JP2003013019A - ダイシング用粘着シート - Google Patents

ダイシング用粘着シート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品品位の低下やコスト的な不利益が無く、
しかもダイシング時の糸状屑の発生の少ないダイシング
用粘着シートを提供すること。 【解決手段】 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着
剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおい
て、前記基材フィルムが、 (A)成分:不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン
酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合
体、および (B)成分:水酸基含有重合体 を含有するオレフィン系樹脂組成物を含有してなること
を特徴とするダイシング用粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイシング用粘着
シートに関する。さらには当該ダイシング用粘着シート
を用いてダイシングを行なう方法に関する。本発明のダ
イシング用粘着シートは、半導体ウエハ等の素子小片を
切断分離(ダイシング)する際に、当該半導体ウエハ等
の被切断物を固定するために用いる半導体ウエハダイシ
ング用粘着シートとして特に有用である。例えば、本発
明のダイシング用粘着シートは、シリコン半導体ダイシ
ング用粘着シート、化合物半導体ウエハダイシング用粘
着シート、半導体パッケージダイシング用粘着シート、
ガラスダイシング用粘着シートなどとして使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来よりシリコン、ガリウム、砒素など
を材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された
後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、更にマウ
ント工程に移される。この際、半導体ウエハは粘着シー
トに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工
程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工
程の各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラ
スチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤が
1〜200μm程度が塗布されてなるものが一般的に用
いられている。
【0003】前記ダイシング工程においては、回転しな
がら移動する丸刃によってウエハの切断が行なわれる
が、その際に半導体ウエハを保持するダイシング用粘着
シートの基材内部まで切り込みを行なうフルカットと呼
ばれる切断方式が主流となってきている。そして、フル
カットによる切断方法では、粘着シートの内部まで切り
込みが行なわれる結果、基材であるプラスチックフィル
ム自身が糸状となった切断屑が発生する。この糸状屑が
チップ(被切断体)側面などに付着すると、付着した糸
状屑は、そのまま、後工程においてマウント、封止され
てしまい、半導体素子の信頼性を著しく低下させる原因
になっているという問題があった。また、ピックアップ
工程においては個々のチップをCCDカメラで認識し位
置合わせしてた後にピックアップが行われるが、糸状屑
があると認識エラーを起こすという不具合もある。
【0004】このような問題を解決する手段として、例
えば特開平5−156214号公報には、基材としてエ
チレン−メタクリレート共重合体を用いた粘着シートが
提案されている。しかし、この粘着シートでは糸状屑の
発生は幾分かは少なくなるものの、今後、高信頼性半導
体の製造のダイシング工程に耐えうるレベルを満たし得
るものではない。
【0005】また特開平5−211234号公報では、
基材フィルムに1〜80MRadの電子線又はγ線等の
放射線を照射したフィルムを用いた粘着シートが提案さ
れている。しかし、この粘着シートでは放射線照射によ
るフィルムダメージが大きく、外観的に良好なフィルム
が得られ難いうえ、フィルム製造において多大なコスト
がかかり、品位面及び価格面で好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術に伴う問題を解決しようとするものであり、製
品品位の低下やコスト的な不利益が無く、しかもダイシ
ング時の糸状屑の発生の少ないダイシング用粘着シート
を提供することを目的とする。さらには、当該ダイシン
グ用粘着シートを用いたダイシング方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべくダイシング用粘着シートを構成する基材フ
ィルムについて鋭意検討した結果、基材フィルムに、特
定のオレフィン系樹脂組成物を用いることで、前記目的
を達成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、基材フィルム上の少な
くとも片面に粘着剤層が設けられてなるダイシング用粘
着シートにおいて、前記基材フィルムが、 (A)成分:不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン
酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合
体、および (B)成分:水酸基含有重合体 を含有するオレフィン系樹脂組成物を含有してなること
を特徴とするダイシング用粘着シート、に関する。
【0009】上記本発明のダイシング用粘着シートの基
材フィルムは前記(A)成分および(B)成分を含有す
るオレフィン系樹脂組成物を含有してなる。当該オレフ
ィン系樹脂組成物は、基材フィルム中において、(A)
成分である変性オレフィン系重合体のカルボン酸無水物
と(B)成分である水酸基含有重合体の水酸基が反応し
て分子鎖が高度に絡み合うため、ダイシング時に基材フ
