JP2003011657A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車外用ブロアの駆動を適切に行うことにより
運転効率を高める。 【解決手段】 制御手段により、外気温度検出手段で検
出される外気温度と、冷媒温度検出手段で検出される冷
媒温度とに基づいて前記車外用ブロア7による送風量を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置として、冷凍サイ
クルのコンデンサの流出側から減圧弁の流入側に至るコ
ンデンサ出口側高圧通路を流れる冷媒の温度を検出し、
この冷媒温度から前記高圧通路を流れる冷媒の最適圧力
を演算し、高圧通路の実際の高圧圧力が、最適高圧より
大きいか否かを判断することにより、冷凍サイクルの成
績係数を向上させるようにしたものがある(特開平7−
294033号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、前記車外側熱交
換器は車外用ブロアによって冷却され、その送風量は一
定となっている。このため、車両走行中やエンジン始動
直後等、車外側熱交換器の冷却がそれ程必要とされてい
ない場合であっても、車外用ブロアによる送風が行わ
れ、動力が無駄に消費されている。したがって、折角、
冷凍サイクルの成績係数を向上させるように駆動制御し
たとしても、装置全体で見れば、それ程効率的な制御を
行えない。
【0004】そこで、本発明は、車外用ブロアの駆動を
適切に行うことにより運転効率を高めることのできる車
両用空調装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、コンプレッサから吐出させた
冷媒を、車外側熱交換器で放熱させ、減圧弁で減圧し、
車内側熱交換器で気化させた後、コンプレッサに戻して
循環させる冷凍サイクルを備えた車両用空調装置におい
て、前記車外側熱交換器への送風量を変更可能な車外用
ブロアと、前記車外側熱交換器の出口側の冷媒温度を検
出する冷媒温度検出手段と、外気温度を検出する外気温
度検出手段と、前記外気温度検出手段で検出される外気
温度と、前記冷媒温度検出手段で検出される冷媒温度と
に基づいて前記車外用ブロアによる送風量を制御する制
御手段とを備えたものである。
【0006】この構成により、外気温度と冷媒温度との
差に応じて車外用ブロアによる送風量を調整することが
できる。したがって、車外側熱交換器に送風して冷媒か
らの放熱量を増大させる必要のないときには、前記車外
用ブロアによる送風量を低減して無駄な動力の消費を抑
制することができる。
【0007】前記外気温度検出手段は、前記車外側熱交
換器の近傍に設けるようにすると、車両停車(アイドリ
ング)時の車外側熱交換器近傍の温度上昇を的確に検出
することが可能となる点で好ましい。
【0008】車両の走行速度を検出する車速検出手段を
備え、前記制御手段により、前記車速検出手段で検出さ
れる車速に基づいて前記車外用ブロアによる送風量を補
正すると、車速が大きくなって車外側熱交換器への送風
量が増大するのに合わせて車外用ブロアの無駄な駆動を
抑制可能となる点で好ましい。
【0009】なお、前記冷媒にはCOを使用すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を添
付図面に従って説明する。
【0011】図1は、本実施形態に係る車両用空調装置
の冷凍サイクルCを示す。この冷凍サイクルCでは、コ
ンプレッサ1から吐出された冷媒(ここでは、CO
使用)が、車外側熱交換器2、減圧弁3、及び、車内側
熱交換器4を介してコンプレッサ1に戻って循環する。
コンプレッサ1、減圧弁3、及び、後述する車外用ブロ
ア7は、制御装置5によって駆動制御される。
【0012】コンプレッサ1は、図示しないエンジンの
動力によって駆動可能である。
【0013】車外側熱交換器2は、車両前方部に配設さ
れ、冷媒を放熱させるのに適した従来周知の構造であ
る。車外側熱交換器2はブロアモータ6の駆動により回
転する車外用ブロア7を備える。車外用ブロア7は送風
量を変更自在であり、送風量の変更により車外側熱交換
器2に於ける冷媒からの放熱量を調整することが可能で
ある。車外側熱交換器2の出口側配管には冷媒温度を検
出する冷媒センサ8が設けられている。また、車外側熱
交換器2の近傍には外気温度を検出する外気センサ9が
設けられている。このように、外気センサ9を車外側熱
交換器2の近傍に設けることにより、車両停止(アイド
リング)時の車外側熱交換器2近傍の温度上昇を的確に
検出することができる。
【0014】減圧弁3は、開度を変更することにより、
その上流側の冷媒圧力を調整すると共に、通過する冷媒
