JP2003011291A - 熱圧着型熱変色性シート材及びそれを用いた熱変色性加工体 - Google Patents

熱圧着型熱変色性シート材及びそれを用いた熱変色性加工体

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JP2003011291A
JP2003011291A JP2002079982A JP2002079982A JP2003011291A JP 2003011291 A JP2003011291 A JP 2003011291A JP 2002079982 A JP2002079982 A JP 2002079982A JP 2002079982 A JP2002079982 A JP 2002079982A JP 2003011291 A JP2003011291 A JP 2003011291A
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thermochromic
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resin
sheet material
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Nobuaki Matsunami
伸明 松波
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写法によらず、比較的簡易な手段によ
り、対象物表面に熱変色層を転移、固着させるための熱
圧着型熱変色性シート材、及び、それにより得られる持
久性の熱変色層を備えた熱変色性加工体を提供する。 【解決手段】 融点が60℃〜180℃の範囲にある、
特定の熱溶融性樹脂からなる熱溶融性フイルム11を基
体とし、特定の熱変色性顔料をバインダー樹脂に分散状
態に固着した熱変色層14を設けたことを特徴とする熱
圧着型熱変色性シート材1、及び前記熱溶融性樹脂の熱
溶融層21を接着媒体として、熱変色層14が固着され
た熱変色性加工体2。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱圧着型熱変色性
シート材及びそれを用いた熱変色性加工体に関する。更
に詳細には、任意の対象物の任意の箇所に熱アイロンや
熱プレス等の熱圧着手段により、熱変色層を効果的に固
着形成させる熱圧着型熱変色性シート材及び前記シート
材の熱圧着により形成した熱変色性加工体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱変色性図柄を対象物表面に
転移形成させる手段として、熱転写シートを適用する提
案が開示されている(実公昭61−19040号公報
等)。前記熱転写シートは、基体シート上に剥離性物質
からなる剥離層を設け、次いで保護層、熱変色性図柄
層、接着層の順に積層してなるものであり、前記最上層
の接着層側を対象物表面に対接させて熱圧着により転写
像を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記熱転写シートは、
熱変色性図柄層に加えて、剥離層、保護層、接着層をコ
ーティング等により形成する工程を要するうえ、前記接
着層の厚みを均質且つ肉厚に形成し難く、従って、被転
写体との高強度の均質的な接合が得られ難いし、接着層
自体の伸縮強度が不充分であり、布帛等の伸縮性素材へ
の適用性を満たしていない。本発明は、熱変色層自体が
耐熱耐圧性を備え、熱圧着時及び実用時の熱及び外圧に
耐性を備えていることは勿論、前記した熱転写による熱
変色層の固着形成手段の不具合を解消するものであり、
対象物表面への熱変色層の接合強度が大であり、且つ、
対象物が布帛等の伸縮性素材であっても伸縮順応性を発
現できる熱変色性加工体、及び前記加工体を調製するの
に効果的に適用される熱圧着型熱変色性シート材を提供
しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を図面について説
明する(図1〜図5参照)。本発明は、加熱圧着により
対象物表面に熱変色層を固着形成させるシート材であっ
て、融点が60℃〜180℃の範囲にある、ポリアミド
系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリ
ウレタン系、又はポリエステル系樹脂から選ばれる、厚
み0.02〜0.4mmの熱溶融性フイルム11を基体
とし、熱変色性顔料3をバインダー樹脂中に分散状態に
固着させた熱変色層14を少なくとも含む着色層が設け
られている熱圧着型熱変色性シート材1を要件とする。
更には、熱変色層の上層に融点が180℃以上の透明性
樹脂による保護層15を設けてなること、熱変色層14
の下層に非熱変色性顔料をバインダー樹脂中に分散状態
に固着させた非熱変色性顔料層12が設けられてなるこ
と、熱変色層14は、熱変色性顔料3をバインダー樹脂
に分散状態に固着させた層であり、前記熱変色性顔料3
が(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容
性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を
決める反応媒体からなる必須三成分を含む熱変色性組成
