JP2003012614A - フェノキシプロピルアミン類の製造法 - Google Patents

フェノキシプロピルアミン類の製造法

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JP2003012614A JP2001205366A JP2001205366A JP2003012614A JP 2003012614 A JP2003012614 A JP 2003012614A JP 2001205366 A JP2001205366 A JP 2001205366A JP 2001205366 A JP2001205366 A JP 2001205366A JP 2003012614 A JP2003012614 A JP 2003012614A
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phenoxypropylamines
acrylonitrile
water
phenols
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Mayumi Nishida
まゆみ 西田
Akira Torii
晃 鳥居
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Koei Chemical Co Ltd
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Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に簡便で経済的なプロセスによってフ
ェノキシプロピルアミン類を製造できる方法を提供する
こと。 【解決手段】 塩基の存在下、フェノール類をアクリロ
ニトリルと反応させてフェノキシプロピオニトリル類を
製造し、次いで得られるフェノキシプロピオニトリル類
を接触水素化してフェノキシプロピルアミン類を製造す
るに当たり、フェノール類とアクリロニトリルとの反応
により得られる反応混合物を、塩基を酸で中和する工程
(a)及びフェノキシプロピオニトリル類を実質的に水
に不溶の有機溶媒で抽出する工程(b)を含む後処理工
程により処理してフェノキシプロピオニトリル類を含有
する溶液を得た後、フェノキシプロピオニトリル類を接
触水素化に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカラー写真
のカプラーとして有用なフェノキシプロピルアミン類の
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノキシプロピルアミン類を製造する
方法としては、例えば、フェノール類をアクリロニトリ
ルと反応させてフェノキシプロピオニトリル類を製造
し、次いでフェノキシプロピオニトリル類を接触水素化
してフェノキシプロピルアミン類を製造する方法が知ら
れている(米国特許第2474293号明細書、特開昭
52−83421号公報等)。
【0003】これらのうち、米国特許第2474293
号明細書に記載の方法は、先ずフェノール類をアクリロ
ニトリルと、触媒としてのトリメチルベンジルアンモニ
ウム=ヒドロキシドの存在下に反応させ、得られた反応
混合物を水に注いだ後、有機溶媒で抽出し、次いで得ら
れた抽出液を蒸留してフェノキシプロピオニトリル類を
得る。そして得られたフェノキシプロピオニトリル類
を、メタノール溶媒中、ラネーコバルトの存在下に接触
水素化し、次いで得られた反応混合物を蒸留してフェノ
キシプロピルアミン類を製造する方法である。
【0004】また、特開昭52−83421号公報に記
載されている方法は、先ずフェノール類をアクリロニト
リルと塩基の存在下に反応させた後、得られた反応混合
物に酸を加えて塩基を中和し、次いで過剰のアクリロニ
トリルを留去する。そして得られた残渣にアルコール及
び水を加え、次いで冷却して晶析し、フェノキシプロピ
オニトリル類を結晶として得た後、フェノキシプロピオ
ニトリル類を接触水素化してフェノキシプロピルアミン
類を製造する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法において、
米国特許第2474293号明細書に記載の方法では、
フェノール類とアクリロニトリルとの反応終了後の反応
混合物を蒸留してフェノキシプロピオニトリル類を分離
回収しているが、フェノキシプロピオニトリル類は沸点
が高いため、蒸留に要するエネルギー使用量が多大とな
り、経済的観点から工業的に不利である。
【0006】一方、特開昭52−83421号公報に記
載の方法では、フェノキシプロピオニトリル類を結晶と
して得ているが、結晶の取り扱いは、液体の取扱に比べ
てプロセスが煩雑であり、工業的に有利な方法とは言い
難い。
【0007】本発明は、工業的に簡便で経済的なプロセ
スによってフェノキシプロピルアミン類を製造できる方
法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、塩基
の存在下、フェノール類をアクリロニトリルと反応させ
てフェノキシプロピオニトリル類を製造し、次いでフェ
ノキシプロピオニトリル類を接触水素化してフェノキシ
プロピルアミン類を製造するに当たり、フェノール類を
アクリロニトリルと反応させて得られる反応混合物を、
塩基を酸で中和する工程及び実質的に水に不溶の有機溶
媒にフェノキシプロピオニトリル類を抽出する工程を含
む後処理処理工程により処理してフェノキシプロピオニ
トリル類を含む溶液を得ると、当該溶液をそのまま又は
当該溶液から有機溶媒等の低沸点物質を留去して得られ
る残渣を、接触水素化のフェノキシプロピオニトリル類
源として使用することができ、しかも高純度のフェノキ
シプロピルアミン類を簡便に収率よく製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、塩基の存在下、フェノ
