JP2004148139A - 再生処理した重質油水素化触媒及びそれを用いた重質油の水素化処理方法 - Google Patents

再生処理した重質油水素化触媒及びそれを用いた重質油の水素化処理方法 Download PDF

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Ryuichiro Iwamoto
隆一郎 岩本
Shigeari Kagami
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Abstract

【課題】重質油水素化触媒の再生使用において、再生後の触媒強度(特に圧壊強度)の低下を最小限に低減する方法を提供する。
【解決手段】無機耐火性酸化物担体に、周期表第4族、5族、6族、9族、10族及び14族に属する金属及び炭素分を含む、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、前記周期表第4族に属する金属の含有量が、該金属の酸化物基準で0.5〜20質量%であることを特徴とする再生処理した重質油水素化触媒である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の金属不純物を含む原料油の水素化処理によって劣化した脱硫触媒を再生使用するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
含硫黄炭化水素を触媒の存在下で水素と接触させる水素化処理においては、時間の経過とともに触媒の性能が低下する。このため、脱硫装置の運転温度を時間とともに上昇させて、触媒の所定の性能を維持することが行われるが、装置の運転温度の上昇には限界があり、一定期間運転後は触媒の交換が必要となる。
【0003】
一般に、灯軽油等の軽質な含硫黄炭化水素の水素化処理における触媒性能の低下原因は、コーク(炭素分)の触媒上への析出であると言われている。一方、重質油の水素化処理では、軽質油とは異なり、原料油中に存在する多量のバナジウム、ニッケル等の金属不純物が、水素化処理の運転中に触媒上に蓄積することにより触媒性能が低下する。また、沸点の高い重質油の水素化処理では、軽質油より高温で運転を行う必要があるため、モリブデン等の触媒活性金属成分が凝集してしまい、さらに触媒性能の低下が進行する。また、重質油中には難脱硫性の硫黄化合物が多く含まれていることから、軽質な含硫黄化合物の水素化処理に比べてバナジウム等の蓄積の影響をより顕著に受けやすい。
上記のように、含硫黄重質油の水素化処理は、反応機構及び触媒性能の低下機構が、軽質油とは大きく異なっている。
【0004】
近年、環境問題の高まりから、触媒廃棄物を低減するため、水素化触媒の再生利用が望まれている。軽質油の水素化触媒の主な劣化原因は、上述のようにコークの析出である。従って、触媒上に析出したコークを焼成等により除去すれば、触媒性能はほぼ完全に回復し、再度使用可能となる。
【0005】
しかし、重質油の水素化処理用触媒の場合には、焼成によりコークは除去できるが、蓄積したバナジウムやニッケルは除去できないため、触媒性能が完全には再生されないという問題があった。また、バナジウムやニッケルを、酸又はアルカリに溶解させて除去することにより、触媒性能を回復させることは可能である。しかしながら、酸又はアルカリを用いて再生処理された触媒は、触媒活性は回復するものの、酸又はアルカリによって触媒の担体が侵され、触媒強度(特に、圧壊強度)が低下してしまい、商業運転の実用に耐えられないという問題もあった。そのため、重質油の水素化触媒は使い棄てされているのが現状である。
尚、従来、重質油水素化処理プロセスにおいて使用により失活した触媒を再生処理し、そのX線回折パターンから担持金属の結晶状態等を解析することにより、好適な水素化処理触媒を提供することを目的とした発明がなされている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、これらの発明は、再生処理された触媒の圧壊強度等に着目したものではなく、再生後の触媒に関し、十分な圧懐強度が確保されないことが想定され、商業運転の実用に耐えられないことが懸念される。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−470号公報(特許請求の範囲、段落番号0008)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決するため、本発明は、重質油水素化触媒の再生使用において、再生後の触媒強度(特に圧壊強度)の低下を最小限に低減する方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、再生された重質油水素化触媒の好適な使用方法を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた。その結果、再生後の水素化触媒が、周期表第4属に属する金属をその担体の担持成分として特定量含有しており、さらに、触媒上に蓄積した炭素分は過度の熱履歴を与えない範囲で除去するが、バナジウムは除去しない場合に、目的とする触媒強度(特に、圧壊強度)が得られることを見出した。
