JP2003012756A - 難黄変ポリウレア系フォーム - Google Patents

難黄変ポリウレア系フォーム

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JP2003012756A
JP2003012756A JP2001195078A JP2001195078A JP2003012756A JP 2003012756 A JP2003012756 A JP 2003012756A JP 2001195078 A JP2001195078 A JP 2001195078A JP 2001195078 A JP2001195078 A JP 2001195078A JP 2003012756 A JP2003012756 A JP 2003012756A
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polyol
amine
yellowing
foam
polyurea
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Ayanori Horio
文徳 堀尾
Mitsuru Omoto
充 尾本
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Inoac Corp
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黄変し難く、洗濯、乾燥を繰り返した場合の
膨潤、脆化が抑えられ、衣料用として有用な難黄変ポリ
ウレア系フォームを提供する。 【解決手段】 本発明の難黄変ポリウレア系フォーム
は、脂肪族系ポリイソシアネート等の芳香環に直接結合
したイソシアネート基を有さないポリイソシアネート
と、アミン末端ポリオールを含むポリオール成分とを反
応、硬化させて得られ、衣料用として有用である。この
フォームは、フェードメータにより63℃で25時間光
を照射した場合の、JIS K 7105により測定し
た黄変度が5以下、特に3以下である。また、アミン末
端ポリオールの主鎖が、オキシプロピレン単位のみから
なることが好ましい。更に、ポリオールとして、オキシ
プロピレン単位のみからなる主鎖を有するポリエーテル
ポリオールを、75質量部以下の量比で併用することも
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難黄変ポリウレア
系フォームに関する。更に詳しくは、発泡安定性に優
れ、生成するフォームは、太陽光等に晒しても変色し難
く、十分な耐熱性等を併せ有し、更には洗濯、乾燥の繰
り返しによっても膨潤、及び脆化し難い難黄変ポリウレ
ア系フォームに関する。本発明の難黄変ポリウレア系フ
ォームは、肩パット、ブラカップ等の衣料用として有用
である。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンフォームは軽量であり、優
れたゴム弾性を有し、保温性にも優れるため、衣料用途
に使用されることも多い。このポリウレタンフォームに
は、安価なトルエンジイソシアネート等の芳香族系ポリ
イソシアネートが汎用の原料として使用されている。し
かし、この芳香族系ポリイソシアネートが有する芳香環
は、紫外線等の影響により発色団を形成する。そのた
め、長期に渡る使用によって変色することが避けられな
い。
【0003】この変色を抑えるため、芳香環を有さない
脂肪族系、或いは脂環族系ポリイソシアネートが使用さ
れることがある。これらのポリイソシアネートを使用し
て製造したフォームでは、発色団が形成されず、長期に
渡って変色することがない。従って、衣料等において特
に変色が問題となる用途に好適である。しかし、脂肪族
系、及び脂環族系ポリイソシアネートは、高価であり、
反応性も一般に芳香族系ポリイソシアネートに比べて低
いため、軟質フォーム等を製造する場合に、特殊な触媒
が必要であることが知られている(特公昭52−304
37号公報)。
【0004】また、実際には、特殊な触媒の使用だけで
はなく、1級水酸基末端を有する反応性の高いポリオー
ルが比較的多量に用いられている。この反応性の高いポ
リオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等を出発物質として、これにアジピン酸とジエチレン
グリコール等を縮合重合させてなるポリエステルポリオ
ール、或いはグリセリン等を出発物質として、これにエ
チレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加重合
させ、更に反応の終点で適量のエチレンオキサイドを重
合させてなるポリエーテルポリオールなどが一般に使用
されている。
【0005】このように特殊な触媒と、特定のポリオー
