JP2003010682A - 重質炭化水素油の水素化脱金属触媒 - Google Patents

重質炭化水素油の水素化脱金属触媒

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属分を含有する重質炭化水素油に対する高
い水素化脱金属活性を有し、その寿命にも優れた重質炭
化水素油の水素化脱金属触媒を提供する。 【解決手段】 マグネシアを酸化物換算で25〜50重
量%含有する実質的にシリカ−マグネシアからなる非晶
質の担体に、周期律表の第V族金属、第VI族金属、及び
第VIII金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金
属を担持してなり、水銀圧入法による直径4nm以上の
細孔容積が0.4〜0.6ml/gであり、平均細孔直
径が70〜100nmであり、窒素吸着法による比表面
積が350〜450m2/gであることを特徴とする重
質炭化水素油の水素化脱金属触媒。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、重質炭化水素油の
水素化脱金属触媒に関し、さらに詳しくは、金属分を含
有する重質炭化水素油に対する高い水素化脱金属活性を
有し、且つ、触媒寿命にも優れた重質炭化水素油の水素
化脱金属触媒に関する。 【0002】 【従来の技術】原油の蒸留により得られる残渣油等の重
質炭化水素油は、硫黄分やニッケル、バナジウム、鉄等
の金属分を多く含んでいるため、通常、水素化処理によ
って含有する硫黄分と金属分を除去された後、燃料油あ
るいは分解装置の原料油として使用される。近年、原油
の重質化傾向が続いており、この原油の重質化に伴って
重質炭化水素油中に含まれる硫黄分、金属分も増加して
いるが、一方、環境保全の立場からは、燃料油中に含ま
れる硫黄分をさらに低減することが求められているた
め、重質炭化水素油の水素化処理に対する負荷が高まっ
ている。 【0003】しかしながら、重質炭化水素油の水素化処
理は、一般的に、固定床式の反応装置を用いて行われて
おり、金属分や残留炭素分が多く含まれる重質炭化水素
油を多量に処理すると、反応装置内に充填された触媒の
細孔入り口付近に金属やコークが堆積し、触媒の細孔が
閉塞し活性が早期に低下するという問題がある。また、
触媒の粒子間に金属やコークが堆積して空隙を閉塞し、
原料油と水素ガスの流路を妨げ、触媒床の圧力損失を起
こすという問題がある。 【0004】斯かる問題に対処するため、重質炭化水素
油を水素化処理する場合には、反応装置内の触媒床を多
段に構成し、水素化脱硫機能に優れた触媒床の前段(上
流側)に、水素化脱金属機能を有する触媒を充填し、水
素化脱金属触媒床で重質炭化水素油中に含まれる金属分
を予め除去した後、水素化脱硫触媒床で硫黄分の除去を
行うという方法が採用されている。また、水素化脱金属
触媒としては、触媒の形状を水素化脱硫触媒より大きく
し触媒粒子間の隙間を増やしたり、金属分の細孔内への
堆積許容量を高めるため触媒の細孔直径や細孔容積を大
きくして触媒床の閉塞を防ぐ方法が提案されている。従
って、重質炭化水素油を水素化処理する場合には、金属
分や残留炭素分を除去しておくことが必要である。 【0005】このような重質炭化水素油の脱金属を目的
とする触媒としては、従来アルミナ、あるいはアルミナ
にシリカジルコニア亜鉛等の成分を添加した担体に
モリブデン等の周期律表第VI族金属とニッケル等の周期
律表第VIII族金属を担持した触媒、例えば特開昭60−
38036号公報、特開平2−14748号公報、特開
平9−248460号公報等が提案されているが、上記
のような従来の水素化脱金属触媒では、初期性能は優れ
ているものの触媒寿命が十分でなく、比較的早い期間で
触媒活性が低下するという欠点があった。 【0006】以上のことからわかるように、環境保全に
対する要求が高まり、重質炭化水素油の水素化処理に対
する負荷が高まる状況下、さらに水素化脱金属活性を高
めると共に、その寿命を向上させた重質炭化水素油の水
素化脱金属触媒の開発が強く求められている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点に鑑み、金属分を含有する重質炭化水
素油に対する高い水素化脱金属活性を有し、その寿命に
も優れた重質炭化水素油の水素化脱金属触媒を提供する
ことにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、マグネシアを所定の比
率で含有する実質的にシリカとマグネシアとからなる非
晶質の担体に、周期律表第V族金属、第VI族金属、及び
第VIII金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金
属を担持してなる特定の細孔特性を有する水素化脱金属
触媒により、上記課題が達成されることを見出し、斯か
る知見に基づいて本発明を完成するに至った。即ち、本
発明によれば、以下に示す重質炭化水素油の水素化脱金
属触媒が提供される。 (1)マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含有
する実質的にシリカ−マグネシアからなる非晶質の担体
に、周期律表の第V族金属、第VI族金属、及び第VIII金
属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を担持
してなり、水銀圧入法による直径4nm以上の細孔容積
が0.4〜0.6ml/gであり、平均細孔直径が70
〜100nmであり、窒素吸着法による比表面積が35
0〜450m2/gであることを特徴とする重質炭化水
素油の水素化脱金属触媒。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の重質炭化水素油の水素化
脱金属触媒は、マグネシアを酸化物換算で25〜50重
量%含有する実質的にシリカとマグネシアとからなる非
晶質の担体に、周期律表の第V族金属、第VI族金属、及
び第VIII金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の
金属を担持してなり、水銀圧入法による直径4nm以上
の細孔容積が0.4〜0.6ml/gであり、平均細孔
直径が70〜100nmであり、窒素吸着法による比表
面積が350〜450m2/gであることを特徴とす
る。 【0010】ここで、酸化物換算とは、担体を構成する
各元素を酸化物として重量組成で表す常法であり、本発
明の場合は、例えば、「マグネシアを酸化物換算で25
〜50重量%含有する」とは、成型担体を構成するシリ
カとマグネシアとを、それぞれSiO2とMgOとし
て、(MgO重量/(SiO2重量+MgO重量))な
る比率が25〜50%であることを意味する。 【0011】前記触媒の細孔特性で、直径4nm以上の
細孔容積と平均細孔直径は水銀圧入法より測定し、Wa
shburnの式で算出したものであり、比表面積は窒
素吸着法により測定し、BET式で算出したものであ
る。 【0012】本発明の水素化脱金属触媒は、従来の水素
化脱金属触媒に比べて、比表面積が大きいために水素化
脱金属活性に優れると共に、大きな細孔直径と細孔容積
を有するために金属分の細孔内への堆積許容量が高めら
れており、触媒の寿命にも優れた水素化脱金属触媒であ
る。 【0013】本発明で用いる担体は、実質的にシリカと
マグネシアとからなる非晶質の担体であり、マグネシア
を酸化物換算で25〜50重量%、好ましくは25〜4
5重量%含有する。尚、実質的に非晶質とはX線回折方
によりシリカ・マグネシウム化合物の結晶が検出されな
いことを示す。前記担体は、加水分解反応によりシリカ
−マグネシア水和物ゲルを生成させ、このシリカ−マグ
ネシア水和物ゲルをバインダーと捏和、成型した後、非
晶質状態を維持したまま、この成型体を乾燥し、焼成す
ることにより製造される。 【0014】シリカ−マグネシア水和物ゲルの製造方法
(加水分解)としては、例えば共沈法、沈着法、ゾルゲ
ル法等が挙げられるが、本発明の実施例においては、下
記の共沈法によりシリカ−マグネシア水和物ゲルを製造
する。 (i)マグネシアが酸化物換算で25〜50重量%とな
る比率で、マグネシウム塩水溶液と珪酸アルカリ金属水
溶液とを反応温度60〜90℃で、ほぼ同時に滴下し、
加水分解反応させてシリカ−マグネシア水和物スラリー
を生成させる(工程(a))。 (ii)該シリカ−マグネシア水和物スラリーを濾過、
洗浄し、シリカ−マグネシア水和物ゲルを得る(工程
(b))。 【0015】本発明においては、マグネシウム塩水溶液
量と珪酸アルカリ金属水溶液量を調節し、シリカ−マグ
ネシア担体中のマグネシアの含有量を、酸化物換算で2
5〜50重量%、好ましくは25〜45重量%の範囲に
