JPH07316223A - 樹脂製品中の微量揮発物の除去方法 - Google Patents

樹脂製品中の微量揮発物の除去方法

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JPH07316223A
JPH07316223A JP13789294A JP13789294A JPH07316223A JP H07316223 A JPH07316223 A JP H07316223A JP 13789294 A JP13789294 A JP 13789294A JP 13789294 A JP13789294 A JP 13789294A JP H07316223 A JPH07316223 A JP H07316223A
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JP
Japan
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resin
trace
dry gas
article
powder
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JP13789294A
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English (en)
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Shinzou Kakiaya
慎三 貝阿弥
Koichi Takada
耕一 高田
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂製品中の微量揮発物の効率的除去方法を
提供する。 【構成】 樹脂製品中に含まれる微量揮発物を除去する
方法において、ペレット状、パール状もしくは粉体状の
樹脂製品を貯蔵した貯蔵槽(サイロ等)の底部より乾燥
空気などの乾燥気体を連続的もしくは断続的に流入せし
めることを特徴とする微量揮発物の除去方法。 【効果】 生産設備のオフラインであるサイロ等に貯蔵
中に、単に該サイロ等の底部から乾燥気体を流入せしめ
るだけで、容易に揮発成分含量の低い樹脂製品を効率よ
く得ることができる。しかも熱や電力等のユーティリテ
ィーを必要としないので極めて経済的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂製品中の微量揮発物
の除去方法に関する。さらに詳しくは、ペレット状、パ
ール状もしくは粉体状の樹脂製品中の微量揮発物を経済
的に効率よく除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂中の微量成分を除去する方法
としては、樹脂の合成後溶融状態で減圧あるいは乾燥気
体を液中に導入して長時間攪拌下で除去する方法;含水
ゲル状高分子あるいは懸濁重合物の場合は脱水後、乾燥
機中で乾燥除去する方法;などが一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では1重量%以下の微量成分を除去するためには
極めて長時間を要し、生産設備の生産性(時間当り)を
著しく阻害する。また、樹脂を長時間にわたって溶融状
態に保つことは、高温度による樹脂の解重合等の副反応
が起こり易く、微量揮発成分を0.1重量%程度または
それ以下にすることは実質的に極めて困難であった。さ
らに、これらの反応槽あるいは処理槽、乾燥機などを長
時間占有することは、生産設備の経済性を著しく阻害
し、採算性を悪化させる問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、ペレット状、パ
ール状もしくは粉末状の樹脂製品中に含まれる微量揮発
分を、経済的に効率よく、しかも生産設備からのオフラ
インで除去する方法を見いだし、本発明に到達した。す
なわち本発明は、樹脂製品中に含まれる微量揮発物を除
去する方法において、ペレット状、パール状もしくは粉
体状の樹脂製品を貯蔵した貯蔵槽の中に乾燥気体を流入
せしめることを特徴とする微量揮発物の除去方法であ
る。
【0005】さらに具体的には、これらの樹脂を生産ラ
インから離し、製品として貯蔵中に乾燥気体をサイロ等
の貯蔵槽の底部から流入せしめることにより、微量揮発
成分を除去する方法である。
【0006】本発明の作用は下記のとおりである。通
常、樹脂と揮発成分の分離には科学的に2つの段階があ
る。すなわち、揮発分が樹脂に対して相当量(通常1重
量%以上)あるときには、樹脂表面からの揮発もしくは
蒸発が揮発成分除去速度の律速段階であり、この段階で
は如何に多くの熱を当該樹脂に供給できるかが重要であ
る。しかし、揮発成分量が1重量%未満になると、揮発
成分が樹脂内部から表面に拡散することが揮発分除去速
度の律速であり、通称「拡散律速工程」と呼ばれてい
る。
【0007】この拡散律速工程の特徴は、拡散の活性化
エネルギーが通常5kcal/モル以下と非常に小さ
く、温度を上げることに対する揮発分除去速度向上の効
果は少ない。そこで、このような拡散律速工程での揮発