ルとを使用することにより、脂肪族系、或いは脂環族系
ポリイソシアネートであっても、反応性を十分に高める
ことができ、変色し難いフォームを生成させることがで
きる。しかし、このフォームを衣料用に使用した場合
に、洗濯及び乾燥の繰り返しによる脆化という他の問題
が生じることがある。即ち、上記のポリエステルポリオ
ールを用いたフォームでは、通常の洗剤を使用して洗濯
を繰り返した場合に、脆化のため、ひび割れ、収縮が発
生し、フォームが徐々に粉末状となり、甚だしい場合は
消失してしまうこともある。
【0006】また、オキシエチレン単位を多量に有する
ポリオールを使用した場合は、親水性の高いオキシエチ
レン鎖がフォームの分子骨格に導入される。更に、多く
の1級水酸基末端を有するポリオールを用いた場合も同
様にフォームの親水性が高くなり、いずれにしても洗濯
時にフォームが水により膨潤する。同時に、洗剤がフォ
ームに侵入し、酸化防止剤などの安定剤が溶出し易くな
り、フォームが酸化され、より脆化し易くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決するものであり、発泡安定性に優れ、生
成するフォームは、肩パット、ブラカップ等の衣料用の
分野において長期に渡って使用した場合に、変色し難
く、十分な耐熱性等を有し、更には洗濯及び乾燥を繰り
返しても、膨潤、或いは脆化を生じ難い難黄変ポリウレ
ア系フォームを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の難黄変ポ
リウレア系フォームは、芳香環に直接結合したイソシア
ネート基を有さないポリイソシアネートと、アミン末端
ポリオールを含むポリオール成分とを反応、硬化させて
なり、衣料用であることを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の難黄変ポリウレア系
フォームは、芳香環に直接結合したイソシアネート基を
有さないポリイソシアネートと、アミン末端ポリオール
を含むポリオール成分とを反応、硬化させてなり、フェ
ードメータにより63℃で25時間光を照射した場合
に、JIS K 7105により測定した黄変度が5以
下であることを特徴とする。この難黄変ポリウレア系フ
ォームも、請求項3記載のように、衣料用として好適で
ある。
【0010】これらのウレア系フォームは、黄変し難い
ため衣料用として好適であり、JIS B 7751に
準じて、フェードメータにより63℃で25時間光を照
射した場合に、JIS K 7105により測定した黄
変度が5以下であり、この黄変度は3以下、更には2以
下とすることもできる。
【0011】上記「芳香環に直接結合したイソシアネー
ト基を有さないポリイソシアネート」としては、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシ
アネート(LDI)等の脂肪族系ジイソシアネートを使
用することができる。また、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、水添キシレンジイソシアネート[水添
XDI(H6XDI)]、水添ジフェニルメタンジイソ
シアネート[水添MDI(H12MDI)]、シクロヘ
キシルジイソシアネート(CHDI)等の脂環族系ジイ
ソシアネートを用いることができる。
【0012】その他、リジンエステルトリイソシアネー
ト、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン、1,6,11−ウンデカントリイソシア
ネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネー
ト、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の芳香環を
含まないトリイソシアネート、並びにそれらの変性体等
を使用することもできる。
【0013】更に、芳香環を有していても、この芳香環
にイソシアネート基が直接結合しておらず、黄変し難い
フォームを生成させることができるポリイソシアネート
として、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラ
メチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)等を用
いることができる。尚、これらの各種のポリイソシアネ
ートのうちでは、1級イソシアネート基を有し、立体障
害性がないHDI、IPDI及びこれらの変性体が、立
体障害をともなうものに比べて反応性が高く、特に好ま
しい。
【0014】上記「アミン末端ポリオール」は、分子鎖
の末端の一部、或いは好ましくは全ての末端にアミノ基
を有し、フォームの分子骨格にウレア結合が導入され
る。このアミン末端ポリオールの使用により反応性が高