ール類をアクリロニトリルと反応させてフェノキシプロ
ピオニトリル類を製造し、次いで得られるフェノキシプ
ロピオニトリル類を接触水素化してフェノキシプロピル
アミン類を製造するに当たり、フェノール類とアクリロ
ニトリルとの反応により得られる反応混合物を、塩基を
酸で中和する工程(a)及びフェノキシプロピオニトリ
ル類を実質的に水に不溶の有機溶媒で抽出する工程
(b)を含む後処理工程により処理してフェノキシプロ
ピオニトリル類を含有する溶液を得た後、フェノキシプ
ロピオニトリル類を接触水素化に供することを特徴とす
るフェノキシプロピルアミン類の製造法に関する。
【0010】本発明の方法は、高沸点化合物であるフェ
ノキシプロピオニトリル類を反応混合物から蒸留で分離
しなくてもよく、またフェノキシプロピオニトリル類を
結晶として取扱わなくてもよいので、従来よりも簡便且
つ経済的にフェノキシプロピルアミン類を製造できる工
業的に優れた方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法を詳細に説明
する。本発明において、塩基の存在下、フェノール類を
アクリロニトリルと反応させてフェノキシプロピオニト
リル類を製造する方法としては、従来公知の方法を適用
することができる。
【0012】本発明でいうフェノール類とは、ベンゼン
環の炭素原子に結合するアルキル基を1個以上有してい
てもよいフェノール類であり、例えば、一般式(1):
【0013】
【化4】 (式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、それぞ
れ水素原子又はアルキル基を表す。)で示されるフェノ
ール類が挙げられる。上記一般式(1)においてR1
示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、t
−アミル基、sec−アミル基、ヘキシル基等の炭素1
〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
特に好ましいフェノール類の具体例としては、2、4−
ジ−t−アミルフェノール、2、4−ジ−sec−アミ
ルフェノール、2−t−アミル−4−sec−アミルフ
ェノール、3−t−アミルフェノール、3−sec−ア
ミルフェノール等が挙げられる。
【0014】そして本発明におけるフェノキシプロピオ
ニトリル類とは、フェノール類をアクリロニトリルと塩
基の存在下に反応させることによって、フェノール類が
有する水酸基をシアノエトキシ基に転化せしめた化合物
である。例えば、上記一般式(1)のフェノール類をア
クリロニトリルと反応させると、一般式(2):
【0015】
【化5】 (式中、R1及びR2は前記に同じ。)で示されるフェノ
キシプロピオニトリル類が製造できる。具体的には、上
記の特に好ましいフェノール類として例示した化合物か
らは、それぞれ2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロ
ピオニトリル、2,4−ジ−sec−アミルフェノキシ
プロピオニトリル、2−t−アミル−4−sec−アミ
ルフェノキシプロピオニトリル、3−t−アミルフェノ
キシプロピオニトリル、3−sec−アミルフェノキシ
プロピオニトリルが製造できる。
【0016】塩基としては無機塩基及び有機塩基のいず
れも使用することができ、好ましくは無機塩基であり、
なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ
リ金属水酸化物が特に好ましい。塩基の使用量はフェノ
ール類1モルに対して、通常0.02〜0.5モル、好
ましくは0.03〜0.1モルである。
【0017】またアクリロニトリルの使用量は、フェノ
ール類1モルに対して、通常1.0モル以上であればよ
く、好ましくは1.0〜3モルである。
【0018】反応を実施するには、例えば、フェノール
類、アクリロニトリル及び塩基の混合物を、通常30〜
70℃、好ましくは45〜55℃で撹拌するだけでよ
い。
【0019】本発明においては、上記フェノール類とア
クリロニトリルとの反応により得られる反応混合物を、
塩基を酸で中和する工程(a)及びフェノキシプロピオ
ニトリル類を実質的に水に不溶の有機溶媒で抽出する工
程(b)を含む後処理工程により処理してフェノキシプ
ロピオニトリル類を含有する溶液を得る。このようにし
て得られるフェノキシプロピオニトリル類を含有する溶
液は塩基を含有しないので、塩基の存在下で起こるフェ
ノキシプロピオニトリル類からフェノール類及びアクリ
ロニトリルが生成する逆反応が生じない。したがって、
上記フェノキシプロピオニトリル類を含有する溶液から
フェノキシプロピオニトリル類を単離せずに当該溶液を
そのまま、フェノキシプロピオニトリル類からフェノキ
シプロピルアミン類を製造するための接触水素化に供し
て高収率でフェノキシプロピルアミン類を製造すること
ができる。
【0020】工程(a)及び工程(b)はいずれを先に
実施してもよく、先ず工程(a)によって反応混合物に
含まれる塩基を酸で中和した後に工程(b)によって中
和後の混合物に含まれるフェノキシプロピオニトリル類
を実質的に水に不溶の有機溶媒で抽出しても、先ず工程
(b)によって反応混合物に含まれるフェノキシプロピ
オニトリル類を実質的に水に不溶の有機溶媒で抽出した
後、工程(a)によって得られる抽出液に含まれる塩基
を酸で中和してもよい。好ましくは、工程(a)の後に
工程(b)を実施する。
【0021】塩基を酸で中和する工程(a)において、
酸としては、無機酸、有機酸のいずれも使用することが
できるが、有機酸が好ましく、特に酢酸、蟻酸等の脂肪
族カルボン酸が好ましい。酸の使用量は、少なくとも反
応に用いた塩基を中和できる量であり、反応に使用した
塩基に対して通常1.0〜1.5当量、好ましくは1.