制御する。シリカ−マグネシア担体中のマグネシアの含
有量が前記範囲を外れると、シリカ−マグネシア担体の
固体酸量が減少及び/又は固体塩基量が増大し、重質炭
化水素油中に含まれる有機金属物質の吸着サイトが減少
して、得られる水素化脱金属触媒の水素化脱金属活性が
低下するので好ましくない。 【0016】また、本発明の触媒を得るに際しては、前
記工程(a)において、60〜90℃、好ましくは70
〜80℃の温度範囲でマグネシウム塩水溶液と珪酸アル
カリ金属水溶液とを加水分解させ、シリカ−マグネシア
水和物スラリーを生成させる。温度範囲が前記範囲より
低いと、本発明の細孔特性を有する触媒が得られないの
で好ましくなく、一方、前記範囲より高いと、取り扱い
上、安全性を損なう危険が増えるので好ましくない。反
応終了後に、シリカ−マグネシア水和物スラリーを30
分程度熟成することが好ましい。 【0017】シリカ−マグネシア水和物スラリーの濾
過、洗浄方法としては、公知の方法が使用できるが、シ
リカ−マグネシア水和物ゲル中のナトリウム量が、Na
2Oとして0.2重量%以下となるまでスラリーを洗浄
することが好ましい。 【0018】前記マグネシウム塩としては、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マ
グネシウム等を使用することができる。また、前記珪酸
アルカリ金属としては、1〜3号珪酸ナトリウム等を使
用することができる。 【0019】本発明においては、次に、前記シリカ−マ
グネシア水和物ゲルとバインダーとを捏和、成型した
後、この成型体を乾燥する(工程(c))。 【0020】前記ゲルとバインダーの捏和方法として
は、公知の加熱ジャケット付きの双腕型ニーダーが使用
でき、捏和後の可塑化物は、押出成型機により、円筒
状、リング状、三つ葉状、四つ葉状等の所望の形状とす
ることができる。次に、得られた成型体は80〜120
℃で約15時間程度乾燥する。 【0021】前記バインダーとしては、公知の有機バイ
ンダーと無機バインダー、あるいはそれらの混合物が使
用できる。この場合、有機バインダーとしては、例え
ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチル
セルロース、カルボキシセルロース、微結晶性セルロー
ス等であり、無機バインダーとしては、シリカゾル、ア
ルミナゾル、チタニアゾル等である。 【0022】前記水和物ゲルに添加する有機バインダー
の量としては、水和物ゲル中のシリカ−マグネシアを酸
化物換算した重量に対して、通常1〜10重量%、好ま
しくは2〜5重量%の範囲であり、有機バインダーの添
加量が前記範囲より少なくなると成型性が悪くなり、一
方、多くなると成型担体の強度が弱くなるので好ましく
ない。また、無機バインダーの量としては、水和物ゲル
中のシリカ−マグネシアを酸化物換算した重量に対し
て、通常1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の範
囲であり、無機バインダーの添加量を前記範囲より多く
するとシリカ−マグネシアの持つ特性が低下するので望
ましくない。 【0023】本発明においては、次に、前記乾燥した成
型体を400〜600℃で焼成して実質的に非晶質の担
体を形成する(工程(d))。成型体の焼成方法として
は公知の方法が使用でき、焼成温度は400〜600℃
とする。成型体の焼成温度が前記範囲より低くなると、
シリカ−マグネシアが酸化物の状態とならないので好ま
しくなく、一方、前記範囲より高くなると、最終的に得
られる触媒の細孔特性が本発明の範囲を外れるので好ま
しくない。 【0024】本発明においては、前記担体に、周期律表
の第V族金属、第VI族金属、及び第VIII金属からなる群
より選ばれる少なくとも1種の金属を担持する(工程
(e))。本発明で用いる活性金属としては、バナジウ
ム等の第V族金属、モリブデン、タングステン等の第VI
族金属、ニッケル、コバルト、鉄等の第VIII族金属を包
含するが、モリブデン及び/又はモリブデン−ニッケル
用いることが好ましい。 【0025】担体への活性金属の担持量は、全触媒に対
し、金属換算量で、通常0.5〜5重量%、好ましくは
1〜4重量%とする。活性金属の担持量が前記範囲より
少なくなると、触媒活性が不足するため好ましくなく、
一方、前記範囲より多くなると、細孔容積と比表面積が
