JP2003012656A - 3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。 - Google Patents
3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工業的に有利な方法で、高品質の3−(2−
ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジ
ン−2−オンを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−
オンを、トルエンまたはクロロベンゼン中、三級アミン
類の存在下にクロロトリメチルシランと反応させた後、
2−ブロモプロピオニルハライドと反応させることによ
り、3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを製造する。
ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジ
ン−2−オンを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−
オンを、トルエンまたはクロロベンゼン中、三級アミン
類の存在下にクロロトリメチルシランと反応させた後、
2−ブロモプロピオニルハライドと反応させることによ
り、3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを製造する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,4−ジメチル
オキサゾリジン−2−オンから3−(2−ブロモプロピ
オニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン
を製造する方法に関する。3−(2−ブロモプロピオニ
ル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンは、
β−ラクタム系抗生物質を製造する際の原料等として好
適に用いられる(テトラヘドロンレターズ(Tetrahedro
n Letters)第28巻第6625〜6628頁(198
7年発行)、特開昭63−10765号公報等)。 【0002】 【従来の技術】従来、3−(2−ブロモプロピオニル)
−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方
法として、次の反応式に示すとおり、4,4−ジメチル
オキサゾリジン−2−オンを一旦トリメチルシリル化し
た後、2−ブロモプロピオニル化する方法が知られてい
る。 【0003】 【化1】 【0004】例えば、特開平2−262568号公報や
特開2000−53661号公報には、4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを、1,2−ジクロロエタ
ン中、トリエチルアミンの存在下にクロロトリメチルシ
ランと反応させた後、2−ブロモプロピオニルブロミド
と反応させることにより、3−(2−ブロモプロピオニ
ル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを製
造する方法が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法では、反応溶媒として環境負荷の高い1,2−ジク
ロロエタンを用いるため、工業的に有利な方法とは言い
難く、また、得られる3−(2−ブロモプロピオニル)
−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの品質が
必ずしも満足できるものではなかった。本発明の目的
は、これら問題点を解決し、工業的に有利な方法で、高
品質の3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを製造する方法を提供す
ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンのト
リメチルシリル化とそれに続く2−ブロモプロピオニル
化の際、反応溶媒としてトルエンまたはクロロベンゼン
を用いることにより、上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを、トルエ
ンまたはクロロベンゼン中、三級アミン類の存在下にク
ロロトリメチルシランと反応させた後、2−ブロモプロ
ピオニルハライドと反応させることにより、3−(2−
ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジ
ン−2−オンを製造する方法に係るものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、原料として4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンを用い、これを、トルエンまたはク
ロロベンゼン中、三級アミン類の存在下にクロロトリメ
チルシランと反応させることにより、トリメチルシリル
化する(以下、この反応を、「トリメチルシリル化反
応」ということがある)。 【0008】原料の4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オンは、例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プ
ロパノールを、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下
に、ホスゲンのようなカルボニル化剤と反応させること
により、調製することができる。ここで、4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを調製する反応を、トル
エンまたはクロロベンゼンを反応溶媒に用いて行った場
合、得られた4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オ
ンを含む反応液を、そのまままたは必要な後処理に供し
た後、トリメチルシリル化反応に供してもよい。また、
水を反応溶媒に用いて行った場合、トルエンまたはクロ
ロベンゼンにより反応液から4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オンを抽出し、該抽出液をトリメチルシリ
ル化反応に供してもよい。 【0009】トリメチルシリル化反応において、反応溶
媒として用いるトルエンまたはクロロベンゼンの使用量
は、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン100
重量部に対して、通常500〜5000重量部、好まし
くは600〜2000重量部の範囲である。 【0010】このトリメチルシリル化反応は三級アミン
類の存在下で行われる。三級アミン類としては、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンの
ような低級トリアルキルアミン類が好ましく、中でもト
リエチルアミンがさらに好ましい。三級アミン類の使用
量は、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン1モ
ルに対して、通常1〜1.5モル、好ましくは1.1〜
1.3モルの範囲である。 【0011】トリメチルシリル化反応におけるクロロト