物31を内包させた、非円形断面形状のマイクロカプセ
ル形態の顔料であること等を要件とする。また、対象物
20表面に、ポリアミド系、ポリオレフィン系、エチレ
ン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、又はポリエステル
系樹脂から選ばれる、厚み0.02〜0.4mmの熱溶
融層21を接着媒体として、熱変色性顔料3をバインダ
ー樹脂に分散状態に固着させた熱変色層14が固着され
てなることを特徴とする熱変色性加工体2を要件とす
る。更には、熱変色層の上層に融点が180℃以上の透
明性樹脂による保護層15を設けてなり、且つ、前記保
護層15表面が梨地状に形成されてなること、熱変色層
14の下層に非熱変色性顔料をバインダー樹脂中に分散
状態に固着させた非熱変色性顔料層12が設けられてな
ること、熱変色層14は、熱変色性顔料3をバインダー
樹脂に分散状態に固着させた層であり、前記熱変色性顔
料3が(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子
受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温
度を決める反応媒体からなる必須三成分を含む熱変色性
組成物31を内包させた、非円形断面形状のマイクロカ
プセル形態の顔料であること、対象物20は布帛或いは
布帛加工体であること等を要件とする。
【0005】前記熱溶融性フイルム11は、基体とし
て、熱変色層14の支持体兼接合媒体の役目を果たすも
のであり、前記した融点が60℃〜180℃の範囲にあ
る、ポリアミド系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸
ビニル系、ポリウレタン系、又はポリエステル系樹脂か
ら選ばれる熱溶融性樹脂からなる、厚みが0.02〜
0.4mmのフイルム状のものが有効である。融点が6
0℃未満では、環境温度等によって溶融剥離の危険性が
あり、一方、180℃を超える高融点では、熱圧着時の
対象物の耐熱性に制約があり、70℃〜150℃程度の
融点を有するものが好ましく、更に厚みが0.02〜
0.4mm(好ましくは、0.05〜0.2mm)程度
のものが、支持体としての機能を満たすと共に均質な熱
溶融層21を形成して、接合強度及び伸度を満たし、任
意の多様な形状に型抜き等も可能であり実用的である。
対象物20が伸縮性であり、伸縮性が要求される用途に
あっては、前記熱溶融性樹脂のうち、伸度400%〜6
00%程度のものを適宜に選択して使用することができ
る。従来の熱転写手段にあっては、転写シートの最上層
に形成した接着層を接着媒体としており、均質性を満足
させ難い上、接合強度を満たす肉厚状に形成し難いのに
対し、本発明は前記した所定肉厚の熱溶融性フイルム1
1を基体として、構成要素を順次、積層してなるもので
あるから、前記不具合を発生させ難い。更には、熱変色
層14等を従来の転写シートでは、最外層に位置する保
護層等の上面に設けるのに対し、本発明では、基体とな
る平滑性の熱溶融性フイルム表面に、直接的に設けるこ
とができ、印刷適性が良好であり、鮮鋭な印刷像を形成
できる。
【0006】前記熱変色性顔料は、(イ)電子供与性呈
色性有機化合物、(ロ)前記化合物を呈色させる電子受
容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度
を決める反応媒体の必須三成分を含む、従来より公知の
熱変色性組成物をマイクロカプセル化したものが有効で
あり、具体的には、本出願人が提案した、特公昭51−
44706号公報、特公昭51−44707号公報、特
公平1−29398号公報等に記載のものが利用でき
る。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で
変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の
温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では
特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の
状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適
用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用
がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス
幅が比較的小さい特性(ΔHA =1〜7℃)を有する加
熱消色型や、本出願人が提案した特公平4−17154
号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−3
3997号公報、特開平8−39936号公報等に記載
されている大きなヒステリシス特性(ΔHB =8〜50
℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプ
ロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側
から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側か
