JP2003012801A - 架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法 - Google Patents

架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法

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JP2003012801A JP2001202223A JP2001202223A JP2003012801A JP 2003012801 A JP2003012801 A JP 2003012801A JP 2001202223 A JP2001202223 A JP 2001202223A JP 2001202223 A JP2001202223 A JP 2001202223A JP 2003012801 A JP2003012801 A JP 2003012801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋ポリコハク酸イミドを高い生産性で連続
的に製造する。 【解決手段】 液状のポリコハク酸イミドと液状の架橋
剤とを連続的に混合し、滞留時間10分以下にて連続的
に反応せしめ、液状の部分架橋ポリコハク酸イミドを連
続的に製造する工程1(第1架橋反応工程)と、この液
状の部分架橋ポリコハク酸イミドと有機溶剤とを連続的
に混合して、固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドを生
成し、滞留時間10時間以下にて連続的に反応せしめ、
架橋ポリコハク酸イミドを連続的に製造する工程2(第
2架橋反応工程)とを含む架橋ポリコハク酸イミドの連
続式製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリコハク酸
イミドの製造方法に関する。より具体的には、優れた
(生)分解性及び吸水性を有する架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂の前駆体として有用な架橋ポリコハク酸イミド
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性樹脂は、自重の数十倍から数千倍
の水を吸収できる樹脂であり、生理用品、紙おむつ、母
乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレ
ッシング材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療
用品、ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲ
ル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、
シャンプー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリ
ー用品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フロー
ラルフォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕
栽培、植生シート、種子テープ、流体播種、結露防止用
農業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保
持材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、
生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止
用建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工
法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パ
ッキング等の土木建築資材、光ファイバー等の電子機器
のシール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用
記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリ
ン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用の
り、水膨潤性玩具、人工雪等の幅広い分野に使用されて
いる。また、その薬品徐放性を利用して、徐放性肥料、
徐放性農薬、徐放性薬剤等の用途も期待されている。さ
らに、その親水性を利用して、湿度調整材、電荷保持性
を利用して帯電防止剤等への使用も期待されている。
しかし、従来、前記用途に使用されているのは、主にア
クリル酸系の吸水性樹脂である。アクリル酸系の吸水性
樹脂は、分解性をほとんど有しないため、使用後、廃棄
された場合に、様々な環境問題の原因となる可能性が指
摘されている。
【0003】そこで、従来の非分解性樹脂の代替とし
て、近年、生分解性樹脂が注目されており、吸水性樹脂
においても生分解性を有する樹脂を使用することが提案
されている。その一つとして、ポリアミノ酸を架橋して
得られる樹脂が注目されている。ポリアミノ酸系樹脂
は、生分解性を有するために地球環境にやさしく、また
生体内に吸収されても酵素作用により消化吸収され、し
かも生体内での抗原性を示さず、分解生成物も毒性がな
いことが明らかにされているので、人に対してもやさし
い素材である。
【0004】このような樹脂の例として、ポリ−γ−グ
ルタミン酸にγ線を照射して高吸水能を有する樹脂を製
造する方法が報告されている(国岡ら、高分子論文集、
50巻10号、755頁(1993年))。しかし、工
業的な観点からは、この技術に用いる60Co照射設備
は、放射能の遮断を行うためには大がかりな設備が必要
であり、その管理にも十分な配慮が必要であるため現実
的ではない。
【0005】また、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロ
ゲルを得る方法が報告されている[特公昭52−413
09号(米国特許第3948863号)]。さらに架橋
アミノ酸樹脂を吸水性ポリマーに用いる報告がされてい
る[特表平6−506244号(国際特許公開WO92
/17525)]。しかし、これらの樹脂は、吸水性や
塩水吸水性が十分でなく、実用的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、特開平7−22
4163号には、ポリコハク酸イミド溶液に架橋剤を用
いて架橋ポリコハク酸イミドを製造し、さらにイミド環
を加水分解することによる架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂を製造する方法が開示されている。この製造方法は、
高い吸水性能と収率が得られる反面、架橋反応を撹拌槽
にて行う場合には架橋反応の進行に伴い撹拌槽内で塊状
のゲル化が生じ、攪拌不能となったり、反応器内壁への
生成物固着等によって、生産性が著しく低くなるという
問題がある。このような塊状のゲル化は、工業的に好ま
しい態様である連続的な製造の実施を妨げる。したがっ
て、上記方法では、優れた生産性で架橋ポリコハク酸イ
ミドや架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造することは
困難である。また、装置スケールが増大する程、より大
きな体積を有する塊状ゲルが生成してしまうので、装置
設計も非常に困難である。
【0007】本発明は、上述した従来技術の課題を解決
すべくなされたものであり、優れた(生)分解性及び吸
水性を有する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の前駆体と
して有用な架橋ポリコハク酸イミドを、高い生産性で製
造できる連続式製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、特定の2段階の架橋反
応工程を含んで構成される連続式製造方法により、架橋
ポリコハク酸イミドを高い生産性で製造できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、工程1(第1架橋反
応工程)として、液状のポリコハク酸イミドと液状の架
橋剤とを連続的に混合し、滞留時間10分以下にて連続
的に反応せしめ、液状の部分架橋ポリコハク酸イミドを
連続的に製造する工程と、工程2(第2架橋反応工程)
として、工程1(第1架橋反応工程)で製造した液状の
部分架橋ポリコハク酸イミドと、有機溶剤とを連続的に
混合して、固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドを生成
し、滞留時間10時間以下にて連続的に反応せしめ、架
橋ポリコハク酸イミドを連続的に製造する工程とを含む
ことを特徴とする架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造
方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に説明する。
【0011】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂]本発明
により製造される架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、そ
の構造上から、大きく分けると、主鎖基本骨格部分、側
鎖部分、架橋部分からなる。以下、これらを(1)〜
(3)に説明する。
【0012】(1)架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の主
鎖基本骨格の構造 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の主鎖基本骨格の繰り返
し単位は、アスパラギン酸残基単独で構成されてもよい
し、アスパラギン酸とアスパラギン酸以外のアミノ酸と
の共重合体であっても構わない。本発明では、結合の様
式に関わらず、ポリマー中のアスパラギン酸からなる繰
り返し単位部分を「アスパラギン酸残基」と呼ぶ。
【0013】アスパラギン酸以外のアミノ酸の具体例と
しては、アスパラギン酸を除く19種類の必須アミノ
酸、L−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニ
ン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸
性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性ア
ミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラ
ニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ
酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を
挙げることができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L
体、D体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0014】また、共重合体である場合は、ブロック・
コポリマー、ランダム・コポリマー、グラフト・コポリ
マーの何れでも構わない。
【0015】アスパラギン酸残基から成る繰り返し単位
は、特に限定されないが、分子を構成する繰り返し単位
の総数を基準として、1mol%以上が好ましく、10
mol%以上がより好ましい。
【0016】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の主鎖基本
骨格の繰り返し単位としては、高い吸水能を有するとい
う点から、アスパラギン酸残基単独、又は、グルタミン
酸若しくはリジンとの共重合体から構成されることが好
ましく、工業的生産の点から、繰り返し単位がアスパラ
ギン酸残基単独からなることが特に好ましい。
【0017】ポリアスパラギン酸の主鎖基本骨格は、主
鎖中のアミド結合が、α結合である場合と、β結合であ