リメチルシランの使用量は、4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オン1モルに対して、通常1〜1.5モ
ル、好ましくは1.1〜1.3モルの範囲である。 【0012】トリメチルシリル化反応は、4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンおよびクロロトリメチル
シランをトルエンまたはクロロベンゼンに溶解した溶液
の中に、三級アミン類を供給することにより行うのが好
ましい。 【0013】トリメチルシリル化反応の反応温度は、反
応速度や操作性の観点から、通常−10℃以上、好まし
くは0℃以上であり、反応液の着色を抑制する観点か
ら、通常60℃以下、好ましくは40℃以下である。ま
た、反応時間は、通常1〜5時間の範囲である。 【0014】次いで、トリメチルシリル化反応により生
成した4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンのト
リメチルシリル化物を、2−ブロモプロピオニルハライ
ドと反応させることにより、2−ブロモプロピオニル化
する(以下、この反応を、「2−ブロモプロピオニル化
反応」ということがある)。 【0015】2−ブロモプロピオニル化反応は、3−
(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンの副生を抑制する観点から、通常、
トリメチルシリル化反応により得られた4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンのトリメチルシリル化物を
含む反応液から、析出している三級アミン類の塩化水素
塩を濾過等により除去した後、該析出塩除去後の反応液
に2−ブロモプロピオニルハライドを加えることにより
行うのが好ましい。 【0016】2−ブロモプロピオニルハライドとして
は、通常、2−ブロモプロピオニルブロミドまたは2−
ブロモプロピオニルクロリドが用いられるが、2−ブロ
モプロピオニルブロミドが好ましい。2−ブロモプロピ
オニルハライドの使用量は、4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オン1モルに対し、通常1モル以上、好ま
しくは1.05〜1.25モルの範囲である。 【0017】2−ブロモプロピオニル化反応の反応温度
は、反応速度の観点から、通常0℃以上、好ましくは1
0℃以上であり、反応液の着色を抑制する観点から、通
常70℃以下、好ましくは40℃以下である。また、反
応時間は、通常1〜5時間の範囲である。 【0018】2−ブロモプロピオニル化反応により得ら
れた3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを含む反応液から、3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンを分離する操作については、適宜選
択することができるが、通常、該反応液をアルカリ性水
溶液や水で洗浄した後、濃縮して溶媒を除去することに
より、3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを得る。得られた3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンは、晶析により精製するのが好まし
く、中でもトルエンおよびヘキサンの混合溶媒を用いて
晶析するのが好ましい。この場合、トルエン:ヘキサン
の重量比は、通常10:90〜40:60の範囲であ
る。 【0019】 【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、目的物の3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オン結晶中に含まれる、原料の4,4−
ジメチルオキサゾリジン−2−オンおよび副生成物の3
−(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキ
サゾリジン−2−オンの各含量は、ガスクロマトグラフ
ィーの修正面積百分率法により求めた。 【0020】実施例1 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.03g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.19g(0.213モル)およびト
ルエン207.25gを入れ、この中に、攪拌下、トリ
エチルアミン21.87g(0.216モル)を2〜7
℃にて46分かけて滴下した後、2〜7℃にて2時間保
持した。得られた反応液を減圧濾過し、濾残(トリエチ
ルアミン塩酸塩)を少量のトルエンで洗浄した。濾液と
洗液を合せて、上記と同様の反応器に入れ、この中に、
攪拌下、2−ブロモプロピオニルブロミド47.48g
(0.220モル)を25〜30℃にて1時間19分か
けて滴下した後、25〜30℃にて2時間保持した。 【0021】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.05gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮して、トルエン15.9gを含む濃縮物を得た。こ
の濃縮物に、トルエン12.80gおよびヘキサン10
8.49gを加え、52℃に昇温後、1時間30分かけ
て3℃まで冷却した。得られたスラリーを減圧濾過し、
濾残を少量のヘキサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2
−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリ
ジン−2−オン37.05g(収率85.7%)の結晶
を得た。該結晶中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オンの含量は0.01%以下(検出下限値以下)で
あり、3−(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンの含量は0.02%であ
った。 【0022】実施例2 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.08g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.39g(0.197モル)およびク
ロロベンゼン207.26gを入れ、この中に、攪拌
下、トリエチルアミン21.80g(0.215モル)
を3〜9℃にて1時間11分かけて滴下した後、3〜9
℃にて2時間保持した。得られた反応液を減圧濾過し、
濾残(トリエチルアミン塩酸塩)を少量のクロロベンゼ
ンで洗浄した。濾液と洗液を合せて、上記と同様の反応
器に入れ、この中に、攪拌下、2−ブロモプロピオニル
ブロミド47.42g(0.220モル)を25〜30
℃にて1時間15分かけて滴下した後、25〜30℃に
て2時間保持した。 【0023】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.29gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮してクロロベンゼンを留去した。この濃縮物に、ト
ルエン28.19gおよびヘキサン112.42gを加