ら下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変
色し、低温側変色点以下の低温域での発色状態、又は高
温側変色点以上の高温域での消色状態が、前記低温側変
色点と高温側変色点との間の温度域で記憶保持できる色
彩記憶保持型熱変色性組成物も適用できる。又、加熱発
色型(C)の組成物として、消色状態からの加熱により
発色する、本出願人の提案(特開平11−129623
号公報、特開平11−5973号公報)による、(ロ)
電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は
側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化
合物を適用した系を挙げることができる。
【0007】本発明は、前記した熱変色性組成物をマイ
クロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料
が有効であり、円形断面形状の真球状の適用を拒まない
が、非円形断面形状の熱変色性顔料3(図3〜図5参
照)の適用が効果的である。前記形態の熱変色性顔料3
は、高圧や高温が負荷されたとしても、カプセル壁膜の
破壊が回避される形状に弾性変形して応力を緩和でき、
内包の熱変色性組成物31を保護し、所期の熱変色機能
を損なうことなく持続して有効に発現させる強靱なカプ
セル形態の熱変色性顔料3として効果的に機能する。
【0008】熱変色性顔料3の平均粒子径〔(長径+短
径)/2〕は、0.5μm〜30μmの範囲、好ましく
は、1〜15μm、更に好ましくは、3〜10μmの範
囲にあることが、変色の鋭敏性、持久性、加工適性等の
面で有効である。 粒子径が30μmを越える系にあっ
ては、均質な分散性に欠け、安定した品質の熱変色性機
能を奏し難い。0.5μm未満の系にあっては、水性媒
体中に懸濁した状態でマイクロカプセル化した熱変色性
顔料が得られるとしても、濾別又は遠心分離等の手段に
よるカプセル化顔料の単離に難がある上、強度的に不充
分である。
【0009】前記熱変色性組成物31をカプセルに内包
させる手段としては、界面重合法、界面重縮合法、イン
サイチュー法、コアセルベート法等、公知のカプセル化
方法が適用されるが、本発明の前記した要件を満たす粒
子径範囲及び外形状の熱変色性顔料を得るためには、凝
集、合一化が生じ難い界面重合法又は界面重縮合法が好
適に用いられる。更に、カプセル化終了後、カプセル懸
濁液を所望に応じて水で希釈し、夾雑物及び粗大粒子を
フィルター類を用いて濾別することにより、不要な粗大
粒子が除去される。
【0010】前記熱変色性顔料3は、バインダー樹脂1
00重量部に対して、20〜400重量部の割合でブレ
ンドされる。20重量部未満では、鮮明な熱変色性を示
さない。一方、400重量部を越えると消色時における
色残りが発生しがちであり、好適には50〜350重量
部の範囲内で適用される。前記バインダー樹脂は、透明
状の膜形成樹脂であればよく、従来より汎用の樹脂、例
えば、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン
酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレ
ン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル塩素化ポリエチレン−スチレン共
重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化
ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素
化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイイ
ンパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
メチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹
脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド
樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキ
ド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹
脂、天然ゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビ
ニルアルキルエーテル、ロジン、ロジンエステル、ロジ
ン誘導体、ポリテルペン樹脂、油溶性フェノール樹脂、
石油系炭化水素樹脂、シェラック、環化ゴム、酢酸ビニ
ル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマル
ジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、
水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素
樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水