ィルムの伸びが低下して、糸状屑の発生を効果的に抑え
られる。
【0010】前記ダイシング用粘着シートにおいて、
(A)成分である変性オレフィン系重合体の1分子当た
りのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上であ
り、(B)成分である水酸基含有重合の1分子当たりの
水酸基の平均結合数が1個以上であることが好ましい。
【0011】前記(A)成分である変性オレフィン系重
合体の1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数
は、変性オレフィン系重合体の数平均分子量と、変性オ
レフィン系重合体中の不飽和カルボン酸無水物単位の含
有量との乗数、すなわち、 平均結合数={(数平均分子量)×(不飽和カルボン酸
無水物単位の含有量)}/{100×(不飽和カルボン
酸無水物の分子量)} に基づいて求められる値であり、当該平均結合数は1個
以上、さらには1 .5 個以上であることが好ましい。当
該平均結合数が1個未満では、(B)成分との反応性が
低くなりオレフィン系樹脂組成物としての伸びが十分低
下せず糸状屑の発生を抑止しにくくなる。
【0012】変性オレフィン系重合体の数平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した値であり、10000〜100000、好ましく
は10000〜50000である。また変性オレフィン
系重合体における、前記不飽和カルボン酸無水物単位の
含有量は、0.1重量%以上、さらには0 .5 重量%以
上であるが好ましい。不飽和カルボン酸無水物単位の含
有量は、赤外吸収スペクトルにより測定した値である。
変性オレフィン系重合体がグラフト変性体の場合には、
再沈精製処理等により未グラフト物を除いた後に赤外吸
収スペクトルを測定する。なお、不飽和カルボン酸無水
物単位の含有量の上限は特に制限されないが、フィルム
成形中の(B)成分である水酸基含有重合体の水酸基と
の反応を抑制するには5重量%以下、さらには3重量%
以下であるのが好ましい。
【0013】(B)成分である水酸基含有重合体の1分
子当たりの水酸基の平均結合数は、水酸基含有重合体の
数平均分子量と、水酸基含有重合体の水酸基の含有量と
の乗数、すなわち、 平均結合数={(数平均分子量)×(水酸基含有重合体
の水酸基の含有量)}/{100×(水酸基の分子
量)} に基づいて求められる値であり、当該平均結合数は1個
以上、さらには1 .5 個以上であることが好ましい。当
該平均結合数が1個未満では、(A)成分との反応性が
低くなりオレフィン系樹脂組成物としての伸びが十分低
下せず糸状屑の発生を抑止しにくくなる。
【0014】水酸基含有重合体の数平均分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値
であり、500〜10000、好ましくは500〜50
00である。数平均分子量が前記範囲未満では、臭い、
成型時の発煙、発泡等の問題が起きやすく、一方、前記
範囲超過では、前述(A)成分との反応性が低くなりや
すくオレフィン系組成物としての伸びが十分低下せず糸
状屑の発生を抑止しにくくなる。また水酸基含有重合体
における、前記水酸基含有量は、水酸基含有重合体中
の、水酸基の重量であり、前記水酸基含有量は、0. 1
重量%以上、さらには0. 2重量%以上であるが好まし
い。水酸基含有量は赤外吸収スペクトルから計算した値
である。なお、水酸基含有量の上限は特に制限されない
が、フィルム成形中の(A)成分である変性オレフィン
系重合体のカルボン酸無水物との反応を抑制するには1
5重量%以下、さらには10重量%以下であるのが好ま
しい。
【0015】前記ダイシング用粘着シートにおいて、
(A)成分である変性オレフィン系重合体中のカルボン
酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が
0.5〜20であることが好ましい。
【0016】(A)成分中のカルボン酸無水物基数に対
するカルボン酸エステル基数の比が小さくなりすぎると
(B)成分との反応が過大となり加工時の押出負荷が増
大したり、フィルム外観が悪化し易くなる傾向があるた
め前記比を0.5以上とするのが好ましい。一方、前記
比が大きくなり過ぎると(B)成分との反応性が低くな
りオレフィン系樹脂組成物としての伸びが十分低下せず
糸状屑の発生を抑止しにくくなる傾向があるため前記比
を20以下、さらには15以下とするのが好ましい。前
記比は0.5〜15であるのがより好ましい。
【0017】なお、カルボン酸無水物基数、カルボン酸
エステル基数は、赤外吸収スペクトルにより測定した不
飽和カルボン酸無水物単位と不飽和カルボン酸エステル
単位の含有量と、それぞれの構成単位の重量から求めた
不飽和カルボン酸無水物単位のモル数に対する、不飽和
カルボン酸エステル単位のモル数の比である。
【0018】前記ダイシング用粘着シートにおいて、
(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成分
の水酸基数の比が0.1〜5であることが好ましい。
【0019】オレフィン系重合体組成物における(A)
成分である変性オレフィン系重合体と(B)成分である
水酸基含有重合体との組成比は、特に制限されないが、
前記比が小さくなりすぎると(A)成分と(B)成分と
の反応性が低くなりオレフィン系樹脂組成物としての伸
びが十分低下せず糸状屑の発生を抑止しにくくなる傾向
があるため前記比を0.1以上とするのが好ましい。一
方、前記比が大きくなり過ぎると反応が過大となり加工
時の押出負荷が増大したり、フィルム外観が悪化し易く
なる傾向があるため、前記比を5以下、3以下とするの
が好ましい。前記比は0.1〜3であるのが好ましい。
【0020】なお、水酸基含有重合体の水酸基数は、
(B)成分である水酸基含有重合体の1分子当たりの水
酸基の平均結合数とその使用量から求めた値であり、前
記(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)成
分の水酸基数の比は、当該水酸基数を、(A)成分であ
る変性オレフィン系重合体の1分子当たりのカルボン酸
無水物の平均結合数とその使用量から求めたカルボン酸
無水物単位の数とを対比(水酸基数/カルボン酸無水物