さらに、新しい水素化触媒と再生触媒とを混合して使用する割合を最適化することにより、再生触媒の活性を十分に活かすことができることを見出した。本発明は、これらの発見に基づき完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)無機耐火性酸化物担体に、周期表第4族、5族、6族、9族、10族及び14族に属する金属及び炭素分を含む、劣化触媒を再生処理した重質油水素化触媒であって、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、前記周期表第4族に属する金属の含有量が、該金属の酸化物基準で0.5〜20質量%であることを特徴とする再生処理した重質油水素化触媒;
(2)再生された触媒の圧壊強度が0.8kgf/mm以上であることを特徴とする上記(1)に記載の再生処理した重質油水素化触媒;
(3)周期表第4族に属する金属の含有量が、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で1〜10質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の再生処理した重質油水素化触媒;
【0010】
(4)周期表第4族に属する金属が、チタン又はジルコニウムであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;(5)周期表第4族に属する金属が、チタンであることを特徴とする上記(4)に記載の再生処理した重質油水素化触媒;
(6)周期表第5族に属する金属の1種としてバナジウムを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、金属基準で0.1〜30質量%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
【0011】
(7)炭素分の含有量が、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった再生触媒を基準として、炭素元素基準で0.3〜15質量%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
(8)周期表第6族に属する金属の1種としてモリブデンを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
(9)周期表第9族に属する金属の1種としてコバルトを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
【0012】
(10)周期表第10族に属する金属の1種としてニッケルを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
(11)触媒の比表面積が、60〜220m/gであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;及び
(12)触媒の細孔容積が、0.3〜1.2cc/gであることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒;
【0013】
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒を用いることを特徴とする重質油の水素化処理方法;及び
(14)再生処理した重質油水素化触媒を、新触媒と組み合わせて用い、再生処理した触媒を全触媒量の20〜80質量%の範囲で用いることを特徴とする上記(13)に記載の重質油の水素化処理方法、
を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき説明する。
本発明は、重質油水素化処理プロセスにおいて、一旦使用して劣化した(使用済みとなった)水素化処理触媒に、特定の物性、組成となるように、選別、洗浄、酸化等の再生処理を施し、再度水素化処理触媒として使用できるものに再生する技術である。
すなわち、本発明の再生処理した重質油水素化触媒(以下、本発明の再生触媒という)は、無機耐火性酸化物担体に、周期表第4族、5族、6族、9族、10族及び14族に属する金属及び炭素分を含む、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、前記周期表第4族に属する金属の含有量が、該金属の酸化物基準で0.5〜20質量%であることを特徴とする。以下、再生触媒における金属の含有量とは、特に記さない場合を除き、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、酸化物基準で示す(但し、バナジウムを除く)。
【0015】