められ、脂肪族系ポリイソシアネート等であっても、発
泡安定性に優れ、所要のフォームを容易に形成すること
ができる。また、ウレア結合は一般にウレタン結合より
熱分解温度が高く、フォームの耐熱性も向上する。
【0015】尚、脂肪族系ポリイソシアネート等を用い
て形成されるウレタン結合は、芳香族系ポリイソシアネ
ートを使用して形成されるウレタン結合に比べて熱解離
温度が低く、より低温で解離するため、酸化劣化を受け
易い。しかし、本発明では、ウレタン結合に比べて熱分
解温度の高いウレア結合が多量に導入されるため、脂肪
族系ポリイソシアネート等を使用しているにもかかわら
ず、フォームの耐熱性が高く、酸化劣化し難く、優れた
耐久性を有する。
【0016】また、ポリオールは、通常、オキシプロピ
レン単位とオキシエチレン単位とを有するが、アミン末
端ポリオールとしては、請求項4記載のように、その主
鎖が、オキシプロピレン単位のみからなるものが特に好
ましい。このようなポリオールであれば、親水性が低
く、水の侵入によるフォームの膨潤、更にはこの膨潤に
よる乾燥後のフォームのしわの発生等が防止される。更
に、洗濯時、洗剤が侵入し難いため、安定剤等の溶出も
防止され、優れた耐熱性及び耐候性等を有するフォーム
とすることができる。
【0017】このようなアミン末端ポリオールの具体例
として、ハンツマン・コーポレーション製、商品名「ジ
ェファーミン」のTシリーズ及びDシリーズが挙げられ
る。Tシリーズとしては、グレード名「T−403」、
「XTJ−509(T−3000)」及び「T−500
0」等が提供されている。このTシリーズのアミン末端
ポリオールは、下記の一般式(1)により表わされるト
リアミン類であり、出発物質のトリオールとプロピレン
オキサイドとを反応させた後、末端水酸基をアミノ化し
たものである。
【0018】
【化1】 尚、nはメチレン単位の連鎖の数、x、y及びzはそれ
ぞれオキシプロピレン単位の連鎖の数であり、いずれも
整数である。
【0019】また、Dシリーズとしては、グレード名
「D−230」、「D−400」、「D−2000」及
び「XTJ−510(D−4000)」が提供されてい
る。このDシリーズのアミン末端ポリオールは、下記の
一般式(2)により表わされるジアミン類であり、末端
アミノ化ポリプロピレングリコールである。但し、実際
の製品はジアミンとモノアミンとがモル比で86:14
の混合物である。
【0020】
【化2】 尚、nはオキシプロピレン単位の連鎖の数であり、整数
である。
【0021】上記「ポリオール成分」には、ポリオール
としてアミン末端ポリオールの他、請求項5記載のよう
に、オキシプロピレン単位のみからなる主鎖を有するポ
リエーテルポリオールが含まれていてもよい。このポリ
エーテルポリオールも親水性が低く、その主鎖がオキシ
プロピレン単位のみからなるアミン末端ポリオールの場
合と同様の作用効果を有する。アミン末端ポリオールと
ポリエーテルポリオールとの合計量を100質量部とし
た場合に、このポリエーテルポリオールは75質量部以
下であることが好ましい。ポリエーテルポリオールが過
多であると、フォーム原料の反応性が低下し、発泡安定
性が損なわれる。
【0022】尚、請求項6記載のように、アミン末端ポ
リオール及びポリエーテルポリオールは、数平均分子量
が1000〜6000、特に2000〜5000であ
り、官能基数が2〜3であることが好ましい。数平均分
子量が1000未満であると、セルが独立気泡となり、
フォームの収縮が起こって正常なフォームが得られ難
く、6000を越えると、発泡時に沈み、或いは崩壊が
生じ易くなり、いずれにしても好ましくない。また、官
能基数が2〜3であれば、柔軟性に富む軟質フォームを
安定して製造することができるため、より好ましい。
【0023】本発明では、オキシプロピレン単位のみを
有する親水性の低いポリオールを使用することにより、
洗濯時に膨潤し難いフォームとすることができる。即
ち、請求項7記載のように、後記の実施例における方法
により評価した膨潤率を10%以下、特に7%以下、更
には5%以下とすることができる。また、耐洗濯脆化性
を向上させることもでき、後記の実施例における方法に
より評価した場合に、ひび割れ、収縮がみられず、優れ
た外観を有するフォームとすることができる。
【0024】上記「ポリオール成分」には、ポリオール
の他、通常、架橋剤、発泡剤、整泡剤及び触媒が含有さ
れている。また、酸化防止剤、光安定剤等の安定剤など
が含有されていてもよい。
【0025】架橋剤としては、低分子量の各種のポリオ
ール及びポリアミン等、通常、使用されているものを用
いることができる。また、発泡剤としては一般に水が使
用され、整泡剤としては、汎用のシリコーン系のものを
用いることができる。触媒としては、脂肪族系ポリイソ