0〜1.1当量である。酸は水溶液として用いてもよ
い。
【0022】また、フェノキシプロピオニトリル類を実
質的に水に不溶の有機溶媒で抽出する工程(b)におい
て、実質的に水に不溶の有機溶媒としては、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキ
サン、シクロヘキサン等の炭化水素、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル
等のエステル等が挙げられ、好ましくは、芳香族炭化水
素である。当該有機溶媒の使用量は、フェノール類1重
量部に対して通常0.1〜2重量部、好ましくは0.3
〜1.0重量部である。
【0023】工程(a)及び工程(b)の実施態様とし
ては、例えば、フェノール類とアクリロニトリルとの
反応終了後の反応混合物に酸を加えて当該反応混合物に
含まれる塩基を中和し、次いで中和後の混合物に実質的
に水に不溶の有機溶媒を加えて混合し、所望により得ら
れた混合物から不溶物を除き、フェノキシプロピオニト
リル類を含む溶液を得る方法、フェノール類とアクリ
ロニトリルとの反応終了後の反応混合物に酸を加えて当
該反応混合物に含まれる塩基を中和し、次いで中和後の
混合物に実質的に水に不溶の有機溶媒及び水を加えて混
合した後、有機層と水層を分液して有機層としてフェノ
キシプロピオニトリル類を含む溶液を得る方法、フェ
ノール類とアクリロニトリルとの反応終了後の反応混合
物に実質的に水に不溶の有機溶媒を加え、次いで酸を加
えて塩基を中和し、所望により中和後の混合物をろ過し
て不溶物を除去してフェノキシプロピオニトリル類を含
む溶液を得る方法、及びフェノール類とアクリロニト
リルとの反応終了後の反応混合物に実質的に水に不溶の
有機溶媒及び水を加えて混合した後、有機層と水層に分
液し、次いで得られる有機層に酸を加えて有機層に含ま
れる塩基を中和し、所望により中和後の混合物をろ過し
て不溶物を除去してフェノキシプロピオニトリル類を含
む溶液を得る方法等が挙げられる。
【0024】本発明においては、上記のようにして得ら
れるフェノキシプロピオニトリル類を含む溶液を、その
まま次工程の接触水素化における原料のフェノキシプロ
ピオニトリル類源として使用することができる。また、
上記フェノキシプロピオニトリル類を含む溶液を水で洗
浄した後、接触水素化に用いてもよい。水で洗浄するこ
とにより、上記フェノキシプロピオニトリル類を含む溶
液に含有される中和塩や過剰に使用した酸等、場合によ
って水素化触媒の触媒毒として作用する水溶性物質を除
去することができ、接触水素化においてフェノキシプロ
ピルアミン類の高収率を達成できるので好ましい。水で
洗浄するときには、洗浄後の水のpHが通常4〜7とな
るまで行うのが好ましい。
【0025】更に、フェノキシプロピオニトリル類を含
む溶液は、所望により濃縮して接触水素化に提供するこ
とができる。
【0026】本発明におけるフェノキシプロピオニトリ
ル類の接触水素化によるフェノキシプロピルアミン類の
製造法は、上記のフェノキシプロピオニトリル類を含む
溶液、或いは当該溶液を水洗浄及び/又は濃縮したもの
を、接触水素化における原料であるフェノキシプロピオ
ニトリル類源として使用する他は、従来公知の方法を適
用することができる。
【0027】接触水素化に用いられる水素化触媒として
は、従来公知の水素化触媒を使用することができ、例え
ば、ラネーニッケル、ラネーコバルト等のラネー触媒が
挙げられる。触媒の使用量は、フェノール類1重量部に
対して、通常0.01〜0.3重量部、好ましくは0.