本発明の再生触媒が用いられる、重質油の水素化処理には、下記の重質油に対する各種の水素化処理を含み、主目的の水素化処理反応のみの場合はもちろん、他の水素化処理反応と同時に進行する反応を行わせたり、他の反応の前処理や後処理のための水素化処理をも含む。
【0016】
重質油の水素化処理プロセスにおいては、いろいろな目的で重質油の処理が行われる。主目的は脱硫、分解であるが、同時に金属分や窒素分を除去する目的も兼ねている場合が多い。たとえば、重油製造のための脱硫プロセスでは、製品重油の硫黄含有量のほか、窒素含有量、金属分含有量は製品の重要な品質管理項目となっている場合が多く、これらの項目に合致する製品重油を得るために重質油の水素化処理が行われる。
【0017】
また、重質油脱硫プロセスはガソリン製造用の接触分解プロセスの前処理用に利用されることがあるが、接触分解用の原料としては硫黄分だけでなく窒素分、金属分の低減や芳香族炭化水素類への水素添加が必要となる場合がある。さらに、これらの水素化処理プロセスにおいて付加価値の高い軽油留分を多く得るために分解機能をも同時に要求される場合もある。また、水素化分解プロセスのように分解触媒の触媒毒となる原料油中の窒素化合物を予備的に脱窒素反応により除去する場合もある。
従って、本発明において「水素化」とは、上記のような脱硫、脱窒素、脱メタル、脱芳香族、分解等の全てを包含する概念である。
【0018】
本発明の再生触媒は、例えば、重質油の水素化脱硫触媒の製造方法に従って新たに製造された触媒(新触媒)を、常圧残油の水素化脱硫処理に一年間使用し、所定の触媒性能が失われた使用済みの触媒(以下、劣化触媒という)となったものを、反応器から抜き出し、後述する再生処理方法により再生することによって得られる。
ここで、新触媒とは、水素化処理に用いられる触媒であって、触媒として製造され一度も水素化処理に使用されていないものは勿論、一旦水素化処理に使用されたが、装置上のトラブル等のため短期間で使用を中断し、再度そのまま使用できるものも含まれる。すなわち、一時的に使用されても、未だ所定の触媒性能を有しており、特別の賦活処理や再生処理をしなくとも、そのまま水素化処理に使用できる触媒をいう。また、水素化処理に使用するための前処理として硫化処理を施したものも含まれる。なお、水素化処理する対象油としては、重質油が一般的であるが、重質軽油等の留出油であってもよい。
【0019】
劣化触媒には、上記重質油等の水素化処理に使用され、重質油中のバナジウム等の金属が触媒上に付着して所定の触媒性能を完全に失った、従来廃棄処理されていた使用済みの触媒のみでなく、未だ所定の触媒性能は完全には失われていないが、バナジウム等の金属の付着によりある程度汚染(劣化)された触媒をも含む。なお、劣化触媒には、一旦再生処理した触媒を再度使用した後のものも含まれる。
なお、反応器の最上流部や最上部で用いられた劣化触媒であっても、後述する再生処理により本発明の再生触媒の要件を満たすものであれば使用可能ではあるが、これらは通常、スケールや金属分が多く付着していることが多く、選別除去することが望ましい。
再生触媒とは、上記の劣化触媒を、後述する再生処理により賦活されたものをいい、重質油の水素化処理に利用できるものであればよい。
【0020】
次に、本発明の再生触媒の構成成分について説明する。
本発明の再生触媒は、無機耐火性酸化物担体に、周期表第4族、5族、6族、9族、10族及び14族に属する金属及び炭素分を含んでおり、該周期表第4族に属する金属の含有量が酸化物基準で0.5〜20質量%であることを特徴とする。
【0021】
本発明の再生触媒は、本来水素化処理能力を有する触媒である必要がある。そのための基本的な触媒構成として、無機耐火性酸化物担体(以下、担体ということがある)と、それに担持される触媒活性金属成分を必要とする。担体としては、例えば、アルミナ、アルミナ−リン、アルミナ−ホウ素担体(リン、ホウ素などはその酸化物を意味している)、シリカ−アルミナ、ゼオライト、活性炭などが挙げられる。触媒活性金属成分としては、主としてモリブデン、コバルト及び/又はニッケルが挙げられ、これらの金属の酸化物が上記担体に担持されたものが触媒構成として好適である。具体的には、アルミナ担体/ニッケル−モリブデン担持触媒、アルミナ−リン担体/ニッケル−モリブデン担持触媒やアルミナ−ホウ素担体/ニッケル−モリブデン担持触媒が特に好ましい。なお、リンやホウ素は便宜上担体成分としているが、担持成分として作用する場合を排除するものではない。
担体としてリンを含有する場合、本発明の再生触媒中のリン含有量は通常0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜8質量%である。再生触媒中のリン含有量は、400℃以上で酸化処理して減量しなくなったものを基準として、リンの酸化物基準の質量%として表す。
【0022】
本発明における第4族金属は、本発明の目的である、再生処理によって触媒担体の強度(特に、圧壊強度)が低下するのを防止するために、新触媒製造の際に担体に担持させる金属成分である。第4族に属する金属のうち、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)が好ましく、チタンが特に好ましい。これらの金属は、チタニア又はジルコニア等の金属酸化物として担体に担持される。