シアネート等とポリオールとの反応性をより高めるた
め、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン
−5、1,5−ジアザビシクロ−4,3,0−ノネン−
5等のジアザビシクロアルケン触媒及びその塩を使用す
ることが好ましい。更に、この触媒と、グアニジン誘導
体、或いは炭酸、フェノール、安息香酸等の弱酸のアル
カリ金属塩からなる選ばれる少なくとも1種の化合物と
を併用することもできる。
【0026】触媒としては、一般に用いられるアミン系
触媒を使用することもでき、このアミン系触媒と金属系
触媒とを併用することもできる。また、本発明では、ア
ミン末端のポリオールにより反応性を向上させているた
め、ナトリウムフェノレート、炭酸グアニジン等の特殊
な触媒を使用しないか、その配合量を低く抑えることが
できる。そのため、汎用の3級アミン系触媒及び金属系
触媒のみを組み合わせて使用することができ、配合の自
由度が高くなる。尚、このような配合であれば、軟質ス
ラブフォームを形成する際にスコーチの発生を防止する
こともできる。
【0027】安定剤としては各種のものを特に限定され
ることなく使用することができる。酸化防止剤として
は、一次酸化防止剤であるフェノール系、アミン系等の
ラジカル連鎖禁止剤、及び二次酸化防止剤であるイオウ
系、リン系等の過酸化物分解剤等が挙げられ、これらを
併用すれば相乗効果が奏される。また、光安定剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外
線吸収剤、或いはHALSといわれるヒンダードピペリ
ジン骨格を有するヒンダードアミン系等を使用すること
ができる。
【0028】本発明においては、耐熱性が高く、洗濯等
によって溶出し難い安定剤、例えば、酸化防止剤として
はフェノール系、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾ
ール系等の使用が好ましい。また、ウレア結合により耐
熱性が向上し、酸化劣化が抑えられるため、IPDI等
の弱いウレタン結合を維持するため添加されている酸化
防止剤の配合量を通常に比べて低減させることもでき
る。そのため、配合の自由度が高くなり、コストを低減
することもできる。
【0029】また、本発明のフォームのように、その耐
水性を高め、膨潤し難くした場合は、各種の安定剤はフ
ォーム内で物理的に動き難くなり、フォーム骨格から溶
出し難くなって、強度の低下等が抑制されるが、このフ
ォームの劣化を更に抑制するために、本質的に流出し難
い構造を有する安定剤を選定することも効果的である。
尚、熱分析等によって耐熱性の高い安定剤を選定するこ
とも好ましく、このような安定剤の配合量を増加させる
こと等によってもフォームの劣化をより軽減することが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって
本発明を更に詳しく説明する。実施例、比較例において
用いた成分は下記のとおりである。 [1]ポリエーテルポリオール (1)住友バイエルウレタン社製、商品名「D390
0」、オキシエチレン単位の含有率;12%、OHV;
35 (2)三洋化成株式会社製、商品名「GP3000」、
オキシプロピレン単位の含有率;100%、OHV;5
6.1
【0031】[2]アミン末端ポリオール (1)ハンツマン・コーポレーション製、商品名「T−
5000」、オキシプロピレン単位の含有率;100
%、OHV;34、分子量;5000、官能基数;3 (2)ハンツマン・コーポレーション製、商品名「XT
J−509(T−3000)」、オキシプロピレン単位
の含有率;100%、分子量;3000、官能基数;3 (3)ハンツマン・コーポレーション製、商品名「D−
2000」、オキシプロピレン単位の含有率;100
%、分子量;2000、官能基数;2
【0032】[3]架橋剤 ジエタノールアミン、三井化学株式会社製、OHV;1
603 [4]整泡剤 (1)東レ・ダウコーニング社製、商品名「SH19
4」 (2)東レ・ダウコーニング社製、商品名「SF296
5」
【0033】[5]アミン触媒 (1)エアプロダクツ社製、商品名「33LV」 (2)Witco製、商品名「NIAXA−1」 (3)エアプロダクツ社製、商品名「DBU」 [6]スズ触媒 城北化学株式会社製、商品名「DBTDL」 [7]脂肪族系ポリイソシアネート イソホロンジイソシアネート、ヒュルス社製
【0034】上記の各成分を使用して調製した実施例1
〜7及び比較例1〜2のフォーム原料の組成及び量比を
表1に示す。尚、表1において、各数値はポリオールの
合計量を100質量部とした場合の質量部を表す。但
し、IPDIについては、イソシアネート指数で示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜7及び比較例1〜2 表1の各成分を混合し、攪拌して難黄変ポリウレア系フ
