部の長さによって異なる。そこで、予
め対向する吸遮音壁間の長さを測定し、その長さに基づ
いて可撓性弾性体からなるジョイント本体の初期長さを
定め、固定手段によってジョイント本体を初期長さに拘
束し、その状態で支柱に取り付けた後、固定手段を取り
外すという方法が考えられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施の形態の具体例
を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の吸遮音壁
用ジョイントの構造の一例を示す斜視図であり、ジョイ
ント本体4が見えるように外装板6A,6Bの一部を切
り欠いた状態を示す図である。ここでジョイント本体4
は、グレーのクロロスルフォン化ポリエチレンの内部に
帆布を埋設して補強した12mm厚のもので、中央部4
Cが蛇腹状になっている。なお、山の数は3個あり、そ
れぞれの山の高さは127mm、ジョイント本体4の初
期長さ(中央部4Cが蛇腹状の状態における両端部4
A,4Bの端から端までの長さ)は475mmである。
【0021】このような可撓性弾性体からなるジョイン
ト本体4は、その両端部4A,4Bが、対向する吸遮音
壁1A,1Bの取り付け支柱2A,2Bに設けられた固
定板3A,3Bに取り付けられている。なお、固定板3
A,3Bは吸遮音壁1A,1Bの裏側に別に設けられて
おり、ジョイント本体4が吸遮音壁1A,1Bと外装板
6A,6Bとの間に挟み込まれるようになっている。
【0022】次に、図1に示す本発明のジョイント構造
の伸縮について説明する。図2は、隣接する吸遮音壁1
A,1B間の伸縮の前後の状態を示す上面図である。即
ち、図2(A)はジョイント本体4が収縮して中央部4
Cが山形の圧縮形状となった状態を示し、図2(B)は
ジョイント本体4が伸張した状態を示している。図2に
示すように、本発明のジョイント構造によれは、ジョイ
ント本体4の変形によって吸遮音壁1A,1B間の大き
な伸縮を許容している。しかも、単純な伸縮方向(図2
では左右方向)だけでなく、吸遮音壁1A又は1Bの道
路や民地側への動き(図2では上下方向)といった3次
元的変形にも対応できるものとなっている。
【0023】また、ジョイント本体4に作用する風荷重
に対しては、収縮時には山形の形状により、伸張時には
ジョイント本体4の引っ張り力により、風に基づく吸遮
音壁1A,1Bに垂直な方向(図2では上下方向)の変
形を抑えることができる。
【0024】なお、図1に示す本発明の吸遮音壁用ジョ
イントの取付方法は、ジョイント本体4を初期長さに拘
束する方法を採用している。即ち、図3に示すように、
予め対向する吸遮音壁1A,1B間の長さを測定し、そ
の長さに基づいて可撓性弾性体からなるジョイント本体
4の初期長さを定め、固定手段5によってジョイント本
体4を初期長さに拘束し、その状態で支柱2A,2Bに
取り付けるのである。そして、図3の状態から固定手段
5を取り外し、外装板6A,6Bを固定すれば図1のジ
ョイント構造になる。
【0025】図4は、本発明の吸遮音壁用ジョイントの
構造の変形例を示すもので、ジョイント本体4の一部の
みを取り出した斜視図である。即ち、図4(A)は高さ
5mの一般的な遮音壁に使用するジョイント本体4を示
すものであるが、図4(B)は最近採用されている分岐
型の遮音壁(高さ6.5mの垂直壁の上に幅2.1mの
傾斜壁を設けたもの)に使用するジョイント本体4を示
すものである。
【0026】図4(B)に示すように、分岐型の遮音壁
であっても分岐部でジョイント本体4を連結することに
よって簡単に対応可能となっている。このように、本発
明のジョイント構造は、吸遮音壁の型式や伸縮変形量の
大きさにかかわりなく、ジョイント本体4を連結するだ
けで対応可能なものである。
【0027】
【発明の効果】本発明の吸遮音壁用ジョイントの構造に
よれば、対向する吸遮音壁の間に可撓性弾性体からなる
ジョイント本体を取り付けたものであるので、伸縮変形
量が大きく、大型化に対応でき、かつ、3次元的な変形
にも対応できるものとなる。また、本発明の吸遮音壁用
ジョイントの取付方法によれば、取り付け時の橋梁等の
伸縮部の長さに応じた最適な初期長さのジョイント本体
を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸遮音壁用ジョイントの構造
の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のジョイント構造における吸遮音