分除去速度向上には、表面更新を大きくすること、すな
わち表面積を大きくすることと、表面に浸透した揮発成
分の濃度を低くすることが重要となる。
【0008】本発明者らは、検討の結果、これらの樹脂
成分中の微量揮発成分を効率よく経済的に除去するに
は、前記拡散律速工程の特徴を有効に利用すべきとの結
論に至った。
【0009】すなわち、重合反応で樹脂化された製品
は、脱溶剤、乾燥、ペレット化などの後処理工程を経
て、ペレット状、パール状もしくは粉末状の樹脂製品と
して、サイロ等に出荷まで貯蔵される。これらのサイロ
等での貯蔵において、特徴的なことは下記の2点であ
る。 (1)樹脂製品はペレット化、パール化もしくは粉末化
しているので、成形前の溶融体に比べ、その表面積が著
しく大きくなっている。 (2)これらの貯蔵中の期間は、生産中のタイムスケー
ルである時間オーダーから日オーダーの長期間のタイム
スケールとなる。
【0010】これらの2つの特徴を利用して、ペレット
状、パール状もしくは粉体状の樹脂製品中に含まれる微
量揮発成分をサイロ等の底部より乾燥気体を流入するこ
とにより、経済的かつ効率的に該微量揮発成分を除去す
る方法を見いだすに至ったものである。
【0011】本発明の方法が適用される微量揮発成分と
しては、樹脂の重合体原料(いわゆる残存モノマー)
類、樹脂を製造するときに低粘度化等のために用いる溶
剤類、触媒または添加剤などの分解物、重合反応中に副
生する微量副反応物、パール重合等において分散媒とし
て用いる水、樹脂が溶融状態で熱分解反応した生成物な
どが含まれる。これらは通常分子量300以下の非イオ
ン性の低分子化合物である。
【0012】微量揮発成分の樹脂に対する割合は通常1
重量%以下であり、特に0.5重量%以下の場合に本発
明の方法が顕著に有効である。
【0013】本発明の方法が有効に適用される樹脂製品
としては、通称高分子薬剤〔例えば、三洋化成工業
(株)発行;「高分子薬剤入門」(1993)に記載〕
と呼ばれる機能性高分子製品が挙げられ、具体例として
はペレット状、パール状もしくは粉末状で使用される高
分子凝集剤、高吸水性樹脂、帯電防止剤、トナーバイン
ダー用樹脂などが挙げられる。これらのうち特にトナー
バインダー用樹脂は、コピー機を設置するオフィスの環
境問題から、残存モノマーや有機溶剤に由来する臭気成
分を取り除くことが厳しく求められ、本発明の方法が特
に顕著に効果を発揮する。
【0014】該樹脂製品を貯蔵するサイロとしては、円
柱状、逆ピラミッド状、直立方体状などのいずれでもよ
いが、これらのサイロの底辺にできるだけ広がった状態
で、しかも数カ所から乾燥気体が導入されるノズルを配
置しておく。
【0015】本発明で用いられる乾燥気体としては、空
気が最も低価格で好適であるが、必要により窒素あるい
は他の気体を用いてもよい。
【0016】乾燥気体中の湿度は相対湿度で通常20%
以下である。また、他の水以外の成分も20%以下であ
ることが好ましい。
【0017】乾燥気体のサイロへの流入量はサイロの大
きさに依存するが、通常、少なくとも5時間でサイロの
容量を満たす量であることが望ましい。すなわち内容量
が30m3のサイロでは、乾燥気体の量は6m3/hr以
上の流入速度をを持ち、当然排気量も同じである。
【0018】乾燥気体のサイロへの流入の仕方は連続、
間欠、パルスのいずれでもよく、また、サイロ内の圧力
は常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。
【0019】ノズルの位置は通常サイロの底部にある
が、サイロの高さが高い場合にあってはサイロの底部ま
たは中位部のいずれにあっても差し支えない。
【0020】乾燥気体の温度は貯蔵される樹脂製品の通
常融点以下の温度、好ましくは樹脂のガラス転移点(T
g)以下であることが望ましい。乾燥気体の温度が融点
を超える場合は樹脂が融解し、Tgを超えると樹脂にか
かる圧力が大きい場合樹脂粒子同士の固着がおこる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中の「%」は重量%である。
【0022】なお、実施例および比較例における揮発成
分含有量の測定は下記の方法により行った。 [揮発成分含有量の測定方法] (1)揮発成分量が0.1%を超える場合は加熱減量法
(130℃×45分)により測定した。 (2)揮発成分量が0.1%以下の場合は試料をジクロ
ロベンゼンに溶解し、ガスクロマトグラフィーにより測
定した。 (3)残存スチレンモノマー量は粉体樹脂を試薬特級の
ジメチルホルムアミドで5時間浸透抽出し、ガスグロマ
トグラフィーにより測定した。 (4)揮発成分が水分の場合は溶解液または抽出液をカ
ールフィッシャー法で測定した。
【0023】実施例1 アクリル−スチレン系重合体10トンを水を媒体として
パール状に重合し、脱水、乾燥処理した該パール状樹脂
中の揮発成分含有量は0.5%であった。これを内容量
約30m3のサイロ中に貯蔵し、そのサイロの底部から
毎時10m3で相対湿度10%の乾燥空気をパルス状
(1分間に0.5m3ずつ)に導入したところ、2日後
には揮発成分含有量は0.096%になっていた。