る場合がある。ポリアスパラギン酸及びその共重合体の
場合は、アスパラギン酸もしくは共重合体単位のアミノ
基等と、アスパラギン酸のα位のカルボキシル基と結合
した場合がα結合であり、アスパラギン酸のβ位のカル
ボキシル基と結合した場合がβ結合である。このポリア
スパラギン酸の場合のα結合とβ結合は、通常、混在し
て存在する。本発明では、その結合様式は特に限定され
ない。
【0018】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側鎖基及
び架橋基は基本的にポリアスパラギン酸のカルボキシル
基が置換されたカルボン酸誘導体である。その詳細を以
下に説明する。
【0019】(2)架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側
鎖の構造 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側鎖は、架橋ポリコハ
ク酸イミドのイミド環を加水分解により開環した構造を
有し、この加水分解により生成したカルボキシル基を含
む。また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、他の置換
基を有する側鎖を含んでいてもよい。他の置換基として
は、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、
メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホ
ン酸基、アルキル基、アリール基、アラルキル基等を一
個以上含むペンダント基が挙げられる。また、ペンダン
ト基は、特定の置換基を持たないアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基であってもよい。これらのペンダント
基は、好ましくは、ポリアスパラギン酸残基とアミド結
合、エステル結合、チオエステル結合等で結合したもの
である。
【0020】加水分解により生成したカルボキシル基
は、フリーの状態でも塩を形成していてもよい。塩を形
成するイオンの具体例としては、例えば、ナトリウム、
カリウム、リチウム等の金属イオン; アンモニウム、
テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウ
ム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモ
ニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシル
アンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメ
チルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニ
ウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリ
メチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモ
ニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチル
プロピルアンモニウム、トリエチルブチルアンモニウ
ム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキ
シルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニ
ウム、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン等のアン
モニウムイオン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペン
チルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、
トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメ
チルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミ
ン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン等のアミンイオン等を挙げることができる。
【0021】これらの中では、イオンの原子量又は分子
量が大きくなると相対的に単量体単位あたりの分子量が
大きくなり、単位質量当たりの吸水量が小さくなるの
で、イオンの分子量は小さい方が好ましい。また、人の
肌等に触れる可能性がある場合は、毒性が無いか、又
は、毒性が低い方が好ましい。これらの点から、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、トリエタノ
ールアミンを用いることが好ましく、ナトリウム、カリ
ウムを用いることが、特に好ましい。
【0022】(3)架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架
橋部分の構造 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂中の架橋部分は、その分
子構造について特に限定されない。その架橋部分は、ポ
リマー主鎖基本骨格との「結合部分」と、それらを橋架
けする「連結部分」に分けて理解することができる。
【0023】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架橋部分
の「結合部分」は、特に限定されない。その具体例とし
ては、例えば、アミド結合、エステル結合、チオエステ
ル結合から成る構造を挙げることができる。これらは単
独でもよいし、複数の構造が混在していても構わない。
【0024】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架橋部分
の「連結部分」は、特に限定されない。連結部分は、無
置換のものでも、置換基により置換したものでもよい。
この置換基としては、炭素原子数1から18の分岐して
いてもよいアルキル基、炭素原子数3から8のシクロア
ルキル基、アラルキル基、置換していてもよいフェニル
基、置換していてもよいナフチル基、炭素原子数1から
18の分岐していても良いアルコキシ基、アラルキルオ
キシ基、フェニルチオ基、炭素原子数1から18の分岐
していても良いアルキルチオ基、炭素原子数1から18
の分岐していても良いアルキルアミノ基、各アルキル基
が炭素原子数1から18の分岐していても良いジアルキ
ルアミノ基、各アルキル基が炭素原子数1から18の分
岐していても良いトリアルキルアンモニウム基、水酸
基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基並びにホスホン酸基及びこれらの塩、アルコキシ
カルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げら
れる。
【0025】例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル等のアルキル基、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブ
チル等のアラルキル基、フェニル、トリル、キシリル、
クロロフェニル、ビフェニル等のフェニル基、ナフチ
ル、メチルナフチル等のナフチル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキ
シ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオ
キシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキ
サデシルオキシ、ヘプチルデシルオキシ、オクチルデシ
ルオキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、ベンジルオキ
シ、トリルオキシ等のアラルキルオキシ基、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチル
チオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノ
ニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチ
オ、トリデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシル
チオ、ヘキサデシルチオ、ヘプチルデシルチオ、オクチ
ルデシルチオ等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、ベ
ンジルチオ、トリルチオ等のアラルキルチオ基、メチル
アミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミ
ノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミ
ノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウ
ンデシルアミノ、ドデシルアミノ、トリデシルアミノ、
テトラデシルアミノ、ペンタデシルアミノ、ヘキサデシ
ルアミノ、ヘプチルデシルアミノ、オクチルデシルアミ
ノ等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチル
アミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオク
チルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、ジウン
デシルアミノ、ジドデシルアミノ、ジトリデシルアミ
ノ、ジテトラデシルアミノ、ジペンタデシルアミノ、ジ
ヘキサデシルアミノ、ジヘプチルデシルアミノ、ジオク
チルデシルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピ
ルアミノ等のジアルキルアミノ基、トリメチルアンモニ
ウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニ
ウム、トリブチルアンモニウム、トリペンチルアンモニ
ウム、トリヘキシルアンモニウム、トリヘプチルアンモ
ニウム、トリオクチルアンモニウム、トリノニルアンモ
ニウム、トリデシルアンモニウム、トリウンデシルアン
モニウム、トリドデシルアンモニウム、トリテトラデシ
ルアンモニウム、トリペンタデシルアンモニウム、トリ
ヘキサデシルアンモニウム、トリヘプチルデシルアンモ
ニウム、トリオクチルデシルアンモニウム、ジメチルエ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム、メ
チルジベンジルアンモニウム等のトリアルキルアンモニ
ウム基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ
ル基、又は、スルホン酸基、又はホスホン酸基及びこれ
らの塩、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボ
ニル、プロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボ
ニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカル
ボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカ
ルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカル
ボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシ
カルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシ
ルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、
ヘキサデシルオキシカルボニル、ヘプタデシルオキシカ
ルボニル、オクタデシルオキシカルボニル等のアルキル
オキシカルボニル基、メチルカルボニルオキシ、エチル
カルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチル
カルボニルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ヘキシ
ルカルボニルオキシ、ヘプチルカルボニルオキシ、オク
チルカルボニルオキシ、ノニルカルボニルオキシ、デシ
ルカルボニルオキシ、ウンデシルカルボニルオキシ、ド
デシルカルボニルオキシ、トリデシルカルボニルオキ
シ、テトラデシルカルボニルオキシ、ペンタデシルカル
ボニルオキシ、ヘキサデシルカルボニルオキシ、ヘプタ
デシルカルボニルオキシ、オクタデシルカルボニルオキ
シ等のアルキルカルボニルオキシ基等を挙げることがで
きる。
【0026】これらの中から分子量が大きいものを選択
すると、架橋部分の分子量が大きくなり、相対的に繰り
返し単位当たりの分子量が大きくなり、単位質量当たり
の吸水量が小さくなるので、分子量が小さいものを選択
する方が好ましい。また、一般的に製造工程が複雑でな
いものを選択することも好ましい。例えば、無置換のも
の、又は、置換基(例えば、メチル、エチル、メトキ
シ、メチルオキシカルボニル及び/又はメチルカルボニ
ルオキシ基;並びに/又は水酸基、アミノ基、メルカプ
ト基、カルボキシル基、スルホン酸基及び/又はホスホ
ン酸基及び又はこれらの塩等)により置換されたものが
好ましい。
【0027】さらに、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を
保水材の用途に使用する場合は、樹脂分子内に極性基が
存在することが好ましいので、架橋部分は、無置換の状
態で極性基を含むもの、又は、極性基を含む置換基(例
えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル
基、スルホン酸基及びホスホン酸基並びに/又はこれら
の塩)により置換されたものが特に好ましい。
【0028】[架橋ポリコハク酸イミド]本発明により
製造される架橋ポリコハク酸イミドは、好ましくは、先
に述べた架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の基本骨格に対
応した構造、及び/又は、その架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の基本骨格に対応した前駆体構造、を有する重合
体である。
【0029】[ポリコハク酸イミド]本発明で使用する
架橋反応前のポリコハク酸イミドは、線状構造であって
も、分岐状構造を有するものであっても構わない。また
同様に、好ましくは、先に述べた架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂の主鎖基本骨格に対応した構造、及び/又は、
その架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の主鎖基本骨格に対
応した前駆体構造、を有する重合体である。
【0030】本発明で使用する架橋反応前のポリコハク
酸イミドの製造方法は、特に限定されない。その具体例
として、例えば、P.Neriら(Journal of
Medicinal Chemistry、1973年
16巻8号)等に記載の方法を挙げることができる。
【0031】ポリコハク酸イミドの重量平均分子量は、
特に限定されないが、通常、重量平均分子量の高い方
が、吸水材、保水材としての能力が高くなる。重量平均
分子量は、一般的に、3万以上、好ましくは5万以上、
より好ましくは8万以上、特に好ましくは10万以上、
最も好ましくは15万以上である。
【0032】[架橋剤]本発明で使用する架橋剤は、ポ
リコハク酸イミドの少なくとも一部と反応し、架橋構造
を生成させる多官能性化合物であれば、特に限定されな
い。具体的には、ポリコハク酸イミドの少なくとも一部
のイミド環部分と反応する多官能性化合物を、架橋剤と
して使用できる。
【0033】架橋剤の具体例としては、ポリアミン、ポ
リチオール等の多官能性化合物が挙げられる。より具体
的には、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレ
ンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジ
アミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−
2,2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメ
タン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン
等の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4
−ジアミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシク
ロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等の芳香族ポリアミン、塩基性アミノ酸もし
くはそれらのエステル類、シスタミン等のモノアミノ化
合物の分子1個又はそれ以上が1個又はそれ以上のジス
ルフィド結合により結合した化合物及びその誘導体等の
ポリアミン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパ
ンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキ
サンジチオール、ペンタエリスリチオール等の脂肪族ポ
リチオール、シクロヘキサンジチオール等の脂環式ポリ
チオール、キシリレンジチオール、ベンゼンジチオー
ル、トルエンジチオール等の芳香族ポリチオール、トリ
メチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリ
メチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネ
ート)ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレ
ート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカ
プトプロピオネート)ポリチオール等のエステル類が挙
げられる。また、リジン、シスチン、オルニチンに代表
されるタンパク質構成アミノ酸又はそれらの塩又はエス
テル類が挙げられる。
【0034】これらの中では、臭気が小さく、ポリコハ
ク酸イミドのイミド環との反応性が高い、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、
ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、リ
ジン、オルニチン、シスタミンが好ましい。
【0035】[液状のポリコハク酸イミド]本発明の工
程1(第1架橋反応工程)においては、液状のポリコハ
ク酸イミドを用いる。この液状の架橋剤液状のポリコハ
ク酸イミドは、例えば、ポリコハク酸イミドの少なくと
も一部が溶媒に溶解した溶液、あるいは、ポリコハク酸
イミドが溶媒に分散した分散液、を調製することにより
得ることができる。この溶媒としては、ポリコハク酸イ
ミドに対する良溶媒又は貧溶媒を用いることができる。
【0036】良溶媒の具体例としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スル
ホラン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。こ
れらの中では、ポリコハク酸イミドの溶解性が高い、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセト
アミドが特に好ましい。これら溶媒は、単独でも、2種
以上を混合して用いても構わない。
【0037】貧溶媒の具体例としては、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、メチルグリコソルブ、エチルグリコソルブ
等のグリコソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等の環状エーテル、石油エーテル、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
デカリン、ジフェニルエーテル、アニソール、クレゾー
ル等が挙げられる。これらの中では、比較的沸点が低
く、溶剤回収が容易である点から、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン
が特に好ましい。これら溶媒は、単独でも、2種以上を
混合して用いても構わない。これら貧溶媒は、架橋反応
の進行を調整する(例えば、反応の進行を遅くする等)
目的にも用いることができる。
【0038】ポリコハク酸イミドの少なくとも一部が溶
媒に溶解した溶液を調製する場合には、一般には、良溶
媒のみを用いることが好ましい。良溶媒と貧溶媒を併用
する場合、その混合比は特に限定されないが、ポリコハ
ク酸イミドの架橋反応の均一性が過度に損なわれないよ
うにする。
【0039】具体的な目安としては、架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂の吸水性能や収率を、目的とする所定値に
設定できる範囲内で、良溶媒に貧溶媒を混合する。貧溶
媒を多くすれば貧溶媒の効果が発現し、ポリコハク酸イ
ミドが分散状態となり、架橋反応後に生成物がゲル状と
なることは防止できるが、通常、架橋反応の進行が遅く
なるので大型の反応装置が必要になる。一方、貧溶媒を
少なくすれば、又は、貧溶媒を用いなければ、良溶媒の
効果が発現し、ポリコハク酸イミドが十分に均一性を有
する状態が得られる。また、一般に、貧溶媒を少なくす
れば、又は、貧溶媒を用いなければ、溶媒回収に要する
エネルギーを低減できる。
【0040】液状のポリコハク酸イミドの形態は、均一
溶液であることが好ましい。また、分散状態の場合に
は、均一溶液に可能な限り近い状態とすることが好まし
い。分散状態となっている場合、ポリコハク酸イミドの
粒子サイズ(平均粒子直径)は、可能な限り小さい方
が、より均一な架橋反応が行えるので好ましい。ここ
で、乾燥状態におけるポリコハク酸イミドの粒子サイズ
を基準にすると、その粒子サイズは、好ましくは400
μm以下、より好ましくは200μm以下、特に好まし
くは100μm以下、最も好ましくは10μm以下とす
る。ポリコハク酸イミドの粒子サイズが適度に小さけれ
ば、架橋反応の不均一性が軽減でき、収率低下や性能低
下を防止できる。
【0041】ポリコハク酸イミドの粒子サイズの調整
は、乾式及び/又は湿式の粉砕装置を用いて、連続式あ
るいは回分式操作で行うことができる。分級が必要な場
合には、乾式及び/又は湿式の分級装置を用いて、連続
式あるいは回分式操作で行ってもよい。また、粉砕機構
と分級機構を併せ持った装置を用いてもよい。なお、ポ
リコハク酸イミドの粒子サイズが過度に小さすぎて操作
に困難が生じる場合は、自足造粒系及び/又は強制造粒
系の造粒操作を行っても構わない。
【0042】ポリコハク酸イミドの粒子サイズ(平均粒
子直径)を把握する方法としては、例えば、標準ふるい
を用いた測定方法がある。標準ふるいを、例えば、機械
式振とう機とともに使用し、乾式又は湿式でふるい分け
を行い、粒径分布を測定することができる。また他の方
法としては、レーザー回折・散乱法による測定方法があ
る。この方法では、通常、ポリコハク酸イミドに対して
の貧溶媒中で、ポリコハク酸イミドを分散させ、レーザ
ー回折・散乱法により粒径分布を測定する。
【0043】架橋反応が進行する時点のポリコハク酸イ
ミドを含む反応物中における、ポリコハク酸イミドの濃
度は、特に限定されないが、通常、好ましくは1〜90
質量%、より好ましくは5〜60質量%、特に好ましく
は10〜50質量%、最も好ましくは15〜40質量%
とする。これらの範囲内において、液状の架橋剤との混
合性を考慮した濃度に調整しつつ、ポリコハク酸イミド
を用いることが好ましい。
【0044】[液状の架橋剤]本発明の工程1(第1架
橋反応工程)においては、先に述べた液状のポリコハク