第4族金属を、新触媒製造時に担体に担持させるには、例えば、金属原料を、直接担体のゲルに混練して担持させることができる。この場合、カウンターの塩が残るものについては、洗浄によりこれを除去することが好ましい。残存する塩の無いものについては、担体に含浸させて焼成することによって担持させてもよい。ここで用いる金属原料は、特に限定されないが、例えば、チタンであれば、硫酸チタン、四塩化チタン、チタンアルコキシド、ペルオキソチタン水溶液、オキソチタン水溶液等、ジルコニウムであれば、硫酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの金属原料は、担体ゲルとの混合を良くするために、溶液状態であることが望ましい。
【0023】
本発明の再生触媒において、第4族金属の含有量は、0.5〜20質量%の範囲、好ましくは1〜10質量%の範囲である。第4族金属の含有量が0.5質量%未満では、再生処理による触媒強度(特に、圧壊強度)の低下を防止できず、逆に20質量%を超えても、それ以上の触媒強度の低下防止効果は得られず、新触媒の製造コストが高くなってしまう。
【0024】
第6族、9族及び10族金属は、いわゆる脱硫・脱メタル活性等を有する触媒活性金属であり、上述のように担体に担持される、水素化触媒としての基本的な構成要素である。これらの金属には、通常の水素化触媒製造方法によって、新触媒製造時に担体に担持されるものと、例えば、第10族金属のニッケル(Ni)など、重質油中に含まれており、水素化処理プロセスにおいて触媒上に蓄積するものの両者が含まれる。
第6族金属としては、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)が好ましく、モリブデンが特に好ましい。再生触媒のモリブデン含有量は、0.1〜25質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜18質量%の範囲である。
【0025】
第9族金属としては、コバルト(Co)が特に好ましい。再生触媒のコバルト含有量は、0.1〜25質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。
第10族金属としては、ニッケル(Ni)が特に好ましい。ニッケルは、上述したように、触媒活性金属成分であると共に、重質油中に含まれており、水素化処理プロセスにおいて触媒上に蓄積し、触媒性能(特に、脱硫・脱メタル活性)を低下させる成分でもある。従って、劣化触媒中のニッケルは新触媒製造時に担体に担持されているニッケル量よりも増加する。再生触媒のニッケル含有量は、0.1〜25質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜15質量%の範囲である。
【0026】
第5族金属としては、バナジウム(V)が特に好ましい。バナジウムは、通常、新触媒製造時には触媒中に含まれておらず、水素化処理される原料油中に含まれ、水素化処理プロセスにおいて触媒上に蓄積し、触媒を劣化させる主たる原因となる金属である。それ故、バナジウム含有量は、触媒劣化の指標とすることができる。再生触媒のバナジウム含有量は、金属基準で通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。バナジウム含有量が30質量%を超えると、再生触媒の活性が低すぎて全体としての水素化反応が十分進行しない。なお、新しく製造した触媒をバナジウムを含む油類で硫化処理しただけでも少量のバナジウムが付着する場合もあり、バナジウム含有量が少ないもの、特に0.1質量%より少ないものは、本発明で想定している劣化触媒とはいえない。従って、バナジウム含有量0.1〜30質量%、好ましくは0.2〜20質量%、さらに好ましくは2〜10質量%のときに、本発明の再生触媒の効果がより良く発揮される。なお、再生触媒のバナジウム含有量は、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなったものを基準とし、金属としての質量%で示す。
【0027】
本発明の再生触媒の製造(劣化触媒の再生処理)においては、バナジウムを除去していない。これは、バナジウムを酸等で溶解して除去しようとすると、触媒担体が侵され、圧壊強度を大きく低下させてしまうからである。また、酸等による金属の除去処理では、バナジウムのみでなく、触媒活性成分であるモリブデンやニッケル等も同時に除去されてしまい、触媒活性を低下させてしまう場合がある。従って、バナジウムを敢えて除去しないことは、触媒の圧壊強度を低下させないという効果のみならず、触媒活性成分であるモリブデンやニッケル等を再生触媒に保持させたままにするという効果をも与える。
【0028】