単位の数)した値である。
【0021】前記ダイシング用粘着シートにおいて、基
材フィルムが単層フィルムであり、(A)成分および
(B)成分を含有してなるオレフィン系樹脂組成物を5
0重量%以上含有していることが好ましい。
【0022】また前記ダイシング用粘着シートにおい
て、基材フィルムが多層フィルムであり、当該多層フィ
ルムの少なくとも1層が、(A)成分および(B)成分
からなるオレフィン系樹脂組成物を50重量%以上含有
していることが好ましい。
【0023】基材フィルム中の前記オレフィン系樹脂組
成物の含有量は、糸状屑発生防止効果から、単層フィル
ムまたは多層フィルムの少なくとも1層が、通常、50
重量%以上、好ましくは60重量%以上であるのがよ
い。基材フィルムを多層とした場合には、例えば、前記
オレフィン系樹脂組成物を含む伸び性の低い層をフルカ
ットの際に丸刃の切り込みが行なわれる深さまでの少な
くとも一層に設けることでダイシング時の糸状屑の発生
を防止することができ、他の層にエキスパンド時に必要
とされる伸び性に優れた層を設けることにより、前記オ
レフィン系樹脂組成物を含む層の伸び性の低さを補うこ
とができる。その他、帯電防止性に優れる層などの機能
層を設けて多層化して帯電防止性能などの追加機能を付
加することもできる。
【0024】前記ダイシング用粘着シートにおいて、粘
着剤層の厚みは1〜200μmである場合に有効であ
る。
【0025】粘着剤層を厚くすることは、ダイシング中
の半導体ウエハの振動などの原因によって、ダイシング
品位を著しく低下させ、コスト的にも不利益となるた
め、粘着剤層の厚みは1〜200μm、特に好ましくは
3〜50μmとされる。通常、ダイシング工程では、ダ
イシング用粘着シートに対して丸刃が5〜230μm程
度の切込み、切断を行なっているため、粘着剤層がその
切込深さより薄く、基材フィルムまで切り込みが行わ
れ、基材フィルムによる糸状屑が問題となる場合に本発
明のダイシング用粘着シートは有効に機能する。
【0026】前記ダイシング用粘着シートにおいて、粘
着剤層は放射線硬化型粘着剤により形成されているもの
であることが好ましい。
【0027】放射線硬化型粘着剤層を用いれば、放射線
を照射することにより粘着力を低下させることができ、
ウエハ等を切断分離した後に、ウエハ等からの粘着シー
トの除去を容易に行うことができる。
【0028】さらに本発明は、前記ダイシング用粘着シ
ートを、被切断物へ貼り付けた後に、前記粘着シートの
基材フィルムまで切り込みを行なうことにより被切断物
をダイシングすることを特徴とするダイシング方法、に
関する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明のダイシング用粘着
シートを、図1を参照しつつ詳細に説明する。図1に示
すように本発明のダイシング用粘着シート1は、基材フ
ィルム11と、該基材フィルム11の少なくとも一方の
面に設けられた粘着剤層12と、更に必要に応じて粘着
層と接し、基材フィルムとは反対側の面に貼り付けられ
たセパレータ13とで構成されている。図1では基材フ
ィルム11の片面に粘着剤層12を有するが、粘着剤層
は基材フィルムの両面に形成することもできる。ダイシ
ング用粘着シートはシートを巻いてテープ状とすること
もできる。
【0030】基材フィルムは、前記(A)成分および
(B)成分からなるオレフィン系樹脂組成物を含有して
なる。
【0031】(A)成分は、不飽和カルボン酸無水物と
不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オ
レフィン系重合体である。かかる変性オレフィン系重合
体は、オレフィン成分を主成分とし、これに不飽和カル
ボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルが共重合また
はグラフト重合したものなどがあげられる。変性オレフ
ィン系重合体としては、たとえば、α−オレフィンとエ
チレン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性不飽和カ
ルボン酸エステルとの三元共重合体、α−オレフィンと
エチレン性不飽和カルボン酸無水物との二元共重合体の
エチレン性不飽和カルボン酸エステルによるグラフト
体、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルとの二元共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸無
水物によるグラフト体、α−オレフィン系重合体のエチ
レン性不飽和カルボン酸無水物とエチレン性不飽和カル
ボン酸エステルとによるグラフト体、さらには前記二元
共重合体または三元共重合体の不飽和カルボン酸無水物
および/または不飽和カルボン酸エステルによるグラフ
ト体等のこれら変性を組み合わせたものなどがあげられ
る。
【0032】前記α−オレフィンとしては、例えば、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1 、3 −メチルペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1等があげられる。
【0033】エチレン性不飽和カルボン酸無水物として
は、例えば、コハク酸2−オクテン−1 −イル無水物、
コハク酸2−ドデセン−1−イル無水物、コハク酸2−
オクタデセン−1−イル無水物、マレイン酸無水物、2
,3 −ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸
無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水
物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3 ,4 −ジカルボ
ン酸無水物、1−シクロぺンテン−1,2 −ジカルボン
酸無水物、1 ,2 ,3 ,6 −テトラヒドロフタル酸無水
物、3 ,4 ,5 ,6 −テトラヒドロフタル酸無水物、e
xo−3,6 −エポキシ−1,2 ,3,6−テトラヒド
ロフタル酸無水物、5 −ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オク