え、49℃に昇温後、1時間20分かけて3℃まで冷却
した。得られたスラリーを減圧濾過し、濾残を少量のヘ
キサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2−ブロモプロピ
オニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン
35.40g(収率83.4%)の結晶を得た。該結晶
中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの含量
は0.01%以下(検出下限値以下)であり、3−(2
−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリ
ジン−2−オンの含量は0.01%であった。 【0024】比較例1 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.07g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.88g(0.201モル)および
1,2−ジクロロエタン207.45gを入れ、この中
に、攪拌下、トリエチルアミン21.76g(0.21
5モル)を0〜10℃にて1時間かけて滴下した後、0
〜10℃にて2時間保持した。得られた反応液を減圧濾
過し、濾残(トリエチルアミン塩酸塩)を少量の1,2
−ジクロルエタンで洗浄した。濾液と洗液を合せて、上
記と同様の反応器に入れ、この中に、攪拌下、2−ブロ
モプロピオニルブロミド47.51g(0.220モ
ル)を25〜30℃にて1時間8分かけて滴下した後、
25〜30℃にて2時間保持した。 【0025】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.26gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮して1,2−ジクロロエタンを留去した。この濃縮
物に、トルエン27.02gおよびヘキサン108.0
4gを加え、50℃に昇温後、1時間10分かけて3℃
まで冷却した。得られたスラリーを減圧濾過し、濾残を
少量のヘキサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2−ブロ
モプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン37.37g(収率87.5%)の結晶を得
た。該結晶中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−
オンの含量は0.04%であり、3−(2−クロロプロ
ピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オ
ンの含量は0.07%であった。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、工業的に有利な方法
で、高品質の3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4
−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを製造することが
できる。
オキサゾリジン−2−オンから3−(2−ブロモプロピ
オニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン
を製造する方法に関する。3−(2−ブロモプロピオニ
ル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンは、
β−ラクタム系抗生物質を製造する際の原料等として好
適に用いられる(テトラヘドロンレターズ(Tetrahedro
n Letters)第28巻第6625〜6628頁(198
7年発行)、特開昭63−10765号公報等)。 【0002】 【従来の技術】従来、3−(2−ブロモプロピオニル)
−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方
法として、次の反応式に示すとおり、4,4−ジメチル
オキサゾリジン−2−オンを一旦トリメチルシリル化し
た後、2−ブロモプロピオニル化する方法が知られてい
る。 【0003】 【化1】 【0004】例えば、特開平2−262568号公報や
特開2000−53661号公報には、4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを、1,2−ジクロロエタ
ン中、トリエチルアミンの存在下にクロロトリメチルシ
ランと反応させた後、2−ブロモプロピオニルブロミド
と反応させることにより、3−(2−ブロモプロピオニ
ル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを製
造する方法が記載されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法では、反応溶媒として環境負荷の高い1,2−ジク
ロロエタンを用いるため、工業的に有利な方法とは言い
難く、また、得られる3−(2−ブロモプロピオニル)
−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの品質が
必ずしも満足できるものではなかった。本発明の目的
は、これら問題点を解決し、工業的に有利な方法で、高
品質の3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを製造する方法を提供す
ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンのト
リメチルシリル化とそれに続く2−ブロモプロピオニル
化の際、反応溶媒としてトルエンまたはクロロベンゼン
を用いることにより、上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを、トルエ
ンまたはクロロベンゼン中、三級アミン類の存在下にク
ロロトリメチルシランと反応させた後、2−ブロモプロ
ピオニルハライドと反応させることにより、3−(2−
ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジ
ン−2−オンを製造する方法に係るものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、原料として4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンを用い、これを、トルエンまたはク
ロロベンゼン中、三級アミン類の存在下にクロロトリメ
チルシランと反応させることにより、トリメチルシリル
化する(以下、この反応を、「トリメチルシリル化反
応」ということがある)。 【0008】原料の4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オンは、例えば、2−アミノ−2−メチル−1−プ
ロパノールを、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下
に、ホスゲンのようなカルボニル化剤と反応させること
により、調製することができる。ここで、4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを調製する反応を、トル