また、本発明の再生触媒には炭素分が含まれる。炭素分は、前述のように、水素化処理プロセスにおいて触媒上に析出するものである。再生触媒の炭素分含有量については、0.3〜15質量%、好ましくは0.3〜10質量%の範囲とすることが望ましい。再生触媒の炭素分含有量は、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理し、減量しなくなったものを基準として、触媒中の炭素の質量%で表すものとする。劣化触媒(使用済み段階)の炭素分含有量は、10〜70質量%程度であることが多いが、後述する再生処理により炭素分を触媒上から除去し、その含有量を低減することができる。炭素分が多すぎると、これが触媒表面を覆い触媒活性を低下させるが、再生処理により、炭素分含有量を適度に減少させれば活性を回復させることができる。しかしながら、触媒上の炭素分含有量が0.3質量%より少なくなるまで酸化処理すると、過度の酸化処理により、触媒上の活性成分が変質し活性を失ったり、過度の熱履歴によって触媒の圧壊強度を低下させる結果となる。
【0029】
厳しい水素化処理条件で使用した触媒や、再生処理のため酸化処理、特に燃焼処理を施した触媒は、触媒表面が過熱して触媒の細孔構造や担持金属の担持状態が変化し、触媒活性が低下してしまうことがある。これらを評価する指標として、触媒の比表面積と細孔容量がある。触媒の比表面積や細孔容量は、水素化処理反応に使用中の場合でも不純物の付着や反応中の熱による劣化等により徐々に減少するが、再生処理によって減少し易い。本発明の再生触媒として使用可能であるためには、使用前の新触媒であった時のおよそ70%の比表面積及び細孔容量が残っていることが望ましい。本発明の再生触媒の物性としては、それぞれ比表面積は、60〜220m/g、好ましくは100〜200m/g、細孔容積は、0.3〜1.2mL/g、好ましくは0.4〜0.8mL/gであることが望ましい。
【0030】
上記構成を有する本発明の再生触媒の圧壊強度は、0.8kgf/mm以上であることが好ましく、1kgf/mm以上であることがより好ましい。再生触媒の圧壊強度が0.8kgf/mm未満であると、これを用いて重質油の水素化処理を行った場合に、触媒が破砕してしまい、実用運転に耐えられない場合がある。
また、本発明の再生触媒を60rpmで30分間転動させた後の8mesh以上への粉化率(摩耗強度)は、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下である。摩耗強度が10%を超えると、触媒の充填時に粉が発生して装置が閉塞するという問題を有する場合がある。
【0031】
本発明においては、新触媒製造時に担体に第4族金属(特に、チタニア)を担持させ、且つ、再生処理に際し、適度に炭素分を除去することによって、所望の触媒性能及び上記の実用運転に耐えられる触媒強度(圧壊強度及び摩耗強度)を有する重質油水素化触媒が得られる。
【0032】
次に、本発明の再生触媒の形状及び大きさについて説明する。重質油の水素化処理に使用される触媒は、一般に、押出成形で製造されるものが多く、その形状は実質的に柱状である。その断面は円形のものが多いが、三葉型、四葉型など、外表面を多くする工夫をしてもよい。また、球状触媒もよく用いられている。球状触媒は、圧縮強度や耐摩耗性が特に要求される場合に使用される。本発明においては、触媒の形状は特に限定されないが、三つ葉型、四葉型が好ましい。
【0033】
上記形状の触媒は、一旦重質油等の水素化処理に使用すると、破砕や固着により、元の形状とは異なったものとなることがある。しかし、概ね元の形状のものが多く、本発明の再生触媒としては、元の形状のものを中心に使用することが好ましい。そのためには、例えば、塊状に固着したものや、粉化した触媒はふるい分け(選別処理)により除去することが好ましい。このような選別操作を行っていない再生触媒を反応器に充填して使用すると、原料油及び水素ガスを流通させて水素化処理をする段階で触媒層の圧力損失を大きくしたり、偏流を起こさせたりして、通常の水素化処理ができなくなることがある。特に、燃焼処理した触媒は、粉化したもの等を除去し、正常な形状のもののみを再生触媒として使用することが望ましい。この選別操作をしないと、初期活性は十分望める場合もあるが、触媒層で詰まりや偏流を起こしたり、反応器中での流体の圧力損失を大きくし、正常な運転が持続できなくなることがある。
【0034】
本発明の再生触媒は、形状は新触媒のときとは多少変化していてもよいが、大きさについては制御することが望ましい。実質的に柱状のもの(新触媒製造時に押出成形等で成形され、大部分の触媒の形状が柱状又はそれに近いもの)は、その軸方向の平均長さが1.6〜10mm、好ましくは2〜5mmであり、且つ1.5mm以下のものが10質量%以下、1.0mm以下のものが5質量%以下であることが望ましい。球状の触媒や、全体として柱状とは見られない触媒の場合は、その平均長さ(触媒の最も長い部分の距離を長さとみなす)が、2〜10mm、好ましくは2〜5mmであり、且つ1.5mm以下のものが10質量%以下、1.0mm以下のものが5質量%以下であることが望ましい。