減少し、ひいては活性が低下するので好ましくない。 【0026】また、担体への活性金属の担持方法として
は、公知の含浸法により担持することができ、活性金属
塩としては硝酸塩、塩化物、酢酸塩等の水可溶性の金属
塩溶液を用いることができる。 【0027】本発明においては、次に、前記金属が担持
された担体を乾燥した後、これを400〜600℃で焼
成して触媒を製造する(工程(f))。金属が担持され
た担体の乾燥は、80〜110℃の温度範囲の加熱空気
を送入し、回転させながら、担体に担持した金属塩溶液
が内部まで均一に乾燥するまで行う。また、乾燥後の焼
成方法としては公知の方法が使用でき、焼成温度として
は、担持した活性成分が凝集したり担体が非晶質から結
晶質に相変化を起こしたりしないように、通常400〜
600℃、好ましくは400〜500℃である。焼成
は、空気流通中で2時間程度行うことが好ましい。 【0028】本発明の水素化脱金属触媒は、上記の製造
方法で得られ、マグネシアを酸化物換算で25〜50重
量%含有する実質的にシリカとマグネシアとからなる非
晶質の担体に、周期律表の第V族金属、第VI族金属、及
び第VIII金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の
金属を担持してなり、水銀圧入法による直径4nm以上
の細孔容積が0.4〜0.6ml/gであり、平均細孔
直径が70〜100nmであり、窒素吸着法による比表
面積が350〜450m2/gであることを特徴とす
る。 【0029】水素化脱金属触媒の平均細孔直径が前記範
囲より小さくなると、触媒粒子内での拡散抵抗が大きく
なって重質炭化水素油が細孔内に浸入できず、金属分の
細孔内への堆積量が減少(金属分の触媒表面への堆積量
が増加)するので好ましくなく、一方、前記範囲より大
きくなると、機械的強度が低下すると共に、比表面積が
減少して水素化脱金属活性が低下するので好ましくな
い。また、比表面積が前記範囲より小さくなると、担持
活性金属の分散度が低下し、重質炭化水素油中に含まれ
る金属物質の吸着サイトが減少して水素化脱金属活性が
低下するので好ましくない。尚、本発明の水素化脱金属
触媒において、その活性金属の状態は、通常、金属酸化
物であるが、公知の方法を用いて予め硫化処理を行い、
活性金属を硫化物の形態にして使用することもできる。 【0030】本発明の水素化脱金属触媒を用いて処理さ
れる重質炭化水素油としては、金属分、残留炭素分、硫
黄分を多く含有する、常圧蒸留塔や減圧蒸留塔からの残
渣油、タールサンド油、オイルシェール油、減圧蒸留塔
からのガスオイル等が挙げられる。本発明の水素化脱金
属触媒によれば、これらの重質炭化水素油中に含有され
る金属分を効率良く除去することができ、また、その水
素化脱金属活性は長期に安定し保持される。 【0031】本発明の水素化脱金属触媒を用いた重質炭
化水素油の水素化処理方法としては、公知の方法が使用
でき、例えば、反応装置内の触媒床を多段に構成し、水
素化脱硫機能に優れた触媒床の前段に、本発明の水素化
脱金属触媒を充填し、水素化脱金属触媒床で重質炭化水
素油中に含まれる金属分を予め除去した後、水素化脱硫
触媒床で脱硫を行う。尚、水素化脱金属触媒を充填する
反応装置と水素化脱硫触媒を充填する反応装置とを分
け、シリーズに接続して重質炭化水素油を処理すること
もできる。また、水素化脱金属触媒と水素化脱硫触媒の
充填割合は、原料油の種類、原料油に含まれる金属分の
種類、量等を考慮して適宜決定する。 【0032】重質炭化水素油の水素化処理は、前記反応
装置に水素を供給しつつ行い、反応温度としては、通常
300〜500℃、好ましくは350〜450℃であ
り、水素分圧としては、通常2〜25MPa、好ましく
は5〜20MPaであり、液空間速度(LHSV)とし
ては、通常0.05〜5hr-1、好ましくは0.1〜3
hr-1であり、(水素/炭化水素油)比としては、通常
300〜3000Nl/l、好ましくは500〜200
0Nl/lである。 【0033】水素化処理を行う方式としては、工業的実
施の容易さから、固定床式を用いることが好ましく、原
料炭化水素油と水素の流れとしては、平行上昇流、平行
下降流のいずれの流れも用いることができる。また、本
発明の水素化脱金属触媒によれば、平均細孔直径が大き
いので細孔内に金属分を多く保持することができ、触媒