エンまたはクロロベンゼンを反応溶媒に用いて行った場
合、得られた4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オ
ンを含む反応液を、そのまままたは必要な後処理に供し
た後、トリメチルシリル化反応に供してもよい。また、
水を反応溶媒に用いて行った場合、トルエンまたはクロ
ロベンゼンにより反応液から4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オンを抽出し、該抽出液をトリメチルシリ
ル化反応に供してもよい。 【0009】トリメチルシリル化反応において、反応溶
媒として用いるトルエンまたはクロロベンゼンの使用量
は、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン100
重量部に対して、通常500〜5000重量部、好まし
くは600〜2000重量部の範囲である。 【0010】このトリメチルシリル化反応は三級アミン
類の存在下で行われる。三級アミン類としては、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンの
ような低級トリアルキルアミン類が好ましく、中でもト
リエチルアミンがさらに好ましい。三級アミン類の使用
量は、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン1モ
ルに対して、通常1〜1.5モル、好ましくは1.1〜
1.3モルの範囲である。 【0011】トリメチルシリル化反応におけるクロロト
リメチルシランの使用量は、4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オン1モルに対して、通常1〜1.5モ
ル、好ましくは1.1〜1.3モルの範囲である。 【0012】トリメチルシリル化反応は、4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンおよびクロロトリメチル
シランをトルエンまたはクロロベンゼンに溶解した溶液
の中に、三級アミン類を供給することにより行うのが好
ましい。 【0013】トリメチルシリル化反応の反応温度は、反
応速度や操作性の観点から、通常−10℃以上、好まし
くは0℃以上であり、反応液の着色を抑制する観点か
ら、通常60℃以下、好ましくは40℃以下である。ま
た、反応時間は、通常1〜5時間の範囲である。 【0014】次いで、トリメチルシリル化反応により生
成した4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンのト
リメチルシリル化物を、2−ブロモプロピオニルハライ
ドと反応させることにより、2−ブロモプロピオニル化
する(以下、この反応を、「2−ブロモプロピオニル化
反応」ということがある)。 【0015】2−ブロモプロピオニル化反応は、3−
(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンの副生を抑制する観点から、通常、
トリメチルシリル化反応により得られた4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンのトリメチルシリル化物を
含む反応液から、析出している三級アミン類の塩化水素
塩を濾過等により除去した後、該析出塩除去後の反応液
に2−ブロモプロピオニルハライドを加えることにより
行うのが好ましい。 【0016】2−ブロモプロピオニルハライドとして
は、通常、2−ブロモプロピオニルブロミドまたは2−
ブロモプロピオニルクロリドが用いられるが、2−ブロ
モプロピオニルブロミドが好ましい。2−ブロモプロピ
オニルハライドの使用量は、4,4−ジメチルオキサゾ
リジン−2−オン1モルに対し、通常1モル以上、好ま
しくは1.05〜1.25モルの範囲である。 【0017】2−ブロモプロピオニル化反応の反応温度
は、反応速度の観点から、通常0℃以上、好ましくは1
0℃以上であり、反応液の着色を抑制する観点から、通
常70℃以下、好ましくは40℃以下である。また、反
応時間は、通常1〜5時間の範囲である。 【0018】2−ブロモプロピオニル化反応により得ら
れた3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチ
ルオキサゾリジン−2−オンを含む反応液から、3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンを分離する操作については、適宜選
択することができるが、通常、該反応液をアルカリ性水
溶液や水で洗浄した後、濃縮して溶媒を除去することに
より、3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンを得る。得られた3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オンは、晶析により精製するのが好まし
く、中でもトルエンおよびヘキサンの混合溶媒を用いて
晶析するのが好ましい。この場合、トルエン:ヘキサン
の重量比は、通常10:90〜40:60の範囲であ
る。 【0019】 【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。なお、目的物の3−
(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン−2−オン結晶中に含まれる、原料の4,4−
ジメチルオキサゾリジン−2−オンおよび副生成物の3
−(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキ
サゾリジン−2−オンの各含量は、ガスクロマトグラフ
ィーの修正面積百分率法により求めた。 【0020】実施例1 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.03g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.19g(0.213モル)およびト
ルエン207.25gを入れ、この中に、攪拌下、トリ
エチルアミン21.87g(0.216モル)を2〜7
℃にて46分かけて滴下した後、2〜7℃にて2時間保
持した。得られた反応液を減圧濾過し、濾残(トリエチ
ルアミン塩酸塩)を少量のトルエンで洗浄した。濾液と
洗液を合せて、上記と同様の反応器に入れ、この中に、
攪拌下、2−ブロモプロピオニルブロミド47.48g
(0.220モル)を25〜30℃にて1時間19分か
けて滴下した後、25〜30℃にて2時間保持した。 【0021】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.05gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮して、トルエン15.9gを含む濃縮物を得た。こ
の濃縮物に、トルエン12.80gおよびヘキサン10
8.49gを加え、52℃に昇温後、1時間30分かけ
て3℃まで冷却した。得られたスラリーを減圧濾過し、
濾残を少量のヘキサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2
−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリ
ジン−2−オン37.05g(収率85.7%)の結晶