ト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ
[2.2.2]オクト−7−エン−2 ,3 ,5 ,6 −テ
トラカルボン酸無水物等があげられる。
【0034】エチレン性不飽和カルボン酸エステルとし
ては、(メタ)アクリル酸{(メタ)アクリル酸とは、
アクリル酸およびメタクリル酸をいう。以下(メタ)と
は同様の意味である。}、マレイン酸等のエチレン性不
飽和カルボン酸の炭素数1〜20程度のアルキル基エス
テルが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸へ
キシル、(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル、マレイン酸ジメチ
ル等があげられる。
【0035】なお、前記変性オレフィン系重合体は、前
記α−オレフィン、エチレン性不飽和カルボン酸無水物
およびエチレン性不飽和カルボン酸エステルの他に、さ
らに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のエチレン性
不飽和カルボン酸化合物、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル化合物、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド化合
物、スチレン、(メタ)アクリロニトリル等のその他の
エチレン性不飽和化合物等を共重合することもできる。
これら任意成分は前記三元共重合体と共重合して変性オ
レフィン系重合体を四元以上の多元共重合体とすること
ができ、またグラフト体において主鎖となる二元共重合
体等の共重合成分や側鎖のグラフト成分として使用され
る。
【0036】前記変性オレフィン系重合体としては、エ
チレンとマレイン酸無水物と(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルとの三元共重合体が好ましく、またα−オレ
フィン系重合体のマレイン酸無水物と(メタ)アクリル
酸アルキルエステルとによるグラフト体が好ましい。
【0037】前記変性オレフィン系重合体で例示された
三元共重合体または四元以上の多元共重合体は、従来公
知の塊状、溶液、気相、懸濁等の重合法により製造する
ことができる。また、前記変性オレフィン系重合体で例
示されたグラフト体は、溶融混練、溶液、固相、懸濁等
のグラフト化法により製造することができる。
【0038】なお、グラフト体の主鎖としては、α−オ
レフィンとエチレン性不飽和カルボン酸無水物との二元
共重合体、α−オレフィンとエチレン性不飽和カルボン
酸エステルとの二元共重合体、α−オレフィン系重合体
等が用いられるが、これらとしては、例えば、低密度・
中密度・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鏡状)の
エチレンの単独重合体;エチレンとプロピレン、ブテン
−1 、3 −メチルブテン−1 、ぺンテン−1 、3 −メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1 、オクテン−1デセン−
1等のα−オレフィンとの共重合体;エチレンと酢酸ビ
ニル等のビニルエステル化合物、(メタ)アクリル酸ま
たはそれらのエステル等の他単量体との共重合体等のエ
チレン系樹脂;プロピレンの単独重合体、プロピレンと
エチレン、ブテン−1 、3 −メチルブテン−1、ぺンテ
ン−1 、3 −メチルぺンテン−1、4−メチルぺンテン
−1 、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等のα
−オレフィンとの共重合体、プロピレンとイソプレン、
1 ,3 −ブタジエン、1 ,3 −ペンタジエン、1 ,4 −
ヘキサジエン、1 ,5 −ヘキサジエン、1 ,9 −デカジ
エン等のジエン化合物等の他単量体との共重合体等のプ
ロピレン系樹脂;その他ブテン−1 、4−メチルぺンテ
ン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの単独重合体
や共重合体等があげられる。
【0039】本発明における(A)成分である前記変性
オレフィン系重合体は、(B)成分と混合する前に、α
−オレフィン系重合体等の他の重合体で希釈しておいて
もよい。その際、他の重合体の使用量は、(変性オレフ
ィン系重合体のカルボン酸無水物基の平均結合数)×
{(変性オレフィン系重合体の重量)/(変性オレフィ
ン系重合体の重量+他の重合体の重量)}の値が1以上
となる範囲で使用するのが好ましい。
【0040】(B)成分の水酸基含有重合体としては、
水酸基を含有する重合体を特に制限なく使用できる。水
酸基含有重合体としては、例えば、エチレン−(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルグラフトポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリビニルアル
コール、低分子量ポリオレフィンポリオール類、ポリア
ルキレンエーテルグリコール類、ポリオキシアルキレン
ポリオール類、水酸基末端ジエンポリマー及びその水素
添加物またはそのアジぺート類、水酸基末端ポリカプロ
ラクト類等があげられ、具体的には、低分子量ポリオレ
フィンポリオール類、ポリアルキレンエーテルグリコー
ル類、ポリオキシアルキレンポリオール類、水酸基末端
ジエンポリマー及びその水素添加物等が好ましいものと
してあげられる。
【0041】なお、本発明における(B)成分である水
酸基含有重合体は、(A)成分と混合する前にα−オレ
フィン系重合体等の他の重合体で希釈しておいてもよ
い。他の重合体の使用量は、(水酸基含有重合体の水酸
基の平均結合数)×{(他の重合体の重量)/(水酸基
含有重合体の重量+他の重合体の重量)}の値が1以上
となる範囲で使用するのが好ましい。
【0042】本発明のオレフィン系重合体組成物は、前
記(A)成分と(B)成分を、前述の通り、好ましく
は、(A)成分のカルボン酸無水物基数に対する(B)
成分の水酸基数の比が0.1〜5、さらには0.1〜3
となる範囲で含有していればよく、前記(A)成分と