壁間の伸縮の前後の状態を示す上面図である。
【図3】図3は、図1の吸遮音壁用ジョイントの取付方
法を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の吸遮音壁用ジョイントの構造
の変形例を示す一部斜視図である。
【符号の説明】
1A,1B‥吸遮音壁 2A,2B‥支柱 3A,3B‥固定板 4‥ジョイント本体 4A,4B‥ジョイント本体の両端部 4C‥ジョイント本体の中央部 5‥固定手段 6A,6B‥外装板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する吸遮音壁間に使用されるジョイ
    ントの構造であって、対向する吸遮音壁(1A,1B)
    の取り付け支柱(2A,2B)にそれぞれ固定板(3
    A,3B)を設け、可撓性弾性体からなるジョイント本
    体(4)の両端部(4A,4B)を前記固定板(3A,
    3B)に取り付けることにより、吸遮音壁間の伸縮を許
    容するようにしたことを特徴とする吸遮音壁用ジョイン
    トの構造。
  2. 【請求項2】 ジョイント本体(4)の中央部(4C)
    が蛇腹状になっていることを特徴とする請求項1に記載
    の吸遮音壁用ジョイントの構造。
  3. 【請求項3】 ジョイント本体(4)の中央部(4C)
    が収縮時に山形の圧縮形状となり、伸張時に引っ張り力
    が作用する形状となることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の吸遮音壁用ジョイントの構造。
  4. 【請求項4】 ジョイント本体(4)がゴム又は樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の吸遮音壁用ジョイントの構造。
  5. 【請求項5】 ジョイント本体(4)の内部に補強部材
    が埋設されていることを特徴とする請求項4に記載の吸
    遮音壁用ジョイントの構造。
  6. 【請求項6】 ジョイント本体(4)を構成するゴムが
    クロロスルフォン化ポリエチレンであることを特徴とす
    る請求項4又は5に記載の吸遮音壁用ジョイントの構
    造。
  7. 【請求項7】 ジョイント本体(4)の固定板(3A,
    3B)が吸遮音壁(1A,1B)の裏側に別に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
    記載の吸遮音壁用ジョイントの構造。
  8. 【請求項8】 隣接する吸遮音壁間に使用されるジョイ
    ントの取付方法であって、予め対向する吸遮音壁(1
    A,1B)間の長さを測定し、その長さに基づいて可撓
    性弾性体からなるジョイント本体(4)の初期長さを定
    め、固定手段(5)によってジョイント本体(4)を初
    期長さに拘束し、その状態で支柱(2A,2B)に取り
    付けた後、前記固定手段(5)を取り外すことを特徴と
    する吸遮音壁用ジョイントの取付方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100585817B1 (ko) 2006-03-02 2006-06-07 주식회사 삼보기술단 철도의 비탈면에 설치되는 방음벽 겸용 낙석방지구조물
JP2009000211A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Nippon Road Co Ltd:The 競技場用の防護柵
KR101262825B1 (ko) 2012-02-29 2013-05-09 주식회사 일원테크 신축이음장치용 이물질 퇴적방지구조의 고무방수재와 이의 제조 및 설치방법
JP2014015837A (ja) * 2013-10-28 2014-01-30 Central Japan Railway Co 隙間埋め構造
JP2015083765A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 株式会社ジャバラ 壁高欄用伸縮カバー
KR101889250B1 (ko) * 2018-01-08 2018-08-16 좌영택 가설 방음벽 조립체

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