酸イミドとの良好な混合状態を得るために、架橋剤は液
状として用いる。液状の架橋剤としては、(1)架橋剤
の少なくとも一部を溶媒に溶解させた溶液、(2)架橋
剤を溶媒に分散させた分散液、(3)架橋剤の融点以上
にある溶融液、が好ましく用いられる。架橋反応の均一
性の点で、架橋剤が溶媒に溶解した均一溶液を用いるこ
とが特に好ましい。
【0045】液状の架橋剤中における、架橋剤の濃度
は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100質
量%、より好ましくは1〜90質量%、特に好ましくは
10〜85質量%、最も好ましくは15〜80質量%で
ある。これらの範囲内において、架橋剤の反応性や、液
状のポリコハク酸イミドとの混合性を考慮した濃度に調
整しつつ、架橋剤を用いることが好ましい。なお、ここ
で架橋剤の濃度が100質量%の場合とは、融点以上に
ある液体状態の架橋剤を、溶媒等で希釈することなくそ
のまま使用した場合である。
【0046】液状の架橋剤を製造する装置は、特に限定
されず、例えば、攪拌槽、混練装置、単軸又は二軸混練
機等を使用することができる。
【0047】(1)架橋剤の少なくとも一部を溶媒に溶
解させた溶液 架橋剤の少なくとも一部を溶媒に溶解させた溶液は、架
橋剤に対する良溶媒、又は、架橋剤に対する良溶媒と貧
溶媒を用いて得ることができる。ここで使用する「良溶
媒」なる語の概念は、架橋剤を実質的に完全に溶解でき
る溶媒を包含する。また、「貧溶媒」なる語の概念は、
架橋剤を、実質的に完全には溶解できない溶媒を包含す
る。
【0048】架橋剤を溶解させる為に使用する溶媒は、
特に限定されないが、一般的には、ポリコハク酸イミド
に用いる溶媒と同じでもよい。すなわち、先に述べたポ
リコハク酸イミドに対する良溶媒及び貧溶媒として例示
した溶媒群から選択される一種以上の溶媒を用いても構
わない。ただし、ポリコハク酸イミドに対する良溶媒及
び貧溶媒と、架橋剤に対する良溶媒及び貧溶媒は、必ず
しも一致するとは限らない。架橋剤を溶解させる為に使
用する溶媒としては、一般に、良溶媒のみを用いること
が好ましい。また、良溶媒と貧溶媒を併用する場合は、
通常、良溶媒、貧溶媒とが均一相となるものが好まし
い。その混合比は、特に限定されないが、ポリコハク酸
イミドの架橋反応の均一性が過度に損なわれない混合比
にする。
【0049】(2)架橋剤を溶媒に分散させた分散液 架橋剤を溶媒に分散させた分散液は、均一溶液に可能な
限り近い状態であることが好ましい。分散液として用い
る溶媒は、架橋剤に対する良溶媒と貧溶媒の混合溶媒、
又は、貧溶媒である。分散液中の架橋剤の粒子サイズに
関しては、先に述べた分散液中のポリコハク酸イミドの
粒子サイズと同様である。
【0050】(3)架橋剤の融点以上にある溶融液 架橋剤が適当な融点を有する場合には、融点以上の温度
にして得た溶融液を、液状の架橋剤として用いても構わ
ない。
【0051】[架橋剤の使用量]架橋剤の使用量は、特
に限定されない。架橋ポリアスパラギン酸系樹脂及び/
又は架橋ポリコハク酸イミドの用途に応じた性能、性質
が発現できる架橋度が得られるように、適宜、架橋剤の
使用量を決定すればよい。ここで架橋度とは、架橋間の
距離又は構成単量体単位の数、もしくはポリマー主鎖に
対する架橋部分の割合の度合いを表す。
【0052】架橋剤の量は、一般的には、ポリコハク酸
イミドの単量体単位の総数に対して、好ましくは0.0
01〜80モル%、より好ましくは0.01〜30モル
%、特に好ましくは0.1〜20モル%とする。一般的
には、架橋剤の使用量が多すぎると、架橋度が高くなり
すぎ、例えば、そのポリコハク酸イミドから製造した架
橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水能が低下する。逆
に、架橋剤の使用量が少なすぎると、架橋度が低くなり
すぎ、最終的に水溶性となり、例えば、そのポリコハク
酸イミドから製造したポリアスパラギン酸系樹脂は吸水
能を示さない。
【0053】架橋剤としてリジン等のアミノ酸を用いる
場合には、使用する架橋剤中のカルボン酸のうち少なく
とも一部が中和され、塩(例えばリジン金属塩)となっ
ていることが好ましい。塩となっている架橋剤の量は特
に限定されないが、全架橋剤量を基準として、中和され
た架橋剤の量は、好ましくは0.1〜100%、より好
ましくは10〜99%、特に好ましくは30〜95%、
最も好ましくは40〜90%である。適度な中和率とす
ることで、良好な収率で部分架橋ポリコハク酸イミド及
び/又は架橋ポリコハク酸イミドを得ることができる。
【0054】[触媒]架橋反応においては必要に応じ触
媒を使用してもよい。ポリコハク酸イミドの架橋反応の
触媒としては、一般的には、塩基触媒が用いられる。
【0055】塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の
金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等
の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の
金属酢酸塩、シュウ酸ナトリウム等の金属塩、アンモニ
ア等の無機系塩基試剤;トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
ペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノール
アミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミ
ン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エ
チルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチ
ルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミ
ン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等のアミン等
の有機系塩基試剤が挙げられる。
【0056】[架橋反応工程]本発明では、工程1(第
1架橋反応工程)と、工程2(第2架橋反応工程)の2
段階の架橋反応工程により、架橋ポリコハク酸イミドを
連続的に製造する。
【0057】本発明では、通常、架橋剤の複数の反応性
官能基が、ポリコハク酸イミドと段階的に反応し、段階
的に架橋度が増大する。このような過程において、ポリ
コハク酸イミドの架橋度を適切に調整することにより、
架橋ポリコハク酸イミドを高い生産性で連続して製造で
きる。
【0058】以下に、工程1及び工程2について、詳細
を説明する。
【0059】(1)工程1(第1架橋反応工程) 工程1(第1架橋反応工程)においては、液状のポリコ
ハク酸イミドと液状の架橋剤とを、触媒の存在下又は非
存在下に、連続的に混合し、滞留時間10分以下にて連
続的に反応せしめ、液状の部分架橋架橋ポリコハク酸イ
ミドを連続的に製造する。
【0060】工程1で得られる液状の部分架橋ポリコハ
ク酸イミドは、工程2(又は工程2−1)において固体
状の架橋ポリコハク酸イミドを連続的に生成できる程度
の適度な架橋度を有する。また、この液状の部分架橋ポ
リコハク酸イミドは、好ましくは均一性の良好な反応物
である。そして、この液状の部分架橋ポリコハク酸イミ
ドと、例えば、液状のポリコハク酸イミド及び/又は液
状の架橋剤を調製する為に使用した溶媒(以下「架橋溶
媒」と称す)とが混在し、部分架橋ポリコハク酸イミド
の少なくとも一部がその架橋溶媒に溶解した溶液の状
態、あるいは、部分架橋ポリコハク酸イミドが架橋溶媒
に分散した分散液の状態にある。
【0061】工程1の滞留時間は10分以下であり、好
ましくは0.1秒〜30分、より好ましくは1秒〜10
分、特に好ましくは10秒〜10分、最も好ましくは1
分〜5分である。短すぎない滞留時間にすれば、反応が
十分進行し、収率が向上する。一方、滞留時間が長すぎ
ると、工程2(又は工程2−1)において、固体状の架
橋ポリコハク酸イミドを連続的に生成することが困難に
なる。
【0062】工程1における処理温度は、5〜300℃
が好ましく、10〜100℃がより好ましい。これら各
温度範囲の上限値は、十分な混合状態が得られる前に架
橋反応が進行し、架橋度の不均一性が生じて収率が低下
するという問題を防止し、かつポリコハク酸イミド及び
/又は架橋剤の変性を抑制する点等において意義が有
る。下限値は、液状のポリコハク酸イミドや液状の架橋
剤の粘性を適度に抑え、混合時間を短縮する点等におい
て意義が有る。
【0063】工程1における処理圧力は特に限定され
ず、加圧系、常圧系、真空系の何れでも構わない。通常
は、50MPa以下が好ましく、10MPa以下がより
好ましく、1MPa以下が特に好ましい。これら各圧力
範囲の上限値は、高耐圧を必要とせず、装置設計が容易
になり、装置が安価になる点等において意義が有る。
【0064】工程1に使用する反応装置は、特に限定さ
れない。例えば、管型反応装置などが好適である。ま
た、反応装置は、静止型混合器[例えば、Kenics mixe
r、Sulzer SMX、Sulzer SMV等(何れも商標名)]を含
んでも構わない。また、1つ又は複数の回転攪拌軸を有
する混合装置[例えば、横形二軸式攪拌装置、横形混練
式攪拌装置、二軸式押出機等]を用いても構わない。ま
た、『改訂六版 化学工学便覧』(編者:社団法人 化
学工学会、発行所:丸善株式会社、1999年)の『7
攪拌』(421〜454頁)、『6 伝熱・蒸発』
(343〜420頁)、『5 流動』(283〜342
頁)に記載されている装置を用いることもできる。
【0065】(2)工程2(第2架橋反応工程) 工程2(第2架橋反応工程)においては、工程1(第1
架橋反応工程)で製造した液状の部分架橋ポリコハク酸
イミドと、有機溶剤とを連続的に混合して、固体状の部
分架橋ポリコハク酸イミドを生成し、滞留時間10時間
以下にて連続的に反応せしめ、架橋ポリコハク酸イミド
を連続的に製造する。
【0066】また、工程2(第2架橋反応工程)を、工
程2−1(造粒工程)と工程2−2(架橋反応工程)と
に分けて実施しても構わない。この工程2−1(造粒工
程)は、工程1(第1架橋反応工程)で製造した液状の
部分架橋ポリコハク酸イミドと、有機溶剤とを連続的に
混合して、固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドを連続
的に製造する工程である。また、工程2−2(架橋反応
工程)は、工程2−1(造粒工程)で製造した固体状の
部分架橋ポリコハク酸イミドを連続的に反応せしめ、架
橋ポリコハク酸イミドを連続的に製造する工程である。
この場合、工程2−1と工程2−2の総滞留時間は10
時間以下にする。
【0067】工程2(又は工程2−1)においては、液
状の部分架橋ポリコハク酸イミドと有機溶剤とを連続的
に混合することによって、固体状の部分架橋ポリコハク
酸イミドを生成する。例えば、先に述べたように、架橋
溶媒(液状のポリコハク酸イミド及び/又は液状の架橋
剤を調製する際に使用した溶媒)を含有した液状の部分
架橋ポリコハク酸イミドを用いた場合は、その液状の部
分架橋ポリコハク酸イミドに対し貧溶媒でありかつ架橋
溶媒に対しては良溶媒である有機溶剤を混合することに
よって、固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドが生成す
る。
【0068】工程2(又は工程2−1)において、固体
状の部分架橋ポリコハク酸イミドを生成する為に用いる
有機溶剤としては、炭素原子数1〜20のアルコール、
炭素原子数3〜20のケトン及び炭素原子数3〜20の
エーテルからなる群より選択された一種以上の有機溶剤
を含んでなるものが好ましい。さらに具体的には、先に
述べたポリコハク酸イミドに対する貧溶媒群のうち何れ
か1つ以上の溶媒(例えば、水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、イソ
プロピルエーテル等)を選択することが好ましい。これ
ら溶媒は単独でも、2種以上を混合して用いても構わな
い。特に、メタノール、イソプロピルアルコール、アセ
トンが好ましい。
【0069】工程2(又は工程2−1)で使用する有機