【0035】
次に、本発明の再生触媒を得るための再生処理について説明する。
本発明の触媒の再生処理には、溶剤洗浄による油分等の除去、炭素分や硫黄分、窒素分等の燃焼による除去、塊状化したり細粒化した触媒の除去による正常な形状の触媒の選別などが含まれる。本発明における劣化触媒の再生処理としては、溶剤洗浄に加え、炭素分の酸化による除去処理(好ましくは反応器外での酸化処理による再生処理が望ましい)を含む。
【0036】
大量の炭素分が付着した劣化触媒の好ましい再生処理方法としては、劣化触媒を先ず溶剤洗浄する。用いる溶剤としては、例えば、トルエン、アセトン、アルコールや、ナフサ、灯油、軽油等の石油類が好ましい。その他、使用済み触媒上に付着した有機物を溶解しやすい溶剤であればよい。この洗浄処理は、触媒が水素化処理反応器中にあるうちに軽油を循環させて洗浄し、その後50〜300℃程度の窒素ガス等を流通させて乾燥させることでも達成できる。あるいは、軽油を循環させて洗浄した後そのまま抜き出し、発熱や自然発火を防ぐため軽油で濡れた状態にしておき必要なときに乾燥してもよい。また、反応器から抜き出した劣化触媒から塊状物、粉砕物や粉化触媒、スケール等を選別除去し、これを軽油で洗浄し、さらにナフサで洗浄して乾燥し易くする方法もある。少量の場合は、トルエンで洗浄する方法が油分を完全に除去するのに適している。
【0037】
溶剤洗浄により油分及び不純物を除去した触媒に、十分な活性を発揮させるには、さらに、酸化処理により炭素分を除去することが必要である。酸化処理は、一般には雰囲気温度及び酸素濃度を制御した燃焼処理により行う。雰囲気温度が高すぎたり、酸素濃度が高すぎると触媒表面が高温になり、担持金属の結晶形や担持状態が変化したり、担体の細孔が減少し触媒活性が低下してしまう。また、雰囲気温度が低すぎたり、酸素濃度が低すぎると燃焼による炭素分の除去が不十分となり十分な活性回復が望めない。望ましい雰囲気温度としては、200〜800℃、特に望ましくは300〜600℃である。
【0038】
酸素濃度は、1〜21%の範囲で制御することが望ましいが、燃焼方法、特に燃焼ガスと触媒との接触状態に対応して制御することが好ましい。雰囲気温度、酸素濃度、雰囲気ガスの流速などを調整して、触媒の表面温度を制御し、再生後の触媒中の水素化活性金属であるニッケルやモリブデンなどの結晶構造や結晶粒子の担持状態の変化を抑えたり、触媒の比表面積や細孔容量の低下を防ぐことが重要である。
燃焼処理した触媒は、粉化したもの等を除去し、正常な形状のもののみを再生触媒として使用することが望ましい。この選別操作をしないと、初期活性は十分望める場合もあるが、触媒層で詰まりや偏流を起こしたり、反応器中での流体の圧力損失を大きくし、正常な運転が継続できなくなることがある。
【0039】
本発明の再生触媒の製造においては、新触媒製造時に第4族金属を触媒担体に担持させること、触媒上に蓄積して触媒を劣化させる金属であるバナジウムやニッケルを、敢えて除去しないこと、及び触媒上に析出した炭素分を適度に除去することの相乗効果によって、再生触媒の触媒強度(圧壊強度及び摩耗強度)の低下を防止している。
【0040】
次に、本発明の再生触媒を用いる重質油の水素化処理方法(以下、本発明の方法という)について説明する。重質油の水素化処理の反応条件は特に制限されるものではないが、一般的な条件について説明する。水素化処理プロセスとは固定床反応器を用いるものが一般的であるが、移動床や沸騰床などの反応形式でも何ら支障はない。また、反応物の流れとしては、上昇流でも下降流でもよい。本発明の方法による、最も一般的な水素化処理としては、重質油の脱硫処理が挙げられる。
【0041】
そこで、固定床反応器による水素化脱硫処理を例として、本発明の方法を説明する。
本発明の方法における、水素化処理の対象である重質油とは、常圧残油、減圧残油などの残渣分を含むものをいい、灯油、軽油、減圧軽油などの留出油のみからなるものは含まない。通常重質油中には、硫黄分1質量%以上、窒素分200質量ppm以上、残炭分5質量%以上、バナジウム5質量ppm以上、アスファルテン分0.5質量%以上が含まれている。前記常圧残油等の他、重質油の具体例としては、例えば、原油、アスファルト油、熱分解油、タールサンド油あるいはこれらを含む混合油などが挙げられる。原料重質油としては、上記のようなものであれば如何なるものでもよいが、常圧残油、減圧残油、減圧残油又はアスファルト油と分解軽油の混合油などが好適である。
【0042】
本発明の方法における水素化脱硫処理の反応温度は、300〜450℃、好ましくは350〜420℃、さらに好ましくは370〜410℃、水素分圧7.0〜25.0MPa、好ましくは10.0〜18.0MPa、液空間速度0.01〜10h−1、好ましくは0.1〜5h−1、さらに好ましくは0.1〜1h−1、水素/原料油比500〜2500Nm/kl、好ましくは700〜2000Nm/klの範囲の条件が好適である。
【0043】