溶性ポリブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルロ
ーズ、エチルセルローズ等を挙げることができ、水や有
機溶剤等の適宜の溶剤に溶解または分散させて、熱変色
性顔料を分散させるためのビヒクルを得ることができ
る。尚、前記バインダー樹脂は、適用される熱溶融性フ
イルムの融点以上の融点を有する樹脂、或いは熱硬化性
の樹脂から適宜、選択される。
【0011】前記バインダー樹脂を含むビヒクル中に所
定量の熱変色性顔料3が分散状態に調製されたインキ又
は塗布液となし、従来より汎用の印刷乃至塗布手段によ
り、熱溶融性フイルム11表面に熱変色層14を形成す
る。前記熱変色層14は、文字、記号、数字、図柄等の
像であってもよく、更には、単層に限らず、変色点、色
調、濃度等や、変色特性を異にする熱変色性顔料を用い
て重ね刷りした多層構成のもの、更には、非熱変色性着
色剤の併用により有色(1)から有色(2)へ変化させ
る構成であってもよい。
【0012】前記保護層は、熱変色層の擦過等による耐
久性を向上させるため、所望により設けることができ
る。なお、前記保護層は融点が180℃以上の透明性樹
脂が選択される。具体的には、バインダー用透明樹脂と
同様な樹脂がえらばれるが、層間接着性が確保できれ
ば、保護層とバインダー層に使う樹脂は、必ずしも同一
である必要はなく、適宜選択することができる。また、
対象物が布帛或いは布帛加工品である場合、前記保護層
の表面を非光沢性の梨地状に形成することが好ましく、
前記構成によって、布帛とシート材の境目が判別し難く
なり、変色前後の様相変化に富む熱変色性加工体が得ら
れる。なお、前記保護層は、透明性樹脂を含むビヒクル
に配合したインキによる印刷、或いは塗布によって得ら
れる。
【0013】非熱変色性顔料層12は、非熱変色性の従
来より汎用の各種顔料を前記したバインダー樹脂を含む
ビヒクル中に分散させたインキによる印刷、或いは塗布
により形成でき、不透明状となして下地を隠蔽し、熱変
色層14の視覚効果を高めることができ、汎用的には、
白色〜淡色不透明状に形成される。非熱変色像13は、
前記非熱変色性顔料層12上に汎用的には設けられる
が、熱溶融性フイルム11上に直接的に設けたり、熱変
色層14上に設けることもでき、一般の染料、顔料等の
非熱変色性着色剤を前記したバインダー樹脂を含むビヒ
クルに配合したインキによる印刷、或いは塗布によって
得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に実施例を記載する。ここ
で、実施例中の部は、重量部である。尚、熱変色性顔料
は、図3の非円形断面形状のマイクロカプセル顔料を適
用したが、図4又は図5の形態の顔料、或いは図3〜図
5の形態の顔料が混合されたものであってもよい。
【0015】
【実施例】実施例1(図1、図2参照) ポリウレタン系熱溶融性フイルム11〔日本マタイ株式
会社製(品名:エルファン−UH、厚み100μm、溶
融温度80℃)〕表面にウレタン系白インキ〔酸化チタ
ンを分散させた、イソシアネート架橋型インキ〕を塗布
し、乾燥して白色不透明の非熱変色性顔料層12を形成
した後、紫外線硬化型の非熱変色性青色オフセットイン
キにより、青色の非熱変色像13を形成した。次いで、
熱変色性ウレタン系インキ〔30℃以上で無色、30℃
未満で黒色を呈する、平均粒子径が5μmのマイクロカ
プセル形態の熱変色性顔料40部を、ウレタンエマルジ
ョン(固形分約30重量%)58部と消泡剤2部からな
るビヒクルに分散させてなる〕を用いて、スクリーン印
刷により前記非熱変色像13を隠蔽印刷した後、アクリ
ルポリオール系樹脂を含むコーティング液にて処理して
保護層15(熱溶融温度200℃)を積層して、熱圧着
型熱変色性シート材1を得た。前記シート材1の熱溶融
性フイルム11側をTシャツ(対象物20)に密接さ
せ、約100℃に加熱した加熱体により熱圧着させて、
熱変色性Tシャツ(熱変色性加工体2)を得た。前記熱
変色性Tシャツは、常態(30℃未満)では黒色を呈し
ているが、着衣状態(30℃以上)では、黒色が消色し
て青色の非熱変色像13を視覚させた。前記様相の変化
は可逆的に繰返し、再現された。
【0016】実施例2 厚み25μmのポリエステルフイルム(熱溶融温度18
0℃)表面に、熱変色性グラビアインキ〔30℃以上で
無色、18℃以下で桃色を呈し、18〜30℃の温度域
で前記色彩を互変的に記憶保持する、平均粒子径が5μ
mのマイクロカプセル形態の色彩記憶性熱変色性顔料6
0部を、アクリルエマルジョン(固形分30重量%)4
0部に分散させてなる〕を塗布して、厚みが20μmの
熱変色層を形成し、熱圧着型熱変色性シート材を得た。
前記シート材のポリエステルフイルム側をポリエステル
サテン生地に密接させ、約230℃の表面温度を有する
熱ロールにより圧着させ、熱変色性ポリエステルサテン
生地を得た。前記生地は、30℃以上で無色、18℃以
下で桃色を呈し、18〜30℃の温度域において、無色
又は桃色を互変的に記憶保持し、前記様相変化を繰返し
再現させることができた。前記生地と、熱又は冷ペン等
と組合わせて筆記材セットを構成し、実用に供すること
ができた。
【0017】実施例3 ポリアミドフイルム(カレンダー加工により、厚み0.