【0024】実施例2 溶液重合法で重合したスチレン−アクリル系共重合体か
らなるトナーバインダー用樹脂10トンを減圧蒸留法に
よる溶剤除去、冷却、粉砕後、内容量30m3のサイロ
へ空送し貯蔵した。この樹脂製品中の残存モノマーと残
溶剤の合計含有量は0.3%であった。次いでサイロへ
乾燥空気を連続的に毎時20m3の速度で導入し、24
時間後に再び残存揮発成分の含量を測定したところ、
0.1%に低下していた。
【0025】実施例3 プラスチック用永久帯電防止剤として使用されるポリア
ミド−ポリエチレングリコール共重合体3トンを縮重合
反応により生成させた後、オートカッターでペレット状
に裁断して成形後、内容量10m3の製品サイロに空送
して貯蔵した。この時点での水分含有量は0.3%であ
った.サイロの底部にパルス状に乾燥窒素ガスを毎時1
0m3の割合で導入したところ、24時間後の水分含量
は0.05%になっていた。
【0026】実施例4 実施例2で0.1%まで揮発成分が除去されたトナーバ
インダー用樹脂を、さらにサイロ底部から相対湿度10
%の乾燥空気を毎時30m3の速度で48時間連続的に
導入したところ、粉体樹脂中の残存スチレンモノマー量
は200ppmであった。なお、実施例2ではスチレン
モノマーは1000ppm残存していた。
【0027】比較例1 実施例2における重合反応後の重合槽中での脱揮操作
(減圧度5トール以下、180〜200℃、攪拌下)は
通常10時間であり、この時の残存スチレンモノマー量
約2000ppmである。その後この操作をさらに48
時間続行してもスチレンモノマー量は800ppmを最
低として徐々に上昇し、最終的には1200ppmにな
った。樹脂が解重合して残存モノマー量が逆に増加した
ものと推定した。
【0028】
【発明の効果】本発明の樹脂製品中の微量揮発物の除去
方法は下記の効果を奏する。 (1)ペレット状、パール状もしくは粉体状の樹脂製品
中に含まれる残存揮発成分を、生産設備のオフラインで
あるサイロ等に貯蔵中に、単にサイロ等の底部から乾燥
気体を流すことにより、容易に揮発成分含量の低い樹脂
製品を得ることができる。 (2)解重合等の副反応を伴うことなく、経時的に単調
に効率よく揮発成分含量を低下させることができる。 (3)生産設備のオフラインであるため、生産効率に支
障をきたすことがなく、また、蒸気、攪拌動力用電力な
どのユーティリティーは全く必要とせず、省エネルギー
の揮発分除去方法であり、極めて経済的である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製品中に含まれる微量揮発物を除去
    する方法において、ペレット状、パール状もしくは粉体
    状の樹脂製品を貯蔵した貯蔵槽の中に乾燥気体を流入せ
    しめることを特徴とする微量揮発物の除去方法。
  2. 【請求項2】 微量揮発物が、有機溶剤、残存モノマ
    ー、樹脂生成反応中に副生する副生成物および水分から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の除去方
    法。
  3. 【請求項3】 微量揮発物が残存モノマーであり、該残
    存モノマーが(メタ)アクリル系モノマーおよび/また
    はスチレン系モノマーである請求項1または2記載の除
    去方法。
  4. 【請求項4】 樹脂製品中の微量揮発物の含有量が1重
    量%未満である請求項1〜3いずれか記載の除去方法。
  5. 【請求項5】 乾燥気体中の湿分が、相対湿度で20%
    以下である請求項1〜4いずれか記載の除去方法。
  6. 【請求項6】 樹脂製品がトナーバインダー用樹脂であ
    る請求項1〜5いずれか記載の除去方法。
JP13789294A 1994-05-26 1994-05-26 樹脂製品中の微量揮発物の除去方法 Pending JPH07316223A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081060A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Idemitsu Kosan Co., Ltd. ブテンオリゴマーの製造方法
US7354984B2 (en) 2004-02-19 2008-04-08 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Method for drying nonionic alkylene oxide-type water-soluble resin, method for packaging it, and method for transporting it

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004081060A1 (ja) * 2003-03-14 2004-09-23 Idemitsu Kosan Co., Ltd. ブテンオリゴマーの製造方法
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