粒子同士の固着(触媒層の閉塞)が抑えられ、結果とし
て触媒床の圧力損失が抑えられるため、装置を長期間安
定的に運転することができる。さらに、触媒粒子同士の
固着が抑制されるため、装置からの触媒の抜き出しが容
易となる。 【0034】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
より限定されるものではない。 【0035】[触媒の調製] (実施例1)内容積100リットルの攪拌機付きステン
レス製反応槽に、水25リットルを入れ、70℃まで加
温して保持し、攪拌しながら、塩化マグネシウム470
0gに水を加えてMgOとして5.3重量%濃度に調製
した塩化マグネシウム水溶液17500mlと、3号珪
酸ナトリウム溶液5755gに水酸化ナトリウム127
5gと水とを加えてSiO2として9.2重量%濃度に
調製した珪酸ナトリウム水溶液17500mlとをほぼ
同時に滴下((a)工程)し、30分間熟成してシリカ
−マグネシア水和物スラリーを得た。次に、該スラリー
を濾過し、Na2Oとして0.2重量%以下になるまで
洗浄して、MgOとして36.5重量%のシリカ−マグ
ネシアを含むシリカ−マグネシア水和物ゲルを得た
((b)工程)。次に、該シリカ−マグネシア水和物ゲ
ル3200g(SiO2−MgOとしては700g)
と、メトローズ(信越化学工業(株)製)15g(2重
量%)と、SiO2を20重量%の濃度で含むシリカゾ
ル(日産化学工業(株)製)110g(3重量%)とを
加熱ジャケット付きニーダー中で可塑化するまで捏和
し、直径2.0mmのダイスを有する押出し成型機で成
形した後、この成型体を110℃の温度で15時間乾燥
した((c)工程)。次に、該乾燥した成型体を500
℃の温度で2時間焼成して非晶質のシリカ−マグネシア
酸化物担体を得た((d)工程)。次に、該酸化物担体
300gに、MoO3として3重量%担持するために、
三酸化モリブデン9.3gを濃度7%のアンモニア水2
85mlで溶解した溶液を含浸して担持した((e)工
程)。次に、該金属が担持された担体を80℃の加熱空
気を送入し、回転させながら2時間乾燥した後、電気炉
で500℃の温度で2時間焼成し、シリカ−マグネシア
触媒Aを得た((f)工程)。得られた触媒Aの直径4
nm以上の細孔容積は0.53ml/g、平均細孔直径
は85nm、比表面積は380m2/gであった。な
お、細孔特性の測定に際し、直径4nm以上の細孔容積
と平均細孔直径細孔は、Micromeritics社
製のポロシメーター(水銀の表面張力480dyn/c
m、水銀の接触角140°)を用いて水銀圧入法より測
定して、Washburnの式で算出し、比表面積は、
Carlo Erba社製の窒素吸着装置を用いて窒素
吸着法により測定し、BET式で算出した。 【0036】(実施例2)実施例1で得たシリカ−マグ
ネシア担体に、MoO3として1.0重量%と、NiO
として1.0重量%を含浸担持した以外は、実施例1と
同様にしてシリカ−マグネシア触媒Bを得た。得られた
触媒Bの直径4nm以上の細孔容積は0.55ml/
g、平均細孔直径は87nm、比表面積は386m2
gであった。 【0037】(比較例1)実施例1の(a)工程での反
応温度を30℃とした以外は、実施例1と同様にしてシ
リカ−マグネシア触媒Cを得た。得られた触媒Cの直径
4nm以上の細孔容積は0.23ml/g、平均細孔直
径は28nm、比表面積は152m2/gであった。 【0038】(比較例2)実施例1の(a)工程におい
て、マグネシアの含有量を酸化物換算で15重量%とな
るようにMgOとして5.3重量%濃度の塩化マグネシ
ウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリ
カ−マグネシア触媒Dを得た。得られた触媒Dの直径4
nm以上の細孔容積は0.55ml/g、平均細孔直径
は43nm、比表面積は467m2/gであった。 【0039】(比較例3)実施例1の(d)工程におい
て、焼成温度を700℃とした以外は、実施例1と同様
にしてシリカ−マグネシア触媒Eを得た。得られた触媒
Eの細孔容積直径4nm以上の細孔容積は0.29ml
/g、平均細孔直径は111nm、比表面積は279m
2/gであった。 【0040】[触媒の性能評価] (実施例3)触媒の性能評価は、触媒充填量50mlの
固定床流通反応装置を用いて行った。先ず、内径2cm