溶剤の量は、ポリコハク酸イミド1質量部当り、好まし
くは0.5〜100質量部、より好ましくは1〜50質
量部、特に好ましくは2〜30質量部、最も好ましくは
3〜10質量部である。上記各範囲の上限値は、溶媒回
収負荷を小さくし、経済的に有利にする点等において意
義が有る。下限値は、ゲル化等の発生を防止し、固体状
の架橋ポリコハク酸イミドを良好に得る点等において意
義が有る。
【0070】固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドを生
成する過程では、通常、液状の部分架橋ポリコハク酸イ
ミドに含有される架橋溶媒の少なくとも一部が、有機溶
剤中に分配される。液状の架橋ポリコハク酸イミドを有
機溶剤と連続的に混合する際には、攪拌等を行い剪断力
を与えても構わない。
【0071】固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドは、
液状の部分架橋ポリコハク酸イミドと同等、またはそれ
以上の架橋度を有する。また、固体状の部分架橋ポリコ
ハク酸イミドは、好ましくは、均一性の良好なスラリー
状態を形成できる粒子状反応物である。
【0072】工程2においては、上述のようにして得た
固体状の部分架橋ポリコハク酸イミドを、好ましくは加
熱することにより反応せしめ、架橋ポリコハク酸イミド
を連続的に製造する。ここで製造される架橋ポリコハク
酸イミドは、固体状の架橋ポリコハク酸イミドと同等以
上の架橋度を有する。また、架橋ポリコハク酸イミド
は、好ましくは、均一性の良好なスラリー状態を形成で
きる粒子状生成物である。また例えば、液状の部分架橋
ポリコハク酸イミドに貧溶媒を混合して固体化を行うと
同時に架橋反応を開始させてもよい。
【0073】工程2における処理温度は、特に限定され
ない。低すぎない温度であれば、短時間で架橋ポリコハ
ク酸イミドを得ることができ、かつ製造装置の小型化も
可能となる。また、高すぎない温度であれば、部分架橋
ポリコハク酸イミドの変性を防止できる。特に、固体化
(細粒化等)と共に架橋反応を行なう場合、その処理温
度は、10〜300℃が好ましく、10〜100℃がよ
り好ましく、20〜100℃が特に好ましい。また、固
体化と架橋反応を別々に行う場合、固体化の際の処理温
度は、10〜300℃が好ましく、15〜100℃がよ
り好ましく、20〜80℃が特に好ましく、また架橋反
応の際の処理温度は、10〜300℃が好ましく、30
〜150℃がより好ましく、40〜100℃が特に好ま
しい。
【0074】工程2における処理圧力は、特に限定され
ず、加圧系、常圧系、真空系の何れでもよく、使用する
有機溶剤の物性等に応じて選択すればよい。通常、その
圧力は、10MPa以下が好ましく、1MPa以下がよ
り好ましく、0.5MPa以下が特に好ましい。これら
各圧力範囲の上限値は、高耐圧を必要とせず、装置設計
が容易になり、装置が安価になる点等において意義が有
る。
【0075】工程2の滞留時間は10時間以下であり、
好ましくは1分〜10時間、より好ましくは10分〜8
時間、特に好ましくは30分〜5時間、最も好ましくは
1時間〜3時間である。短すぎない滞留時間にすれば、
反応が十分進行し、収率が向上する。一方、滞留時間が
長すぎると、大型の反応装置が必要となり装置設計が困
難になる。
【0076】工程2(又は工程2−1)で使用する装置
は特に限定されず、例えば、撹拌槽を用いることができ
る。また『改訂六版 化学工学便覧』(編者:社団法人
化学工学会、発行所:丸善株式会社、1999年)の
『12 抽出・液液反応』(637〜688頁)、『7
攪拌』(421〜454頁)、『6 伝熱・蒸発』
(343〜420頁)に記載されている装置及び方法を
用いることもできる。
【0077】[反応装置の材質]工程1及び工程2にお
いて用いる反応装置としては、液状のポリコハク酸イミ
ド、液状の架橋剤、液状の部分架橋ポリコハク酸イミ
ド、固体状の架橋ポリコハク酸イミド、架橋ポリコハク
酸イミドのうち1つ以上が付着しにくい材質のものを使
用することが好ましい。特に、架橋ポリマー(部分架橋
ポリコハク酸イミド及び架橋ポリコハク酸イミド)は、
通常、粘性及び付着性を有するため、架橋ポリマーが付
着しにくい材質を使用することが重要である。付着しや
すい材質を用いると、反応装置における圧力損失が過大
となったり、閉塞を生じる場合がある。また、使用する
溶媒、架橋剤等による腐食、劣化等が生じにくい材質を
使用することが好ましい。
【0078】このような条件を満足する好ましい材質と
しては、例えば、金属類、樹脂類、ゴム類等が挙げられ
る。特に、架橋ポリマーの付着性が高い場合は、例え
ば、四フッ化樹脂、四−六フッ化樹脂、PFA樹脂、三
フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重
合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂等のフ
ッ素系樹脂、ポリシロキサン、シリコーンゴム等のシリ
コーン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、メチ
ルペンテン樹脂、フェノール樹脂、天然ゴム、スチレン
ゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム等が好ま
しい。これらのうち、耐溶剤性、架橋ポリマーに対する
低付着性の点で、四フッ化樹脂、四−六フッ化樹脂、P
FA樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニ
ル樹脂等のフッ素樹脂、ポリシロキサン、シリコーンゴ
ム等のシリコーン系樹脂が特に好ましい。
【0079】反応装置は、前記材質(金属類、樹脂類、
ゴム類等)から選択される1種の材質で構成してもよい
し、2種以上の材質で構成してもよい。また、必要に応
じ、金属(ステンレス鋼等)を主たる材質に用いて、液
状の未架橋ポリマー、液状の架橋剤又は架橋ポリマーと
接する部分の少なくとも一部に、前記樹脂類及び/又は
ゴム類をライニングあるいはコーティングして使用して
も構わない。
【0080】[架橋ポリコハク酸イミドを単離する工
程]本発明では、架橋反応後、反応に用いた溶媒(架橋
溶媒)を分離することで架橋ポリコハク酸イミドを単離
することが好ましい。単離操作は、連続式及び/又は回
分式に操作により実施できる。また、架橋反応後、架橋
溶媒や塩類(例えば、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム等)を分離することで架橋ポリコハク酸イミドを単離
し、溶媒含有量の低減された架橋ポリコハク酸イミドを
製造できる。ただし、塩類については、必ずしも溶媒と
ともに分離されるとは限らない。
【0081】架橋ポリコハク酸イミド中の架橋溶媒の濃
度が、通常は50質量%以下、好ましくは10質量%以
下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質
量%以下、最も好ましくは0.1質量%以下となるよう
に架橋溶媒の分離を行って、架橋ポリコハク酸イミドを
単離することが好ましい。上記各範囲の上限値は、溶媒
を含有する架橋ポリコハク酸イミドが付着性を有する故
に、特殊な設備(例えば、移送、貯蔵等に関する設備)
が必要となるという問題を解消する点等において意義が
有る。
【0082】本発明における架橋ポリコハク酸イミドの
単離工程は、好ましくは、抽出工程、固液分離工程及び
乾燥工程から選択される少なくとも1つの工程からな
る。これらのうち、複数の工程を実施する場合、その順
序は限定されない。また、各工程は、複数回、繰り返し
ても構わない。さらに、各工程は、連続式及び/又は回
分式で実施することができる。以下に、各工程を説明す
る。
【0083】(1)抽出工程 抽出操作は、架橋ポリコハク酸イミドに対して貧溶媒で
ありかつ架橋溶媒に対しては良溶媒である溶媒を用いて
実施することが好ましい。例えば、溶媒としてDMFを
使用して製造した架橋ポリコハク酸イミドの場合は、先
に述べたポリコハク酸イミドに対する貧溶媒群のうちい
ずれか1つ以上の溶媒(例えば、水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、
等)を選択することが特に好ましい。これらの溶媒は、
単独でも、2種以上を混合して用いても構わない。ま
た、溶媒中に、塩類(例えば、塩化ナトリウム、リン酸
ナトリウム等)が含有されていても構わない。
【0084】抽出操作で用いる装置としては、例えば、
撹拌槽、固定床型抽出器、移動床型抽出器、ロトセル抽
出機等が挙げられる。また、『改訂六版 化学工学便
覧』(編者:社団法人 化学工学会、発行所:丸善株式
会社、1999年)の『12 抽出・液液反応』(63
7〜688頁)、『7 攪拌』(421〜454頁)、
『6 伝熱・蒸発』(343〜420頁)に記載されて
いる装置及び方法を用いることもできる。
【0085】抽出操作は、1段あるいは多段抽出で実施
される。多段抽出では抽出溶媒を向流式あるいは並流式
で使用するが、抽出溶媒の使用量が抑えられる点で、特
に向流式が好ましい。多段抽出操作においては、架橋溶
媒を含有する抽出溶媒を少なくとも一部の段階において
使用しても構わない。
【0086】抽出溶媒の使用量は、抽出操作後の架橋溶
媒や前記塩類の残濃度を決定する。抽出溶媒の使用量
は、通常、架橋ポリコハク酸イミド質量を基準として、
好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.3
〜60質量部、特に好ましくは0.5〜40質量部、最
も好ましくは1〜20質量部である。抽出溶媒を過剰に
用いると、抽出液中の架橋溶媒の残濃度が低くなるの
で、抽出後、架橋溶媒と抽出溶媒を分離する際の効率が
悪くなる。一方、抽出溶媒が少な過ぎると、抽出液中の
架橋溶媒濃度が増加するので、架橋ポリコハク酸イミド
に残存する架橋溶媒の濃度が増大する。抽出溶媒の使用
量をより少なくし、効率良く抽出操作を行うには、多段
向流型の抽出操作が好ましい。
【0087】また、多段抽出を行う場合には、各段の間
で、架橋ポリコハク酸イミドと、抽出液とを可能な限り
分離した後、次の段の操作を行うことが好ましい。具体
的には、架橋ポリコハク酸イミド100質量部当たりに
含有される抽出液が、一般的には100質量部以下、好
ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以
下、特に好ましくは10質量部以下、最も好ましくは5
質量部以下となるまで分離を行う。
【0088】抽出液と架橋ポリコハク酸イミドとの分離
は、具体的には、濾過機、遠心分離機、沈降分離装置、
浮上分離装置あるいはそれらを組み合わせた工程により
実施できる。なお、架橋ポリコハク酸イミドと抽出液を
分離した後、さらに、同じ種類あるいは異なる種類の抽
出溶媒を用いて、架橋ポリコハク酸イミドに含まれる抽
出液の置換洗浄を行ってもよい。置換洗浄操作1回当た
りに用いる抽出溶媒量は、架橋ポリコハク酸イミド1質
量部当たり、好ましくは0.01〜50質量部、より好
ましくは0.05〜10質量部、特に好ましくは0.1〜
5質量部である。
【0089】抽出操作の温度は、5〜300℃が好まし
い。この温度が5℃未満であると、架橋ポリコハク酸イ
ミドの架橋溶媒残濃度が高くなる。一方、300℃を超
えると、架橋ポリコハク酸イミドの一部が変性し、分子
量が低下し、場合によっては着色し、ポリマーの品質低
下を招く。この温度は、10〜200℃が好ましく、1
5〜150℃がより好ましく、20〜100℃が特に好
ましい。
【0090】抽出操作の圧力は、使用する抽出溶媒の物
性で決定される。抽出操作を行う温度が、抽出溶媒の臨
界温度より低い場合は、少なくとも一部に液相が存在す
る圧力とする。例えば、窒素、二酸化炭素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で抽出を行う場合は、そのガスに
より、抽出温度での抽出溶媒の飽和蒸気圧以上に加圧す
るとよい。抽出操作を行う温度が、抽出溶媒の臨界温度
より高い場合は、架橋溶媒の少なくとも一部が抽出溶媒
に溶解する圧力とする。
【0091】多段抽出を行う場合には、各段における温
度及び/又は圧力を、前記の範囲内で異なる値に設定し
てもよい。
【0092】抽出操作に要する時間は、一般的には0.