1〜0.05重量部である。
【0028】本発明の接触水素化においては、溶媒は使
用してもしなくてもよい。溶媒を使用するとき、本発明
の接触水素化には、上記フェノキシプロピオニトリル類
を含有する溶液、或いは当該溶液を水洗浄及び/又は濃
縮したものを用いることができ、それらに含まれる実質
的に水に不溶の有機溶媒が、接触水素化の溶媒となる。
したがって、新たに溶媒を使用する必要はなく、濃縮の
程度に応じて適宜溶媒を加えればよい。溶媒としては、
上記のフェノキシプロピオニトリル類を溶解せしめる実
質的に水に不溶の有機溶媒のほか、t−ブチルアルコー
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いることが
できる。溶媒を使用するとき、その使用量は、フェノー
ル類とアクリロニトリルの反応に用いたフェノール類1
重量部に対して、通常0.1〜2重量部、好ましくは
0.3〜1.5重量部である。
【0029】本発明のフェノキシプロピオニトリル類の
接触水素化を実施するには、例えば、耐圧性の反応器
中、上記フェノキシプロピオニトリル類を含む溶液、或
いは当該溶液を水洗浄及び/又は濃縮したもの、水素化
触媒並びに所望により溶媒の混合物を攪拌し、水素を導
入しながら圧力を2〜10MPa、好ましくは4.5〜
5.5MPaに、温度を通常90〜120℃、好ましく
は100〜110℃に保持してフェノキシプロピオニト
リル類を水素と反応させればよい。接触水素化は、通常
理論量(フェノキシプロピオニトリル類1モルに対して
2モル)の水素が消費されるまで行われる。
【0030】このようにして接触水素化を行うと、使用
したフェノキシプロピオニトリル類に対応したフェノキ
シプロピルアミン類を製造することができる。即ち、接
触水素化に使用したフェノキシプロピオニトリル類が有
するシアノ基がアミノメチル基に転化したフェノキシプ
ロピルアミン類を製造できる。例えば、フェノキシプロ
ピオニトリル類が上記一般式(2)で示される化合物で
あるときは、一般式(3):
【0031】
【化6】 (式中、R1及びR2は前記に同じ。)で示されるフェノ
キシプロピルアミン類が製造される。またフェノキシプ
ロピオニトリル類として具体的に例示された上記化合物
からは、それぞれ2,4−ジ−t−アミルフェノキシプ
ロピルアミン、2,4−ジ−sec−アミルフェノキシ
プロピルアミン、2−t−アミル−4−sec−アミル
フェノキシプロピルアミン、3−t−アミルフェノキシ
プロピルアミン、3−sec−アミルフェノキシプロピ
ルアミンが製造できる。
【0032】接触水素化終了後、例えば、得られた反応
混合物をろ過して触媒を除き、得られたろ液を蒸留すれ
ばフェノキシプロピルアミン類を分離して精製すること
ができる。接触水素化終了後の反応混合物が本発明の出
発物質であるフェノール類を含有するとき、及び当該フ
ェノール類とフェノキシプロピルアミン類の沸点に充分
に差がある場合は、上記濾液を蒸留することにより簡便
にフェノキシプロピルアミン類を分離精製することがで
きる。
【0033】また接触水素化終了後の反応混合物がフェ
ノール類を含有し、及びフェノール類とフェノキシプロ
ピルアミン類の沸点に充分な差がない場合には、上記濾
液に水酸化ナトリウム等の塩基性アルカリ金属化合物を
加えた後、蒸留する。例えば、水酸化ナトリウムを加え
ると、反応混合物に含まれる未反応のフェノール類は水
酸化ナトリウムと反応してナトリウム塩となるので、蒸
留によって反応混合物からフェノキシプロピルアミン類
のみを留出させることができる。塩基性アルカリ金属化
合物の使用量はフェノール類1モルに対して通常1.0
〜2.0モル、好ましくは1.4〜1.8モルである。
【0034】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0035】実施例1 2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピオニトリルの
製造 2,4−ジ−tert−アミルフェノール500g
(2.14モル)を水酸化ナトリウム5.40g(0.