2mmに成型、熱溶融温度130℃)表面に熱変色性ウ
レタン系インキ(10℃未満で青色を、10℃以上で無
色を呈する熱変色性顔料30部、桃色蛍光顔料5部、ポ
リオール45部、及びイソシアネート20部からなるイ
ンキであり、10℃未満で紫色を、10℃以上で桃色を
呈する熱変色特性を有する)を用い、コーターにより厚
み30μmの熱変色層を形成して熱圧着型熱変色性シー
ト材を得た。前記シート材のポリアミドフイルム側を合
成皮革手袋に密接させ、熱プレスによって圧着し、熱変
色性合成皮革手袋を得た。前記手袋は、気温の変化を色
変化により視認することができ、熱変色による妙味と相
まって、スキー用、或いは防寒用手袋として実用に供す
ることができた。
【0018】実施例4 ポリオレフィンフイルム〔日本マタイ株式会社製(品
名:エルファン−SH)、厚み70μm、熱溶融温度1
10℃〕に熱変色性水性スクリーン印刷用インキ(40
℃未満にて黒色、40℃以上にて無色を呈する熱変色性
顔料30部を、アルカリ可溶型アクリル樹脂10部及び
水60部からなるビヒクルに分散させてなる)を塗布
し、厚み60μmの熱変色層を形成した後、ウレタン系
コーティング液(熱溶融温度220℃)を印刷して保護
層を設け、熱圧着型熱変色性シート材を得た。前記シー
ト材のポリオレフィンフイルム側を木綿製ハンカチに密
接し、150℃に加熱した熱アイロンを用いて圧着し、
40℃未満で黒色を、40℃以上で白色を可逆的に呈す
る熱変色性ハンカチを得た。
【0019】実施例5 ポリウレタンフィルム〔日本マタイ株式会社製(品名:
エルファン−UH)、厚み200μm,熱溶融温度80
℃〕に熱変色性水性スクリーン印刷用インキ(35℃未
満で青色、35℃以上にて無色を呈する熱変色性顔料3
0部を、ウレタン樹脂エマルジョン70部に分散させて
なる)を塗布し、ついで、コーティング液(油性ウレタ
ン樹脂60部、キシレン30部、微粉末シリカゲル10
部からなり、乾燥時に梨地を呈する、熱溶融温度230
℃以上)を印刷して保護層を設けて熱圧着型熱変色性シ
ート材を得た。 前記シート
材のウレタンフィルム側をポリエステルと綿の混紡生地
(白色)に密接し、170℃に加熱した熱プレス機を用
いて圧着し、35℃未満にて青色を、35℃以上で無色
を可逆的に呈する熱変色性布帛を得た。前記布帛上に設
けられたシート材は梨地の表面を有し、生地表面の光沢
と一体化しているため、熱変色層が消色時にはシート材
と生地の境を殆ど判別することができず、よって、シー
ト材を設けていないような様相を与えることができる。
また、熱変色層が発色すると、あたかも布帛上に何も積
層していない状態から、熱変色像が現出したような様相
を与えることができる。
【0020】
【発明の効果】従来の熱転写手段により、対象物に熱変
色層を転写形成させる手段に対し、本発明は、熱溶融性
フイルムを熱変色層の支持体兼接着媒体として機能さ
せ、対象物表面に前記熱溶融性フイルム側を密接させて
熱圧着させることにより熱変色層を一体的に転移、固着
形成させる構成であるから、製造が比較的簡易な上、接
合強度が大であり、更には、熱溶融性フイルム自体が伸
縮性を有しており、布帛等の伸縮性素材に対しても適用
性を有する熱圧着型熱変色性シート材を提供できる。更
には、熱変色層を形成する熱変色性顔料として、非円形
断面形状のマイクロカプセル形態の顔料の適用により、
熱や圧力の負荷に対して弾性変形して応力が緩和され、
マイクロカプセル壁膜の破壊が抑制されるので、熱変色
機能が損なわれることがなく、本来の熱変色機能を持続
して有効に発現できる。前記熱圧着型熱変色シート材の
適用により形成された熱変色性加工体は、前記した諸性
能を兼備しており、諸種の対象物表面の任意箇所に温度
変化により視覚的に様相を変化させる像が形成されてお
り、示温性、意外性、変色の妙味、識別性等が付与され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱圧着型熱変色性シート材の一実施例
の拡大断面説明図である。
【図2】図1の熱圧着型熱変色性シート材を用いて形成
した熱変色性加工体の拡大断面説明図である。
【図3】本発明を構成する熱変色性顔料の一例を示す、
(イ)外観、及び(ロ)断面の拡大説明図である。
【図4】本発明を構成する熱変色性顔料の他の例を示
す、(イ)外観、及び(ロ)断面の拡大説明図である。
【図5】本発明を構成する熱変色性顔料の他の例を示
す、(イ)外観、及び(ロ)断面の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 熱圧着型熱変色性シート材 11 熱溶融性フイルム 12 非熱変色性顔料層 13 非熱変色像 14 熱変色層 15 保護層 2 熱変色性加工体 20 対象物 21 熱溶融層 3 熱変色性顔料 31 熱変色性組成物 32 壁膜 33 窪み