脱硫処理された生成油の硫黄含有量、金属分含有量(ニッケル、バナジウム)等は、上記反応条件のうちから必要な条件、例えば、反応温度を適宜選択して調整することができる。
なお、本発明の再生触媒は、上述のようにバナジウムやニッケル等を除去していないことから、新触媒と同等の触媒活性を有していない。従って、再生触媒のみを用いて重質油の水素化処理を行うことは可能であるが、商業運転を考慮した場合、再生触媒と新触媒とを組み合わせて反応器に充填することが好ましい。用いる触媒のうちの20〜80質量%、好ましくは25〜75質量%を再生触媒とし、残りの部分を新触媒とすることが好ましい。20質量%未満でも、80質量%を超えても、組み合わせ充填の効果が減少する。
以上のように、本発明の重質油水素化処理方法によれば、従来再生使用できず廃棄されていた劣化触媒を有効に活用することができ、残油等の水素化処理が可能となる。
【0044】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限されるものではない。
実施例1
(1)新触媒の製造
純水2リットルに水酸化ナトリウム70gを溶解させ、さらに、アルミン酸ナトリウム200gを添加して均一なアルミナ溶液(B1)を得た。また、純水2リットルに硝酸アルミニウム1,000gを溶解させ、アルミナ溶液(A1)を得た。先ず、純水4リットルを70℃に加温し、撹拌しながら、pH3.6になるまでアルミナ溶液(A1)を添加した。次にpH9.0になるまでアルミナ溶液(B1)を添加して、5分間撹拌しながら熟成させた。続いて再びアルミナ溶液(A1)を添加してpHを3.6とし、撹拌しながら5分間熟成させた。このように、pHを3.6から9.0の間で変化させる操作を計9回繰り返してベーマイトゲルB水溶液を得た。
【0045】
ベーマイトゲルB水溶液に、希硫酸を滴下してpH6.0に調整した。そして、硫酸チタン水溶液(硫酸13質量%含有硫酸チタン30質量%水溶液)を脱イオン水で2倍に希釈したものをTiO/Al(質量比)が5/95になるように添加し、5分間撹拌後、10質量%アンモニア水をpH8.0になるまで添加して、5分間撹拌した。得られた硫酸チタン担持ベーマイトゲルを濾過し、脱イオン水で洗浄して、硫酸イオンを除去した。このゲルの水分を乾燥により調節して直径1.5mmの四葉形に押出成形し、120℃で16時間乾燥させ、さらに550℃で2時間焼成してチタニア担持アルミナ担体(C1)を得た。
【0046】
次に、炭酸ニッケル69.5g(NiOとして27.3g)、三酸化モリブデン94.5g、正リン酸48.7g(純度85%:Pとして19.5g)を純水250mLに加えて、撹拌しながら80℃で溶解させ、室温に冷却後、再び純水を加えて250mLに定容し、含浸液(S1)を調製した。
含浸液(S1)を50mL採取し、ポリエチレングリコール(分子量400)6gを添加して、担体(C1)100gの吸水量に見合うように純水にて希釈・定容し、常圧にて含浸させ、70℃で1時間真空乾燥後、120℃で5時間、さらに500℃で3時間熱処理し、触媒1を調製した。得られた触媒1の組成及び物性を下記第3表に示す。
尚、触媒1の圧壊強度はASTM D4179に準じて測定したところ、3.5kgf/mmであった。
【0047】
(2)劣化触媒の製造
上記(1)で得られた触媒1を、ステンレス製のサンプルバスケットに充填して、商業運転実装置内で1年間水素化処理に用い、劣化触媒1を得た。得られた劣化触媒1の組成及び物性を下記第3表に示す。
また、この劣化触媒製造のために使用した平均的な原料油(常圧残油)の性状とその測定法を第1表に、脱硫反応条件を第2表に示す。尚、反応温度は第2表に示す生成油中の主成分の硫黄含有量が0.3質量%となるように制御した。
【0048】
【表1】
Figure 2004148139
【0049】
【表2】
Figure 2004148139
【0050】
(3)再生触媒の製造
(2)で製造した劣化触媒1をサンプルバスケットから抜き出し、ふるい分けにより塊状物と粉化物を除去した後、トルエンで十分に洗浄した。次いで、十分な空気の存在下で、400℃、3時間焼成し、得られた触媒を冷却後、ふるい分けにより塊状物と粉化物を除去して再生触媒1を得た。得られた再生触媒1の組成及び物性を下記第3表に示す。
再生触媒1へのバナジウムの蓄積量は、新触媒基準で、金属として5.8質量%であった。また、再生触媒1の圧壊強度をASTM D4179に準じて測定したところ3.2kgf/mmであった。
【0051】
【表3】
Figure 2004148139
【0052】
比較例1
実施例(1)新触媒の製造において、硫酸チタン水溶液を添加しなかった以外は実施例と同様の処理を行い、触媒2、劣化触媒2及び再生触媒2を得た。得られた触媒の組成を下記第4表に示す。
触媒2及び再生触媒2の圧壊強度を測定したところ、それぞれ3.2kgf/mm、0.6kgf/mmであった。
【0053】
【表4】
Figure 2004148139
【0054】