を減圧する。
【0015】車内側熱交換器4は、車内前方部の空調ユ
ニット10内に配設され、この空調ユニット10内を通
過する空気を冷却・除湿する従来周知の構造である。
【0016】制御装置5は、前記冷媒センサ8や前記外
気センサ9での検出値等に基づいて、後述するようにし
てコンプレッサ1の駆動回転数、減圧弁3の開度、車外
用ブロア7による送風量を調整する。
【0017】次に、前記構成の車両用空調装置の動作に
ついて説明する。
【0018】まず、外気センサ9で検出される外気温度
と、冷媒センサ8で検出される冷媒温度とを読み込む。
そして、外気温度と冷媒温度の差から図2のグラフに基
づいて車外用ブロア7を駆動するためのブロアモータ6
への印加電圧を算出する。温度差が1℃以下の場合、車
外側熱交換器2の熱交換効率が非常に高い状態であると
判断されるため、車外用ブロア7は駆動しない。また、
温度差が1℃を超えれば、その温度差が大きくなるに従
って徐々に送風量を大きくする。但し、温度差が約5℃
で車外用ブロア7による送風量が最大値となるので、5
℃を超えれば最大値に維持する。
【0019】このように、外気温度と冷媒温度とに基づ
いて車外用ブロア7による送風量を制御するようにした
ので、車外用ブロア7を含めた消費電力の合計を低減す
ることが可能となる。また、外気センサ9を車外側熱交
換器2の近傍に設けたので、車両停止(アイドリング)
時の車外側熱交換器2近傍の温度上昇すなわち車外側熱
交換器2の熱交換効率を的確に検出することが可能とな
る。図3に、温度差が3℃の場合の車外用ブロア7のブ
ロアモータ6への印加電圧と消費電力との関係を示す。
このグラフからも明らかなように、コンプレッサ1での
消費電力(動力)が大きくなるに従って前記ブロアモー
タ6での消費電力を抑制することができる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、外気温度と車外側熱交換器の出口側の冷媒温
度とに基づいて車外用ブロアによる送風量を制御するよ
うにしたので、車外用ブロアでの無駄な動力の消費量が
少なくなり、効率良く車内側熱交換器の冷房能力を発揮
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る車両用空調装置の冷凍サイ
クルを示す概略図である。
【図2】 外気温度と冷媒温度の差と車外用ブロアの駆
動用モータへの印加電圧との関係を示すグラフである。
【図3】 温度差が3℃の場合の車外用ブロアの駆動用
モータへの印加電圧と消費電力との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1…コンプレッサ 2…車外側熱交換器 3…減圧弁 4…車内側熱交換器 5…制御装置 6…ブロアモータ 7…車外用ブロア 8…冷媒センサ 9…外気センサ 10…空調ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 伸二 広島県東広島市吉川工業団地3番11号 株 式会社日本クライメイトシステムズ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンプレッサから吐出させた冷媒を、車
    外側熱交換器で放熱させ、減圧弁で減圧し、車内側熱交
    換器で気化させた後、コンプレッサに戻して循環させる
    冷凍サイクルを備えた車両用空調装置において、 前記車外側熱交換器への送風量を変更可能な車外用ブロ
    アと、 前記車外側熱交換器の出口側の冷媒温度を検出する冷媒
    温度検出手段と、 外気温度を検出する外気温度検出手段と、 前記外気温度検出手段で検出される外気温度と、前記冷
    媒温度検出手段で検出される冷媒温度とに基づいて前記
    車外用ブロアによる送風量を制御する制御手段とを備え
    たことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記外気温度検出手段は、前記車外側熱
    交換器の近傍に設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車両の走行速度を検出する車速検出手段
    を備え、 前記制御手段により、車速検出手段で検出される車速に
    基づいて前記車外用ブロアによる送風量を補正すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷媒はCOであることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
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