フロントページの続き Fターム(参考) 2C150 BA43 CA18 CA22 CA26 DC17 DC25 FB20 FB22 FB46 FB55 4F100 AK01B AK01C AK01D AK03A AK41A AK46A AK51A AK68A AS00B AS00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C CA13B CA13D DE04B GB90 JA04C JB16A JL00 JL10B JN01C YY00A YY00C 4J004 AA07 AA09 AA14 AA15 AA16 AB03 CA01 CA07 CC02 CC03 FA01 FA08 4J040 DA001 DA051 DE031 ED001 EF001 EG001 JA09 JB01 LA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱圧着により対象物表面に熱変色層を
    固着形成させるシート材であって、融点が60℃〜18
    0℃の範囲にある、ポリアミド系、ポリオレフィン系、
    エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、又はポリエ
    ステル系樹脂から選ばれる、厚み0.02〜0.4mm
    の熱溶融性フイルムを基体とし、熱変色性顔料をバイン
    ダー樹脂中に分散状態に固着させた熱変色層を少なくと
    も含む着色層が設けられていることを特徴とする熱圧着
    型熱変色性シート材。
  2. 【請求項2】 熱変色層の上層に融点が180℃以上の
    透明性樹脂による保護層を設けてなる請求項1記載の熱
    圧着型熱変色性シート材。
  3. 【請求項3】 熱変色層の下層に非熱変色性顔料をバイ
    ンダー樹脂中に分散状態に固着させた非熱変色性顔料層
    が設けられてなる請求項1又は2記載の熱圧着型熱変色
    性シート材。
  4. 【請求項4】 熱変色層は、熱変色性顔料をバインダー
    樹脂に分散状態に固着させた層であり、前記熱変色性顔
    料が(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受
    容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度
    を決める反応媒体からなる必須三成分を含む熱変色性組
    成物を内包させた、非円形断面形状のマイクロカプセル
    形態の顔料であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の熱圧着型熱変色性シート材。
  5. 【請求項5】 対象物表面に、ポリアミド系、ポリオレ
    フィン系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、
    又はポリエステル系樹脂から選ばれる、厚み0.02〜
    0.4mmの熱溶融層を接着媒体として、熱変色性顔料
    をバインダー樹脂に分散状態に固着させた熱変色層を少
    なくとも含む着色層が固着されてなることを特徴とする
    熱変色性加工体。
  6. 【請求項6】 熱変色層の上層に融点が180℃以上の
    透明性樹脂による保護層を設けてなり、且つ、前記保護
    層表面が梨地状に形成されてなる請求項5記載の熱変色
    性加工体。
  7. 【請求項7】 熱溶融層と熱変色層の間に、非熱変色性
    顔料をバインダー樹脂中に分散状態に固着させた非熱変
    色性顔料層が設けられてなる請求項5又は6記載の熱変
    色性加工体。
  8. 【請求項8】 熱変色層は、熱変色性顔料をバインダー
    樹脂に分散状態に固着させた層であり、前記熱変色性顔
    料が(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受
    容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度
    を決める反応媒体からなる必須三成分を含む熱変色性組
    成物を内包させた、非円形断面形状のマイクロカプセル
    形態の顔料であることを特徴とする請求項5乃至7のい
    ずれかに記載の熱変色性加工体。
  9. 【請求項9】 対象物は、布帛或いは布帛加工品である
    請求項5乃至8のいずれかに記載の熱変色性加工体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107384234A (zh) * 2017-07-14 2017-11-24 东莞市古川胶带有限公司 可自动变色的pu保护膜胶带及其制备方法
CN111098577A (zh) * 2018-10-29 2020-05-05 中国石油化工股份有限公司 一种感温变色低熔点聚酯薄膜及其制备方法

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