上記第3表及び第4表の結果及び再生触媒の圧壊強度の比較から、触媒担体にチタニアを含む水素化触媒は、再生処理を施しても、通常運転に耐えられる圧壊強度を有していることがわかる。
【0055】
試験例:再生触媒の評価
小型高圧固定床反応器(容量200mL)に、100mLの再生触媒1(実施例1)を充填した。これを、硫化剤であるジメチルジスルフィド(DMDS)を添加し硫黄濃度を2.5質量%に調整した軽質軽油を、135kg/cm水素気流中、250℃で、24時間通油し予備硫化処理をした。その後、常圧残油を水素化脱メタル処理した脱メタル処理油を原料として水素化脱硫反応を行った。水素化脱メタル処理油及び生成油の性状とその測定法を第5表に、脱硫処理条件を第6表に示す。
【0056】
【表5】
Figure 2004148139
【0057】
【表6】
Figure 2004148139
【0058】
第2表及び第5表の結果から、再生触媒1を用い、新触媒の場合(第2表の条件)とほぼ同等の反応条件(第5表の条件)で、十分な重質油の脱硫処理ができることがわかる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によって、従来廃棄処理されていた使用済みの水素化触媒を再生し、有効に活用することが可能となった。
本発明の再生触媒は、再生処理による圧壊強度及び摩耗強度の低下が少なく、実用運転に耐えられる触媒強度を有している。
本発明の重質油の水素化処理方法によれば、再生触媒を有効に活用して、残油等の水素化処理が可能となった。

Claims (14)

  1. 無機耐火性酸化物担体に、周期表第4族、5族、6族、9族、10族及び14族に属する金属及び炭素分を含む、劣化触媒を再生処理した重質油水素化触媒であって、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、前記周期表第4族に属する金属の含有量が、該金属の酸化物基準で0.5〜20質量%であることを特徴とする再生処理した重質油水素化触媒。
  2. 再生された触媒の圧壊強度が0.8kgf/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  3. 周期表第4族に属する金属の含有量が、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で1〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  4. 周期表第4族に属する金属が、チタン又はジルコニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  5. 周期表第4族に属する金属が、チタンであることを特徴とする請求項4に記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  6. 周期表第5族に属する金属の1種としてバナジウムを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、金属基準で0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  7. 炭素分の含有量が、劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった再生触媒を基準として、炭素元素基準で0.3〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  8. 周期表第6族に属する金属の1種としてモリブデンを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  9. 周期表第9族に属する金属の1種としてコバルトを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の再生処理された重質油水素化触媒。
  10. 周期表第10族に属する金属の1種としてニッケルを含有し、且つ、該金属の含有量が、前記劣化触媒を400℃以上で酸化再生処理して減量しなくなった後の再生触媒を基準として、該金属の酸化物基準で0.1〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  11. 触媒の比表面積が、60〜220m/gであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  12. 触媒の細孔容積が、0.3〜1.2cc/gであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の再生処理した重質油水素化触媒を用いることを特徴とする重質油の水素化処理方法。
  14. 再生処理した重質油水素化触媒を、新触媒と組み合わせて用い、再生処理した触媒を全触媒量の20〜80質量%の範囲で用いることを特徴とする請求項13に記載の重質油の水素化処理方法。
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