の反応管に、長さ3mmに整粒した市販の水素化脱硫触
媒(日本ケッチェン(株)製、商品名:KFR−50)
をそれぞれ30ml充填した後、その前段(上流側)
に、長さ3mmに整粒した実施例の触媒および比較例の
触媒をそれぞれ20ml充填した。次に、ジメチルサル
ファイドを2.5重量%添加したライトガスオイルを用
いて、水素/油供給比:1000Nl/l、LHSV:
1.0hr-1、圧力:10MPaなる条件下、250℃
まで4時間、250℃から320℃まで14時間をかけ
て昇温し、反応管内に充填した触媒を予備硫化した後、
原料油に切り替えた。原料油は 密度 0.997g/ml 粘度@50℃ 3090cS 硫黄分 3.5wt% 窒素分 0.4wt% バナジウム分 205wtppm ニッケル分 71wtppm 鉄分 10wtppm 残留炭素分 13wt% の性状のイラニアンヘビー常圧残渣油を用い、水素/油
供給比:700Nl/l、LHSV:0.8hr-1、圧
力:10MPaなる条件下、385℃まで6時間、38
5℃から420℃まで12時間をかけて昇温した。以
後、反応温度を420℃に保持し、通油開始から480
時間後の脱金属率、反応管内の圧力損失の有無について
評価した。尚、反応管内の圧力損失が発生した場合は、
入口圧力を上昇させて出口圧力を10MPaに保持し
た。また、処理油中のニッケル、バナジウム、鉄の金属
分の分析には、(株)島津製作所製の蛍光X線分析装置
を用いた。 【0041】実施例1の触媒Aの脱金属率は83重量%
圧力損失は0MPaであり、実施例2の触媒Bの脱金
属率は85重量%圧力損失は0MPaであり、比較例
1の触媒Cの脱金属率は46重量%圧力損失は1.6
MPaであり、比較例2の触媒Dの脱金属率は68重量
圧力損失は1.2MPaであり、比較例3の触媒E
の脱金属率は74重量%圧力損失は0.9MPaであ
った。 【0042】本発明の水素化脱金属触媒を充填すること
で原料油中に含まれている金属分の脱金属効率が高くな
り、圧力損失も防止できることが明らかである。また、
通油480時間後に軽油を通油し、反応管内の充填物を
洗浄し運転を終了させ、反応管から廃触媒を取り出した
ところ、本発明の範囲内の触媒A、Bは反応管内で固化
していなかったが、本発明の範囲外の触媒C、D、Eは
反応管内でやや固化していた。このことは、軽油によっ
て洗い流すことのできる高縮合炭化水素化合物と、洗い
流すことのできない触媒粒子間に堆積した硫化鉄などの
金属硫化物によって引き起こされたのではないかと推定
される。 【0043】 【発明の効果】以上説明した通り、本発明の重質炭化水
素油の水素化脱金属触媒は非晶質であるため、従来の水
素化脱金属触媒と比較して比表面積が大きくなり、その
結果水素化脱金属活性に優れる。また、大きな細孔直径
を有するために金属分を細孔内へ取り込むことができ、
触媒粒子間への癒着および触媒床の閉塞や固化が抑えら
れ圧力損失を防止することができ、長期間安定に触媒活
性を維持することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横塚 英治 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA06A BA06B BB06A BB06B BC53A BC57A BC59B BC65A BC68B CC03 EC03X EC03Y EC06X EC07X EC07Y EC16X FA02 FB09 FB14 4H029 CA00 DA00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 マグネシアを酸化物換算で25〜50重
    量%含有する実質的にシリカ−マグネシアからなる非晶
    質の担体に、周期律表の第V族金属、第VI族金属、及び
    第VIII金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金
    属を担持してなり、水銀圧入法による直径4nm以上の
    細孔容積が0.4〜0.6ml/gであり、平均細孔直
    径が70〜100nmであり、窒素吸着法による比表面
    積が350〜450m2/gであることを特徴とする重
    質炭化水素油の水素化脱金属触媒。
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