(B)成分からなる混合物により基材フィルムを構成す
ることができる他、必要に応じて他のプラスチック樹脂
との混合体から基材フィルムを構成することもできる。
このようなプラスチック樹脂としては前記例示のα−オ
レフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン等の慣用のプ
ラスチックシート用樹脂を好適に用いることができる。
基材フィルム中の前記オレフィン系重合体組成物の含有
量は、糸状屑発生防止効果から、通常50重量%以上、
好ましくは60重量%以上がよい。
【0043】その他に、基材フィルム中には、鉱油等の
軟化剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、ク
レー等の充鎮材、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、
滑剤、分散剤、中和剤、α晶核剤、β晶核剤等の各種添
加剤が必要に応じて配合されてもよい。
【0044】本発明の基材フィルムは押出法等の常法に
従って作製することができ、その厚さは、通常10〜3
00μm、好ましくは30〜200μm程度である。基
材フィルムは単層フィルムまたは多層フィルムの何れで
あってもよいが、粘着剤層が接する表面から150μm
程度までの、ダイシング時に丸刃が達すると想定される
層は前記オレフィン系樹脂組成物を含有している層とす
るのが好ましい。多層フィルムは、たとえば、前記例示
のα−オレフィン系重合体等を他の層の材料に用いて、
共押出法、ドライラミネート法等の慣用のフィルム積層
法により製造できる。
【0045】また、得られた基材フィルムは、必要に応
じて一軸または二軸の延伸処理を施してもよい。延伸処
理を施す場合には、0〜140℃程度で行なうのが好ま
しい。このようにして製膜された基材フィルムは、必要
に応じて、40〜80℃程度の温度において1〜100
時間程度保存し、フィルム特性を安定させてもよい。ま
た、基材フィルムの表面には必要に応じてマット処理、
コロナ放電処理、プライマー処理等の慣用の物理的また
は化学的処理を施すことができる。
【0046】粘着剤層は、公知乃至慣用の粘着剤を使用
できる。このような粘着剤は、何ら制限されるものでは
ないが、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポ
リビニルエーテル系等の各種粘着剤が用いられる。
【0047】前記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好
ましい。アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアク
リル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキル
の重合体または共重合性モノマーとの共重合体が用いら
れる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、その
ホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下の(メタ)
アクリル酸アルキルが好ましい。
【0048】(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、2
−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基等があ
げられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例え
ば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエス
テル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アク
リル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、
(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メ
タ)アクリル酸アルキルアミノアルキル、(例えば、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、t −ブチルアミノ
エチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、ア
クリロニトリル等があげられる。
【0049】また、粘着剤としては紫外線、電子線等に
より硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を
用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボン
ド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明において
は、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用
いることが好ましい。なお、粘着剤として放射線硬化型
粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に
粘着剤に放射線が照射されるため前記基材フィルムは十
分な放射線透過性を有しているもの好ましい。
【0050】放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベー
スポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分
を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭
素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノ
マー、オリゴマー又はポリマーを特に制限無く使用でき
る。放射線硬化成分としては、例えば、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ぺンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1 ,6 −へキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ジぺンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価ア
ルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリ
ゴマー;2 −プロぺニルージ−3 −ブテニルシアヌレー
ト、2 −ヒドロキシエチルビス(2 −アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエ
チル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートまたはイ
ソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0051】また、放射線硬化型粘着剤はベースポリマ
ー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素
−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用す
ることもでき、この場合においては特に上記放射線硬化
成分を加える必要は無い。
【0052】放射線硬化型粘着剤を紫外線により硬化さ
せる場合には、光重合開始剤が必要である。重合開始剤
としては、たとえば、べンゾイルメチルエーテル、ベン
ゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル等のペンゾインアルキルエーテル類;べンジル、ベン
ゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン等の芳香族ケトン類;べンジルジメチ
ルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフ
ェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサント
ン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
等のチオキサントン類等があげられる。
【0053】前記粘着剤には、更に必要に応じて、架橋
剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用
の添加剤を含有させることができる。架橋剤としては、
例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿
素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化物、
ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどがあげら
れる。
【0054】本発明のダイシング用粘着シート1は、例
えば、基材フィルム11の表面に、粘着剤を塗布して乾
燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層12
を形成し、必要に応じてこの粘着剤層12の表面にセパ
レータ13を貼り合わせることにより製造できる。ま
た、別途、セパレータ13に粘着剤層12を形成した
後、それらを基材フィルム11に貼り合せる方法等を採
用できる。
【0055】粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類、あるい
はダイシング切込深さにより適宜決定することができる
が、通常は1〜200μm、好ましくは3〜50μm程
度である。
【0056】セパレータは、ラベル加工のため、または
粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設け
られる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等
の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面
には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じ
てシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の
剥離処理が施されていてもよい。また、剛性を高める等
の目的に応じて、一軸または二軸の延伸処理や他のプラ
スチックフィルム等で積層を行ってもよい。セパレータ
の厚みは、通常、10〜200μm、好ましくは25〜
100μm程度である。
【0057】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0058】実施例1 (A)成分の調製 エチレン−マレイン酸無水物−アクリル酸エチル三元共
重合体(190℃メルトフローレート5g/10分,マ
レイン酸無水物単位含有量2.3重量%、アクリル酸エ
チル単位含有量7重量%,カルボン酸無水物基数に対す
るカルボン酸エステル基数の比3,ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定した数平均分子量19
000,数平均分子量とマレイン酸無水物単位含有量の
乗数に基づいて求めた1分子当たりのカルボン酸無水物
基の平均結合数4.5個)75重量部およびプロピレン
−エチレンランダム共重合体(230℃メルトフローレ
ート3g/10分、エチレン含量5重量%)25重量部
の合計100重量部を、へンシェルミキサーで均一に混
合した後、二軸混練機(シリンダー径45mm,L/D
=34,池貝社製「PCM−45」 ,設定温度230
℃)に供給して溶融混練することにより樹脂組成物[A
−1]を得た。得られた樹脂組成物は190℃メルトフ
ローレート4g/10分、マレイン酸無水物単位含有量
1.7重量%、アクリル酸エチル単位含有量5重量%、
加成性より求められる1分子当たりのカルボン酸無水物
基の平均結合数3.4個であった。
【0059】(B)成分の調製 水添ポリブタジエンポリオール(水酸基含有量1.4重
量%、数平均分子量2700、数平均分子量と水酸基含
有量の乗数に基づいて求めた1分子当たりの水酸基の平
均結合数2.2個)50重量部と低密度ポリエチレン
(190℃メルトフローレート2g/10分,密度0.