5秒〜12時間、好ましくは1秒〜5時間、より好まし
くは3秒〜3時間、特に好ましくは5秒〜2時間、最も
好ましくは10秒〜60分である。ここで、抽出時間と
は、抽出を行う温度下で、ポリマーと抽出溶媒及び/又
は抽出液が接触している時間とする。抽出に長時間を要
すると、大型の装置が必要になり、装置設計が困難であ
る。一方、抽出時間が短すぎると、架橋溶媒や塩類の分
離が十分に実施できない虞がある。
【0093】(2−2)固液分離工程 固液分離操作としては、先に述べた多段抽出の各段の間
で行う分離操作と同様な方法が挙げられる。すなわち、
具体的には、濾過機、遠心分離機、沈降分離装置、浮上
分離装置あるいはそれらを組み合わせた工程により分離
工程を実施できる。
【0094】(2−3)乾燥工程 乾燥工程では、架橋ポリコハク酸イミドに含有される架
橋溶媒及び/又は抽出溶媒を乾燥することにより、実質
的に溶媒を含有しない架橋ポリコハク酸イミドを製造で
きる。乾燥操作は、真空系、常圧系、加圧系のうち少な
くとも1つ以上の圧力条件下において実施できる。
【0095】具体的には、例えば、熱風移送型乾燥器、
材料攪拌型乾燥器(流動層乾燥機等)、材料搬送及び静
置型乾燥器、円筒乾燥器、赤外線乾燥器、マイクロ波乾
燥器及び過熱蒸気乾燥器からなる群より選択される少な
くとも一つの装置を用いて、連続式又は回分式の乾燥操
作を行うことができる。また、『改訂六版 化学工学便
覧』(編者:社団法人 化学工学会、発行所:丸善株式
会社、1999年)の『14 調湿・水冷却・乾燥』
(735〜788頁)、『7 攪拌』(421〜454
頁)、『6 伝熱・蒸発』(343〜420頁)に記載
されている装置及び方法を用いることもできる。
【0096】乾燥操作は、架橋ポリコハク酸イミドの着
色や変性を防止するため、通常、系内の酸素濃度が低減
された条件下、又は、酸素濃度が実質的に0%である条
件下で実施することが好ましく、前記の不活性ガス中で
実施することが好ましい。
【0097】乾燥操作を行う際の、架橋ポリコハク酸イ
ミドの温度は、5〜300℃が好ましい。温度が5℃未
満であると、通常、架橋ポリコハク酸イミドの乾燥に長
時間を要する。また、300℃を超えると、通常、架橋
溶媒及び/又は抽出溶媒を含有していることによって、
架橋ポリコハク酸イミドの一部が変性し、分子量が低下
し、場合によっては着色し、ポリマーの品質低下を招く
ことがある。この温度は、20〜200℃がより好まし
く、40〜150℃が特に好ましく、50〜120℃が
最も好ましい。
【0098】乾燥操作は、真空系、常圧系、加圧系の何
れでも構わない。特に、乾燥操作の圧力は、0.000
001〜5MPaが好ましく、0.00001〜1MP
aがより好ましい。圧力が低すぎると、通常、高真空に
対応した装置の設計が困難である。逆に、圧力が高すぎ
ると、通常、架橋溶媒が十分に分離されない場合があ
る。
【0099】乾燥操作に要する時間は、一般的には1秒
〜20時間、好ましくは30秒〜5時間、より好ましく
は1分〜3時間、特に好ましくは5分〜2時間である。
乾燥に長時間を要すると、通常、大型の装置が必要にな
り、装置設計が困難である。一方、乾燥時間が短すぎる
と、通常、本工程による架橋溶媒の分離が十分に実施で
きない虞がある。
【0100】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方
法]以上説明した本発明の方法により製造した架橋ポリ
コハク酸イミドを用いて、(生)分解性及び吸水性を有
する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造することがで
きる。すなわち、例えば、工程Aとして、以上説明した
本発明の方法により架橋ポリコハク酸イミドを製造する
連続式工程と、工程Bとして、工程Aで製造した架橋ポ
リコハク酸イミドの分子中のイミド環の少なくとも一部
を加水分解反応することにより、架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂を製造する連続式及び/又は回分式工程とを含
む方法により、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造で
きる。
【0101】また例えば、工程Aとして、以上説明した
本発明の方法により架橋ポリコハク酸イミドを製造する
連続式工程と、工程Bとして、工程Aで製造した架橋ポ
リコハク酸イミドを単離する連続式及び/又は回分式工
程と、工程Cとして、工程Bで単離した架橋ポリコハク
酸イミドの分子中のイミド環の少なくとも一部を加水分
解反応することにより、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
を製造する連続式及び/又は回分式工程とを含む方法に
より、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造できる。
【0102】なお、これら架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の製造方法のうち、架橋ポリコハク酸イミドを単離す
る連続式及び/又は回分式工程としては、先に説明した
架橋ポリコハク酸イミドの単離工程を実施すればよい。
【0103】[架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の加
水分解]架橋ポリコハク酸イミドの分子中のイミド環の
少なくとも一部を加水分解反応すると、そのイミド環は
開環してアスパラギン酸構造をとり、架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂が得られる。ここで架橋ポリコハク酸イミ
ドは、先に述べた通り、溶媒が完全に分離された状態
(溶媒濃度0質量%)でも、所望量の溶媒を含有した状
態でも構わない。
【0104】加水分解操作は、例えば、溶媒中で架橋ポ
リコハク酸イミドを懸濁させ、塩基性下で行う。pH
は、例えばアルカリ水溶液の濃度によって調節し、好ま
しくはpH7.5〜13、より好ましくはpH8〜1
2、さらに好ましくはpH9〜11とする。pHが高す
ぎると、通常、アミド結合の加水分解が生じ、生成する
樹脂の吸水性能、収率が低下する。逆に、pHが低すぎ
ると、通常、加水分解反応が遅くなり、実用的でない。
【0105】加水分解操作に使用するアルカリ水溶液
は、特に限定されない。具体的には、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水
酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム
等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等の金属炭酸水素塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム
等の金属酢酸塩、シュウ酸ナトリウム等の金属塩、アン
モニア水等が挙げられる。この中で、安価な、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0106】加水分解操作を行う温度は、好ましくは5
〜100℃、特に好ましくは10〜60℃である。温度
が高すぎると、通常、アミド結合の加水分解が生じ、生
成する樹脂の吸水性能、収率が低下する。逆に、温度が
低すぎると、通常、加水分解反応が遅くなり、実用的で
はない。
【0107】加水分解操作は、少なくとも一部に液相が
存在する圧力であれば、常圧系でも、減圧系でも構わな
い。安定した加水分解操作が実施できればよい。圧力
は、通常30MPa以下とすることが好ましく、5MP
a以下とすることがより好ましい。 加水分解操作を行
う時間は、反応条件によって変わるが、一般に、好まし
くは1分〜30時間、より好ましくは5分〜15時間、
特に好ましくは10分〜10時間、最も好ましくは30
分〜5時間である。反応時間が短すぎると、通常、イミ
ド環の加水分解が十分でないために、吸水性能の低下が
生じる。逆に、反応時間が長すぎると、通常、アミド結
合部分の加水分解も進行し、生成する樹脂の吸水性能、
収率が低下する。
【0108】加水分解操作における溶媒は、通常、水単
独、又は、水と貧溶媒及び/又は塩類との混合溶媒であ
る。溶媒の使用量は、容積効率を高めるために、生成す
る吸水性樹脂の0.5〜50質量倍が好ましく、特に1
〜10質量倍が好ましい。
【0109】使用する貧溶媒は、特に限定されないが、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、
2−エトキシエタノール等のアルコール類、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げ
られる。この中で、吸水性樹脂として乾燥する際に特に
乾燥が容易であり、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留
しにくい点で、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、アセトンが好ましい。
【0110】使用する塩類は、特に限定されないが、例
えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、有機スルホン
酸、有機カルボン酸等の金属塩もしくは有機塩基塩、酸
化物等が挙げられる。金属塩の金属としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム
等が挙げられる。なお、塩類は、加水分解操作の過程
で、系内の酸性成分が中和されて生成したものであって
も構わない。
【0111】溶媒中の塩類を考慮せずに、水、貧溶媒の
2成分のみで評価した場合の水濃度は、好ましくは5〜
95質量%、より好ましくは20〜80質量%、特に好
ましくは40〜60質量%とする。水濃度が高すぎる
と、通常、系内がゲル状となって攪拌が困難になる場合
がある。
【0112】水と塩類、又は、水、貧溶媒及び塩類から
なる溶媒中における塩類濃度は、20質量%以下が好ま
しく、10質量%以下がより好ましい。通常、塩類の濃
度が低すぎる場合は効果が小さく、濃度が高すぎる場合
は、塩類が製品中に残存する場合がある。
【0113】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の後処
理]架橋ポリコハク酸イミドのイミド環をアルカリ加水
分解反応させて生成した架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の後処理については、特に限定されない。例えば、中和
処理、塩交換処理、乾燥、精製、造粒、粉砕、分級、表
面架橋処理等を、必要に応じて行えばよい。以下、特に
中和処理及び乾燥について説明する。
【0114】(1)架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の中
和処理 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の中和処理は、必要に応
じて行えばよい。中和処理は、加水分解反応後の架橋ポ
リアスパラギン酸系樹脂を含む反応液が、所望のpH
(例えばpH7)となるように、酸や塩基等を添加して