ォームを製造した。これらのフォームについて、以下の
ようにして性能を評価した。結果を表1に併記する。
【0037】[2]性能評価 下記の方法によりフォームの黄変度、洗濯膨潤率、耐洗
濯脆化性及び発泡安定性を評価した。 (1)黄変度 JIS K 7105により測定した。先ず、製造後の
フォームから厚さが10mmであって、四角形状の試片
を切り出し、その黄色度を求めた。その後、この試片に
フェードメータにより63℃で25時間光を照射し、照
射後の試片の黄色度を同様にして求めた。これら照射前
後の黄色度の値から黄変度を算出した。
【0038】(2)洗濯膨潤率 アルカリ性洗剤(全国農業共同組合連合会の販売による
洗濯用合成洗剤、衣料用洗剤である商品名「せんざいパ
ワー」、31質量%の界面活性剤及び蛋白質分解酵素を
含む。)を0.5質量%含む水溶液に、長さ5cm×幅
5cm×厚さ10mmの寸法の試片を、50℃で24時
間浸漬した後、水溶液から取り出し、取り出した直後の
長さ方向の寸法を測定し、下記の式により膨潤率を算出
した。 膨潤率(%)=[(浸漬後の試片の長さ−浸漬前の試片
の長さ)/浸漬前の試片の長さ]×100
【0039】(3)耐洗濯脆化性 アルカリ性洗剤(上記と同じ洗剤)を0.5質量%含
み、温度50℃の水溶液に、長さ5cm×幅5cm×厚
さ10mmの寸法の試片を浸漬し、手指により10回も
んだ後、そのまま16時間浸漬し、取り出した試片を1
00℃に調温された恒温槽により8時間乾燥させる行程
を1サイクルとし、この行程を10サイクル繰り返した
後の試片の外観を目視により評価し、手指による触感を
確認した。
【0040】評価基準は下記のとおりである。 良;浸漬前後で外観に変化はなく、ひび割れ、収縮等は
みられず、触れた際には、クッション性を有していた。 やや収縮;ひび割れ及び収縮がみられ、触れた際には、
フォームの表面が分解して生成した粉末が手指に付着し
た。 脆化;ひび割れ及び収縮が著しく、触れただけで粉末状
になってしまった。
【0041】(4)発泡安定性 発泡が安定して行われたか否かを、生成したフォームに
パンク、ボイド及びダウンが生じないかを目視で観察す
ることにより評価した。
【0042】評価基準は下記のとおりである。 ◎;パンク、ボイド及びダウンがまったくみられず、発
泡が安定して行われたことが推察される。 ○;パンク、ボイド及びダウンが僅かにみられるが、問
題になるほどではなく、発泡が安定して行われたことが
推察される。 △;パンク、ボイド及びダウンがみられ、安定な発泡が
行われなかったことが推察される。 ×;パンク、ボイド及びダウンが多くみられ、発泡直後
にフォームが大きく沈んで崩壊し、正常なフォームが得
られなかった。
【0043】[3]評価結果 (1)黄変度 表1の結果によれば、実施例1〜7及び比較例1〜2で
は、いずれも脂肪族系ポリイソシアネートを使用してい
るため、変色はほとんど観察されず、黄変度も5以下と
良好であることが分かる。
【0044】(2)洗濯膨潤率 表1の結果によれば、実施例1〜4及び6〜7のいずれ
においても、ポリオールの主鎖がオキシプロピレン単位
により構成されているため、膨潤率が7%以下と低く、
耐水性に優れることが分かる。尚、実施例5では、末端
がヒドロキシル基のポリオールの量比が高いため、膨潤
率が12%とやや高めになり、発泡安定性も他の実施例
に比べて劣っていた。一方、比較例1では、主鎖にオキ
シエチレン単位を有し、且つ1級水酸基末端を備えるポ
リエーテルポリオールを使用しているため、親水性が高
くなり、膨潤率が25%と大きく、劣っている。また、
比較例2では、オキシプロピレン単位のみを有するポリ
エーテルポリオールを用いており、膨潤率は小さいと予
想されたが、アミン末端ポリオールを使用しておらず、
また、ポリエーテルポリオールが2級水酸基末端を有す
るものであるため、反応性が低く、発泡安定性の項で後
述するように、正常なフォームが得られなかった。
【0045】(3)洗濯脆化性 表1の結果によれば、実施例1〜4及び6〜7のいずれ
においても、多くのアミン末端ポリオールを用いている
ため、試験前と遜色のない外観を有し、ひび割れ、収縮
等はみられず、触れた際の触感は、クッション性があ
り、良好な結果であった。尚、実施例5では、アミン末
端ポリオールの量比が低いため、やや収縮し、ひび割れ
が認めら、表面が粉末化していた。
【0046】一方、比較例1では、主鎖にオキシエチレ
ン単位を有し、且つ1級水酸基末端を備えるポリエーテ
ルポリオールを使用しているため、脆化が激しく、外観
上、著しくひび割れ及び収縮を生じ、触れると粉末状に
なってしまった。更に、比較例2では、オキシプロピレ
ン単位のみを有するポリエーテルポリオールを用いてい
るため、耐脆化性に優れると予想されたが、アミン末端