919g/cm3 )50重量部との混合物に、酸化防止
剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネ−ト〕メタンとトリス(2,4 −ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイトとをそれぞれ0.6重量部添加
し、ヘンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出
機(シリンダー径45mm,L/D=34,池貝社製
「PCM−45」,設定温度170℃)に供給して溶融
混練することにより、樹脂組成物[B−1]を得た。得
られた樹脂組成物は190℃メルトフローレート210
g/10分、水酸基含有量0.7重量%、加成性より求
められる1分子当たりの水酸基の平均結合数1.1個で
あった。
【0060】(基材フィルムの作製)(A)成分として
A−1を80重量部および(B)成分としてB−1を2
0重量部の合計100重量部を、へンシェルミキサーで
均一に混合してオレフィン系樹脂組成物を調製した後、
(株)プラコー社製Tダイ成形機(設定温度250℃)
に供給し製膜し、厚み100μm、幅28cmの基材フ
ィルムを作製した。なお、A−1のカルボン酸無水物基
数に対するB−1の水酸基数の比は0.6であった。
【0061】(粘着剤の調製)アクリル酸ブチル95重
量部及びアクリル酸5重量部をトルエン中で常法により
共重合させて得られた重量平均分子量50万のアクリル
系共重合体を含有する溶液に、ジぺンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」,
日本化薬(株)製)60重量部、光重合開始剤(商品名
「イルガキュア184」,チバ・スペシャリティー・ケ
ミカルズ社製)3重量部、ポリイソシアネート化合物
(商品名「コロネートL」,日本ポリウレタン(株)
製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤
溶液を調製した。
【0062】(ダイシング用粘着シートの作製)上記で
調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムの
コロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋し
て、厚さ20μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。
次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外
線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0063】実施例2 (A)成分の調製 エチレン−1−ブテン共重合体(密度0.923g/c
3 ,190℃メルトフローレート30g/10分)7
0重量部、エチレン−1−ブテン共重合体(密度0.9
25g/cm3 ,190℃メルトフローレート9g/1
0分)15重量部、エチレン−プロピレンランダム共重
合体(プロピレン含有量24重量%、密度0.870g
/cm3 、230℃メルトフローレート40g/10
分)15重量部、マレイン酸無水物1重量部、アクリル
酸n−ブチル1.2重量部、2,5−ジメチル−2 ,5
−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン0.12重量
部をへンシェルミキサーで均一に混合した後、二軸押出
機(シリンダー径30mm,L/D=32,池貝社製
「PCM−30」,設定温度230℃)に供給して溶融
混練することによりグラフト反応を行い、樹脂組成物
[A−2]を得た。得られた樹脂組成物は190℃メル
トフローレート14g/10分、再沈精製処理により未
グラフト物を除いた後に赤外吸収スペクトルにより測定
したマレイン酸無水物単位含有量0.9重量%、アクリ
ル酸n−ブチル単位含有量0.7重量%、カルボン酸無
水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比0.6、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し
た数平均分子量18000、数平均分子量とマレイン酸
無水物単位含有量の乗数に基づいて求めた1分子当たり
のカルボン酸無水物基の平均結合数1.7個であった。
【0064】(基材フィルムの作製)(A)成分として
A−2を82重量部および(B)成分としてB−1を1
8重量部の合計100重量部を、へンシェルミキサーで
均一に混合してオレフィン系樹脂組成物を調製した後、
実施例1と同様に製膜し、厚み100μm、幅28cm
の基材フィルムを作製した。次いで、フィルム特性安定
化のため、40℃の温度条件下で24時間保存し、基材
フィルムを得た。なお、A−2のカルボン酸無水物基数
に対するB−1の水酸基数の比は1であった。
【0065】(ダイシング用粘着シートの作製)実施例
1で調製した粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィル
ムのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架
橋して、厚さ50μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成し
た。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて
紫外線硬化型ダイシング用粘着シートを作製した。
【0066】比較例1 実施例1のダイシング用粘着シートの作製において、基
材フィルムとして、低密度ポリエチレン(190℃のメ
ルトフローレート1.5g/10分)をTダイ押出し法
により厚さ100μmとなるように製膜しフィルムを用
いたこと以外は実施例1と同様にしてダイシング用粘着
シートを作製した。
【0067】比較例2 実施例1のダイシング用粘着シートの作製において、基
材フィルムとして、エチレン−メタクリル酸共重合体