実施される。この中和処理により、架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の分子内に存在するカルボキシル基が塩とな
っている割合(中和度)を調整することができる。この
中和度は、特に限定されないが、一般的には架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の分子内の、全アスパラギン酸残基
の総数を基準として、塩を形成するカルボキシル基の割
合は、通常、0〜95mol%が好ましく、30〜80
mol%がより好ましい。
【0115】中和処理の方法は特に限定されないが、加
水分解反応後に、酸、及び/又は、塩基を添加してpH
を調整する方法が一般的である。使用する酸の具体例と
しては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫
酸、硝酸、亜硝酸、炭酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、ベンゼンホスホン酸等が挙げられる。
また、使用する塩基の具体例としては、前記のアルカリ
水溶液が挙げられる。
【0116】(2)架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の乾
燥 吸水性樹脂の乾燥方法は特に制限されない。乾燥は、常
圧下又は減圧下において、回分式又は連続式操作で行
う。具体的には、材料静置型乾燥器、材料移送型乾燥
器、材料撹拌型乾燥器、熱風移送型乾燥器、円筒乾燥
器、赤外線乾燥器、高周波乾燥器からなる群より選択さ
れる、少なくとも一つの装置を用いて乾燥操作を行う。
また、『改訂六版 化学工学便覧』(編者:社団法人 化
学工学会、発行所:丸善株式会社、1999年)の『1
4 調湿・水冷却・乾燥』(735〜788頁)、『7
攪拌』(421〜454頁)、『6 伝熱・蒸発』(3
43〜420頁)に記載されている装置及び方法を用い
ることもできる。乾燥操作における架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の温度は、一般的に、20〜200℃が好ま
しく、50〜120℃がより好ましい。温度が高すぎる
と、通常、架橋度の低下が生じ、吸水性能が低下する。
逆に、温度が低すぎると、乾燥に時間がかかり、大型の
装置が必要になる。
【0117】乾燥操作後の吸水性樹脂中に含有される溶
媒(水を含む)量は、用途によって適宜調整される。具
体的には、吸水性樹脂100質量部当たり、通常は50
質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましく
は10質量部以下、特に好ましくは7質量部以下、最も
好ましくは5質量部以下とする。
【0118】また、乾燥後の吸水性樹脂に対して、場合
により、さらに造粒処理、表面架橋処理等を施してもよ
い。
【0119】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の形状]
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の形状は、不定形破砕
状、球状、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パ
ール状、微粉末状、繊維状、棒状、フィルム状、シート
状等、用途によって好ましい形状を選択して使用でき
る。また、繊維状基材や多孔質状や発泡体あるいは造粒
物であってもよい。
【0120】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の粒子サイ
ズ(平均粒子直径)は、特に限定されないが、用途によ
って調整することも好ましい。
【0121】例えば、紙オムツ用の場合は、高い吸水速
度とゲル・ブロッキングが起こらないことが望まれるの
で、通常、平均粒子径50〜1000μmが好ましく、
100〜600μmがより好ましい。また、止水材等、
他の樹脂への練り混み等に用いる場合は、通常、1〜1
0μmが好ましく、農園芸用の保水材等に用いる場合に
は、土中への混合性を考慮すると、通常、100μm〜
5mmが好ましい。
【0122】これら形状を得る為の操作は特に限定され
ない。例えば、粉砕、分級及び造粒からなる群より選択
される少なくとも1つ以上の操作が好ましく実施され
る。また、これら操作は、連続式、及び/又は、回分式
で実施することができる。
【0123】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の使用の
形態]架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の使用の形態は、
特に限定されず、単独でも、他の素材と組み合わせて使
用してもよい。例えば、他の樹脂と組合せて用いる場
合、熱可塑性樹脂に混練りして射出成形等にて成形する
方法、構成樹脂のモノマーと酸性ポリアミノ酸系樹脂及
び必要により開始剤を混合後、光もしくは熱等で重合す
る方法、樹脂と架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を溶剤に
分散させ、キャストし、溶剤を除去する方法、プレポリ
マーと架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を混合後、架橋す
る方法、樹脂と架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を混合
後、架橋する方法等がある。
【0124】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の成型品
は、特に限定されず、例えば、固形物、シート、フィル
ム、繊維、不織布、発泡体、ゴム等として使用できる。
その成型方法も、特に限定されない。
【0125】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、単独で
も、他の素材との組み合わせによる複合体でも構わな
い。複合体の構造は特に限定されないが、例えば、パル
プ層、不織布等にはさみ、サンドイッチ構造にする方
法、樹脂シート、フィルムを支持体として多層構造とす
る方法、樹脂シートにキャストし、二層構造とする方法
等がある。例えば、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂をシ
ート状に成形加工すれば、吸水性シート(吸水性フィル
ムも包含する)が得られる。
【0126】また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、
必要により、1種以上の他の吸水性樹脂と混合して用い
ても良い。また、必要により、食塩、コロイダルシリ
カ、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン
粉末等の無機化合物、キレート剤等の有機化合物を添加
しても構わない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、
紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香
料、消臭剤、顔料等を混合しても構わない。
【0127】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、ゲル状
でも固形物としても使用できる。例えば、農園芸用保水
材、切り花延命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤等に使用す
る場合はゲルとして用い、紙おむつ用吸収体等は固形物
として用いる。
【0128】[架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の用途]
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の用途は特に限定され
ず、従来の吸水性樹脂が使用できる用途のいずれにも使
用できる。
【0129】例えば、生理用品、紙おむつ、母乳パッ
ト、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレッシン
グ材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療用品、
ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭
剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、シャン
プー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリー用
品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フローラル
フォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽培
植生シート、種子テープ、流体播種用媒体、結露防止用
農業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保
持材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、
生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止
用建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工
法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パ
ッキング等の土木建築資材、電子機器、光ファイバー等
のシール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用
記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリ
ン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用の
り、水膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、
徐放性薬剤、湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0130】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0131】[吸水量の評価]吸水量は、以下のティー
バッグ法にて測定した。ティーバッグ法による吸水量の
測定は、生理食塩水、及び蒸留水を対象として行った。
まず、乾燥した吸水性樹脂(粒子径100〜500μm
を有する乾式分級品)0.02gを、不織布製のティー
バッグ(80mm×50mm)に入れ、過剰の対応する
溶媒中(生理食塩水、又は蒸留水)に該樹脂を40分間
浸し、その後ティーバッグを引き上げて10秒間水切り
を行い、さらに24枚重ねのティッシュペーパー上で1
0秒間水切りを行い、この膨潤した樹脂を含むティーバ
ッグの質量を測定した。その質量から、同様な操作をテ
ィーバッグのみで行った場合のブランク質量と、乾燥時
の吸水性樹脂の質量を、減じた値を、吸水性樹脂の質量