13モル)を混合し、得られた混合物に、攪拌下、温度
を45〜50℃に保ってアクリロニトリル170g
(3.20モル)を滴下した。滴下終了後、50〜55
℃で2.5時間攪拌を続けて反応させた。反応終了後の
反応混合物に氷酢酸8.4ml(0.15モル)を加
え、更にトルエン250g及び水250gを加えて50
℃で攪拌混合した後、静置し、次いで有機層と水層に分
液した。得られた有機層に水250gを加え、攪拌混合
して有機層を水洗した。洗浄後、有機層と水層を分液
し、得られた水層のpHを測定したところpH=6.0
であった。有機層から低沸点物質を減圧留去して粗製の
2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピオニトリル5
90g[(2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピオ
ニトリル:2,4−ジ−tert−アミルフェノール=
4.3:1(重量比)]を得た。
【0036】2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピ
ルアミンの製造 上記で得た粗製の2,4−ジ−t−アミルフェノキシプ
ロピオニトリル590g、トルエン300g、 ラネー
コバルト59gをオートクレーブ中に仕込み、水素で置
換した後、80℃に昇温し、同温度にて水素を導入しな
がら圧を5MPaに保持して反応を行った。理論量の水
素を吸収させた後、放冷し、得られた反応混合物をろ過
して触媒を除いた。ろ液からトルエンを常圧で留去し、
残渣を0.6KPaで減圧蒸留した。沸点140℃の留
分として2,4−ジ−t−アミルフェノール91g
(0.39モル、純度97重量%)が留出し、沸点16
8℃の留分として2,4−ジ−t−アミルフェノキシプ
ロピルアミン394g(1.36モル、純度98重量
%)を得た。
【0037】実施例2 2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピオニトリルの
製造 2,4−ジ−tert−アミルフェノール586g
(2.5モル)を水酸化ナトリウム2.82g(0.0
71モル)を混合し、得られた混合物に、攪拌下、温度
を45〜50℃に保ってアクリロニトリル199g
(3.75モル)を滴下した。滴下終了後、50〜55
℃で2.5時間攪拌を続けて反応させた。反応終了後の
反応混合物混合物に氷酢酸4.8ml(0.08モル)
を加え、更にトルエン及び水を加えて攪拌混合した後、
静置し、次いで有機層と水層に分液した。得られた有機
層から低沸点物質を減圧留去して粗製の2,4−ジ−t
−アミルフェノキシプロピオニトリル768g[(2,
4−ジ−t−アミルフェノキシプロピオニトリル:2,
4−ジ−tert−アミルフェノール=7.3:1(重
量比))を得た。
【0038】2,4−ジ−t−アミルフェノキシプロピ
ルアミンの製造 上記で得た粗製の2,4−ジ−t−アミルフェノキシプ
ロピオニトリル768g、トルエン384g、 ラネー
コバルト230gをオートクレーブ中に仕込み、水素で
置換した後、80℃に昇温し、同温度にて水素を導入し
ながら圧を5MPaに保持して反応を行った。理論量の
水素を吸収させた後、放冷し、得られた反応混合物をろ
過して触媒を除いた。ろ液からトルエンを常圧で留去
し、残渣を0.6KPaで減圧蒸留した。沸点140℃
の留分として2,4−ジ−t−アミルフェノール126
g(0.54モル、純度97重量%)が留出し、沸点1
68℃の留分として2,4−ジ−t−アミルフェノキシ
プロピルアミン462g(1.59モル、純度98重量
%)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 255/37 C07C 255/37 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基の存在下、フェノール類をアクリロ
    ニトリルと反応させてフェノキシプロピオニトリル類を
    製造し、次いで得られるフェノキシプロピオニトリル類
    を接触水素化してフェノキシプロピルアミン類を製造す
    るに当たり、フェノール類とアクリロニトリルとの反応
    により得られる反応混合物を、塩基を酸で中和する工程
    (a)及びフェノキシプロピオニトリル類を実質的に水
    に不溶の有機溶媒で抽出する工程(b)を含む後処理工
    程により処理してフェノキシプロピオニトリル類を含有
    する溶液を得た後、フェノキシプロピオニトリル類を接
    触水素化に供することを特徴とするフェノキシプロピル
    アミン類の製造法。
  2. 【請求項2】 工程(a)の後、工程(b)を行う請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 後処理工程が、工程(a)及び工程
    (b)により得られるフェノキシプロピオニトリル類を
    含有する溶液を、更に水で洗浄する工程を含む請求項1
    又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 フェノキシプロピオニトリル類を含有す
    る溶液の水による洗浄を、洗浄後の水のpHが4〜7と
    なるまで行う請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 フェノール類が一般式(1): 【化1】 (式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、それぞ
    れ水素原子又はアルキル基を表す。)で示される化合物
    であり、フェノキシプロピオニトリル類が一般式
    (2): 【化2】 (式中、R1及びR2は前記に同じ。)で示される化合物
    であり、かつフェノキシプロピルアミン類が一般式
    (3): 【化3】 (式中、R1及びR2は前記に同じ。)で示される化合物
    である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
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