(190℃のメルトフローレート2g/10分)をTダ
イ押出し法により厚さ100μmとなるように製膜しフ
ィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にしてダイシ
ング用粘着シートを作製した。
【0068】(評価試験)実施例及び比較例で得られた
ダイシング用粘着シートを下記の方法により評価した。
結果を表1に示す。
【0069】(1)ダイシング性評価 ダイシング用粘着シートに、厚さ350μmの6インチ
ウエハをマウントし、以下の条件でダイシングした。
【0070】(ダイシング条件) ダイサー:DISCO社製、DFD−651 ブレード:DISCO社製、NBC−ZH205O 2
7HEDD ブレード回転数:45000rpm ダイシング速度:100mm/秒 ダイシング深さ:基材フィルムに対して30μm ダイシングサイズ:2.5mm×2.5mm カットモード:ダウンカット ダイシング後、切断されたチップ表面の糸状屑の発生状
況を光学顕微鏡(200)で観察し、糸状屑の大きさ毎
に個数をカウントした。
【0071】
【表1】 表1から、実施例のダイシング用粘着シートでは糸状屑
の発生が少ないことが認められる。しかも、100μm
以上の糸状屑は発生していない。なお、実施例、比較例
のウエハは、製品品位が低下することはなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイシング用粘着シートの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ダイシング用粘着シート 11 基材フィルム 12 粘着剤層 13 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 雄一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03K AK06 AK25 AK51 AL01A AL05A AL07A AT00A BA02 BA07 CA02B CA06 CA16B EH17 EH46 EJ05 EJ55 JL00 JL13B YY00A YY00B 4J004 AA05 AA08 AA10 AA11 AB01 CA03 CA04 CB03 CC02 FA08 FA10 4J040 CA001 DB021 DD051 DF011 DF021 DF031 DF081 DF101 DG021 EK031 JA12 JB08 JB09 LA02 MA02 MA04 MB03 NA20 PA32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム上の少なくとも片面に粘着
    剤層が設けられてなるダイシング用粘着シートにおい
    て、前記基材フィルムが、 (A)成分:不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン
    酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合
    体、および (B)成分:水酸基含有重合体 を含有するオレフィン系樹脂組成物を含有してなること
    を特徴とするダイシング用粘着シート。
  2. 【請求項2】 (A)成分である変性オレフィン系重合
    体の1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が
    1個以上であり、(B)成分である水酸基含有重合の1
    分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上であること
    を特徴とする請求項1記載のダイシング用粘着シート。
  3. 【請求項3】 (A)成分である変性オレフィン系重合
    体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステ
    ル基数の比が0.5〜20であることを特徴とする請求
    項1または2記載のダイシング用粘着シート。
  4. 【請求項4】 (A)成分のカルボン酸無水物基数に対
    する(B)成分の水酸基数の比が0.1〜5であること
    を特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載のダイ
    シング用粘着シート。
  5. 【請求項5】 基材フィルムが単層フィルムであり、
    (A)成分および(B)成分を含有するオレフィン系樹
    脂組成物を50重量%以上含有していることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のダイシング用粘着シ
    ート。
  6. 【請求項6】 基材フィルムが多層フィルムであり、当
    該多層フィルムの少なくとも1層が、(A)成分および
    (B)成分を含有するオレフィン系樹脂組成物を50重
    量%以上含有していることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のダイシング用粘着シート。
  7. 【請求項7】 粘着剤層の厚みが1〜200μmである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のダイ
    シング用粘着シート。
  8. 【請求項8】 粘着剤層が放射線硬化型粘着剤により形
    成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載のダイシング用粘着シート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のダイシ
    ング用粘着シートを、被切断物へ貼り付けた後に、前記
    粘着シートの基材フィルムまで切り込みを行なうことに
    より被切断物をダイシングすることを特徴とするダイシ
    ング方法。
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