で除した値、即ち、吸水性樹脂の単位質量当たり吸水質
量(g/g−ポリマー)を評価した。なお、生理食塩水
には、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用いた。
【0132】[実施例1]ポリコハク酸イミド(重量平
均分子量11万)10gを、ジメチルホルムアミド(D
MF)40gに溶解し、ポリマー濃度20質量%の均一
溶液A(ポリマー溶液)を得た。また、22.4質量%
に調製した水酸化ナトリウム水溶液58.0gに、リジ
ン・1塩酸塩40.0gを加え、均一溶液B(架橋剤溶
液)を調製した。また、架橋反応装置として、ポンプA
に接続された流路Aと、ポンプBに接続された流路Bが
合流する構造からなる混合部、及び、フッ素樹脂(PT
FE)製の管型反応器(内径4.3mm)で装置を構成
した。
【0133】ポンプAを用いて、溶液A(ポリマー溶
液)を流量5.0g/分で供給した。一方、ポンプBを
用いて、溶液B(架橋剤溶液)を流量0.70g/分で
供給した。この流量における30℃に加熱された管型反
応部での滞留時間は2.5分であり、架橋反応部出口か
らは、連続的に液状の架橋物(液状の部分架橋ポリコハ
ク酸イミド)が流出した。
【0134】この液状の部分架橋ポリコハク酸イミド
を、架橋反応器出口流路に接続した攪拌槽(50℃、メ
タノール)中に連続的に導入した。50℃のメタノール
中に導入した部分架橋ポリコハク酸イミドは、細粒状の
固体となった。この細粒状の部分架橋ポリコハク酸イミ
ドを、攪拌槽内での滞留時間2時間で、均一なスラリー
として攪拌槽から連続的に流出させた。このスラリーを
30分間サンプリングし、ろ過を行なって架橋ポリコハ
ク酸イミドを一旦回収した。次いで、さらにメタノール
を用いて、50℃下でDMFを分離するための抽出操作
を行い、再度ろ過を行ない、架橋ポリコハク酸イミドを
回収した。真空乾燥後、粉状の架橋ポリコハク酸イミド
37.3gを得た。
【0135】次に、攪拌装置を備えた加水分解反応器
に、蒸留水20.0g、メタノール30.0g、及び、そ
の粉状の架橋ポリコハク酸イミドのうち10.0gを仕
込み、室温下で攪拌した。10質量%水酸化ナトリウム
水溶液を、加水分解反応器中に連続的に滴下し、pHを
11〜12の範囲に維持しながら、1時間、加水分解反
応を行ったところ、ゲル状の生成物を得た。次いで、塩
酸を用いて中和処理し、pH7に調整した。この反応マ
スを、メタノールを用いてゲル状からスラリー状に変化
させ、ろ過を行ってポリマーを回収し、真空乾燥して、
粉状の架橋ポリアスパラギン酸系樹脂11.8gを得
た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の蒸留水に対す
る吸水量は600[g/g−ポリマー]、生理食塩水に
対する吸水量は、65[g/g−ポリマー]であった。
【0136】[比較例1]ポリコハク酸イミド(重量平
均分子量11万)10gを、DMF40gに溶解し、ポ
リマー濃度20質量%の均一溶液A(ポリマー溶液)を
得た。また、蒸留水3.4g、25%水酸化ナトリウム
水溶液2.8g、リジン・1塩酸塩2.2gを混合し、均
一溶液B(架橋剤溶液)を調製した。
【0137】溶液A(ポリマー溶液)をガラス製反応容
器に入れ、500rpmで攪拌した。10分後、溶液B
(架橋剤溶液)を30秒かけて反応容器内に滴下し、溶
液Aと混合した。反応容器内の反応液は経時的に粘性が
増大し、溶液Bを滴下し始めてから約2分後、攪拌翼に
生成したゲルが巻きつき、それ以上の操作はできなかっ
た。攪拌翼及び反応容器内には、ゲルが固着し、取り除
くのが極めて困難であった。
【0138】[実施例と比較例の比較・考察]比較例1
では、ポリマー溶液に架橋剤溶液を滴下してそのまま架
橋反応させたので、架橋反応の際に塊状のゲル化を生
じ、生産性が極めて低かった。一方、実施例1では、2
段階の工程に分けて架橋反応させたので、架橋ポリコハ
ク酸イミドを連続的に高い生産性で製造でき、さらにそ
の架橋ポリコハク酸イミドから、高い吸水性を発現する
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂も製造できた。
【0139】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、優
れた(生)分解性及び吸水性を有する架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂の前駆体として有用な架橋ポリコハク酸イ
ミドを、高い生産性で製造できる連続式製造方法を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 府川 進 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 助川 誠 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA55 AC46 AE08 GB02 GB05 GB10 4J001 DA01 EA36 FA03 FB01 FC01 GE11 JA01 JA13 JA20 4J043 PA02 PA15 PA19 QB06 RA05 SA05 SA62 SB01 UA761 YB02 ZB34 ZB47 ZB60

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程1(第1架橋反応工程)として、液
    状のポリコハク酸イミドと液状の架橋剤とを連続的に混
    合し、滞留時間10分以下にて連続的に反応せしめ、液
    状の部分架橋ポリコハク酸イミドを連続的に製造する工
    程と、 工程2(第2架橋反応工程)として、工程1(第1架橋
    反応工程)で製造した液状の部分架橋ポリコハク酸イミ
    ドと、有機溶剤とを連続的に混合して、固体状の部分架
    橋ポリコハク酸イミドを生成し、滞留時間10時間以下
    にて連続的に反応せしめ、架橋ポリコハク酸イミドを連
    続的に製造する工程とを含むことを特徴とする架橋ポリ
    コハク酸イミドの連続式製造方法。
  2. 【請求項2】 工程2(第2架橋反応工程)が、 工程2−1(造粒工程)として、工程1(第1架橋反応
    工程)で製造した液状の部分架橋ポリコハク酸イミド
    と、有機溶剤とを連続的に混合して、固体状の部分架橋
    ポリコハク酸イミドを連続的に製造する工程と、 工程2−2(架橋反応工程)として、工程2−1(造粒
    工程)で製造した固体状の部分架橋ポリコハク酸イミド
    を連続的に反応せしめ、架橋ポリコハク酸イミドを連続
    的に製造する工程、を含み、かつ、 工程2−1(造粒工程)と工程2−2(架橋反応工程)
    の総滞留時間が10時間以下である請求項1記載の架橋
    ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  3. 【請求項3】 架橋剤が、ポリアミンである請求項1又
    は2記載の架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリアミンが、リジンである請求項3記
    載の架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  5. 【請求項5】 有機溶剤が、炭素原子数1〜20のアル
    コール、炭素原子数3〜20のケトン及び炭素原子数3
    〜20のエーテルからなる群より選択された一種以上の
    有機溶剤を含んでなる請求項1〜4の何れか一項記載の
    架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶剤が、メタノール、イソプロピル
    アルコール及びアセトンからなる群より選択された少な
    くとも一種以上の有機溶剤を含んでなる請求項5記載の
    架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  7. 【請求項7】 工程1(第1架橋反応工程)での処理温
    度が10〜100℃である請求項1〜6の何れか一項記
    載の架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  8. 【請求項8】 工程2(第2架橋反応工程)での処理温
    度が10〜100℃である請求項1〜7の何れか一項記
    載の架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  9. 【請求項9】 工程1(第1架橋反応工程)の滞留時間
    が、5分以下である請求項1〜8の何れか一項記載の架
    橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  10. 【請求項10】 工程2(第2架橋反応工程)の滞留時
    間が、5時間以下である請求項1〜9の何れか一項記載
    の架橋ポリコハク酸イミドの連続式製造方法。
  11. 【請求項11】 工程2−1(造粒工程)と工程2−2
    (架橋反応工程)の総滞留時間が、5時間以下である請
    求項2〜10の何れか一項記載の架橋ポリコハク酸イミ
    ドの連続式製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れか一項記載の方
    法により製造された架橋ポリコハク酸イミド。
  13. 【請求項13】 工程Aとして、請求項1〜11の何れ
    か一項記載の方法により架橋ポリコハク酸イミドを製造
    する連続式工程と、 工程Bとして、工程Aで製造した架橋ポリコハク酸イミ
    ドの分子中のイミド環の少なくとも一部を加水分解反応
    することにより、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造
    する連続式及び/又は回分式工程とを含むことを特徴と
    する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 工程Aとして、請求項1〜11の何れ
    か一項記載の方法により架橋ポリコハク酸イミドを製造
    する連続式工程と、 工程Bとして、工程Aで製造した架橋ポリコハク酸イミ
    ドを単離する連続式及び/又は回分式工程と、 工程Cとして、工程Bで単離した架橋ポリコハク酸イミ
    ドの分子中のイミド環の少なくとも一部を加水分解反応
    することにより、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造
    する連続式及び/又は回分式工程とを含むことを特徴と
    する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法。
  15. 【請求項15】 加水分解反応を、pH7.5〜pH1
    3.0の条件下で行なう請求項13又は14記載の架橋
    ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15の何れか一項記載の
    方法により製造された架橋ポリアスパラギン酸系樹脂。
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