を得た。該結晶中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オンの含量は0.01%以下(検出下限値以下)で
あり、3−(2−クロロプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンの含量は0.02%であ
った。 【0022】実施例2 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.08g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.39g(0.197モル)およびク
ロロベンゼン207.26gを入れ、この中に、攪拌
下、トリエチルアミン21.80g(0.215モル)
を3〜9℃にて1時間11分かけて滴下した後、3〜9
℃にて2時間保持した。得られた反応液を減圧濾過し、
濾残(トリエチルアミン塩酸塩)を少量のクロロベンゼ
ンで洗浄した。濾液と洗液を合せて、上記と同様の反応
器に入れ、この中に、攪拌下、2−ブロモプロピオニル
ブロミド47.42g(0.220モル)を25〜30
℃にて1時間15分かけて滴下した後、25〜30℃に
て2時間保持した。 【0023】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.29gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮してクロロベンゼンを留去した。この濃縮物に、ト
ルエン28.19gおよびヘキサン112.42gを加
え、49℃に昇温後、1時間20分かけて3℃まで冷却
した。得られたスラリーを減圧濾過し、濾残を少量のヘ
キサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2−ブロモプロピ
オニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オン
35.40g(収率83.4%)の結晶を得た。該結晶
中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの含量
は0.01%以下(検出下限値以下)であり、3−(2
−クロロプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリ
ジン−2−オンの含量は0.01%であった。 【0024】比較例1 還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下漏斗を装着した
ガラス製反応器に、4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン23.07g(0.189モル)、クロロトリ
メチルシラン23.88g(0.201モル)および
1,2−ジクロロエタン207.45gを入れ、この中
に、攪拌下、トリエチルアミン21.76g(0.21
5モル)を0〜10℃にて1時間かけて滴下した後、0
〜10℃にて2時間保持した。得られた反応液を減圧濾
過し、濾残(トリエチルアミン塩酸塩)を少量の1,2
−ジクロルエタンで洗浄した。濾液と洗液を合せて、上
記と同様の反応器に入れ、この中に、攪拌下、2−ブロ
モプロピオニルブロミド47.51g(0.220モ
ル)を25〜30℃にて1時間8分かけて滴下した後、
25〜30℃にて2時間保持した。 【0025】得られた反応液に、攪拌下、25〜30℃
にて水60.26gを加えた。この油水混合物を油層と
水層とに分離し、油層を5重量%炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した後、水で洗浄した。洗浄後の油層を減圧
濃縮して1,2−ジクロロエタンを留去した。この濃縮
物に、トルエン27.02gおよびヘキサン108.0
4gを加え、50℃に昇温後、1時間10分かけて3℃
まで冷却した。得られたスラリーを減圧濾過し、濾残を
少量のヘキサンで洗浄した後、乾燥し、3−(2−ブロ
モプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−
2−オン37.37g(収率87.5%)の結晶を得
た。該結晶中、4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−
オンの含量は0.04%であり、3−(2−クロロプロ
ピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オ
ンの含量は0.07%であった。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、工業的に有利な方法
で、高品質の3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4
−ジメチルオキサゾリジン−2−オンを製造することが
できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オ
ンを、トルエンまたはクロロベンゼン中、三級アミン類
の存在下にクロロトリメチルシランと反応させた後、2
−ブロモプロピオニルハライドと反応させることを特徴
とする3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメ
チルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192462A JP2003012656A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192462A JP2003012656A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003012656A true JP2003012656A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19030909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001192462A Pending JP2003012656A (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 3−(2−ブロモプロピオニル)−4,4−ジメチルオキサゾリジン−2−オンの製造方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003012656A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102250033A (zh) * | 2011-05-27 | 2011-11-23 | 菏泽睿智科技开发有限公司 | 一种合成培南类抗生素的新型手性辅基的制备方法 |
-
2001
- 2001-06-26 JP JP2001192462A patent/JP2003012656A/ja active Pending
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CN102250033A (zh) * | 2011-05-27 | 2011-11-23 | 菏泽睿智科技开发有限公司 | 一种合成培南类抗生素的新型手性辅基的制备方法 |
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