ポリオールを使用しておらず、ポリエーテルポリオール
が2級水酸基末端を有するものであるため、反応性が低
く、発泡安定性の項で後述するように、正常なフォーム
が得られなかった。
【0047】(4)発泡安定性 表1の結果によれば、実施例1では、ポリオールの全量
がアミン末端ポリオールであるため、反応性が高く、最
も優れた発泡安定性を有していることが分かる。実施例
2〜4及び6〜7でも、多くのアミン末端ポリオールを
使用しているため良好な結果となっている。尚、実施例
5では、末端がヒドロキシル基のポリオールの量比が高
いため、クラック、ボイドがみられ、発泡がやや不安定
であった。一方、比較例1では、アミン末端ポリオール
は使用していないが、比較的反応性の高い1級水酸基末
端を有するポリエーテルポリオールを使用しているた
め、発泡安定性には優れていた。しかし、上記のように
洗濯膨潤率及び洗濯脆化性に劣っている。また、比較例
2では、アミン末端ポリオールを使用しておらず、ポリ
エーテルポリオールが2級水酸基末端を有するものであ
り、ナトリウムフェノレート等の特殊な触媒も用いてい
ないため、反応性が低く、発泡安定性に劣り、フォーム
が形成できなかった。
【0048】
【発明の効果】請求項1乃至3記載の発明によれば、脂
肪族系ポリイソシアネート等を用いているため、フォー
ムの黄変を十分に抑えることができる。また、アミン末
端ポリオールの使用により反応性を高めることができ、
特殊な触媒を必要としない。
【0049】更に、請求項4記載のように、主鎖がオキ
シプロピレン単位のみからなるアミン末端ポリオールを
用いることにより、また、請求項5乃至6記載のポリオ
ールを用いることにより、フォームの親水性を低下させ
ることができる。それにより、請求項7記載のように、
洗濯時の膨潤及び脆化を抑えることができ、洗濯と乾燥
とを繰り返した場合でも、乾燥後のしわの発生もなく、
粉末化等を生ずることもなく、耐久性に優れたフォーム
とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾本 充 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 Fターム(参考) 4J034 DA01 DA03 DG03 DG04 HA07 HA08 HC03 HC09 HC17 HC22 HC46 HC64 HC67 HC71 HC73 QA05 RA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香環に直接結合したイソシアネート基
    を有さないポリイソシアネートと、アミン末端ポリオー
    ルを含むポリオール成分とを反応、硬化させてなり、衣
    料用であることを特徴とする難黄変ポリウレア系フォー
    ム。
  2. 【請求項2】 芳香環に直接結合したイソシアネート基
    を有さないポリイソシアネートと、アミン末端ポリオー
    ルを含むポリオール成分とを反応、硬化させてなり、フ
    ェードメータにより63℃で25時間光を照射した場合
    に、JISK 7105により測定した黄変度が5以下
    であることを特徴とする難黄変ポリウレア系フォーム。
  3. 【請求項3】 衣料用である請求項2記載の難黄変ポリ
    ウレア系フォーム。
  4. 【請求項4】 上記アミン末端ポリオールの主鎖が、オ
    キシプロピレン単位のみからなる請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の難黄変ポリウレア系フォーム。
  5. 【請求項5】 上記ポリオール成分が、オキシプロピレ
    ン単位のみからなる主鎖を有するポリエーテルポリオー
    ルを含み、該ポリエーテルポリオールと上記アミン末端
    ポリオールとの合計量を100質量部とした場合に、該
    ポリエーテルポリオールが75質量部以下である請求項
    1乃至4のいずれか1項に記載の難黄変ポリウレア系フ
    ォーム。
  6. 【請求項6】 上記アミン末端ポリオール及び上記ポリ
    エーテルポリオールの数平均分子量が1000〜600
    0であり、官能基数が2〜3である請求項5記載の難黄
    変ポリウレア系フォーム。
  7. 【請求項7】 アルカリ性洗剤を0.5質量%含む水溶
    液に、試片を50℃で24時間浸漬した後、該水溶液か
    ら取り出し、取り出した直後に測定した下記の式で表さ
    れる膨潤率が10%以下である請求項1乃至6のいずれ
    か1項に記載の難黄変ポリウレア系フォーム。 膨潤率(%)=[(浸漬後の試片の長さ−浸漬前の試片
    の長さ)/浸漬前の試片の長さ]×100
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